【内閣委員会】宇宙活動法改正案/宇宙の軍事利用には反対

 宇宙活動法改正案の採決を行い、自民、維新、中道などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。私は質疑で、宇宙の軍事利用が進む実態を追及しました。

 法案は、ロケット打ち上げの許可制度の対象を人工衛星を搭載しないロケットにも拡大するもの。私は民間の宇宙活動を規律するルールは必要だと指摘したうえで、宇宙の軍事利用には反対だと強調。本法にもとづいて打ち上げられた国が運用する人工衛星にはどのようなものがあるか質問しました。内閣府は、防衛省が使用するXバンド通信衛星や、米宇宙軍のセンサーを搭載した日本版GPS衛星などをあげました。私は、軍事目的の人工衛星は「平和の目的に限る」と掲げた国会決議に反するのではないか、と追及。小野田紀美内閣府担当大臣は「専守防衛の範囲内だ」と答弁しました。私は、防衛省がスタンドオフ防衛能力の実効性確保を目指して衛星コンステレーションPFI事業を実施していることを確認し、「長射程ミサイルであるスタンドオフミサイルは、敵基地攻撃能力の保有につながる」と指摘。安保3文書では、米国との協力の深化を謳い、米国による先制攻撃も辞さないIAMD構想の強化を掲げているとして、米軍の指揮統制下に組み込まれた自衛隊が、米国の無法な先制攻撃に参加することになると強調。「宇宙の軍事利用には反対だ」と主張しました。

以下、反対討論の全文です。
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 私は、日本共産党を代表して、宇宙活動法改正案に対し、反対の討論を行います。

 本案は、これまで地上から管制される人工衛星の打ち上げに限られていた許可制度の対象を、人工衛星を搭載しない多様なロケットの打ち上げに拡大するなど、ロケットの打ち上げに着眼した規制体系に変更するものです。

 民間企業が宇宙活動に参加するにあたって、その活動を規律するルールは必要です。しかし、2008年に成立した宇宙基本法に、宇宙開発利用は「安全保障に資するように行われなければならない」と盛り込まれ、軍事を目的とする宇宙の開発利用が推し進められてきました。

 2016年に成立した本法も、この宇宙基本法の基本理念に即したものであることとしており、軍事目的の打ち上げ、衛星管理を推進するものとなっています。実際に、本法に基づいて、この10年間で、自衛隊統合幕僚監部の下で統合運用を図る防衛省のXバンド通信衛星や、米宇宙軍が運用するセンサーを搭載し、米国のGPSと互換性を持つ日本版GPS衛星などが、軍事目的の人工衛星として打ち上げられてきました。情報収集衛星も民間の打ち上げであれば、その対象となりうるものです。

 さらに、2022年の安保三文書を受けて策定された第5次宇宙基本計画や宇宙安全保障構想では、民間の宇宙技術を我が国の防衛にも活用することで我が国の宇宙産業の発展を促していくとされ、民間事業者を組み込んだデュアルユース、軍民両用技術の一層の開発促進を掲げています。米国の軍事戦略と一体に、ますます軍事目的偏重の宇宙開発となるのは明らかです。
 平和憲法に反し、「平和の目的に限る」とした国会決議から逸脱するものです。宇宙開発の軍事利用の拡大につながる本案には、到底賛成することはできません。以上申し述べ、反対討論を終わります。 

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宇宙の軍事利用に反対/衆院内閣委で塩川氏

「しんぶん赤旗」6月12日・2面より

 宇宙活動法改定案が10日の衆院内閣委員会で、自民、維新、中道などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。塩川鉄也議員は質疑で、宇宙の軍事利用が進んでいる実態について追及しました。

 法案は、許可制度の対象を、人工衛星を搭載しないロケットにも拡大するもの。塩川氏は、民間の宇宙活動を規律するルールは必要だと指摘したうえで、宇宙の軍事利用には反対だと強調し、現行の同法に基づいて打ち上げられた人工衛星のうち、国が運用する衛星にはどのようなものがあるかと質問。内閣府は、防衛省が使用するXバンド通信衛星や米宇宙軍のセンサーを搭載した日本版GPS衛星などを挙げました。

 軍事目的の人工衛星は「平和の目的に限る」とした国会決議に反するのではとの塩川氏の追及に、小野田紀美宇宙政策担当相は「専守防衛の範囲内だ」と答弁しました。

 塩川氏は、防衛省がスタンド・オフ防衛能力の実効性確保を目指して衛星コンステレーションPFI(民間資金等活用)事業を実施しているが、「長射程ミサイルであるスタンド・オフ・ミサイルは、敵基地攻撃能力の保有につながる」と指摘。安保3文書は、米国との協力の深化をうたい、米国による先制攻撃も辞さない統合防空ミサイル防衛(IAMD)構想の強化を掲げており、米軍の指揮統制下に組み込まれた自衛隊が、米国の無法な先制攻撃に参加することになると強調し「宇宙の軍事利用には反対だ」と主張しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年6月10日(水曜日)内閣委員会 第18号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 宇宙活動法の改正案について質問をいたします。

 宇宙活動法に基づき、政府は、ロケット打ち上げ実施者を相手方として政府補償に係る特定補償契約、超過補償契約を締結してきました。その中には、国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者というのも含まれるということでよろしいでしょうか。

○風木政府参考人 政府補償制度は、ロケットの落下等に伴い第三者損害が生じた場合に、許可を受けて打ち上げを行う者が被害者への十分な賠償を行うことができるための資力を担保すること等の目的から、責任保険契約等によって埋めることができない損害に関して政府が補償する仕組みです。

 これまで、宇宙活動法に基づき、政府は、打ち上げ実施者を相手方として政府補償契約を締結しておりまして、委員御指摘のとおり、その中には国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者も含まれております。

○塩川委員 国が運用する人工衛星を搭載したロケットの打ち上げ実施者も含まれているということであります。

 この政府補償の対象となったロケットに搭載された国が運用する人工衛星にはどのようなものがあるでしょうか。

○風木政府参考人 現行法施行後に政府補償の対象となったロケットに搭載された国が運用する人工衛星としては、準天頂衛星システム「みちびき」初号機後継機及び六号機、Xバンド防衛通信衛星「きらめき」三号、温室効果ガス・水循環観測技術衛星、GOSAT―GWがあります。

○塩川委員 情報収集衛星も含まれているということでよろしいですか。

○風木政府参考人 情報収集衛星につきましては、まず、打ち上げ事業者に打ち上げをお願いしているというケースがございまして、これは実際には、H2Aロケットにおきまして、宇宙活動法における打ち上げの許可を国の例外として取得しておりませんが、国が運用する人工衛星を搭載する形で打ち上げております。このケースは、国が打ち上げたという形で、かつ国が運用しているということでございます。

○塩川委員 そうすると、この宇宙活動法の政府補償の対象には直接はなっていないという例ということですか。

○風木政府参考人 内閣衛星情報センターの打ち上げにつきましては、自ら打ち上げを行うという事例がございまして、そのケースについては対象となりません。これは法の五十七条がございまして、そういうたてつけになっております。

○塩川委員 いずれにせよ、今お話がありましたように、準天頂衛星あるいはXバンド防衛通信衛星などを始めとして、防衛省などが運用する人工衛星の打ち上げについてもこの法律に基づいて政府補償が行われております。もちろん、国が打ち上げて国が運用するということは直接の対象外ですけれども、民間で打ち上げるような場合があれば当然政府補償の対象にはなってくるというのが、この法律のたてつけということであります。

 大臣にお尋ねいたします。

 こういった軍事用偵察衛星の性格も持つ情報収集衛星や自衛隊の通信衛星など、防衛省や内閣情報室が運用する人工衛星の打ち上げについても、この法律に基づき政府補償が行われ、また政府補償の対象となり得るということであります。軍事目的の人工衛星は、平和の目的に限るとして宇宙の平和利用を掲げた国会決議に反するものとなりはしないのか、この点についてお尋ねをいたします。

○小野田国務大臣 我が国の宇宙開発利用は、昭和四十四年の衆議院によるわが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議において、平和の目的に限り行うものとされていると承知しております。

 また、宇宙基本法においては、宇宙開発利用は安全保障に資するよう行われるものと位置づけられておりまして、憲法の平和主義の理念にのっとり、非軍事に限らず、専守防衛の範囲内で我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは、決議の文言及びその趣旨に反するものではないと考えております。

 引き続き、我が国の宇宙開発利用が、憲法の平和主義の理念にのっとり、専守防衛の範囲内で行われるよう適切に対応してまいりたいと考えます。

○塩川委員 専守防衛であればよいというのは、その後の宇宙基本法等々の改正、我々にとって改悪と言っていい、憲法の精神に反するような、宇宙の軍事利用を進めるという流れの中で今進められているという点でも、平和の目的に限るとした国会決議から逸脱していることは明らかであります。

 二〇二二年の安保三文書を受けて策定された第五次宇宙基本計画や宇宙安全保障構想では、民間の宇宙技術を我が国の防衛にも活用することで我が国の宇宙産業の発展を促していくとされ、民間事業者を組み込んだデュアルユースの一層の開発促進を掲げております。実際、専守防衛の範囲を超える宇宙の軍事利用が進んでいる実態があります。

 内閣府にお尋ねしますが、「みちびき」六号機に米国宇宙軍のセンサーを搭載をし、七号機にも搭載予定と承知をしております。このセンサーの使用目的は何でしょうか。

○風木政府参考人 御指摘の「みちびき」六号機と七号機には、米国の国防省が運用するセンサーを搭載しております。

 このセンサーでございますが、スペースデブリの増加を始めとする宇宙空間の混雑化による衛星衝突等のリスクに対応し、宇宙空間の安定利用を確保する観点から、スペースデブリ等の宇宙物体を宇宙空間から観測するためのものであります。

○塩川委員 デブリを観測するためのものという話ですけれども、米国防省、実際には米国の宇宙軍のセンサーとして搭載されるということなんですが、この米国宇宙軍のセンサーというのは、米軍の軍事目的に使用するということも排除されていないのではありませんか。

○風木政府参考人 この点につきましては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくホステッド・ペイロード協力に関する交換公文及び平和的目的のための宇宙の探査及び利用における協力のための損害賠償責任に係る相互放棄に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の附属書の修正に関する交換公文に基づいて実施されているものでございまして、個別の用途その他についてコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。

○塩川委員 いや、実際に、今説明されたようなセンサーの使用目的なんですけれども、アメリカの軍事目的に使用するということは排除されているのかということについてははっきりお答えにならなかったのは、それは、平和利用の目的に限るといった趣旨からいっても逸脱するものになるんじゃないかと思うんですが、もう一回お願いします。

○風木政府参考人 その点につきましては、米国の運用でございますので、この交換公文に基づいた運用というふうに御理解いただければと存じます。

 それから、そもそもこの日米SSA協力取決めに基づきまして、米国政府からも日本政府に対して宇宙物体に関する軌道の情報は共有されているところでございます。

○塩川委員 米軍の運用に関わるということで具体的なコメントがないということであります。米軍がどのような軍事目的で使うかも分からないのに平和利用に反しないとどうして言えるのか、このことが問われていると思います。米軍の活動を補完をする、そういう役割を果たすものとも言わなければなりません。

 あわせて、防衛省にお尋ねします。

 防衛省の衛星コンステレーション、PFI事業についてですけれども、この事業は、スタンドオフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指す事業だと承知をしておりますが、この事業の内容について説明をお願いします。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 防衛省としては、スタンドオフ防衛能力の実効性を確保するため、目標情報をより一層効果的に収集することを目的として、画像衛星コンステレーションを構築することとしております。

 本事業におきましては、PFI方式を採用いたしまして衛星コンステレーションを民間企業に保有させることとしておりまして、これによって、衛星の製造、打ち上げ、運用、地上施設の整備といった民間の優れた知見、技術を最大限活用することが可能であると考えてございます。

○塩川委員 長射程ミサイルであるスタンドオフミサイルは、反撃能力の保有につながる、敵基地攻撃能力の保有につながるものであります。安保三文書では、敵基地攻撃能力としてのスタンドオフ防衛能力を含むIAMDの強化を掲げ、米国との協力の深化をうたっております。

 宇宙空間を利用した情報収集は、アメリカが進めるIAMD構想に不可欠というものではないかと思いますが、その点について防衛省にお尋ねします。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 今回、御指摘ございましたPFI事業などを含めまして、スタンドオフミサイルの整備、また反撃能力の保有というものは、我が国の安全を全うする上で不可欠な取組であるというふうに考えてございます。そのような形で我が国の防衛力を強化するとともに、日米同盟の抑止力、対処力を強化して我が国の安全に万全を期すというふうな形で我が国の安全保障政策を進めておるところでございますが、具体的な日米の協力内容についてこの場で詳細に述べることは差し控えさせていただきます。

○塩川委員 このIAMDは、米国が同盟国を動員をして、地球規模で張り巡らせているシステムであります。相手国からのミサイルを撃ち落とすミサイル防衛と、相手国に対して攻撃を行う敵基地攻撃を組み合わせたもの、米国の軍事的覇権を打ち立てるために行われているものであります。

 極めて重大なのは、米国がIAMDの基本原則として先制攻撃を行うことを選択肢にしているということであります。米国の統合参謀本部が作成したIAMDの基本原則には、敵の航空機やミサイルの離陸、発射の前と後の双方で破壊すると書かれております。先制的にも対処的にもなると、いわば先制攻撃を宣言をしているものであります。このことが明らかに示しているのが、米国による国際法違反の無法な先制攻撃によるイラン攻撃だったと言わなければなりません。

 米軍の指揮統制下に組み込まれた自衛隊も米国の無法な先制攻撃に参加することになり得る、宇宙開発の軍事利用には反対だということを申し上げて、質問を終わります。


○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、宇宙活動法改正案に対し、反対の討論を行います。

 本案は、これまで地上から管制される人工衛星の打ち上げに限られていた許可制度の対象を、人工衛星を搭載しない多様なロケットの打ち上げに拡大するなど、ロケットの打ち上げに着眼した規制体系に変更するものです。

 民間企業が宇宙活動に参加するに当たって、その活動を規律するルールは必要です。しかし、二〇〇八年に成立した宇宙基本法に、宇宙開発利用は安全保障に資するように行わなければならないと盛り込まれ、軍事を目的とする宇宙の開発利用が推し進められてきました。

 二〇一六年に成立した本法も、この宇宙基本法の基本理念に即したものであることとしており、軍事目的の打ち上げ、衛星管理を推進するものとなっています。実際に、本法に基づいて、この十年間で、自衛隊統合幕僚監部の下で統合運用を図る防衛省のXバンド通信衛星や、米宇宙軍が運用するセンサーを搭載し、米国のGPSと互換性を持つ日本版GPSが、軍事目的の人工衛星として打ち上げられてきました。情報収集衛星も、民間の打ち上げであればその対象となり得るというものであります。

 さらに、二〇二二年の安保三文書を受けて策定された第五次宇宙基本計画や宇宙安全保障構想では、民間の宇宙技術を我が国の防衛にも活用することで我が国の宇宙産業の発展を促していくとされ、民間事業者を組み込んだデュアルユース、軍民両用技術の一層の開発促進を掲げています。米国の軍事戦略と一体に、ますます軍事目的偏重の宇宙開発となるのは明らかです。

 平和憲法に反し、平和の目的に限るとした国会決議から逸脱するものです。宇宙開発の軍事利用の拡大につながる本案には、到底賛成することはできません。

 以上申し述べ、反対討論を終わります。