科学技術・イノベーション活性化法改定案が6月25日の衆院本会議で、自民党、日本維新の会、中道改革連合、国民民主党、チームみらいなどの賛成で可決しました。日本共産党、参政党などは反対しました。
改定案は「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)構想」の運営法人を設立する内容。同構想は大学や研究機関が保有する先端技術の事業化を狙い、研究開発から事業化まで支援する拠点を整備するものです。
私は24日の衆院内閣委員会で反対討論に立ち、自民党政権が財界の要求に沿って科学研究を産業に直結した成果を求めるものに変質させてきたと指摘。改定案はこれを一層推進し「学問の自由や大学などの自治、研究活動の自主性・自律性を侵害し、時々の政権の成長戦略への奉仕を優先するものだ」と強調しました。
さらに、産業化が狙える先端技術だけを対象に、研究開発から事業化まで支援する改定案によって、本来豊かなイノベーションを生み出す基礎研究が一層軽視されかねないと批判しました。
私は運営法人の支援対象には軍事分野も含まれうると指摘。量子や人工知能(AI)などの先端技術は軍事利用可能で、同構想の基本方針に防衛省との連携が書き込まれており、「日本の科学研究とスタートアップを新たな軍需産業の担い手として組み込む一環だ。軍事偏重のイノベーション推進には反対だ」と表明しました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年6月24日(水曜日)内閣委員会 第22号
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、科学技術・イノベーション活性化法改正案に対し、反対の討論を行います。
本案は、政府が進めるグローバル・スタートアップ・キャンパス構想、いわゆるGSC構想を実施する認可法人として、先端技術研究成果活用推進機構を設立しようというものです。
GSC構想は、大学や研究機関等が保有するAIや量子技術等の先端技術の事業化を狙って、研究開発から事業化までを支援する拠点を整備しようというものです。しかし、政府は、拠点施設の具体的な内容や建設費用、完成予定時期等について一切明らかにせず、本委員会の審議直前になって、単純計算で九百七十億円もの巨額の建設費用が示されるなど、極めていいかげんなものだと言わざるを得ません。
自民党政権は、財界の要求に沿って、科学技術基本法を科学技術・イノベーション基本法に改悪するなど、科学研究を産業に直結した成果を追求するものに変えてきました。本案は、これを一層推進して、学問の自由や大学の自治、大学等の研究活動の自主性、自律性を侵害し、大学等の研究成果を時々の政権の成長戦略への奉仕を優先するものです。目先の経済的利益に結びつく研究が重視される一方で、研究者の自由な発想や知的探求心に基づく基礎研究を軽視してきたことが、日本の研究力の低下を招いてきたことは論をまちません。ノーベル賞受賞者の方たちが口々に強調する基礎研究の軽視に対する警鐘を重く受け止めるべきです。本案は、産業化が狙える先端技術だけを対象に、研究開発から事業化まで一気通貫に支援するというものであり、このような従来の科学技術政策の延長では、本来豊かなイノベーションを生み出す基礎研究が一層軽視されかねず、容認できません。
看過できないのは、機構の支援対象には軍事分野も含まれ得ることです。量子技術やAI等の先端技術は、デュアルユース技術であり、軍事利用可能です。政府がスタートアップを防衛力強化に活用する方針を掲げている下で、GSC構想の基本方針には防衛省との連携が書き込まれています。本案が、日本の科学研究とスタートアップを新たな軍需産業の担い手として組み込む一環であることは明らかです。軍事偏重のイノベーションの推進には反対です。
なお、修正案は、法案の問題点を解消するものではないため、賛同できません。
以上申し述べ、討論を終わります。


