【政治改革に関する特別委員会】企業・団体献金禁止に踏み出すべき/自民維新案「政党収入のあり方の検討」としながら政党助成制度を除く 

 政治資金関連3法案について、参考人質疑を行いました。

 私は、企業・団体献金に対する規制の歴史的経緯について「戦後、調的・質的規制が繰り返し行われてきたが、企業・団体献金そのものに問題があるからではないか」と質問。

 参考人の谷口将紀・東大教授は、企業・団体は国民と同様に献金の自由があるとした八幡製鉄事件の最高裁判決(1970年)は「学会において、とんだ勇み足だというのが定着している」とし、判決自体でも企業・団体献金の弊害防止までは否定していないと述べました。

 私は「企業・団体献金の未然防止を図ることによって、国民の権利を保障していく立場での法改正はありうる」とのべ、全面禁止に踏み出すことが今の課題だと強調しました。

 また、私は、本来なら国民からの寄附で支えられる政党の財政が政党助成金に依存することで「国営政党化」との批判があると指摘。自民・維新提出の法案は「政党収入のあり方を検討」としながら、多くの政党の収入の大半を占める政党助成金を除いていることを批判しました。

 参考人の中北浩爾・中央大教授は、政党財政について「政党助成金に依存しすぎるのは、政党の社会的基礎をもつ観点から問題だ」と述べました。

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塩川氏 企業・団体献金禁止こそ/与野党提出法案で参考人質疑

「しんぶん赤旗」6月23日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は22日、企業・団体献金の禁止・規制を巡って与野党が提出した3法案について、参考人質疑を行いました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は、企業・団体献金の規制の歴史的経緯について「戦後、量的・質的規制が繰り返し行われてきた。企業・団体献金そのものに問題があるからではないか」と指摘。参考人の谷口将紀東京大学教授は、「会社も政治的行為をなす自由を有する」として企業・団体は国民と同様に献金の自由があるとした八幡製鉄事件の最高裁判決(1970年)について「とんだ勇み足だというのが学会では定着している」と指摘し、判決自体も企業・団体献金の弊害防止までは否定していないと強調しました。

 塩川氏は「企業・団体献金の未然防止をはかることで国民の権利を保障していくという立場での法改正はありえる」と述べ、全面禁止に踏み出すことが今の課題だと強調しました。

 塩川氏は、本来ならば国民からの寄付で支えられる政党財政が、助成金に依存するのは「国営政党」だとの批判があると指摘。自民・維新の法案は「政党収入のあり方の検討」としながら、多くの政党で収入の大半を占める政党助成制度を除外していることを批判しました。

 参考人の中北浩爾中央大学教授は、政党財政について「政党助成金に依存しすぎるのは、政党の社会的基礎という点から問題だ」と述べました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年6月22日(月曜日)政治改革に関する特別委員会 第6号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 お二方には本当に、毎回のように御出席をいただき、ありがとうございます。

 最初に、中北参考人と谷口参考人、お二方にお聞きいたします。

 企業・団体献金の規制についてですけれども、立法事実のあるなしのお話がございました。戦後の歴史をたどってきたときに、やはり企業・団体献金の量的規制、質的規制ということが繰り返されてきた。補助金受給企業や赤字会社、外国人からの献金禁止もありましたし、献金額の上限規制も行われ、政党、政治資金団体以外への企業・団体献金を禁止する受領者規制なども行われてきたわけであります。

 こういう歴史的経緯を見たときに、企業・団体献金そのものにやはり問題点があるからこその規制措置も行われてきたのではないのか。そういう経緯も含めて、お考えをそれぞれお聞かせください。

○中北参考人 お答え申し上げます。

 今、塩川委員が御指摘いただいたように、様々な規制が既に企業・団体献金にはかかっております。その結果として、先ほど御紹介させていただいたように、一九九四年に比べると七分の一ぐらいにまで企業・団体献金は減少しているというのが現実であります。

 確かに、企業・団体献金に関わる様々な事件が生じていますけれども、これは職務権限に関われば贈収賄事件として立件され、処罰を受けるということになっていますので、こうした職務権限と関わるものではなくて、そうではなくて、政策がゆがむとか、ゆがむおそれがあるというところで更なる規制を加えることが適切なのかどうかというところが問われるわけだと思います。

 そうした中では、私は、やはり一層の公開強化、透明化という方向がまずは現段階では探られるべきではないか、このように考えている次第であります。

○谷口参考人 お答えをいたします。

 当委員会の審議においても何回か言及もされたところでございます八幡製鉄事件の最高裁判決におきましては、「会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」というふうにされたわけではございますが、これは、学界の通説としては、とんだ勇み足、とんだというところも含めてそういう表現をされているんですが、とんだ勇み足という理解が定着をしておりまして、判決自体も、企業・団体献金の弊害防止というものについては否定をしていないというふうに理解をされておるところと承知をいたしております。

○塩川委員 企業・団体献金、この未然防止を図ることによって国民の権利を保障していく、こういう立場での改正というのは当然あり得るわけで、私どもも、企業・団体献金禁止に踏み出すことこそ今の課題だ、自民党の裏金問題を契機にこの立場で臨むことが求められていると思います。

 次に、中北参考人にお尋ねいたします。

 今、公開、透明性のお話をされました。今国会に自民党が法案を出されないのは残念ということでしたけれども、去年の議論なんかにしても、さんざん、禁止より公開とあれほど言っていた自民党さんなんですが、何でその法案を出さないのかというのが自民党の立場に立っても疑問に思うところでありまして、私も理事会でお聞きしましたら、未定、検討中という話で、確たるお話はありませんでした。

 こういった、今国会に提出していない自民党の透明化の法案について、そういう提出していない自民党の政治姿勢について、中北参考人はどのように受け止めておられるでしょうか。

○中北参考人 お答え申し上げます。

 私は、自民党の事情に通じているわけではございませんので、なぜ今回出さなかったのかということについては少し分かりかねますけれども、個人的には残念であるということを言わざるを得ません。

 他方、自民党としては、党内のガバナンスにおいてきちっと公開をしていくということのようですので、その推移についてはしっかり見守っていきたいというところでございます。

○塩川委員 谷口参考人にお尋ねをいたします。

 中北参考人が、国営政党という批判をしておられます。この点について、政党交付金の依存が六割とか八割とか、そういう政党があるといった現状について、谷口参考人としては、そういった政党交付金依存の政党の活動についてどのように考えておられるのかについて御見解をお聞かせください。

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。

 二〇二四年の我が国の政党交付金は総額三百十五億円でございまして、これは、人口規模も勘案いたしますと、ドイツと比べて少額となっております。また、平成の政治改革以降の企業・団体献金の減少とも相関が見られるところでございますので、私は、いわゆる政党助成金廃止論にくみするものではございません。

 ただし、ドイツの公的助成制度におきましては、委員も御案内のとおり、得票数以外に、党費、個人献金の収入実績等も配分の基準とされており、この点は我が国の政党助成制度の見直しにおいては一つの参考になるものというふうに考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 中北参考人、谷口参考人にお尋ねいたします。

 自民、維新の政治資金プログラム法案ですけれども、政党収入の制度の在り方の検討としながらも、政党助成制度については直接触れるものになっておりません。やはり、国営政党という批判もありますし、今の運営の在り方として、政党の収入といった際に、政党助成制度を除いての検討というのはいかがなものかといった点、こういった自民、維新の政治資金プログラム法案が政党助成制度に触れていないという姿勢についてどのようにお考えか、お二方から御意見を伺いたいと思います。

○中北参考人 お答え申し上げます。

 私も、政党交付金制度を廃止すべきだとか違憲であるという考えに立つものではございませんが、余りにも政党交付金に依存し過ぎるということは、やはり政党の社会的基礎をしっかり持っていく、こうした観点からすれば問題があるというふうに考えておりますので、当然、政党の収入の大きな部分を占めるに至っている政党交付金についても検討の範囲に入れていくべきであると。

 特に、先ほどお話をしたように、議員数割の一部に女性議員数割を入れるといったような工夫もあり得ますので、この点についても是非、法案を修正するのか附帯決議になるか分かりませんけれども、しっかりと入れ込んでいただきたいな、このように考えております。

○谷口参考人 提案者において御指摘の点が入っていないということの理由については、私はつまびらかではございませんけれども、このようなところが広く国民の間に問題として共有されるのであれば、さきに設置されることが決まった政治資金監視委員会の所掌の中に政治資金制度に関して必要なことを提言する権能が与えられておりますので、必要と認められる場合にはそのような提言を行うことも可能だというふうに理解をしておるところでございます。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。