私は、電動キックボードの交通安全対策について取り上げました。電動キックボードは当初原動機付自転車(原付)同等の、免許必須、ヘルメット着用義務、歩道通行不可だったものを、23年の道交法改正(日本共産党は反対)で「特定小型原付」とされ、免許不要、ヘルメットは努力義務、一定の条件下で歩道通行可など、自転車と同程度まで交通ルールの規制が緩和された背景があります。
私は特定小型原付の台数に対する事故の割合が、自転車の約5倍と極めて高いことを指摘。そのうえでヘルメットの着用率について質問、警察庁は2025年で自転車がそれぞれ21.2%、特定小型原付が6.9%(レンタル事業者団体調べ)と答弁。私は事故におけるけがの部位について、ヘルメットが保護する頭や顔のけががそれぞれ17%、41%と特定小型原付が優位に多いことを指摘し、「前方に転倒することが多い特定小型原付こそ着用が必要」と政府に迫りました。
この背景には、事故の約9割を占めるレンタル使用の際、ヘルメットが常備されていないことなどがあります。私は「事業者に対しヘルメットの常備を義務付けるべき」と強く要求。あかま国家公安委員長は環境整備の重要性を認めつつも「事業者が取組も進めている」と答えるだけで安全対策から背を向けています。
私は、レンタル事業者が自らの利益のためにヘルメットに関する規制緩和を主張し、政府がそれに応えて規制緩和を行ったという経緯を指摘。「今こそ安全対策を優先すべき」と再度強く要求しました。
ヘルメット常備義務を/衆院内閣委/塩川氏/電動キックボード事業者に
日本共産党の塩川鉄也議員は12日の衆院内閣委員会で、電動キックボードの交通安全対策について取り上げました。電動キックボードは当初、原動機付自転車(原付)と同等に、免許は必須で、ヘルメット着用は義務とし、歩道通行は不可としていたものを、2023年の道路交通法改定で「特定小型原付」とされ、免許は不要に、ヘルメットも努力義務とし、一定の条件下で歩道通行を可能とするなど、自転車と同程度にまで交通ルールの規制を緩和した経緯があります。
塩川氏は、特定小型原付の総台数に対する事故件数の割合が、自転車の約5倍と極めて高いと指摘し、ヘルメット着用率について質問。警察庁は2025年で自転車がそれぞれ21・2%、特定小型原付が6・9%(レンタル事業者団体調べ)と答弁しました。
塩川氏は、事故によるけがの部位では、ヘルメットが保護する頭や顔のけががそれぞれ17%と41%と特定小型原付が有意に多いと指摘し、「前方に転倒することが多い特定小型原付こそ着用が必要だ」と迫りました。
この背景には、事故の約9割を占めるレンタル使用の際、ヘルメットが常備されていない問題などがあります。塩川氏は「事業者に対しヘルメットの常備を義務付けるべきだ」と強く要求。赤間二郎国家公安委員長は環境整備の重要性を認めながら「事業者が取り組みも進めている」と答えただけで安全対策強化の要求に背を向けました。
塩川氏は、レンタル事業者が利益のためにヘルメットに関する規制緩和を主張し、政府がそれに応えて規制を緩和した経緯を指摘。「今こそ安全対策を優先すべきだ」と再度強く要求しました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年6月12日(金曜日)内閣委員会 第19号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、電動キックボードの交通事故対策について、あかま委員長、警察庁にお尋ねをいたします。いわゆる電動キックボード、特定小型原動機付自転車、略して特定小型原付の交通事故についてお尋ねをいたします。
二〇二三年七月に施行された改正道路交通法によって、電動キックボードに係る規制緩和が行われました。それまで電動キックボードは、原動機付自転車、原付の交通ルールを適用し、免許必要、ヘルメット着用義務、車道通行ということでした。この法改正で、性能上の最高速度や大きさが自転車と同程度のものを原付から切り離して、特定小型原動機付自転車として自転車と同様の交通ルールを適用し、免許不要、ヘルメット着用は努力義務、歩道通行可とするものでした。
二〇二五年における自転車の保有台数の推計は、自転車産業振興協会によると五千二百五十万台であります。特定小型原付の登録台数は、二〇二五年四月一日時点で五万七千三百二十台と三桁違いますが、二〇二五年における自転車関連事故件数及び特定小型原付関連事故件数がそれぞれ何件か、警察庁にお尋ねします。
○日下政府参考人 お答えいたします。
令和七年中の自転車関連事故は、六万七千四百七十件発生しております。また、特定小型原動機付自転車関連事故は、同年中に三百八十六件発生しております。
○塩川委員 自転車保有台数に対する事故の割合を見ると〇・一三%、特定小型原付登録台数に対する事故の割合は〇・六七%。
特定小型原付の交通ルールを自転車と同じにしましたが、事故の割合は自転車の五倍となっております。特定小型原付の事故の割合は自転車に比べても極めて高いのではありませんか。
○日下政府参考人 お答えいたします。
特定小型原動機付自転車の事故の多寡について一概に申し上げることは困難でございますが、総務省の統計によれば、特定小型原動機付自転車の登録台数は、令和六年四月一日現在で約二万二千三百二十一台であったものが、令和七年四月一日現在では五万七千三百二十台と二・六倍に増加している一方、特定小型原動機付自転車関連事故の発生件数については、令和六年中に三百三十八件であったものが、令和七年中は三百八十六件と一・一倍の増加となっているところでございます。
○塩川委員 自転車との比較の話を聞いたんですけれども、お答えがありませんでした。
特定小型原付は自転車と同程度のルールの適用としましたが、自転車に比べて特定小型原付の方が事故の発生割合が五倍と極めて高いことは、重く受け止めるべきだと思います。
警察庁に続けてお聞きしますが、自転車及び特定小型原付におけるヘルメットの着用率は幾つでしょうか。
○日下政府参考人 お答えいたします。
令和七年六月に四十七都道府県で警察職員が実施した街頭調査によりますと、自転車の乗車用ヘルメットの着用率については二一・二%となっております。
他方、特定小型原動機付自転車の乗車用ヘルメット着用率については、シェアリング事業者が令和七年十二月に実施したアンケート調査によれば、回答者のうち六・九%が直近の特定小型原動機付自転車のシェアリングサービス利用時に乗車用ヘルメットを着用したと回答したとされております。
○塩川委員 ヘルメットの着用義務は努力義務でありますけれども、やはり着けることが求められているわけであります。
特定小型原付のヘルメット着用率については、事業者団体の日本マイクロモビリティ協会のアンケート調査で、先ほど答弁がありましたように、ヘルメット着用率は六・九%。自転車の二一・二%と比べても余りにも低過ぎると言わなければなりません。
もう一つ、関連して、自転車及び特定小型原付の死傷事故におけるヘルメット着用率というのはそれぞれ幾つでしょうか。
○日下政府参考人 お答えいたします。
令和七年中の自転車乗用中の死傷事故において、死傷した乗員の乗車用ヘルメットの着用率は一五・八%でございます。また、令和七年中の特定小型原動機付自転車乗用中の死傷事故において、死傷した乗員の乗車用ヘルメットの着用率は五・五%でございます。
○塩川委員 自転車が一五・八、特定小型原付が五・五ということで、亡くなったりけがをされた、そういう事故におけるヘルメット着用率は自転車に比べても三分の一と、余りにも少ないということであります。
死傷事故における特定小型原付のヘルメット着用率も低いもので、補足すると、特定小型原付の事故によるけがの場所はどこかといった場合に、頭部と顔、これで合わせて四一%。一方、自転車の場合には頭部と顔が一七%。自転車は脇に倒れますから。だけれども、電動キックボードは前に倒れるということで、顔や頭部を損傷する場合が非常に多いというのがやはり電動キックボードの特徴だということであります。だからこそ、事故時に頭部や顔を保護するためにも、特定小型原付こそヘルメット着用が必要なのに、浸透しておりません。
特定小型原付のヘルメット着用率が低いのはなぜでしょうか。
○日下政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、自転車と比べて特定小型原動機付自転車の乗車用ヘルメットの着用率は低くなっております。その要因といたしましては、自転車利用者と比べると、特定小型原動機付自転車利用者には乗車用ヘルメット着用が自らを守るために効果的であることが十分に理解されていないことや、乗車用ヘルメットを容易に利用できる環境が整備されていないことなどが考えられます。
○塩川委員 ヘルメットを容易に利用できる環境がないというのはどういうことなんですか。
○日下政府参考人 お答えいたします。
例えば、シェアリングの場合に、いわゆる貸出しの仕組みがまだ十分に整えられていないようなところが挙げられると考えております。
○塩川委員 レンタル、シェアリング事業者が運用している電動キックボードが多いということですけれども。
ちなみに、特定小型原付の事故に占める割合の八五・八%がレンタルだ、事故の九割近くがレンタルだということは、よろしいですかね。
○日下政府参考人 お答えいたします。
令和七年中に発生したシェアリングを含むレンタルの特定小型原動機付自転車に関連する事故は三百三十一件で、全体の八五・八%となっているとおりでございます。
○塩川委員 個人保有とかも当然あるんですけれども、圧倒的多数はシェアリング事業者が運用しているレンタルでの運用であるわけであります。そういう点では、レンタルでの利用が九割と圧倒的に多く、貸出しの際にヘルメットが常備されていないような場合もあるんじゃないのか、着用率が低いということにつながっているのではないのか。
そこで、あかま委員長にお尋ねいたしますが、このようなシェアリングサービス事業者に対して、特定小型原付にヘルメットを常備するように義務づけたらどうでしょうか。
○あかま国務大臣 先ほど委員の方から御指摘ありましたとおり、令和七年中に発生した特定小型原動機付自転車の事故について、運転者のいわゆる損傷部位で見ると、頭部が一七パー、顔の部分が一八パーとなっており、運転者を守るためにはいわゆるヘルメットの着用、これは非常に効果的であるというふうに理解しております。
まず、自ら守るためには、乗用時、ヘルメットの着用が効果的であることについて、先ほどの何で低いんだというお話に対して、利用者にいわゆる周知がまだまだ十分じゃないということで、その意味では、周知すること。さらに、シェアリング事業者と事故実態等を共有して、利用者がヘルメットを着用することが可能となるように事業者が環境整備を行うこと、これが重要であるというふうに思っております。
警察庁においては、シェアリング事業者に対して、令和七年の七月に、ヘルメットの着用促進のための実効的な取組の実施を含めた交通安全対策の強化について要請するなど、これまで事業者に対する働きかけを進めてきたところではございます。
また、事業者においても、そうした要請を受けて、ヘルメットを着用した者への料金割引サービスであるとか、ヘルメット貸出しなどの様々な取組を進めていると承知をしておりますが、更に着用を促進するためには、シェアリング事業者において取組を一層推進すること、その必要があるというふうに思っておりますので、しっかりと働きかけを強めてまいりたいと思っております。
○塩川委員 そういうことをやっても着用率が低いままなんですよ。だから、改めて、シェアリングサービス事業者に対して、特定小型原付にヘルメットを常備するように義務づけたらどうかと聞いているんですが、改めて。(発言する者あり)
○山下委員長 静粛に。
○あかま国務大臣 乗車時のヘルメット着用促進、これに向けては、まずは、事業者が様々な安全対策を講じること、これが重要であると先ほど答弁させてもらいました。
先ほど申し上げたとおり、現に事業者も様々な取組を通じながら、ヘルメットの着用が伸びるように取り組んでおるものと承知しております。我々においても、しっかりと強化するよう取組を推進してまいりたい、そう思います。
○塩川委員 いや、けがの割合が高い、頭部や顔の損傷が非常に強いといった電動キックボードに着目しても、ヘルメットについて、シェアリングが圧倒的多数なんですから、事業者側にしっかりとヘルメットの常備を求めるというのは、これは直ちにやる話じゃないかなと思います。
振り返ってみると、法改正のときに事業者側からは、ヘルメットがあると需要が下がってしまう、特に衛生上の観点、事業の継続性の観点からも緩和を要望したいと、ヘルメットの着用義務緩和の要求があったわけであります。
当時の議論でいいますと、ヘルメットを電動キックボードにくっつけても、雨にぬれるとヘルメットに水がたまって、それが利用にマイナスになるから常備するのは外してほしいなんという声もありましたし、当時コロナ禍でしたから、衛生上の観点からということで忌避する方もいるんだという話もありましたけれども、今はもう状況は違うわけですから、改めて、シェアリングのサービス事業者に対してこういったヘルメットの常備を求めていくということを強く求めまして、時間が参りましたので、終わります。


