関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2027年度概算要求

関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2027年度概算要求の内容が明らかになりました。

 

いくつかのポイントを記すと

1)自衛隊駐屯地・基地の施設整備費が大きく膨らんでいる。今年度100億円超の自衛隊施設は、朝霞(168億円)・入間(185億円)の2か所だったが、来年度概算要求では5か所(朝霞124億円・百里144億円・熊谷108億円・府中242億円・入間270億円)となっている。しかも金額が明示されない「事項要求」も行っているので、さらに膨らむ可能性がある。

2)特に入間基地の施設整備費の増額が際立つ。2017~26年度の10年間で1142億円(当初予算+補正予算)もの巨費を投じてきたが、来年度はその1/4にもなる270億円という過去最大の概算要求を計上している。首都圏の中枢拠点としての機能強化が図られている。

3)基地機能の強化に伴う施設整備費の増加が目立つ。後方支援学校整備30億円(朝霞)。空中給油・輸送機(KC-46A)受入施設(シミュレーター受入施設)等の調査経費5億円(百里)。宇宙作戦集団の新編に伴う庁舎・隊舎の整備230億円(府中)。災害対処拠点整備(西武線のアンダーパス工事)70億円(入間)等。

4)防衛省・自衛隊の情報開示が後退している。防衛省は、これまで自衛隊施設所在自治体に対して概算要求の内容などを明示する資料を発出してきた。昨年の概算要求時には10施設(朝霞・相馬原・吉井・宇都宮・土浦・習志野・百里・横田・府中・入間)の資料を出していたが、今年は1施設(百里)のみとなっている。

 

詳細は以下の通りです。

1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)
横田飛行場提供施設整備 歳出ベース32億円 契約ベース52億1300万円
倉庫(燃料タンクやポンプ等の給油機器)、整備用格納庫(C130等)、駐機場、ユーティリティ(給水・給電・給汽)の老朽更新。
厚木海軍飛行場提供施設整備 歳出ベース5億5600万円 契約ベース(*)

雨水排水施設、車両工場改築

令和9年度概算要求について(厚木海軍飛行場に係る提供施設整備経費)

 

 

(クリックでPDFファイルが開きます)

所沢通信施設及び大和田通信所に関係する経費は要求していない

 

2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・新町・吉井・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・朝日・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」
朝霞駐屯地 約124億円

後方支援学校関連施設整備30億円。隊庁舎施設更新45億円。食厨(食堂及び厨房)建替40億円

大宮駐屯地 計上なし
 
相馬原駐屯地 約14億円

TACAN(飛行中の航空機に地上局からの方位と距離の情報を提供する装置)局舎老朽更新13億円。倉庫1億円

新町駐屯地 約14億円
庁舎老朽更新13億円。倉庫1億円。
吉井分屯地 計上なし

 

宇都宮駐屯地 (*)

空調設備の整備

北宇都宮駐屯地 約3億円
管路(ユーティリティ)整備2億円。教場の建替1億円。
勝田駐屯地 計上なし
 
土浦駐屯地 (*)

給油所の整備

霞ヶ浦駐屯地 (*)
調整池の整備
古河駐屯地 約20億円
隊庁舎老朽更新14億円。通信網(ユーティリティ)整備5億円。
朝日分屯地 (*)
給水所建替
習志野駐屯地 約24億円

隊庁舎更新22億円

木更津駐屯地 (*)
空調設備の整備
百里基地 約144億円

空中給油・輸送機(KC-46A)受入施設(シミュレーター受入施設)等の調査経費5億円。庁舎整備25億円。隊庁舎改修35億円。管路(ユーティリティ)整備10億円。作業所建替30億円。

航空自衛隊百里基地に関する令和9年度予算案の主要事業について

 

 

(クリックでPDFファイルが開きます)

熊谷基地 約108億円
隊舎の整備105億円(今年度予算措置とは別の隊舎)
横田基地 約6億円

隊庁舎の整備3億円。空調設備整備1億円。

府中基地 約242億円

宇宙作戦集団の新編に伴う庁舎・隊舎の整備230億円

入間基地 約270億円

浴場整備65億円。老朽施設更新設計費35億円。受配電設備更新25億円。滑走路改修20億円。災害対処拠点整備(西武線のアンダーパス工事)70億円。LED灯具更新10億円。管路(ユーティリティ)更新20億円。

 

3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空挺団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団、電子作戦隊)及びその他の主な部隊に係る予算(装備品等)
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞) 計上なし
 
第一空挺団(習志野) 約45.3億円
空挺傘・小銃等
第一ヘリ団(木更津) 約0.8億円
機関銃等
中央即応連隊(宇都宮) 約17.4億円
無反動砲等
特殊作戦団(仮称・現特殊作戦群)(習志野) 約45.3億円
「内容は公表できない」
中央特殊武器防護隊(大宮) 約0.2億円
酸素マスク等
対特殊武器衛生隊(三宿) 約0.5億円
生物剤対処用機材
国際活動教育隊(駒門) 計上なし
 
中央情報隊(朝霞) 計上なし
 
システム通信団(市ヶ谷) 約0.0億円
天幕等
水陸機動団(相浦) 約17.7億円
水際地雷原処理装置等
電子作戦隊(朝霞) 約70.2億円
対空電子戦装置等
情報作戦隊(朝霞) 約0.1億円
備品類
大井通信所(ふじみ野市) 約41億1100万円
保全警備システム等の整備1億3500万円。通信局舎・隊庁舎整備39億7600万円。
防衛医科大学校(所沢) 約213億円
医薬備品の整備等約37億円、患者に要する医療費約55億円、インフラ等整備費(施設整備)約34億円(学生宿舎建替)、学校の機能を維持する経費(維持管理費)約87億円。
航空医学安全研究隊(入間) 約32億円
低圧訓練装置改修30億円
航空機動衛生隊(小牧) 約0.6億円
訓練機材等
警戒航空団第二飛行群(電子飛行測定隊及び電子作戦隊)(入間) 計上なし
 
陸自化学学校(大宮) 1141万円
訓練用模擬剤140万円。NBC偵察車の試薬273万円。消耗品300万円。
陸自後方支援学校(朝霞) 7億46万円
25式高速滑空弾整備実習用機材2億9700万円。25式地対艦誘導弾整備実習用機材2億9700万円。

なお、金額欄の(*)は、防衛省が「予定価格が類推されることから提示不可」としたものを指す。

また、2027年度概算要求においては、これら以外に事項要求も行っている。