関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2019年度補正予算案及び2020年度予算案の内容が明らかになりました。
2019年度補正予算案のポイント及び2020年度予算案に関して9月の概算要求(塩川鉄也HPの「活動日記」2019年9月4日付をご覧ください)との主な変更点は以下の通り。
1)2019年度補正予算案のポイント
台風19号被害の改修費及び来年度予算分の一部を前倒しで計上。
2)2020年度予算案の概算要求との変更点について
木更津駐屯地に、オスプレイ暫定配備のための予算約3億円が計上された。オスプレイ暫定配備の受け入れが整った場合に備えて、緊急着陸帯(車輪が出てこない緊急着陸時のために緩衝材を設置)を整備する。また、オスプレイの整備機材用のコンテナを設置するためにコンクリート舗装を行う。
詳細は以下の通りです。
(1)2019年度補正予算案について
1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場) | ||
計上事業なし | ― | ― |
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2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」 | |
熊谷基地 | 約3億円 |
隊庁舎等の被害復旧。台風19号による隊舎等の屋根防水のはがれの修繕 | |
入間基地 | 約1億円 |
庁舎の改修0.5億円(屋根防水の改修)、調査工事0.4億円(基地内のユーティリティ・ライフラインの管路調査。2020年度予算分の前倒し) | |
その他は計上事業なし | - |
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3.陸上総隊司令部及び直轄部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団)及びその他の主な部隊について | |
防衛医科大学校 | 約1.2億円 |
医療備品整備1.1億円・変電設備改修0.1億円(2020年度予算分の前倒し) | |
その他は計上事業なし | ― |
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(2)2020年度予算案について
1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場) | ||
横田飛行場提供施設整備 | 歳出ベース 28億5600万円 |
契約ベース 9億3600万円 |
駐機場(老朽更新、CV用ではない 新規)、ユーティリティ(給電・給水 継続事業) | ||
厚木海軍飛行場提供施設整備 | 歳出ベース 億1600万円 |
契約ベース 11億1600万円 |
汚水排水施設調査5200万円、雨水排水施設本工事10億2400万円、ユーティリティ(給電)本工事4000万円。いずれも継続事業 | ||
所沢通信施設及び大和田通信所に関係する経費は要求していない |
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2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」 | |
朝霞駐屯地 | 約27億円 |
隊舎の新設12億円(女性自衛官教育隊舎の狭隘化による施設整備)。整備場の新設11億円(16式機動戦闘車整備のため。「2020年度末に配備される予定だが、現時点で配備部隊は未定」という。偵察隊を偵察戦闘大隊に衣替えし、機動戦闘車を配備する計画か。今年度、第一師団の偵察部隊が使用する庁舎新設経費3億円が計上されている)。 ※概算要求にあった朝霞市公共下水への接続工事負担金0.6億円は、朝霞市からの要請があり、来年度の計上は見送り |
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相馬原駐屯地 | 約24億円 |
隊庁舎の新設(部隊供用の既存施設の狭隘化のため) | |
土浦駐屯地 | 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明) |
隊舎(部隊供用)の改修 | |
霞ケ浦駐屯地 | 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明) |
実習場の改修(UHXヘリ整備要員の教育実習のため) | |
習志野駐屯地 | 約4億円 |
隊舎(部隊供用)の改修4億円(2棟の空調設備改修)。調査工事数百万円(隊庁舎の狭隘化による建て替えのための測量) | |
木更津駐屯地 | 約3億円 |
緊急着陸帯の整備(オスプレイ暫定配備の受け入れが整った場合に備えて整備。車輪が出てこない緊急着陸時のための緩衝材を設置)。コンクリート舗装の整備(オスプレイ暫定配備関連。整備機材用のコンテナ設置のための舗装を行う)。格納庫の補修(既存施設の老朽化対応。オスプレイ関連ではない) | |
百里基地 | 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明) |
燃料設備の改修(燃種変更に伴う機器の追加) | |
熊谷基地 | 約5億円 |
武道場の建替え(老朽更新。剣道場、柔道場を一か所に集約) | |
府中基地 | 28億円 |
庁舎の新設15億円(航空中央音楽隊の庁舎新築。1期と2期に分け、来年度は1期分を計上)。庁舎の建替12億円(航空開発実験集団司令部庁舎の耐震対策)。庁舎の改修0.8億円(宇宙作戦隊(仮称)の配備。宇宙状況監視(SSA)システムの運用の拠点として活用) | |
入間基地 | 約131億円 |
燃料貯蔵施設の新設17億円(C2受け入れ関連)。 倉庫(貨物ターミナル)建替え11億円(C2受け入れ関連)。 誘導路の改修7億円(C2受け入れ関連)。 航空医学実験隊(1・2部)庁舎の新設16億円。 航空安全管理隊庁舎の新設10億円(概算要求時の18億円を1期と2期に分け、来年度は1期分の10億円を計上)。 受配電設備の老朽更新8億円。 自衛隊入間病院の整備52億円(付属棟、教育棟、病院3期工事)。 災害対処拠点地区等の整備10億円(訓練場、構内道路、雨水排水)。 |
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大宮駐屯地、宇都宮駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、古河駐屯地、立川基地、横田基地はなし | - |
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3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団、電磁波作戦部隊)及びその他の主な部隊に係る概算要求額(装備品等)とその内容 | |
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞) | 計上事業なし |
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第一空てい団(習志野) | 約1.9億円 |
空挺傘損耗更新など | |
第一ヘリ団(木更津) | 約0.9億円 |
フォークリフトなど | |
中央即応連隊(宇都宮) | 約800万円 |
サーチライトなど | |
特殊作戦群(習志野) | 約1.7億円 |
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中央特殊武器防護隊(大宮) | 約1.0億円 |
除染車1両 | |
対特殊武器衛生隊(三宿) | 約0.1億円 |
生物剤対処用衛生ユニット維持 | |
国際活動教育隊(駒門) | 計上事業なし |
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中央情報隊(朝霞) | 計上事業なし |
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システム通信団(市ヶ谷) | 約6.0億円 |
無線搬送装置 | |
水陸機動団(相浦) | 約11.1億円 |
水中偵察装置(水際機雷探知)など。概算時要求に加えてボート0.5億円を追加 | |
電磁波作戦部隊 | 約100億円 |
ネットワーク電子戦システムを導入。電波情報の収集、有事の際の相手の電波利用を無力化 ※電磁波作戦部隊は来年度、健軍駐屯地(熊本県)に配備される。そのシステム予算は、すでに2017年度補正予算で措置されている。今回の100億円は、2022年度に新たに配備される電磁波作戦部隊(配備地未定)用の予算措置 |
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大井通信所(ふじみ野市) | 約3923万円 |
保全警備システムの保守整備293万円、通信所警戒監視要員(役務)の確保3630万円 | |
防衛医科大学校(所沢) | 約164億円 |
患者医療費39億円、学校機能維持費84億円、インフラ整備費27億円、医療備品整備14億円、防衛医学研究センター0.4億円 | |
航空医学実験隊(入間) | 約2.6億円 |
訓練機材(遠心力発生装置、操縦者作業負担度測定装置)の保守点検整備2億円、訓練用教材経費0.1億円、常圧低酸素訓練装置0.5億円 | |
航空機動衛生隊(小牧) | 約400万円 |
機動衛生ユニット維持費 | |
陸自化学学校(大宮) | 約570万円 |
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費 | |
航空戦術教導団電子作戦群(入間) | 約1.9億円 |
電子戦教育装置の換装 |