自民党派閥の裏金問題を巡り、「しんぶん赤旗」日曜版5月26日号がスクープした同党の鈴木馨祐(けいすけ)議員(党政治刷新本部作業部会座長)の裏金受領疑惑を追及しました。
日曜版の報道で、鈴木氏が代表を務める「自民党神奈川県第7選挙区支部」の2021年の政治資金収支報告書に、計6件66万円の寄付収入を記載していない政治資金規正法違反の疑いが発覚しています。
私は、報道の内容は事実かと質問。
鈴木氏は「事実だ。当時の資金担当者が変わったタイミングでミスがあった」と認め、「精査した結果、(不記載が)他に2件あったので、合計8件について記載を訂正した」と明らかにしました。
私は、自民党の政治資金規正法改定案の提出者である鈴木氏が違法行為を行っていたとして、「法案を出す資格がない」と厳しく批判しました。
鈴木氏が所属する「志公会」(麻生派)では、政治資金パーティー券の売り上げノルマ超過分をキックバック(還付)する仕組みがあったことが発覚しています。私は、麻生派関係者が「志公会の前身の為公会では、所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックは“裏金”で渡していた」と証言していると告発。麻生派所属議員の17年までの収支報告書には還付とみられる記載はなく、「麻生派では17年までは還付を裏金として渡していたのではないか」と迫りました。
鈴木氏は「おそらくそういったことはない」と答弁。
私は、日曜版(3月3日号)が告発した井上信治元万博相(麻生派)の裏金疑惑にも触れ、「麻生派も違法行為を行っていた点で立件された安倍派、二階派、岸田派と同じだ」「疑惑をまともに調べようともせずに、裏金問題の抜本的な解決を行えるはずがない」と批判しました。
論戦ハイライト/塩川氏追及/政治資金規正法「改正」自民案/法案提出者が法違反とは
「法案を提出する資格があるのか」。日本共産党の塩川鉄也議員は24日の衆院政治改革特別委員会で、政治資金規正法「改正」の自民党案の提出者である、同党政治刷新本部作業部会の座長・鈴木馨祐(けいすけ)議員の新たな裏金疑惑を追及。政治をゆがめる企業・団体献金の全面禁止を求めました。
塩川氏 パーティー券のノルマはいくらだったのか
鈴木氏 「記録ない」と開き直り
「しんぶん赤旗」日曜版5月26日号は、鈴木氏が代表を務める「自民党神奈川県第7選挙区支部」の2021年の収支報告書に、全日本不動産政治連盟神奈川県本部などからの計6件、66万円分の寄付収入が不記載だったと報じています。
鈴木氏は「これは事実です」と認め、「精査した結果他に2件あり、合計8件について記載を訂正した」「不適切な状況だった」と述べました。
塩川氏は「政治資金規正法の法案の提出者が政治資金規正法違反を行っていた。法案を出す資格はない」と批判しました。
鈴木氏が所属する志公会(麻生派)では、所属議員が派閥の政治資金パーティー券の販売ノルマを持ち、ノルマを超えて販売した場合のパーティー券代を議員側にキックバックする仕組みがありました。
鈴木氏は自身へのキックバック額について2018年94万円、19年22万円、20年158万円、21年126万円、22年86万円だったと答えました。一方、ノルマ額については「派閥の運営者の立場にないので、目標額を責任持ってお答えできない」などとして、答弁を拒否しました。
塩川 なぜ自分のノルマを説明できないのか。
鈴木 私の立場でわが派の目標額はいくらだったかお答えできない。
塩川 鈴木議員のノルマはいくらだったのか。
鈴木 記録を残していない。
塩川 知らないという話は通らない。
何度聞いてもノルマ額を答えず、説明責任を果たそうとしない鈴木氏らに塩川氏は「パーティー収入のキックバックが裏金になっていたことが問われている」「去年行ったパーティーのノルマすら答えられない人が答弁者になっていることが信じられない。あまりにも無責任だ」と批判しました。
また、麻生派や、鈴木氏など所属議員の18年以降の収支報告書にはキックバックとみられる寄付の記載があります。ところが17年以前は記載がありません。塩川氏は「志公会の前身の為公会では、所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックは裏金で渡していた」などの証言を示して追及しました。
塩川 17年までは派閥パーティーのキックバックを裏金として渡していたのではないか。
鈴木 報告書等の保存がなく申し上げられる状況ではない。そういったことはないと私自身の記憶では思っている。
塩川 麻生派の裏金疑惑について調査、検証し、国民の前に明らかにすべきだ。
鈴木 派閥の運営や当時の状況について責任ある立場でないので、お答えできない。
塩川氏は「まともに調べようともせずに、裏金問題の抜本的な解決を行えるはずがない」と批判しました。
鈴木氏 企業にも政治参加の自由がある
塩川氏 政治活動の自由と言いながら実際には賄賂政治の自由だ
「企業・団体献金は全面禁止し、企業との癒着・依存を断ち切るべきだ」―。塩川氏は、30年前の「政治改革」で「政党・政党支部への献金」と「政治資金パーティー券の購入」を認めて企業・団体献金を温存させた「抜け道」をふさぐことが必要だと迫りました。
塩川氏は、リクルート事件以降も国会議員や閣僚の汚職事件などが続き、企業のカネの力で政治をゆがめる問題に国民の批判が大きく広がったと指摘。「賄賂性をもつ企業・団体献金の全面禁止こそ国民主権を保障する道だ」と強調しました。
リクルート事件などが相次いだ1993年、「企業献金は廃止を含めて見直す」としていた日本経団連は2003年に通信簿方式の献金促進策を始めました。政党の通信簿をつけて、いい成績を取った政党への献金を加盟企業に呼びかけるものです。
塩川 金が欲しければいい成績を取れという露骨な政策買収の仕組みではないか。
鈴木 寄付をいただくこと自体が不適切ではない。企業にも政治参加の自由がある。
塩川氏は、経団連が通信簿の模範回答とし取り上げていたのが法人税など大企業の負担軽減と消費税の増税であり、自民党側への献金は今も続いていると指摘。「金も出すが口も出すという賄賂政治そのもので、政治活動の自由と言いながら実際には賄賂政治の自由だ」と断じました。
政党助成金
企業・団体献金禁止とともに問われているのが政党助成金です。「抜け道」により温存された企業・団体献金とともに二重取りが続いています。政党助成法施行以来、今年4月までに約9250億円もの税金がばらまかれ、自民党にはその半分の約4450億円が支払われています。
塩川 企業・団体献金と政党助成金の二重取りはおかしいとの国民の声にどう答えるのか。
鈴木 現行の法制度上、政党助成金が併存していることも考えれば二重取りという批判は当たらない。
塩川 国民の声は届かないということだ。
各党の運営資金に占める政党助成金の割合(2022年分)は、自民党64・3%、立憲民主党74・1%、日本維新の会72・3%です。塩川氏は、政党の運営資金の大半が税金という「官営政党」批判をどう受け止めるかと問いました。
鈴木氏は「企業・団体も含めて個人、法人も含めて寄付をいただく。そうした方々からの収入をしっかり確保できるよう今回法案の提出もさせていただいている」と答弁。立民・落合貴之氏は「国際的に見ると公費の割合が高い国もある」とし、維新・中司宏氏は「国民に広く薄く負担をお願いすることは、わが国の民主主義の発展のために意義がある」と述べました。
塩川氏は「自民党は企業・団体献金をもっと集めるという答弁だった」と批判。日本共産党が参院に提出している政党助成法廃止法案の実現に力を尽くすと強調しました。
「議事録」
第213回通常国会 令和6年5月24日(金曜日) 政治改革に関する特別委員会 第5号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
自民党案提出者の鈴木議員にお尋ねをいたします。
五月二十六日号のしんぶん赤旗日曜版は、鈴木議員が代表を務める政党支部に政治資金規正法違反の疑いがあることを報道しております。
鈴木議員が代表の自民党神奈川県第七選挙区支部の二〇二一年の収支報告書において、全日本不動産政治連盟神奈川県本部からの二十万円とか、神奈川県歯科医師連盟からの十万円など、計六件、合計六十六万円の寄附収入を記載をしていなかったということですが、これは事実でしょうか。
○鈴木(馨)議員 今御指摘の件につきましては、ちょうど二〇二一年の総選挙の時期であろうと思いますけれども、団体から受けた寄附につきまして記載が漏れていた、これは事実でございます。当時の資金担当者が、私どもの実際の実務の担当者が替わったというタイミングにおいてそういったミスがございました。
その点は深くおわびを申し上げますとともに、御指摘を踏まえまして更に精査をいたしました結果、ほかに二件ございましたので、合計八件について、この点については記載を訂正をしてございます。
これは私どもの事務所のミスでございますので、改めておわびを申し上げたいと思います。
○塩川委員 六件に加えて二件の計八件ということで記載が漏れていたということ、これらは政治資金規正法違反ということに当然なったわけですね。
○鈴木(馨)議員 そういった意味でいうと、今回の記載すべきものが適切に記載されていなかったということで、訂正をする前の状況は不適切な状況であったと思います。
○塩川委員 政治資金規正法の法案の提出者がこのように、不適切と言いましたけれども、政治資金規正法違反の行為を行っていた。これは、そもそもこの規正法の法案を出す資格がないということじゃありませんか。
○鈴木(馨)議員 今申し上げておりますように、この点は本当におわびをするよりほかない状況であります。
まさに、こうしたある意味での訂正を要するそういった状況、これは、与野党を通じて多くの方にも正直あることも事実であります。まさに、そうした中で、どのようにして政治資金というものをきちんと正しく報告書に載せるという規制をしていくのか。そのことはやはり、今回の法改正を通じて、そういった意味では、まさにそうした抑止をどう働かせていくのか、そういったことも大事だと思っておりますし、そのことは、私の経験も踏まえて、しっかりとした建設的な議論を行っていきたいと思っております。
○塩川委員 鈴木議員に関わっては、鈴木議員が所属をする志公会、麻生派では、所属議員が派閥の政治資金パーティー券の販売ノルマを持ち、ノルマを超えて販売した場合にはその分のパーティー券代をキックバックをする、還付をする、そういう仕組みがあると承知をしております。
そういう点では、政治資金規正法に違反する不記載の問題だけではなくて、このキックバック、今問題となっている裏金に関わるような問題について麻生派、志公会がどうかということを問うところですけれども、そこで、麻生派における派閥パーティーにおけるいわゆるノルマ額は幾らなんでしょうか。キックバック、還付の額というのは幾らだったのか、この点について鈴木議員にお答えいただきたい。
○鈴木(馨)議員 私どもは、麻生派と言われる、政治団体としては志公会ということになりますけれども、この団体におきましては、派閥の政経セミナーのパーティー券、政治資金パーティー券についての目標額というものを設定してございました。そして、それを超えた部分について派閥から寄附を受けるという形、これは記載をしてございますので、そういった意味では、今の法制度の中で合法な形で処理をしているものであります。
今、いわゆる目標額、ノルマが幾らかということでありますけれども、そこは派閥の運営に関わることでありまして、私もそのことは厳格に知らない状況でありますので、そこはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、受けた寄附ということで申し上げれば、私どもの政治団体において収入が記載され、さらには、相手方の志公会においても支出が記載をされているものについては、この寄附額、今、要は我々としてアクセスできるものについて申し上げれば、二〇一八年で九十四万円、二〇一九年で二十二万円、二〇二〇年で百五十八万円、二〇二一年で百二十六万円、そして二〇二二年で八十六万円、以上が、派閥、政策集団から受けた寄附でございます。
○塩川委員 キックバックの額について、二〇一八年から二二年の五年間の説明をもらいました。
このノルマ額についてなんですけれども、派閥の運営に関わることなので承知していない、知らないというのはよく分からない説明なんですが、鈴木議員御本人のノルマ額が幾らかというのを聞いているんです。
○鈴木(馨)議員 そこにつきましては、派閥の運営者というか、そういった立場に私もないものですから、その当時の目標額が幾らだったのか、そういったことは、私としてちょっと責任を持ってお答えできる状況にはございません。
そういった意味でいうと、私として把握ができるのは、団体上の寄附額、これは法律に基づいて処理をしているものでありますので、そこについては明確に御答弁できますけれども、派閥サイドの目標額が幾らだったのか、そこについては、私として責任を持ってお答えできる立場にはございません。
○塩川委員 自分のノルマですよ。だって、そのノルマを超えたら今言ったようなキックバックの額が出てくるわけですから、当然ノルマ額は承知しておられるわけで、何で説明できないんですか。林官房長官だって答えましたよ、岸田派ですけれども、二百万円とかと答えているじゃないですか。もちろん、安倍派あるいは二階派の幹部どころなども答えておりますけれども、これは別に、何か明かせないような秘密という話ではそもそもないわけで、正直に答えてもらえればいいと思うんですが。
○鈴木(馨)議員 この点については、明かせないとかそういう話ではなくて、恐らく当時の運用として目標額というものがあって、それを超えたものは寄附を受けているというふうに承知していますけれども、総額幾ら売り上げたのか、そこは派閥の方での管理ということに当方はなっていますので、そこで、そのとき、毎年毎年が幾らだったのか、そこについて私も今定かでは正直ない状況ですので、そこについては、今、私の立場で、我が派の目標額が幾らだったのかということをお答えすることができない状況であります。
○塩川委員 鈴木議員本人のでいいんですよ。鈴木議員としてノルマは幾らだったのかということなんですが。
○鈴木(馨)議員 正直、そこは、当方の様々なそういった資金を担当しているスタッフに聞いても、そこは記録を残しているわけではないものですから。その場で、要は、我が方としては振り込み先が派閥になっています。そういった中で、その目標額を超えた分について返ってきているという状況ですので、私どもとして把握ができるのはその超えた分ということは御理解いただきたいと思います。
○塩川委員 だって、目標額があると言ったじゃないですか。当然、各議員は知っているわけですよ。そういうことについて、知らないという話は通らないじゃないですか。どう考えたっておかしいですよ。はっきりと答えてもらいたい。
そもそも、裏金の問題が問われているときに、パーティー収入に関わって、当然ノルマがあって、それを超えた分がキックバックになる、それを収支報告書に書いていない、裏金になっているというこの事件なんですから、麻生派がどうだったのかというのを明らかにする上でも、全体についていろいろ、幹部じゃない立場で言えないとかというのは、それも容認できないけれども、少なくとも自分の額は分かるわけだから、それははっきり答えていただきたい。
○鈴木(馨)議員 正直、これは別に隠したいとかなんとかじゃなくて、毎年毎年は恐らく変わっていたんだと思います。なので、そういった意味でいうと、毎年の分というものを今正確に把握ができないのでというのが今の現状であります。
○塩川委員 去年の額とかは分かるでしょうが、事前に聞いているわけだから、質問通告もしているんだから。その確認をしなかったということなんですか。
○鈴木(馨)議員 そういったことで申し上げると、当方の事務所でそういった目標額についての記録がなかったというのが状況ですので、そこは必要があればまた調べてということになろうかと思いますが、そこについては、今、現状、私として把握をしておりません。
○塩川委員 はっきり答えていただきたいので、この後でもいいから、ちょっと電話一本入れて確認してもらいたい。是非はっきりさせていただきたい。
このことを強く求めると同時に、小倉さんは幾らですか。
○小倉議員 私が所属をしておりましたのは、志帥会と言われる政策集団でございます。この政策集団につきましても、目安というふうに言っていたようでありますけれども、派閥のパーティー券の目安を設定をして、それを超えた部分について政策集団が国会議員の政治団体に寄附する、こういう運用を行っていたと承知をしております。
そういった中で、私に対する志帥会からのこうした寄附につきまして、昨晩、委員から通告を受けまして、夜、急ぎ、事務所で確認しておりましたので、手元の数字ということで御容赦いただきたいと思いますが、平成三十年三十四万円、令和元年六十八万円、令和二年八万円、令和三年四十四万円、令和四年四十二万円となっておりますけれども、支出面、収入面のいずれにおきましても、資金のやり取りは全て収支報告書に記載されておりますので、政治資金規正法上何らの問題もなく、法令にのっとって適正に処理しているもの、このように認識しております。
○塩川委員 キックバックの額はそういうことなんでしょうけれども、ノルマは幾らですか。
○小倉議員 これも鈴木議員と似たような答えになってしまいますけれども、この目安につきましては、正確なところを理解しているのはやはり派閥の事務局でございます。私としては、なかなか、この目安につきまして責任を持って正確にお答えすることは難しいのではないかと考えておりますし、私の派閥は解散しておりまして、事務局もございませんので。笑い事ではないと思いますけれども、そういう意味では、確認をすることはなかなか難しいのではないかと思います。
○塩川委員 こんな去年行ったようなパーティーのノルマ額さえ答えられないような、こんな人が答弁者になっているということ、信じられないですよ。規正法の議論じゃないですか。そういった点でも、本当に無責任だと言わざるを得ない。
戻りますけれども、鈴木議員について、ノルマ額を言わないということ自身も許されないところですけれども、キックバックの額の話がありました。これは、もちろん、志公会側についての収支報告書でその金額も記録をされているわけですけれども、他方、二〇一七年以前の収支報告書ですね、ですから、二〇一八年から先ほど答えていただいたんですが、このキックバックに相当する金額の記載が見当たらないんです。ですから、このような、二〇一七年の鈴木議員の日本国家戦略フォーラム二〇二五を見ましても、二〇一七年にキックバックの記載がないんですよね。
この点について麻生派の関係者は、志公会の前身の為公会では、所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックは裏金で渡していた、派閥の例会で、名前を呼ばれた議員が別室に入ると、派閥幹部がキックバック分の現金が入った茶封筒を手渡したと証言をしているということであります。
麻生派においても、二〇一七年までは、派閥パーティーにおけるキックバックを裏金として渡していたのではないんですか。当事者としてお答えください。
○鈴木(馨)議員 正直、そこの、二〇一七年以前については、報告書等々も含めて保存がないということもありまして、私として、状況、これは正直、申し上げられる状況ではないですし、恐らくそういったことはないと私自身の記憶では思っております。
○塩川委員 収支報告書上は、二〇一七年までのところについてはキックバック額がないんですよ。二〇一八年から二二年は先ほどお答えになったようなキックバックの額が書かれているということになると、二〇一七年まではキックバックを裏金にしていたんじゃないのかということが、為公会側の収支報告書でもそのことが見て取れるということです。
麻生派、以前の為公会は、山東派の番町政策研究所などと合流をし志公会となった後の二〇一八年分から、キックバックの収支を派閥側、議員側共に政治資金収支報告書に記載し始めたのではないかと見られるわけであります。
そういう点では、同じ麻生派の井上信治議員については、志公会の、派閥側の二〇一八年の収支報告書においては、派閥から井上議員側に四百五十八万円の寄附がありましたが、井上氏側の収支報告書にはその記載がなかったわけであります。ですから、二〇一七年まで続いた裏金の伝統を引き継いで、井上氏側は不記載のままにしていたんじゃないのかということが問われるわけであります。
安倍派、二階派、岸田派の裏金が規正法違反で立件されましたが、違法行為を行っていたという点では、麻生派も五十歩百歩なんじゃないでしょうか。このような自らの派閥である麻生派の裏金疑惑について、調査、検証し、国民の前に明らかにすべきではありませんか。
○鈴木(馨)議員 私が所属をしておりました、かつて存在をした為公会でありますけれども、私の知る限り、適法に様々な処理をしていたと承知をしております。政治資金規正法上のとおりに処理をしているというふうに承知をしております。
その上で、派閥の運営、あるいはその当時の状況について、私として、責任がある事務局等の立場でもございませんので、その点についてはお答えをできないということは御理解いただきたいと思います。
○塩川委員 岸田総理は、法律上の責任以外にも、政治家として、説明責任、政治責任、そして道義的責任があるんだと言っているわけであります。この過去分についても、しっかりと調べることが誠意ある態度ではないでしょうか。麻生派の裏金疑惑についてまともに調べようともしないのでは、裏金問題の抜本的な解決策を行えるはずがないということを指摘せざるを得ません。
そもそも派閥の政治資金パーティーでは、議員に対する巨額のノルマ額が明らかになりました。安倍派では、事務総長の松野議員、高木議員は五百四十万円、会長代理の塩谷議員、下村議員は七百五十万円、二階派事務総長の武田議員は二千万円ということであります。
ノルマが増える派閥の幹部になるほど、多数購入してもらうために、結果として、企業への依存、癒着を深めることになっているんじゃありませんか。
○鈴木(馨)議員 今回の政治資金規正法改正の問題、これは、これまでも議論、様々ありますけれども、やはり特定の者の影響をどう排除するのか、資金によって政策あるいは行政がゆがめられることがあってはならない、そういったことが透明度を上げていく上での一番の趣旨であろうと思います。
そういった意味でいうと、今回のこの不記載事案、一連の我が党の一部の派閥及び所属の議員による不記載事案によって、行政プロセスであったり、あるいは政策決定過程がゆがめられた、そういった指摘は承知をしておりません。
○塩川委員 派閥の政治資金パーティー収入が形を変えた企業・団体献金として問われているときに、このような企業、団体による寄附を禁止するとともに、企業、団体によるパーティー券購入も禁止するため、政治資金パーティー収入を寄附とみなす法改正を行うことを我が党は提案をしております。やはり、企業との癒着、依存を断ち切ることが必要だ、こういう仕組みともなっているような政治資金パーティーそのものの企業・団体献金に基づくゆがみこそ、正していくべきだということです。
その点で、三十年前の政治改革は、政治と金の問題を選挙制度の問題にすり替えて小選挙区制を導入をし、政党支部への献金、政治資金パーティー券の購入という二つの抜け道をつくって、企業・団体献金を温存したわけであります。
自民党案提出者にお尋ねしますが、このような裏金問題の解決のためには、企業・団体献金温存のこの二つの抜け道を塞ぐことが必要ではありませんか。
○鈴木(馨)議員 三十年前の政治改革、まさにこれは、最初、山下委員の指摘にもありましたが、当時、贈収賄ということでスタートした議論だと承知をしております。そういった中で、やはり当時、四か月にわたって我が党の中でも議論が続けられ、政治改革大綱ということで、これは選挙区制も含めて、幅広い議論が行われたわけであります。
その中で、政党助成金、国民の皆さんに、政治参加、そういった政治の自由ということで、ある意味、民主主義のコストということで御負担をいただく、そういった形で政党助成金、これを導入をしたところであります。
ただ、同時に、その当時の議論としても、政治のコスト、これをどう下げていくのか、これは極めて大事なことで、それ以降も相当な取組がされ、政治資金全体のボリュームはかなり下がっている状況だと思いますが、その当時の議論でも、税金によるものに加えて、個人あるいは企業、団体、こういったところの資金の出し手という意味でも、そのバランスが必要であるということ。そして同時に、形態ということでいっても、この政党助成金に加えて、寄附、そして事業と、それぞれのバランスをしっかり取っていくということ。
そのことをもって、先ほど来御指摘のような、政治と金の癒着であったり、あるいは、場合によっては、党に対して隷属的な議員ではなくて、そういった一極集中、上意下達の党ではなくて、これはいろいろな党がありますけれども、私どもとしては、自由民主党としては、国民政党として、そうした党に対してもしっかり物が言える、中でも闊達な議論を行うことで、そういった適切な政治決定、政策決定プロセスを経ていく、そういったことで、こうした改革を進めてきたところであります。
要すれば、先ほど来申し上げておりますように、企業、団体についても、そこについては、政治参加の自由であったり、あるいは、そうした癒着を防ぐという意味での、幅広い、自ら立つということをつくるためにも必要なものであるというふうに我々としては判断しております。
○塩川委員 元々、政治改革の議論は、リクルート事件、佐川急便事件、ゼネコン汚職、こういったやはり企業の力、企業の金で政治をゆがめる、このことが問題となったからこそ、企業・団体献金禁止の議論が大きく広がってきた。
最近でも、秋元司議員や吉川貴盛大臣や、また秋本真利議員のように、やはり企業の金で政治をゆがめる、このことが問題となった。まさに賄賂性が問われるのが企業・団体献金だ。この抜け道を塞ぐということこそ、本当に国民が主人公となる、国民主権を保障する、国民の権利を保障する、そういった道だということを強調したい。
その点で、リクルート事件など金権腐敗事件が相次いだ一九九三年、財界団体の経団連も、企業献金については廃止を含めて見直すべきと発表しました。政治献金のあっせんを取りやめたわけであります。しかし、あっせん中止から十年たった二〇〇三年、日本経団連は、政策や政治の在り方について積極的に発言するとともに、政党活動のコスト負担を行うべきと表明をしました。金も出すが口も出すと始めたのが、通信簿方式の献金促進策であります。
かつての献金あっせんは、企業の資本金や利益などを勘案して作られたリストに基づいて献金額を企業ごとに割り振り、献金させるというものでした。ところが、通信簿方式の献金促進は、経団連が政党の通信簿をつけて献金のガイドラインを作り、いい成績を取った政党への献金を企業に呼びかけるというものであります。
こうなりますと、金が欲しければいい成績を取れという露骨な政策買収の仕組みとなっているのではありませんか。お答えください。
○鈴木(馨)議員 そもそも論になりますが、企業・団体献金については、企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として、政治資金の寄附の自由を有するとの最高裁判決もある中で、そして、資本主義を旨とする我が国において、企業、団体も社会的存在として重要な立場を保持するとともに、政治活動の自由も有するとのものであります。
先ほど御指摘ありました日本経団連については、企業・団体献金を社会貢献の一環として位置づけておりまして、傘下の企業、団体は、各政党に対する政策評価を参考に、独自の判断で自発的に政治献金を行っているものと理解をしております。そのような状況下におきましては、政党等がその量的、質的制限の範囲内でその寄附をいただくこと自体が不適切なものであるとは考えておりません。
また、党内のプロセスにおいても、有識者を中心に様々な声も反映する中で、相当な、党内、様々な議論がある中での政策決定を行っております。そういった意味においては、そうした企業・団体献金が政策決定をゆがめているのではないか、そういった御指摘は当たらないと考えております。
○塩川委員 経団連が模範解答として真っ先に取り上げていたのが、法人税など大企業の負担軽減と消費税の増税だったわけであります。それに応えるようなことがこの間行われてきた。この仕組みは今なお続いて、毎年二十四億円を自民党国政協側に献金をしております。
昨年十二月、十倉経団連会長は、自民党への献金について、民主主義にはコストがかかる、何が問題かと開き直っているわけであります。金も出すが口も出すという賄賂政治そのもので、政治活動の自由といいながら、実際には賄賂政治の自由だということを言わざるを得ません。
最後に、企業・団体献金とともに、もう一つ重大な政党助成金についてお尋ねをいたします。
思想、信条の自由や政党支持の自由を侵す、憲法違反の制度であります。政党助成法施行以来、今年四月までに九千二百五十億円もの税金がばらまかれ、自民党にはその半分の四千四百五十億円が渡されております。
このような企業・団体献金と政党助成金の二重取りが続いていることについて、自民党案の提出者はどのように受け止めておられますか。
○鈴木(馨)議員 先ほども申し上げたところでありますけれども、政党助成金、これは三十年前の政治改革の結果として導入をされたものであります。
そのときにも、やはり、企業・団体献金、そして個人献金と、そのバランスをどう取っていくのか、そういったことを通じて、ある意味、国に対しても、あるいは党に対しても、あるいは政治家としてどう自ら立っていくことができるのかということの判断で、こうしたことが行われたと承知をしております。
なるべく広くそういった政治資金を得る、特にクリーンな形での政治資金を得るということ、まさにそのことは極めて大事なことだろうと思っております。
そういった中においては、我が党として、政党助成金と同時に企業・団体献金、それを受け取っている。まさにそれは、国民政党として、我が党の成り立ちからいっても、それは企業、団体も含めて、あるいは国民の皆様も含めて、幅広く意見をしっかりと伺った上で政策決定を行っていく、そういった趣旨の下でこうした運用を行っているところでございます。
○塩川委員 聞いているのは、企業・団体献金と政党助成金の二重取りはおかしいという国民の声にはどう答えるのかということです。もう一度。
○鈴木(馨)議員 今趣旨は申し上げましたが、そういった趣旨の下で、政党に対する企業・団体献金は禁止されていないということも含めて、あるいは現行の法制度上、政党助成金が併存しているということを考えれば、二重取りという、そういった批判は当たらないと思いますし、まさにそういった、なぜ我々としてそういう運用をしているのかということは先ほどの御答弁で申し上げたとおりであります。
○塩川委員 国民の声は届かないということであります。
最後に、自民、立憲、維新の提出者にお尋ねします。
運営資金に占める政党助成金の割合について、自民党は六四・三%、三分の二を政党助成金に依存しております。立憲民主党は七四・一%、維新の会は七二・三%であります。政党の運営資金の大半が税金という官営政党批判をどう受け止めておられますか。
○鈴木(馨)議員 当然、憲法上の問題等々は生じないこと、それは先ほどの答弁で申し上げたとおりでありますけれども、同時に、国に対してもでありますし、ある意味で、党としても自ら立っていく、そういった姿勢は大事だと思っております。
そういった中で、どのようにして広く多くの方から、これは企業、団体も含めて、個人、法人も含めて、そうした方から、そういった意味での政治資金、賛同いただいた上で寄附をいただく、あるいは事業として賛同いただく。そういったことを通じて、我々としても、広い、そうした方々からの収入というものをしっかり確保できるように、同時に、制度としてもそうした偏りがないような形にできるように、そういったことで今回法案の提出もさせていただいております。
○落合議員 政党助成金の割合が高過ぎるという議論もあるということは承知をしております。国際的に見てみますと、結構公費の割合が高い国もありますので、党として、この財務状況を、どうやって収入を確保していくかという判断はなされていくものだと思います。
なお、我々は、企業・団体献金の禁止法案の中に個人の少額の寄附をどんどん促進していくということは入れておりまして、それを目指しているところでございます。
○中司議員 お答えいたします。
政党助成金については、歴史的経緯を踏まえて考えるべきだと思います。
一九九四年の細川政権の政治改革以前は、政党助成金制度そのものが存在していませんでした。その中で、リクルート事件や佐川急便事件などが発生をした。政治を商売にしてはならないという世論が沸騰する中で、細川内閣は、政党助成金を交付する代わりに、企業・団体献金を五年以内に見直すと宣言したわけでございます。基本的には、その際に、企業・団体献金は全面禁止としなければならなかったはずだと考えております。
一部の企業、団体の献金により政策がゆがめられるという弊害を解消するために、国民に広く薄く、例えば毎年コーヒー一杯分の負担をお願いするということは、我が国の民主主義の発展のために意義があることと考えております。また、その趣旨を貫徹するために、企業・団体献金は禁止するべきだと考えておりますので、よろしくお願いします。
○塩川委員 自民党は、企業・団体献金をもっと集めるという答弁でした。とんでもありません。
政党助成金を受け取らず、廃止を求めてきた日本共産党として、参議院に政党助成法廃止法案も提出をしております。その実現のために力を尽くすことを述べて、質問を終わります。