【議院運営委員会】コロナ対応、政権与党の疑惑解明/国会の大幅会期延長を

 今国会の会期延長について議論を行った。採決の結果、自民・公明・維新の反対多数により否決された。今後、自民・立憲の幹事長会談が行われ、閉会中の国会審議の在り方について協議する見込み。

議院運営委員会で行った会期延長に賛成する意見表明は下記の通りです。


 私は、日本共産党を代表して、今国会の会期を12月28日まで、194日間延長する動議に賛成の意見を表明します。

 会期延長を求める第一の理由は、国会として新型コロナウイルス感染症対策に全力を上げるためです。新型コロナ危機は収束していません。暮らし、雇用、営業、教育、文化を守り支えるために、必要な支援を直ちに行うことが求められています。また、第二波に備えて検査・保健所・医療提供体制の抜本的拡充が必要です。

 特に、休業や時間短縮を強いられている労働者が1千万人を超えるという雇用問題では、雇用調整助成金を始めとして、速やかに支援が届く対策が急務です。PCR検査については積極的な検査体制への転換を図り、医療崩壊を防ぐためにも医療機関への減収補てんに踏み出すべきです。子どもたちの学びを保障する教員の大幅増員は不可欠です。

 このような喫緊の課題について、政府はただちに補正予算を編成し、国会に提出すべきです。財政民主主義の原則に反する予備費10兆円については、政府への白紙委任を認めることはできません。国会への報告、質疑を求めるものです。

 第二に、国会の行政監視機能として、安倍政権・与党の疑惑解明に全力を挙げるためです。

 持続化給付金の不透明な業務委託をはじめ、家電エコポイント事業からマイナポイント事業に至るまで続く政府と電通の癒着問題の徹底解明が必要です。

 三権分立を侵害する黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長の閣議決定と検察庁法改定案は、撤回すべきです。

 河井克行元法務大臣・案里参院議員の選挙買収疑惑は、1億5千万円の資金を出した自民党の責任含め、真相究明が厳しく問われます。秋元司議員をはじめとするカジノ疑惑の解明も大きな課題です。モリ・カケ・桜といった安倍総理に関わる国政私物化問題の徹底解明が求められています。

 イージスアショアの配備計画停止は、住民の世論と運動の力です。計画は白紙撤回すべきです。そして、沖縄県議選でノーの審判が下った辺野古新基地建設は、ただちに断念すべきであります。

 コロナ対応をはじめ、国会が大いに仕事をすべき時に、政権与党の不祥事・不手際を追及されたくないと、国会を閉じようとするなど許されません。

 以上、194日間の会期延長を求め、意見表明を終わります。

コロナ対策など大幅な会期延長を/野国連

 野党国対委員長連絡会開く。

野党の国対委員長が大島衆院議長に申し入れ

 新型コロナウイルス感染症対策のため、12月28日まで194日間の会期延長を求めることを確認。野党の国対委員長が大島議長に申し入れ。大島議長は「行政監視機能を全うして、国会の役割を果たさなければならない。国会のあり方は議論いただきたい」と発言。

 この後、議運委で議論が行われる。

国会の大幅な会期延長を/野国連

 野党国対委員長連絡会開く。6月17日の国会会期末を目前にして、国会の大幅な会期延長を求めていくことを確認。

 新型コロナウイルス感染症の第二波、第三波に備えて、即応性をもって国会が対応するとともに、巨額な予算執行へのチェック機能を果たすことが必要。

 国会を開き続けるように与党に働きかけていく。議長に対して、会期延長の申し入れを行うことにしたい。


国会会期大幅延長を要求/野党国対委員長が合意

「しんぶん赤旗」6月16日付・2面より

 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は15日、国会内で野党国対委員長連絡会を開き国会会期末(17日)の対応を協議し、新型コロナウイルス感染症が収束しないもとで、今国会の大幅会期延長を要求することで合意しました。

 野党国対委員長は、第1次補正予算、第2次補正予算の執行について監視機能を果たすのが議会の役割だとの認識で一致。東京都内で新型コロナウイルス感染者数が増加しているもと、感染の第2波、第3波が油断できず、即応性をもった対応が求められるとして、国会会期の大幅延長を求めることで合意しました。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は「与党側には、国会を延長するよう粘り強く働きかけ続ける」と表明しました。

 16日の衆院本会議後に野党書記局長・幹事長会談を開き、会期の延長を求める方針を確認し、会期幅などを決めることについても合意しました。

経産省と電通の癒着疑惑/徹底追及を/野国連開く

 野党国対委員長連絡会開く。

 経産省と電通の癒着疑惑を徹底追及するため、参院予算委とともに、衆院では明日、経産委員会で集中審議を求めていくことで一致。しんぶん赤旗のスクープも話題に。

 与党が一方的にセットした憲法審査会は流会となり、今国会の審議は行われないこととなった。


野党が徹底究明へ/きょう衆院経産委開催

「しんぶん赤旗」6月12日付・2面より

 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は11日、国会内で野党国対委員長連絡会を開き、国の持続化給付金事業をめぐり同事業を発注した中小企業庁の前田泰宏長官と委託先のサービスデザイン推進協議会との癒着疑惑や不透明な業務委託問題について12日に衆院経済産業委員会を開き、徹底究明することを確認しました。委員会開催で与党側と合意しました。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は記者会見で、「報道が事実であれば、業者側の接待にのって、その延長線上に持続化給付金の委託があったという問題であり、官製談合だ」と指摘。「野党として徹底して追及する」と表明しました。

【内閣委員会】雇用維持重大な懸念/REVIC延長は反対

 衆院内閣委員会は10日、民間事業者の再生支援やファンド運営などを業務とする地域経済活性化支援機構(REVIC)を5年間延長する地域経済活性化支援機構法改正案の採決を行い、自民・公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 9日の衆院内閣委の質疑で私は、機構による事業再生支援で「雇用は守られているのか」と質問。内閣府が「公表されている再生支援41件のうち、事業再生計画で希望退職を予定していた案件は6件、140人だった」と答え、機構がリストラに同意していることを認めたのに対し、塩川氏は、非公表の企業があることも問題だと指摘し、「雇用維持へ重大な懸念がある」と批判しました。

 私は、政府の説明資料で、機構の主な支援対象としている「地域の中核企業」とは何かと質問。

 内閣府は「ファンド業務を通じて成長分野への先行的な支援を行っていく」と答えました。

 私は、稼ぐ力のある企業であれば民間金融機関が出資すればいいのであって、税金を原資とするリスクマネーを供給する必要はないと主張し、機構の延長に反対しました。


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反対討論の要旨は、以下の通りです

 私は日本共産党を代表し、地域経済活性化支援機構法改正案に反対の討論を行います。

 本案は、時限的な組織である機構(REVIC)の業務をさらに5年間延長するものです。

 今回の延長は、新型コロナウイルス感染症対策のためと政府は説明していますが、何よりも重要な課題である雇用の確保に重大な懸念があります。

 民間事業者の事業再生支援を業務としている機構は、事業再生計画策定にあたって「雇用機会の確保」を掲げていますが、事業再生計画段階でも140人ものリストラに同意しています。しかも、これは公表分のみです。

 機構の支援を受けた企業が数百人規模でリストラを実施した事例も報道されていますが、機構が事業全体で何人のリストラに同意したのか、明らかにしていません。

 機構の前身である企業再生支援機構は、日本航空の再建にあたって、従業員の不当解雇や不当労働行為を行うなど重大な問題を引き起こしました。

 リストラに手を貸し、労働者の権利を蔑ろにしていると言わざるを得ない機構の延長には反対です。

 また、安倍政権が2013年に機構の業務に追加したファンド事業は、コロナウイルスの影響で苦しんでいる中小・小規模事業者全般を支援するものではありません。

 機構が主な支援対象とするのは、今回わざわざ説明資料の中で書き加えられた「地域の中核企業」、すなわち「地域経済をけん引する企業」「稼ぐ力のある企業」です。

 地域経済をけん引し、稼ぐ力がある企業であれば、民間金融機関・投資機関が出資・投資すればよいのであって、税金を原資とする公的資金をリスクマネーとして供給する必要はありません。

 前回法改正時の附帯決議で「再度の期限延長を前提としない」とあるとおり、機構の延長は必要ないと申し述べ、反対討論を終わります。

【内閣委員会】2次補正審議/巨額予備費は政権の都合優先/財政民主主義を否定

 2020年度の2次補正予算案で10兆円もの予備費は、財政民主主義を否定するものだと批判しました。

 政府は20年度予算の予備費233億円と1次補正予算233億円を使い、全世帯に2枚の布マスク(いわゆる「アベノマスク」)を配布。異物の混入や配布の遅れもあり国民から批判が相次ぎました。

 私は、「補償なき自粛要請」など政府の対応への怒りが広がるなか、批判をかわそうと実施したのがアベノマスク配布だ。思いつきのばらまきに使うことは許されない。これがまかり通ったのは、国会の事前チェックが働かない予備費だからだ。10兆円の予備費は、好き勝手に予算は使いたいが、野党に追及される国会は開きたくない政府与党の身勝手な都合を優先したものと、ただしました。

 西村康稔経済再生相は「臨機応変に対応するため予備費は有意義」と述べるだけでした。

 私は、大蔵省財政史室編纂『昭和財政史』が、戦前の予算編成を「徹底的単純化」し、「戦時に緊急な施策を臨機に実行できるように予備費を増加計上」「財政上の立憲主義は、残骸だけとなった」として、「新憲法の財政条項は、戦前の非民主的規定を廃止し、重要な項目の一つ目に財政処理の権限は国会にある」と指摘している。予備費10兆円は財政民主主義を否定するものだと批判しました。

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「議事録」

<第201通常国会 2020年6月9日 内閣委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 REVIC法案について質問をいたします。
 この法案の説明ペーパーを見ますと、そこには、地域の中核企業等の経営改善等のため、REVICにおいて、事業再生の枠組みを活用した支援や、地域金融機関と連携したファンドを通じた資本性資金の供給等を進めるとあります。
 ここでいう地域の中核企業というのは何なのか、御説明ください。
○西村国務大臣 この機構は、平成三十年の機構法改正により支援決定期限を三年延長されて以降、民業補完の趣旨を踏まえ、延長された期間内において、地域金融機関等へのノウハウ移転を加速し、そして、地域における民間の自律的な中小企業支援、地域活性化の取組を定着させることに重点を置いて取り組むというふうにしてきたところであります。
 こうした趣旨を踏まえて、機構は、まさに有用な経営資源を有しながら過大な債務を抱えた地域の中堅・中小企業や、先ほど来議論のありました病院など、幅広く再生支援に取り組んできたところであります。
 そうした観点で、まさに今、新型コロナウイルス感染症で地域経済が非常に厳しい状況にある中で、地域経済を担っている中堅企業、中小企業を対象に、さまざまな支援策を今回延長させていただいて、支援をしていこうということでございます。
○塩川委員 地域の中核企業とは何かということでお尋ねしたんですけれども、二〇一四年版の中小企業白書によると、地域中核企業、括弧してコネクターハブ企業としていますけれども、これは、地域の中で取引が集中しており、地域外とも取引を行っている企業をいう、地域経済への貢献度が高い企業のことを指すということですし、まち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一七改訂版を見ますと、地域中核企業とは、国内各分野の先端を支え、地域経済を牽引している企業のことだといいます。
 そうしますと、政府の成長戦略フォローアップ、二〇一九年を見ますと、地域中核企業への支援として、「地域未来牽引企業等の地域経済を牽引する事業を行う者に対して、地域未来投資促進法をはじめ、予算、税制、金融、規制の特例などの支援策を重点投入する。」とあります。この地域未来投資促進法に基づく地域中核企業への支援措置として、REVICによるファンド創設、活用の支援が位置づけられています。
 このように、REVICの支援対象というのは、地域中核企業といった特定の事業者が主に念頭にあるということになりはしないでしょうか。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 REVICの場合は、先ほど大臣からお答えさせていただきましたとおり、REVIC法に基づきまして、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中小企業者というものが支援の対象というふうになっているところでございます。
 今お話のございました地域未来牽引企業、そういう文脈の中での地域中核企業ということでございました。REVICは、REVIC法の規定に基づきまして、再生支援のほかに地域経済活性化支援事業ということで、ファンドをつくりまして、そちらの方で地域の企業を支援していくという事業も行ってきてございます。
 そのファンドをつくった支援ということの中には、一つには、再生支援をファンドを通じて行うということもございますが、他方で、再生ではなくて、むしろ成長支援という分野での先行的な支援というものもございました。
 そういうことで、これまでも、一方で、そういう、成長支援ということの中には、地域未来牽引企業という概念というかコンセプトに入る、そういう会社というものも入ってくると思いますけれども、このREVIC法の支援の対象というものは、必ずしもそういった企業に限られるものでございませんで、あくまでも、このREVIC法、機構法の定義するところの、有用な経営資源を有しながら過大な債務を負っている中小企業者ということで、この機構法の規定に従うところの中小企業というものを支援していくということでございます。
○塩川委員 再生支援と同時にファンドを使って、再生支援もあるし成長支援も行うといった中で地域中核企業というのが出てくるわけです。今回のポンチ絵を見ても、あるいは、二年前のこのREVIC法の質疑のときにも私もただしましたけれども、やはり、この地域中核企業、まさに地域の優良企業、地域経済への貢献度が高い企業とか、国内各分野の先端を支え、地域経済を牽引している企業ということが主な支援対象として挙がってきているのは確かであります。
 そういう企業であれば、地域金融機関がしっかりと支援を行えばいいわけで、REVICの出番ということではないのではないのか。その点でも、二年前の法改正の附帯決議には、REVICは、時限的組織であることに鑑み、再度の期限延長を前提としない経営に努めることとあります。この点でも、期限延長の必要はないと考えています。
 そこで、もう一つお尋ねしたいのが、REVICの事業再生支援に当たって、雇用への配慮がどうなっているのかという問題であります。
 このREVICが行う事業再生支援に当たって、雇用機会の確保に配慮とありますが、こういう雇用機会の確保についての実績はどうなっているのかについてはわかりますか。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 機構が事業再生支援を行う場合には、今お話がございましたとおり、機構法第一条、業務の目的というところにおきまして、雇用機会の確保に配慮することとされるとともに、また、同機構法第二十五条、再生支援決定の第五項におきまして、再生支援の申込みをした事業者における弁済計画や事業再生計画についての労働者との協議の状況等に配慮しなければならないと規定されていることを踏まえまして、機構におきましては、可能な限り既存の雇用関係を維持し、解雇が発生しないように努めてきているところでございます。
 地域経済活性化支援機構はこれまでに八十四件の再生支援決定を行っているところでございますが、そのうち四十一件が公表されているところでございまして、その総従業員数は約一万一千二百名となっているところでございます。
 これらの案件におきまして、事業再生計画等で希望退職等を予定していた案件は六件、約百四十人となっていると承知しておりまして、機構の事業再生支援によって多数の雇用の維持が図られてきているものと考えているところでございます。
 なお、平成三十年の前回の機構法改正以降の再生案件では、希望退職の募集等は行われていないものと承知しております。
 以上です。
○塩川委員 八十四件のうちの公表の四十一件ですから、公表している案件としてはそういう数字かもしれませんが、非公表のところがどうかという問題なんですよ。この点で本当に雇用が維持された、雇用が確保されたのかといったことについての説明はありませんでした。
 再生支援の決定基準を見ますと、「申込事業者が、労働組合等と事業再生計画の内容等について話合いを行ったこと又は行う予定であること。」とあります。労働者と話合いを行う予定でも構わないということにもなり、これで雇用の確保と言えるのか。そもそも、REVICの前身である企業再生支援機構は、日本航空再建に当たって、機構の目的に、雇用の安定等に配慮との規定があるにもかかわらず、従業員の不当解雇や不当労働行為など重大な問題を引き起こした。この点でも、雇用維持への懸念が拭えないということを指摘をせざるを得ません。
 こういったREVIC法案について、我が党としては期限延長の必要がないということを申し上げておきます。
 次に、二次補正関連法案ということでもありますので、二次補正予算に関連して、多額の予備費計上についてお尋ねをいたします。
 その点でお聞きしたいのがアベノマスクの問題なんですが、四月一日のコロナ対策本部で安倍総理は、補正予算成立前にあっても、予備費の活用などにより、感染者数が多い都道府県から順次配付を開始する予定と表明をし、全世帯に二枚の布マスクを配付するというアベノマスクを実施をしました。
 今年度当初予算の予備費で二百三十三億円、一次補正で二百三十三億円の合計四百六十六億円を計上しました。国民から厳しい批判の声が上がりましたが、西村大臣、このアベノマスクに国民から厳しい批判の声が上がったのはなぜだと思いますか。
○西村国務大臣 政府が一世帯二枚ずつのマスクを配付することについては、少しおくれがあるというふうに聞いておりますけれども、しかし、さまざまな御意見があるというふうに聞いております。
 これから、この事態がまだ長引く可能性もあります。人と人との距離を置かなきゃいけない、こうしてみんなマスクをしなきゃいけない。そうした中で、毎日毎日、市販されているマスクを買っていると、月に一人三十枚買わなきゃいけないことになってしまいます、一日一枚使うとしてですね。そうした中で、布マスクであれば、それを洗って使えるという面のよさを指摘をされる声もあります。
 さまざまな声があるというふうに承知をしておりますので、そうした中で、全世帯に送るべく、厚労省において今その取組が進められているものというふうに承知をしております。
○塩川委員 アベノマスクは小さくて使いにくいとか、四人家族に二枚の配付では足りないとか、妊婦さんに配付された布マスクには目で見てわかる汚れがついていたり異物の混入があった、アベノマスクは大丈夫か心配など、要らないのに送りつけてくると批判の声が相次ぎました。
 これは、当時、感染が広がる中で、PCR検査を受けられない、自粛要請といって行動規制や営業規制を強いながら補償は全く行わないという政府の対応に国民の怒りが広がった、その批判をかわそうと、思いつきで実施したのがアベノマスクということではないでしょうか。このような思いつきのばらまきがまかり通るのは、国会の事前チェックが働かない予備費だからではないのか。
 大臣にお尋ねしますが、こんな予備費が十兆円にもなれば、天文学的な思いつきのばらまきがまかり通ることになる、結局、十兆円の予備費というのは、好き勝手に予算は使いたいが、野党に追及される国会は開きたくないという政府・与党の身勝手な都合を優先したものではありませんか。
○西村国務大臣 私も常々申し上げておりますけれども、小さな流行は来ます。北九州でも起こっております。それを大きな流行にしないように全力を挙げて取り組んでいるところでありますけれども、いつ、韓国や、あるいはイランのように、イランは第一波よりも今大きな波が来ているわけであります。どういったことが起こるかわからない。このウイルスはどこに潜んでいるかわからないわけでありますので、そうした、仮に第二波が大きな波になるようなケースもあり得るわけでありますので、そういったことも含めて、臨機応変に、時期を逸することなく対応していく、そのことのために、予備費は私は非常に有意義なものだというふうに思っております。知事会からも増額を要望されていたところであります。
 そうした中で、予算総則において、「新型コロナウイルス感染症に係る感染拡大防止策に要する経費その他の同感染症に係る緊急を要する経費以外には使用しないもの」とされておりますので、その範囲内で、いざ緊急のときに、何か必要なものについては使用させていただくというための予備費であるというふうに理解をいたしております。
○塩川委員 過去、予備費の多額の計上というのは、戦争遂行体制のもとで行われました。
 大蔵省の昭和財政史編集室編さんの「昭和財政史」というのがありますが、昭和十六年十二月、太平洋戦争で、日本財政は専ら戦争遂行一筋に絞られていった、戦時緊急な施策を実施するための予備費の計上も増加をした。そういう中で、昭和十七年七月の昭和十八年度予算編成に関する閣議決定では、「相当多額ノ予備費ヲ計上スルコト」とあり、昭和十八年七月の同様の予算編成に関する閣議決定では、「戦時緊要ナル施策ノ臨機実行ニ遺憾ナカラシムル為予備費ノ計上ヲ多額ナラシムルコト」と。同じように、昭和十九年七月の昭和二十年度の予算編成の閣議決定にも同様のことが盛り込まれたわけです。
 そのもとで、予備費が全体の歳出に占める割合が昭和十七年に九・一%、昭和十八年は一〇・九%、昭和十九年は九・六%。今年度の予備費は、それに匹敵するような七・五%であります。昨年度の〇・五%と比較をしても、巨額の金額に上ります。
 ですから、この「昭和財政史」では、日中戦争、太平洋戦争と進む中、不健全ながらも守られていた議会主義的な約束は一つ一つ取り外されていき、財政上の立憲主義は残骸だけとなったと指摘をしているわけです。
 だからこそ、戦後の憲法では、財政民主主義の確立を重視をした。その重要な眼目の一つが、財政処理の権限は国会にあるとして、その財政権限を拡大したことにあります。
 予備費十兆円は財政民主主義を否定するものであります。修正議決で必要な予算措置を行うこと、三次補正に速やかに取り組むこと、このことを求めて質問を終わります。

【議院運営委員会理事会】補正予算案説明/10兆円予備費/財政民主主義を侵す

 西村明宏官房副長官は、議院運営委員会理事会で、第2次補正予算案と関連法案を8日に国会に提出したいと説明しました。

 私は、第2次補正予算案の予備費は、国の財政は『国会の議決に基づく』という憲法上の規定のあくまでも例外。10兆円もの予備費は財政民主主義を侵すものだ、と主張。

 立憲民主党の手塚仁雄議員は「予備費10兆円は過去の例と比べても桁違いだ。政府に白紙委任させることはできない。減額して組み替えよ」と求めました。

 西村副長官は「予備費は新型コロナ対策に充てると予算総則で明記し、使途を限定する。機敏に対応するものとしてお願いしたい」と釈明しました。

改憲手続き法案を強行させない/緊急署名24万/国会前集会

 議員会館前で「安倍9条改憲NO! 改憲発議に反対する全国緊急署名」提出集会に出席。

 立憲民主党・国民民主党・社民党・沖縄の風の代表の皆さんとともに、24万を超える改憲発議反対署名を受けとりました。

 コロナ媧のどさくさにまぎれて改憲手続き法案を強行しようとするなどとんでもない!野党は結束して、今日の憲法審査会を開かせませんでした。


改憲発議/阻止必ず/緊急署名24万/国会提出/総がかり行動委など

「しんぶん赤旗」6月5日付・1面より

 安倍政権による改憲発議に反対する「全国緊急署名」の提出行動が4日、衆院第2議員会館前で行われました。約24万257人の署名を野党の国会議員に手渡し、「改憲の企てを完全に断念させるため、声をあげ続けよう」とアピールしました。

 総がかり行動実行委員会共同代表の高田健さんがあいさつし、戸別訪問や街頭活動が難しいなか創意工夫し集めてきたと紹介。「安倍政権による改憲を必ず阻止しよう。草の根の行動を続け、市民と野党の共闘も発展させたい」とのべました。

 「九条の会」事務局長の小森陽一さん(東京大学名誉教授)は、検察庁法改定案に抗議するツイッターデモをはじめ、「安倍政権に対する国民の怒りはかつてなく広がっています」と強調。改憲発議断念とあわせて、政権打倒も展望して頑張ろうと訴えました。

 立憲民主党の近藤昭一、国民民主党の奥野総一郎、日本共産党の塩川鉄也の各衆院議員、社民党の吉田忠智、参院会派「沖縄の風」の伊波洋一の両参院議員が参加。塩川氏は「改憲阻止と、憲法を生かしたコロナ対策を実現させるため頑張りましょう」と呼びかけました。主催は、「総がかり行動実行委員会」と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」です。

過去に例がない巨額の予備費10兆円/政府への白紙委任/野国連

 野党国対委員長連絡会開く。

 二次補正予算に計上している予備費10兆円は、過去に例がない巨額の予備費だ。政府への白紙委任であり、国民を代表する国会の審議をないがしろにする。財政民主主義を否定するものであり、大幅な減額が必要だとの認識で一致。

 黒川問題、持続化給付金やGoToキャンペーンの不透明な委託問題などを質す予算委集中審議を求めていくことを確認した。


10兆円白紙委任できぬ/2次補正案予備費/減額へ野党一致

「しんぶん赤旗」6月5日付・4面より

 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの野党共同会派は4日、国会内で野党国対委員長連絡会を開き、第2次補正予算案について「10兆円もの予備費を政府に白紙委任することはできない」として政府・与党に改めて減額を求めることで一致しました。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大で減収となった中小企業への持続化給付金の不透明な業務委託や、観光・飲食業を支援する「GoToキャンペーン」の約3千億円の事務経費問題をただすために、安倍晋三首相が出席する予算委員会の集中審議の開催を求めることを確認しました。

 さらに、持続化給付金の電通への不透明業務委託問題について、「新型コロナ対策で国民の命にかかわる給付金を利権化し、食いものにすることは許されるものではない」(立民の安住淳国対委員長)として、政府・与党に事実関係の徹底究明を求めていくことで一致。「GoToキャンペーン事業」の事務経費の曖昧な積算根拠についても徹底して究明するとともに、必要最小限の経費に抑えることを要求することを確認しました。

 立民の安住国対委員長は会合後、自民党の森山裕国対委員長と会談し、予備費の減額と予算委員会の集中審議の開催を求めました。

【内閣委員】財政民主主義反する/2次補正に予備費10兆円

 政府が第2次補正予算案に10兆円もの予備費を計上している問題を取り上げ、財政民主主義に反する、と追及しました。

 政府は新型コロナウイルス対策として、第1次補正予算に予備費1・5兆円を計上し、第2次補正予算案で10兆円を積み増そうとしています。

 リーマン・ショック時の予備費は1兆円、東日本大震災の際も8000億円で、これほど巨額だったことはない。憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定めており、過去に例のない10兆円もの予備費を政府に白紙委任することなど認められない、と迫りました。

 菅義偉官房長官は「臨機応変に対応する必要がある。万全の備えだ」と正当化しました。

 私は、戦前、国の予算は国会に決定権がなく、政府が戦費調達のために国債を乱発し、国家財政と国民生活を破綻させた反省から、日本国憲法は財政全般への国会による民主的統制を要請していると強調しました。

 その上で、予備費での執行は、不透明な支出があっても国会の事前チェックが働かない。国民・野党に追及される国会は開きたくないが、お金は好き勝手に使いたいという政権与党の都合だ。大規模な対策費が必要になれば、国会を召集し、補正予算を提出するべきだ。


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「議事録」

<第201通常国会 2020年6月3日 内閣委員会 16号>

○塩川委員 その上で、今のお話にも出ました予備費の問題であります。官房長官にお尋ねをいたします。
 第二次補正予算では、新型コロナウイルス感染症対策予備費を十兆円計上しています。
 憲法八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と、財政処理についての国会の議決を規定しています。過去に例がないような十兆円もの予備費を政府に白紙委任するということは認められない。この点について大臣のお考えをお聞かせください。
○菅国務大臣 新型コロナウイルスについては、今後とも、感染状況などの変化に応じ臨機応変に対応する必要があるというふうに考えています。こうした新型コロナウイルスの状況を踏まえ、万全の備えとして十兆円を追加することといたしました。
 予備費については、予見しがたい予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて設けることができるものとされており、今後、予算委員会においてしっかり説明をさせていきたい、こういうふうに思います。
○塩川委員 そもそも予算の歴史をたどれば、戦前、国の予算については、国会の関与、協賛を定めるだけで、国会に決定権はなく、政府の判断で決めることができたわけです。その結果、戦費調達のために大量の国債を発行するなどして、国家財政と国民生活が破綻した。だからこそ、戦後の日本国憲法は、国民の代表機関たる国会が財政全般について民主的統制を行うことを要請するものとなったわけであります。十兆円もの予備費を政府に白紙委任することなどは認められません。
 官房長官にお尋ねしますが、この予備費十兆円の使い道について、コロナと名前がつけば何でもやれるということになりはしませんか。
○菅国務大臣 新型コロナウイルス感染症対策予備費については、予算総則において、新型コロナウイルス感染症に係る感染拡大防止策に要する経費など感染症に係る緊急を要する経費に限り使用することといたしております。
○塩川委員 これは、一次補正の一兆五千億円の予備費にも同じような予算総則がある、それをそのまま引き継ぐものだと思いますけれども、そういった予算措置の中に、今問題となっている、議論となっている持続化給付金の電通などへの委託問題などもあるわけです。不透明な税金の使い方が問われている事業が予備費で執行されても国会の事前チェックは働かないということもありますし、コロナ感染症の第二波に備えているときに、不急のゴー・トゥー・キャンペーンのような予算を予備費で積み上げることにもなりかねない。ゴー・トゥー・キャンペーンの事務費が三千億円もあるといった、不透明な支出が予備費で計上されても国会審議は省略をされてしまう、こういう扱いでいいのかということが問われているわけであります。
 結局、十兆円の予備費を計上するというのは、国民、野党に追及される場になる国会は開きたくない、一方で好き勝手にお金は使いたいという政権与党の都合を優先したものではありませんか。
○菅国務大臣 今、私申し上げましたように、この予備費については、予算総則において、新型コロナウイルス感染症に係る感染拡大防止策に要する経費など感染症に係る緊急を要する経費に限り使用しているものであり、この拡大防止、そこを徹底して措置をすることのできる、そして国民の皆さんに安心感を与えるものに当然これは使用させていただくことになると思いますけれども、これは、予算を正式に提出をさせていただいて、その委員会の中でしっかりと説明をさせていただきたいと思っております。
○塩川委員 いや、コロナ対応の予見しがたい予算の不足に充てる予備費というのは、既に一次補正で一兆五千億円も計上されているんですよ。
 過去、予備費、特定目的の予備費ですよね、経済危機対応ですとか震災、災害対応などを見ても、五千億円とか八千億円とか九千億円とか一兆円という規模なんですよ。そういう中で、この一次補正の一兆五千億円というのがそういう予備費の中では最も多い金額となっている。それに加えて、何で十兆円も積み上げなければいけないのか。全く理屈が通らない。
 改めて、国会を開きたくない、好き勝手にお金を使いたいという政府・与党の都合でしかない、こういった予算のあり方を見直す、このことを強く求め、十兆円の予備費はやめて、大規模な支出が必要となれば国会を召集し補正予算を提出すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

【内閣委員会】病床確保/第2波へ偏在正せ/患者数推計をただす

 新型コロナウイルス第2波に備えて、最新の知見に基づくコロナ患者数の再推計についてただし、医療機関への財政措置を積み増すよう求めました。

 これまで政府は、ピーク時のコロナウイルス感染症患者数を約22万人(厚生労働省が3月に出した事務連絡に基づいて都道府県が試算したもの)と示してきました。これに対し、コロナウイルス感染症対策専門家会議の「提言」(5月29日)では、3月以降新たな経験を得たとして、今後の感染拡大を見据え、必要となる医療提供体制の確保のために「新たな患者数の再推計を行う」としています。

 私は、新たな患者の再推計とは何か、再推計に基づく第2波に備えた病床確保の目標を明らかにせよ、と質問。

 西村康稔経済再生担当相はどちらも、「厚労省において検討中」と答えました。

 私は、各都道府県が確保している病床数には大きなばらつきがある。このアンバランスをただすべきだ、と主張。

 西村氏は「2次補正予算で対応する」と答えました。

 私が、病床確保の目標は『検討中』なのに医療機関への財政措置は大丈夫だという保証はどこにあるのか、と迫ると。

 西村氏は、「予備費も10兆円積んでいる」と答弁。

 私は、予備費ではなく、必要な予算を積むべきだと求めました。


 
質問で配付した資料(↓クリックで拡大)
新型コロナウイルス感染症ピーク時入院患者数に対する受入確保病床数の割合
新型コロナウイルス感染症ピーク時入院患者数に対する受入確保病床数の割合

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「議事録」

<第201通常国会 2020年6月3日 内閣委員会 16号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、まず、新型コロナウイルス感染症対策で、医療提供体制の整備について西村大臣にお尋ねをいたします。
 五月二十九日に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言が出されています。その中で、今後の政策のあり方を指摘しております。次なる波に備えた医療提供体制のさらなる強化について、「今後、感染が大きく拡大する局面も見据え、必要となる医療提供体制を重症度別に確保しておくべきである。この際、三月下旬からの経験を踏まえて、流行の立ち上がり速度や緊急事態宣言を含む公衆衛生上の対策の効果を踏まえた新たな患者数の再推計を行う」とあります。
 ここで言う新たな患者数の再推計というのはどういうものでしょうか。
○西村国務大臣 専門家の御提言で、専門家の皆さんの中でいろいろ検討されるもの、そしてまたそれを受けて厚労省において対応を検討していくものというふうに理解をしております。
○塩川委員 これは、新たな患者の再推計と言っていますから、既に推計している数字があるわけです。その推計している数字が何かというのを確認したいんですが。
○西村国務大臣 既に各県に厚労省から一定の条件のもとで数式を提示して、各県ごとにこれだけの病床がピーク時には必要になってくるといったようなことをこれまで提示をし、それぞれの県においてそれが示されているところであります。
 その上で、今回の専門家の皆さんの御提言を受けて、更に新たに今検討を進めているという状況であります。
○塩川委員 三月六日の事務連絡で厚労省が示している数式に基づいて都道府県が算出している数字であります。
 これは配付資料をお配りさせていただきましたが、大きな枠、三つあるうちの真ん中のところに、厚労省事務連絡に基づく都道府県によるピーク時入院患者数の試算というのがこれまで行っている患者数の推計の数字で、合計を見ると二十二万人と出ているものであります。
 これはこれとして、三月の知見に基づいて、それぞれ厚労省から各都道府県にということで示されたものですけれども、この提言にあるように、新たな患者数の再推計、すなわち、次なる波である第二波に備えた病床確保の目標を明らかにする、このことを求められていると思うんですけれども、こういった新たな患者数の再推計について、ぜひ明らかにしていただきたいと思うんですが、この点はいかがですか。
○西村国務大臣 この間、さまざまな経験をいたしました。東京都においては、二千床を確保している中で千八百人を超えるような入院患者の方々が、非常に逼迫した状況もございましたので、そうした経験も踏まえながら、そして、改めて専門家の皆さんから御提言をいただいておりますので、厚労省において現在検討を進めているというふうに承知をしております。
○塩川委員 厚労省で検討を進めているということなんですが、今の知見を踏まえて都道府県の病床確保の目安を示すものであります。やはり、しっかりと速やかに明らかにする必要があると思うんですが、いつぐらいまでに示される、そんな考えでいるんでしょうか。
○西村国務大臣 小さな流行が、東京でもあるいは北九州でも、これをこれ以上大きな流行にしないということで、今、クラスター対策を始め努力をしてきているところでありますけれども、来るであろうという前提で第二波に備える、そうした準備も必要であります。
 今のうちにそうした体制を整えていくという観点からは、厚労省においてできるだけ速やかにこうした検討を進めていかれるものというふうに期待をしているところであります。
○塩川委員 厚労省にも来てもらっていますが、その検討はいつぐらいまでの予定ですか。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 前回の推計につきましては、海外の知見がない中で、武漢の例を含めて、念頭に置きながら推計を行ったものでございます。
 今般、日本での一定の経験がございますので、それに基づいた形での推計を進める必要があるということで、専門家委員からの御意見をいただいているところでございます。
 現時点において具体的なスケジュールについて明らかになっているわけではございませんが、可能な限り速やかに進めるべきものと考えてございます。
○塩川委員 今、落ちつき始め、しかし、部分的にはクラスターの発生ですとか懸念することもあるわけで、やはり大きな第二波に備えた対策として、医療提供体制の整備、その際の目安というのはしっかりと示すことが必要だということを重ねて求めておきます。
 それで、その上で、現状の三月の知見で出されている二十二万というピーク時の入院患者数の推計があるわけですけれども、これは、資料において、右側の枠にありますように、ピーク時入院患者数に対する受入れ確保病床数の割合を出している数値であります。パーセントで示していますけれども、一番左側にある入院患者を受け入れている確保病床数がピーク時の入院患者に占める割合ということです。
 これは、入院患者の割合を見ると、絶対数でもこれでいいのかと思うような数字でもありますが、都道府県間で大きなばらつきがあります。例えば鳥取県などは三〇%という数字でありますが、少ないところでは三%というのが茨城県や静岡県や岡山県にあります。
 このように、受入れ確保病床数の都道府県のアンバランス、これをこのままでいいのかと率直に思いますが、この点での対応はいかがでしょうか。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 この点につきましては、五月二十日の委員会におきましても委員より御質問いただいた件でございますけれども、三月六日の事務連絡に基づいて、一定の推計式をもとにピーク時の推計を行っていただくということで、この数値自体は厚生労働省として公表しているものではございませんが、この推計値に基づいて、地域の実情に応じた形で都道府県で病床数を確保していただくということでお願いしているものでございます。
 都道府県間の差異というものは、やはり大都市部と地方ということで、それぞれの環境あるいは医療資源の状況ということが、これはさまざまに異なっておりますので、一概にそれ自体をもって問題であるということは考えてございませんが、いずれにいたしましても、都道府県において必要な医療提供体制を確保していくということが重要だろうというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 都道府県で適切に判断、対応するというお話ですけれども、答弁にもありましたように、医療資源の状況に違いがあるわけなんです。ですから、そういう意味でも、重症者、中等症者で入院を要するような患者の方の、全体としてのキャパシティーをどうするのかということと同時に、あわせて、重症患者についての対応がどうなっているのかという点が、やはり医療機関の医療資源との関係でも重要になってくると思います。
 底上げを図る措置を入院患者全体として行うと同時に、資料の方でも一番右側に重症者数の割合を示しています。入院患者の受入れ確保病床数のうち、重症患者の受入れの枠がピーク時に対してどのぐらいを示すのかという数字ですけれども、ここでも都道府県間のアンバランスがあります。一〇〇%を超える県もありますけれども、一割前後の県もあります。
 そうしますと、当然各地域ごとでの大規模クラスターの発生とかもありますし、当然全国的な第二波の想定も必要ですし、地域ごとでもそういった対応というのも必要な際に、こういった都道府県間のアンバランスが、医療資源の違いということだけで、そのままでいいのかといった対応が求められるんじゃないでしょうか。
 医療資源が限られているような、そういう地域において、どう底上げを図るのかといったことが問われていると思うんですが、この点で、大丈夫なのか、率直に、大臣いかがですか。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナ感染症の患者の方は、大多数が軽症で済むわけでございますが、やはり重症になった方に対する対応というものが極めて重要だろうというふうに思ってございます。
 そうした中で、大都市部については大都市部としての問題があるわけですが、地方について、医療機関が少ない中でどのように重症者向けの病床を確保していくのかというのは非常に難しい問題がございまして、新型コロナウイルス感染症患者の受入れのためには、通常の病床よりも、やはり人的な体制を含めて非常に多くかかるということで、既存の病床数をそのまま全て、例えば一つの病棟を新型コロナ感染症患者のための病棟とすると仮にしたとしても、例えば十あった病床をそのまま十、新型コロナウイルス感染症の患者のために使えるということではなくて、やはり病床数を少し調整する必要が出てくるという問題がございます。
 こうした中で、第一次補正予算の中でも、病床の確保について、ベッドをあけて空床にするという形で確保している場合について、一定の金額について補助をするというスキームがございましたが、ただ、それですと、既存の病床を休止してしまう部分について、なかなか手が回らないということ、また、単価についても、一つの病床で見れば、それなりの金額について、例えばICUであれば、空床にして確保することによって、今九万七千円をお支払いしてございますけれども、それではなかなか十分ではないということで、重症者を受け入れるための病床の調整というものはなかなか進んでいないという状況でございます。
 今般、第二次補正予算案を進めてございますけれども、その中で、新しい交付金の中では、今九万七千円と申しましたICUの空床の部分につきましても大幅に引き上げるという、三十万円を超えるような形で、一日当たり、引き上げるということとあわせまして、休床する病床部分についてもきちんと補填をしていくということで考えているところでございます。
 こうしたことを通じまして、なかなか重症者向けの病床を確保していくということは、物理的にも人的にも難しい部分がございますけれども、こういうことを通じまして必要な病床を、確保を進めていくということで、地域に応じた形で、重症者向けの病床も含めて病床を確保していただければというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 絶対数も少ないわけですけれども、都道府県間で医療資源に偏りがあることが重症患者の受入れ病床数のばらつきにも反映されている。曖昧にできないことで、この点でも、対応の求められる県への底上げを図る措置、人的、財政的な支援が必要です。
 その上で、今もお話にもありました緊急包括支援交付金の問題なんですけれども、地方の裁量を広く認め、自治体にとって使い勝手のいい制度にすべきであります。
 例えば、埼玉県は、コロナ対応の病床確保のため、入院患者の受入れに対する協力金、患者一人当たり二十五万円を医療機関に支給する計画を立てましたが、厚労省からだめだと言われたとお聞きしました。診療報酬で手当てしているので交付金の対象にならないということですが、埼玉県は医療資源が非常に少ない県でもあります。医療機関へのインセンティブとして、県によるこのような独自の支援策を認めるべきではありませんか。
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金につきましては、第一次補正予算で創設したものでございますが、これは、医療提供体制の整備などにつきまして、さまざまな事業をメニューとしてお示しした上で、都道府県が地域の実情に応じて柔軟かつ機動的に取組を進めていただくという趣旨で設けたものでございます。
 さらに、今般、第二次補正予算案についてお願いしてございますけれども、事態の長期化や次なる流行の波に対応するために交付金を抜本的に拡充を行うということと、新たに事業を追加するとともに、全額国費により補助するというスキームでございます。
 また、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた医療機関への支援といたしましては、診療報酬におきまして、重症の新型コロナウイルス感染症患者に対する一定の診療への評価を三倍に引き上げるとか、あるいは、緊急包括支援交付金の新たなメニューといたしまして、新型コロナウイルス感染症患者対応のために重点医療機関として病床を整備した医療機関に対しまして、患者の適切な受入れ体制確保の観点から、先ほど申しましたような空床確保を補助するというような支援をかなり強化したところでございます。
 ただ、一方、メニューでお示しするという形になってございまして、御指摘のような埼玉県の中のお取組というものについては、現状においては対象にはなっていないわけでございますけれども、御指摘のような地域の実情に応じた取組が各自治体において必要と判断される場合につきましては、地域創生臨時交付金の活用も考えられるのではないかというふうに考えてございますので、そうしたメニューも活用しながら御検討いただければというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 地方創生臨時交付金は、そういう意味では、広く使われるという点でいえば、例えば国民の皆さんあるいは事業者の皆さんに対しての支援にも回すということで、医療機関だけというふうになりません。
 ですから、もともと緊急包括支援交付金が、医療機関に対して医療提供体制の整備というのであれば、お話しになったように柔軟かつ機動的にという交付金であれば、こういうところを使い勝手をよくするべきだと。そういう点でも、もっと工夫のできるような、そういう制度にすべきだということを申し上げておきます。
 西村大臣にお尋ねしますが、第二波に備えた病床確保のために、医療機関への財政措置が必要だと思います。次なる波である第二波に備えた病床確保の目標は、今検討中ということですけれども、検討中だというのに医療機関への財政措置が現状で大丈夫だとどうして言えるんでしょうか。
○西村国務大臣 既に申し上げました、これまでも答弁させていただいていますけれども、各都道府県において、現在、三万一千床を確保して、このうち一万八千床について、医療機関と調整を行った上で既に確保しているということであります。
 ただ、今後、患者さんの数が大変減っていますから、他の疾病の方々もしっかり手当てしていかなきゃいけませんので、いつまでも空床のままずっと確保しているというわけにもいかない。しかしながら、いざふえてきたときにはそれをコロナの患者さんに転用できるような、そうした調整の枠組みを各都道府県で今とっていただいているところであります。
 また、ホテルなど軽症の方の療養施設についても、今は二万室確保しておりますけれども、これが今後、患者さんの数が減る中で、経済活動が活発化していけば、当然、ホテルの方も他の用途への利用というものも出てくるわけでありまして、こうしたところを調整しながら、しかし、いざというときにしっかり、御指摘のような、重症の患者さんの命を守る、こういったことを含めて医療の現場の体制を整えていく、このために二次補正予算で今の包括支援交付金を二・二兆円積み増しているところでありまして、ぜひそうした形で、第二波が来た場合にも命をしっかりお守りできる体制を整えていきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 ですから、第二波に備えてというのであれば、第二波に備えた病床確保の目標としている、提言で述べている、新たな患者数の再推計、これを踏まえた財政措置を考える必要がある。ただ、この新たな患者数の再推計というのは今検討中ということですから、その場合に本当に今の予算措置で大丈夫なのかと、そこを聞いているんですけれども。整備の目標もないのに、予算、財政措置、大丈夫だとどうして言えるんですか。
○西村国務大臣 まず、第二波は、今回経験したような大きな波にならないように、大きな流行にならないように、私どもとして、小さな流行で抑えていく、そのクラスター対策、そしてまた、今月中旬にはアプリも導入する予定になっております。そういったことを通じてしっかりと対応していきたいというふうに考えておりますし、万が一大きな波になった場合、あるいは、更に必要な状況が生じた場合には、今回予備費も十兆円積み増しているところでありますので、そういったものも活用しながら、医療体制をしっかりと提供し、お一人お一人の命もお守りしていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 必要な金額は、予備費じゃなくて、実際に詰めばいいんですよ。そういった予算措置こそ行うべきだと。
 第二波に備えた病床確保の目標が明確になっていない段階で、じゃ、ふさわしい予算措置と言えるのかということが問われているわけで、病床確保の目標を明確にして医療機関への財政措置を積み増すべきであります。
 また、医療機関全体が受診抑制にあります。こういった減収の医療機関に対する減収補填の措置もしっかりと行う、そういった予算についても、日本医師会などが、コロナ対応で一兆六千億必要、通常の医療機関の医療を継続するために二兆五千億円は必要だとしている。こういった地域医療を崩壊させないための必要な予算の確保を求めておきます。

【「しんぶん赤旗」掲載】予備費10兆円認めない/2次補正/野党国対委員長が確認

「しんぶん赤旗」6月4日付・2面より

 日本共産党と、立憲民主党、国民民主党などの共同会派は3日、国会内で野党国対委員長連絡会を開き、政府が第2次補正予算案(約32兆円)に10兆円もの予備費を盛り込んでいることについて、「財政民主主義に反し、断固認められない」との認識で一致し、政府・与党側に予備費の大幅減額を求めることを確認しました。

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は同日の記者会見で、「10兆円もの予備費は、『国の財政は、国会の議決に基づいて』行うとする憲法83条から見て問題だ」と指摘。「国民の代表である国会が税金の使い道もチェックせずに政府に白紙委任することは国会の自殺行為だ。立法府の役割が問われる問題だ」と強調しました。

 その上で、予備費にすでに第1次補正予算で1・5兆円も計上しており、新たな予備費は必要ないと強調。「コロナ対応という名目さえ付けば10兆円ものお金を安倍政権が自由に使えるというのはまったく許されない」と批判し、「立法府の役割、憲法の財政民主主義を論点としてたたかっていく」と表明しました。

 立憲民主党の安住淳国対委員長は、「予想を超える計算外の支出があったときに、国会を開き、予算を決めるまでの当座をしのぐのが予備費の概念だ」と強調。「(政府・与党の提案は)『好きに予算を使わせろ』と言っているに等しいものであり、まったく認められない」と批判しました。

 また野党国対委員長は、黒川弘務前東京高検検事長の定年延長問題、不透明な持続化給付金事業の電通への業務再委託、GoToキャンペーンの約3千億円の事務費―の“疑惑3点セット”について、予算委員会の集中審議の開催を改めて求めることでも一致しました。

【倫理選挙特別委員会】町村議選への供託金導入可決/共産党反対「被選挙権を制約」

 町村議会議員選挙に供託金を導入する公職選挙法改定案が特別委員会で採決され、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 自民党などが提出した今回の法案は、現在は不要の町村議選立候補時の供託金を全国一律で15万円とするものです。

 私は質疑で、これまで供託金制度を「候補者の乱立防止」などを理由に正当化する一方で、町村議選では「供託金を不要」としてきた理由を確認。

 総務省の赤松俊彦選挙部長は「町村議選では候補者が乱立する状況ではなかったから」と答えました。

 私は、法案が供託金導入を、ポスターなど選挙運動費用の公費負担を可能とする「公営」の条件にしていることが問題だと指摘。『候補者乱立の懸念がない』との状況が変わったのか。公営と供託金をセットにする整合性はまったくない、と強調しました。

 さらに、「なり手不足が深刻」と言いながら、供託金導入は立候補に新たなハードルを設けることになる。総務省の研究会報告でも供託金引き下げに言及するなど、引き下げの議論が起こっている今、供託金導入は流れに逆行するものだ、と批判しました。

 私は、採決の反対討論で、供託金導入は、国民の被選挙権行使を制約し、憲法に保障された参政権を侵害するものであり、認められないと表明しました。


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反対討論の要旨は、以下の通りです

 本案は、町村議員の選挙に、現在ゼロである供託金を持ち込むものです。

 本案の提出理由を、なり手不足が深刻で、「立候補に係る環境の改善」のためとしながら、立候補に新たなハードルを設けることは、まったく矛盾しています。

 国政選挙・首長選挙で数百万、地方議員でも数十万円。こんなに高い供託金を取っている国はありません。供託金制度が、「カネを持っている人でなければ選挙に出られない」という立候補の阻害要因になっていることは、明らかです。

 総務省の研究会でも供託金の引下げに言及し、超党派の若者政策議連は各党に「供託金の大幅引き下げ」を要請しています。国際的に見ても、制度を廃止する国も出てきています。供託金の引下げの議論が起こっているいま、町村議選への供託金導入は、流れに逆行するものです。

 町村議選への供託金導入は、主権者国民の被選挙権行使を制約し、憲法に保障された参政権を侵害するものであり、認められません。

 また、本案は、供託金の導入を「公営」拡大の条件としていることも問題です。

 現行でも、町議選には葉書は「公営」されており、公費負担は行われています。供託金が公費負担の前提という理屈は成り立ちません。

 そもそも、我が国の供託金制度は、「悪質な立候補を抑止」「候補者の乱立を防止」するとの理由で正当化されてきたものであり、町村議選は「そのような懸念が少ないことから、供託金が設けられてこなかった」と説明がありました。これが変わったというのでしょうか。「公営」拡大と供託金導入をセットにする、整合性がまったくありません。

 さらに、本案の「公営」は条例により実施が決定しますが、供託金は全国一律15万円の導入となります。供託金は導入されて「公営」なしという町村も出てくる場合もあります。

 この矛盾を見過ごすことはできません。

 なり手不足が深刻となっている現状で、全国町村議長会は、毎年「選挙公営の拡大」と同時に「被選挙権の引下げ」、「戸別訪問の解禁」などを要望しています。

 候補者と有権者が戸口で質疑・討論ができるよう「戸別訪問の解禁」といった「選挙運動の自由」を広げることが、選挙を活性化することになり、なり手不足解消へとつながってきます。

 「戸別訪問の解禁」にとどまらず、文書図画の規制の自由化、立会演説会の復活、選挙運動期間の見直し、供託金の引き下げ、被選挙権の引下げ等、国民・有権者が主体的に選挙・政治にかかわりやすくするため、根本的には、複雑な現行法を抜本的に変える必要があります。


「議事録」(質疑)

【新聞「新埼玉」掲載】黒川氏定年延長の閣議決定撤回を

新聞「新埼玉」6月号より

塩川鉄也の国会から埼玉から

 黒川弘務東京高検検事長は、賭けマージャンを認めて辞任しました。「余人をもって代えがたい」、「公務に重大な支障をきたす」として、黒川氏の定年を延長する閣議決定を行っだのが安倍首相です。

 賭けマージャンで賭博罪に問われうる立場の黒川氏は、法務事務次官だった時に、賭博を合法化するカジノ法案を容認する立場をとりました。この人事のうさん臭さを象徴するものです。

 安倍首相は、前例のない検察官の定年延長を強行したものの、その法的根拠を説明できずに法律の解釈変更までしてごり押しし、さらには法律そのものさえ後付けで書き換えようとしました。その人事の結果が、賭けマージャンによる辞任です。検察庁法改定案の撤回、黒川検事長定年延長の閣議決定撤回を強く求めたい。

 安倍政権は、独立性が求められる日銀やNHK、内閣法制局、検察庁の人事に露骨に介入し、国政の私物化を推進してきました。その下でモリ・カケ・サクラなどの不祥事が拡大しました。その責任を徹底追及していきたい。

(衆議院議員・党国会対策委員長代理)

コロナ対策の抜本的拡充を/埼玉・西武鉄道所沢駅前で宣伝

 所沢駅東口で党所沢市委員会の宣伝行動。柳下県議、党市議団と訴え。

 コロナ対策として、暮らしと営業を守る支援策の抜本的拡充を求めるとともに、第二波に備えた医療提供体制の整備が必要です。

 コロナ対応に全力をあげるときに、火事場泥棒的に国政私物化をはかる検察庁法改定案や改憲手続き法案の強行などとんでもない!