【選挙制度協議会】有識者が定数削減を批判、小選挙区制が多様化を阻害

 衆院選挙制度のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。

 陳述の中で、大泉淳一・選挙制度実務研究会会長(元総務省選挙部長)は、2016年衆院議長の下に置かれた有識者調査会が「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いとしつつも、定数削減は多くの政党の公約であり主権者たる国民との約束であるとして、定数10減」を答申したと述べました。

 これに対し、私は、調査会への諮問が「公約にある定数削減の処理」であったことを示し、定数削減ありきであっても理由や根拠がないと答申していることの重要性を強調しました。

 大山礼子・駒澤大名誉教授は、定数削減によって「中小政党の議席減、地方の声・少数意見の切り捨て、現職優位の傾向を助長し議員の新陳代謝・多様化を阻害、国会運営に支障」が生じ得ると問題点を指摘。日本の女性議員が極端に少ないことを示し「定数削減は悪影響となる」と述べました。

 また、大山氏は、「定数削減より、国民に自分たちの代表と思ってもらえるような議員選出をどうしたらよいか検討すべき」と述べ、議員の多様性、新陳代謝を促すためにも、わかりにくい選挙運動規制の簡素化、選挙運動期間の再考、供託金制度の見直し等の必要性を述べました。

 私が「小選挙区制が多様化を阻害しているではないか」と指摘したのに対し、大山氏は「多様化で言えば、女性議員が多いのは比例代表制の国であることは実証されている」と述べました。

 

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小選挙区制 多様化阻む/衆院選挙制度協/塩川氏質問に有識者

「しんぶん赤旗」5月30日・2面より

 衆院選挙制度協議会は26日、衆院選挙制度のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。

 大泉淳一・選挙制度実務研究会会長(元総務省選挙部長)は、2016年に衆院議長の下に置かれた有識者調査会が「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いとしつつも、定数削減は多くの政党の公約であり主権者たる国民との約束である」として「定数10減」を答申したと述べました。

 これに対し日本共産党の塩川鉄也議員は、調査会への諮問が「公約にある定数削減の処理」であったことを示し、定数削減ありきであっても理由や根拠がないと答申していることの重要性を強調しました。

 大山礼子・駒澤大名誉教授は、定数削減により「中小政党の議席減、地方の声・少数意見の切り捨て、現職優位の傾向を助長し議員の新陳代謝・多様化を阻害し、国会運営に支障」が生じ得ると指摘。日本の女性議員が極端に少ないことを示し「定数削減は悪影響となる」と主張しました。

 大山氏は「定数削減より、国民に自分たちの代表と思ってもらえるような議員選出をどうしたらよいか検討すべきだ」と強調。議員の多様性、新陳代謝を促すためにも、わかりにくい選挙運動規制の簡素化や選挙運動期間の再考、供託金制度の見直し等の必要性を述べました。

 塩川氏は「小選挙区制が多様化を阻害しているのではないか」と質問。大山氏は「多様化で言えば、女性議員が多いのは比例代表制の国であることは実証されている」と述べました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月26日(火曜日) 第4回衆議院選挙制度に関する協議会

○塩川協議員 日本共産党の塩川鉄也です。 

 お二方から貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。 

 それぞれにお尋ねしようと思うんですが、大泉会長につきましては、二〇一六年の衆議院選挙制度に関する調査会答申を引用されてのお話をいただきました。

 思うんですけれども、ここに「衆議院議員の定数削減は多くの政党の選挙公約であり、主権者たる国民との約束である。」という記述があるんですけれども、そもそも、大島議長の下に置かれましたこの調査会におきましては、議会として四つの項目で諮問が行われていたわけですよね。その諮問事項として、現行選挙制度の評価ですとか、一票の較差是正のやり方とか、衆参選挙制度の在り方の問題点とか、それに加えて、各党の公約にある定数削減の処理というのが入っていたわけです。

 つまり、この調査会の答申に求められている項目の一つに、要は定数削減をどうやるんだというのが挙げられている、それをそのまま諮問事項どおり書いているのがここでの定数削減についての記述だと思います。その辺の経緯についてお聞きできればということ。

 あわせて、そういった定数削減のやり方について答申をという下でも、ここにありますように、現行の衆議院議員の定数というのは、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いと。定数削減ということを諮問事項と言われながらも、こういったことを述べている、そういった調査会での議論の中身について御紹介いただければということです。 

 それから、大山先生には、議員定数削減によって生じ得る問題点ということで御指摘いただきました。 

 一つは、常任委員会等の運営に支障ということについて、具体的にどんなことが考えられるのか、起こっているのかということ。私は、今、政務三役が八十人も政府に入るという中で、立法府で活動する人数が限られるという側面もある、そういう下での議員定数削減というのは立法府の権能を果たす上での困難さをより一層持つのではないかという問題意識もあるんですが、そのことも含めて、常任委員会等の運営に支障というのはどういうことをおっしゃっておられるのかというのをお聞きしたい。 

 もう一つ、現職優位の傾向を助長ということで、議員の新陳代謝、多様化を阻害をするということであります。その点では、定数削減もそうなんですが、選挙制度として、やはり小選挙区制というのが新陳代謝、多様化を阻害するものになっているのではないか。そういう点でも、小選挙区よりも比例中心の制度の方が、こういった議員の新陳代謝、多様化につながるものになるのではないか。その点についてのお考えをお聞かせください。 

○大泉淳一君 調査会答申についてでございますが、私の資料につけておりますけれども、これは衆議院の調査会でございまして、当時私はまだ総務省にいたものですから、中身的には分かりません。議事要旨などを見て大体想像して、あるいは答申をそのまま引いてきたということでございます。メンバーは、学者の先生方もいらっしゃいますが、財界の方とかいろいろな、文化人とかも含めて、平井知事もおりましたけれども、そういうような幅広い中での、世論も含めた定数削減に対する議論だったのではないかと想像します。 

 それ以上のことは、中にいたわけではないのでちょっとよく分かりません。申し訳ございません。

 以上です。 

○大山礼子君 まず、常任委員会等の運営に支障ということですけれども、極端に定数削減をいたしますと、現在の常任委員会数を維持する、各分野ごと、大体省庁対応になっていると思いますけれども、そういうものを維持していると、しかも委員の数を維持していると、皆さんかけ持ちしなければならなくなるわけで、かけ持ちしないようにするためには委員の数を減らすということになって、そこに参加できない政党も増えてくる、こういうことでございます。 

 それから、現職優位の傾向を助長するというところで、小選挙区制もそうではないかというのはおっしゃるとおりでございまして、小選挙区制ですと大体指定席になりがちで現職は落ちないというのは、世界の国々を見ても、そういう傾向がございます。 

 多様化という点でいいますと、女性議員が多いところは比例代表の国が多いというのもはっきり実証されているところでございます。比例の名簿を作るのに男性ばかり並べるのはやはり格好が悪いというようなこともあろうかと思いますので、それははっきりしているところです。 

 以上です。