経済安保推進法改正案が15日の衆院内閣委員会で採決され、自民、維新、中道、国民、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
質疑で私は、同法に基づく先端的重要技術の開発支援「Kプログラム」実施のために現在40設置されている協議会のうち「防衛省が参加しているのはいくつか」と質問。防衛省は「39に参加している」と答えました。私は「軍事を重視する研究体制だ」と批判し、実例としてKプロ案件の「光通信等の衛星コンステレーション(小型人工衛星)基盤技術の開発・実証」をあげ、防衛省が参加している理由を質しました。防衛省は「衛星通信は作戦の基盤。光通信技術は抗たん性の向上など様々な課題を解決するためのインフラとなりうる」と答えました。
「防衛白書」は敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」獲得が目的の「衛星コンステレーション」構築をうたい、国はその「整備・運営等事業」を、民間資金やノウハウを活用するPFI事業として推進しています。私は、同PFI事業に対する国の業務要求水準書は、事業者に対し、戦争などで事業継続が困難な場合でも国が必要な画像データを取得できるようにすることを求めていると告発。防衛省は「スタンド・オフ防衛能力の実効性を確保するという重要性を踏まえ、業務の継続を求めている」と答えました。
私は、同PFI事業はスカパーJSATが落札し、同社出資企業がKプロ案件の「光通信等の衛星コンステレーション」の幹事企業であると指摘。民間事業者を軍事に組み込む同PFI事業とKプロは一体だと強調し、「Kプロは巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業ではないか」と追及しました。小野田内閣府担当大臣は「Kプロの成果を防衛省などの判断で活用することはありうる」と認めながら「指摘はあたらない」と強弁しました。
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以下、反対討論の全文です。
私は、日本共産党を代表し、経済安保推進法等改正案に対し、反対の討論を行います。
経済安保は第一次トランプ政権が打ち出したものです。仮想敵国を前提とし、経済力、技術力を、相手国への対抗手段、威圧する手段と位置づけ、経済分野でも米国を中心としたブロック体制に同盟国等を組み込もうとするものです。日本政府は、軍事面での日米一体化とともに経済安保でも米国に付き従い、2022年に経済安保推進法を成立させました。本案はそれをさらに拡大しようとするものです。
重要物資の確保を理由に、政府が「関係者」に対し協力要請できる規定を盛り込んでいます。許認可権や巨額の支援など様々な権限を持つ行政機関からの要請は、事業者にとって大きな圧力となり、営業の自由の侵害が避けられません。
重大なのは、軍事への協力も対象となりうることです。重要物資とは何かを決めるのは政府であり、現行法の下でも、すでに船体や無人航空機、半導体など軍事と関わりが深い分野が指定されています。そのうえ、法案では「関係者」の範囲、「協力」の内容など政府に白紙委任されています。政府の裁量で広範な事業者が自衛隊や米軍への協力を迫られることになりかねません。
また、総理大臣が経済安保に関する官民協議会を設置し、その参加者に対して情報提供義務を課します。官民協議会には警察や公安調査庁も参加可能です。政府が民間事業者の情報を吸い上げ、経済安保分野における警察や情報機関の活動強化に使える仕組みであり、企業活動に対する監視・介入を拡大させる懸念はぬぐえません。
加えて、軍事転用可能なデュアルユース技術の研究開発支援を行うKプログラムに参加する指定基金の対象を拡大する問題です。現在設置されている指定基金協議会のほとんどに防衛省が参加しています。Kプログラムが軍事と深くつながっているのは明白です。科学技術の軍事研究化を一層推進することには反対です。
さらに、政府が経済安保上重要だとする海外事業への支援制度を新設する問題です。採算性が不確実なハイリスクな事業にJBICが融資するこの制度は、いち企業の経営リスクを、国民の財産・税金で肩代わりするものに他なりません。
最後に、政官業癒着の問題です。質疑で明らかになったのは、重要物資の助成金の交付を担う法人の役員に、支援を受ける業界の企業の役員と天下り役人が就いている実態です。業界団体から自民党への献金など政官業癒着の構造そのものです。海外事業への支援制度を創設し、重要物資に「役務」も追加することは、こうした癒着を一層拡大させることは明らかです。
以上申し述べ、討論を終わります。
科学技術の軍事化推進/経済安保推進法等改定案が可決/衆院内閣委員会/塩川議員が批判
経済安全保障推進法等改定案が15日の衆院内閣委員会で、自民と日本維新の会、中道改革連合、国民民主、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
質疑で共産党の塩川鉄也議員は、同法に基づく先端的重要技術の開発支援「Kプログラム」(Kプロ)実施のため現在設置されている40協議会のうち、防衛省が39に参加していることを明らかにし、「軍事を重視する研究体制だ」と批判しました。
その一つ、「光通信等の衛星コンステレーション(小型人工衛星網)基盤技術の開発・実証」について、防衛省に参加理由を追及。同省の吉野幸治サイバーセキュリティ・情報化審議官は「衛星通信は作戦の基盤。光通信技術は課題を解決するためのインフラとなり得る」と答えました。
「防衛白書」は敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」獲得が目的の「衛星コンステレーション」構築をうたい、国はその「整備・運営等事業」を民間資金やノウハウを「活用」するPFI事業として推進しています。
塩川氏は、同事業で国は事業者に対し、戦争などで事業継続が困難な場合でも、必要な画像データを取得できるようにすることを求めていると告発。吉野氏は「スタンド・オフ防衛能力」の実効性確保のための同事業を継続させる取り組みだと開き直りました。
塩川氏は民間事業者を軍事に組み込む同事業とKプロは一体だと強調し、「Kプロは巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業ではないか」と追及。小野田紀美経済安保相はKプロの成果を防衛省などの判断で活用することは「あり得る」と認めながら「指摘はあたらない」と強弁しました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年5月15日(金曜日)内閣委員会 第12号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
Kプログラムに関して今日は質問をいたします。
先端的な重要技術の開発支援、Kプログラムにおける研究開発構想に係る指定基金協議会、今、四十と承知しておりますけれども、この指定基金協議会に参加する行政機関について、防衛省、まあ防衛装備庁も含みますけれども、防衛省が参加をしているのは幾つになるか、防衛省、お答えください。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
経済安全保障重要技術育成プログラムは、我が国の自律性、優位性、ひいては不可欠性を確保していくため、先端的な重要技術の研究開発を推進しまして社会実装につなげるための政府の取組でありまして、研究開発等を伴走支援する枠組みとして、研究開発実施者と関係府省を含む政府関係機関等が意見交換を行う場となる指定基金協議会が設置されております。
本年三月三十一日時点で四十の指定基金協議会が設置されておりますが、防衛省も、潜在的な社会実装の担い手として想定される関係行政機関の一つとして、三十九の指定基金協議会に参加しておるところでございます。
○塩川委員 四十のうち三十九ということですから、ほとんど全てに参加をしていると。
私もちょっと数えたら、経産省でも三十七でして、防衛省が一番多いのかなと思いました。防衛省がこんなに多いというのはなぜなんでしょうか。
○嶺政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどありましたように、これは、先端的な重要技術の研究開発を推進するプログラムということでございまして、当然、防衛だけではなくて広く民生にも裨益するような技術だというふうには考えておりますが、我々防衛省としましても、基本的に先端技術、これを取り入れていくということで、このプログラムに、こちら指定基金協議会の方の場で参加させていただいているということでございます。
○塩川委員 余り説明になっていませんが。このKプログラムというのが、率直に言って防衛、軍事に偏っている。軍事を重視する、そういった研究体制ということがそこから見て取れるところであります。
そこで、具体的な事例として、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのも一つ挙げられております。このプログラムに防衛省が参加をしている理由は何でしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
衛星通信は自衛隊の作戦の基盤となるものでございまして、周辺国の妨害能力の向上、増大する自衛隊の通信所要に対応するためには、低軌道の衛星コンステレーションや静止軌道衛星等を組み合わせて、多層的で抗堪性の高い衛星通信ネットワークを構築することが必要でございます。
その中で光通信技術は、通信容量の増大や通信ネットワークのセキュリティー向上、電波資源の枯渇への対応といった課題を解決するためのインフラとなり得るものと考えてございまして、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えてございます。
このため、防衛省と防衛装備庁でございますが、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加し、光通信に係る先端技術についての意見交換を行っておるところでございます。
○塩川委員 衛星通信に係る抗堪性の確保も含めた取組ということであります。
そういう中で、防衛白書において、スタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーションを二〇二七年度までに構築するというのがあります。その取組として、防衛省は、衛星コンステレーションの整備・運営等事業、いわゆるPFI事業を推進をしております。事業者として、スカパーJSATが落札をしたところです。
スカパーJSATは、本件は、スタンドオフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指すPFI事業ですと説明をしております。
一方、このKプログラム、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証のプログラムについては、スカパーJSATとNTTが出資をしているスペースコンパスが幹事企業となっております。
まさに防衛省のPFI事業とこのKプログラムと、どちらにもスカパーJSATが関与しているわけですけれども、この二つはいわば一体のものということでしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
今御指摘のございました衛星コンステレーションの整備・運営等事業、PFIの事業でございますが、こちら、防衛省、既に運用してございますが、こちらと、経済安全保障重要技術育成プログラム、Kプログラムの対象とされております光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証、これらにつきましては、それぞれ目的や内容等の異なる別個の事業でございます。
○塩川委員 でも、Kプログラムにおけるこの光通信の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのは、この防衛省が行っているスタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーション、これに生かせるものは生かしていけるというものになってくるのではありませんか。違いますか。
○吉野政府参考人 Kプログラムで行っております事業そのものというよりも、一般論として、衛星間の光通信という観点で申し上げれば、こういった技術を衛星コンステレーションに組み込むことで、撮像した画像を地上で確認するまでの時間を短縮できる可能性はあるというふうに考えてございます。
その上で、御指摘のKプログラムの事業、これの成果を防衛省として活用するか否かにつきましては、何ら決まったものはございません。
○塩川委員 でも、Kプログラムに防衛省、防衛装備庁が関係行政機関として入っているというのは、やはりこういった光通信における技術を生かしていきたいということではあるんですよね。
○吉野政府参考人 防衛省、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加してございますが、その趣旨と申し上げますのは、先ほども申し上げたとおりでございますが、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えておりまして、そのような観点で参加をしてございます。
○塩川委員 このKプログラムについては、本事業により開発を行う光通信ネットワーク技術については、災害対策、海洋監視、安全保障など様々な分野での宇宙利用を拡大していく上で必須のデータ通信基盤となることが想定されるということで、安全保障分野での活用も想定している。だからこそ防衛省、防衛装備庁も参加をしているということで、防衛省のこのPFI事業とKプログラムの連携、連動というのは当然であります。
そこで、スカパーJSATが落札をした防衛省のPFI事業であります衛星コンステレーションの整備・運営等事業の業務要求水準書を見ますと、その中には、事業者は、戦争、暴動その他これらに類似の事案が発生し、本事業に従事することが困難な状況が生じた場合でも、国が撮像、写真を撮るわけですね、撮像指示を行い必要な画像データの取得が実施できるよう処置を講じなければならないとあります。
戦争とかがあっても国が求めた画像を送れということをPFI事業者に義務づけているということですけれども、ここで言っている「本事業に従事することが困難な状況が生じた場合」というその困難な状況というのは、どういう状況を想定しているんでしょうか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
具体的な状況をあらかじめ想定してこちらの場で具体的に申し上げることは困難であることは御理解をいただきたいと思います。
他方で、衛星コンステレーションの果たす役割の重要性を踏まえまして、継続的にこの事業を行えるよう措置を講ずるという旨をこちらの方で記載をさせていただいてございます。
○塩川委員 でも、戦争とかという事態を想定しているということですよね。例えば船舶のPFI事業などにおいても、民間船は通常、有事では戦場には出られないわけですけれども、予備自衛官を乗せることでそれを可能にするような、PFI事業者であっても実際戦地に行くような、そういう仕組みもかつてつくっているということもあります。
今回のような場合についても、戦争のような状況であっても、民間事業者、PFI事業者に対して、まさに事業継続が困難な場合でも、PFI事業者には衛星コンステレーションの整備、運営に係る仕事を継続しろということを迫るということになるんじゃありませんか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
こちらの衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国が、侵攻する部隊等をその防空ミサイルの脅威圏外から撃破するためのスタンドオフ防衛能力の実効性を確保する観点から情報収集能力を強化する必要があるという認識の下で、目標情報を探知、追尾する能力獲得を目的として構築をしているものでございます。
このような事業の趣旨の重要性を踏まえまして、業務が継続的にできるよう措置する考えでございます。
○塩川委員 このPFI事業では、衛星を管理、運営するというために地上システムがあるわけですよ。地上システムは、国内だけじゃなくて海外にもあるわけですよね。そういった海外の地上システムを維持、保全、管理をするといったことも民間事業者の仕事ということになった場合に、やはり何らかの危険を招くような、そういう事態というのも想定しているからこそ、こういった規定を業務要求水準書に書いているということじゃないですか。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
先ほど申し上げたとおり、PFI事業の衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国を守る上でのその重要性に鑑みまして、先ほど来申し上げているとおり、事業の継続ができるよう必要な措置を講ずる観点から、今のような取組をしているところでございます。
○塩川委員 民間事業者を軍事に組み込むようなそういう仕組みというのがこのPFI事業において行われようとしているという点は極めて重大ですし、こういったPFI事業といわば一体としての研究開発がKプログラムでも行われているという点で、最後、大臣に伺いますが、このKプログラムというのは科学技術の軍事化を一層拡大させることになりはしないか、この点についてお答えください。
○小野田国務大臣 Kプログラムは、経済安全保障の確保、強化の観点から、AIや量子、宇宙、海洋等の分野に関し、民生利用や公的利用の幅広い活用を目指して、先端的な重要技術の研究開発を推進するものでございます。一方、本プログラムに限らず、先端的な重要技術を官民の様々な分野で活用していくことは当然でございます。
本プログラムは防衛装備品そのものの研究開発を実施するものではございませんが、得られた成果が将来的に民間における用途のみならず防衛省を含む関係省庁自らの判断により活用されることはあり得ると考えています。
なお、本法に基づく指定基金協議会においては、防衛省に限らず幅広い関係省庁等の参加を得ているところです。
いずれにせよ、本プログラムは、防衛用途を含め特定のニーズのみを念頭に置いた研究開発を拡大、推進するものではなく、委員の御指摘は当たらないものと考えております。
○塩川委員 今日やりましたように、Kプログラムというのが巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業だということを指摘をし、質問を終わります。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表し、経済安保推進法等改正案に対し、反対の討論を行います。
経済安保は第一次トランプ政権が打ち出したものです。仮想敵国を前提とし、経済力、技術力を相手国への対抗手段、威圧する手段と位置づけ、経済分野でも米国を中心としたブロック体制に同盟国等を組み込もうとするものです。日本政府は、軍事面での日米一体化とともに経済安保でも米国につき従い、二〇二二年に経済安保推進法を成立させました。本案は、それを更に拡大しようとするものです。
重要物資の確保を理由に、政府が関係者に対し協力要請できる規定を盛り込んでいます。許認可権や巨額の支援など様々な権限を持つ行政機関からの要請は、事業者にとって大きな圧力となり、営業の自由の侵害が避けられません。
重大なのは、軍事への協力も対象となり得ることです。重要物資とは何かを決めるのは政府であり、現行法の下でも、既に船体や無人航空機、半導体など、軍事と関わりが深い分野が指定されています。その上、法案では、関係者の範囲、協力の内容など、政府に白紙委任されています。政府の裁量で広範な事業者が自衛隊や米軍への協力を迫られることになりかねません。
また、総理大臣が経済安保に関する官民協議会を設置し、その参加者に対して情報提供義務を課します。官民協議会には警察や公安調査庁も参加可能です。政府が民間事業者の情報を吸い上げ、経済安保分野における警察や情報機関の活動強化に使える仕組みであり、企業活動に対する監視、介入を拡大させる懸念は拭えません。
加えて、軍事転用可能なデュアルユース技術の研究開発支援を行うKプログラムに参加する指定基金の対象を拡大する問題です。現在設置されている指定基金協議会のほとんどに防衛省が参加しています。Kプログラムが軍事と深くつながっているのは明白です。科学技術の軍事研究化を一層推進することには反対です。
さらに、政府が経済安保上重要だとする海外事業への支援制度を新設する問題です。採算性が不確実なハイリスクな事業にJBICが融資するこの制度は、一企業の経営リスクを国民の財産、税金で肩代わりするものにほかなりません。
最後に、政官癒着の問題です。質疑で明らかになったのは、重要物資の助成金の交付を担う法人の役員に、支援を受ける業界の企業の役員と天下り役人が就いている実態です。業界団体から自民党への献金など、政官業癒着の構造そのものです。海外事業への支援制度を創設し、重要物資に役務も追加することは、こうした癒着を一層拡大させることになることは明らかです。
以上申し述べ、討論を終わります。


