【議院運営委員会】東京・京都・沖縄、まん延防止措置/第4波の危機感で/変異株検査抜本的強化を

 「まん延防止等重点措置」を東京、京都、沖縄の3都府県に適用するにあたって政府から事前説明を受け、質疑を行いました。

 私は、新型コロナの感染状況について、西村康稔担当大臣が事前説明のなかで「非常に強い危機感を持っている」と述べたのに対し、菅義偉首相は5日の参院決算委員会にて「現時点において、第4波といった全国的な、大きなうねりとまではなっていません」と述べていると指摘。菅総理と西村大臣の間で認識にずれがあるとして「いまや第4波に入りつつあるという強い危機感を持って対策に臨むべき局面だ」と強調しました。

 また、大阪、兵庫などで感染力が強い変異株の感染者が増加しているとして、「変異株検査の大幅な引き上げが必要だ」と指摘。

 西村大臣は「すべてが変異株に置き換わるということを頭に置きながら対策を強化していきたい」と述べました。

 私は、東京オリンピック・パラリンピックの実施は感染の再拡大や変異株の影響の拡大につながり、医療従事者にさらなる負担を強いることになると指摘。中止を含め開催の是非を検討すべきだ、と迫りました。

 西村大臣は「実効的なコロナ対策の検討を進めていく」と述べ、応じませんでした。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年4月9日 議院運営委員会 25号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 西村大臣は、冒頭の国会報告におきまして、全国的に新規感染者数の増加が続いており、変異株の感染も広がっている、非常に強い危機感を持っていると述べられました。
 この間の国会審議でも、例えば六日の参議院内閣委員会で西村大臣は、コロナの感染状況について、必ず波は起こる、ゼロにはできない、何度でも起こる、次の波が来ていると述べておりますが、一方で、菅総理は、五日の参議院の決算委員会での答弁で、現時点において第四波といった全国的な大きなうねりとまではなっていませんと述べております。
 菅総理と西村大臣の間で認識にずれがあるのではないか。今や第四波に入りつつあるという認識で対策に臨むべき局面ではありませんか。
○西村国務大臣 お答えを申し上げます。
 連日、菅総理には私も報告を行っておりますし、この感染状況、病床の状況など、厚労省からも報告がございますし、厚労大臣からもありますので、その状況認識は全く一致をしているところであります。
 総理がおっしゃられたのは、まさに緊急事態宣言の発出になるような、全国的かつ急速な蔓延のおそれの段階、ここには至っていないということを述べられたものと理解をしております。
 昨日も今日も総理とも話しておりますけれども、まさにまた次の波が来つつある中で、この波を大きな波にこれ以上しないために、抑えるために、今回、蔓延防止等重点措置を講じるということとしておりますので、認識は全く一致をしているところであります。
 何としても大きな流行にならないように、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
○塩川委員 総理の答弁が、非常に強い危機感、これをうかがえないようなメッセージになるということでは本末転倒だと言わざるを得ません。
 次に、大阪、兵庫など、従来よりも感染力が強い変異株の感染者の増加傾向が続き、変異株が主体となってきております。変異株の検査の大幅な引上げが必要ではありませんか。
○西村国務大臣 御指摘のように、この変異株、PCR検査の、いわゆるスクリーニング検査と呼んでおりますが、これを早期に全陽性者数の四〇%程度に拡大することとしているところであります。
 現在、関西圏においては、例えば神戸市などでも六割ぐらい検査をしておりますし、それ以外の都道府県でも、陽性者の数が少ないところは全数やったりしておりますが、そもそも検体の量も必要ですので、全てが全てできない場合もございますけれども、しかし、それぞれの地域でこの検査の比率を上げているところであります。
 関西圏では、もう既に変異株の割合は、昨日、兵庫県は九割というふうに、置き換わってきているという報告もありました。首都圏でも、一割程度だったものが更に上がっていく、やがては全てこの変異株に置き換わっていくもの、早晩置き換わるというふうに専門家の皆さんから御指摘をいただいているところであります。
 いずれにしましても、感染力も強いし、また、比較的若い世代も重症化するリスクがあるという報告もありますので、全てが変異株に置き換わるということを頭に置きながら、対策を更に徹底、強化していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 政府は、三月二十五日に聖火リレーをスタートさせるなど、オリンピック・パラリンピックの準備を進めております。しかし、オリンピック・パラリンピックの実施は、感染の再拡大、変異株の影響の拡大につながり、コロナ感染症治療、ワクチン接種に尽力している医療機関、医療従事者に更なる負担を強いることになりかねません。
 コロナ対策に全力を挙げるときであります。オリンピック・パラリンピックの中止を含めて、開催の是非について、東京都、組織委員会、IOCなどと協議、検討すべきときではないでしょうか。
○西村国務大臣 お答え申し上げます。
 東京大会におけるコロナ対策につきましては、国、東京都、大会組織委員会、そして感染症の専門家等によるコロナ対策調整会議において、実効的な対策の検討を進めているところであります。昨年十二月に中間整理をまとめられまして、それを踏まえて具体的な検討を進め、必要な対策を着実に実施することとしております。
 また、三月二十日に開催された五者協議、これにおきまして、海外からの観客受入れを断念することで合意をしております。また、国内も含めた観客の上限については、引き続き四月中に基本的な方向性を示すということで確認をされたと承知をしております。
 私の立場でも、感染拡大を抑えて、国民の命と健康を守ることを最優先に取り組んできておりますけれども、引き続き、主催者であるIOCやIPC、また東京都、組織委員会と緊密に連携をしながら、安心して開催できるように対応していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。