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第193 通常国会 2017/1/20~2017/6/18
日付:2017-07-27
2017年通常国会の取り組み【4】選挙制度・政治資金問題
(1)政治資金の収支公開の後退を批判
(4月12日、倫選特)
政治資金の収支の公開が後退している問題を取り上げました。
総務省・都道府県選管に届け出られた政治資金収支報告書の公開は、09年まで9月末でしたが、現在は11月末に遅くなっています。高市早苗総務大臣は、その理由を「07年の法改正により国会議員関係政治団体の制度が創設され、収支報告書の範囲が拡大、政治資金監査が義務付けられたことで、提出期限が2カ月延長されたため」とのべ、「事務の効率化もあるかもしれないが、適切に運用されている」と答弁。
私は、「事務量が増えたというが、全政治団体の5%程度の国会議員関係政治団体は、監査済みの報告書を提出しており、そのまま公表すればよい。公開を遅らせる理由にならない」と批判しました。
また、その法改定で、収支報告書をインターネット公表している都道府県選管は要旨を作成しないことも可能となりました。要旨が作成されない場合、公開期間の3年を過ぎると収支の概略すら見えなくなります。これまで作成されてきた要旨を作成していない選管は21府県に増加しています。
私は、「要旨の作成もネット公表も当然だ」とのべ、ネット公表されている収支報告書は削除せず公開し続けるよう提案。「政治資金規正法は、収支の公開で、政治活動を国民の不断の監視と批判のもとにおくことになっている。収支報告書は、そのまま速やかに公開すべきだ」と主張しました。
(2)地方議員任期短縮特例法案質疑
(4月20日、倫選特)
地方議員・首長の任期短縮特例法案を、自民、公明、民進、維新の賛成多数で委員会提出とすることを決めました。日本共産党は反対しました。
阪神・淡路大震災後、特例により任期を6月まで延長した兵庫県議・神戸市議・芦屋市議・芦屋市長・西宮市議の選挙は、4月の統一地方選挙で実施されているため、選挙期日と議員任期開始日にズレが生じています。
この法案は、2019年6月1日から10日までに任期満了となる地方議員・首長の任期を、それぞれの議会の議決によって短縮できるようにするものです。
私は「兵庫県の地方議会からの要望としながら、他県の自治体まで巻き込んでいることは問題だ」とただしました。
提出者の谷公一議員(自民)は、兵庫県だけを対象とすると、憲法95条に該当すると指摘を受けるため、このような規定にしたと答えました。
憲法95条は、特定の自治体だけに適用される法律は住民投票で過半数を得なければ制定できないとしています。
私は、「憲法規定を回避するための法律にしたことに無理がある」と指摘。統一地方選挙から離脱し選挙期日を任期開始日に近づければズレは解消すると述べました。
また、私は「1947年憲法施行前に全国一斉に実施された地方選挙は、それぞれの自治体の事情を経て、今がある。無理やり統一してしまうことは、住民の政治参加にも関わりかねない問題だ」と述べました。
(3)衆院定数削減と区割り改定法案質疑
(5月31日、倫選特)
衆院定数10削減と小選挙区の区割りを行う区割り改定法案について質問しました。
複数の選挙区に分割される市区町の問題について、「候補者がわかりにくい、選挙への関心が持てない」との声を都道府県があげていることに触れ、「このような有権者の想いを、どう受け止めているのか」と質問。
高市早苗総務大臣は「人口格差を2倍未満とするには、市区の分割は避けがたい。有権者や関係者に、丁寧に周知する」と答弁しました。
また、選挙実務を担う選挙管理委員会連合会が分割市区を「投開票事務の効率化を阻害する要因」だと指摘している。この約10年間の衆院選で選挙事務のミスの件数をただすと、総務省は3倍に増加していると答弁。
今でも、ギリギリの人員と経費で苦労している中、複数選挙区の管理執行を行う選管は、さらに負担が増し、選挙事務ミス増加の懸念があり、「選挙の公正性の障害とならないか」と質問。総務省は「きめ細かく支援したい」と答えました。
「このような事態を招いているのは小選挙区制をとり続けているからだ」。「憲法が求める投票価値の平等は、選挙区間の人口格差是正にとどまらない」と述べ、「第1党が4割の得票で7~8割の議席を獲得し、半数にのぼるいわゆる死票を生み出す小選挙区制は廃止せよ」と主張しました。