【内閣委員会】AIの軍事利用やめよ/日米で次期戦闘機と連動する無人機のAI開発

 AI推進法案の採決を行い、与党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。私は質疑でAIの軍事利用は禁止すべきだと主張しました。

 法案は、基本理念で、AI技術は「安全保障の観点から重要な技術」と明記しています。私は、日米が2023年12月に、次期戦闘機と連動する無人機のAI技術を共同研究することに合意していることを指摘。三菱重工が公開した無人機のコンセプトには、兵器を搭載可能とされていることをあげ、「戦闘機と連動する無人機は、殺傷兵器そのものではないか」と質問。防衛省は「現時点で性能は決まっていない」と答えました。

 私は、米空軍が2025年3月に史上初めて正式な型式名を与えた無人戦闘機は、AIによる「半自律」を特徴とし、人によるおおまかな指示のもと、攻撃対象などをAIが決めるものだと指摘。「このようなAIを日米で共同開発することは、憲法9条を持つ日本として断じて認めることはできない」と強調し、「殺傷兵器にAIを使用するのは禁止すべきだ」と主張しました。城内実内閣府特命担当大臣は「我が国は完全自律型の致死兵器を開発する意思はない」と答えたのに対し私は「完全自律か半自律かを問わず、AIの軍事利用は行わないと明確にすべきだ」と強調しました。

以下、AI推進法案への反対討論です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 私は日本共産党を代表して、AI推進法に反対の討論を行います。
 急速に発展するAIは多分野で深刻な問題を引き起こしています。大量の個人情報の収集・漏洩によるプライバシー権の侵害、ブラックボックスであるAIが人を評価・選別するプロファイリングやスコアリングによる差別や不利益、著作権などの知的財産の侵害、軍事利用、偽情報・誤情報を用いた選挙への介入、開発・運用に必要な大量の電力消費による地球温暖化への悪影響などです。企業の利益追求のAI開発・活用によって、市民の権利が侵害されているのが現状です。
 今必要なのは、AIの発展に遅れることなく、予防的な観点も含めて、権利保護の強化やリスクに応じた規制を行うことです。AIに関する意識調査を見ても、「現状はAIを安心して利用できる環境にない」「規制が必要だ」というのが市民多数の声です。
 にもかかわらず、法案はAI推進一辺倒です。法案に基づき国がデータセットとして整備する情報の対象は、国が持つ情報に加え、大学や研究開発法人に及び、オープンデータに限定されず、個人情報も含まれます。自治体の責務規定や大学、国民の努力義務まで盛り込み、行政、学術、国民の広範な情報を、AIの研究開発、活用のために整備し、提供することを促進するもので、プライバシー権侵害の危険性を高めるものだと言わざるを得ません。
 また、国の責務として、「行政事務の効率化を図るため、国の行政機関におけるAI技術の積極的な活用を進める」と明記しています。AIには、バイアスやブラックボックス化の問題があります。こども家庭庁が開発した児童虐待判定を行うAIに正確性の問題が見つかり、導入を見送った事例からも明らかなように、AIに判断を委ねるのは極めて危険であり、慎重な対応が必要です。
 さらに、法案がAI技術を「安全保障の観点からも重要な技術」と位置づけていることは重大です。日米は、次期戦闘機と連動する無人機のAI技術を共同研究することに合意しています。法案は、こうした殺傷兵器につながるデュアルユース技術の研究開発・活用も含めて推進するものであり、認められません。
 法案の基本理念で、AI技術の研究開発・活用を「産業の国際競争力を向上させることを旨に行う」と掲げている通り、法案は、AI技術を、市民の権利を守り、生活や福祉を向上させるためではなく、産業界の利益のために使うことを推進するものです。だから、この法案には、実効性ある新たな規制の法整備がないのです。AI推進一辺倒で、市民の権利を侵害し、社会への悪影響を拡大させる危険を高めるものだと言わざるを得ません。以上、討論を終わります。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


AIの軍事利用禁止を/衆院委/無人機開発合意で塩川氏

「しんぶん赤旗」4月20日・2面より

 AI推進法案が18日の衆院内閣委員会で、自民、公明、立民、維新などの賛成多数で可決しました。日本共産党、れいわ新選組は反対しました。日本共産党の塩川鉄也議員は質疑で、AIの軍事利用は禁止すべきだと主張しました。

 同法案は基本理念で、AI技術は「安全保障の観点から重要な技術」だと明記しています。塩川氏は、日米が2023年12月に次期戦闘機と連動する無人機のAI技術の共同研究に合意していると指摘。三菱重工が公開した無人機のコンセプトでは、兵器を搭載可能としているとして、「戦闘機と連動する無人機は殺傷兵器そのものではないか」と質問しました。防衛省の家護谷昌徳サイバーセキュリティ・情報化審議官は「現時点で性能は決まっていない」と答えました。

 塩川氏は、米空軍が25年3月に史上初めて正式な型式名を与えた無人戦闘機は、AIによる「半自律」が特徴で、人によるおおまかな指示のもと、攻撃対象などをAIが決めると指摘。「このようなAIを日米で共同開発することは、憲法9条を持つ日本として断じて認めることはできない」として、「殺傷兵器にAIを使用するのは禁止すべきだ」と主張しました。

 城内実内閣府特命担当相は「わが国は完全自律型の致死兵器を開発する意思はない」と答弁。塩川氏は「完全自律か半自律かを問わず、AIの軍事利用は行わないと明確にすべきだ」と主張しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年4月18日(金曜日)内閣委員会 第15号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 AI推進法案について、AIの軍事利用についてお尋ねをいたします。

 法案は、基本理念に、AI技術は安全保障の観点からも重要な技術と明記をしております。そこで質問しますが、法案が研究開発、活用を推進するAIには、殺傷兵器に使われるAIも含まれるのか、お答えください。

○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案では、我が国として、AIの研究開発力の保持、国際競争力を向上させることが重要である旨を規定しております。その理由の一つとして、AIが安全保障の観点からも重要な技術であるということを掲げているところであります。このため、御指摘の殺傷兵器に使われるAIの研究開発、活用につきましては、この法案においては想定をしていないということでございます。

○塩川委員 想定をしていないということですけれども、一方で、防衛省及び米国防省による合意というのがありまして、これは、二〇二三年の十二月に、次期戦闘機と連動する無人機の行動判断に適用されるAI技術を共同研究することで合意をしております。無人航空機へ適用するAI技術に係る日米共同研究に関する事業取決めの署名ということが行われております。

 また、二四年の四月には、米英豪の安全保障の枠組みであるAUKUSが、AIを含む先端技術分野での協力に日本の参加を検討すると発表しております。さらに、二五年三月三日付の日経新聞によると、AUKUSが二四年末までに防衛省に対し、次期戦闘機と連動する無人機に搭載するAIの共同研究を軸にした連携を打診したと報じられております。

 実際にAI技術を、このような戦闘機に連動した無人機に活用する、そういうAI技術というのはまさに殺傷兵器に係るAI技術であって、想定していないということが実態とすれば、防衛省と米国防省の間でそういった研究開発が行われているということは極めて重大であります。

 三菱重工が公開をした無人機のコンセプトの一つには戦闘型の戦闘支援無人機もあり、兵器を内装化をしたり、レーダーを搭載したりと、運用に合わせて様々な使い方ができるよう設計され、陸上から離陸をし、相手を攻撃して帰還するコンセプトとなっています。

 防衛省に聞きます。戦闘機と連動する無人機は、まさに殺傷兵器そのものではありませんか。

○家護谷政府参考人 防衛省からお答えいたします。

 諸外国において戦闘機と連携して行動する無人機の研究開発が進められている中、防衛省及び米国防省は、二〇二三年十二月、無人航空機へ適用するAI技術に係る日米共同研究に関する事業取決めに署名し、パイロット等の指揮の下、自律的に行動するためのAI技術について日米共同研究を実施しているところでございます。

 次期戦闘機と連携する無人機の本体については、今後、現防衛力整備計画期間中に研究開発に着手することとしていますが、現時点で具体的な性能等が決まっているものではありません。

 いずれにしましても、我が国としては、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図は有していないとの立場を明確にしてきており、また、当然のことながら、国際法や国内法により使用が認められていない装備の開発を行うことはありません。

○塩川委員 完全自律の話をしましたけれども、米空軍が行っている開発においては、半自律、半分自律ですよね、そういった形での、有人戦闘機を補佐する、そういった無人戦闘機の開発を計画をしているということであります。

 そうしますと、防衛省と米国防省が進めているような無人戦闘機、戦闘無人機についてのAI技術の共同研究というのは、今回の法案の対象外、そういう趣旨ということになるわけですか。

○渡邊政府参考人 お答え申し上げます。

 AI技術はデュアルユースでございますので、その技術が経済社会のためになりますし、安全保障のためにもなるという両方の可能性があるわけでございますけれども、専ら、武器といいますか、兵器に使われるようなAI、それを専門とするようなAIにつきましては、この法案では対象としておりません。

○塩川委員 でも、実際にはそういう開発が行われているわけですし、国際競争力の観点で、軍事力、そういった中での兵器生産についても、これを支援を行うという大きな枠組みはあるわけで、安保三文書にもそういう方向が示されているところであります。

 このような殺傷兵器そのものの兵器開発にAI技術の研究開発、活用を進めていくというのは極めて重大で、憲法九条を持つ日本として断じて認めることはできません。

 大臣にお尋ねしますけれども、このような殺傷兵器にAI技術を使用する、こういうことは禁止をすべきではありませんか。

○城内国務大臣 現在のAIの軍事利用につきましては、国際的な議論が別途なされているところでありますが、先ほど防衛装備庁からも答弁がありましたとおり、我が国としては、人間の関与が及ばない完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図は有していないとの立場を明確にしておると承知しております。

 引き続き、国際的な議論の場において、責任あるAIの軍事利用について、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論がなされることを期待しております。

○塩川委員 半自律も含めてAIの軍事利用は禁止をすべきだということをはっきりとさせることを求めて、質問を終わります。