【内閣委員会】生活に大打撃与える/TPP11関連法案強行で反対討論

 11力国による環太平洋連携協定(TPP11)関連法案が、自民、公明、維新の賛成多数で可決。反対討論に立ちました。

 山際大志郎委員長が職権で委員会の質疑を短時間で打ち切り、採決を強行したことに厳しく抗議。野党は、公聴会、関係委員会との連合審査、テーマ別審議などを要求してきました。TPP11が経済と国民生活にどのような打撃を与えるのか、などの国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えない。

 もともとTPPは2年前の国会で国民の厳しい批判にさらされ、審議中に米国が離脱したにもかかわらず、政府・与党が採決を強行したものだと指摘。TPP11でも、関税・非関税措置の撤廃や、重要農産物の除外などを求めた「国会決議」に反する実態がそのまま生きており、認められない。

 また、4月の日米首脳会談で新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは重大だ。米国に際限ない譲歩を迫られ、自由貿易協定(FTA)に行きつく。日本経済と国民生活に大打撃を与える。

 参考人質疑に出席した鈴木宣弘東大教授が、TPPで日本のグローバル企業の利益は増える一方、国内の人々は低賃金で働くか、失業すると明言した。世界の流れは、各国の食糧主権と経済主権を尊重した平等互恵の貿易と投資のルールづくりだ。

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反対討論は以下のとおりです。


 私は、日本共産党を代表して、TPP11整備法案に断固反対の立場から討論を行います。

何よりまず、委員長職権により、当委員会の質疑を短時間で打ち切り、採決を強行することに厳しく抗議するものです。

 野党は、関係委員会との連合審査、食の安全、国民の暮らしと命、健康を脅かす問題、政府調達、ISDS条項、環境や労働に関わる論点などのテーマ別審議、中央・地方公聴会、参考人質疑、さらなる総理質疑などを求めてきました。

 アメリカが抜けたTPP11が、日米2国間協議と相まって、日本経済と国民生活にどのような打撃を与えるのか、審議を打ち切れば、国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えません。

 わずかな審議を通じても、TPP11の重大な問題点が明らかになっています。

 もともとTPPは、2年前の国会で、国民の厳しい批判にさらされ、審議中にアメリカが離脱したにもかかわらず、政府・与党が採決を強行したものです。TPPをまるごと組み込んで蘇らせたTPP11は、関税・非関税措置の撤廃がそのまま生きており、大問題となった「国会決議に真っ向から反する」実態もそのままであり、認めることはできません。

 参考人質疑の中で、内田聖子参考人は、TPP11の変更点について「TPPの危険性は基本的に変わっていない」と指摘しています。

 また、4月の日米首脳会談で、新たな経済協議の枠組み「FFR」をつくことで合意したことは、重大です。アメリカが具体的な通商要求項目を、日本へ突きつけ、「取引する場」へ更に踏み込み、TPPを出発点にして、さらに際限ない譲歩を迫られ、行きつく先は日米FTAです。TPP、TPP11、日米二国間協議が日本経済と国民生活に大打撃を与えることは必至であります。

 TPPとは何のために行われるものなのか、鈴木宣弘参考人は「アメリカのグローバル企業が、自分たちが儲けられるルールをアジア・太平洋地域に広げたい、これが端的なTPPの本質だ。日本のグローバル企業にとっても同じこと。グローバル企業の利益は増えるが、現地の人は安く働かされる。国内の人々は安い賃金で働くか失業する」と明確に述べられました。

 世界の流れは、各国の食糧主権と経済主権を尊重しながら、平等互恵の貿易と投資のルールづくりです。日本が進むべき道は、TPP11、日米「新協議」ではない、ということを申し上げて、反対討論を終わります。

【議院運営委貝会理事会】きょうにもカジノ審議入り/衆院本会議/共産など野党、強く反対

「しんぶん赤旗」5月22日付・1面より

 衆院議院運営委貝会の理事会で21日、自民、公明両党はカジノ実施法案を22日の本会議で審議入りすることを提案しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会の野党各党が「ギャンブル依存症など重大な問題がある」として審議入りに強く反対しましたが、古屋圭司委員長の職権で日程を決めました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は「TPP関連法案の審議打ち切りを前提に、カジノ実施法案の審議入りを決めるなどとんでもない」と厳しく批判。「カジノ実施法案は刑法に反して賭博を合法化するものであり、ギャンブル依存症など重大な問題がある」と強調し、法案への反対を表明しました。

 他の野党からも、「(審議入りは)受け入れられない」(立民)、「違法性や依存症の問題があるなかで審議に入るべきではない」(国民党)などの批判が相次ぎました。

東海第2原発は廃炉に/「首都圏連絡会」結成集会に参加

 「とめよう!東海第2原発 首都圏連絡会」結成集会に参加。

 東海第2原発は、茨城県だけでなく、東京をはじめ首都圏全域に影響を及ぼします。首都圏の市民の共同の要求運動として、東海第2原発は廃炉にしよう!

東海第2原発反対の茨城県自治体議員連盟と「原発ゼロの会」との懇談会

 東海第2原発に反対する茨城県自治体議員連盟と「原発ゼロの会」との懇談会に出席。茨城県のわが党の議員からは大内前県議、上野県議らが参加。

 老朽原発の危険性、無理な広域避難計画、原発加害企業の東電頼みの資金調達計画など、どこをとっても、再稼働、運転延長などとんでもない!きっぱり廃炉にしましょう!

 国会から立憲民主党の阿部知子・近藤昭一・逢坂誠二議員らが参加しました。

東日本入国管理センター/自殺や自傷行為が相次いでいる問題で法務省ヒアリング

 茨城県牛久市にある東日本入国管理センターで、自殺や自傷行為が相次いでいる問題について、党牛久市議団と法務省ヒアリング。

 施設における医療体制の改善、地元自治体への情報提供などが求められます。

 大本には、外国人の人権保障に問題があり、難民認定に消極的な国の姿勢があります。

 この間、この問題を取り上げてきた藤野保史議員のスタッフも同席しました。

 


「しんぶん赤旗」5月22日付・5面より

入管施設/人道配慮を/共産党市議ら管理局に要請

 在留資格がない外国人らを収容する東日本入国管理センター(茨城県牛久市)でインド国籍の30代男性が4月に自殺したことをきっかけに収容者にハンガーストライキが発生したことをめぐり、日本共産党の利根川英雄、鈴木かずみ、遠藤のり子の各牛久市議は21日、法務省入国管理局に対し人道上の配慮や施設の環境改善などを申し入れました。日本共産党の塩川鉄也衆院議員が同席しました。

 利根川市議らは、日本の入管施設の長期収容をめぐり、国連の拷問禁止委員会が懸念を表明していると指摘。夜間の医療体制の強化や、心理カウンセラーの確保、事件などが発生した際の地元自治体への報告体制を整えるよう要請しました。同局警備課の徳井一之法務専門官は「改善すべきは改善する。ご指摘の点は検討したい」と笞えました。

 塩川議員は「国会質問でも、医療面に不十分さがあることなどが明らかになっている。日本は、難民認定の手続きや外国人の人権保障に問題がある。しっかり対応してもらいたい」と述べました。

 


 

「しんぶん赤旗」5月22日付・5面より

今すぐ処遇改善せよ/茨城・入管施設前/市民が抗議行動

 茨城県牛久市にある東日本入国管理センター前で20日、入管行政に対する抗議が行われました。市民有志が呼びかけ、県内だけでなく東京などから50人が参加し、「人権守れ」「まともな医療を」とスピーチしました。

 施設の前で参加者が、英語で「Stop Long Detention」(長期収容やめろ)などとコールすると、施設のなかから「ありがとう」と日本語で応答がありました。

 行動を呼びかけた、茨城県つくぱ市に住む男性(42)は、「収容されている人の処遇改善はもちろん、難民申請中の人も含めて原則すべての人を収容するという姿勢を改めるべきです。解決するまで、何度でもこの場所に来ます」と訴えました。

 東京都世田谷区から参加した方は、この問題をニュース報道で知り、「黙ってはいられない。多くの人に知ってほしい」と、東京・渋谷ハチ公前でひとり、スタンディングもしたといいます。「すぐに収容所の環境を改善してほしい。命がかかっています。実現するまで声をあげ続けます」

さいたま市学童保育連絡協議会総会であいさつ

 さいたま市学童保育連絡協議会総会であいさつ。子どもたちを真ん中に、学童保育の量と質の拡充のためにがんばります。

 国は「地方分権改革」の一つとして、学童保育の指導員配置基準を自治体の裁量に任せるものに後退させようとしています。

 「国が地方をしばる基準をなくすんだ」といいますが、とんでもない。

 子どもの安全を確保し、豊かな保育を保障する職員の配置基準は、国民、保護者が国、自治体をしばっている基準です。その基準を勝手に変えさせるわけにいきません。

TPP11協定批准反対/国会前アクションで国会報告

 議員会館前で行われている「TPP11協定批准反対」国会前アクションで、緊迫した国会情勢を訴えました。
 
 TPP協定の本会議採決強行に抗議。同時に、TPP推進の責任者である茂木大臣に対する不信任決議案を野党共同で提出したことを報告。そのため内閣委員会でのTPP関連法案の本日の採決強行に待ったがかかりました。来週から新たに動き出します。
 

「しんぶん赤旗」5月19日付・1面より
 
TPP廃案にさせよう/全国食健連座り込み/議員会館前
 
 自民、公明、希望、維新の各党が、米国を除く11ヵ国による環太平洋連携協定(TPP11)批准案の衆院通過を強行した18日、「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」(全国食健連)は、衆院第2議員会館前で抗議の座り込みをしました。
 
 舘野豊事務局長が「食と農業を守るたたかいを広げ、安倍政権を退陣に追い込もう」と主催者あいさつしました。
 
 外務委員会と本会議での強行に対し、参加者は「強行採決絶対反対」「審議は不十分。強行は許せない」「TPPをみんなで止めよう」とコールしました。
 
 参加者がマイクを握り、離農が相次ぐ農村の実態、農業への影響試算のデタラメさ、ISDS(投資家対国家紛争解決)条項の危険性などに触れ、「徹底審議を」と訴えました。
 
 日本共産党の紙智子参院議員、塩川鉄也衆院議員、立憲民主党の衆参両院議員が連帯あいさつ。
 
 全農協労連の砂山太一委員長は、「私たちの運動で廃案に追い込もう」と呼びかけました。
 
 この日の抗議は、働き方改悪法案に反対する「雇用共同アクション」と共同でおこなわれました。
 

野党合同緊急院内集会/異常事態の内閣委を報告

 安倍暴走政権に「怒!」野党合同緊急院内集会で異常事態の内閣委報告。
 
 日本経済と国民生活に大打撃を与えるTPP関連法案をわずか14時間の政府質疑で強行採決しようとする政府与党に厳しく抗議。なぜ採決を急ぐのか。
 
 TPPの危険性を国民に知らせたくないからであり、カジノ実施法案を今国会で押し通そうとしているから。
 
 断じて許すことはできません。市民と野党の共闘で悪法を廃案に追い込むために全力を挙げます!
 

「しんぶん赤旗」5月19日付・2面より
 
6野党党・会派が緊急院内集会/安倍政権打倒・新潟知事選勝利を
 
 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党は18日、「安倍暴走政権に『怒!』野党合同緊急院内集会」を開き、一致結束して安倍政権打倒をめざす決意を表明しました。
 
 冒頭、国会全体の情勢を報告した国民民主党の泉健太国対委員長は、改ざん前の決裁文書全文を18日までに提出するとした約束をほごにし、23日に先延ばしし、悪法を押し通そうとする政府・与党を批判。「与党に対峙(たいじ)し、みんなで声をあげて国民に訴えよう」と強調しました。
 
 続いて、悪法とのたたかいについて担当議員が発言しました。
 
 「働き方改革」一括法案について立憲民主党の吉田統彦衆院議員は、厚労省の労働時間調査で2割超の「異常値」が明らかとなったことをあげ、「普通だったら撤回だ」と強調。衆院厚労委での採決が23日にも狙われていると指摘し、「(野党が)一丸となって対応していく」と強調しました。
 
 TPP協定と関連法案について、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が発言。衆院外務委での協定採決を厳しく批判し、同内閣委でもわずか14時間の審議で関連法案の採決を強行する動きを報告しました。
 
 塩川氏は、政府・与党が採決を急ぐ理由は「日本経済や国民生活に関わる重大な中身を国民に知られたくないからだ」と指摘。しかも、後ろに控えるカジノ実施法案の今国会成立も狙っていると述べ、「野党が国民と結束すれば政府与党の暴挙を許さない力を発揮できる」と訴えました。
 
 加計疑惑について、無所属の会の江田憲司衆院議員が報告。「加計問題は完全に黒だ」と断言し、「加計孝太郎さんと安倍昭惠(首相)夫人の国会招致がなければ国民は納得しない」と力を込めました。
 
 新潟県知事選(24日告示、6月10日投開票)について、自由党の森ゆうこ参院議員が報告。「柏崎刈羽原発再稼働は認められない」と強調し、安倍首相の意向で動く与党候補に負けられないと述べ、野党が結東して池田ちかこ候補を勝利させようと呼びかけました。
 
 最後に社民党の吉川元幹事長の音頭で、安倍政権打倒と新潟県知事選勝利に向けて「ガンバロー」を三唱しました。

【議院運営委員会】ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託に反対

 自民・公明は、野党の反対を押し切り、ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託を強行しました。私は、議院運営委員会で反対の意見表明を行いました。

 ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託の強行は、審議入りしたばかりのTPP11整備法案の質疑打ち切りを意味するものであり、引き続くカジノ実施法案の審議強行を図ろうとするものであり、反対であることを述べました。

【内閣委員会】本質は多国籍企業の利益追求と参考人指摘

 米国を除く11力国の環太平洋連携協定(TPP11)の関連法案について参考人質疑が行われ、政府の作成したTPPの影響試算の評価について質問しました。

 鈴木宣弘東大教授は「影響試算は、これだけの影響が出るからこれだけの対策が必要だという順序で進めなければいけない。政府の試算は“影響がないように対策するから影響がない”と計算している。対策を検討するための試算になりえない」と指摘しました。

 わたしはまた、TPP11で多国籍企業が投資先国を提訴するISDS条項など22の「有害条項」が「凍結」された効果を尋ねました。

 NPO法人アジア太平洋資料センターの内田聖子共同代表は「有害条項は22条項以外にも、食の安全や金融サービス等、非常に多くある。TPPの危険性は基本的に変わっていない」と答えました。

 わたしは、そもそもTPPはなんのために行われるのか?として、日米のグローバル企業の利益追求のためではないかと聞きました。

 鈴木教授は「ご指摘の通り、アメリカのグローバル企業が自分たちがもうけられるルールをアジア・太平洋地域に広げたい、これが端的なTPPの本質だ。日本のグローバル企業にとっても同じこと。アジアで直接投資を展開できる。グローバル企業の利益は増えるが、現地の人は安く働かされる。国内の人々は安い賃金で働くか失業する」と説明しました。

 
 
 
 

「議事録」
第196通常国会 2018年05月17日 内閣委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 参考人の皆様には、私どもの視野を広げ、また、それぞれの課題を掘り下げる貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 最初に中川参考人に、TPP11における凍結項目について、なぜ凍結をされたのかについてお尋ねをいたします。
 ISDSの対象を絞り込むことや政府調達に係る労働条件など、米国が強く要求し日本も同調したものの一部が凍結をされたと述べておられましたが、このような凍結項目が決められたのは参加国のどんな事情があったのか、お願いします。

○中川参考人 お答えいたします。
 TPP11の交渉プロセスについては、情報が十分公開されておりませんので、私、その間の個々の項目が決まった事情については、率直に申し上げて通じておりません。
 今から申し上げるのは推測でありますけれども、郵便独占に係る急送便サービスの義務でISDS、これはISDSでやはり投資受入れ国として訴えられることを想定して、それは嫌だという抵抗感というのはあるわけですね。
 日本の立場としては、特に、世界じゅうでグローバルに投資を展開するということでありますので、投資受入れ国で、ISDSがなければ、受入れ国の国内裁判所で紛争を解決してもらうということになるわけですけれども、投資受入れ国の国内裁判所が果たして中立公正な判断をしてもらえるかどうかということに対する懸念もあるということで、アメリカと同調してISDSを主張したわけであります。これに対して、受入れ国として抵抗があったということだろうと承知しております。
 知的財産権関係のルール分野は多いと思いますけれども、これはかなりアメリカが主張し、また、日本もそれに同調して高水準の知的財産権保護を主張したわけですから、現行法から見て、受け入れるためにはたくさんの法律改正をしなければいけない国というのが、先進国であるニュージーランドを含めてTPP11の締約国の中にありましたので、それを少し猶予してほしいということだったんだろうと理解しております。

○塩川委員 ISDSや知的財産権の関係についてのお話がありました。
 内田参考人にお尋ねをいたします。
 TPP11における二十二の凍結項目について、内田参考人が、TPPの有害条項の代表格と述べておられます。今お話も出ましたけれども、知的財産権の規定も多数あるわけですし、ISDSの問題もあります。
 では、TPP11で有害性が除去されたと言えるのかということと、当然、国内法整備との関係でも問題はないのかということがあるわけですが、この点で、知的財産権、医薬品の特許関係についてお考えのところをまずお聞かせいただけないでしょうか。

○内田参考人 ありがとうございます。
 まず、凍結項目について、二十二に絞られたわけですが、その背景には多数あったと思います。
 プロセスは私も承知しておりませんが、途上国側、新興国側からすれば、とりわけ医薬品の特許関連、これに関しては、交渉の時点から非常に反対の声が強くありました。大筋合意をした二〇一五年十月のアトランタでの交渉、私も現場に毎回行っていますのでおりましたが、ここで最後の最後までもめ込んだのが、バイオ医薬品という、新しい生物製剤、医薬品の特許をめぐる規定でした。
 なぜ、これに途上国、新興国は反対するのかといえば、これはとてもシンプルです。命にかかわるからです。途上国では、アメリカの製薬会社が要求するレベルで特許権を強化してしまえば、もちろん、国内法を変えるとかそういうテクニカルな問題はたくさんあったんですが、受け入れられない理由はそうではありません。それが自国の国民の命に直結する問題だからです。
 今、どのメガFTAであれ、二国間であれ、この知的財産、とりわけ医薬品の特許をめぐる問題というのは大変な対立を生み出しているマターです。RCEPでもそうです。
 私、きょう、資料の中で、一番最後のページに、十五ページに写真をつけさせていただきました。これは、RCEP交渉、昨年の七月にインドのハイデラバードで行われたときに私も行きましたけれども、これはTPPと関係ないじゃないかと思われるかもしれませんが、関係あるんです。
 日本政府及び韓国政府は、RCEPの中でも、TPPと同じようなレベルの特許権保護、つまり、WTOのTRIPs協定というものがありまして、それよりももっと保護強化をしよう、つまり、医薬品会社の利益をもっと高めよう、そういうWTOより以上のものを提案しているということがリーク文書でわかりつつあります。このことにインドの人々は非常に抵抗していて、ちょっとショッキングなバナーですけれども、日本と韓国は人々の命をもてあそぶな、こういう厳しい批判というものもあります。
 ですから、こういう形で、ルールを高めたという、企業側からすれば利益なのでしょうが、一方、それは、公衆衛生とかさまざまな公共政策、それから気候変動への対応など、いわゆる国際市民社会が重要としている価値とは非常に対立的になっているということがありますので、日本としては、このあたりを、TPPがいいんだというだけでは、やはり他のアジアの国々、世界の人々に対しての責任という観点からは非常に問題があると思っております。

○塩川委員 そういう意味でも、非常に命にかかわる問題だということで、極めて重要、重大だと思います。
 その点で、いや、そうはいっても、この有害条項は凍結しているんだという話があるんですけれども、それが本当にそうなのか、その点についてはどうでしょうか。

○内田参考人 済みません、簡潔に。
 まず、有害条項と評したのは、今言ったような、その国々の公共政策だとか公衆衛生だとか人権とか、それから環境保護政策、こういうものにとって有害だという条項という意味です。これは、二十二の条項以外にも、私からすれば、まだ多数、TPPの中にはあります。逆に言えば、たった二十二個しか凍結されなかったのかというふうに思っております。
 ですから、仮に二十二が凍結されたとしても、先ほど来あるような食の安全のものだとか、それから金融のサービス、国有企業等々、まだまだ我々からすれば問題な条項というのが非常に多く埋め込まれております。ですから、このTPPの危険性というのは、若干は解消されたけれども、基本的には変わっていないというふうに思っております。
    〔委員長退席、石原(宏)委員長代理着席〕

○塩川委員 続けて内田参考人にお聞きしたいのはISDSの件ですけれども、先ほど、EUはISDSを否定したという話もありました。
 TPP11で、先ほども出た凍結項目としてISDSの話も出てくるわけですけれども、TPP11において、ISDS条項のいわば危険性というのは払拭されたのかということについてお聞かせいただけないでしょうか。

○内田参考人 ISDSは、現時点で累積して、特に九〇年代、二〇〇〇年以降、約七百六十件ほど、世界じゅうでさまざまなケースがあります。そのほとんどは、先進国政府の企業が途上国政府を訴えるという構図が基本的なパターンであります。
 ですから、TPPの中では、先ほど中川参考人からもあったように、主に途上国、新興国の政府がやはり提訴の危険というものを重々わかっているわけですね、みんな。ですから、凍結として要求したのだろうと思っております。
 その意味では、私は、凍結項目におけるISDSの、一部の縮小ですけれども、これは、途上国政府がやはり辛うじてTPPの中で奪い返したぎりぎりの線だったんだろうと思っております。
 日本にとってはどうかといえば、特段の変化はありません。これは、たしか凍結の中で、投資の定義というところで中央政府というところに限っていたと思いますけれども、逆に日本が訴えられなくなるじゃないかという声が、日本の企業が途上国政府を訴えるツールがなくなったんじゃないかという意見がありますけれども、逆に訴えられるリスクが減ったかといえば、特段減ってはいないというふうに思っております。

○塩川委員 ありがとうございます。
 次に、鈴木参考人にお尋ねいたします。
 TPP11の影響試算のことについてお尋ねしたいんですが、政府は二〇一七年末にTPP11の影響についての試算を出しましたけれども、これは本当に国内対策の検討に使えるのか、恣意的ではないのかという意見をお聞きするわけですけれども、鈴木参考人のお考えをお聞かせください。

○鈴木参考人 私の資料の四ページにもございますように、この影響試算というのは、本来は、これだけの影響が出るということをまず計算して、であるから、どれだけの対策が必要かという順序で進めなきゃいけないはずですが、それを、影響がないように対策をするから影響はないということで計算しておりますので、これは対策を検討するための影響試算にはなり得ないということだと思います。
 例えば農産物の価格が十円下がったら、そのためにそれを相殺するだけの政策はやるから生産量も所得も変わらないんだという計算方法でございます。それでは本当の影響というのは見えない。もしそれを正当化するのであれば、その十円下がったときにどういう対策をやるからその十円が相殺されて生産量と所得が変わらないのかについての根拠を示さないといけない。
 そういう意味で、まず、対策を入れ込んだ影響試算ではなくて、対策をしなければどういうことが起きるのかという純粋の影響というものを示してから議論すべきである、これが基本的な視点ではないかというふうに考えております。

○塩川委員 その場合、その対策をしなければどのような影響が出るのか、これをきちっと出すことが必要だというお話ですけれども、こういう点について政府に出せという要求をするのは当然のことでありますが、同時に、識者の方から、そういう、対策をしなければどういう影響が出るのかという試算というのは、何らかお示しできるものがあればお示しいただけないでしょうか。

○鈴木参考人 私どもでは、TPP12のときに独自の影響試算をして、政府試算とは全く違う、七倍の数字、一兆六千億円の被害が出るという数字を出しました。これは、基本的にはTPP11になっても変わらない、あるいはそれ以上であると考えなきゃいけない。つまり、TPP11をやるということはTPP12以上の内容を結果的に受け入れるわけですから、少なくとも、TPP12のときの打撃が出るということをまず踏まえる必要が出てくる。
 ですので、改めてTPP11だけを切り取って影響試算をすることも可能ではありますが、私はそれを今のところはやっていません。それは今のような理由からでございます。

○塩川委員 ありがとうございます。
 もう一点お聞きしたいのが、TPPがそもそも何のために行われるのか。TPPの本質について、やはりアメリカのグローバル企業の要求、便宜供与の問題があるという話、鈴木参考人もおっしゃっておられます。そういう点についてのお考えと、あわせて、このTPPというのは日本のグローバル企業のアジア等における利益追求にも応えるものとなっているのではないのかと思うんですが、そのこともあわせてお答えいただけないでしょうか。

○鈴木参考人 御指摘のとおり、アメリカのグローバル企業、先ほど来出ています製薬会社さんとかが、人の命を縮めても自分たちがもうけられるようなルールをアジア太平洋地域に広めたい、これが端的なTPPの本質ですね。まさにグローバル企業、それが政治家とお友達になって、お友達企業への便宜供与と世界の私物化という現象が起こっている。極端に言えばそういうことだと。
 それは日本のグローバル企業にとっても同じことで、おっしゃるとおりでございます。日本の企業が、あるいは小売企業がアジアに行って、直接投資が更に自由化されれば、どんどん展開できる。それによって日本のグローバル企業の経営陣の利益もふえます。しかし、現地の人たちは安く働かされる。そして、日本の国内では、国内の人々が結局安い賃金で働くか、あるいは失業して、例えばベトナムの方々の賃金は日本の二十分の一から三十分の一ですから、そういう方々が更にふえる、あるいは企業が出ていく。
 いずれにしましても、グローバル企業の経営陣にとってのメリットは、それは日米ともにあることは間違いない。しかし、それが一般国民の九九%の方々の生活をプラスにするかというと、それは逆行してしまう。ここをどのように調整できるのかということが問われているんじゃないかというふうに思います。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

【「しんぶん赤旗」掲載】TPP関連案きょう採決狙う/衆院内閣委/与党が提案

 「しんぶん赤旗」5月18日付・2面より

 衆院内閣委員会理事会が17日開かれ、与党側が18日の委員会で米国を除く環太平洋連携協定(TPP11)関連法案の採決と、IR(カジノ)実施法案の審議の前提と与党が考えているギャンブル依存症対策法案の審議入りを提案しました。野党側は拙速な採決には応じられないと拒否し、引き続き協議することになりました。

 野党側は、TPP11関連法案について十分な審議が必要だと主張。財務、厚労、文科、農水、経産、外務の各委員会と連合審査を行うことや、農業や食の安全、知的財産権などテーマ別の集中審議を行うこと、中央公聴会、地方公聴会、参考人質疑など国民の声を聞くこと、さらなる首相出席質疑を行うことを求めました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は「日本経済や国民生活にかかわるTPP11関連法案の審議を打ち切り、さらにカジノ実施法案の審議強行を図ろうというものであり、採決は絶対に認められない」と主張しました。

 TPP関連法案は18日午前の内閣・農水連合審査を経て午後の質疑後に採決が強行されるおそれがあります。

 TPP11承認案については、衆院外務委員会で18日に1時間の質疑をしたうえで採決することが決まっており、衆院本会議での採決が狙われています。

【内閣委員会】日米交渉/国民に打撃/TPP11がベースに

 関税撤廃などを盛り込んだ環太平洋連携協定(TPP)加盟11か国による新協定「TPP11」について、米国からはTPP11をベースに日米二国間協議でさらなる追加措置が求められる危険があると指摘しました。

 トランプ米大統領が「アメリカ第一」の立場から、「TPPに戻りたくない」「二国間協議がいい」と明言しているもとで、安倍首相が日米の新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは、きわめて重大。日米二国間交渉のゆくえを中心にただした。

 トランプ大統領がTPPから離脱し、貿易協定は二国間交渉で進める意向を示したことで、日本の麻生太郎副総理と米国のペンス福大統領の経済対話、茂木敏光TPP担当大臣とライトハイザー通商代表部(USTR)代表の新協議機関(FFR)の創設を積み上げてきた。

 FFRで取り上げる課題は何かと質問。

 茂木担当大臣は「日米の関心事を出し合っていく。できるだけ具体的なテーマで議論したい」と答えました。

 すでに日米経済対話で、USTRが今年3月末に公表した2018年「外国貿易障壁報告書」に示された要求項目が議論され、具体的な措置もとられている。

 「外国貿易障壁報告書」では「(BSE問題は解消したとして)牛肉市場の完全な開放」を求めている。米国のBSE調査は1%未満だ。食の安全基準を犠牲にしてよいのかが問われている。国民の安全を損なうやり方は認められない。

 TPP,TPP11、日米二国間交渉が日本経済と国民生活に大打撃を与えることは必至だ。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第196通常国会 2018年05月16日 内閣委員会 16号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 TPP整備法案について質問をいたします。
 本来であれば、二つの常任委員会に置かれた協定と整備法案ですから、しっかりと深めた議論をする上では一体の議論の場も必要なんですよ。そういったこともなしに、それぞれの委員会でそれぞれでやってというふうにはならないということはまず最初に申し上げておきますし、また、十本の法案との関係でいっても、対応する役所も五つもあるわけで、関係委員会との連合審査を含めた、複数の大臣を並べたしっかりとした議論を行うのも当たり前のことであって、こういったことについて、しっかりとした審議の場を保証しないという中での議論の進め方というのは極めて重大だということを冒頭申し上げ、徹底審議、慎重審議を行うべきことを申し上げておくものであります。
 その上で、四月の日米首脳会談において、トランプ大統領が、アメリカ第一の立場から、一方的な鉄鋼、アルミニウムの輸入制限を行いながら、TPPに戻りたくない、二国間協議がいいと明言をしているもとで、安倍総理が、日米の新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは極めて重大であります。
 そこで、日米二国間交渉に関連して、まずお尋ねをいたします。
 外務省にお聞きしますが、この整備法案の本会議での我が党の笠井亮議員の質問に対して安倍総理は、米側は二国間ディールに関心を有していると承知しておりますと二回答弁をしていました。
 トランプ大統領が二〇一七年一月に大統領に就任した後、米国USTRに対して、一月二十三日付で大統領覚書、TPP交渉及び協定からの米国の離脱を発出しております。そこでは、個別の国と直接一対一、又は二国間、今後の貿易協定を交渉していく考えであると述べています。
 トランプ大統領が一対一で取引を行うと書くその政治的意図について、日本政府は具体的にどのように認識ないし分析しているのか、この点についてお答えください。

○岡本大臣政務官 今委員御指摘いただきましたように、さまざまなところで大統領はコメントしていらっしゃるので、米側が二国間ディールに関心を有していることは十分に承知をしておりますけれども、その手のうちまで私ども分析する立場にはございません。
 先ほど来議論になっておりますように、我が国といたしましては、TPPこそが日米両国にとって最善の策だというふうに考えておりますので、この立場を踏まえて今後も議論を推進してまいりたいと考えております。

○塩川委員 トランプ大統領が二国間ディールに関心を置いているということであります。
 覚書でトランプ大統領は、米国がTPP署名国として離脱し、かつ米国が永続的にTPP交渉から離脱することを指示したわけです。
 本年のダボス会議において初めてトランプ大統領から米国がTPPに参加する可能性について言及があったということですけれども、このアメリカ・トランプ大統領の立場として、日本との一対一取引、ディールというその姿勢というのは一貫しているんじゃないですか。

○岡本大臣政務官 トランプ大統領が一対一のディールということに興味を有していることは、先ほど来、認識しているということを申し上げたとおりでありますけれども、これまでの両国間の議論の中でさまざまな議論をともにしていこうというふうに合意ができておりまして、先ほど来、茂木大臣もおっしゃっておりましたけれども、その会話は二国間であっても、私どもが最も最善と考えておりますのはTPPであることは間違いございませんので、その立場を踏まえた議論をこれからも進めてまいりたいと考えております。

○塩川委員 二国間の話も出ました。二〇一七年二月十日の日米首脳会談共同声明は、米国がTPPを離脱した点に留意し、両首脳は、これらの共有された目的を達成するための最善の方法を探求することを誓約した、これには、日米間で二国間の枠組みに関して議論を行うこと等を含むとあるわけです。
 この二国間の枠組みというのには、麻生副総理とペンス副大統領の経済対話、またライトハイザーUSTR代表と茂木大臣による貿易通商問題の新協議機関、この設置は当然入るものと考えますが、それでよろしいでしょうか。

○岡本大臣政務官 この二国間の枠組みにつきましては、今委員御指摘をいただきましたように、先般の日米首脳会談で茂木大臣並びにライトハイザー通商代表との間で合意をいたしました自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、いわゆるFFRを開始するということも含まれているというふうに思いますし、加えまして、これまで議論となっておりました麻生副総理とペンス副大統領の間で行われてきております日米経済対話、もう既に昨年の四月、十月、二回行われておりますけれども、このことも含まれておるというふうに考えております。

○塩川委員 二国間の枠組みとしているものに、日米経済対話そして今回のFFRも入るということです。
 安倍総理は、二〇一六年にトランプ氏が大統領に当選するという機会で、国会ではTPPの審議を行っていたところでしたけれども、米国抜きのTPPは意味がないとしながら、二〇一七年に日米二国間枠組みを約束し、ペンス副大統領・麻生副総理の経済対話を創設し、二〇一八年でも、ライトハイザー・茂木新協議機関、FFRの創設を行ったということです。
 ことし四月の日米首脳会談でトランプ大統領が、私は二国間交渉を好むと発言をしております。トランプ氏のこのような発言の裏には、安倍総理が大統領覚書を踏まえて、いわば日本側からみずから進んで日米間協議の創設を約束してきた、そういう積み上げがあったからじゃありませんか。

○岡本大臣政務官 今御指摘のある、いわゆる麻生副総理とペンス副大統領の日米経済対話におきましても、また、先般合意されました茂木大臣とライトハイザー通商代表とのFFRに関しましても、二国間の協議ではありますけれども、決して先方が一方的に何かを押しつけるようなことではありません。
 麻生・ペンス会談におきましては、三つの大きな目的を共有して、その三つの目的というのは、貿易及び投資のルールと課題に関する共通戦略、二つ目には経済及び構造政策分野での協力、そして三つ目には分野別協力の三つの柱に議論をするということで合意をしております。
 また、先般の茂木大臣とライトハイザー氏のFFRにつきましても、これは決して、事前協議をやるですとかというような類いのものではありません、FTAの交渉と位置づけられるものでもありません。あくまでも、この場でお互い相互利益にかなうものを議論していこうということで、私どもは、その中でもTPPが最も双方の利益にかなうと考えておりますので、そのことを強調してまいりたいと考えております。

○塩川委員 私がお尋ねしたのは、結局、こういった二国間協議というのは、日本側の提案で行われているというのが経緯じゃないですか。

○茂木国務大臣 四月の日米首脳会談、私も同席をさせていただきまして、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、FFRと呼ばれているものを立ち上げることにしたわけでありますが、これは、R、レシプロカル、まさに相互が利益になるような協議をしようということで合意をしたものでありまして、どちらかから持ちかけて、どちらかが渋々受けた、こういう形ではないというものであります。
 そして、二国間でしますのは協議です、基本的に。二国間の協定をするということではない、このように今考えておりまして、先ほど来申し上げておりますように、我々は、日米両国にとってもTPPが最善であると考えておりますし、ほかのTPP参加国についても同じ思いを持っていると考えているわけであります。
 そういった中で、例えばTPP12のときも、TPP12、このマルチの交渉を進めながら、日米間は並行交渉、こういうのも行ったわけでありまして、グッドディール、いい取引をしたいという米側の思いはあって当然でありまして、そこの中でどういった交渉をしていくかということに今後なっていくと考えております。

○塩川委員 TPPの議論のときでも、マルチと同時にやはりバイでどんなことが行われていたかということに重大な関心を国民は持っていたわけであります。麻生・ペンス経済対話などは総理がみずから提案したということをおっしゃっておられたわけですし、そういった経緯というのを踏まえての動きということが言えるわけです。
 安倍総理はもちろん、米国がTPPに戻ってきてほしいと期待感を寄せている。ただ、トランプ大統領は、かなりよい条件を得る必要があるとか、多国間交渉よりも二国間交渉の方が好きだと主張して、TPPに入らないとか、ハードルを高くしているわけです。
 結局、このトランプ大統領の一対一の取引、ディールの不変の姿勢に総理の方が迎合してつなぎとめているというのが事の経緯じゃないのかということを指摘せざるを得ません。
 ことし四月の十二日に、トランプ大統領がライトハイザーUSTR代表とクドロー国家経済会議委員長に対し、米国が有利な条件でTPP復帰を検討するとのことでしたが、トランプ大統領は、TPPへ復帰しても、あるいはしなくても、日米間の協議、一対一の取引は今後も行われることになるということが言えるだろうと思っています。
 茂木大臣にお尋ねしますが、先ほどちょっとダブるように答弁がありましたけれども、ライトハイザーUSTR代表と茂木大臣による新協議の設置、FFRについて、日米経済対話との関連、またその違いというのはどういうものなのかについて御説明いただけますか。

○茂木国務大臣 FFR、これは、私とボブ・ライトハイザー通商代表の間で行われる、恐らくラリー・クドローも絡んでくるとは思うわけでありますが、日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大させ、公正なルールに基づく自由で開かれたインド・太平洋地域における経済発展を実現する、こういう目的で行われるわけでありまして、ある意味、日米経済対話、これはかなり幅広い分野を扱っておりまして、完全にそれの一部というわけではありませんが、そこの中の特定の分野にフォーカスをして協議を進める、そして、その協議の経過、結果等につきましては、適時これを、麻生副総理、ペンス副大統領のもとで行われている日米経済対話に報告する、こういう全体の枠組みになっております。

○塩川委員 先ほど岡本さんの方のお答えにもありましたように、日米経済対話は三つの柱で、貿易・投資や経済構造、また分野別の協議、そういうのに対して、FFRについては、日米間の貿易投資を更に拡大させていくという目的で、今大臣がおっしゃったように、幅広い分野の一部ということではないけれども、特定分野にフォーカスをしているという話でした。
 その結果は日米経済対話に報告をするということですけれども、そうなると、ここで、特定分野にフォーカスするとはいうんですけれども、議題、課題として、そうはいっても、関税措置や非関税措置、全分野を視野に入れて相手側の、双方と言ってもいいんでしょうか、その関心事項、つまり、関税措置、非関税措置の全分野を視野に入れた交渉のテーブルということにはなっていくんじゃないですか。

○茂木国務大臣 まさに、FFR、これから協議が始まるわけですから、そのTORにつきましては、今後、両国側で調整をしていくということになるんですが。
 若干、先ほどの私の答弁の中で具体的な分野にフォーカスをすると申し上げましたが、先ほど申し上げたように、日米間の貿易・投資、さらに、公正なルールに基づく自由で開かれたインド・太平洋地域をつくっていくためにどうしたらいいか、こういう脈絡で申し上げましたので、フォーカスの仕方が単純に日米間に限定されたもの、こういうことではないということは御理解ください。

○塩川委員 インド、太平洋という視野はあるよという話ということだと思いますが。
 そこで、取り上げるテーマの話をお聞きしたわけで、お答えになっていないんですが、例えば日米二国間で行うようなそういった協議の課題として、この間も議論になっているような自動車とか、医薬品や医療機器とか、牛肉とか食品添加物とか、金融・証券、知的財産、国民皆保険、こういうものも議論の対象になるというふうに考えてよろしいんですか。

○茂木国務大臣 具体的な議論の対象はどういう分野になってくるか。まさにこれは、今後、日本もそうでありますし、アメリカ側も、それぞれ関心を持っている項目は何なのか、こういったことを出し合う中で決まっていく、そのように考えておりまして、できるだけ具体的なテーマについて協議をしたい、こんなふうに思っておりますが、まさに今、それが進んでいるプロセス、始まったところだ、このように考えております。

○塩川委員 双方の関心を持っている項目を出し合う、アメリカ側が関心を持っている項目も出してもらうという話で、そういう点では、TPPの日米の懸案交渉で論点になっている項目も紹介したわけですが、一昨年のTPPの国会審議でも、市民団体が懸念をしているそういう課題というのも、当然のことながら、アメリカ側の関心ということであれば上がってくるという話になるわけです。
 ライトハイザー通商代表は、ことし一月のワシントンの米商工会議所の講演で、日本との経済関係について、いつかはFTAを結びたいと思うと語っていました。こうした流れを見ても、二国間協議というのは、アメリカが狙うFTAに一段と踏み込むということにならざるを得ないんじゃないかと思うんですが、この点についてはいかがですか。

○茂木国務大臣 その講演の内容を今つまびらかに私も記憶しておりませんが、時点はいずれにしてもことしの一月、まさにFFRが立ち上がる前でありますし、いつかはという問題でありますから、そういった願望をその時点においてはお持ちになったのかもしれません。

○塩川委員 これは、ですから、引き続きの関心であることには変わりがないと思います。
 答弁にもありましたように、米国側の関心を持っている項目を出し合う、そういう場としてFFRでの議論があるといったときに、米国側の要求の具体を見てみたいと思うんですが、トランプ大統領とライトハイザーUSTR代表のもとで、二〇一八年USTR外国貿易障壁報告書がことしの三月末に公表されました。一部ではありますけれども、米国の要求がリアルにわかる資料であります。
 外務省にお尋ねしますが、まず、このUSTR外国貿易障壁報告書に対して、これまで日本政府はどのように回答、対応してきたのか。このことについて説明してもらえますか。

○岡本大臣政務官 今御指摘のありました米国の報告書は、米国の一九七四年通商法に基づきまして、毎年行政府から議会に提出されているものでありまして、米国から見て、貿易相手国に対する関心事項についての報告書でございます。
 私ども、相手方の報告書でございますので、その内容につきまして、私どもが一々何か戦略を持って行動を起こすということはいたしておりません。

○塩川委員 一々行動を起こすことはないというお話でしたけれども、文書で米側に、そういった中身、回答について渡したということもありますよね。

○岡本大臣政務官 二〇一六年に、文書で先方に出したことはございます。

○塩川委員 ですから、そういうふうに回答を返しているということは現にやっているわけですよね。それはもう文書で出しているわけです。
 昨年四月に立ち上げた日米経済対話ですけれども、このUSTR外国貿易障壁報告書を踏まえて何らかの議論をしたんだと思うんですけれども、その中身はいかがですか。

○岡本大臣政務官 具体的な中身について、ここで全部つまびらかにすることはできませんけれども、米国が、我が国との貿易におきまして、自動車分野等について興味を有していることがございまして、そのことについての議論等はしているというふうに承知をしております。

○塩川委員 ですから、日米経済対話においても、このUSTR外国貿易障壁報告書を踏まえて議論を行っている、今、自動車分野でというお話もありました。
 昨年の十月においての議論では、それ以外にも、例えば、アイダホ産のポテトチップ用バレイショに対する輸入停止措置を解除する、こういうことも話し合われたと承知していますが、それでよろしいですか。

○岡本大臣政務官 議論はいたしました。

○塩川委員 具体的に措置したのではありませんか。

○岡本大臣政務官 アイダホ産のジャガイモの輸入の解禁はしております。

○塩川委員 ですから、ことしの三月に出したこの二〇一八年のUSTR外国貿易障壁報告書でも、二〇一七年、日本は、アイダホ州産のポテトチップ用バレイショに対する十年に及ぶ輸入停止措置を解除したと。これは、ですから、日米経済対話の議論を踏まえての措置ということがここにも書き込まれているということです。
 ですから、二国間のこういったディールという流れの中での日米経済対話において、このUSTRの外国貿易障壁報告書を踏まえた議論が行われ、また、具体的な解除措置なども行われているという流れというのが出てくるわけです。
 そこで、茂木大臣にお聞きしますが、そうすると、今後は、このFFRにおいてUSTR外国貿易障壁報告書に基づく対日要求の議論を行うということにもなりますね。

○茂木国務大臣 米側の関心事項、これは米側において今後示されるんだと思っております。
 その文書に書いてあることをそのまま要求されるのか、そこの中でフォーカスを絞っていろいろな議論をしたいというのか、また違ったテーマについて議論をしたいというのか、これは米側の立場だ、こんなふうに思っておりますが。
 何にしても、いわゆる協定の枠組みをつくるわけではない。さまざまな協議というのはあるわけでありますし、例えば、TPPをまとめるに当たっても、各国との間で、サイドレター、こういったものも交換しております。これは二国間のディールなんです、三国間でやることもありますけれども。こういったディールというものは当然さまざまな交渉の中で出てくるものだと思っておりますけれども、それ自体が通商の枠組みをつくるというのとはイコールではないということは御理解ください。

○塩川委員 ただ、協定までいかない過程においても当然ディールもあって、具体的な要望に応えるという流れというのがある。バレイショの話なんかは、そういうことで出てきているわけであります。
 そういう意味でも、今大臣お答えになったように、こういったUSTRの関心事項を書いた報告書の中身も当然議題に上っていくFFRになるということは、今お話しされたとおりだと受けとめました。
 そこで、具体的な、このUSTR外国貿易報告書に基づく要求と、それに対する日本政府の対応についてお尋ねしたいんですが、厚生労働省にお尋ねします。
 この報告書、日本関連部分の三番目に牛肉及び牛肉製品が挙げられています。米国の牛にはBSEの危険性があります。TPPの入場料として、二十カ月の月齢を三十カ月齢に緩めるということもかつて行われたわけですが、この報告書において、USTRは、全ての月齢の牛肉及び牛肉製品を受け入れ、市場を完全に開放するよう働きかけていくとしております。
 これは、日本政府、厚生労働省としてどのように受けとめているんですか。こういう要求を受け入れるんですか。

○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 今委員御指摘のように、USTRの外国貿易障壁報告書におきまして、米国は引き続き、OIEにおける米国の評価と整合させるべく、日本が全ての月齢の米国産の牛肉及び牛肉製品の輸入を認めるよう主張していると承知しているところでございます。
 厚労省といたしまして、BSE対策につきましては、国内、国外の双方でBSEが発生するリスクは低下したということで、国内の検査体制、輸入条件といった対策全般につきまして、食品安全委員会の科学的な評価結果に基づいて、必要なリスク管理措置の見直しを行ってまいりました。
 米国を含みますBSE発生国から輸入される牛肉の月齢制限撤廃につきましては、科学的に対応することが必要でございまして、昨年四月、食品安全委員会におきまして、現在、月齢条件を三十カ月齢以下としている、米国産に限らず、米国産を含む十三カ国産の牛肉につきまして、新たな知見等を踏まえた、輸入条件の月齢を更に引き上げた場合の科学的な審議を進めることとされたところでございます。
 現在、食品安全委員会におきまして、評価に必要な資料を提出した、これも米国に限りませんが、米国を含みます三カ国につきまして審議が行われてございまして、厚生労働省としては、食品安全委員会の科学的なリスク評価結果に基づいて対応していくこととしているところでございます。

○塩川委員 科学的審議というんですけれども、もともと、このTPP交渉の入場料として、二十カ月齢を三十カ月齢に緩めた。あれも、科学的な審議といっておいてやって、まともな、それが妥当な審議だったのかということがまさに根本から問われていたわけですよね。今回も、同じ理屈で同じことを繰り返すのでいいのかというのが問われるわけです。
 アメリカは、BSEの検査率は一%未満で、ほとんど検査されていません。屠畜段階でのしっかりした特定危険部位の除去もしっかりと行われていないということもされています。二十四カ月齢のBSE感染牛も出ているという話もあり、食の安全基準を犠牲にしていいのかということがやはり大もとから問われている。
 食の安全基準は、各国の独自性があって当然じゃないですか。そういうものを全部横並びにするということ自身に、やり方として、それがルールだというやり方は国民の安全を損なうものだということを言わざるを得ません。
 最後に、大臣にお尋ねしますけれども、米国抜きのTPP11というのは、日本が国際的に約束した市場開放や規制緩和の到達点であります。米国との二国間協議は、この到達点に立って、より大幅な譲歩を求める米国には、それが新たな出発点となるんじゃないのか。TPP11が規制緩和の到達点、それを土台にして、更に出発点として大幅な譲歩を求める、これが二国間協議にならざるを得ないのではありませんか。

○茂木国務大臣 必ずしも私はそのような認識を持っておりません。

○塩川委員 TPP11は、日本がTPPで国際公約をした関税撤廃と非関税障壁撤廃の到達点であります。TPP11をベースに米国からは譲歩を迫られて、また、TPP11の発効後は、再交渉条項で加盟国からさらなる措置を求められない、そういうことは断言できますか。

○茂木国務大臣 いずれにしても、我が国として、国益に反するような合意を行うつもりはございません。

○塩川委員 それで、過去、さまざまな貿易交渉においてアメリカの要求を丸のみしてきたという経緯というのは、忘れるわけにはいきません。
 このTPP、TPP11、そして日米二国間交渉が日本経済と国民生活に大打撃を与えることは必至であります。TPP交渉での、こういった譲歩した到達点をスタートとしてさらなる譲歩を重ねるような、こういったことはきっぱりとやめるということを求め、質問を終わります。

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