【内閣委員会】法案資料45カ所の誤り/デジタル法案/「説明を放置」と追及

 デジタル関連5法案、法案資料の計45カ所の誤りについて国会にも国民にも知らせず放置していたとして政府の責任を追及。大本に『菅首相の看板政策だからとにかく早く進める』という拙速な対応があったからではないか。そのことへの反省がまず必要だ、とただしました。

 政府は、2月12日に最初のミスに気付き、2月末には精査が終わり、こっそり内閣官房などのホームページを入れ替えていました。国会にはその報告もせず、4日夜に政府担当者が私に法案印刷物を届けに来た際、「法案提出時に届けたものと異なります」とだけ伝えてきました。誤り部分と正しい表記を並べた「正誤表」の提出を求めたものの放置。正誤表を持ってようやく8日に説明に来ました。

 私は3月初頭に報告を受けていたという平井氏や与党に対し、与党は正誤表もないのに(説明に)納得したのかと批判。

 平井担当相は、正誤表は配らなくていいという「強い思い込みで遅れた」との言い訳に終始しました。

 私は、行政府と立法府の関係が問われていると強調し、国会審議を軽視する政府・与党の姿勢を批判しました。

 平井担当相は謝罪し、月内に再発防止策をまとめる考えを表明しました。

 私が求めていたホームページ上での入れ替え日の記載と正誤表の掲載は、11日の夕方には行われています。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月12日 内閣委員会 8号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 私からも、冒頭、このデジタル関連法案について、要綱等、関連資料の間違いがあった、この問題について取り上げたいと思います。
 元々、四日の木曜日の夜に白表紙を政府の方が持ってきて、届けに来たついでのように、いや、若干間違いもありますのでみたいな説明だったんですよ。本来、そこで正誤表を持ってくるならまだしも、そういうのもなしに、正誤表の要求をしたにもかかわらず、ずっとそのまま放置されるような状況だった。
 大臣は、この正誤表そのものがいつできたかというのは御存じですか。
○木原委員長 すぐ出ませんか。
 速記を一回止めてください。
    〔速記中止〕
○木原委員長 速記を起こしてください。
 平井大臣。
○平井国務大臣 これは、五日の指摘を受けて、三月八日、九日、ですから、正誤表というのは八日、九日ということになるんですね。
 これも、随時作っていたもので、バージョン管理ができていなかったというのが今回の先生に御迷惑をかけた一つの原因になっているというふうに今調査しているところでございます。
○塩川委員 要するに、正誤表は三月の八日、九日だということですよね。
 そうなりますと、おとといの理事会に内閣官房、内閣府が、要綱等の誤りについてというペーパーを出しました。ここのところには、四日から国会の皆様に御報告を行っているとあるんです。要綱等の誤りについて四日から報告を行っている。これは、正誤表がない中でどうやっているんですか。
○平井国務大臣 ここが、修正済みの白表紙を配付することをもってきちんと対応になるとの思い込みが余りにも事務方に強かったということで、四日、五日に配付した際に正誤表をつけていなかったと。つまり、白表紙にこだわり過ぎたというふうに思います。
 そしてまた、御指摘のとおり、その時点で正誤表をつけなかったのは丁寧な対応ではなかったと思っており、大変反省しております。申し訳なく思っております。
○塩川委員 ですから、正誤表もないのに説明したと言えないんですよ。だって、どこが間違っているかって分からないんだから。何を直しましたということもないんだから。それを、報告しましたというのをペーパーで出してくるのがそもそもおかしいんじゃないですか。また理事会でこういう誤った説明をしているのかという話になるわけであります。
 それで、ホームページの差し替えの話もありました。
 内閣府の方は二月の二十六日、内閣官房の方は三月の一日ということですけれども、その処理を行ったのはいつなんでしょうか。(平井国務大臣「何の処理ですか」と呼ぶ)ホームページ上に記載をしたのはいつの時点ですか。
○平井国務大臣 内閣官房及び内閣府のホームページの国会提出法案資料の掲載に関して、誤りの箇所が確定した後、内閣府の所管法律案については二月二十六日に、また内閣官房の所管法律案については三月一日にそれぞれ修正したというところでございます。
○塩川委員 それを実際にホームページ上に記載をしたのはいつの時点なんですか。
○平井国務大臣 二月二十六日に手続をしたと思われますが、まだ正確には今分かりません。
○塩川委員 それは違うんじゃないですか。つい最近のことじゃないですか、直したのは。
 要は、二月の二十六、三月の一日の時点で間違いは分かっていました、ホームページ上も直しました、与党に対しては二十六、三月の一日に説明をしていました、直したタイミングですから。それなのに、国会への報告、国民への公表、それがずっと放置をされていた。ホームページ上の変更というのもつい最近のことですから。
 こういったように、国会、そして野党、国民の皆さんへの報告がこんなに遅れたというのはなぜなんですか。
○平井国務大臣 ホームページ等々は国民に対してオープンにするということだと思うんですが、今回、事務方において、国会に報告する資料としては、誤り部分を修正した白表紙を整えて配付することをもってきちんとした資料で対応したことになるという強い思い込みで遅れたと私は思っています。
○塩川委員 ですから、事前に取り寄せた人は間違っていると思わないんですよ。そのことについて何の配慮もないということですか。
○平井国務大臣 事前にお配りした人に関しては、修正があるということで、その白表紙をお配りしたと聞いております。
○塩川委員 ですから、正誤表はつけていなかったわけでしょう。それでどうして事前に配付をした人に対しての説明になるのかという話なんですよ。
 こういう形で、ホームページ上にはこっそりと直しました、元々二月二十六、三月一日に分かっていました、与党には説明しました、だけれども、国会において、野党に対してはずっと一週間以上も放置をした。それはなぜなのかというのをもっとしっかり答えてください。
○平井国務大臣 今回は、参考資料に誤りがあったこと、国会への説明が遅くなったこと、提出した正誤表が最終版ではない途中のものを配付したこと、この三点が我々の大きなミスで、おわびを申し上げたいと思います。
 ただ、何度も同じ答弁になって申し訳ないんですけれども、国会に対してはきちんとした資料で説明する必要があると考え、誤り部分を修正した白表紙を整えて配付することをもってきちんとした資料で対応したことになる、その思い込みが非常に強かったということでございます。
○塩川委員 大体、与党も、説明を受けたといっても、正誤表もない中で何で間違いが分かるんですかね。与党の皆さんはそれで納得されていたんですかね。そういう点でも、行政府と立法府の関係が問われているんですよ。法案審議をするというときに、こういった間違いについてきちんと報告もしない。
 こういった大本にはやはり、菅総理の看板政策だから、とにかく早く出す、早く進める、こういう拙速な対応が結果としてこういう事態になっているんじゃないのか。そのことへの反省がまずは必要なんじゃないですか。
○平井国務大臣 今回のことは本当に心からおわびを申し上げ、再発防止策についても、今、藤井副大臣とともに今月中に取りまとめたいというふうに思っておりますし、本当に先生方に御迷惑をおかけしたことに心から申し訳なく思います。
○塩川委員 本多さんが要求されておりましたけれども、一連の経緯についてきちっと調べて報告をいただきたい。それを踏まえて、また政府の対応方についてただしていきたいと思います。