【内閣委員会】輸送機にミサイル搭載計画/戦火もたらす大軍拡撤回を

 自衛隊の輸送機にミサイルを搭載する計画が進んでいることを暴露。「憲法上保有できないとしてきた他国に脅威を与える攻撃的な兵器に他ならない」と強く批判しました。

 岸田内閣の進める防衛力整備計画において、スタンドオフミサイルの輸送機搭載システム等を開発・整備することが明記されています。その一端として、防衛装備庁は今年2月に「C-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務」の公募を行いました。C2輸送機からスタンドオフミサイルを発射する容器を空中に投下された際にどのように落下するか等のデータを収集分析することが予定されています。

 私は、米空軍が開発中の「ラピッド・ドラゴン」について提示。

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 防衛省は「そういった諸外国の取組も調査する」と答弁。

 輸送機を改造することなく攻撃機化することができるものであり、極めて重大です。

 また、入間基地の火薬庫新設について質問。

 政府は「既存の火薬庫地区における立て替えであり住民説明を行う予定はない」と答弁。

 私は、実際には現行と異なる場所に作られることを示し、「民家との距離も変更される。地元住民への説明は最低限の責務」と迫りました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年3月29日 内閣委員会 第9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 岸田政権は、安保三文書に基づき、敵基地攻撃能力の保有とともに、五年間で四十三兆円の大軍拡を計画をしております。二〇二七年度にはGDP比二%、十一兆円に達する措置を講ずることを明記をしております。福祉や教育、暮らしを圧迫するこのような大軍拡は認められないと申し上げておきます。
 このような大軍拡を推進する防衛力整備計画では、早期、遠方から攻撃できるスタンドオフ防衛能力の保有を掲げ、大量のスタンドオフミサイルを導入しようとしております。
 さらに、防衛力整備計画では、スタンドオフミサイルの発射プラットフォームの更なる多様化のための研究開発を進めるとともに、スタンドオフミサイルの運用能力向上を目的として、輸送機搭載システム等を開発整備するとあります。
 このスタンドオフミサイルに係る輸送機搭載システムというのはどのようなものなのか。防衛装備庁は、C2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務の契約希望者の募集を行っている。何を行うんでしょうか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
 スタンドオフ防衛能力の強化におきましては、それを発射しますプラットフォームを更に多様化することによりまして、相手方に一層複雑な対応を強い、我が国への侵攻をより効果的に阻止、排除することが重要でございます。
 こうした観点から、今般策定いたしました防衛力整備計画におきましては、航空自衛隊の輸送機からスタンドオフミサイルを発射することが可能となる輸送機搭載システムを開発整備することとされております。
 このため、令和五年度予算におきましては、当該システムの実現可能性等について調査研究を実施するために、輸送機搭載システムに関します調査研究経費といたしまして約三十六億円を計上させていただいているところでございます。
 お尋ねのC2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務と申しますのはその一環でございまして、専門的な知見を有する事業者からデータ収集、分析の技術的な支援を得まして、防衛省といたしまして必要な各種試験データの収集、分析を実施するものでございます。
 具体的に申し上げます。航空自衛隊の主力輸送機でございますC2輸送機から、スタンドオフミサイルを発射する容器のようなものを空中に投下いたします。そうした環境を風洞の中で模型を用いまして模擬いたしまして、その容器が投下された際にどのように落下するか等に係るデータを収集、分析することを予定しているものでございます。
 以上でございます。
○塩川委員 輸送機について、スタンドオフミサイルを搭載、発射するシステムの実現可能性の調査研究を行っていくということです。
 輸送機ということでいえば、航空自衛隊の入間基地、美保基地、また小牧基地にありますが、輸送機のC2とC130が配備されております。
 先ほどC2の例示がありましたけれども、C2とともにC130についてもスタンドオフミサイル発射システムの調査研究を行っていくんでしょうか。
○茂木政府参考人 お答えいたします。
 先ほどお尋ねがございましたC2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務におきましては、まさにその題名にございますように、C2を対象にいたしまして、模型を用いて各種試験データの収集、分析を実施することといたしております。
 したがいまして、C130輸送機、先ほど御指摘ございましたけれども、この輸送機を対象にいたしましたデータの収集、分析というものは、今のところ予定しているところではございません。
 その上で、付言させていただきますけれども、防衛力整備計画において開発整備することとされております輸送機搭載システムにつきまして調査研究を実施する、今そういう段階でございますので、今後これをどういう機体に搭載するかということにつきましても調査研究の中で具体的に検討されていくものでございます。
 したがいまして、現時点でC130輸送機への搭載の可能性自体を排除するものではないということは付言させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○塩川委員 C2は対象で、C130も排除されるものではないということであります。
 資料を配付させていただきました。アメリカでは、米空軍とロッキード・マーチン社が、輸送機からスタンドオフミサイルを投下、発射できるシステムであるラピッドドラゴンの開発を進めております。先ほど説明があったように、パレットに載せて、これを投下をして、そこからスタンドオフミサイルがエンジンを吹かせて飛んでいくということになるわけであります。C130やC17輸送機での実用化を図っております。
 調査研究に当たっては、このような米軍のラピッドドラゴンなども参考にするということでしょうか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
 米国のロッキード・マーチン社が米軍の輸送機C130等から長射程のミサイルを発射するためのシステムとされますラピッドドラゴンなるシステムの開発を進めているということは、私どもも承知をしておるところでございます。
 令和五年度から実施いたします輸送機搭載システムに関する調査研究におきましては、模型を用いて各種試験データの収集、分析を実施するほかに、ラピッドドラゴンといった諸外国の取組につきましても調査をいたしまして、今後の検討の資を得るべく努力してまいる予定でございます。
○塩川委員 米軍のラピッドドラゴンについても調査研究を行っていくということであります。
 物資や人員を運ぶことを目的とした輸送機が、改造することなく攻撃機化するということです。攻撃機能を持たない輸送機を攻撃機化するという点で、極めて重大であります。
 米軍の場合では、C130なら十二発、C17は三十六発ものJASSM、スタンドオフミサイルの搭載、運用可能だということも報道ではありましたけれども、このラピッドドラゴンで使用するスタンドオフミサイルは、どういうミサイルを想定しているんでしょうか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
 米国のラピッドドラゴンシステムにつきまして、私どもは開発の担当部局でもございませんので、このシステムがどういうミサイルを対象にしているのかということについて確定的にお答えすることは困難ではございますけれども、公刊情報で聞いている限りにおきましては、JASSMと言われるミサイルを搭載して運用することを目指して開発中だと聞いております。
 他方、私ども防衛省の方で今後調査研究していく輸送機搭載システムでございますけれども、まさに、令和五年度から二年かけまして、実現可能性も含めて調査研究をする段階でございまして、この成果を得られた後、開発への移行の適否などを判断していく、こういう段階でございますので、現段階でどういうミサイルを搭載するのかということにつきまして申し上げる段階にはないということを御理解いただきたいと思います。
○塩川委員 スタンドオフミサイルを搭載、発射をするシステムということですから、この間、一連の爆買いの中に、スタンドオフミサイル、たくさんメニューがそろっているわけです。
 米軍の場合については、JASSM―ERと言われる、射程が千キロと言われる長距離のミサイルを運用するということでの研究開発が行われているわけですけれども、当然、スタンドオフミサイルにはトマホークなども含まれるわけです。
 日本における研究開発においては、JASSMとかトマホークとか、選択肢としてはどれを選ぶか、特定のものを排除しているわけではないということでしょうか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御説明いたしましたとおり、輸送機搭載システムから発射する具体的なスタンドオフミサイルにつきましては、今後の調査研究の中で具体的に検討されるものでございますので、現時点でお答えすることは困難でございますが、トマホークに関して申し上げれば、このミサイルはイージス艦に搭載することを計画しているものでございますので、このC2等、輸送機搭載システムに搭載することは今のところ念頭にあるわけではございません。
○塩川委員 この五年間、防衛力整備計画上の話ですので、その先というのはまたその先の検討でしょうから、そこでトマホークが排除されているわけではないということがあると思います。
 JASSMなどの長距離ミサイルを輸送機に搭載、発射するとなれば、広範囲が射程に入ります。政府が憲法上保有できないとしてきた、他国に脅威を与える攻撃的な兵器にほかなりません。過去、トマホークは、イラクやアフガニスタンなどでの対テロ先制攻撃戦争で米国が繰り返し使用してきた兵器であります。スタンドオフ防衛能力は、先制攻撃につながる敵基地攻撃能力の保有そのものだという点で、撤回を強く求めるものです。
 もう一つ指摘をしたいのが、火薬庫の新設の話であります。
 防衛省は、大量に導入するスタンドオフミサイル等の保管を想定した弾薬庫を、今後十年間で百三十棟建設する計画であります。防衛省は、火薬庫新設について、これまで地元説明を行ってまいりましたが、来年度の防衛省予算には入間基地の火薬庫新設も盛り込まれております。この入間基地の地元である狭山市や入間市、地元住民に説明はするんでしょうか。
○杉山政府参考人 お答えいたします。
 令和五年度予算においては、入間基地内において、既存の火薬庫の建て替えに係る経費を計上しておりまして、昨年十二月、関係する自治体、埼玉県入間市、狭山市でございますが、関係する自治体に対しまして、入間基地における令和五年度予算案の主要事業の内容として説明させていただいたところでございます。
 また、今回の火薬庫の整備につきましては、新たな用地取得を伴うものではなく、既存の火薬庫地区における建て替えであることから、現時点においては住民説明を行う予定はありませんが、引き続き、関係する自治体を通じ、様々な形で情報提供をさせていただく考えでございます。
○塩川委員 火薬類取締法では、火薬庫設置に当たっては、民家から離して設置するための保安距離が定められております。
 入間基地の火薬庫新設について、建て替えと言い換えているわけですけれども、建て替える場所というのは、現行の場所とは異なる場所に建て替えるわけですよね。それはそれでよろしいですか。
○杉山政府参考人 現在のもの、既存のものがありまして、代替として別な火薬庫地区に建てまして、既存のものを解体といいますか、撤去するということになります。
○塩川委員 ですから、ほかの場所に造るんですよ。そうしますと、民家からの保安距離が変わってくるわけなんです。そうなれば、こういった保安距離の要件との関係でも、地元住民の皆さんに説明するというのは行うべき最低限の責務ではないでしょうか。
 敵基地攻撃能力保有と一体に、スタンドオフ防衛能力の強化とかミサイルの大量保有のための火薬庫の新増設などが行われております。そういう点でも地元説明というのは不可欠であります。
 官房長官にお尋ねしますけれども、スタンドオフ防衛能力の開発や配備が進められ、また、そのための火薬庫の新設などが大量に見込まれております。政府は、このような敵基地攻撃能力の保有について、相手国の報復攻撃で日本に大規模な被害が生じる可能性も完全に否定できないと予算委員会でも述べております。日本に戦禍をもたらすことになるようなスタンドオフ防衛能力推進、大軍拡は撤回をすべきではありませんか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
 今般、政府としては、スタンドオフ防衛能力等の自衛隊の能力を活用して反撃能力を保有することとしました。
 反撃能力保有の目的は、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力であり、これにより、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えています。
 このように、反撃能力は国民の命や暮らしを守り抜くためのものであり、御指摘のように、日本に戦禍をもたらすものではないと考えております。
○塩川委員 他国に脅威を与えるような攻撃的な兵器にほかならない、専守防衛の原則を投げ捨てるような軍拡はやめるべきだと申し上げて、質問を終わります。

【議運委員会】政治資金適正化委員会は必要ない/指名に反対

 衆議院本会議で、政治資金適正化委員会委員の指名が行われました。

 本会議に先立つ議院運営委員会で、私は「政治資金監査」制度・適正化委員会は不必要であると指摘し、指名に反対しました。

発言の内容は以下↓のとおりです。


 政治資金適正化委員会は、「国会議員関係政治団体」の収支報告に「プロの目を通す」として導入した「政治資金監査」制度において、監査マニュアル策定、「登録政治資金監査人」の登録や研修などを行っています。

 この制度が「収支報告の適性の確保」にまったく意味をなさないものであることを、昨年秋、更迭となった寺田稔・前総務大臣みずから、明らかにしました。

 寺田氏の後援会が亡くなっている方をそのまま会計責任者としていても、この監査では「問題なし」。領収書の宛名の追記疑惑があっても、寺田氏は「法律上は問題ない」と強弁。適正化委員会のQ&Aで「望ましくない」としている、顧問税理士が関係5団体すべての監査人であることを指摘されても、寺田氏は「好ましいかどうかはケースバイケース」と発言。現職の所管大臣が、適正化委員会のQ&A等が無意味であるかのような発言をしていたのです。

 他にも、不明朗支出や白紙領収書の問題、河井元法務大臣夫妻が有罪となった巨額選挙買収事件など、制度導入後も相次いでおり、この制度が意味をなさないことを露呈しています。

 そもそも、この制度は「監査」の名に値しないものです。

 対象となるのは、届出された「国会議員関係政治団体」のみ。収支報告書と領収書などをつきあわせ、形式的な「適正」を確認するだけ。収入・繰越残高については監査の対象外。領収書に改ざんの形跡があっても、監査人に調査権限なし。違法な支出があっても、使途の妥当性を評価するものではない。これのどこが「監査」なのでしょう。

 さらに、適正化委員会の報告によって、収支報告書の形式上の適正すら確認できていない実態も明らかとなっています。

 加えて、この制度の導入により、収支報告書の公開期限を遅らせたことで、前年の報告書が11月末にならなければ、国民の監視にさらされないことも問題です。

 わが党は、「監査人のチェックを受けたという“お墨付き”を得ようとするものに他ならない」と制度導入に反対しましたが、実際の運用からも、制度が不必要であることは明白です。

 政治資金は、政治団体がその収支を公開し、国民の不断の監視と批判の下におき、国民の判断に委ねることが基本です。収支はそのまま、速やかに公開すればいいのであって、適正化委員会は必要ありません。

 以上、政治資金適正化委員会の委員の指名に反対の意見を表明します。

【内閣委員会】医療提供体制拡充に逆行/岸田首相を追及

 感染症対策の司令塔をうたう「感染症危機管理統括庁」の新設などを盛り込んだ新型インフルエンザ等対策特別措置法等改正案が、衆院内閣委員会で、自民、公明、維新、国民の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 私は質疑で、新型コロナウイルスによる死亡者数が過去最大となっている中で、医療機関への公的支援を縮小する計画の政府に対し「いくら司令塔を作っても、やっていることが間違っていれば何の意味もない」と批判しました。

 私は、コロナの死亡者数が第6波から第8波にかけて急増しているのは深刻な事態だと追及。

 岸田文雄首相は「重く受け止めている。オミクロン株によって感染拡大したことが要因だ」との考えを示しました。

 私は、医療ひっ迫が起こり、入院加療など必要な医療が受けられない事態となったことは重大だと指摘し、医療機関の受け入れ態勢の拡充こそ求められているなかで政府が行っているのは病床確保料や診療報酬の縮小で、「コロナに対応する医療機関を支える措置を後退させるもので、やっていることが逆さまだ」と批判しました。

 岸田首相は「5類感染症への変更に伴って、幅広い医療機関でコロナの患者に対応する医療体制に段階的に移行する」と答弁したのに対し、私は「段階的に医療機関への支援を後退させるということだ」と批判し「医療ひっ迫を繰り返さないよう、支援策を維持拡充せよ」と強調しました。

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「議事録」<質疑>

<第211回通常国会 2023年3月29日 内閣委員会 第9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 新型コロナウイルス感染症の感染者数の増大、それに伴って死亡者数が非常に増えております。波ごとに見ますと、第五波で死亡者の方は二千八百六十五人、第六波で九千七百九十六人、第七波で一万三千五百二十二人、第八波で二万一千四百二人と大幅に増加をしております。特に第六波から第八へと死亡者数が急激に増加をしております。
 総理、深刻な事態ではないでしょうか。
○岸田内閣総理大臣 まず、新型コロナ感染拡大に際して亡くなられた方々の御家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げます。
 その上で、深刻な事態ではないかということですが、内容について今分析をしているところでありますが、いずれにせよ、多くの死亡者が発生したということについては、政府として重く受け止めなければならないと考えています。
 これまでのところ、新型コロナの人口当たりの死亡者数、これはOECD諸国の中でも非常に低い水準に抑えられると承知しておりますが、第六波から第七波にかけて、死亡者の急増については、増加の要因について、感染力が強いオミクロン株の流行により感染が拡大し、さらに、高齢者において基礎疾患の悪化により亡くなられるケースが多くなったことから、死亡者数が増える傾向になっていると承知をしております。
 要は、感染者の数が感染力の強いオミクロン株によって増えた、そのことによって、高齢者の方、あるいは基礎疾患や合併症を持っておられる方、こういった方々の死亡が増えた、こうしたことであると分析をしておるところであります。
○塩川委員 重く受け止めているということで、なぜ死亡者数が増えたのかといった分析のところについては、オミクロンで感染力が強いことで感染者が増加をし、そういう中で高齢者、基礎疾患を抱える方などについての死亡者数が増加をしたというお話でありました。
 でも、元々、医療へのアクセスがどうだったのかというのが問われているわけであります。死亡者数が増加をしたのは、感染者数が大幅に増加をしたことで、医療の逼迫が起こって、入院加療など必要な医療が受けられない事態となったからではありませんか。
○岸田内閣総理大臣 医療へのアクセス、病床の確保等については、昨年来、何段階にも分けて医療の充実に努めてきた。一昨年の夏の医療逼迫を念頭に、病床の数あるいは発熱外来に対するアクセスなど様々な工夫を加えて体制を充実させてきた、こうしたことでありました。感染者数、大幅に増えたわけですが、そうした感染者数の増加に対しても医療体制をしっかり備えていかなければならない、こういった体制の努力はしてきたところであります。
 しかし、オミクロン株については、感染力は非常に強いものの、例えば、自治体からの報告によれば、デルタ株流行期と比べて八十歳以上の致死率が四分の一以下となっているなど重症化が低下しているといった科学的な知見も示されています。
 それだけ感染者の数が多かったからして、こうした死亡者が増えたと認識をしておるところであります。
○塩川委員 致死率が低下をしたとしても、死亡者数が急激に増加をしているところが問題なわけですよね。そういう点では、この間、体制を充実させてきたと言うけれども、それでも死亡者数は急激に増加をしたんです。
 それがそもそもどうだったのかの検証も必要ですけれども、この先の話でいえば、第九波もあります。医療機関の受入れ体制の拡充こそ必要なのに、政府が行っているのは、病床確保料の補助上限や診療報酬特例の重症者対応分を半分に減らすなど、現在のコロナ対応の医療機関を支える措置を後退をさせるものであります。やっていることが逆さまではありませんか。
○岸田内閣総理大臣 コロナ対応については、御案内のとおり、五月から感染症法上の分類変更を予定しております。五類感染症への変更に伴って、幅広い医療機関で新型コロナの患者に対応する医療体制に段階的に移行を進めるとともに、引き続き、重症化リスクのある高齢者等に重点を置いた対応を行ってまいりたいと考えています。感染拡大が生じても、必要な医療が提供されるよう取り組んでまいります。
○塩川委員 幅広い医療機関で対応する、そういう体制にシフトするということも言っているわけですけれども、全国自治体病院協議会の小熊豊会長らは、縮小された病床確保料や診療報酬特例では経営的に成り立たず、コロナ対応から撤退せざるを得ないと考える民間病院が出てくる、そうなれば公立病院のコロナ対応に負荷がかかり、公立病院も診療制限という悪循環に陥ると危惧をしております。医療機関への支援が縮小すれば、かえって担い手は減るということを言わざるを得ません。
 しかも、五月の五類移行後は感染者数や死亡者数はリアルタイムでは明らかにされなくなります。毎日の報道などによると、コロナの死亡者数は最短でも死亡から二か月後という話でありました。これでは機敏に適切な対応が取れなくなってしまうのではありませんか。
○岸田内閣総理大臣 五類感染症への変更については様々な御指摘があるということは承知しておりますが、だからこそ、有識者会議において、段階的に移行することが重要である、こういった点が強調されていると認識をしております。
 段階的に体制を移行していくことによって、感染拡大が生じても、必要な医療が提供されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○塩川委員 段階的に必要な医療支援を後退させるということですから、幾ら司令塔をつくっても、やっていることが間違っていれば何の意味もありません。
 医療逼迫を繰り返さないために、必要な支援策を維持、拡充する政策への転換を求めて、質問を終わります。

<反対討論>
 私は、日本共産党を代表して、新型インフルエンザ等対策特別措置法等改正案に反対の討論を行います。

 新設される内閣感染症危機管理統括庁は、現行の内閣官房コロナ室を、内閣官房長官の下の組織として法定化するものです。

 「庁」の名称を付けていますが、内閣府におかれた金融庁等のような外局ではなく、これまでに例のない「統括庁」であり、行政ラインはコロナ室と同じように官房長官の下にあります。統括庁に置かれる役職のトップの内閣感染症危機管理監は内閣官房副長官から指名し、内閣感染症危機管理監補は内閣官房副長官補から指名するとされており、実質的に現行のコロナ室と変わりません。

 統括庁は、岸田総理が総裁選で掲げた「健康危機管理庁」に合わせて、庁の名前ありきで、組織の名前を架け替えるものだと言わざるを得ません。

 そもそも、インフル特措法は、憲法で保障された基本的人権を制限する私権制限を行うにも関わらず、私権制限の起点となる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を出す要件があいまいで、人権侵害に対する救済措置や経済的措置に対する補償もないという根本問題があります。

 私権制限に関わっては、東京都が2021年にインフル特措法に基づいて行った飲食店への時短命令に対し、東京地裁で違法だとの判決が出されています。特措法は私権制限を伴うものであり、人権侵害に対する救済措置や経済的措置に対する補償の法定化を欠いたままの法改正は認められません。

 合わせて、インフル特措法の運用を含め、政府がコロナ対策を政権の都合で科学的知見を無視して行ってきたことは重大です。全国一斉休校、アベノマスク配布、GoToキャンペーンの延長、濃厚接触者の待期期間の短縮、いずれも専門家の意見を聞かずに行われたものです。

 コロナの感染症法上の5類移行についても、厚生労働省の専門家会議は、医療提供体制の確保が必要との意見であるにもかかわらず、政府は医療機関や高齢者施設への公的支援を縮小する方針です。

 インフル特措法では、有識者が「総理に意見を述べる」場として新型インフル等対策推進会議の設置を規定し、そのもとには分科会が政令で設置されています。にもかかわらずメンバーが会議を開きたいと言っても開いていないのが実態です。

 政府が政策決定を行う際には科学的知見を踏まえるのが当然です。政権にとって都合の悪い知見を遠ざけるやり方は、市民に政府のコロナ対策への不信と混乱をもたらし、感染対策を困難にします。

 以上、これまでの感染症対策への反省と改善もないままに、政治的なパフォーマンスを行うにすぎない本案には反対であることを申し述べ、討論を終わります。

子育て応援3つのゼロ実現を/茨城・石岡市で演説会

 石岡市の演説会で、小松とよまさ市議と訴え!

 住宅・店舗リフォーム助成制度を実現するとともに、122億円という複合文化施設のPFI計画の問題点を追及、白紙に戻させました。なくてはならない議席です。

 学校給食費ゼロ、18歳までの医療費・国保税ゼロ、学校統合に伴う通学バス料金ゼロの実現を!

【内閣委員会】深刻な高齢者施設での留め置き/公的支援の拡充で医療提供体制確保を

 新型コロナの5類移行に伴って医療機関への公的支援を縮小しようとする政府に対し、医療提供体制が不十分である実態を示し、方針を撤回するよう主張しました。 

 私は、コロナの6波以降、高齢者の死亡者数が大幅に増加していると指摘し、高齢者施設が大半を占める社会福祉施設の療養者数について確認。

 厚生労働省は各波のピーク時の人数について「第5波197人、第6波6,110人、第7波15,725人、第8波16,509人」と答えました。

 私は、東京都高齢者福祉施設協議会の調査で、入院が必要として入院調整した陽性者のうち、入院できたのは34%、入院できなかったのが66%にのぼっていると指摘し、「陽性者の施設内療養(留め置き)が感染拡大と死亡者数の増加につながっている」と迫りました。

 厚労省は「高齢者の陽性者や死亡者数が増加しているのは事実だ」と答えたのに対し、私は「入院が必要な人が入院できない実態は重大だ」と強調。

 5類移行に伴う医療機関と高齢者施設に対する財政措置について「現行の措置を減らしたうえで若干の加算をするだけだ。これまでより拡充されるものではない」と批判し、「公的支援を拡充してこそ医療提供体制を確保できる」と主張しました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年3月22日 内閣委員会 第8号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 前回の質疑で、過去の感染の波、第六、第七、第八波と、死亡者数が大幅に増えていることを指摘をいたしました。コロナ感染による死亡者に占める七十歳以上の高齢者の割合が非常に高いということで、第六波以降は九割以上となっているということであります。オミクロン流行の第六波以降、高齢者の死亡者数が極めて増加をしているということは重大であります。そこで、高齢者施設の感染状況がどうなっているのかについて確認をしたいと思います。
 厚労省にお尋ねしますが、高齢者施設におけるクラスターの発生件数は波ごとで見た場合にはどういう状況になっているのかを教えてください。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省では、地方自治体のプレスリリース等を基に、同一の場で二名以上の感染者が出たと報道等がされている事案の件数を集計いたしております。
 お尋ねにつきましては、政府として、第何波という定義又はその期間を定義はしておりませんけれども、基本的に、一日当たりの陽性者数が最大になった月の前後一か月を含む三か月を一つの波と仮定した場合における、それぞれの波における高齢者施設におけるいわゆるクラスターの件数につきましては、二〇二一年三月からのいわゆる第四波は五百四十八件、いわゆる第五波は二百七十六件、いわゆる第六波、二〇二二年の一月からでございますけれども、三千二百四十四件、いわゆる第七波、二〇二二年七月からの第七波は六千六百六十二件、それから、二〇二二年十月からの第八波は八千九百二十三件と集計してございます。
○塩川委員 クラスターの発生件数、第六波で三千件以上、第七波で六千六百、第八波では約九千件ということで、非常に増加をしているわけであります。
 そういったクラスターの発生によって施設内での感染者が非常に増えているという懸念があるわけですが、高齢者施設内の感染者が病院逼迫に伴い入院できずに施設内療養となる留め置き、これに伴う高齢者施設での療養者数というのは波ごとにはどのぐらいになっているのかについてお答えください。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 高齢者施設における療養者数のお尋ねでありますが、入院治療が必要な方はもちろん入院をしていただくわけでありますが、高齢者施設等で療養していただく場合もあることから、高齢者施設についての充実、補助も行ってきたわけであります。
 先生お尋ねの数字につきましては、厚生労働省では、週に一度、調査日時点の入院者数と療養者数について各都道府県から報告をいただいております。その調査の中では、高齢者施設ということで取っている数字ではないんですけれども、社会福祉施設等というところで、その他の障害施設等も含まれた療養者数として把握をしております。
 こういった社会福祉施設における療養者数については、先ほど参考人から申し上げたとおり、一日当たりの陽性者数が最大になった月の前後一か月を含む三か月を一つの波というふうに仮定をした場合の数字で申し上げますと、第二波のときには三十三名、第三波で六百三名、第四波で三百六十九名、第五波、百九十七、第六波で六千百十名、第七波で一万五千七百二十五名、第八波のときのピークが一万六千五百九名という状態でございます。
○塩川委員 高齢者施設を含む社会福祉施設、大半が高齢者施設ではあるわけですけれども、このように大変療養者数が増えております。これは単に、軽度だから療養者として施設にとどまっているということではなくて、病院の逼迫状況の影響も反映をしているということも見なければなりません。社会福祉施設の大半を占める高齢者施設で留め置きが大きく増加をしているということに強い懸念を覚えるわけです。
 ちなみに、このような高齢者施設、社会福祉施設でのコロナ感染の死亡者数というのが波ごとにどうなっているのかというのは、これは厚労省としては把握をしているんでしょうか。
    〔神田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 コロナ感染症の死亡者の施設ごとの数字については把握してございません。
○塩川委員 是非把握をしていただきたいと思っています。
 例えば、京都府では、第六波から第八波のコロナ死者のうち高齢者施設内で亡くなっていた人が一六・五%に上っていたということがあります。ですから、本当に、重篤なのに入院加療ができずに施設内で亡くなられる方というのがかなりの割合いらっしゃるということでした。
 東京都高齢者福祉施設協議会の調査では、入院が必要として入院調整した感染者のうち、入院できたのは三四%、入院できなかったのは六六%に上ったとのことであります。施設内療養により施設内での感染者数が増加する傾向にあると指摘をしております。死亡者数で見ると、入院先で死亡した人が二十五人で、施設内での死亡が三十六人と、施設内が多くなっているということであります。
 このように、感染者の施設内療養、留め置きというのが感染拡大、そして死亡者数の増加につながっているのではないのかと思うんですが、厚労省はいかがですか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 最近の感染拡大や死亡者数増の要因というお尋ねでございますけれども、専門家による分析によりますと、いわゆる第八波の感染拡大につきましては、やはり感染者のうち八十代以上の高齢者の占める割合がそもそも高いことや、新型コロナやウイルス感染をきっかけとする併発疾患や合併症の増悪により死亡する高齢者が増加しているということ、それから、冬場は併発疾患や合併症が悪化する時期であるといったことなどが死亡者数の増加につながっていると分析をいただいているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、最近の高齢者の感染者数や死亡者数が増加しているということは、先ほど申し上げましたとおりでございますので、あるいは、クラスターが多く発生しているというのも事実でございますので、このために、引き続き、高齢者を始めとするハイリスク者に重点を置いた対策というものが必要でありまして、これに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○塩川委員 入院が必要な人にちゃんと入院できるような体制こそ求められているのに、それが伴っていないということが施設内での死亡者の増加につながっているという点が極めて重大で、この感染拡大期において、重症化リスクのある高齢者に入院加療ができる体制が伴っていなかったんじゃないのかというのが問われていると思うんですが、そこはどうですか。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の、高齢者においての療養でありますけれども、入院が必要な方に関しては、高齢者に限らず入院がされるということが当然であろうかと、適切な入院体制を確保するということは重要であると思っております。
 その一方で、高齢者の方に限らずではありますけれども、療養の場所として、自宅であったりですとか、宿泊施設であったり高齢者施設であったりといったところで療養していただく場合も今般あったということであります。
 今後、五類に見直しをされた後におきましても、先生御指摘のとおり、感染される方が増えるということによる影響は極めて大きいわけでありますので、高齢者施設におきましては、まず陽性者が発生した場合の周囲の者への検査ですとか集中的な検査、これは五類以降も続けることとしておりまして、そういった感染対策のほか、往診やオンラインによる診療や相談、こういった協力医療機関の事前の確保、また、高齢者施設へ職員を派遣する派遣元医療機関への補助、加えて、必要な体制を確保した上で施設内療養を行う高齢者施設への補助、こういったことを手厚くサポートする中で、様々な場を活用して療養を提供するといった体制を確保したいと考えております。
○塩川委員 大臣に質問する時間がなくて残念ですけれども、今話があったんですけれども、五類見直し以降について、財政支援は、医療機関に対しても高齢者施設に対しても、現行の財政措置を減らした上で若干の加算をするだけで、これまでより拡充されるものではありません。これまでの公的支援を後退させず、拡充してこそ、医療提供体制を確保できる、公的支援の縮小、削減方針は撤回をすべきだということを申し上げて、質問を終わります。

学校給食費の無償化実現を/栃木・足利市で演説会

 市議選間近の足利市で演説会。おぜき栄子・鳥井やすこ市議と訴え!

 前回2議席となって、大奮闘の党市議団。台風19号豪雨災害では、被災者支援に奔走し、271件の住宅応急修理につなげました。

 全国の党議員の奮闘で、自民党幹部も言い出さざるを得なかった学校給食費の無償化をぜひとも実現しよう!

大軍拡やめて教育予算の拡充を/茨城・古河市で街頭演説

 古河市議選まで1ヶ月。あきば繁市議と訴え!

 18歳までの医療費無料化やひとり親家庭の給食費無償化など暮らしを守る豊かな実績。ゴミ焼却場建設に伴うゴミ有料化や南摩ダムに係る水道料金値上げの動きに、きっぱり反対貫く議席が必要。

 大軍拡やめて、学費無償化、入学金廃止、給付型奨学金の拡充を!

行政チェック機能の日本共産党議席必ず/栃木・野木町で街頭演説

 来月、町議選の栃木県野木町で、党議席空白克服をめざす佐藤きよしさんと訴え!

 予算にみな賛成のオール与党議会には、行政のチェック機能を果たす日本共産党の議席が必要です。

 佐藤きよしさんは、学校給食費の無償化、国保税子どもの均等割ゼロ、介護保険料の引下げ、補聴器購入補助創設に全力!

市長選・市議選必ず/水戸市で演説会

 水戸市演説会。市長には大内くみ子さん、市議会には田中まさき・土田きよみ・なかにわ由美子さんの3議席必ず!

 大型開発推進の一方で、国保税・水道料金値上げなど市民に負担の押し付けの市政の転換を!

 東海第二原発の再稼働反対、原発ゼロの実現を!

 日本に戦火を呼び込む戦争準備の大軍拡やめよ!

 


市長・市議選必勝訴え/水戸で塩川氏

「しんぶん赤旗」3月21日・首都圏版より

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は19日、水戸市で4月23日投票の同市議選での現有3巌席絶対確保と、「明るい水戸市をつくる会」が擁立する大内くみ子市長候補(無所属)の勝利を呼びかけました。

 塩川氏は、中学校給食の無償化など教育・暮らしを守る立場で頑張つてきたのが党市議団だとし、「3人の市議団で、オール与党の議会でチェック機能を果たす役割を果たさせてほしい」と訴えました。“適地かない”などと再生可能エネルギーの導入に後ろ向きの政府を批判した塩川氏は、「火山や地震が集中する日本で原発こそ適地はない。市議選・市長選勝利で東海第2再稼働ストップの審判を下そう」と強調しました。

 田中まさき市議団長は「開発優先、大企業奉仕ばかりの高橋市政を変える」と表明。土田きよみ市議は「放課後学級は民間丸投げ。市民の願いを真っ直ぐ届けたい」、なかにわ由美子市議候補は「福祉・暮らしに税金を使う市政に変える」と力説。大内市長候補は「子育て支援、高齢者に優しい市政をつくる。利権政治をやめさせたい」と訴えました。

【内閣委員会】コロナ5類移行後も医療提供体制確保を/インフル特措法参考人質疑

 新型インフルエンザ等対策特別措置法等改正案の参考人質疑を行いました。

 意見陳述で、一般社団法人日本医療法人協会の太田圭洋副会長は、新型コロナウイルスの感染症法上の5類への移行について「厚生労働省の専門家会議では、感染症法上の私権制限に見合った状況ではないとの判断から類型変更を了承した。感染が拡大すれば、医療がひっ迫し、『国民の生命及び健康に重大な影響を与える』事態となりえる」とコロナの危険性を警告しました。

 私は、コロナの6波以降、死亡者数が大きく増加し、第8波では過去最多となっていると述べ、「5類移行後の政府の医療提供体制の取り組みは大丈夫か」と質問。

大曲参考人
太田参考人

 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、高齢者施設等での陽性者に対する検査・医療提供体制について「日本全体を見たときに、十分な体制が整っているのかというとまだだ」と答え。

 太田氏は病床確保料や診療報酬の減額について触れ「適切に医療が提供できるか、(政府の)移行策を注視していかなければならない」「5類移行後にクラスターが発生した場合の経営的損失に対する支援が不明確だ。多くの医療機関が心配している」と述べました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年3月17日 内閣委員会 第7号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 四人の参考人の皆様には、貴重な御意見を賜り、本当にありがとうございます。何よりも、コロナ対応の最前線で御尽力をいただいてきたその取組に心から敬意を表するものであります。
 それで、私の方からは、最初、四人の参考人の皆様にお答えいただきたいということで、一問、お聞きをいたします。
 この間、新型コロナウイルス感染症につきまして、諸外国と比べて感染者数、死亡者数を抑えてきた、発生初期と比較をして、重症度が低下をしているということとともに、やはり感染者数が非常に増えている中で、死亡者数が大きく増加をしております。
 一つ一つの波を三か月単位ぐらいでくくった死亡者数を数えてみますと、第四波が五千人ぐらい、第五波が三千人ぐらい、オミクロン以降の第六波が一万、第七波が一万三千、第八波は二万を超えるという点では、非常にこの間、急速に、亡くなられた方が増えているという特徴があります。
 こういった状況について、深刻な事態だと私は受け止めているんですけれども、どのように評価をしておられるかということを一つお聞きしたいのと、それを踏まえて、この死亡者数が過去最多になったことを踏まえたときに、政府の今後の公衆衛生体制ですとか医療提供体制の取組が大丈夫なのか、この点についてのお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
○大曲参考人 ありがとうございます。
 まず、一点目のことからお答えしますと、恐らく日本は、諸外国がこれまでくぐり抜けてきた状況に至るまでに数倍時間がかかっているんだろうと思います。言い方を変えますと、これまでに国民の中で既にコロナにかかった方の比率が、諸外国と比べて明らかに低いんだと思います。それは、先日公開された抗体検査の結果でも明らかだと思います。
 ということは、まだかかっていらっしゃらない方が相当にいるということですので、今後、流行が繰り返されていく中で、ちゃんと対策をしないと、また多くの方が感染して、結果的に、リスクの高い方を中心に残念ながら亡くなる方が増えていくということは十分起こり得ることだと思います。
 当然それは防ぐべきことでありまして、それは二点目の御質問への回答につながっていくわけなんですけれども、一方で社会の活動は正常化する中で、これをどうするかというのは極めて簡単ではない問題だと思います。
 ただ、今、状況を見ていきますと、重症になられる方、亡くなられる方の多くは、やはり高齢の方を含めた、いわゆるハイリスクと言われる方々であります。そうした方々をいかに徹底的に守っていくのかということが非常に重要だと思います。そういう意味で、病院、介護施設の感染対策といったものは非常に重要だと思います。
 もう一つは、医療へのアクセスといいますか、仮にかかってしまったという場合に、そうしたリスクの高い方々にいかに早く診断と治療を届けるか、そういう体制づくりが必要だと思います。
 介護施設の話を聞いても、入所者がお熱を出されたという場合に、なかなか検査をするまで時間がかかるといった厳しい状況というのがあるのはまだ伺っていますし、じゃ、陽性になった、治療が要るとなったときに、内服のお薬なり点滴のお薬なりがすぐに届けられるのかどうかといいますと、日本全国、全体を見たところで、それが十分に体制が整っているのかといいますと、僕はまだだと思っています。
 ですので、そこをしっかりと迅速に整えていくということが必要で、結果的に、何とか亡くなる方を少なくできるというところにつながるのではないかと思っております。
 以上です。
○岡部参考人 御質問ありがとうございます。
 先ほどもちょっと申し上げましたように、どんな病気でも、数がどんどんどんどん増えてくれば、そこに一定の重症者、残念ながら亡くなられる方も出てくるので、できるだけ感染症はやはり小規模に抑えていくということがあると思います。ただ、小規模に抑えるために人々が物すごい不便を強いられるということではいけないので、そこのバランスが結局一番難しいところではありますけれども、そこを考えながら対策を取っていくということが必要だろうと思います。
 それから、死亡者数が第八波において数として増えているのは、アドバイザリーボードでも、専門家が集まっていろいろな議論をして、ペーパーを出しております。
 恐らくは、一つは、やはり今申し上げたように、母数が大きくなっている。しかも、それは、全数報告というものをやめたために、恐らくは、検査をしていない方、あるいは検査をしたけれども届けられていない方もいるだろうというふうには思います。しかし、それは、一方では、全数の登録をやることに対する負荷というところからきていることで、やむを得ないことではありますけれども、死者数が増えるというのはやはり余りありがたいことではない。
 したがって、基本的には数を減らすということですけれども、ただ、それだけではなく、死亡の状況が、一番最初、私、今臨床ではやっておりませんけれども、厳しい肺炎の状況から、慢性の病気の状態にある病気がかかって、それによって全身の状態が悪くなっていくというところで、全体の病気の経過が変わってきている。したがって、そこを全体で支援をしていく必要があると思います。
 また、一方では、現在の、我が国だけではないと思うんですけれども、死亡数の統計の取り方というところに、なるほど、いろいろな欠点があるなということが分かりました。例えば、死に至ったときの原因の定義であるとか、どのぐらいの間隔をもって、コロナが原因であったのか原因ではなかったのか、あるいは、実際にはコロナであっても届けていない場合もあるわけなので、そういう死亡統計ということに対する見直しも必要ではないかというような提言をしております。
 以上です。
○草場参考人 先ほど御指摘いただいたように、死亡者数の増加という点に関してはやはり懸念すべき状況だというふうに理解をしています。実際、本当に、こういった状況の中で高齢者の健康をどう守るか。そのためには、先ほど申し上げましたけれども、やはりめり張り。リスクが高い方、高リスクの方に対するしっかりとした感染防御、一般の比較的元気な方に関しては緩くしていく、そのめり張りをどうつけていくかというバランスですね、これを常に慎重に考えなきゃいけないということに私は尽きるかなというのがまず一点であります。
 もう一個は、医療提供体制のお話がございましたけれども、健康であっても、発熱、そして上気道症状が出て、せきが出て苦しいという状況は健康な方でも当然ありますので、そういったときにスムーズに受診できる、これが、今回のパンデミックでは当初非常に難しかった。受診が断られるというケースがあったり、保健所に連絡をしても電話がつながらないという形で、結果的に自宅で亡くなった方もおられた。こういったことはもう二度と繰り返してはいけない。
 そのためには、私は持論としてずっとお話ししていますけれども、いわゆるかかりつけ医というものを、国民がしっかりアクセスできる状況をしっかり提供する。それは、今は国民自身の責任の中でかかりつけ医というのを持つということをやっていますけれども、それだけではなくて、国の制度として、きちっとかかりつけ医を持って、何かあれば気軽に電話ができる、そして、そこに必ずアクセスをして、受診がもしできない状況でも、かかりつけ医が、例えば、この病院に行けば大丈夫であるとか、ここではちゃんと検査ができますから行ってごらんなさいというふうに言っていただく。そういった医療のアドバイザーとなるかかりつけ医というものを国民が必ず持つような方向性というものを是非つくっていく、それが一番重要なことかなと思っています。
○太田参考人 ありがとうございます。
 お亡くなりになられる方が非常に増えている、まさに私、問題だと思っておりますが、今後もやはり多くの患者さんがコロナにかかっていくということでいいますと、増えていくことは致し方ないというふうには私自身は思っています。
 ただ、欧米と比べますと、欧米は、第一波、第二波、第三波でかなり大きな感染になって、その段階で亡くなられた方が今まで出ている。日本は、何のかんの言って、国民がみんなで協力して時間を稼ぐことができたというのは非常に大きなメリットだろうと思います。ワクチンも手に入れることができました。治療薬も手に入れることができました。なので、これを適切に使えば、高齢化率が世界一で、高齢人口が非常に多い我が国ではありますけれども、諸外国と比べてしっかりとしたいい成績は私は残せるだろうと思います。
 そのために、今、政府の五月八日以降の移行策というのが提示されているわけで、方向性としては正しいと思います。高齢者施設にいかに早期に診断をして治療する体制を構築するか等々あるわけですが、万全かといいますと、これから我々医療現場が試される。病床確保の数も、かなり病床確保料が減額されることによって、大きく減ったりする地域も出てくるかもしれません。診療報酬の方の移行もあります。入院調整の問題もあります。これがちゃんと、求められる方々、高齢者、基礎疾患のある方々に適切に医療が提供できるというところまでこの移行策がスムーズに持っていけるかどうかというのは我々の努力にもかかっているところがありますし、注視していかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○塩川委員 ありがとうございます。
 もう一問、やはり四人の皆様にお伺いしたいんですが、尾身茂コロナ対策分科会会長は、幾つかの場面で専門家の意見を聞かずに政府が決め、発表してしまうことがあった、安倍元総理のときのマスク配付や、菅前総理のときのGoToキャンペーン、岸田総理の濃厚接触者の待機期間短縮などがそうだ、あるときは十分に聞いてくれるけれども、あるときは全く聞いてくれないということが何度かあったのは事実ですと述べておられます。
 専門家の科学的知見が生かされなかったと感じたような場面がおありだったか、このような、尾身会長と同じようなことを感じたことがあったかどうか、その点についてそれぞれ御意見をいただけないでしょうか。
○大西委員長 申し上げます。
 塩川君の持ち時間が少なくなってきておりますので、参考人の御答弁は簡潔にお願いいたします。
○大曲参考人 ありがとうございます。
 実際の場でどうだったかということは、僕は実は見聞きできる立場にありませんので分からないわけですけれども、私自身は、国、あとは東京都という形で、専門家ということで発言する機会を与えていただいて、専門的な知見を打ち込んで、打ち込んでといいますか、お伝えしてきたつもりであります。
 最終的な判断としてそれを生かした判断がされるかどうかというのは、また別の場での御判断だと私は認識をしております。
○岡部参考人 御質問ありがとうございます。
 二〇〇九年のパンデミックのお話をしたんですけれども、そのときに比べれば随分、専門家と政府関係とのコミュニケーションが取れるようになってきていると思います。ただし、まだ十分ではないと思います。
○草場参考人 私は、国の組織に所属してやったことはないので、具体的な細かいことは分かりません。
 ただ、やはりもう少し、決定に関するプロセス、こういう形で考えて、でもこれを危険だと思うのであえてこうしたみたいな、そのワン、ツー、スリーのステップというものを示した形で結論が出てほしい。それが分からないので、突然ぱっと結果だけ出る、それに対して、今までの変化、なぜこう変化したかは分からない、その点は現場からもちょっと不安を感じる部分が非常にありましたので、そういったプロセスの明示、開示というものはやはりやっていただきたいなと思っておりました。
 以上です。
○太田参考人 私は、専門家の役割というのはあくまでも助言だと思っております。その助言を基に、最終的に責任のある者が方針を決定するという形です。
 なので、決して専門家の助言どおりにならないということが私は問題だとは思いませんが、あくまでも、その決断をした理由等々をやはり説明をしていただくということが重要なのではないかというふうに思っております。
○塩川委員 それぞれ簡潔にいただきまして、ありがとうございます。
 若干時間がありますので、もう一問。
 さきの問いに戻るんですけれども、やはり死亡者数の多い中で、今後の対応について、必要な医療提供体制などが求められているという点について、太田参考人の今日の意見陳述のペーパーでも記述がありましたけれども、クラスター発生時の医療機関への救済策がないと、感染者を受け入れる入院医療機関が増えない可能性が危惧される、適切な対応が必要だとしておられます。どのような対応が必要だとお考えなのかについてお示しいただけないでしょうか。
○太田参考人 ありがとうございます。
 先ほどから申し上げているように、これから高齢の方々を守っていくというのがコロナ対策の主眼になってくるだろうというふうに思います。
 そういう意味では、どうしても、感染力の強いウイルスですので、高齢者が集団でいる病院ですとか高齢者施設での院内感染、施設内感染、クラスター発生というのは防げないわけですが、できる限りその犠牲を小さくしていくというのが重要です。
 まずは、早期の検査です。今回の移行に際して、検査に関しては公費から外れるというのが一般の外来のルールにはなりましたが、一応、施設内、病院内でのクラスターの拡大防止のための検査に関しては公費負担を継続していただけるという形で、先日、三月十日の政府方針は出ているということで、ここに関しましては何とか御配慮いただいたというふうに思っています。
 あともう一つは、やはりクラスターが発生しますと、スタッフが疲弊するだけではなくて、その病棟等を一時的に閉じたりというような形で、かなり経済的、経営的に大きなダメージが施設、病院に発生します。今まではそれに対して重点医療機関等の制度をある一定程度流用して支援を行うということができていたわけですけれども、五月八日以降それがどうなるかというのがまだ明確に示されてございません。そこがやはり多くの医療機関等々が心配しているところでございますので、是非ともその辺に関しましては政府として御配慮いただきたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
○塩川委員 ありがとうございます。
 終わります。

【内閣委員会】コロナ死者数過去最大/医療機関への公的支援縮小・廃止やめよ

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルと同じ5類に引き下げることに伴って、政府が医療機関への支援を減らそうとしている問題について「コロナは感染力が高く、死亡者数の多さも際立っている」として、医療提供体制の抜本的強化こそ行えと主張しました。

 私は、コロナの死亡者数について確認。

 厚生労働省は「第4波5617人、第5波2865人、第6波9796人、第7波13522人、第8波21432人」と答えました。

 私は、6波以降、70歳以降の死亡者が9割を占めると指摘し、「この深刻な事態をどう受け止めるのか」と質問。

コロナによる死亡者数(青)と社会福祉施設などの療養数(緑)とクラスター数(橙)<クリックで拡大>

 後藤茂之コロナ対策担当大臣は「大変重く受け止める」と述べるに留まりました。

 私は高齢者施設内の感染者が医療ひっ迫で入院できずに施設内療養となる「留め置き」が、死亡者数の増加につながったと指摘し、「医療機関に入院できない実態がある。政府が必要な手立てを取っていないことが問題だ」と批判。

 5類への移行に伴い、政府が入院・外来の診療報酬の特例加算や、病床確保料の段階的縮小・廃止を計画していることについて「医療機関への公的支援が縮小し、医療の担い手が減るのは明らかだ」と強調し、「高齢者施設、在宅医療の検査・医療支援に重大な危惧が生じる」と主張しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第211回通常国会 2023年3月15日 内閣委員会 第6号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 新型インフル特措法、内閣法について質問をいたします。
 まず最初に、この統括庁にも係る司令塔機能の話、総合調整の権限のところを先に質問をいたします。
 現在、新型コロナ・健康危機管理担当大臣が置かれております。後藤大臣が担当でありますが。何を担当する大臣なのか、内閣法上の位置づけも含め、コロナ室との指揮命令関係などはどうなっているのか、この点について御説明ください。
○後藤国務大臣 新型コロナ・健康危機管理担当大臣として、総理から、新型コロナウイルス感染症対策等に関する施策を総合的に推進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当するように指示されているところであります。
 コロナ室は、新型コロナウイルス等の政府が一体となって対処する必要のある感染症に係る対策を担うため、内閣官房に置かれている組織でありまして、特措法や基本的対処方針等に基づいて、国、地方一体となって新型コロナに対応するため、企画立案、総合調整の事務を行っています。
 新型コロナ・健康危機管理担当大臣は、コロナ室に対する法律上の指揮監督権や職員の任命権は有していないものの、内閣官房長官が有する内閣官房の事務統括権を背景として、内閣を構成する国務大臣としての立場で、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲で、コロナ室の事務について必要な指示を行っているものでございます。
○塩川委員 官房長官による内閣官房の事務統括において、必要な範囲内でその事務を行うということであります。ですから、この担当大臣は、官房長官の指揮命令下にあるという位置づけでよろしいんでしょうかね。
○後藤国務大臣 内閣総理大臣による総合調整権を行使するということであります。官房長官は、内閣官房の事務を総括するという意味で答弁を申し上げました。担当大臣は、内閣総理大臣の調整権限を代行する、それを行使をする、そういう役割であります。
○塩川委員 ただ、内閣官房において、担当大臣としてこの職務権限、事務統括を行っていくということですと、内閣官房ですから、当然、官房長官の下にあるわけで、その辺がどういう整理なんでしょうかね。
○後藤国務大臣 内閣官房長官が内閣官房全体の事務を統括する、そういう権限を持っているわけですけれども、こうした事務統括権を背景として、内閣を構成する国務大臣としての立場で、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲内で、コロナ室の事務について必要な指示を行い、政策の遂行を行っているということです。
○塩川委員 官房長官の内閣官房の統括権を背景として、担当大臣が必要な総合調整等を行うということですね。
○後藤国務大臣 先生のおっしゃったとおりです。
○塩川委員 ですから、官房長官の内閣官房における事務統括、それを背景にしてということですから、前提は、官房長官の事務統括があって、その下でといいますか、背景という言い方をされましたけれども、その下で担当大臣が実際の事務の統括に係る総合調整を行っていくということであります。
 それで、現行で、コロナ室は副長官補の下にあります。このコロナ対策の総合調整を担う官房副長官補はどなたになるんでしょう。内政担当の方ということで、現行はそれでよろしいのか。
○後藤国務大臣 今、特にこの担当の副長官が誰だという指名は行われていないということです。
○塩川委員 副長官補について。
○後藤国務大臣 失礼しました。
 コロナ担当の副長官補も特に指名をされているわけではありません。
○塩川委員 ただ、コロナ室は、副長官補の下の分室に置かれているわけですよね。その分室について言えば、コロナ室は内政に係る分室ということであれば、内政に係る副長官補の下にあるということではないんですか。
○後藤国務大臣 もちろん、今現在は、内政、外政、三人の副長官補で分担をしていますから、事実上、内政担当の副長官補がその事務の中心となっているというのは御指摘のとおりです。
○塩川委員 ですから、事実上、事務の統括は、コロナ室について内政担当の副長官補が行っているということで、そうしますと、副長官補についても、事実上事務を統括する方というのはあってしかるべきだと思うんですが、それは政務の方なのか、事務の方なのか。そこはどうなんでしょうか。
○後藤国務大臣 内閣法の法律上からいえば、内閣官房全体について、官房長官が、先ほど申し上げたように事務を統理するということになっています。
○塩川委員 副長官の関係なんですけれども。官房長官が全体の事務の統括を行う、実際の現場のコロナ室は内政担当の副長官補の下にあって、事実上の統括を行っていると。では、副長官はどうなんですか、ラインとして。長官があり、副長官補があった場合に、ラインとして、副長官については、政務の方なのか、事務の方なのか。事実上統括するに係るのはどちらなんでしょうか。
○後藤国務大臣 ちょっと確認させていただきますが、今話をされているのは現在の話ですよね。そういう意味でいえば、現在は、それぞれ副長官補がいます。そして、内政、外政を担当しておりますので、そうした意味では、内政の事務を内政の副長官補がやっているということになりますが、例えば、今回の対策は、そういう意味でいえば、幅広く、感染症対策というのは政策の広がりはありますから、そういう意味では、副長官補も含めて、特にコロナ担当の副長官補が任命されているというふうには考えていないです。
○塩川委員 副長官補は分かるんです。副長官について、三人いらっしゃいますけれども、政務が二人いて、事務が一人いるんですが、政務の方がそのライン上でコロナ室に係る事務統括に関わっているのか、それとも事務の方なのか、そこを教えていただきたいんですが。
○後藤国務大臣 副長官についても、それぞれ担当はもちろんしているわけでありますけれども、例えば、コロナの仕事について言えば、それぞれの担当が重なりながら仕事をしているので、どの副長官だけがこの仕事に関わっているということではないということです。
○塩川委員 その辺がよく分からないところでありますが、まあそういうお話だということですけれども。
 法改正後の話ですけれども、官房長官との関係でいえば、現行について言えば、官房長官の事務統括を背景にしてですから、事実上、官房長官の下に担当大臣が置かれているわけですけれども、法改正後において、官房長官以外で感染症危機管理を担当する大臣というのを置くことがあるのかどうか。さきにも質問ありましたけれども、その点、改めてお答えいただけますか。
○後藤国務大臣 御指摘のいわゆる内閣の担当大臣は、内閣全体として取り組むべき重要政策課題について、内閣法第三条第二項に規定する国務大臣として、総理の判断により置かれるものでありまして、感染症危機管理を担当する大臣についても、そのときの総理において必要性を判断するものであります。
 仮に、内閣感染症危機管理統括庁に係る事務を担当する大臣が置かれる場合、当該担当大臣が具体的に担う事務の範囲や内容にもよりますけれども、内閣官房長官による官房長官の事務統括権の下で、感染症危機の対応に係る行政各部の統一保持に係る企画立案、総合調整を、内閣を構成する国務大臣としての立場で担当し、内閣感染症危機管理監、これは内閣官房副長官ですが、統括庁の庁務に関して、内閣官房長官を助けるに際して、総理から指示を受けた事務の遂行上必要な範囲内で、担当大臣も管理監から必要な補助を受けることになるということになります。
○塩川委員 ですから、現行で、官房長官の事務統括権の下で担当大臣が仕事を行うと。それは、法改正の後、総理の判断で担当大臣が置かれた場合についても、同様に官房長官の事務統括権の下で担当大臣が総合調整の権限などを発揮をする、その下に統括庁が置かれていく、その補助を受けるという関係です。
 その場合に、先ほどありましたけれども、内閣感染症危機管理監、内閣官房副長官の充て職になっていますけれども、それが政務か事務かというのは今の段階で決まっているものではないということですか。
○後藤国務大臣 おっしゃるとおりです。
○塩川委員 危機管理監補についても、同様に官房副長官補の充て職ですけれども、内政担当と決めているわけではないのですか。
○後藤国務大臣 これも、指名によるもので、今決まっているわけではありません。
○塩川委員 ただ、外政とかという話には当然ならないと思いますし、危機管理になるということもあり得るということですか。
○後藤国務大臣 あくまで法律上の話として、任命を総理大臣が決定をするということであります。
○塩川委員 基本、担当大臣の位置づけも現行の仕組みにのっとってということですから、そういう意味では、副長官補は内政担当ということで想定されるということでいうと、指揮命令のラインでいえば、現行の場合でも法改正の場合でも、総理があって、官房長官があって、副長官補、こういうラインというのは、現行の場合でも法改正の場合でも変わらないということじゃないですか。
○後藤国務大臣 基本的に、日本の内閣制度の前提の下で、総合調整機能をどういうふうに効果的に、そして最も効率よく動かしていくか、そういう制度の中で、知恵を出して、危機管理機能、司令塔機能を果たしていこうということでありますから、そういう意味においては、総合調整の枠組みであるという御指摘は当たっているというふうに思います。
 ただ、それを通常の副長官、副長官補という分担のラインから独立して、離して、それを一つの統括庁という形の縦のラインにしっかりと権限を分けて、そして、そこに付加的に情報を連結するような仕組み、厚生労働省の感染部や、また日本版CDCのようなものをつけ、また、それを結びつけるような結節点となる、充て職ではありますけれども、役職者をかませることで各省の調整をしっかりとできる、そういう形の司令塔機能をつくるという趣旨であります。
○塩川委員 ラインで、基本は同じですという話でしたし、この改正法でも、基本、副長官も充て職ですよ。副長官補も充て職ですから、現行、事実上というところを充て職にしているという点でいえば、ラインの線での対応そのものに基本変わりがない。その際に、総合調整機能を発揮というのは、当然、政府とすれば、現行でも総合調整機能を発揮しているという判断だと思うんです。その場合に、法改正しないと総合調整の権限、機能が発揮できないということにはならないと思うんですが。
○後藤国務大臣 きちんとした独立機能を発揮して、一般の内閣官房の仕事とは別の総合調整としてしっかりと危機管理を行っていく、そして、その権限を明確にして、内閣官房副長官、そして副長官補というのは、そういう意味においては、政治的な判断あるいは影響力、そして要の力というのは非常に強いわけで、そこに、行政をうまく運用できる人と、そして、もう一つ言えば、感染症のプロである医療や感染症に詳しい人たちをくっつけながら、集中的に総合調整の企画立案をしていくための組織を明確にするという意味で、これをつくって、しっかりと常時からスタッフをつけて、常時から感染症対策を独立してしっかりとつくり、計画を作り、そして予行演習をして対応をしていくということで、感染症に対する危機管理対応能力は高まるというふうに考えます。
○塩川委員 以前からも新型インフルの対策室というのは当然あったわけですよ、平時でも。そういう意味では、平時に置かれていたというのが分室という格好であったわけで、それとの違いも分かりませんし、ラインとしても基本は同じ線を確保するといった場合に、何が変わるのかというところについての説明としては納得がいくものではありません。そのことを申し上げて、結局、この前お聞きしましたように、総理が庁と言っちゃったから、統括庁をつけるということになるのかということが問われているんじゃないかと思います。
 その上で、コロナ担当大臣として総合調整の権限を担っております後藤大臣ですので、この後の五類見直しに関する質問についても是非真摯にお答えいただきたいと思っております。
 それで、五類移行に伴う問題点についてなんですけれども、厚生科学審議会感染症部会の一月二十七日の新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけについての文章では、諸外国と比べて感染者数、死亡者数を抑えてきた、発生初期と比較をして重症度が低下をしたので、感染法上の私権制限に見合った国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある状態とは考えられないことから、新型インフル等感染症に該当しない、五類感染症に位置づけるべきとしました。
 そこで大臣にお尋ねしますが、コロナについては、発生初期と比較をして重症度が低下をした、このことが新型インフル等感染症に該当しない、五類感染症に位置づけることにした理由なんでしょうか。
○鳥井政府参考人 お答えいたします。
 新型コロナの感染法上の位置づけの見直しに関してでございますが、これは、十一月の臨時国会において、感染症法上の位置づけについて速やかに検討することと修正でされたこと、また、感染症法上の各種措置は必要最小限の措置とされていることに加えまして、オミクロン株については、感染力は非常に強いものの重症度が低下しているといった専門家の方々の評価、こういったものを総合的に勘案をいたしまして、五月八日から五類感染症に位置づけることに決定したものでございます。
○塩川委員 総合的に勘案というふうにおっしゃいましたけれども、その要素としては、もちろん、強制的な手段を最小化をするという観点というのが重要だと思います。あわせて、感染症の影響について言えば、やはり発生初期と比較をしての重症度が低下をしたということが位置づけを変更する理由として挙げられているわけです。
 大臣にお聞きしたいんですが、この新型コロナウイルス感染症というのは感染力が高い。そのことによって、今、非常に死亡者数も際立って多くなっています。後遺症も重いという特徴もありますし、感染時期の季節性もありません。変異も大きいということになると、コロナはいわゆる五類相当の季節性インフルエンザと同じ扱いにはできないんじゃないかと思うんですが、その点は大臣はどのように受け止めておられますか。大臣。
○鳥井政府参考人 感染症法の位置づけのことでございますので、私から答弁させていただきます。
 先ほども申し上げましたとおり、新型コロナにつきましては、専門家による病原性、感染力等の評価を踏まえて総合的に判断をしたものでございます。先ほど御答弁したとおりでございます。
 ただ、しかしながら、御指摘の感染症部会の取りまとめにおいても指摘されておりますとおり、新型コロナは、一年を通じて複数回の流行があるということ、それから多くの感染者、死亡者が発生していることなど、この疾病固有の特徴や社会へのインパクトというものは有します。
 このため、位置づけの変更に伴います医療体制など様々な政策措置の対応については、医療現場の混乱等を回避するためにも、必要となる感染対策や準備は必要で、これを講じつつ、国民の安心を確保しながら段階的な移行を行うことといたしております。
○塩川委員 今紹介もありましたが、感染症部会でも、コロナは、一年を通じて複数回の流行があり、多くの感染者や死亡者が発生していることなど、他の五類感染症と異なる特徴や社会へのインパクトを有すると述べております。
 アドバイザリーボードへの斎藤先生提出資料などでも、インフルエンザによる死亡者数は年間三千人程度だが、コロナの死亡者数は、二〇二二年、既に三万六千人以上に達すると述べているように、大変死亡者数が多くなっているというのが特徴の一つであります。
 そういうのも踏まえて医療提供体制などの対策を講ずることが必要だということも、先ほど答弁で述べたところです。
 実際の死亡者数について確認をしたいんですが、コロナの感染について、波があるわけですけれども、この波ごとでどのぐらいの死亡者数があったのかについて御説明をいただけますか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の死亡者数でございますけれども、各都道府県の公表情報を収集し、取りまとめた上での、公表したベースで申し上げます。
 政府として、第何波という定義あるいはその期間を定義してはいないわけでございますけれども、基本的に、一日当たりの陽性者数が最大になった月の前後一か月を含む三か月を一つの波として仮定して集計をした、指定したところの死亡者数で申し上げますと、二〇二一年春のいわゆる第四波は五千六百十七人、二〇二一年夏のいわゆる第五波は二千八百六十五人、二〇二二年冬のいわゆる第六波は九千七百九十六人、それから昨年の二〇二二年夏の第七波は一万三千五百二十二人、それから第八波、二〇二二年の十一月から本年一月までで集計をしますと二万千四百三十二人という数字となってございます。
○塩川委員 資料を配付いたしました。左側に、新型コロナウイルスによる死亡者数ということで、各波ごとの数字、今のと若干ちょっと、取る期間が違うものですから、数字としての不整合はありますけれども、傾向としては答弁があったものと同じ値に沿ったグラフになっております。
 ですから、やはり第六波のオミクロン株以降に急速に死亡者数が増えている。これは前提が、感染力が非常に強いということがあるわけですけれども、そういった点で、五千人台の死亡者数が、大きく、第七波では八千を超えるような、また第八波では二万を超えるような死亡者数になっているというのは極めて重大であります。
 さらには、七十歳以上の死亡者数というのが全体の九割を占めるような、そういう点でも、高齢者における感染の拡大とともに死亡者数が増加をしているといった事態は深刻に受け止めることが必要だと考えております。
 大臣にお尋ねいたします。
 このように、波ごとで見ても死亡者数が大きく増加をしております。今後もどうなるのかという心配も当然起こるわけであります。このような死亡者数の増加について大臣はどのように受け止めておられますか。
○後藤国務大臣 新型コロナの死亡者数については、多くの国々と比較しても、日本における人口当たりの累積感染者数、死亡者数は他の先進国に比べて低く抑えられてきたところでありますけれども、先月二月の厚生労働省アドバイザリーボードにおいて、第八波における死亡者数の増加について、感染者のうち八十代以上の高齢者の占める割合が高いことや、新型コロナによるウイルス感染をきっかけとする併発疾患や合併症の増悪により死亡する高齢者が増加したこと、冬場は併発疾患や合併症の悪化する時期であること等の要因があると指摘されているものと承知をいたしております。
 これまで政府としては、国民の命と暮らしを最優先で守る観点から、科学的知見やエビデンスを重視して新型コロナ対策に最大限取り組んできたところでありますけれども、今後も、死亡者数の動向を注視しながら、政府一体となり、死亡者数をできる限り抑えられるように、感染症対策を推進してまいりたいというふうに思っております。
 死亡者数の増加の数字の大きいことについては、私自身も大変深く受け止めているところです。
○塩川委員 ですから、オミクロン株で昨年ずっと死亡者数が急増しているといった場合に、今は落ち着いているかもしれないけれども、次の波が来たらどうなるのか。同じように大きな感染が広がり、またそれに伴って死亡者数が増加をする、そういう危惧があるわけですけれども、その点については、大臣、どのように受け止めておられるでしょうか。
○後藤国務大臣 新型コロナウイルスも、これまで、デルタ株、またオミクロン株、オミクロン株でも変異によりまして株が変わってくる、そういう中において、特徴もいろいろ変わってまいります。そうしたことに対してやはり丁寧にしっかりと対応していく対応、これは医療提供体制にしてもあるいはワクチンの体制にしても、そうしたことをきちっと対応していけるような、そういう政府の対策が必要だというふうに思いますし、国民の皆さんと一体となって、理解をし合える形で、しっかりとしたリスクマネジメントを行っていく必要がある。そうした機能をしっかりと、今後、司令塔機能を高める中で、平時からの準備も進めることで、危機に際して対応力を高めるようにしていきたいと考えています。
○塩川委員 この間、死亡者数が増加をし、第八波では過去最多になっております。その点で、五類への見直しに当たって、このように死亡者数が過去最多になったということは考慮されなかったんでしょうか。その点について教えていただけますか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの新型コロナの感染症法上の位置づけについて見直したということの説明の中で、専門家から、病原性、感染力、変異の可能性等の評価、感染状況等の評価をいただいて、それを総合的に判断したところでございますが、その感染力、感染状況等の評価の中には、死亡者数についての評価も含めて判断されているものと理解しております。
○塩川委員 死亡者数についても評価をして判断をしているということですけれども、それを踏まえてどうするということを言っているんでしょうか。
○鳥井政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、第八波における死亡者数につきましては、感染者数が増加しておりまして、結果として基礎疾患の悪化などにより亡くなられたケースが多くなっていることは事実でございます。
 今後は、先ほど申しましたとおり、移行につきましては、段階的な措置を講じるということに併せて、発生する多くの患者に適切に対応できるように幅広い医療機関で対応できる体制にシフトしていくとともに、引き続き、重症化リスクのある高齢者等に重点を置いた対応を行っていくことが必要と考えております。
○塩川委員 そもそも、この間、死亡者数が大幅に増加をしたということはなぜなのか、何でこんなに大幅に死亡者数が増加をしたのか。そこについてはどういうふうに考えているんですか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、オミクロン株の感染力が強いことから、感染力が増加しておりまして、結果として亡くなられるケースが多いということなので、今後は、発生する多くの患者に適切に対応できるような体制にシフトしていくとともに、高齢者等に重点を置いた対応を行っていくことが必要と考えております。
○塩川委員 感染力が強くて、その結果として、重症度が下がったとしても死亡者数が増えたと。要するに結果の話であって、そもそもこんなふうに死亡者が増えないために必要な手だてを取らなくちゃいけなかったのに、そうならなかったのはなぜなのかということを聞いているんですよ。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の新型コロナの対応におきましては、これまでも死亡者数の増加が見られておりましたので、今後もそうですけれども、これまでもウイルスの特性を踏まえまして重症者に重点を置いた対策というものを進めてきておりましたので、それは引き続き今後もしっかりやっていきたいと思っております。
○塩川委員 だから、それは対策として今後の話を言っているのかもしれないんだけれども、この間何でこんなに死亡者数が増えてきたのか、その理由は何なのか。感染者数が増えて死亡者数が増えたと。でも、その死亡者数を抑えるために必要な手だてを取らなかったというところに問題があるんじゃないんですか。その点はどうなんですか。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 アドバイザリーボードにおける議論で、専門家によりますと、二〇二〇年度の初頭以降に、オミクロン株の特性等から、全体としての致死率はオミクロン株以前よりも低下しているけれども、死亡者数の実数は増加しているということでございます。
 この原因としては、やはり感染者数の増加が大きく関与しているということが考えられます。たとえ致死率が低下いたしましても、感染者数が圧倒的に増加してしまえば死亡率が増加するわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、基本的な感染対策等を進めることはもちろんですけれども、高齢者施設での死亡者、こういったところでの対策に重点を置いて対策を講じてきたところでございますし、これからもその必要があると考えております。
○塩川委員 高齢者に重点を置いてきた結果がこれなんですよ。圧倒的に高齢者が亡くなっているんです。何でこんな事態になったのかを聞いているんですよ。
○鳥井政府参考人 お答え申し上げます。
 高齢者の死亡者数が増えているかというところでございますけれども、これもアドバイザリーボードの専門家の議論の中では、やはり施設等でスタッフや高齢者の感染者数が増加しておりますので、高齢者施設でリスクの高い方がいらっしゃって死亡者数の増加につながりやすいということがございます。
 ただ、これに関しましては、かねてよりクラスターが多く発生してきたという経緯も踏まえて、ハイリスク者に重点を置いていろいろな感染対策の研修をやりますですとか、施設整備等の支援をやるですとか、そういった対策を引き続き取っているところでございまして、これは引き続きしっかりと取ってまいる必要があると考えております。
○塩川委員 答えていないんですけれども、今、施設の話がありました。施設内療養が非常に増える、留め置きが大きく増えている、そういう中で、施設内で亡くなられた方というのが大変いるわけですよ。そういう点でも、医療提供体制が間に合っていないという状況があったというのが大前提じゃないですか。医療提供体制は本当に、医者に送ることができないという中で、施設内で亡くなる方も多数いらっしゃったということもあるわけですし、在宅の方もそういう状況がいらっしゃったわけです。
 そういった医療提供体制を適切に確保することが必要であるにもかかわらず、今度、この五月八日以降について言えば、医療機関への財政支援措置を見直すという話であります。死亡者数を減らすためには医療機関の受入れ体制の拡充が必要なのに、五類見直しに伴って、医療機関への病床確保料は減らすんじゃないでしょうか。また、入院に関する診療報酬も引き下げるというのが政府がやろうとしていることじゃありませんか。これでちゃんと医療提供体制を確保できると言えるのか。
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねのありました医療機関への財政支援、その中で、例えば病床確保料は令和二年四月からずっと措置をしてまいっております。これは、確保したコロナ病床に患者が入れば診療報酬が払われますし、入院されていない間は病床確保料を払う、こういう形でやってまいっております。
 今般、五類に当たりまして、診療報酬の額も参考にしながら、患者様を実際に受け入れた場合とおおむね同水準の収入になるように、診療報酬と同等の水準になるように、これまで診療報酬の引上げに合わせて引き上げてきたところでありますので、そういったところ、診療報酬の見直しを踏まえて見直しをすることとしております。具体的には、業務や人員に係る体制、こういったものを踏まえた見直しをしているところであります。
 ただ、先生おっしゃいますように、五類への見直しに伴いまして、医療機関への財政支援、こういったもののほかに、受入れ体制を拡充するためには様々な施策が必要だと思っておりまして、これまでも累次にわたって医療機関とよく相談をしながら、必要な施策について今般取りまとめをさせていただいております。
 具体的には、感染対策に係る設備整備、こういったものの補助金は継続していくこととしております。また、診療の指針ですとか感染対策、こういったものについてもアップデートされた情報が欲しい、こういったことにも対応することにしております。また、医療機関間での調整となるような入院調整、これも負担が大きいということを聞いておりますので、都道府県の取組、実情に応じて当面の間残すこと、こういったことで、医療機関のお声を聞きながら、必要な施策というものを検討しているところであります。
○塩川委員 入院、外来の診療報酬の特例加算や病床確保料などの公的支援は段階的に縮小、廃止するんですよ。これまでの支援策を半分に減らして、そこに若干の加算をするだけで、増やす措置ではありません。新たにこれで担い手が増える根拠はないわけで、医療機関への公的支援が縮小すればかえって医療の担い手が減ることは明らかで、高齢者施設、在宅医療の検査、医療支援に重大な危惧が生ずる、こういう財政支援後退はきっぱりとやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

マイナ保険証強制は許されない/集会であいさつ

 「マイナ保険証強制反対、番号法改悪反対院内集会」であいさつ。

 マイナカードの取得は任意なのに、保険証廃止・マイナ保険証強制は許されない!

 マイナンバーの利用範囲を大きく拡大する番号法案は認められない!

 医療個人情報活用法案など個人情報の利活用拡大はきっぱりやめよ!

【選挙制度協議会】小選挙区比例代表並立制の検証/調査局からヒアリング

 選挙制度協議会を開く。

 現行選挙制度(小選挙区比例代表並立制)の検証を行うとして、衆議院調査局からヒアリング。

 当時の各党の主張の整理や関係者との懇談について、今後具体化することを確認しました。

市政を正す党の2議席は欠かせません/茨城・龍ケ崎市で演説会

 龍ケ崎市で演説会。伊藤えつ子・金剛寺博市議と訴え!

 国保税の子どもの均等割半額の実施、高齢者の補聴器助成の来年4月の制度創設を始め豊かな実績。

 少人数学級を求める請願や最低賃金引上げを求める意見書に反対するオール与党の市議会の中で、道の駅反対など市政を正す党の2議席は欠かせません。

 

 


命と暮らしを守れ/茨城・龍ヶ崎市

「しんぶん赤旗」3月14日・首都圏版より

 茨城県龍ヶ崎市で12日、日本共産党演説会が開かれました。統一地方選の市議選で勝利をめざす金剛寺博、伊藤えつ子両市議候補と、応援に駆けつけた塩川鉄也衆院議員が訴えました。
 金剛寺氏は「アンケートを取り、市民の声を議会に届けてきた」と語りました。2年前に起きた官製談合事件究明の第三者委員会の設置や未就学児の発達支援施設の新設を進め、コロナ禍では市独自の支援金を実現したことを紹介しました。

 伊藤氏は「7期28年、命と暮らし守る思いで奮闘してきた」と述べ、市民とともに高齢者の補聴器支援を要求し、コロナ対策ではPCR検査を推進しました。「給食費や医療費など子育て支援・三つのゼロを実現したい」と決意を表明しました。

 塩川氏は、政府が東日本大震災の復興特別所得税を軍拡に充てることや危険な原発の再稼働をすること批判。市政では、赤字の「道の駅」計画に歯止めをかけるなど「行政を監視し、市民の声を代弁する2人の議員を必ず押し上げてください」と訴えました。

 参加した会社員の女性(57)は「時給1500円の賃上げが必要だし、ドイツなどでは実現しているという塩川さんの話に感動した」と語りました。

群馬・沼田市で演説会

 沼田市演説会。大東のぶゆき市議と訴え!

 この4月から18歳までの医療費無料化と中学3年生の学校給食費無料化を実現。月額10万円の給付型奨学金制度創設も大きな成果。

 中央公民館廃止など市民サービス後退に反対貫く日本共産党の議席が必要。

 大震災と原発事故から12年。被災者支援、原発ゼロの日本を!

 


激戦を勝ち抜こう/群馬・沼田市

「しんぶん赤旗」3月14日・首都圏版より

 群馬県の日本共産党利根沼田地区委貝会は11日、4月16日告示、23日投票の沼田市議選で大東宣之市議の再選を必ず勝ち取ろうと、塩川鉄也衆院議員を招き春のつどいを開きました。

 塩川氏は、東日本大雲災の被災者と原発事故の被害者に哀悼の意を表明し、「全国の原発でも避難できないことが大問題になっている。原発にしがみつく政治を許すわけにはいかない」と批判。

 また、月額10万円の返済不要の奨学金や学校給食費の一部無料化など、共産党市議団が取り組んできた実績を紹介。豊かな実積をみなさんと一緒に実現してきた大東氏を押し上げてと訴えました。

 大東氏は市議会で活動してきた9期の実績を語るとともに「今回も激戦。なんとしても議会に押し上げて」と訴えました。

 つどいに参加した湯浅聰子(としこ)さん(80)は「右翼か来ていて会場に入るまでが大変だったけど、聞きに来てよかった。話を聞いてすっきりした。絶対に押し上げたい」と話しました。