埼玉/来年度予算に対する民主団体との懇談会/党県委員会・県議団主催

 党埼玉県委員会・県議団が主催する来年度予算に対する民主団体との懇談会に出席。

 柴岡党県書記長、伊藤岳参議院議員、梅村さえこ前衆院議員、党県議団らと参加。各団体から国政・県政に関する多くの要望をいただきました。

 安倍自公政権の悪政に対決しながら、一歩でも二歩でも要求を前進させるとともに、市民と野党の共闘の前進で、悪政の転換を図るために頑張りたい。

 埼玉県知事選での大野知事の誕生、統一地方選での党県議団の前進、21年ぶりの参院埼玉選挙区での党議席獲得で、市民と野党の共闘と日本共産党への期待の大きさを実感しています。


医療・福祉・教育県民の声実現へ/埼玉/各団体と共産党が懇談

「しんぶん赤旗」9月7日付・首都圏版より

 日本共産党埼玉県委員会(荻原初男委員長)と県議団(柳下礼子団長、6人)は6日、国や県に対する来年度予算要望に向けて県内の医療、福祉、教育、労働組合など各分野の団体の代表と懇談しました。塩川鉄也衆院議員、伊藤岳参院議員、梅村さえこ前衆院議員らが出席しました。

 埼玉県高等学校教職員組合は、県立高校の統廃合計画が進められている問題に触れ「中学校の卒業者数が減っているのは事実だが、高校でも少人数学級を実現すれば今の学校数は維持できる」と話しました。

 新日本婦人の会は、子ども医療費助成制度について、自治体に制度があっても他自治体の医療機関にかかると窓口で3割負担となり、後から自治体に申請しないと無料にはならないと指摘し「県として、中学卒業までの医療費を無料にしてほしい」と求めました。

 あいさつに立った塩川氏は、8月の県知事選で与野党対決に勝利し、大野元裕知事を誕生させたことは「埼玉から市民と野党の共闘を発展させる第一歩になった」と強調。「県民要求を実現する大きな流れを前進させるために、ともに頑張ります」と述べました。

 秋山もえ県議は、4月の県議選で共産党を含む非自公勢力が前進したことで、長年自公が独占していた議会運営委員会の副委員長選に統一候補を立て、無所属県民会議の議員が当選するなど、県議会でも野党共闘が進んでいると報告しました。

関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2020年度概算要求について

 関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2020年度概算要求の内容が明らかになりました。2020年度概算要求のポイントは

1)空自入間基地の施設整備費が突出して大きい
 来年度の概算要求で入間基地の施設整備費は139億円。2014年度から2019年度までの予算額及び来年度の概算要求額を合わせると、この7年間で464億円。単一の既存の自衛隊基地・駐屯地における施設整備費としては、他に例がないほど極めて大きな額になっている。(この5年間では、奄美の駐屯地新設500億円、海上作戦センターや係留施設など横須賀地区の複数の施設で600億円など)

 内訳をみると
①自衛隊病院関連154.6億円
②災害対処拠点地区関連58.8億円
③C2受け入れ関連86.2億円
④次期電波情報収集機受け入れ関連56.1億円
⑤航空医学実験隊移転関連34.4億円
⑥航空安全管理隊移転関連18億円
――など。複数の事業が並行して進められていることがわかる。

2)空自入間基地の電子作戦群の強化
 入間基地には航空戦術教導団電子作戦群が配備されている。主な部隊は、レーダー妨害に対する対処訓練用の「電子戦隊」、電波情報収集の「電子飛行測定隊」、レーダー運用能力の評価を行う「レーダー評価隊」。この間、C2を母機とした次期電波情報収集機配備に向けた予算が計上(約56億円)されてきた。

 来年度の概算要求では「効果的な電波妨害を実施することにより自衛隊の航空作戦の遂行を支援するスタンド・オフ電子戦機の開発」を掲げている。「通信妨害能力に次いで、レーダー妨害能力の向上といった段階的な開発を取り入れ早期装備化を図る」「C-1とYS-11の2機種を統合し、C-2を母機にして開発する」と説明している。2026年度末の配備をめざしている。これは、「電子戦隊」の強化を行うものになる。

 スタンド・オフ電子戦機は「政府が否定する敵基地攻撃能力の保有につながる可能性があり、『専守防衛』との整合性が問われそうだ」(「毎日」2018.7.29)とされている。

3)施設整備費の概算要求計上額の非開示について
 今回初めて、一部の施設整備費について概算要求計上額を非開示にしている。「予定価格が類推されることから提示不可」として「少額(1億円にはならない)であり、一工種に限定されるものについては、参加事業者が予定価格を類推できないようにすることが必要」と説明している。

4)米軍・自衛隊施設立地自治体への説明責任が尽くされていない
 私が施設整備費について資料要求している米軍・自衛隊施設は20以上に上るが、地元自治体に概算要求について説明資料を提出しているのは、米軍厚木基地及び主要な航空自衛隊基地(入間基地、百里基地、府中基地など)に限定されている。米軍横田基地や陸自駐屯地、防衛医科大学校などについては行われていない。

 詳細は以下の通りです。

1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)
横田飛行場提供施設整備 歳出ベース
28億5600万円
契約ベース
9億3600万円
駐機場(老朽更新、CV用ではない 新規)、ユーティリティ(給電・給水 継続事業)
厚木海軍飛行場提供施設整備 歳出ベース
13億1600万円
契約ベース
11億1600万円
汚水排水施設調査5200万円、雨水排水施設本工事10億2400万円、ユーティリティ(給電)本工事4000万円。いずれも継続事業
所沢通信施設及び大和田通信所
関係する経費は要求していない

 

2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」
朝霞駐屯地 約24億円
朝霞市公共下水への接続工事負担金0.6億円(2021年度に完成予定)。隊舎の新設12億円(女性自衛官教育隊舎の狭隘化による施設整備)。整備場の新設11億円(16式機動戦闘車整備のため。「2020年度末に配備される予定だが、現時点で配備部隊は未定」という。偵察隊を偵察戦闘大隊に衣替えし、機動戦闘車を配備する計画か。今年度、第一師団の偵察部隊が使用する庁舎新設経費3億円が計上されている)
相馬原駐屯地 約24億円
隊庁舎の新設(部隊供用の既存施設の狭隘化のため)
土浦駐屯地 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明)
隊舎(部隊供用)の改修
霞ケ浦駐屯地 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明)
実習場の改修(UHXヘリ整備要員の教育実習のため)
習志野駐屯地 約4億円
隊舎(部隊供用)の改修4億円(2棟の空調設備改修)。調査工事数百万円(隊庁舎の狭隘化による建て替えのための測量)
木更津駐屯地 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明)
格納庫の補修(既存施設の老朽化対応。オスプレイ関連ではない)
百里基地 金額不明(予定価格が類推されることから提示不可との説明)
燃料設備の改修(燃種変更に伴う機器の追加)
熊谷基地 約5億円
武道場の建替え(老朽更新。剣道場、柔道場を一か所に集約)
府中基地 約41億円
庁舎の新設28億円(航空中央音楽隊の庁舎新築)。庁舎の建替12億円(航空開発実験集団司令部庁舎の耐震対策)。庁舎の改修0.8億円(宇宙作戦隊(仮称)の配備。宇宙状況監視(SSA)システムの運用の拠点として活用)
入間基地 約139億円
燃料貯蔵施設の新設17億円、倉庫(貨物ターミナル)建替え11億円、誘導路の改修7億円(いずれもC2受け入れ関連)。航空医学実験隊(1・2部)庁舎の新設16億円。航空安全管理隊庁舎の新設18億円。受配電設備の老朽更新8億円。自衛隊入間病院の整備53億円(付属棟、教育棟、病院3期工事)。災害対処拠点地区等の整備10億円(訓練場、構内道路、雨水排水)。調査工事0.4億円(基地内のユーティリティ・ライフラインの管路調査)
大宮駐屯地、宇都宮駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、古河駐屯地、立川基地、横田基地はなし

 

3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団)及びその他の主な部隊に係る概算要求額(装備品等)
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞) 計上事業なし
第一空てい団(習志野) 約1.9億円
空挺傘損耗更新など
第一ヘリ団(木更津) 約0.9億円
フォークリフトなど
中央即応連隊(宇都宮) 約800万円
サーチライトなど
特殊作戦群(習志野) 約1.7億円
中央特殊武器防護隊(大宮) 約1.0億円
除染車1両
対特殊武器衛生隊(三宿) 約0.1億円
生物剤対処用衛生ユニット維持
国際活動教育隊(駒門) 計上事業なし
中央情報隊(朝霞) 計上事業なし
システム通信団(市ヶ谷) 約6.0億円
無線搬送装置
水陸機動団(相浦) 約10.9億円
水中偵察装置(水際機雷探知)など
大井通信所(ふじみ野市) 約3900万円
保全警備システムの保守整備293万円、通信所警戒監視要員(役務)の確保3630万円
防衛医科大学校(所沢) 約171億円
患者医療費41億円、学校機能維持費85億円、インフラ整備費27億円、医療備品整備17億円、防衛医学研究センター0.4億円
航空医学実験隊(入間) 約2.6億円
訓練機材(遠心力発生装置、操縦者作業負担度測定装置)の保守点検整備2億円、訓練用教材経費0.1億円、常圧低酸素訓練装置0.5億円
航空機動衛生隊(小牧) 約400万円
機動衛生ユニット維持費
陸自化学学校(大宮) 約570万円
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費
航空戦術教導団電子作戦群(入間) 約1.9億円
電子戦教育装置の換装

※参考資料

防衛省2020年度概算要求説明資料【百里基地】

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防衛省2020年度概算要求説明資料【府中基地】

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防衛省2020年度概算要求説明資料【入間基地】

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消費税増税は許されない/閉会中審査を/野党国対委員長連絡会

 野党国対委員長連絡会(野国連)に出席。

 10月の消費税増税は許されないという認識で一致。
①明日以降も野党合同ヒアリングで問題点を追及
②閉会中審査を要求する
③増税反対の街頭宣伝行動に取り組むこと
――などを確認。

 また、年金財政検証や日米貿易交渉、国家戦略特区など、国民に明らかにしていくことを政府与党に求めていく。

 さらに、丸山議員の「戦争」発言について、糾弾決議の議論を重ねてきた議院運営委員会で与野党協議を行うこと、上野元厚労政務官の「口利き」疑惑について、徹底究明を求めていくことを確認しました。

埼玉・小川町/平和のための小川町「戦争展」を訪問

 平和のための小川町「戦争展」に足を運びました。

 毎年、戦争体験者への聞き取りと手記に基づいた「先輩からの伝言」を展示しています。まとめた文集も4冊目になりました。次世代に戦争の悲惨さを語り継ぐ貴重な記録です。

 小川町の上空は米軍横田基地の飛行経路。オスプレイも飛ぶようになりました。「戦争展」では、米軍機の訓練飛行ルートや横田空域の実態をわかりやすく紹介しています。

 6月の東松山市議会では、日米地位協定の抜本改定を求める意見書が採択されました。地位協定の抜本改定は全国知事会も要求しています。基地被害をなくす取り組みを広げていきたい。

【新聞「新埼玉」掲載】伊藤岳さんの当選に喜びと期待

新聞「新埼玉」9月号より

 参院埼玉選挙区で、伊藤岳さんが当選し、21年ぶりに日本共産党の議席を勝ち取ったことに、喜びと期待の声が広がっています。

 選挙結果を街頭で報告すると、通りかかった有権者が次々、伊藤参議院議員に「よかったね」「がんばって」と声をかけていきます。私がSNSで発信するとき、伊藤議員の写真があるとないとでは、アクセス数が大違いです。

 「現場の声を聞いた数ではだれにも負けない」と、伊藤議員が有権者の声を国会に届けるという決意表明には、党国会議員団事務局のベテランも「伊藤さん、いいよね」と期待が高まっています。

 ある与党の国会議員は「伊藤岳さんの人柄が良い。インターネット番組の『今夜はちょっぴり共産党』を見た。私もまねして始めた」と話していました。

 首長訪問では、たくさんの要望が寄せられ、ここにも伊藤議員への期待があらわれています。

 これからが本番。国民要求の実現、悪政の追及、そして野党連合政権の展望を切り開くために、一緒に全力でがんばりたい。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月29日・ローマ国立中央図書館を訪問

 ローマ国立中央図書館を訪問。紀元1世紀頃の古代ローマの遺跡の上に建設されています。

 国立中央図書館は、ローマとフィレンツェの2カ所ありますが、ローマの特色は海外のイタリア関係の書籍を収集していることです。

 また、19世紀のイタリア統一時、教会の資産没収が行われましたが、イタリア王国に帰属した69の修道院にあった手稿や出版物がローマ国立中央図書館の所蔵となっています。その中には、日本と縁の深いイエズス会の文書もあり、日本関連の地図や記録など紹介してもらいました。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月29日・「五つ星運動」下院会派長らと懇談

 フランチェスコ・ドゥーバ「五つ星運動」下院会派長らと懇談。

 この日、コンテ首相がマッタレッラ大統領に呼ばれ、五つ星運動と民主党を中心にした新政権の枠組みが協議される見通しになっています。

 「環境問題で新しい取り組みを始めたい」と述べ
①プラスチックフリーを進める
②再生可能エネルギーの普及などを掲げました。
 環境問題に関してEUに要望があるとして「環境への公共投資を財政制約に含めるべきではない」と述べていました。

 日本への関心も高く、日本食がブームになっていることや「若い世代は日本のアニメ、マンガ、ゲームで育ってきた」と「ドラゴンボール、ナルト、らんま、キャプテン翼・・・」と次々、テレビアニメのタイトルをあげて、こちらがビックリ。

 日本に旅行した人からの要望として「トイレのウオシュレットの使い方をわかりやすくしてほしい」。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月28日・伊日友好議員連盟と懇談

 伊日友好議員連盟(エウジェニオ・ゾッフイリ会長)の皆さんと懇談。同盟、五つ星運動、フォルツァ・イタリアの議員4人が参加。

 昨年の総選挙後、再発足した議連ですが、柔道のメダリストなど日本とご縁のある方たちです。

 今の政局については、五つ星運動と民主党の政権になるのではないかという観測でした。元々、五つ星運動の支持者は民主党支持者だった人が多く、政策でも共通性があると話していました。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月28日・イタリア下院議会

 イタリア下院議会を訪問。現在使用されている議事堂はモンテチトーリオ宮。17世紀の建物です。今では手狭で、会派会議室などは、近所に分散して配置されています。

 イタリア議会は上院・下院の二院からなり、両院の機能は対等。双方とも内閣不信任決議権を持つとともに、大統領による解散もあります。

 8月は国会も夏休みの時期ですが、解散総選挙か新内閣発足かという政局の時期でもあり、少なくない議員が国会に足を運んでいました。

 議場や傍聴席には、電動車椅子にも対応できるスペースを確保するなど、バリアフリー化にも努めています。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月28日・イタリア下院図書館

 イタリア下院図書館を訪問。国会議事堂内にありましたが、1985年に下院公文書館と同じ場所に移転。元々、ドミニコ会修道院だった建物を使用しています。ガリレオ・ガリレイが宗教裁判(異端審問)にかけられたのは、この場所だったそうです。

 下院図書館では、外国の立法活動の文書などを収集。移転後、市民にも公開しています。上院図書館も隣接して設置されており、新聞や雑誌類など分担して購入しているようです。

 職員数は現在27人。10年前は80人、1996年当時は90人と聞きました。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月28日・イタリア下院公文書館

 8月28日、イタリア下院公文書館を訪問。

 下院が作成した文書の保管・公開を行うとともに、国会関連の出版物発行やセミナー開催などの文化促進活動も行っています。上院にも独自の公文書館があります。

 法案作成過程の文書は、一連の文書を一括して保管。また議会の調査委員会(司法調査や防衛機密調査など)の文書も保管し、機密保持の部分を除き公開されます。19世紀の日伊修好通商条約に係る法案作成過程の文書を紹介してもらいました。国民が国会に提出した嘆願書や議会事務局の文書も保管・公開の対象です。

 政党・会派の文書は、保管対象にはなっていませんが、寄贈があれば受け入れています。別途、公的団体のアーカイブがあるとのこと。

 議事録のデジタル化を行っています。また、約3万枚の写真アーカイブがあり、2008年の河野洋平衆院議長のイタリア訪問の写真も。写真右下には我が党の穀田議員。

 下院公文書館のスタッフは、事務局5人、アーキビスト10人(非常勤)、機密文書を取り扱う職員8人。

 公文書館の国際組織としてICA(国際公文書館会議)があり、その中で議会公文書館の会議も行われているとのこと。日本には議会公文書館がありません。だからこそ、オブザーバーでもいいので、参加することを提案したい。

 衆議院の議院運営委員会には、国立公文書館・憲政記念館建設小委員会があります。衆議院の憲政記念館の敷地に、行政府の公文書を保管・利用に供する国立公文書館と議会資料館である憲政記念館を合築で新設する事業について検討を行っています。各国の立法府における公文書管理の仕組みや議会公文書館の役割について、調査を進めていきたいと思います。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月27日・ローマ

 8月27日、ローマへ。片上慶一大使からイタリアの概要説明を受ける。

 連立政権の一翼を担う「同盟」が、コンテ首相不信任動議を提出し、コンテ首相が辞意を表明。マッタレッラ大統領が議会各派との調整を行っている真っ最中です。このような政局の背景にあるコンテ政権の主要施策について意見交換。

 コンテ政権の主要施策の一つである「尊厳法」は、①有期雇用の無期転換を図るなどの労働規制強化策②企業に雇用維持を求める施策③ギャンブル依存症対策などが含まれます。前政権のときに行われた労働規制緩和を元に戻そうという取り組みです。

 ローマ郊外のブリヂストン欧州技術センターを訪問。

 ブリヂストンは世界最大手のタイヤメーカー。タイヤ市場のシェアは15%(第一位)。海外生産比率は73%。生産拠点を世界26カ国、163カ所に保有。ブリヂストンの技術センターは、国内2カ所、海外4カ所。ローマの技術センターは、欧州、ロシア、中東、アフリカを担当。欧州の規格・基準に対応し、担当するエリアの気象条件や走行環境、走行習慣に適したタイヤ製品の開発を行っています。

 その後、現地邦人の方々と懇談。

【衆議院議院運営委員会のイタリア視察】8月25~26日・フィレンツェ

 8月25~26日、フィレンツェ。国立公文書館、国立中央図書館を視察。フィレンツェ在住の邦人の方々との懇談などを行いました。

 フィレンツェ国立公文書館は、フィレンツェ地域の歴史的重要文書の保存・公開を行うとともに、19世紀のイタリア統一後の行政・司法文書の保存・公開を担っています。

 日本に関係する文書の中には、1585年、天正遣欧少年使節が、メディチ家に寄贈した日本地図があります。最初の訪問地であったポルトガルで作成したもの。豊前、豊後など、当時の国の単位ごとに、教会が描かれ、イエズス会の布教が日本全土で進んでいることをアピールするものとなっていたようです。

 フィレンツェは、12世紀には自治権を獲得し、共和政を実施。13世紀末以降、評議会(議会)が設置され、国庫の管理、治安対策、軍事などについて審議していました。14世紀の評議会議事録を紹介してもらいました。そこには議員でもあったダンテが公金横領の罪でフィレンツェを追放されことが記載されていたといいます。その後、濡れ衣だということで、名誉回復のため、その記述が削除された跡が残されています。

 年間1万7千人が利用し、その2割が外国人。ルネサンスの研究が中心です。市民が利用する理由として、「購入した家の歴史を調べたい」「家系をたどりたい」などがあります。3代前に遡って、先祖がイタリアに居住していれば、イタリア国籍を取得できるそうです。

 年2~3回の企画展を実施しており、今は準備中。19世紀以降の建築物の展示を計画しています。

 年数が立てば、貴重な文書も劣化します。1966年、アルノ川が洪水を起こし、多くの公文書が被害を被ったこともあり、修復作業は非常に重要です。

 しかし修復作業は外注され、2000年に20人いた修復の専門家は現在ゼロ。「人を増やしてほしいが政府の腰が重い」と言います。

 フィレンツェ国立中央図書館は、イタリア及びヨーロッパにおいて最も重要な図書館の一つ。880万点の印刷本、約2万5千点の手稿、約4千点の15世紀初期活版印刷物等を所蔵。

 全ての刊行物の納入を義務づける納本制度に基づき、出版物を収集しています。元々はトスカーナ大公国が出版物をチェックするための検閲制度として納本を義務づけたという歴史的経緯があります。

 日本でも明治時代、出版物の検閲を目的として、納本制度が始まりました。現在は、戦後の日本国憲法の下、国民の知的財産の保存と国民の知る権利を保障するものとして、国立国会図書館が納本制度を運用しています。

 国立国会図書館法の前文には「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」とあることを肝に銘じて、国立国会図書館の運営を支えていきたい。

 フィレンツェ国立中央図書館では、出版社が発行している刊行物だけでなく、カレンダーやチラシ、選挙の宣伝物なども納本の対象になっているとのこと。政党の宣伝物も公開されているものは全て、収集対象です。

 私は、日本の政党史の記録としても、政党の宣伝物について、国立国会図書館や議会資料館である憲政記念館で収集することを提案しています。1年でなくなる政党もありますから。イタリアの取り組みを参考にしたい。

 1966年のアルノ川の大洪水で、図書館の収蔵物も被害を受けました。今なお修復の作業が続いています。地下の書庫には、洪水対策とスペース確保のため、収蔵物が真空パックで保管されていました。

 人手不足が深刻です。以前は300人いた職員が、今では140人。半年契約の非常勤職員が増えています。