埼玉・所沢市議選/天野あつし候補と最後の訴え

 所沢市議選、天野あつし候補と最後の訴え!やぎした礼子県議も一緒です。

 自ら経験したからこそ、ブラック企業をなくしたい、若者を使い捨てにする政治を変えたいと立候補しました。

 ワーキングプアの若者にも重くのしかかる消費税増税は中止を!

 天野あつし候補を押し上げてください!日本共産党の議席を5議席から6議席に増やして、政治の私物化を進める安倍政権ノーの審判を下しましょう!

統一地方選後半/埼玉・川越市議選の応援に

 午前は、かきた有一候補の応援に駆けつけました!激戦を勝ち抜いたもりやひろ子県議も一緒です。

 5人の党議員団は、小中学校普通教室へのエアコン設置、中学卒業までの子ども医療費無料化、介護保険料引き下げを実現してきました。

 なくてはならない議席です。5人を必ず押し上げてください!
日本共産党の躍進で、消費税増税ストップを!

 午後は、池浜あけみ・長田まさき・こんの英子・川口とも子の4候補の応援に駆けつけました!

 所得が減っている庶民や年金が減らされているお年寄りに、重い消費税増税を押し付けるのではなくて、もうけや所得を大幅に増やしている大企業や富裕層に、応分の税の負担を求めることこそ、公平・公正な税のあり方ではないでしょうか。

 国民の反対の声、日本共産党の追及により、萩生田発言のように、政府与党に動揺が広がっています。

 日本共産党の躍進、川越市議選で5議席実現で、消費税増税をストップさせましょう!

埼玉・日高市/佐藤まこと市議候補の応援に

 日高市議選、佐藤まこと候補の応援に駆けつけました!

 この4年間、学童保育室拡充や学校給食の食育・地産地消の堅持、中3のインフルエンザ予防接種の無料化など、豊かな実績をあげてきた佐藤まこと候補。

 国保税、介護保険料負担増には、きっぱりと反対を貫いてきました。

 消費税増税はストップできます!高すぎる国保税は引き下げましょう!

 佐藤まこと候補を何としても押し上げてください!

統一地方選後半/埼玉・川口市議選の応援に

 川口市議選の応援に駆けつけました!

 午前中、矢野ゆき子・松本さちえ・今井はつえの3候補と訴え。

 中学卒業までの医療費無料化、公立幼稚園・小中学校教室へのエアコン設置、県内初の公立夜間中学校開設など、豊かな実績をもつ市議団を6名から7名に増やしてください!

 日本共産党の前進で、安倍政権退陣の審判を下しましょう!

 川口市議選、午後は金子ゆきひろ・平川みちや・井上かおる・板橋ひろみの4候補の応援に駆けつけました!

 日本共産党は、消費税増税は今からでも止められると訴えてきました。萩生田自民党幹事長代行が、景気動向次第では「違う展開はある」と、消費税増税延期を示唆する発言を行ったことは、消費税増税に反対する国民の声と日本共産党の追及によって、政府与党が動揺していることを示しています。日本共産党の躍進で、消費税10%増税をストップさせましょう!

 あなたの一票が政治を変えます!日本共産党の候補者にお力をお貸しください!

【内閣委員会】米軍特権見直せ/ドローン飛行禁止法案撤回を

 米軍の横暴勝手を認める政府の責任をただしました。

●ドローン飛行禁止法案について

 米軍の施設又は区域を禁止区域に指定できるドローン飛行禁止法案について、沖縄県のメディアが「ドローン撮影を封じれば(辺野古新基地建設にかかわる)工事の進捗や基地建設による環境破壊など実態を隠す」「ただでさえ困難な米軍への取材はますます制約を受ける」と主張している。取材の自由が大幅に制限され、国民の知る権利が侵害されることになるのではないか、と質問。

 山本順三担当相は「施設管理者(米軍)の同意があれば飛行は可能だ」と答弁。

 米軍が防衛大臣に対しドローン飛行規制を要請したと、報道している。米軍の要請によるドローン飛行禁止措置では、米軍の(取材の自由への)配慮があるはずはない。法案を撤回すべきだ。

●所沢通信基地への横田基地工事残土搬入について

 また、横田基地から所沢通信基地への工事残土搬入については、汚染土壌である懸念がある。そんな土を学校や病院がある所沢通信基地に持っていくことを容認した日本政府の責任が問われる。

 防衛省は「日米地位協定で認められている措置だ」と答弁。

 日米地位協定で米軍の特権を認めているのが問題の大本だ。抜本改定を行うべきだ。日本政府として土砂搬入をやめるよう米軍に伝えよと強く求めました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月17日 内閣委員会 13号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょう、最初に、山本国家公安委員長にお尋ねいたします。
 以前の当委員会、三月八日に、警察官と出版社の癒着にかかわる問題について質問いたしました。警察庁と十七都道府県の警察官が、昇任試験の対策問題集を出版する民間企業の依頼を受けて、問題や解答を執筆して現金を受け取っていた問題を取り上げ、真相究明を求めました。
 その際に山本国家公安委員長は、現在事実を確認中、早期に確認した上で適切な対処がされるよう警察を指導していきたいとお答えになりましたが、その後はどうなりましたでしょうか。

○山本国務大臣 お答えをいたします。
 お尋ねの件につきましては、今ほどのお話のとおり、三月八日の日にお尋ねいただいたところでございますけれども、現在におきましても、引き続き、関係警察において事実関係の確認を行っているものと承知をいたしております。
 公務員が、出版社から依頼を受けて、執務時間外に原稿の執筆を行い、その原稿料を受領することは、これは間々あることでございます。ただし、必要な税務申告が行われているとともに公務員関係法令に抵触するものでない限りにおいては、特段の問題は生じないというふうに認識をしているところでもございます。
 事実確認につきましては、いまだ全体としては継続中ではございますけれども、取材や報道のあった者、約四百六十名でありますけれども、その四百六十余名のうち四百名を超えるかなりの部分につきましては、これまでの確認によると、何らの措置を要しないと認められるなど、問題のないケースであるというふうに承知をいたしております。
 他方、少なくとも三十名程度の者につきましては、兼業に当たるか否かなどについて、なお事実確認が必要であり、引き続き、関係警察において事実関係の確認や関係機関との協議等を進めていくものというふうに認識をしているところでございます。

○塩川委員 そうしますと、必要な税務申告ですとか公務員法令に当たるかどうかといった点での確認をされておられるということで、大半の方は問題なしということだけれども、三十名程度については、兼業に当たるかどうかといったことを含めて、さきで指摘した点について事実関係の確認を進めているということであります。
 これは、そうはいっても、警察庁及び十七の都道府県警、ここで、もうおおよそ結論が出ているところもある、県警ごとで見たら終わっているところもあるというのは前回も答弁がありましたけれども、そういうところから明らかにするとか、そういうのはできないんですか。

○山本国務大臣 全体像を我々把握する必要がございますし、それをベースにして処分等々のことも考えていかなければならないということでございますので、いま少し時間をいただいて、全体の状況がどうであるかということについての確認作業をしていきたいというふうに思っております。

○塩川委員 極めて重要な問題であります。しっかりと確認をしていただきたいと思いますけれども、同時に、やはり、明らかになってから、マスコミ報道からも三カ月以上もたちますので、これはしっかり明らかにするということは必要だと思っておりまして、いつまでに全体像を明らかにするお考えか、この点、お聞かせいただけませんか。

○山本国務大臣 先ほども申し上げたとおりでございますけれども、取材や報道のあった者、四百六十余名のうち四百名を超えるかなりの部分については、これまでの確認によると、何ら措置を要しないと認められるなど、問題がないものと承知をいたしております。
 他方で、残りの者については、兼業等について事実確認が必要であり、さらに、関係事業者の協力も得なければならない点があるなど、現時点で関係警察における事実確認終了の確たる時期を申し上げる段階にはないものと認識いたしております。
 いずれにしても、可能な限り早期に事実確認を行った上で、必要に応じて適切な対処がなされるように警察を指導してまいりたいと思っております。

○塩川委員 そういう点では、四百名以上の人は問題ないと言っているんですけれども、そうはいっても、明らかにしていただかないと我々としても判断のしようがありませんので、その点をしっかり明らかにした上で、しかるべく早期に明らかにしていただいて、警察への信頼が問われる問題だと考えています。
 そういう重要な案件について、国家公安委員会でしっかり議論する必要があるんじゃないかと思うんですが、そういう議論の場というのはあるんでしょうか。

○山本国務大臣 国家公安委員会の各委員に対しましては、警察庁におきまして、個別に、当該報道があった旨と、それから、必要な事実確認を関係警察において行う旨の報告を行っているというふうに承知をいたしております。
 現在、関係警察において事実確認中であり、確認の結果、問題があるものがあれば、国家公安委員会として、報告を受けた上で、必要に応じて議論がなされているものというふうに考えておりますが、現時点で予断を持ってお答えするということはできないところでございます。

○塩川委員 警察庁が調査しているから、それがまとまったところで議論するというのではなくて、そもそもこの国家公安委員会で警察のあり方についてきちっと議論する、やはり、委員からそれぞれ問題意識を聞いたり意見を聞いたり、そういうのを調査に反映することが必要なんじゃないですか。そういうことをぜひやってもらわなければならぬと思うんですが、いかがですか。

○山本国務大臣 国家公安委員会におきましては、確たる事実をベースにしての議論というものをしていく必要があろうかというふうに思っておりまして、今の委員のお話も参考にはしながらでございますけれども、あくまでも、問題があるということについての議論をしっかりさせていただきたいと思っておりますので、その議論の材料が出るまでは、我々としては、予断を持って対応するわけにはいかないというところでございます。

○塩川委員 納得のいくお答えではないんですが、問題があるという段階でやはり議論するということが重要なわけですから、まさに国家公安委員会の役割がそこにあるんだと思いますので、全部お膳立てが済んだからやりましょうという話ではないという点でも、国家公安委員会として本来求められる役割をどう果たすのかというのが問われているということは申し上げ、警察への信頼が問われている問題ですので、直ちに全面的に明らかにしていただいて、やはり国民の目線で、国民の立場でしっかりと検証していくということが求められていると思いますので、その点、重ねて要望しておくものであります。
 続いて、前回議論したドローン飛行禁止法案の関係で、若干質疑をし足りないところがありましたので、お尋ねしたいと思います。
 防衛省にお聞きしますが、ドローン飛行禁止法案にある、米軍に係る、日米地位協定第二条第一項の米軍の施設又は区域においては、陸域、水域とともに空域があるという説明がありました。その空域とはどういうものなのかについて、まず説明をいただけますか。

○原田副大臣 お答えをいたします。
 我が国の領域内の訓練空域につきましては、日米地位協定、委員お示しのように、第二条第一項の規定によりまして米軍に提供している陸域ないし水域の上空を、合理的な範囲で地上ないし水面の施設・区域と一体のものとして米軍の使用が認められているものでございます。
 これらの空域につきましては、地上ないし水面の施設・区域と一体のものとして、保安上、対象防衛関係施設に指定することは排除されませんが、個別具体的にどの在日米軍施設・区域を対象防衛関係施設に指定するかという点につきましては、米側と協議をしつつ、法案成立後に、これらの指定の必要性を精査して、真に必要な範囲を指定することになるものでございます。

○塩川委員 ドローン飛行禁止法案の話ではなくて、そもそも日米地位協定に基づく米軍の施設又は区域の話で、日米地位協定の二1(a)などで示している米軍の施設又は区域で、空域があると言ったものですから、その空域というのはどういうものですかと。例えば高さ、どういうものを明らかにしているのか、その点が聞きたいんです。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま副大臣の方から、地位協定第二条の1に基づきまして提供しているというお話はさせていただきました。
 具体的に空域と申しますのは、例えば三沢対地訓練区域ですとか、あるいは沖縄であれば久米島射爆撃場ですとか、そういった、特に空軍関係の訓練を行う場所として空域が指定されているというところでございます。

○塩川委員 空軍関係というお話なんですが、例えば、でも、日米地位協定により米軍が使用している空域についてということで、沖縄では、例えばキャンプ・シュワブなんかもあるんですよね、空軍ではなくて海兵隊ですけれども。キャンプ・シュワブはあるけれども、海兵隊の航空基地たる普天間は入らない、あるいは空軍の嘉手納はこの空域というもののリストに出てこないんですけれども、空域を指定されているところと指定されていないところの違いは何なんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の、例えば普天間ですとか嘉手納といったものは飛行場でございまして、まさに航空機のベースでございますし、そこから航空機が離発着するという場所でございます。
 一方、空域に関して言えば、先ほど、済みません、代表例として空軍と申し上げましたが、もちろん海軍ですとか海兵隊、さらには陸軍の航空機も使用することは可能でございますが、いずれにせよ、主たる目的は訓練を行うという意味において空域が指定されているというところでございます。

○塩川委員 訓練を行うところと言うんですけれども、それは全部じゃないですよね。例えば、キャンプ・マクトリアスとかというのも空域指定しているんですけれども、ここは住宅地ですよね、学校とかスポーツ施設とか。それは、訓練をそこでするんですか。米軍の軍人軍属がいる、そういったところも訓練場所なんですか。
 ちょっととめてもらえますか。

○牧原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○牧原委員長 速記を起こしてください。
 防衛省田中地方協力局次長。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 キャンプ・マクトリアス区域につきましては、有視界飛行による航空機の運用という使用目的がございます。

○塩川委員 だから、有視界飛行による航空機の運用ということであれば、ヘリですとかセスナですとか、基本は計器飛行でないものは全部入るわけですよね。だったら、ほかのところも同じじゃないですか。嘉手納だってそうでしょう。普天間だって同じなんですよ。訓練と言うから、普通に、米軍の住宅地の上が訓練場になっているのかという、その説明にはなっていないんですけれども。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 空域に関しては、訓練という目的がほぼメーンだというふうに考えておりますが、先ほども申し上げたような航空機の運用という言葉に示されるようなものというものも含まれるというふうに考えております。

○塩川委員 航空機の運用というのであれば、日本の航空法、米軍は適用除外ですけれども、尊重すると言っていますから、それを当てはめるのであれば、航空法でいえば、地上面の一番高い部分から百五十メートル以上飛びなさいと最低安全高度規定がある、人口稠密地域だったら三百メートル以上とありますよね。
 この空域、地位協定に基づく空域は、高さはどこまでなんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 これは空域ごとによって高度についてはそれぞれ定められているところでございまして、一律に定められているものではございません。

○塩川委員 例えばキャンプ・マクトリアスという米軍の住宅地のところが、有視界飛行の航空機の運用という話をしましたけれども、それは基本三百メートル以上は、航空法に準じれば飛ばないわけですよ。この空域というのは三百メートルの更に上まで広がっているから指定しているということですか。

○田中政府参考人 委員、申しわけございません。御質問の趣旨は、三百メートル以上についても空域というふうになっているのかという……(塩川委員「いや、キャンプ・マクトリアスは高さはどこまでなんですか、三百メートル以上なんですかと聞いているんです」と呼ぶ)
 キャンプ・マクトリアスに関しましては、上空二千フィートまでというふうになっております。(塩川委員「七百メートルぐらい」と呼ぶ)さようでございます。六百から七百メートルぐらいでございます。

○塩川委員 そうですか。これは初めて知りました。そういった格好で、一応上限設定がある。その理屈はもうちょっと確認しようと思うんですが。
 そこで、ドローン飛行禁止法案について聞きたいんですけれども、ドローン飛行禁止法案の場合について、対象施設の上空は、ドローンの飛行は、規制について高さ制限というのはあるんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 これは、防衛関係施設に限らず、御指摘の法案の対象あるいは現行法の対象で上空の高さ制限といったものはございません。

○塩川委員 飛ぶかどうかは別にしろ、三千メートルとか四千メートルでもかかっているということですよね。だけれども、航空機の場合だったら、ドローンじゃないから飛べるわけですよね。ドローンはずっと上まで規制されるけれども、航空機は規制されないということになりますね。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆるドローン規制法のほかに、いわゆる航空法というのがございまして、こちらでは、ドローンにつきましては高度は原則五百メートル以下しか飛べないということになっております。

○塩川委員 いや、航空法で言う航空機、ドローンじゃなくて、の場合は、別に上の方は制限されないですよね。航空法のドローンじゃなくて、航空法の航空機。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 ちょっと防衛省の所管ではございませんけれども、航空法上の航空機の高度の規制というのはございません。
 それから、済みません、もう一点。先ほど、私、答弁でドローンの航空法上の制限が五百メートルと申し上げましたが、百五十メートルの誤りでございます。

○塩川委員 要するに、ドローンの場合には上限規制がないんですよ。だから、そういう意味では、ドローンであればどこまでも規制の対象になっているというのが実態であります。
 それで、広大な空域が米軍に既に提供されているわけですけれども、ドローン飛行禁止の対象エリアも大きく広がる懸念があるわけです。
 防衛省に聞きますが、もともとこれは米軍の要請じゃないのかということなんですけれども、二〇一七年十一月十六日に小野寺防衛大臣とハリス米太平洋軍司令官が会談を行いました。その際にドローン飛行規制を要請したと報道されています。防衛省、日本政府は、米軍から直接ドローン飛行規制の要請を受けているのではありませんか。

○原田副大臣 お答え申し上げます。
 日米間では平素より必要な意見交換等を行っております。これまで米側から、在日米軍施設・区域上空において小型無人機、いわゆるドローンの飛行が確認された事例について情報提供を受けてきたところでございますけれども、御指摘のハリス司令官の件も含め、具体的なやりとりの内容につきましては、相手国との関係もありますことから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

○塩川委員 納得のいく答えではありません。否定しなかったということでもありますので、米側が名護市辺野古のキャンプ・シュワブを飛ぶドローンの規制を要請してきた、その経緯は明らかであります。
 山本大臣にお尋ねします。
 やはり、このドローン飛行禁止法案について、日本新聞協会や民放連からも反対の意見表明がなされてきたところです。米軍基地が集中をする沖縄のメディアからも、厳しい声、懸念の声が上がっております。
 琉球新報は、社説で、
  名護市の辺野古新基地建設現場は米軍キャンプ・シュワブと周辺の提供水域に囲まれ、報道機関のドローンは近寄れなくなる。建設現場では県条例に反して赤土が流出している疑いがある。「K4」護岸付近から汚水が漏れ出している様子を市民団体がドローン撮影で確認している。
  東村高江での米軍ヘリ炎上事故ではドローン撮影によって事故直後の状況が明らかになった。ドローン撮影を封じれば工事の進捗や基地建設による環境破壊などの実態を隠すことになる。
と厳しい指摘があり、また、沖縄タイムスも、
  土砂投入が進む辺野古新基地のドローン撮影ができなくなれば、埋め立て承認時の留意事項が守られているかなどの監視は難しくなる。米軍機の事故現場では、取材活動が不当に制限されることになりかねない。基地からの油漏れなど、ただでさえ困難な米軍への取材はますます制約を受けることになる。
 大臣、米軍基地が集中する沖縄では、取材の自由が大幅に制限をされ、国民の知る権利が一層侵害されることになるんじゃありませんか。

○山本国務大臣 今回の法改正では、近年におけるドローンの脅威の高まりを受けて、我が国を防衛するための基盤である防衛関係施設に対する危険を未然に防止すること、また、ラグビーワールドカップ及びオリパラ競技大会の安全な、かつ円滑な実施を確保するためのものであって、私も再三申し上げてまいりましたけれども、報道機関の取材活動を制限する意図はございません。
 その上で、報道機関による取材目的の飛行など正当な理由のあるドローンの飛行については、施設管理者の同意等の手続を通じて飛行を認めることにより、法の規制目的と国民の権利との調和を図ることとしているところでございます。
 防衛省におきましても、報道の自由の重要性を十分認識した上で、対象防衛関係施設に関する法の運用について各種検討を行っているというふうに報告を受けておりまして、取材活動やあるいは国民の知る権利に配慮した適切な運用が確保されるものというふうに認識をいたしております。

○塩川委員 米軍はやめてくれと言っているんですから、そこでどうして同意が得られるのかということになるわけです。
 沖縄には米軍基地が集中をしております。沖縄の本島においても面積の一四・七%を米軍専用施設が占めるということで、この米軍の要請によるドローン飛行禁止措置では米軍の配慮があるはずもない、ドローン飛行禁止法案はやはり撤回をすべきだということを申し上げておくものであります。
 それでは、山本大臣、御退席いただいて結構です。

○牧原委員長 山本大臣は御退室ください。

○塩川委員 次に、防衛省に、米軍所沢通信基地への横田基地残土搬入問題についてお尋ねします。
 所沢市議会は、残土搬入反対の意見書を全会一致で採択をしました。所沢市基地対策協議会も、二度にわたって反対を意見表明しています。所沢市民の反対の立場は明確であります。
 防衛省にお尋ねしますが、横田基地の土砂堆積場所について、その土地の取得の経緯、その後、米側に提供した経緯、これらについて説明をいただきたい。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの横田飛行場滑走路北側の土地につきましては、昭和四十年ごろから当時の防衛施設庁が順次取得をいたし、昭和四十七年から航空機の離着陸安全確保のための区域として米軍が使用してきております。
 その後、当該土地は、平成二十八年十二月の日米合同委員会におきまして、外周道路の切りかえ工事を行うために米軍に提供することが合意され、平成二十九年三月に提供されているという状況でございます。

○塩川委員 昭和四十年ごろに農地だった土地を取得を開始し、四十七年、一九七二年に離着陸の安全確保のためということで使用するということで行った。外周道路の建設ということで米側に土地を提供したということですが、これはもともと、一九五〇年代に滑走路の延長を行った、それに対応して取得された土地とかかわる部分ということでいいですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 滑走路の北側の端にかかる部分でございます。その部分につきましては、もともとは農地でございました。ただ、滑走路のまさに北端の部分の周辺に当たるものですから、やはり航空機の運用上、そこに例えば障害物などが設置されると航空機の運用に支障があるものですから、その意味において、昭和四十年ごろから、順次、防衛施設庁が取得し、先ほど申し上げたような経緯に至っているというところでございます。

○塩川委員 その辺の経緯をもう少しきちっとたどっていただきたいんですけれども、そもそもは農地だったところで、航空機の離着陸の障害とならないように、無障害地帯としてその農地部分を買収した、取得をしたということで、要するに建造物が建たないスペースにしようということなんです。
 そうしますと、もともと農地だったところに、盛土になっているんですよ。だから、それが不思議でならないんですけれども、何でそんな盛土になっているんですか。

○田中政府参考人 お答えいたします。
 当省といたしまして、盛土の由来が確認できる資料というのを可能な限りさかのぼって今調査しているところでございますけれども、現時点においては見つかっておりません。
 用地取得から既に五十年以上が経過しているということもございまして、盛土の由来を確認することが非常に困難であるという可能性はあるものの、引き続き調査を行ってまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 ですから、もともと農地だったところだから別に高いところでもないのを、わざわざ盛土するような状況になっているわけですよね。それをどこかから持ってきたという話になって、ですから、所沢市あるいは所沢市民が懸念をするのが、それが汚染されている土壌ではないのかという話なんです。
 前も聞きましたけれども、米軍としては調べているというんだけれども、所沢市も、過去、所沢通信基地の汚染の問題もあって、やはり国として独自で調査してくれとずっと要求しているんですよ。それはやはり汚染土壌への懸念があるからで、基地内からもし持ってくるとしたら、過去、いろいろな、重金属ですとか油類で汚染をされている、そういった土砂が積み上げられている場所じゃないのかといった懸念が当然出てくるわけで、その由来を明らかにするというのはぜひしっかり調べていただきたいということと、こういう所沢市から求められている、国として汚染土壌の調査をやれといったことについて、やはりきっちり少なくとも応えるというのが国の責任じゃないですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 米軍からは、当該土砂につきまして、土壌汚染調査の結果、汚染されていないことが確認できたこと、あるいは、これまで汚染を引き起こす可能性のある産業用の施設として利用したことがないことから、使用形態等を踏まえて、汚染があるとは考えられない旨の説明がございました。
 防衛省におきましても、米軍の行った土壌汚染調査は、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関において実施されたものということ、また、その結果についても、土壌汚染対策法の特定有害物質が全てにおいて基準値内であることを確認いたしております。
 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、必要に応じまして、関係自治体に対し更に情報提供を行ってまいりたいと思います。

○塩川委員 全ての土壌を調べているわけではない、サンプリングですから。つまり、由来がわからないんですよ。由来がわからないんだから、どんな汚染がされているかもわからないんですよ。そういうときに、幾つかのサンプリングで、ありませんでしたという話にならないわけで、その由来をはっきりさせることも踏まえて、しっかりとした調査を国として行ってほしいという所沢市の要望というのは、これは最低限の要望だろうということを申し上げておきたい。
 そもそも、こういった土地、外周道路をつくるために、二1(a)で米側に日本政府が土地を提供したわけです。その時点で、残土が出ることはわかっていたわけですよ。国は残土が出ることがわかっていた。そういうときに、何でわざわざ、住宅団地があり、学校があり、病院があるという所沢通信基地、目の前を残土置場にする、こういうことを容認するようなことをやったんですか。それ自身、国が容認したということになるんですけれども、それはおかしいんじゃないですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 米軍からは、横田飛行場における外周道路の切りかえ工事により発生する土砂につきまして、横田飛行場の滑走路周辺の盛土の部分は運用上の理由から土砂を積み上げることができないというふうに説明を受けております。また、住宅地区も含め、その他の地域においても、既存建物などが過密であること等から土砂を堆積する場所が確保できないことから、施設の運用上問題のない所沢通信施設へ搬入する計画にしたという説明を受けております。
 防衛省といたしましては、土砂搬入に伴いまして、周辺の環境への影響や、あるいは安全等にも十分配慮がなされるよう米軍に要請を行うとともに、関係自治体に対しましては適切に情報提供を行ってまいる所存でございます。

○塩川委員 それも納得できる話ではないわけです、既に盛土になっているところなんですから。そういったところについての今の説明では納得しがたい。
 あわせて、少なくとも、民間業者に引き取らせるという話はあるわけですよ。そういう選択肢をそもそも考えるように米側に言わなかったんですか。何で住宅団地の目の前を残土置場にするんだ、どう考えてもおかしいじゃないかと、そういったことはきちっと言わなかったんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、米軍からは、横田飛行場内では工事に伴い発生した土砂を堆積する場所が確保できないことから、施設の運用上問題のない所沢通信施設へ搬入する計画にしたという説明を受けております。
 一方、米軍は、地位協定第三条に基づきまして、施設及び区域の管理のために必要な全ての措置をとる権利が認められており、その範囲内において所沢通信施設へ搬入する計画にしたというふうに承知しております。

○塩川委員 日米地位協定が米軍の特権を認めているという大もとの問題になるわけで、これは、全国知事会が去年七月に国に意見を出した、その中にも、日米地位協定の抜本改定と要求しているんですよ。日本の国内法令を米軍も守ってほしいと。これこそ、やはり国民の声であり、住民の声だ。
 そういう点でも、改めて日米地位協定の抜本改定を強く求めると同時に、土砂搬入も直ちにやめろということをしっかりと政府がアメリカ側に言うべきだということを申し上げておきます。
 今、一日百二十台のダンプカーが往復する計画になって、沿線の道路環境の悪化も懸念され、生活環境の悪化を招く、こういった横田基地工事における残土の搬出、搬入はやめよということを申し上げておきます。
 ここでドローン関係と防衛省の方は結構ですので。

○牧原委員長 原田副大臣は御退室ください。

○塩川委員 残りの時間で平井大臣にお尋ねいたします。
 健康・医療戦略やIT総合戦略を担当しておられます。これまで当委員会でも健康・医療戦略について質問してきたところですけれども、きょうは関連して、IT総合戦略本部、IT総合戦略室の体制問題について、まずお尋ねをしたいと思います。
 IT総合戦略、法案も出るものですから勉強しようと思ってIT総合戦略本部からサイトに入ったんですけれども、IT総合戦略室の詳しい説明が出てこなかったんですよ。IT総合戦略室で検索すると、政府CIOポータルが出てきたものですから、そこでIT総合戦略室のところに行ったわけなんです。
 ただ、この政府CIOポータルは、政策のページを見ると、政策分野の記載の多くというのが二〇一五年三月で更新がとまっているんですよね。そういうのは大臣は御存じでしょうか。何でこんなことになっているんでしょうか。

○平井国務大臣 御指摘があるまで私も知りませんで、ありがとうございます。至急修正をせよということで、指示を出させていただきました。

○塩川委員 IT総合戦略室ですから、それが四年前のままで置きっ放しというのは、本当に大丈夫なのかと思うんですが、大臣として感想はどうですか。

○平井国務大臣 これは、政府CIOポータルの、最近やった新しい仕事については全部更新しているんですよ。大もとのところを更新し忘れたと私は見ました。
 ですから、すぐにそこは修正して、それと、やはりわかりやすくすべきだろうというふうに思っていて、例えば、官邸が運営するIT総合戦略本部のウエブサイトとIT総合戦略室が運営する政府CIOポータル、それぞれの関連情報が掲載されているんですが、相互リンクがなかったりするんですね。だから、そういうことも至急改善させていただきたいと思います。

○塩川委員 ですから、IT総合戦略本部をあけて、それの記載の責任はIT総合戦略室になっているんです。そこをクリックできるようになるんだけれども、五行ぐらいの説明で終わっちゃっていて、そこから政府CIOポータルとかに飛べばいいわけで、それは最低限の話だと思うんです。
 その上で、政府CIOポータルについても、今言ったような政策のページが古いということですとか、あるいはIT総合戦略室の各部署の業務も、やはり四年前でとまっているのも多いんですよね。
 例えばということで紹介したのは、配付資料にある、これは配付資料一という方ですけれども、左上に「政府CIOポータル サイトより」と書いているものですが、そもそも、政府のIT総合戦略本部が、全体、どういう機構になっているのか、どういう構成になっているのかを確認しようと思ってあけたんですけれども、この上段の方、「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)」というのがあって、組織図が出てくるんですけれども、例えば、一番下、水色で、パーソナルデータに関する検討会とあるじゃないですか。これは今でもあるんですか。

○平井国務大臣 これを見ますと、例えばこの「eガバメント」といったものが「デジタル・ガバメント」というふうに変わったり、言葉を置きかえなきゃいけないところを置きかえていないというものを今チェックしているところでございまして、最新のものは、最新の状況はちゃんと書いているんだけれども、やはり、過去にさかのぼって、いろいろな説明しているものを全部そのように直していないというところがあるのかもわかりません。

○塩川委員 ですから、新しいのを順次更新しているのは確かなんですけれども、古いものが新しいものに置きかわったときに、古いまま残っているという状況なんですよ。
 ですから、この組織図もその一つで、この前、説明を聞こうと思ってIT総合戦略室の方にお話を聞いたときに、この下段の方の「IT総合戦略本部等の構成」というのが、この右上にあるように、去年の十一月の二日現在というので、直近のものなんですよね。これは非常に、ある意味、現段階という点ではわかりやすい図だろうなと思っている。でも、これは、ウエブサイト上、ポータルにはどこにも出てこないんですよ。それも困るんですけれども、その辺は、ぜひ、すぐ改善していただけますでしょうか。

○平井国務大臣 大変重要な御指摘をいただきましたので、すぐに修正をさせていただきたいと思います。

○塩川委員 それで、IT戦略、これも名称が長い、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画、いわゆるIT戦略と言っているものについてお尋ねをいたします。
 今、この組織図にもあるように、IT総合戦略本部と官民データ活用推進戦略会議は一体で運用されて、そのもとにいろいろな専門部会などが置かれて、有識者の意見も聞くということになっているわけですけれども、このIT戦略の文章で、「抜本改革推進のための体制拡充と機能強化」の項目というのがあります。
 ここでは、IT総合戦略本部を支える事務局であるIT総合戦略室の規模が不十分であり、外部人材登用に当たっての処遇にも課題があるとの指摘がされており、IT総合戦略室の機能と体制の強化に向け、平成三十年度から順次、関係省庁からの人的資源の貢献などの一層の協力を得るとともに、外部のすぐれた人材の活用のための所要の処遇改善などの環境整備について検討を行うとあります。
 このIT戦略で言うところのIT総合戦略室の規模が不十分というのは、どういう現状であって、それに対してのどういう認識から出ているものなんでしょうか。

○平井国務大臣 IT総合戦略室の仕事の、まず内容が大きく変わってきたというのがあります。過去のITの技術の延長線上に今取り組まなきゃいけないものがなくて、要するに、デジタルトランスフォーメーションの中で、技術者とかそういうものの知見も相当最先端のものが必要になるというのは間違いありません。
 一方で、官民データ活用推進基本法によって、データをこれから扱っていくという意味での専門家もこれから必要になってきますし、また同時に、その中でもやはりセキュリティーの問題がわかっている人たちがいなかったら困るとか、そういう意味で、要するに、ここまで、IT総合戦略室というのは、つまり、社会のデジタル化に対応するありとあらゆる知見が必要になってきたがために、人が足りないということであります。
 そういう状況ですので、ここで外部人材の登用というのは、はっきり言って、政府内といいますか役所側にそういう知見を持っていないというのが正直なところなんです。ですから、最先端の知見に関しては外部の方々に来ていただかなきゃいけないんですが、そのあたりの人材は引く手あまたで、なかなか政府に協力をしていただけるような状況にはならない。それも困るわけですね。そこで、はっきり言って給料が安いので、そこを何とかせよというような御指示をいただいたというふうに聞いています。
 ですから、政府、関係府省から人的資源の貢献など一層の協力がまず必要であるということと、民間からの専門人材の活用に向けた環境整備、ここをこれから関係機関と連携してどのように進めていくかということだと思います。
 今度御審議していただく法案の中に、さらに、要するに、予算調達の一元的な検討というものを内閣官房IT室でやれというふうになっておりますので、そうなりますと、ますます人が要るなというふうに思います。

○塩川委員 専門的な知見、役所内には知見がない、そういった人材を外に求める場合には引く手あまたということで、確保しようと思っても給料が安い、何とかせよというのがこの文書に出ているということで、資料の裏側の方に、総合戦略室の概要、下に、室員構成ということで、ここの「室員」とあるように、下から二つ目に、民間企業からの出向者、一番下に、高度IT専門家の政府CIO補佐官とか、そういう外部の人材の方がいらっしゃいます。
 その辺の給与の実態とかはまた次回ということで、時間が参りましたので終わります。
 ありがとうございました。

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【内閣委員会】ドローン飛行禁止法案/衆院内閣委で可決/米軍基地の広大な水域も禁止区域可能に

 自衛隊施設と米軍施設・区域の上空でドローン飛行を緊する法案が、与党などの賛成多数で可決しました。

 私は、ドローン飛行禁止区域を指定できる範囲が、自衛隊は陸上の施設だけを対象としているのに対し、米軍は陸上の施設に加え、広大な水域を含むことを明らかにしました。

 沖縄県の米軍基地配置の地図を示し、新基地建設工事が強行されている名護市辺野古沖だけでなく、大浦湾全域を含むキャンプシュワブ水域が、指定されうると指摘。米軍が『ここはぜひ飛行禁止に』と言ってきたら断れるのか――とただすと。

 防衛省の地方協力局次長は「防衛省として主体的に判断する」と答えるだけでした。

 米軍からの要求を認めれば、最大限、この水域が飛行禁止区域に設定される仕組みになっている。

 また、日本新聞協会や日本民間放送連盟が取材の自由や国民の知る権利を侵害する恐れがあると、この法案に反対している。辺野古新基地建設への国民の関心の高まりを抑えるため、ドローンによる取材の規制を求める米軍の要求に応えるものだ。

 さらに、自治体が業務として行う災害調査等のドローン飛行も米軍区域の上空は、米軍の同意が必要となる。法律の目的も変更し、安保体制維持のための米軍区域などのドローン飛行禁止法だと強調し、反対しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」(質疑)

<第198通常国会 2018年04月12日 内閣委員会 12号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 法案について質問をいたします。
 今回の改正で、自衛隊の施設並びに安保条約第六条に基づく施設及び区域並びに日米地位協定第二条第一項の施設及び区域のうち、防衛大臣が必要と認めるものを、対象防衛関係施設に指定をするとあります。
 防衛省の方にお尋ねしますが、ここで言う自衛隊の施設というのはどういうものでしょうか。

○平井政府参考人 お答えします。
 自衛隊施設の総数については、飛行場や通信施設などその用途に応じて集計した数について申し上げると、約二千四百施設となっております。(塩川委員「自衛隊の施設というのは、そもそもどういうものを定義しているのか」と呼ぶ)
 自衛隊の中で、自衛隊の関連で使う営舎、訓練場、飛行場、通信施設、そういったものを防衛施設、自衛隊の施設と呼んでおります。

○塩川委員 自衛隊が使う施設ということなんですけれども、そうしますと、第六条第一項にある対象防衛関係施設の敷地又は区域というのは、自衛隊の施設の場合に何を指すんですか。

○槌道政府参考人 ちょっとお尋ねの趣旨が必ずしも明確ではないんですけれども、私、理解できていないんですが、自衛隊がまさに使っているその施設でございます。

○塩川委員 いや、そこは先ほど答えてもらったので、それに加えて、防衛大臣が対象防衛関係施設の敷地又は区域について指定するものとするとあるんだけれども、それは、自衛隊施設の場合に何を指すのかと。

○槌道政府参考人 自衛隊が使用する施設のうち、防衛大臣がその法の趣旨を踏まえて指定をするということでございます。

○塩川委員 いや、自衛隊の施設というのは、建物のことを言っているんですか。それだけ。

○槌道政府参考人 もちろん、建物だけではございません。その敷地も含めてでございます。

○塩川委員 そうすると、自衛隊の敷地を指定することができると。
 で、「この場合において、防衛大臣は、併せて当該対象防衛関係施設の敷地又は区域を指定するものとする。」とあるんですよ。こっちの敷地又は区域の指定というのは何を指しているんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げたとおり、自衛隊の敷地、いわゆる建物だけではなくて、土地も含めた敷地のうち、必要なものを防衛大臣が第六条に基づきまして指定をするという仕組みになっておるところでございます。

○塩川委員 だから、その場合に、第六条の一項では、そもそも、自衛隊の施設を指定することができるとある。で、「この場合において、防衛大臣は、併せて当該対象防衛関係施設の敷地又は区域を指定するものとする。」とあるんですよ。
 だから、自衛隊の施設と、ここで言っている敷地又は区域というものは違うという前提で受けとめていたんだけれども、そこはどうなんですか。

○牧原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○牧原委員長 速記を起こしてください。
 防衛省田中地方協力局次長。

○田中政府参考人 失礼いたしました。
 後段の「併せて当該対象防衛関係施設の敷地又は区域を指定するものとする。」というのは、周辺三百メートルも含めた概念でございます。

○塩川委員 周辺三百メートルは、第二項に書いてあるじゃないですか。第二項に三百メートルの話があるんですよ。第一項のこの文に入っていないんだよ。何でそんなでたらめな答弁するんだ。もう一回。

○牧原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○牧原委員長 速記を起こしてください。
 防衛省田中地方協力局次長。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 大変失礼いたしました。先ほど、私、周辺三百メートルと申し上げましたが、これは撤回させていただきます。申しわけございません。
 それで、対象施設というものは、例えば、建物であれば建物だけ、演習場であればその地べたの土地ということでございます。
 それに対しまして、指定敷地、指定される敷地というものは、建物と、それから、庭といいますか、その外周、外構部分とか、そういったものを含む概念でございます。

○塩川委員 そうすると、何、先ほどの説明は違うわけね。自衛隊の施設というのはそもそも敷地も含むと言っていたんだけれども、そうじゃないということですか。

○槌道政府参考人 先ほどお答えしたのは、全体を含めて私はお答えしてしまいましたので、今、田中が御説明したのが正しい説明でございます。

○塩川委員 こんなことで時間を無駄にしたくない話なんですけれども、そんな基本のことが答えられないのはおかしい。
 だから、そういう意味では、自衛隊の駐屯地があるじゃないですか、駐屯地があった場合に、その自衛隊の施設というのは何を指すんですか。

○槌道政府参考人 自衛隊の施設につきましては、自衛隊が所有し、使用する土地建物でございます。先ほど御説明いたしましたとおり、例えば、今御指摘になった何とか総監部であったりとかが所在する施設というものをまず指定いたします。その上で、その範囲が、どこの施設と敷地であるかということをちゃんと指定しなければならないということが規定されているということでございます。

○塩川委員 そうすると、先ほど、自衛隊の施設二千四百五カ所とか説明していましたよね。二千四百五カ所というのは、駐屯地とか基地とか演習場とか、そういうあれがなっているわけですよ。その二千四百五カ所の自衛隊の施設と言っているのは、駐屯地全体を指しているんじゃないですか。
 今の説明というのは、駐屯地の中の特定の建物を自衛隊の施設と言っているという説明なんですよ。違うじゃないですか。もう一回。

○牧原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○牧原委員長 速記を起こしてください。
 防衛省平井大臣官房施設監。

○平井政府参考人 お答えします。
 先ほど約二千四百と言った施設ですけれども、それについては、例えば営舎施設であれば駐屯地全体を指しますけれども、あとは、演習場施設、射撃場施設、訓練場施設、港湾施設、飛行場施設、そういった用途別なものを全部足し合わせて約二千四百という施設の計上になっております。(塩川委員「いや、そっちの話じゃないの。そう答えたのが自衛隊の施設だと言っているから、じゃ、この定義の、そもそもの条文上の自衛隊の施設というのは何なんだというのをもう一回確認で聞いているんです」と呼ぶ)済みません。

○牧原委員長 塩川先生、もう一回。ちょっと、よく聞いてください、塩川先生から。

○塩川委員 だから、自衛隊の施設が二千四百五カ所と説明していたから、それは違うということははっきり答えてもらって、その前の答弁にあったように、自衛隊の施設というのは、自衛隊が所有し、使用する、そういう施設。だから、そういう意味では、駐屯地全体ではなくて、特定の部署を指しているということでいいのかという確認で。

○牧原委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○牧原委員長 速記を起こしてください。
 防衛省槌道防衛政策局長。

○槌道政府参考人 お答えします。
 まず、対象施設につきましては、危険を防止するべき対象をあらわすものでございます。主要な建物がある場合には当該建物であり、それがない場合には境界内の区域全体でございます。その上で、飛行を禁止すべき範囲をあらわすために、敷地又は区域というものを指定するわけでございます。
 先ほど申しましたのは、個々の施設、二千四百云々というのは個々の施設ではございませんので、例えば駐屯地ですとか基地ですとか演習場とか、そういった範囲を指してございます。

○塩川委員 私が言ったのを確認してもらって。
 その上で聞きますけれども、そうしますと、この対象防衛関係施設の敷地又は区域というのは、自衛隊が訓練で使用する制限水域とかというのは入るんですか。北海道でいえば、静内の対空射場水域とか天塩訓練海面とか浜大樹訓練海面とかあるんですけれども、自衛隊が訓練で使用する制限水域は入るのか入らないのか。

○槌道政府参考人 自衛隊の施設につきましては、今御指摘のありましたような制限水域等は含まれておりません。

○塩川委員 自衛隊の施設には入らないという話なんですが、自衛隊の施設とあわせて、対象施設としてあわせて敷地又は区域を指定する、その敷地又は区域には入らないのかということです。

○槌道政府参考人 先ほど御説明しましたように、まず対象施設として、危険を防止すべき対象を指定いたします。それを含めまして飛行を禁止すべき区域を決めますので、今申し上げましたように、制限水域というのは、そもそもその対象施設にございませんので、あわせて指定すべきその施設又は区域にも含まれないということになります。

○塩川委員 わかりました。
 それで、そうはいっても、二千四百五の自衛隊の施設があるということで、その対象、指定がどうなるかというのは、それはまさに防衛大臣の判断がある。ドローンの飛行禁止場所が大きく広がる懸念があるということを一つ述べておきたい。
 次に、米軍施設について聞きます。
 米軍施設の対象防衛関係施設への指定はどのような手続で行われるのか。日米合同委員会の協議事項となるのか。米軍が要請すれば指定されるということですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 個別具体的に、どの在日米軍施設・区域を対象防衛関係施設に指定するかという点につきましては、米側と協議をしつつ、あくまでも防衛省として主体的に、かつ、ドローンの普及や機能向上に伴い利活用が進展している状況にも配慮しながら、その指定の必要性を精査し、真に必要な範囲を指定するということになります。

○塩川委員 いや、米軍が、ここはぜひやってくれと言ったら、断れるんですか。

○田中政府参考人 日ごろから米側とは、日本政府としまして各種協議あるいは話合い等を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、対象防衛関係施設にどの在日米軍施設・区域を指定するかという点につきましては、防衛省として主体的にその必要性を精査いたして、真に必要な範囲を指定するということになります。

○塩川委員 だから、米軍から要求されても断れるということでいいですね。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、個別具体的にどの在日米軍施設・区域を対象防衛関係施設に指定するかという点につきましては、防衛省として主体的にその必要性を精査して、真に必要な範囲を指定するということでございます。

○塩川委員 米軍をそんたくして主体的に決めるということが実態だろうと思います。米軍の言いなりということは否定できないということです。
 それで、日米地位協定第二条第一項の施設及び区域は幾つあるんでしょうか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 平成三十一年一月一日現在、陸上区域におきまして在日米軍の使用に供している施設・区域の数は、米軍専用施設とそれから共同使用施設を合わせまして、全国で百三十一ございます。

○塩川委員 百三十一と言いましたけれども、陸上区域においてという前提がありましたよね。陸上区域でないところもあるということですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 米軍の施設・区域といった場合には、区域というものの中には水域も含まれるということでございます。

○塩川委員 水域も含まれるということであります。
 そうすると、参考までに、空域はどうなんですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 恐縮でございます。空域も含まれます。

○塩川委員 配付資料を見ていただきたいと思います。沖縄における米軍施設の配置図になります。
 沖縄の米軍基地の地図が色で示されていますが、陸地部分のオレンジ色が海兵隊、緑色が陸軍、紫色が海軍、青色が空軍になります。沖縄本島を始め、陸地部分を覆い尽くすように米軍基地が占拠しています。
 さらに、海上部分に水色の水域が大きく広がっています。この水域も日米地位協定第二条第一項の施設及び区域に入るということで、さっき答弁があったところであります。
 改めて確認しますが、それでよろしいですね。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 水域と空域、含まれると考えております。

○塩川委員 入るということです。
 ちょっと空域の議論はまた違う機会にしようと思うんですけれども、地位協定上で定める部分もありますし、実質米軍が管轄するような航空管制空域の話なんか別途あると思うんですけれども、その辺はまた、きょうの直接の主題ではないので、脇に置いておきます。
 そうしますと、先ほど聞いたように、自衛隊の場合には、自衛隊施設には制限水域とか入っていないんですよ。それなのに、米軍の場合においては、施設及び区域ということで、まさに陸域だけじゃなくて水域や空域も入っているという点で見ていただくと、この地図の中央部、本島の中央部の南側にあるのがキャンプ・シュワブ水域なんです。水色であります。
 だから、このキャンプ・シュワブを想定したら、キャンプ・シュワブの米軍施設とその周辺の三百メートルというイメージは間違いなんですよ。このキャンプ・シュワブ水域そのものがこのまさに区域に入っているわけですから、ここがドローンの飛行の禁止区域になるんです。ですから、広大な面積がドローン飛行禁止に当たるんです。このキャンプ・シュワブ水域の外側に三百メートル更にくっつくというイメージになってくるわけです。
 そういう点でも、仮に米軍基地のキャンプ・シュワブが対象防衛関係施設に指定されれば、キャンプ・シュワブ全域でドローンの飛行が禁止されることになる、そういうことですよね。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げているとおり、個別具体的にどの在日米軍施設・区域を対象防衛関係施設に指定するかという点につきましては、法案成立後、防衛大臣が指定することとなりますが、ただ、一点だけ申し上げさせていただきたいのは、仮に水域も含めて指定するというときに、現在の水域をそのまま全て指定するかどうかというのは、まさにその必要性を鑑みまして判断することになるというふうに考えております。

○塩川委員 だから、米軍が必要ということで要求があって、それを認めれば、こういったもの最大限、飛行禁止区域が設定されるという仕組みになっているということです。
 辺野古周辺でドローンの飛行が禁止されるという程度の話ではなくて、広大なキャンプ・シュワブ水域全域でドローンの飛行が禁止、できなくなる、そういう可能性もあるといった法案の中身になっているということであります。
 実際に、この対象施設となった場合に、対象の米軍施設周辺でドローンを飛行させる場合には、誰の同意を得る必要があるんでしょうか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 指定を受けた対象関係防衛施設の範囲でございますけれども、制限されるのは、その施設及び区域の上空及びその周辺三百メートルということになります。

○牧原委員長 いやいや、違いますよ、誰の許可を。

○田中政府参考人 失礼しました。
 同意を与える者は施設管理者ということになりますので、この場合、在日米軍施設であれば、米軍の施設管理者ということになります。

○塩川委員 ですから、米軍の基地司令官が同意を与えるということなんですけれども、今、こういう状況で、米軍の基地司令官が飛行の同意に応じると思えないんですが。どうですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛省といたしましては、米側に対しまして、この法律の趣旨を踏まえて適切に同意の可否の判断を行うよう要請しております。米側からは、日本側の要請の趣旨を理解したという回答を得ているところでございます。
 特に、米側は、日本側の要請に対しまして、まず、同意の可否の判断を行うに当たっては、在日米軍施設・区域の安全確保と、報道機関等、日本国民、一般の方々ですけれども、こういった方々が有する権利というもののバランスというものを図る必要がある、それから二番目に、在日米軍施設・区域の周囲おおむね三百メートルの上空における小型無人機等の飛行に係る同意の申請がなされた場合には、当該在日米軍施設・区域外における地域住民等一般国民の権利にも配意した上で同意の可否の判断を行うこと、それから最後に、在日米軍司令部から各在日米軍施設・区域の管理者に対しまして、小型無人機等の飛行に係る同意の申請について必要な指示を行う、こういった点につきまして理解を示しているというところでございます。
 防衛省といたしましては、今後とも、必要に応じ米側と協議するなど、法律の適切な運用というものを図っていきたいと考えております。

○塩川委員 同意の可否の判断基準が、何か三行述べていましたけれども、それすら非常に曖昧な話であって、それをも、理解を示しているということで、その判断基準にするとも言っていないわけですから、そういう点でも、まさに米軍の都合で判断可能だということにならざるを得ません。報道の自由ですとかそういったものと、だって、整合的に説明する中身が、判断基準が示されない以上は、米軍の都合で決めるということにならざるを得ないということであります。
 米軍は、沖縄の辺野古新基地建設現場の撮影で報道各社が飛ばすドローンの飛行については、日本側に規制を求めてきているんじゃありませんか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 日米間では平素より必要な意見交換等を行っておりまして、これまで米側からは、在日米軍の施設・区域上空において小型無人機の飛行が確認された事例についても情報提供を受けているところでございます。
 なお、これ以上の詳細につきましては、米側との関係もあり、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

○塩川委員 差し控えたいと言いますけれども、意見交換の中で、米軍施設の上空で小型無人飛行機、ドローンの飛行を確認したという情報提供を受けているということですから、まさに米軍からは、ドローンを飛ばさないでくれという要請が実態としてあるということを示しているものであります。
 私、このドローン飛行禁止法案、四年前につくったときにも質問しておりまして、四年前の審議のときに、辺野古の新基地建設問題にも触れました。二〇一五年の四月の二十三日に、沖縄県名護市の辺野古沖でのアルジャジーラのドローン撮影を海上保安庁が制限したという話を紹介しました。
 アルジャジーラの取材班は、海上保安官の求めに応じて、ドローン飛行については中止したものの、基地の外側でのドローンの使用を禁ずる法的根拠について疑問を呈し、撮影記録の消去は拒否したということでした。海上保安官は、米軍が撮影記録の消去を求めていることを繰り返し伝え、法的措置もほのめかしたが、アルジャジーラ取材班は、今後、放送局の上層部が禁止の法的根拠について米軍に照会するとして、最終的にはその場での消去に応じなかったということであります。
 ここにあるように、海上保安官は米軍が撮影記録の消去を求めているということを繰り返し伝えた、法的措置もほのめかした云々とあるように、米軍は以前からドローンによる取材活動の規制を要望してきたんじゃないですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、米側と日本政府との間では、日々意見交換等を行っているところでございます。

○塩川委員 少なくとも四年も前から、米軍はドローンの規制を要請してきたわけであります。
 辺野古新基地建設は、幾つもの問題点を抱えながら、政府が強行しています。しかし、沖縄県民は辺野古新基地建設反対を訴え、県知事選挙では、辺野古新基地建設反対を掲げた玉城デニー氏が勝利をいたしました。だからこそ、国民的な関心も高い。メディアも積極的に取材に取り組んでおります。
 その際に、ドローンによる辺野古新基地建設現場の上空写真が大きな役割を果たしてきたわけです。辺野古新基地建設に対する国民の関心の高まりを抑えるために、ドローンによる取材の規制を求める米軍の要求に応えるものだということを言わざるを得ません。
 大臣にお尋ねいたします。
 日本新聞協会では、今回のドローン飛行禁止措置は、報道機関による自衛隊及び米軍等への取材活動を大きく制限し、国民の知る権利を著しく侵害するものであり、当協会としては立法化に強く反対します、国内法が適用されない米軍への取材活動は大きく制約され、当局の発表に対する真偽の検証もできなくなるおそれが強く、国民の知る権利が大きく損なわれることになりますと強調しています。
 民放連の意見では、自衛隊の施設を職務上警護する自衛官に付与される排除措置の権限は、施設領域外に及ぼされるべきではありませんと述べています。
 このドローン飛行禁止法案は、辺野古新基地建設など、米軍基地に対する取材の自由、国民の知る権利を侵害するものではありませんか。

○山本国務大臣 今回の法改正でございますけれども、近年におけるドローンの脅威の高まりを受けて、我が国を防衛するための基盤である防衛関係施設に対する危険を未然に防止する、それから、ラグビーのワールドカップ及び東京オリパラ競技大会の安全かつ円滑な実施を確保するためのものでございます。
 今ほどの、取材活動等について日本新聞協会、日本民間放送連盟から御意見が提出されていることは十分存じ上げているところでございまして、今般の法改正に、報道機関の取材活動を制限するという意図はございません。
 その上で、対象防衛関係施設につきましては、先ほど防衛省から答弁がございましたとおり、防衛省において、取材活動や国民の知る権利に配慮した適切な運用が確保されるものというふうに私どもは認識をいたしております。

○塩川委員 実態は規制になってくるわけですから、過去、それもずっと、米軍の要請に応じてそういう規制をかけてきたという経緯を考えても、極めて重大だと言わざるを得ません。民意に反して政府が強行する米軍新基地建設に対する市民やメディアの監視活動をも妨害するものであります。
 そもそも法律が、ドローン飛行禁止法案ではなくて、米軍、自衛隊施設のドローン飛行禁止法になる。法律の性格そのものが変わる。安保体制維持のための米軍、自衛隊施設維持法だ。そもそも、この立法の「目的」のところに「我が国を防衛するための基盤の維持」と追加されているところに、そのことがはっきりとあらわれております。
 次に、対象防衛関係施設に係る飛行禁止の例外規定についてお尋ねをいたします。
 今回の改正において、対象防衛関係施設に係る飛行禁止の例外規定はどのような変更が行われることになるんでしょうか。

○槌道政府参考人 現行法におきましては、土地所有者等又はその同意を得た者が当該土地の上空において飛行させる場合や、国、地方公共団体の業務を実施するために飛行させる場合には、対象施設の周辺地域上空において小型無人機等を飛行させることが可能でございます。
 他方、防衛関係施設におきましては、ヘリ等、その上空も利用して、その時々によってさまざまな部隊活動が行われており、かつ、その内容や日時等を逐一明らかにすることはその性質上困難でございますので、土地所有者等や国、地方公共団体が自衛隊、在日米軍の部隊の活動内容を知らずに小型無人機等の飛行を行い、衝突などの危険が生じる場合も想定し得るところでございます。
 このため、このたびの改正におきましては、土地所有者等や国、地方公共団体等であっても、対象防衛関係施設の敷地等の上空において小型無人機等を飛行させる場合には、当該対象防衛関係施設の管理者の同意を得ることを必要としているところでございます。

○塩川委員 ですから、今までと違って、今回の対象防衛施設との関係でいえば、土地所有者とか国や自治体も敷地内は禁止となるということであります。
 基地内に民有地があってもその所有者のドローン飛行は禁止されるということですけれども、これは、自治体のドローン飛行も禁止なんですよ。そうなると、例えば災害が起こった、大規模災害があって、その災害の被害を把握するために自治体がドローンを飛行させるという場合だって想定されるわけですよね。そういったときに、自治体がドローンを飛ばそうと思っても、米軍基地に阻まれて自然災害の被害の調査を行うことができないということにもなりかねないんじゃないですか。

○槌道政府参考人 先ほど申し上げたような趣旨から、国や地方公共団体が行う飛行でございましても、一律に施設管理者の同意を不要とすることは困難だと判断しております。
 一方で、実任務に支障がないような場合、対象防衛関係施設の管理者は、災害など緊急時におきまして、国、地方公共団体が捜索救助のために行う小型無人機等の飛行の妨げとならないよう適切に同意を行うべきことは当然でございます。
 防衛省・自衛隊といたしましては、そのような小型無人機等の飛行に係る同意について柔軟、迅速に対応できるよう、関係機関との間で必要な連携を図ってまいる考えでございます。

○塩川委員 いや、米軍の場合はどうなんですか。沖縄で台風の被害が大きくあるといったときに、ドローンを飛ばして実態を把握しようと。
 例えば、この地図でも左上の方にあります伊江島の伊江村は、その面積の半分が米軍施設なわけですよ。だから、被害実態をつかむというときに、米軍施設のところに当然入らざるを得ないんですよね。米軍はそういうときに本当にオーケーと言うのかどうか。
 現行ではそんな了解はなくても飛ぶことができた仕組みだったのに、それをわざわざ外すということは、こういう自治体の必要な被害調査についても排除するという仕組みになっているということは極めて重大じゃないですか。

○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛省といたしましては、米側に対しましても、緊急性が求められる事態における小型無人機等の飛行につきまして、自衛隊と同様の考え方に基づきまして適切に対応を行うよう米側に対しまして強く要請いたしておりまして、米側からは一定の理解を得ているところでございます。

○塩川委員 一定の理解だということで、とても納得のいく仕組みになっていないということであります。
 こういった点でも極めて重大な法案ですが、もう一つ、自衛官の警察権が自衛隊施設外に拡大する問題で、自衛隊施設を職務上警護する自衛官というのは、具体的にはどのような部隊なんでしょうか。

○槌道政府参考人 自衛隊の施設におきましては、通常、施設の警護を行う自衛官が配置されておりまして、自衛隊の施設を職務上警護する自衛官というのは、当該施設の警護を職務として命ぜられて行っている自衛官のことをいいます。
 例えば、駐屯地におきましては、駐屯地司令が警備に関する職務を行っており、当該駐屯地司令の指揮監督のもと、駐屯地に所在する部隊等の自衛官が施設の警護を行っているところでございます。

○塩川委員 いや、具体的に聞いているんですけれども、陸自の場合には駐屯地警衛隊、海自の場合には陸警隊、空自の場合には基地警備隊といった警衛部隊がありますけれども、そういうのを指しているのか。それ以外にも、例えば、警務隊ですとか情報保全隊とかいうのは入らないと言えるんですか。

○槌道政府参考人 具体的にどのような部隊に属する自衛官が職務上警護する自衛官に当たるかにつきましては、自衛隊施設の警備要領にかかわることでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。

○塩川委員 自衛隊の中での警察権を果たすような警務官などもいるわけですけれども。
 それで、自衛隊施設を職務上警護する自衛官の自衛隊施設外での活動については、地域的な限定はあるんでしょうか。

○槌道政府参考人 まず、施設外におきます権限行使については、警察官等による措置がまずは第一義的であるということを申し上げておきたいと思います。
 その上で、この措置につきましては、警察官等がその場にいない例外的な場合のみ行い得るということでございます。地理的な範囲が明示されてございませんけれども、自衛隊施設の敷地等又は周囲およそ三百メートルの上空において小型無人機等の飛行を行う者に対してのみ行い得る措置でございますので、地理的範囲はおのずと限られるというふうに考えてございます。

○塩川委員 だから、基地の上を飛ばしました、あるいは周辺三百メートルのところを飛ばしました、でも、その操縦者が離れている場合もあるわけで、それが特定できればどこまでも追いかけていけるという仕組みではあるんですね。

○槌道政府参考人 個々の具体的な状況に応じてということになります。
 地理的な範囲につきましては、条文上限定されているわけではございませんけれども、当該措置は、警察官等がその場にいない例外的な場合にのみ行い得るということ、そして、その敷地又は周囲およそ三百メートルの上空において飛行を行う者に対してのみ、安全確保のために行う措置でございますので、その範囲はおのずと限られるというふうに考えております。

○塩川委員 警察官がいない自衛隊施設があるからという理由になっているじゃないですか。だから、警察官がいないことが前提で動いているということであっても、自衛隊施設外にまさに自衛官の警察権が及ぶ。
 これまで、自衛官が施設外で自衛隊関係者以外に対する警察活動を行うというのは、職務上あったんでしょうか。

○槌道政府参考人 自衛隊の施設を職務上警護する自衛官が施設の外部において活動した例ということでございますけれども、具体的には、個別具体的な例については事柄の性質上お答えを差し控えさせていただきますけれども、防衛省設置法第四条第一項第十二号に規定する施設管理権に基づき施設の警備を行っているところでございまして、施設の外部におきましても、実力行使に当たらない範囲内で必要な警備を行うことは現行法でも可能だと考えております。

○塩川委員 それは施設管理権ですよね。自衛隊施設の外周で何かいたずらがあったといった場合に、それはやめようということは、当然、施設管理権としてあると思うんですけれども、そんなことではなくて、まさに自衛隊関係者以外で、自衛隊の施設の外でこういった警察権を果たすという例はないということですね。

○牧原委員長 申合せの時間が来ておりますので、答弁、簡潔にお願いします。

○槌道政府参考人 済みません、もう一度お願いいたします。

○牧原委員長 過去の例です。(塩川委員「いや、だから、今はあくまでも施設管理権でしょう。そうではなく、それ以外であるのか」と呼ぶ)

○槌道政府参考人 もちろん自衛隊法に規定されている行動の権限の中には警察権の行使を認められているものはございますけれども、それ以外、平時の、要するに命令を受けないで行うものというものについては、警務官以外についてはないというふうに考えております。

○塩川委員 だから、ないものをやるというのが今回の法案になっているわけです。
 自衛官の警察権が自衛隊施設外に及ぶということは認められないということを申し上げて、質問を終わります。


「議事録」(反対討論)

<第198通常国会 2018年04月12日 内閣委員会 12号>

○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆるドローン飛行禁止法改正案に反対の討論を行います。
 本案は、ドローン飛行禁止の範囲を拡大し、いわゆるレッドゾーンに対象防衛関係施設として自衛隊の施設と在日米軍の施設・区域を加えます。自衛隊施設二千四百五カ所、約十一億平方メートル、米軍施設・区域百三十一カ所、陸域のみでも約十億平方メートルが対象となり、その周囲三百メートルをイエローゾーンとして指定するものであります。現行とは比べ物にならない広大な範囲が飛行禁止区域として指定可能となるのです。
 しかも、本案は、目的に防衛の基盤の維持を追加し、法律の名称も変更します。防衛の基盤維持、すなわち安保体制維持のため、米軍・自衛隊施設区域ドローン飛行禁止法に変えようとするものであり、断じて認められません。
 米軍施設・区域を対象としたことは重大です。
 先ほどの質疑で、自衛隊は陸上の施設を対象とするのに対して、米軍は水域、空域とも対象となると答弁しました。まさに米軍特別法であります。
 全国の米軍基地の七割が集中する沖縄では、広大な基地や水域、空域が飛行禁止区域となります。新基地建設工事が行われている辺野古沖では、埋立区域だけでなく、大浦湾全域を含むキャンプ・シュワブ水域が対象となり、伊江島はその半分が対象区域となるのであります。
 現行法では、飛行禁止区域であっても、地方自治体が業務として実施する場合は、その同意も要りません。ところが、自衛隊と米軍の施設・区域においては、施設管理者の同意がなければ禁止となります。例えば、沖縄県が海岸線沿いを災害の被害状況確認のためにドローンを飛ばそうと思っても、米軍の同意がなければ行えなくなるのです。
 報道各社も、辺野古新基地建設現場をドローン撮影するには、米軍基地の司令官の同意を得られなければ、できなくなります。
 だから、日本新聞協会は、国内法が適用されない米軍への取材活動は大きく制約され、当局の発表に対する真偽の検証もできなくなるおそれが強く、国民の知る権利は大きく損なわれることになりますと立法化に強く反対しています。日本民間放送連盟も、実質的な報道規制につながると憂慮を表明しています。
 今回、米軍の施設・区域を加えたのは米軍の要求に基づくものだということがきょうの質疑で明らかになりました。米軍の要求につき従って、反対意見を封じ込めるための立法を行う。一体誰のための法案なのか、問わなければなりません。
 報道の自由、国民の知る権利を規制することは、断じて許されません。
 そもそも、空港周辺のドローン飛行については改正航空法によって禁止されています。安全面からは新たな立法は必要ありません。危険なのは、日本の航空法の適用を除外され、勝手放題に飛び回っている米軍機であって、見直すべきは地位協定です。
 さらに、本案で自衛隊施設を飛行禁止区域に追加したことに伴い、自衛隊施設を職務上警護する自衛官にも退去命令や排除の権限を与えることも問題です。自衛官の警察権が自衛隊施設外に及ぶことは看過できません。
 以上指摘し、反対討論を終わります。

【国土交通委員会】アイヌ差別/国策が原因と指摘/政府「重く受け止める」/衆院国交委で新法案可決

 アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記するアイヌ新法案について質疑し、政府の歴史認識と同法案の意義をただしました。

 私は、明治維新から現在に至るまで、北海道開拓と『北海道旧土人保護法』等による政府の土地政策・同化政策が、アイヌ民族の言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出した――として政府の認識を質問。

 石井啓一国交相は「政府の同化政策により差別と貧窮がもたらされたことは重く受け止める」と答えました。

 アイヌの人々の間にある、政府の反省と謝罪を求める声を重く受け止めるべきだ。政府の施策により言語や文化を奪われて差別を受けた歴史を国民全体の認識にする責任が政府にはある。

 また、古老の人々の生活困窮が深刻だ。政府として、低年金・無年金の実態の把握と要因の分析、生活保障・生活向上策の抜本強化が必要だ。本法案の策定過程で、当事者であるアイヌの人たちが参画し、多様な意見をくみ尽くしたと言えるのか。少なくない批判が寄せられていることを重く受け止めるべきだ。

 さらに、「先住民族の権利に関する国連宣言」を受けて2008年に採択された、アイヌ民族を先住民族とするよう求める国会決議と本法案の関係を質問。

 石井国交相は「国連宣言と国会決議を踏まえた」と答え、現行のアイヌ文化振興法との違いについて「アイヌの人々が先住民族だという認識の下、文化振興に加え、地域・産業・観光振興等を総合的に推進する」と説明。

 内閣官房の橋本元秀アイヌ総合政策室長は、国連宣言の趣旨を「第1条『近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み』の部分で示した」と答弁しました。

 私は、本法案に盛り込んだ『民族としての誇りをもって生活するための環境整備』が、アイヌの人々の生業(なりわい)につながることが重要だと強調しました。

 同法案は、同委員会で、日本維新の会を除く各会派の賛成多数で可決しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月10日 国土交通委員会 5号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 本法案について質問をいたします。
 最初に、石井大臣に、このアイヌ問題の政府の歴史認識を問いたいと思っております。
 明治維新以降現在に至るまで、北海道開拓及び北海道旧土人保護法等による政府の土地政策、同化政策によってアイヌ民族から土地も言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出した、こういう認識を政府としては持っているのか、この点についてまず伺いたいと思います。

○石井国務大臣 近代化の過程におきまして、同じ国民でありながらアイヌの人々が差別を受けてきた、こういう歴史に対しましては重く受けとめているところでございます。

○塩川委員 それは政府の行為がもたらしたという認識があるのかどうかを聞いているんです。土地政策や同化政策などの政府の施策が、アイヌから土地も言語も文化も奪い、アイヌの貧窮化を生じさせた、こういう政府としての認識があるのかをお尋ねしているんですが、いかがですか。

○石井国務大臣 いわゆる政府の同化政策というのも差別の一因になったのではないかというふうに考えています。

○塩川委員 そういう点で、政府の同化政策がそういった差別を助長する要因となっていた。その前提として、貧窮化をもたらすような施策、差別の話の前に、そもそも、実態として貧窮化をもたらした、そういうことが政府の措置によって行われた、そういう認識はあるということですか。

○石井国務大臣 差別と貧窮化がもたらされたということは重く受けとめているところであります。

○塩川委員 法案の名称は、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律となっているわけです。法律名で誇りを掲げるなら、百五十年間もアイヌの誇りを奪ったことへの政府の反省、謝罪がないのかというアイヌの方の思い、これをどう受けとめておられますか。

○橋本政府参考人 我が国が近代化する過程におきまして、法的にはひとしく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実については、政府として厳粛に受けとめます。
 なお、今回、本法案を作成するに当たりましては、アイヌの方々と数多くの意見交換会を実施いたしまして、御意見、要望等をいただいてまいりました。その中では、確かに謝罪を求める意見もございましたが、民族共生に向けて、国民の理解を深め、未来志向で物事を進めるべきである、そういう意見が強かったというふうに承知しているところでございます。
 政府といたしましては、今回の法律により、未来志向のもと、アイヌの人々に寄り添い、アイヌの人々の要望にできる限り対応しながら、共生社会の実現に向けてアイヌ施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。

○塩川委員 アイヌに関する施策を進める上で、政府の行ってきた土地政策、同化政策がアイヌの皆さんから土地、言語、文化も奪い、貧窮化を生じさせたという政府の反省を踏まえてこそ真の対策につながっていく。やはり、こういうアイヌの方の指摘を正面から受けとめるべきだと思います。
 ですから、言語や文化を奪われて差別を受けてきた歴史を国民全体の認識にしていく、これが政府が責任を持ってやるべきことではありませんか。

○橋本政府参考人 歴史的な事実について政府として厳粛に受けとめる、これにつきましては、平成二十年の衆参両議院による決議で御指摘いただいているところでございます。その決議におきましては、あわせまして、アイヌの人々が先住民族であるとの認識のもとに、総合的な施策の確立に取り組むことを政府に求めている、そのように承知しております。
 このような決議の指摘を踏まえまして、本法律におきまして、アイヌの人々が先住民族であるとの認識を示し、また、アイヌ施策については、従来の生活向上施策や文化施策に加えまして、産業振興、観光振興、地域振興など、総合的な施策の確立に取り組むこととしております。
 政府といたしましては、今回の法律により、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、もって国民が相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現を目指したいと考えている次第でございます。

○塩川委員 法案の中身の話にまだ入っていないんです。その前提の議論をしているわけで。
 やはり、政府によるこういう土地政策、同化政策といったものがアイヌの方々から土地や文化を奪う、言語も奪う、そして貧窮化をもたらすといったことについての反省があってこそ真の対策につながっていくのではないのかというアイヌの方の訴えを重く受けとめるべきだ。
 そういう点でも、こういった現状の差別、偏見の大もとには政府の施策があるんだ、だからこそ、政府がきちんと、こういう、言語や文化を奪われて、差別も受けてきたアイヌの歴史を国民全体の認識にしていく、そういう責任がある、そこのところを問うているんですけれども、改めてお聞きしたい。

○橋本政府参考人 事実認識につきましては、重ねて申し上げて恐縮でございますが、厳粛に受けとめているところでございます。
 政府といたしましては、アイヌの人々が民族としての名誉、尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことが、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するために非常に重要だと考えているところでございまして、アイヌの皆様に寄り添って、未来志向のもと、アイヌ施策を総合的に推進していきたいと考えております。

○塩川委員 実際、アイヌの方の生活困難ということも、調査などでも明らかであります。特にアイヌの年配の方、古老の方の生活困窮問題が深刻だとお聞きします。
 実際、低年金、無年金といった実態、こういうアイヌの古老の方の生活実態、生活困窮の実態というのは政府としては把握しているのか、そういう生活困窮の要因は何なのか、その点についてはどうですか。

○橋本政府参考人 法案策定に当たりましては、北海道、また北海道の外におきましてもアイヌの方々と多数の意見交換会を実施してきたところでございます。その中で、特に高齢者の方々の貧窮といったようなことの御指摘はいただいておりますので、その点については承知しているところでございます。

○塩川委員 高齢者の貧困のことについては、そういう指摘があったと。
 政府として、その実態を把握をしているのかというのを聞いているんですけれども。

○橋本政府参考人 アイヌの法案策定に当たりましては、アイヌの方々の要望、また意見を聞く、その中でアイヌの方々の状況を十分把握するということに努めてきた、そのように承知しております。

○塩川委員 実態把握をしていないということで、そういう点でも、じゃ、そういった生活困難といった要因が何なのかの分析にも至らないわけですよ。それでいいのかということが問われているわけなんです。
 古老を始めとしてアイヌの人々は、土地政策や同化政策などの政府の施策によって貧窮化が強いられた。ですから、そういう歴史的な経緯を踏まえたときに、アイヌに対する生活保障、生活向上策を今回の法案に盛り込む考えというのはなかったのか、この点についてはどうですか。

○橋本政府参考人 まず、現状におきましては、生活向上施策につきましては、アイヌの人々とその他の住民の格差の是正ということを目的に、北海道におきまして、北海道、また市町村がアイヌ施策、生活向上施策を実施しているところでございます。
 今回の法案におきましては、そういったものをそのまま推進するとともに、それに加えて、本法案によりまして新たな交付金制度を創設いたしまして、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた総合的な施策を推進する中で、例えば地域住民の交流の場となるような、現状は生活館というものがございますが、多機能な生活館を整備するであるとか、また、地域の高齢者の足となるようなバス、その他、生活支援、教育支援等の面で資する、そういったものについても市町村と協議しながら対応してまいりたいと考えております。

○塩川委員 交付金とかの施策の話は法案にかかわってまた聞くことになるわけですけれども、そもそも、現状行っているようなアイヌ政策、生活向上施策等々、その生活支援、生活向上策といったものについて法案に盛り込む考えはなかったのか。

○橋本政府参考人 現状につきましてでございますが、北海道の方でアイヌの生活実態調査を行っております。その中で、例えば貧窮度を見る場合に生活保護率というものがございますが、生活保護率については、長年の北海道等の取組の結果、改善している、そのように承知しているところでございます。
 この生活向上施策は、先ほども少し御説明いたしましたけれども、地域の状況に応じて地方公共団体が生活格差を是正する、そういう措置でございますので、本法の全国を対象とした法律にいきなりなじむかどうかということについては慎重に対応する必要がある、そのように承知しております。

○塩川委員 生活保護だけで何かあたかも貧窮、困難、生活苦が改善されているかのように言うのは実態と違うと思います。
 平均所得で見ても、全国平均よりも少ない北海道、その北海道の平均所得よりも少ないというのがアイヌの方々の生活実態ですから、それをどう底上げするのかといった視点が必要じゃないのか。政府の施策によってもたらされたアイヌの皆さんの貧窮化というところを、どうやはり政府として対処するのかということが求められている。この予算措置となっているアイヌに対する生活保障、生活向上策を抜本的に強化することが必要だということを申し上げたい。
 それから、今回の法案の策定過程において、アイヌの方の参画がどうだったのか。いわば、自決権という場合に、自己決定権、アイヌの方自身が法案を策定をする、そういった際に、当事者であるアイヌの人々が法案策定に参画するのは当然のことであります。
 多様な意見を酌み尽くすことが必要で、今回の法案は、アイヌの手によってつくられたと言える法案となっているんでしょうか。

○橋本政府参考人 今回の法案の策定に当たりましては、基本的な考え方といたしまして、アイヌの方々に寄り添って、アイヌの方々の要望に応えていくということでございます。
 したがいまして、法案の策定過程におきまして、意見交換会を、ちょっと手元資料はあれですが、四十回近く、また、参加人数は五百人を超えていたと思いますけれども、多くの方から意見をお伺いして、その内容を法案に反映するように努めてまいりました。
 また、官房長官をヘッドといたしますアイヌ政策推進会議というものがございまして、ここの中にはアイヌの方々に多数参加していただいているところでございます。

○塩川委員 地域説明会で意見を聞いてそれを反映するという話もありましたけれども、こういう地域説明会で出された意見については、この法案作成段階でどのように検討したのか、あるいはしなかったのか、取り入れたのか、取り入れなかったのか、そういうことについての説明というのは公表されているんですか。

○橋本政府参考人 策定の段階におきまして地域の意見交換会の中でどういう議論があったかにつきましては、北海道アイヌ協会の理事会といったところで還元して説明しておりますし、また、先ほど申しましたアイヌ総合推進会議などにおきましても、その状況については御説明しているところでございます。

○塩川委員 意見を述べた方に、自分の意見は反映されたのか、されなかったのか、これは極めて重要だと思うんですよ。まさに多様な意見を酌み尽くしたことを行ったのかということが問われているわけで、こういった対応については疑問が残ると言わざるを得ません。法案策定過程におけるアイヌの参画について、少なくない批判が寄せられているということを重く受けとめるべきであります。
 以下、法案の内容についてお尋ねをいたします。
 今回の法案は、二〇〇八年のアイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議を踏まえて提出されたものということでよろしいんでしょうか。

○橋本政府参考人 御指摘のとおり、平成二十年の衆参両院の国会決議、その内容を踏まえて法案を提出してございます。

○塩川委員 国会決議において、政府は、先住民族の権利に関する国際連合宣言を踏まえ、アイヌを先住民族として認めること、同宣言の関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策を更に推進し、総合的な施策の確立に取り組むとあります。この国会決議を踏まえ、法案を提出したということです。
 大臣にお尋ねいたします。
 アイヌ文化振興法と今回の法案の違いというのはどこにあるんでしょうか。

○石井国務大臣 今回の法律案は、従来のアイヌ文化振興法に基づいた文化振興に加えまして、地域振興、産業振興、観光振興等を含む多岐にわたる施策を総合的に推進するものであります。
 具体的には、アイヌの方々が先住民族であるとの認識のもと、国、地方公共団体、国民の責務を示すとともに、市町村が作成する計画が内閣総理大臣の認定を受けた場合における交付金の交付、林産物の採取に関する特例等の特別の措置、民族共生象徴空間の円滑な運営のための措置、内閣官房長官を本部長とするアイヌ政策推進本部の設置など、アイヌ施策の効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしております。
 これらの措置を講ずることによりまして、アイヌの方々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを期待をしております。

○塩川委員 アイヌ文化振興法との違いという点で、先住民族という認識を示しているということ、これまでの文化振興法に基づく文化振興、普及啓発に加えて、地域振興、産業振興など総合的な施策を推進する、そういう中身になっているということです。
 重ねて大臣にお尋ねしますが、この法案においてアイヌ民族が先住民族であることが初めて明記をされた、そのことの意義についてはどのように考えておられるか、お尋ねします。

○石井国務大臣 平成十九年に国連総会におきまして先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択をされ、我が国も賛成票を投じたところであります。同宣言の採択を受けまして、平成二十年に衆参両院によりましてアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議が採択をされ、政府に対しまして、アイヌの人々を先住民族として認めること、国連宣言における関連条項を参照しつつ、総合的な施策の確立に取り組むことが求められました。
 本法案におきましては、これらを踏まえまして、アイヌの人々が先住民族であるという認識のもと、従来のアイヌ文化振興法に基づいた文化振興に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含む多岐にわたる施策を総合的に推進することとしているところでございます。

○塩川委員 施策の総合的推進に寄与するといった点での説明がありました。
 今回の法案は二〇〇七年の先住民族の権利に関する国際連合宣言を踏まえたものだという点について、改めて確認したいと思います。

○石井国務大臣 先住民族の権利に関する国際連合宣言につきましては、法的拘束力はないものの、先住民族に係る政策のあり方の一般的な国際指針として認識をしております。
 また、平成二十年六月に衆参両院の本会議で決議をされましたアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議におきましては、先住民族の権利に関する国際連合宣言を参照しつつ、総合的な施策を確立すべきとされているところであります。
 本法律案におきましては、国連宣言が、差別を受けない権利や国民の理解の促進、先住民族の文化に関する権利などについて規定していることから、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念、国、地方公共団体による教育活動、広報活動等の責務等を規定しており、新たに創設される交付金制度や法律上の特例等の措置によりまして、アイヌ文化の振興や国民の理解の促進を図ることとしております。
 本法の制定及び現行の関係法令によりまして、先住民族の権利に関する国連宣言に示されている国の果たすべき責務につきましては、憲法等との課題整理を図る必要があるものを除きまして、おおむね措置できているものと考えております。

○塩川委員 二〇〇七年の国連宣言を踏まえているということは、この法案の法文上のどこに示されているんでしょうか。

○橋本政府参考人 お答えいたします。
 この法律におきましては、第一条に目的を規定しているところでございますが、その中で、「近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、」と、この部分で示しているところでございます。

○塩川委員 その上で、その国連宣言、第一条の目的のところで含んでいるということですが、この国連宣言は、じゃ、法案の中の施策として具体的にどのように反映されているのか。その権利宣言の、例えば第何条がどういうところで反映されているか。そういうことについて、わかりますか。

○橋本政府参考人 国連宣言の中は非常に多様な権利等が定められております。その中で、例えばでございますけれども、差別を受けないといったことについての権利が国連宣言の中にあります。これに関しましては、この法律の基本理念の部なんですが、第四条のところで、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念を示しております。
 また、国連宣言の中では、国民の理解の促進といったようなことについても言及があると承知しております。これにつきましては、例えばでございますけれども、法律の第五条の国、地方公共団体の責務のところの三項で、国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるように努めなければならないということもありますし、今回の施策、ウポポイを始めとして、アイヌ文化について情報発信していくという取組は、国連宣言の内容を受けてのものだと理解しております。

○塩川委員 法案の目的に、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができる社会の実現を図ると明記しておりますが、このアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができる社会の実現を図るというのは、その意味するところは何か、お答えください。

○石井国務大臣 我が国が近代化する過程におきまして、法的にはひとしく国民でありながらも差別をされ、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府として厳粛に受けとめているところであります。
 また、現状におきましても、結婚、職場、学校などさまざまな場面において、アイヌの方々に対するいわれのない差別が残っていることが示唆をされております。
 本法律案におきましては、国連宣言が、差別を受けない権利や国民の理解の促進、先住民族の文化に関する権利などについて規定をしていることから、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念、国、地方公共団体による教育活動、広報活動等の責務等を規定しておりまして、新たに創設されます交付金制度や法律上の特例等の措置によりまして、アイヌの文化の振興や国民の理解の促進を図ることとしております。
 こうした措置によりまして、本法案は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図るものであります。

○塩川委員 アイヌ文化振興法にはない規定が追加をされているわけです。そこの持つ意味として、民族としての誇りを持って生活することができる、まさに生活をどう支えるのかといった点が極めて重要だと思っていますが、その意味するところというのはどういうところなのか。もう一度。

○橋本政府参考人 アイヌの方々が誇りを持って生活できるというその誇りの源泉といたしましては、やはり民族としての誇りでございますので、文化にその大きなところ、文化、伝統があると思います。そういった文化伝承について、継承、振興していくということが非常に重要なところでございます。
 文化振興法が文化の振興ということに焦点を当てて対策、対応、施策を進めてきたわけでございますが、今回の法律におきましては、その文化振興に資する環境の整備ということも入ります。
 それはどういうことかと申しますと、例えば、文化の継承をしていて、これまた意見交換で聞いた話ですけれども、継承をしていると、ほかに本業があれば、本業の稼ぎが減ってしまうんだというような、そういうふうなお声もいただいております。やはり、文化継承すること自体が、例えばなりわいにつながるであるとか、その文化継承の、例えば工芸品ということであれば、一定の規模が必要だと承知しますので、そういった原材料の確保であるとか、そういったものも非常に重要な課題だと承知しております。
 そういった環境の整備、文化の周りのそういった環境の整備も今回対応していきたい、そのように考えている次第でございます。

○塩川委員 文化の継承をする場合、そのことを行うことで本業の稼ぎが減ってしまうという点でも、文化の継承がなりわいにつながるという点が含まれるという話は首肯するところであります。
 そういう点で、従来の文化振興法の文化振興等の施策に加えて、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活するためのアイヌ文化の振興等に資する環境の整備を位置づけておりますが、その中には、地域振興や産業振興、観光振興に対する支援も入ってくると。そういった点で、こういった環境の整備というのが実際になりわいにつながっていくということが重要なんじゃないかと思うわけです。
 これらの生活のための環境整備の支援においては、アイヌの人々の生業、なりわいを保障するということが、アイヌの儀式や伝統、文化を継承することにつながるんじゃないのか。この点についてお答えください。

○橋本政府参考人 今回の法案の一つの柱として、交付金制度の新設がございます。また、法律の特例措置といったものがございます。これにつきましては、例えば、今委員が御指摘のように、地域振興、産業振興、また観光振興といった面でいろいろ活用があるのではないかなと。
 例えばアイヌのブランド化を推進する、これは、やはりアイヌの製品を扱うことをなりわいにする方にとっては大きなことだと思いますが、こういった産業振興を振興する。また、アイヌ文化関連の観光プロモーション、こういったものも進めれば、アイヌの芸術に携わる方々のなりわいも確保される方向で改善されるのではないかな、そのように承知しております。

○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。

【内閣委員会】企業主導型保育/ルール丸投げ/政府の責任を追及

 企業主導型保育事業を推進する政府の責任をただしました。

 政府は、企業主導型保育事業で突然の閉園や基準違反などが相次いでいる問題に対し、内閣府に設置された企業主導型保育事業に関する検討委員会が出した「報告」に沿って対策を行うとしています。 

 私は、「報告」で「企業主導型の一類型である保育事業者設置型(定員20名以上)の保育士配置基準を現行の50%から75%にひきあげるべき」と述べていることについて、対象となる施設がどれほどあるのかと質問。

 内閣府は「2600施設のうち30施設だ」と答弁。

 これでどうして改善になるのか。

 また、企業主導型保育事業の助成決定のための審査ルールや指導監督基準を定めたのは誰か――と質問。

 内閣府は「(政府から審査や指導監督を委託されている)児童育成協会だ」と答えました。

 私が、ルールを児童育成協会に丸投げしてきた政府の責任が問われる――と指摘したのに対し。

 宮腰光寛少子化対策担当相は「スタート時に国の関与について検討しておくべきだった」と答えました。

 企業主導型保育は今年度も2万人分の整備予算が計上されている。新規の開設を止めて、再検討せよ――と求めました。

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「議事録」

<第198通常国会 2019年04月10日 内閣委員会 11号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、企業主導型保育事業について質問をいたします。
 最初に、子ども・子育て支援法案の議論の際、三月の二十二日の当委員会での質疑で、法案にかかわる企業主導型保育事業についての宮腰大臣の答弁に訂正があるということで事務方から話がありました。そのことについて、まず最初に大臣にお聞きしたいと思います。

○宮腰国務大臣 三月二十二日の本委員会におきまして、塩川議員から企業主導型保育事業における保育士の配置基準について御質問いただきましたが、その際、私は事実と異なる答弁をいたしました。
 具体的には、「定員二十名以下の小規模な保育園、保育所、これまで保育士の充足率五〇%でよかったということでありますが、これを七五%に引き上げる」と答弁いたしましたが、正しくは定員二十名以上の保育園、保育所でありました。答弁を訂正するとともに、質疑者の塩川議員及び委員会の先生方におわびを申し上げたいというふうに思います。

○塩川委員 御説明いただきました。
 厚労省の答弁が間違えたあの十二カ所のその後のということでもありまして、これは、内閣府の事務方の方からは議事録の修正ということでのお話があったんですけれども、私は、委員会の質疑というのは基本公開で行われるべきものだと思っておりますし、当然、インターネットでの動画でも流れているわけですから、文字での修正ではなくて、委員会の場で訂正についてはきちっととどめておくということが必要だということで、きょう、こういう形での対応をお願いしたところであります。
 そういう点でも、国会審議を本当に活性化させる上で、本当に委員会の場でちょうちょうはっしの議論を行うということが改めて重要だということで、対応方、今後とも求めていきたいと思っております。
 それで、企業主導型保育事業に関連してですけれども、今の引用の部分というのも、企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会の報告にあるものですけれども、この報告を踏まえて、宮腰大臣は、三月二十九日の記者会見で、今後、本年夏を目途とする新たな実施機関の公募選定に向け、新設に係る審査や指導監査、情報公開などの基本ルールの設定に取り組むと述べております。
 そこでお尋ねしますが、このような、今まで、新設に係る審査については、誰がどのように定めていたのかを確認したいと思います。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まず、内閣府と厚生労働省が協議の上決定いたします企業主導型保育事業費補助金実施要綱、これにおきまして、単独設置型、保育事業者設置型などの事業類型、職員の配置基準や設備基準などの運営・設置基準などの基本ルールを定めているところでございます。
 また、児童育成協会におきましては、これに従いまして、内閣府子ども・子育て本部統括官及び厚生労働省担当局長と協議の上定めました企業主導型保育事業助成要領におきまして、助成の申込手続などについて定めているところであり、所要額調書や事業者の決算報告書など、必要な書類を添付した申請書に基づき、助成のための審査を行い、助成決定を行ってきているところでございます。

○塩川委員 こういった新設に係る審査については、内閣府と協議するというのはありますけれども、これは児童育成協会が定めているものであります。
 続けて、企業主導型保育事業の指導監査基準については、誰がどのように定めているのか、この点を確認します。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 指導監査基準でございますけれども、平成二十九年度、平成三十年度におきまして、児童育成協会が、内閣府、厚生労働省に協議した上で、指導監査基準実施要領及び指導監査基準を定めているところでございます。

○塩川委員 指導監査基準実施要領、指導監査基準を児童育成協会が定めているということであります。
 大臣にお尋ねしますが、企業主導型保育事業の助成決定のための審査ルールも、指導監査基準も、実際には児童育成協会が定めていると。そういう点で、国が児童育成協会に丸投げしている、こういう形でやってきたということ自身に問題がありはしないのかと考えるんですが、大臣、いかがですか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、実務を担う実施機関の体制を含め、実施体制の強化が急務となっていると考えております。
 三月十八日に公表されました企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会報告におきまして、「事業規模が拡大する中で、実施機関による指導監査、各種相談の実施体制が、十分に整っていないのではないか。」との課題が指摘され、平成三十一年度以降の実施体制については、国と実施機関が適切に役割分担する体制を整備し、国は、審査や審査基準を始め基本的なルールを策定をし、実施機関は、国の指導のもとで効率的かつ効果的な審査、指導監督等を担当することとされております。
 その上で、実施機関については、審査基準や運営基準、指導監査、相談支援、情報公開、自治体との連携に係る改善策について実施が可能となるよう中立、専門的な体制とすること、高い中立性、専門性のほか、継続的に担うことが求められるため、毎年度、国は、外部評価等を行い、透明性の高い事業運営が行われるようにすべきであること、それを前提に、実施機関において複数年の事業実施が可能となるようすべきであることとされておりまして、報告に沿った見直しが必要と考えております。
 委員御指摘のとおり、検討委員会報告を踏まえ、国は、基本的なルールを策定する。国と実施機関との役割分担を明確にしつつ、実施機関に求められる役割とその要件を整理をすることとし、その上で、一定の周知及び準備期間を考慮し、本年夏を目途に改めて実施機関を公募により適切に選定してまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 企業主導型保育の急速な拡大で、実際には審査ですとか指導監査が十分整っていないという問題が露呈をした。だからこそ、検討委員会の報告で対策になっているわけです。
 その際に、今後の話として、国が基本的なルールを策定する、役割分担という話をされましたけれども、国が基本的ルールをこれまで定めていなかった、そこが問題ではないのかということを問うておるんですが、その点はいかがですか。

○宮腰国務大臣 やはり、スタートのときにもう少し、質の確保を担保するための国の関与のあり方についてしっかりと検討しておくべきではなかったか、私もそう考えております。

○塩川委員 ですから、いろいろな混乱が生まれた、さまざまな問題も起こったということであるときに、夏まで一応猶予期間を設けて、新しい実施機関の対応等々、基本ルールをつくることも含めながら行っていくわけですけれども、であれば、そもそも、この間、大きくふえている現状の企業主導型保育施設について、もうちょっと立ちどまって、これ以上ふやしていいのか、ということを見直す必要があるんじゃないのか、これ以上の企業主導型の拡大は、そういった対応方も含めて、一旦立ちどまる、凍結をするということの対応が必要じゃないかと思うんですが、そこはどうでしょうか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業の平成三十一年度予算におきまして、子育て安心プランに基づき、新たに二万人分の保育の受皿を確保する費用を計上しておりますが、平成三十一年度以降の実施体制や募集のあり方につきましては、検討委員会報告につきまして今ほど申し上げたわけでありますが、まずは、国と実施機関との役割を明確にしつつ、実施機関に求められる役割とその要件を整理をし、その上で、本年夏を目途に改めて実施機関を公募し、選定することが適当であること、また、新規の実施施設の募集については、選定された実施機関のもとで実施されることとなるとされておりまして、この方向性に沿って実施体制を見直し、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 今ほど、一度立ちどまってというのは、現在、一度立ちどまって考えている、検討させていただいている、検討委員会の御意見も踏まえた上で実施体制をしっかりと強化をしていく必要があるということで、これから、先ほどの答弁で申し上げた、国と実施機関の役割分担、これを明確にした上で、その上で、本年夏を目途に改めて実施機関を公募し、選定をしてまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 待機児童対策で受皿の拡大を図ってくる、でも、その受皿拡大を前倒しもするといった際に、その中心となっているのは企業主導型保育事業なんですよ。政府の施策で受皿整備で前倒しで、それが企業主導型でやっているということがこういう問題につながっているわけですから、この急拡大そのものについて見直す必要があるんじゃないのか。そういう点でも、今年度は二万人ふやすというのはそれでいいのかということを含めて、見直す必要がある。昨年度の三万についても同様に、拡大をすることについてやはり立ちどまって見直すべきだということを改めて申し上げておくものです。
 それで、検討委員会の報告では企業主導型の質の確保が問題となっています。企業主導型保育事業の課題として、「待機児童対策へ貢献すべく量的拡充に重きを置く一方、実施機関が行う事前の審査、開設後の指導監査等において、保育の質の視点が不足しているのではないか。」という指摘になっているんですが、これはどういう意味を持つものでしょうか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、これまで内閣府が事業を進めてきた中で、量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか、ここは一度立ちどまり、これまでの取組を検証し、反省すべきは反省し、しっかりと改善を図っていくべきではないのか、私としては、そうした厳しい認識のもとに、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げたところであります。
 この報告におきましては、保育の質の視点が不足しているとの観点から、新設申請の審査における、必要に応じた現地調査やヒアリングの実施や、財務面及び事業計画案の審査の適正化の必要性、指導監査における財務面、労務面の監査強化の必要性や、改善に向けた相談支援の充実などが指摘されているものと考えております。
 これらを踏まえ、当面、早急に改善すべき方向性といたしまして、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」と示されております。
 検討結果を踏まえまして、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 保育の質の視点が不足しているのではないのか、ですから今後こういうふうにやるというお話なんですけれども、そもそもこれまでが、何が問題だったのか。この保育の質の視点というのが不足しているというのは、質の点で何が問題だったかということをどう認識しているかをお聞きしているわけです。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業における指導監査の状況について、これは平成二十九年度の実施機関が行った立入調査結果でありますけれども、保育内容等に関する指摘事項のうち一番多かったのは、保育計画等を適切に整備をすることという指摘事項、これが一番多くて二百七十六件。それから、乳幼児の利用開始時に健康診断結果を確認すること、さらには、開所時間の全てにおいて必要な保育従事者数を配置すること、乳幼児の健康診断を適切に実施すること、嘱託医との契約を締結すること、職員の健康診断を適切に実施すること、児童相談所等の専門的機関の一覧表を整備すること、苦情処理規程を整備し職員へ周知すること等々が指摘をされております。
 これらの指摘をされた内容について、しっかりとやはり改善を図っていくということが必要なのではないかということで、特に、指導監査において、立入調査において指摘された事項についてしっかりと改善を図っていく必要があるというふうに考えております。

○塩川委員 具体的な立入調査を踏まえた指摘事項の中身を御説明いただきました。
 報告では、では実際にどういう施設で問題があるのかといったときに、保育事業者設置型の問題点というのを指摘しているわけですね。報告で、「単独設置型や共同設置型と違い、保育事業者設置型は、施設の設置企業と利用者の間に雇用関係が無い。また、認可保育所の代替としての側面が強く、入所児童は空きが生じた付近の認可保育所へ移る傾向も見られること等から、実績の少ない事業者について、保育の質や事業継続性の面で課題がある」としています。
 保育事業者設置型は保育の質や事業継続性の面で課題があると指摘をしているのは、これはどういう根拠を踏まえて述べているものか教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 保育事業者設置型につきましては、単独設置型や共同設置型と違いまして、施設の設置企業と利用者の間に雇用関係がない等の指摘がされているところでございます。
 実際、検討委員会におけるヒアリングでも、例えば自治体からのヒアリングにおきましては、保育事業者が設置し複数の企業と契約する類型について、保育事業者の保育運営に対して各企業に当事者意識が希薄で、責任の所在は不明確となりやすい傾向がある、申込方法も、申込者が厚生年金に加入していれば企業枠、加入していなければ地域枠といった契約を締結しているなど、企業主導型の本来目指していた姿とは乖離している事例を聞いたというような指摘がございました。
 あるいは、保育園を考える親の会からのヒアリングにおきましても、企業主導型のうちで保育事業者設置型の場合は、「事業主は法人契約を結ぶだけで何ら責任を負わず、責任の所在が曖昧になっている。」との指摘もいただいているところでございます。

○塩川委員 ですから、保育事業者設置型の問題点というのをそういう形で指摘をしているわけなんですよね。
 それで、では実際に保育事業者設置型というのが企業主導型保育施設のうちどのぐらいの割合を占めるのか、それを教えてほしいんですけれども、保育事業者設置型の施設数とその定員数、合計ですね、それぞれの企業主導型全体に占める割合はどうなっているのか、あと、従業員枠と地域枠の定員数というのはどうなっているのかを教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 協会に確認いたしましたところ、平成二十九年度助成決定を受けた二千五百九十七施設のうち、助成決定時点での保育事業者設置型の施設数は三百八十八施設、全体に占める割合は一五%でございます。それから、同じく二千五百九十七施設の定員五万九千七百三人のうち、保育事業者設置型の定員総数は一万四百六十五人となってございまして、その割合は一七・五%でございます。
 保育事業者設置型の従業員枠と地域枠の定員の割合を集計したものは現時点でございませんけれども、保育事業者設置型の施設、三百八十八施設のうち、地域枠を設定しているものが三百六十七施設、九四・六%となっておるところでございます。

○塩川委員 従業員枠と地域枠の定員数の内訳については承知していないということです。ちょっと、実態をどう把握しているのかという点で懸念があるわけですけれども。
 先ほど大臣が紹介されました平成二十九年度の立入調査の対象施設、八百施設のうち、保育内容等に関する指摘事項があったのが六百六施設なんですが、そのうち保育事業者設置型は何施設になるか、わかりますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 平成二十九年度の立入調査八百施設のうち、保育事業者設置型の施設は百二十一施設、割合としては一五・一%でございます。また、指摘事項がありました六百六施設のうち、保育事業者設置型で指摘のあった施設は九十一施設、割合としては一五・〇%でございます。

○塩川委員 そういった実態について、報告では、「保育事業者設置型については、保育事業を専門に行う事業者であることも踏まえ、定員二十名以上の施設は、保育士割合を七五%以上(現五〇%以上)に引上げるべきである。なお、本事業の既存施設には、三年程度の経過措置を設けることが適当である。」としています。
 この保育士割合、先ほど大臣が御答弁いただいた点ですけれども、これは、保育士割合を七五%以上とする理由というのは何なんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まず、平成二十九年度の助成決定を受けた二千五百九十七施設の定員二十名以上の保育事業者設置型の施設、百六十七施設ございますが、それの保育士割合でございますけれども、保育士割合一〇〇%の施設が百十四施設、全体で六八・三%でございます。一方、保育士割合五〇%の施設が三十施設、全体の一八・〇%となってございます。
 一方で、この二千五百九十七施設全体の保育士割合を見ますと、保育士割合一〇〇%の施設が七六・七%、それと、保育士割合五〇%の施設が一三・九%ということで、結果として、保育事業者設置型の保育士割合が低くなっておりますし、先ほど申し上げました、雇用主との雇用関係が希薄だという点からの質の確保というようなことを鑑みまして、今回、七五%に上げさせていただくこととしているところでございます。

○塩川委員 そうしますと、今言ったように、全体において、一〇〇%のところが七六・七で五〇%以上のところが一三・九。それに対して保育事業者設置型が、それぞれ、一〇〇%が六八・三%、五〇%以上が一八・〇%と、保育事業者設置型の方が保育士の割合が低いということをもって七五%以上ということなんですが、そうはいっても、あれっ、六八・三と一八、足すと一〇〇にならないのは。

○小野田政府参考人 一つ省きまして、真ん中に七五%の施設がございまして、恐縮です、それを申し上げますと、定員二十名以上の保育事業者設置型は二十三施設、一三・七%、全体の方が九・四%ということでございます。

○塩川委員 そうしますと、現状でも七五%以上というのが八二%あるわけでしょう。ですから、五〇を引き上げるのはわかるんだけれども、全体としての施設の改善を図るのであれば、基本は一〇〇にするというのが本来なんじゃないですか。
 実際には、認可保育所などでは、加配も含めて、いわば一〇〇%以上で置いているわけです。それを、企業主導型の場合については小規模B相当という格好で五〇%以上、まあそれについても今回七五というのを入れるんだけれども、本来は、認可並みの保育士割合を設置をするという点で、五〇を七五じゃなくて、実態とすればそのほとんどがもう七五以上なんですよ、それを、何で一〇〇にしないで七五%にとどめているのか。問題があるというんだったら改善すべきなのに、何で、ほとんどのところが七五以上なのに、わざわざ七五という基準を、あたかも改善かのように言うんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、助成決定時点での数字ではございますけれども、保育事業者設置型、二十名以上の施設、百六十七施設のうち、保育士割合五〇%の施設が三十施設、一八%ございます。保育の質の確保のために保育士比率の全体の底上げが必要と認識しているところでございます。
 また、保育士比率一〇〇%は、委員御指摘の認可保育所と同等であるということでございますが、企業が主体的に従業員の多様な働き方に応じた柔軟な保育を提供することができるという本事業の特色を生かす中で、保育事業者設置型につきましては、保育事業を専門に行う事業者であるという点も踏まえ、保育所の定員二十名以上の施設につきまして、今回は七五%に引き上げるべきという報告をいただいたものと承知してございます。

○塩川委員 ですから、企業主導型保育事業そのものが多様な雇用形態にかみ合った形での保育、そういう意味では、子供たちにすれば、長時間だったり深夜だったり、逆に言えば短時間で、なかなかなじみにくい、そういった保育環境だからこそ保育士の専門性というのが必要で、保育士割合というのを、いわばより高める必要があるんじゃないのか。多様な雇用形態に対応するという保育と言う以上は、保育士の専門性をより高めるということが必要なのに、実際にはそれを低くしたままというのがこの企業主導型保育の一番の問題点だということで指摘をしてきているわけです。
 保育事業者設置型ももちろん改善すべきですけれども、それも含めて、改めて、五〇以上なんて言わずに、もう全体を引き上げて、少なくとも一〇〇にするといったことを、大臣、これは本当に、教訓を酌み取るのであれば、やるべき話じゃありませんか。

○宮腰国務大臣 保育士の人材不足というようなことも、現状、現実問題としてあるわけであります。同時に、多様な働き方に対応した保育事業という点からすると、多様な働き方に対応するということは、今、委員御指摘の、例えば夜間の保育でありますとか交代制に対応した保育でありますとか、保育士さんもそれに対応するということになると、それなりのやはり人材確保の困難性も伴うということにもなってくるのではないかなというふうに考えております。
 今、事務方から御答弁申し上げましたけれども、この企業主導型保育については、企業が主体的に従業員の多様な働き方に応じた柔軟な保育を提供することができるという本事業の特色を生かす中で、とりわけ保育事業者設置型については、これまで少し緩い面があったということでありますが、定員二十名以上の施設について、今回、七五%に引き上げるべきであるという報告を踏まえて、着実に、この引上げ実施をしていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 柔軟な保育というのは、子供たちにとれば大きなストレスを抱えることになる。だからこそ、専門性が求められる保育士の配置というのが一番の根幹だ。そこを緩和した対応というのは、私は納得できるものではありません。そういう点でも、新規の開設をとめて、立ちどまって再検討すべきだということを改めて申し上げたい。
 それと、報告書の関係でもう一点確認したいんですが、指導監査の効率化を図るため、国、実施機関と、児童福祉法に基づき指導監督の責任を持つ自治体の間の指導監査基準の整合性の確保を図るとしています。でも、この児童福祉法に基づく指導監査基準と企業主導型に関する指導監査基準は違うんです。そもそもその違いは何なのか、整合性を図るとはどういう意味なのか、教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 第四回検討委員会におきまして、委員から、認可外保育所における指導監督については、その基準について各自治体で考え方が異なるため、企業主導型保育施設に対し、国、実施機関と自治体が合同で指導監督を行う場合は、その前段階として、どういった事項をどういう評価基準で見ていくか、企業主導型保育事業の指導監査基準を明らかにすべきとの御意見をいただいたところでございます。
 例えば、基準でございますけれども、保育士の割合をとってみましても、企業主導型保育事業は、現行五〇%以上、今後、保育事業者設置型七五%以上ということで取り組まさせていただきますけれども、これであるのに対しまして、認可保育施設は三分の一以上となっているといったような、基準の差が出てきているところでございます。
 こうしたことから、三月十八日の検討委員会報告におきましては、指導監査の効率化を図るため、国、実施機関と、児童福祉法に基づき指導監督の責任を持つ自治体の間の指導監査基準の整合性を確保することとされているところでございます。
 したがいまして、具体的には、この検討委員会報告における指摘は、例えば指導監査の合同実施に当たって、まずは、指導監査の評価項目や評価基準など、指導監査の方針について、国、実施機関と自治体の間であらかじめすり合わせをし、企業主導型保育事業の基準と差異があるような場合には、基準に適合しているかどうかという点で効果的に監査ができるようにしていく必要があるという趣旨の御報告と承ってございまして、そういう方向で取組を進めていきたいと考えております。

○塩川委員 指導監査といっても、児童福祉法に基づく自治体の指導監査と児童育成協会が行う指導監査は違うわけですから、それが何か、効率的ということも含めて言われた際に、指導監査を、二つをそれぞれやるべきものを、何らか省略するかのような、そういう話ではないということで、それぞれしっかりやると。もちろん、施設側の負担軽減の措置は当然あるんだと思いますけれども、しっかりとした指導監査がそれぞれの観点で行われるものということで求めておくものです。
 それで、あと、宮腰大臣の三月二十九日の記者会見で、実施機関が選定されるまでの間、児童育成協会に対し、適切に指導監督を行い、継続事務の円滑な執行を図ってまいりたいと述べています。
 児童育成協会から内閣府に提出された「平成三十一年夏を目処に実施機関が公募されるまでの間、内閣府の指示の下で実施される継続事務に係る適正化策」について質問します。
 ここで、指導監査業務について、「包括的な外部委託は行わず、また、営利企業への委託は行わない。」とありますけれども、これはどういう意味でしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 その前に、まことに失礼しました。先ほどの整合性の確保のところで、保育士の割合、認可外保育施設三分の一以上と言うところを、済みません、ちょっと外を飛ばしてしまいまして、恐縮でございます。失礼いたしました。
 「包括的な外部委託は行わず、また、営利企業への委託は行わない。」の意味でございますが、三月十八日の検討委員会報告におきましては、指導監査業務の一部を外部に委託する場合は、中立性、専門性の確保が必要である、また、指導監査を行う者が一定の関係性を有する場合は、利益相反が生じないよう必要な措置を講ずるべきであるなどとされたところでございます。
 三月二十八日に児童育成協会から報告のあった適正化策におきましては、指導監査業務につきまして、包括的な外部委託は行わない、営利企業への委託は行わないとされてございます。
 例えば、保育面の監査に関しましては、前年度の指導監査で改善が見られないような施設を中心に原則として協会みずから対応する、財務面、労務面等監査業務を特定し、中立性、専門性を勘案して業務委託を行う、あるいは地域を限定して業務委託を行うという意味で、包括的な外部委託は行わないという趣旨であると承知してございます。

○塩川委員 保育面の監査については原則協会が行う、財務面、労務面については部分的、地域的な外部委託も行う可能性があるということですか。

○小野田政府参考人 済みません、ちょっと舌足らずでございました。
 保育面の監査で、特に前年度の指導監査で改善が見られていないような施設は、これらを中心に原則として協会が行う、それ以外の施設は、先ほど申し上げました、例えば地域を限定して保育面でも業務を委託を行っていくとか、そういう検討も加えていただきたいというふうに考えてございます。

○塩川委員 パソナは委託先にはならないということですね。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 適正化策におきましては、指導監査業務につきまして、営利企業への委託は行わないこととしてございまして、継続事務においては、株式会社パソナを始め、営利企業への委託は行わないものと承知してございます。

○塩川委員 最後に聞きますけれども、この指導監査の対象となる企業主導型保育事業の施設数というのは、結局全部で幾つになるんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育施設における適正な保育内容及び保育環境の確保のため、原則として年一回、運営開始をしている施設に対して立入調査を実施しているところでございます。
 したがいまして、平成三十年度までに助成決定された施設につきましては、整備が完了していない施設や運営開始間もないような施設も含まれているため、現時点で正確な数をお答えするのは困難でございますが、その上で申し上げますと、平成二十九年度に助成決定された施設は二千五百九十七施設ございますし、平成三十年度の内示数は一千五百三十九施設でございます。
 これらの施設から、運営開始後一定の期間経過しているような施設に対して監査を実施していくことになりますので、相応の施設規模になると認識してございます。

○塩川委員 ですから、四千を超える施設が対象になる、指導監査の対象というぐらいで。保育について、やはり児童育成協会がみずから行うといった場合でも、もちろん、前年度の改善が見られない施設とかということですけれども、対象そのものが大きく拡大するわけですから、そういったことがそもそも可能なのかということも問われますし、やはり対象施設をふやすということ自身を見直すべきじゃないのかということを申し上げ、この問題についていろいろな議論も広がってきているところです。ぜひ、この企業主導型保育事業について、児童育成協会からの参考人の出席も求めた、必要な当委員会での質疑、集中質疑などを実現をいただきたい。
 そのことを申し上げて、質問を終わります。

【倫理選挙特別委員会】国政選挙の管理・執行/不正・ミス排除のため、経費と予算の確保を

 夏の参院選にかかわり、公正な管理・執行が行われるようただしました。

 国政選挙において選挙管理委員会の開票不正が3回(13年参院選、14年総選挙、17年総選挙)おこり、不在者投票の運用誤りなど管理・執行上のミスがほぼ全都道府県であり、この10年余りで約3倍に増加している。

 石田真敏総務大臣は「不正は選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、由々しき問題。各選管は、選挙の公正の確保という原点に立ち返り、厳正な管理・執行に万全を期してもらいたい」と述べました。

 私は、現憲法下でなかったことが立て続けに起こっており、危機感が足りないと批判。不正やミスの背景に、開票時間短縮のプレッシャーがあった、と強調した。

 総務省は、執行経費の基準となる開票時間4.5時間以内に開票作業を終了したのは46%(前回参院選)だったことを認め、今回、開票事務に活用する機器の整備費を規定したと答弁。

 ミスが増大し、不正事件まで起こっている反省に立てば、開票時間基準の短縮を見直し、見合った経費基準にすることが必要だ。また、直近で3分の1の投票所で投票時間の繰り上げが行われており、有権者の投票の機会を奪っている。

 総務省は、繰り上げを行った場合は経費を減額する措置を拡大したと答弁しました。

 さらに、私は、18選挙権導入、参院選の合区、小選挙区区割の複雑化など、選管の業務は膨大で役割は大きく、人員確保のため、全選管の実態調査を要望した。

 石田大臣は「必要性があれば検討したい」と答えました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月10日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 3号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 執行経費法について質問いたします。
 最初に、大臣に伺います。
 選挙は民主主義の根幹であり、主権者である国民の参政権の問題であります。不正があれば選挙の正当性が失われることになり、選挙無効になりかねないので、ひいては選挙権を行使できなくなる問題です。選挙執行に当たって最も重要なことは公正で間違いがあってはならないということですが、その点を確認したいと思います。

○石田国務大臣 御指摘のように、選挙は民主主義の根幹をなすものであることから、適正な管理、執行により選挙の公正を確保することは極めて重要であると考えております。

○塩川委員 開票所の経費について、まずお尋ねします。
 この間、国政選挙における選管の開票不正が三回も起きております。
 二〇一三年参議院選挙での高松市選管の不正開票事件。これは、開票作業中、投票数が足りないことに気がついて、白票の水増しでつじつま合わせをした。その後、未集計の票を発見するが、再集計はしなかった。後日、白票水増しを告発する通報があったにもかかわらず、隠蔽工作を行った。
 二〇一四年総選挙では、仙台市の選管において、作業ミスを取り繕うため、実際には存在しない白票などを水増しするなどの不正を行っていた。
 二〇一七年総選挙では、甲賀市選管が、投票総数より開票した票数が少なかったため、無効票となる白票を水増ししてつじつまを合わせ、後で見つかった未集計の投票用紙を焼却処分していた。
 現行憲法下でこのようなことはなかったのに、この五年間に開票不正が三回も起きております。
 また、開票不正以外にも、投票用紙の交付ミスや不在者投票の運用の誤りなど、管理、執行上問題となった行為、いわゆる選挙事務ミスもあります。二〇〇五年総選挙では六十四件だったのが、二〇一七年総選挙では百七十五件と、十年近くで約三倍に急増しており、しかもほとんどの都道府県でミスがあるという大変な問題であります。
 二〇一五年五月の当委員会で、私の質問に対し、当時の高市大臣は、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が発生したことで、選挙への信頼を揺るがしかねない、ゆゆしきことと述べ、選挙の管理、執行の公正性や厳正な手続を損なわれることがないように、しっかりと注意喚起していくと答弁しました。
 石田大臣にお尋ねしますが、この答弁は四年前のことです。その後も甲賀市選管の不祥事が起こりました。なぜ不正や選挙ミスがなくならないのか。どうお考えか、お聞かせください。

○石田国務大臣 選挙は民主主義の根幹をなすものでございまして、依然として多くの管理、執行上のミスが発生していることはまことに残念なことと考えております。
 こうした管理、執行上問題となった事項につきましては、全国の選挙管理委員会で情報共有を図っておりまして、各選挙管理委員会においては、これら他団体の事例を参考にしながら、適切な管理、執行に努めていただきたいと考えております。
 御指摘ありましたように、平成二十五年には、高松市において、単なるミスを超え、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が起こったことから、全国の選挙管理委員会に対して、選挙の厳正な管理、執行の確保について通知を発出をいたしました。しかしながら、その後も仙台市や甲賀市において不正事案が発生していることは、選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、大変ゆゆしき問題と認識をいたしておりまして、昨年四月にも改めて通知を発出したところでございます。
 各選挙管理委員会におきましては、法令遵守はもとより、改めて選挙の公正の確保という原点に立ち返り、緊張感を持って職務に臨み、選挙の厳正な管理、執行に万全を期していただきたいと考えております。
 総務省といたしましても、今年度新たに、各選挙管理委員会が実施する研修等に投開票事務に精通した選挙管理委員会OB等を派遣する制度を設けるなど、選挙の厳正な管理、執行に努めてまいりたいと考えております。

○塩川委員 通知とか研修とかの啓発のレベルの話じゃない、私はそういう点で危機感が足りないんじゃないのかと率直に言わざるを得ません。
 戦後の現行憲法下の七十年以上の歴史の中で一度もなかったことが、二〇一三年以降立て続けに三回も起きているんですよ。こういった事態、それは、選管が開票不正をやるんですから、これは極めて重大な事態であるわけで、それを本当にもう今後決して行わせないといった対応が求められる、民主主義の根幹である選挙の信頼を大きく揺るがす事態を絶対繰り返させないということを求めていく必要があると思います。
 何度も指摘したことですけれども、こういう事件の背景に、開票時間の短縮を求める、そういうプレッシャーがあったことは明らかではないのか。この点で幾つか基礎的な数字を確認したいのですが、一九九八年と二〇一六年の参院選時の投票所総数、開票所総数を述べていただきたい。

○大泉政府参考人 投票所につきましては、一九九八年、平成十年の参議院議員通常選挙におきましては五万三千四百十七カ所、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙におきましては四万七千九百二カ所となっております。
 一方、開票所につきましては、平成十年、一九九八年の参議院議員通常選挙におきましては三千四百カ所、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙におきましては千九百一カ所となっております。

○塩川委員 この二十年ほどで投票所は約五千五百カ所減り、開票所は四割も減少しています。
 この問題というのは、甲賀市の事案では、不正にかかわった選管事務局長兼務の総務部長、総務部次長、総務部の課長級職員の三人は、無効票を水増しした理由を開票おくれを回避するためにやったと説明しているということがあるので問うているわけですけれども、こういった国政選挙経費の基準額、積算の前提となる開票事務に要する時間がどんどん減らされて、現行は準備、撤去の時間を含め四・五時間となっています。
 総務省にお尋ねしますが、一六年の参院選において、基準四・五時間以内に開票終了をしている開票所の累計数、比率を述べていただきたい。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙において、四・五時間未満で開票が終了した開票所は、全開票所の千九百一カ所のうち八百七十五カ所でございまして、比率は約四六%でございました。

○塩川委員 だから、そういう点でいえば、四六%、開票を終えているというのは半数にもならないわけです。
 本案で開票時間基準が四・五時間のままなんですよ。これはなぜなんですか。

○大泉政府参考人 この点、先ほど申しました、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙において、全ての開票所の平均開票時間は四時間五十分でありました。平成二十五年、その前の参議院選挙でございますが、これの平均開票時間は四時間四十七分と余り差がなかったところでございました。また、平成二十九年の衆議院選挙の総選挙につきましては、全ての開票所のうち約八割が四・五時間以内におさまったというようなこともございました。
 選挙の公正な執行を期するためには、必要な時間を確保するということは重要でございますが、その経費が国民の負担となることを考慮しますと、事務の効率化を図りまして経費の節減に努めるということも重要でございます。
 このため、今回の改正案につきましては、投票用紙読み取り分類機など、開票事務に活用する選挙用電子機器の整備に係る経費を新たに項目立てして規定し、効果的、効率的な開票事務を行える体制を整えるということで、開票時間の短縮が見込まれることから、現行の基準時間である四・五時間、四時間半ということを維持することとしたものでございます。

○塩川委員 経費の話を、ここで持ち出すっておかしいと思うんです。
 そもそも、だって、民主主義の土台である選挙、その公正性を担保する上でも必要な経費をかけるって当然のことなんですよ。よく皆さんは民主主義のコストなんて言うけれども、まさにそう言うのであれば、選挙に必要な経費をかけるというのは当たり前のことなんです。そういった点でも、こういう対応というのはおかしいと言わざるを得ません。
 もともと、二〇〇四年の基準は参議院選挙は六・五時間、衆院選は六時間だったのが、〇七年基準は五時間、一三年基準は四時間に減らされて、前回、一六年基準で、三十分戻して四・五時間になったという経緯なわけなんですよね。
 二〇一六年の参院選において、もとの基準の六・五時間以内に開票終了している開票所は累計で八七%で、この四・五時間というのは全く実態に見合っていないということを言わざるを得ません。
 大臣にお尋ねしますが、本案では、開票所経費の増額となっていますが、これが執行上のミスの減少につながるとお考えでしょうか。

○石田国務大臣 本改正案は、執行経費基準法について、選挙執行の実態等を踏まえ、改正を行うものであり、開票所経費につきましては、先ほど選挙部長から答弁をさせていただいたとおり、投票用紙の読み取り分類機など、開票事務に活用する選挙用電子機器の整備に係る経費を新たに規定することとしたところでございました。
 各選挙管理委員会においては、これにより効果的、効率的な開票事務を行える体制を整えていただくとともに、思い込みや単純な事務連絡ミスにより選挙の管理、執行の公正性や厳正な手続が損なわれることがないよう、万全を期していただきたいと考えております。

○塩川委員 機器の整備なんかは当然あることでしょうけれども、開票作業というのは何より正確さが第一であるわけで、それなくしては、民主主義の根幹である選挙の公正性、信頼性を損ないかねない問題です。
 しかも、選挙事務ミスが増大をし、開票不正事件まで起きているわけですから、その反省に立てば、開票所経費も実態に見合った基準にすることが必要だ。そういう点でも、開票時間についての経費についての増額を、単に効率云々ということでとどめるのではなく、必要な経費を手当てするということを改めて求めておくものです。
 次に、投票時間の繰上げについてお尋ねしたいんですが、先ほど投票所が激減していることを確認をしました。投票時間の繰上げの問題について、国民の基本的な権利である投票権の行使を制約することにつながるのではないのか、こういう見地で私もたびたび取り上げてきたわけです。
 確認しますが、九八年参院選と直近の二〇一六年参院選における閉鎖時間を繰り上げている投票所が全投票所数に占める割合を述べてください。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十年、一九九八年、これは、投票時間が二時間延長されて、午後八時まで延長されて初めての国政選挙でございましたけれども、参議院議員通常選挙におきましては、閉鎖時刻を繰り上げた投票所の数は二千九百六十六カ所でございまして、投票所総数の五万三千四百十七カ所に占める割合は五・六%でございました。
 平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙につきましては、閉鎖時刻を繰り上げた投票所数は一万六千五百八十九カ所でございまして、投票所総数の四万七千九百二カ所に占める割合は三四・六%でございました。

○塩川委員 五・六%だったのが三四・六%というので、今では三分の一の投票所で閉鎖時間の繰上げが行われています。
 二〇一五年の五月の当委員会で、私の質問に対し、当時の高市大臣は、都市部で、投票所の閉鎖時刻をむやみに繰り上げてしまうと、投票人の投票の機会を奪うことになると答弁しています。
 その際に、群馬県の例も取り上げたんですが、前橋市とか高崎市って中心部でも午後七時とか、繰上げなんですよ。そうしたら、やはり若い人が投票に行くというときに、ああ、もう閉まっていたということもあり得るわけで、こういったことはおかしいんじゃないのか、投票人の投票の機会を確保せよということについて、先ほどの高市大臣の答弁があったわけです。
 二〇一六年基準の審議の際には、十八歳選挙権が施行されるときに、若い人の投票行動を見ても、閉鎖時間の繰上げが逆行していると、うちの穀田なども指摘をしました。これに対して高市大臣は、投票の権利は民主主義の最も基礎的な部分、投票機会を広く確保することは極めて重要、引き続きしっかりと要請していくとの答弁がありました。
 しかしながら、二〇一七年の総選挙では、繰り上げているところが三五・〇八%ということで、改善するに至っておりません。
 投票時間の繰上げを減らすために、どのような対策をとっているのか。

○大泉政府参考人 投票所の閉鎖時刻の繰上げにつきましては、公職選挙法において、市町村の選挙管理委員会の判断で、選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情がある場合ということに限って認められているわけでございます。
 総務省といたしましても、投票機会を広く確保する観点から、国政選挙や統一地方選挙のたびに、各選挙管理委員会に対して、投票所閉鎖時刻の繰上げにつきましては、厳正に対処するよう要請をしているところでございます。
 また、選挙の執行経費の基準法上のことでございます。これは、投票時間を短縮している投票所が少なくない実態を踏まえまして、平成十九年改正におきまして、投票所の閉鎖時刻の繰上げを行った場合は、投票所事務従事者の超過勤務手当について、繰り上げた時間相当分を減額するということとしております。
 今回の改正につきましても、投票管理者や投票立会人に係る報酬について、従事する時間に応じて報酬を減額する団体もあることを踏まえまして、事務従事者同様に繰り上げた時間に対しては、減額するというふうな措置を講じることとしております。

○塩川委員 この投票機会を奪うような繰上げについては、これはやはり厳正に対処せよという立場での対応というのはぜひしっかりとやっていただきたいということと、あと、投票所の減少を食いとめることも必要なんですが、それはどういう対策を考えるのか。

○大泉政府参考人 投票所数につきましては、過疎化による選挙人数の減少や、市町村合併などを契機とした投票区の見直しなどで減少してきているというところでございます。
 私どもは、選挙管理委員会が地域の実情を踏まえて決定すべきものではございますけれども、投票所あるいはそれにかわる期日前投票所を設置すること、かつて投票所があった地域での期日前投票所の設置や移動期日前投票所の取組、共通投票所の設置、移動困難者に対する支援など、選挙人の投票機会の確保に努めているところでございます。
 投票所の設置につきましては、国政選挙、統一地方選挙の都度に積極的な措置を各選挙管理委員会に対して要請してきてもおります。
 また、本日御審議いただいている公職選挙法の改正部分につきまして、投票管理者あるいは投票立会人の選任要件を緩和する内容を盛り込んでおりまして、これにより、投票立会人等の確保を容易にすることによりまして、投票所の維持確保の一助となるものではないかと考えているところでございます。

○塩川委員 投票管理者、投票立会人の要件緩和の話は今回盛り込まれているということであります。
 でも、期日前の話というのは、そもそも日本の選挙においては、投票日当日投票主義ですから、その原則が崩れるような複数投票日制をとっていないわけで、そういった点でも投票日にしっかりと投票ができるという環境をどう整備するかということが重要だと申し上げておきます。
 選管の人員の問題も深刻です。この数年の間、十八歳選挙権が始まって、参院選で初めて合区が行われ、小選挙区の区割りはどんどん複雑化をし、選挙執行業務は膨大で、選管の役割はますます大きくなっています。しかし、市町村選管の方もぎりぎりのところで頑張っておられて、苦労もしているわけです。
 実態調査がないと承知をしているわけですが、大臣、最後にお尋ねします。
 昨年、私の質問に、当時の野田大臣は、選挙の管理、執行については、全般にわたって遺漏のないよう万全を期すために、必要な予算、選挙事務に従事する人員を確保することは重要と答弁をしています。経費も人員配置も実態に見合うよう確保するためにも、全ての選管の職員の実態調査を行うべきではないかと考えますが、いかがですか。

○石田国務大臣 執行経費基準法は、諸物価の変動等を踏まえ、投票所経費等の基準額を定例的に改定するほか、各地方公共団体における選挙執行の状況や選挙制度の変更等を踏まえ、適切に国政選挙に要する経費を措置できるよう、規定の新設等の必要な見直しを行ってきております。
 今回の改正に当たっても、二十八年の参議院選挙について、全市町村を対象に、投票所や開票所の事務従事者の配置状況などについて十分な調査を行っており、選挙執行に当たっては万全な執行体制を整えているところであります。
 選挙執行時以外の選管職員の人員配置の実態についても、その調査の必要性があれば検討してまいりたいと考えております。

○塩川委員 ぜひ実施をしていただきたい。人口五万人未満になると平均選管職員数三人ほどで、多くは兼任、兼務ですので、そういった実態をしっかりと受けとめていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

【本会議】公的保育/大きく後退/子育て支援法改定案可決

 幼児教育と保育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案が、衆院本会議で採決され、自民党、公明党、国民民主党、日本維新の会の賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党、社民党は反対しました。

 私が、採決に先立ち反対討論。保育料が免除されている住民税非課税のひとり親などの「無償化」による恩恵がない世帯では消費税増税分が重くのしかかるだけ。低所得者層へ重い負担を押し付けることは認められない。

 また、「無償化」措置は、教育・子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引き換えに、総理の一言でまさに党略的に決められたものであるため、経過措置期間の5年間は、保育士が一人もいないような是正すべき施設も給付対象とするなど制度として矛盾だらけだ。

 さらに、今回の「無償化」が公立保育所は市町村の10割負担としているために、いっそう公立保育所の廃止・民営化を加速させる。一方、問題が相次ぐ企業主導型保育も「無償化」対象とするため、市町村が設置・監査に関与せず、認可基準以下で整備・運営ができる企業主導型保育が拡大するのは目に見えている。認可保育所による、自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を大きく後退させるものだ。「保育の質・量の確保」をしながら、保護者の負担軽減を進めるべきだ。

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子ども・子育て支援法改定案に対する反対討論要旨

 衆院本会議で行った子ども・子育て支援法改定案(「幼児教育無償化」法案)への反対討論の要旨は次の通りです。

 第1に、本法案は消費税増税が発端です。安倍総理は、総選挙を前にした2017年9月、消費税10%増税の使途変更を理由に「幼児教育の無償化」を持ち出し、解散総選挙の口実としました。

 消費税は、低所得者ほど負担が重い逆進性を持つ税だと総理自身認めています。保育料はすでに所得に応じ段階的になっており、保育料が免除されている住民税非課税のひとり親世帯などでは「無償化」による恩恵はなく、消費税増税分が重くのしかかるだけです。

 第2に、「無償化」措置は、教育・子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引き換えに総理の一言で党略的に決めたものです。内閣府が「検討の場はなかった」と答弁したように、十分な検討は行われていません。だから、経過措置期間の5年間は保育士がいない施設も給付対象とし、指導監督基準以下の施設も容認するなど制度として矛盾だらけです。

 認可外保育施設への児童福祉法に基づく立ち入り調査は68%しか行われていません。「無償化」によって調査対象は1・7倍に増えます。「巡回支援指導員を増やす」と言う厚労省も、巡回支援指導員では児童福祉法に基づく指導監督を代替できないと認めました。指導監督体制の強化なしに安心・安全な保育は保障できません。

 法案は保育料に含まれていた3~5歳児の給食おかず費を施設側に徴収させます。保育の一環である給食の費用は公費で負担すべきで、実費化は公的保育制度を後退させます。

 第3に、公立保育所をさらに減らし、企業主導型保育事業を拡大することです。

 公立保育所数は、地方行革の押し付け、運営費・整備費の一般財源化によって、この20年間で3割も減少しています。「無償化」で私立保育所には国から2分の1補助が出るのに、公立保育所は市町村の10割負担です。公立保育所の廃止・民営化をいっそう加速させるのは明らかです。

 一方、この間急拡大してきた企業主導型保育は、突然の閉園や助成金の不正受給、75%の施設で基準違反が見つかるなど問題が相次いでいます。助成決定を行う児童育成協会の審査で、現地確認は約2600施設のうちわずか6件。審査はたった5人で年3回の会議で行うというのが実態です。

 企業主導型は仕組み上、「認可施設にならない施設」だと内閣府も認めたのに、政府は「子育て安心プラン」で、企業主導型保育を待機児童の受け皿として組み込み推進してきました。企業主導型保育を今回の「無償化」の対象とすることで、市町村が設置・監査に関与せず、認可基準以下で整備・運営できる企業主導型が拡大するのは目に見えています。

 結局、認可保育所による自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を大きく後退させるだけで、断じて認められません。

 緊急にやるべきは待機児童解消であり、公立を含む認可保育所の増設と保育士の抜本的な処遇改善です。

 政府の保育の受け皿整備は、問題だらけの企業主導型を推進するだけ、保育士不足の要因である低賃金、長時間・過密労働の実態調査すら行っていませんでした。これでどうして、保育士の処遇改善ができるでしょうか。

 保護者と保育関係者の「安心・安全な保育を」という願いに応えるためには、「保育の質・量の確保」をしながら、保護者の負担軽減をすすめるべきです。

埼玉・所沢市/県議選最終日、やぎした礼子候補の応援に

 埼玉県議選最終日、やぎした礼子候補の応援に!

 塚田国交副大臣による安倍首相と麻生大臣のための「そんたく」発言は、辞任で済む話ではありません!

 選挙戦最中のこの発言は、国交副大臣の地位利用による利益誘導であって、公選法違反も問われる大問題です。発言を否定することは、選挙で公職にある者が有権者にうそをついて、騙したという話になります。

 真相究明と安倍首相の任命責任を追及したい。

 安倍首相とその取り巻きを優遇する政治の私物化が税金の無駄遣いになっています。

 公共事業の無駄遣いと大軍拡の無駄遣いを進める自民党、公明党に審判を下し、税金は健康を守る国保税引き下げに税金を回せと訴える日本共産党のやぎした礼子候補を押し上げてください!

 所沢駅前で、やぎした礼子県議候補が最後の訴え!

消費税増税ストップ、国保税引き下げの日本共産党のやぎした礼子候補へ!

安倍政権の国政私物化、「そんたく」政治にノーの審判を!​

群馬・伊勢崎市/はせだ直之県議候補の応援に

 伊勢崎市内で、はせだ直之県議候補の支援を訴えました!

 自公中心の群馬県政は、0~2歳の保育料3千円助成を廃止したり、少人数学級も後進県になってしまうなど暮らしに冷たい県政です。一方で、上信自動車道、コンベンション施設、八ッ場ダムなど開発予算は2年で200億円も増額しています。

 日本共産党のはせだ直之県議候補は、税金の使い方を改めて、学校給食の無料化、高校卒業までの医療費無料化を実現します!

 日本共産党の議席が、伊藤ゆうじさん、酒井ひろあきさんの2議席から、はせだ直之さんを加えた3議席になれば、議会運営委員会・各派代表者会議に出席できるようになり、県議会の民主的運営に力を尽くすことができます。本会議質問も、年2回から4回へと増やすことができます。ぜひ押し上げてください!

 国保税引き下げ、消費税増税ストップの一票をはせだ直之県議候補にお寄せ下さい!