【予算委員会】米製兵器爆買い過去最大1.5兆円/撤回迫る

 政府が2023年度予算案に計上している過去最大1.5兆円の米製兵器“爆買い”は撤回せよと主張しました。

 私は、米政府の武器輸出制度である有償軍事援助(FMS)に基づく購入金額の変化(配布資料参照)で、来年度のFMS調達額は過去最大の1兆4768億円で、13年度予算の約13倍にのぼることを示し、「こんな爆買いは異常だ」と強調しました。

 浜田防衛大臣は「FMSに問題があるとは考えていない」と答弁。

 私は、FMSは一方的に価格が示され、原則前払いであるなど、米国に都合の良い仕組みだと指摘。元防衛装備庁会計官の論文によれば、FMSの手数料には「米国でFMSを担当する組織の人件費や輸出推進の経費」まで含まれるとして、「なぜこんな経費まで日本国民の税金で払わなければならないのか」と質問しました。

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 浜田靖一防衛相は、「FMSには諸課題がある」と認め、「合理化に取り組んでいる」と釈明しました。

 私は、政府が来年度のFMS対象事業で、長距離巡航ミサイル・トマホーク取得に2113億年を計上していることについて、米国防省資料によればトマホーク1基あたりの価格は約2億円なのに、報道では日本が取得するトマホークの価格は1基当たり3~5億円とされており、米軍単価の2倍にのぼると指摘。「トマホークの単価を明らかにせよ」と迫りましたが、浜田防衛大臣は「単価は明らかにしていない」と拒否しました。

 私は「内容を一切明らかにせず、トマホークの一括契約だけを決めている。妥当性を検証できず、予算審議そのものが成り立たない」と強調。トマホークは「対テロ」先制攻撃で米国が繰り返し使用してきたと指摘し、「先制攻撃につながる敵基地攻撃能力保有そのものだ」と厳しく批判しました。

 また、私は米国製無人偵察機グローバルホークの後方支援費として90億円が計上されていることについて、同機は米国では金食い虫で役にも立たず、退役となったものだと指摘。後方支援費90億円は米軍事企業の社員40名の技術支援に対するものだとして「一人当たりの経費は2億円を上回り、あまりに高すぎる。何に、いくら使うのか」と質問。

 浜田防衛大臣は「費用の内訳については、米国政府から開示されていないため答えられない」と明らかにしませんでした。

 私は、「米国の言い値で、古くなった兵器を押し付けられ、しかも多額の維持整備費まで負担する。FMSは、米軍の軍需産業の利益を保証し、生産ラインを動かすための仕組みだ」と強調。GDP比2%は米国が要求してきたものだとして、米国政府と米軍需産業の要求にこたえる大軍拡は中止せよと主張しました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年2月17日 予算委員会 第12号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 岸田政権は、安保三文書に基づき、五年間で四十三兆円という大軍拡であります。二〇二七年度にはGDP比二%に達する措置を講ずるということを明記をしております。福祉や教育、暮らしを圧迫する大軍拡予算はきっぱりとやめるべきであります。
 今日は、その大軍拡の中のFMS、対外有償軍事援助について浜田防衛大臣にお尋ねします。
 資料の配付をお願いしておりますが、来年度のFMSの調達額は一兆四千七百六十八億円で、過去最大の突出した伸びとなっております。今年度に比べて約四倍に増加をし、第二次安倍政権発足の二〇一三年度以来、十年間で十三倍に増加をしております。
 大臣、お尋ねしますが、こんな爆買いは余りにも異常ではありませんか。今後、防衛力整備計画の五年間で幾らFMSで買うつもりなんですか。お答えください。
○浜田国務大臣 令和五年度は、防衛力整備計画の初年度であります。今後五年以内に防衛力を抜本的に強化するに当たり、装備品の調達には複数年度を要することから、防衛省としては、一年でも早く必要な装備品を各部隊に届け、部隊で運用できるよう、FMSにより取得するものも含め、防衛力整備計画の初年度に当たる令和五年度に可能な限り契約する必要があると考えております。
 その結果、令和五年度予算案では、FMS調達として、主として、スタンドオフミサイルのトマホーク、早期警戒機のE2D、戦闘機のF35A及びF35Bといった装備品の取得経費等を計上しております。その合計額は一兆四千七百六十八億円であり、令和五年度予算の契約額約八兆九千五百二十五億円の約一六・五%に相当いたします。
 この点、前中期防の初年度である令和元年度予算のFMSに関わる相当額は七千十三億円であり、同年度予算案の契約額約三兆三千八百二十一億円の約二〇・七%であったことを踏まえると、FMSの契約額全体に占める割合はむしろ低下しており、令和五年度予算案のFMS契約額に問題があるとは考えておりません。
 FMSは、米国でしか製造できない能力の高い装備品を調達できることなどから、我が国の防衛力を強化するために重要と考えており、いわば我が国の防衛力そのものでもある国内の防衛生産基盤の強化にも十分に配慮しつつ、防衛力の抜本的強化の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
○塩川委員 全体の額が大幅に増えているわけですから、そういう中での比重が大きくなるというのでも問題ですけれども、この大軍拡によって五年間で幾ら買うのかということについては答弁がありませんでした。
 三菱重工業や川崎重工業などの国内の軍需企業を押しのけて、米国政府が一番の兵器の調達先であります。日本の兵器、主要装備品が米国製ばかりになるという状況ではありませんか。
 FMSは、米国政府が外国に対し、兵器等を有償で提供する制度であります。武器輸出管理法に基づき、米国の安全保障を強化をすることを目的に提供される。FMSについては、価格交渉の余地はなく、一方的に価格が示されること、原則前払いであること、納期は予定であること、米国側の方針変更があれば契約解除できるなど、余りにも米国に都合のいい契約方法が問題となってまいりました。
 そこで、お尋ねします。
 「防衛法研究」という雑誌に、元防衛装備庁長官官房会計官が論文を書いています。
 FMSでは米国政府の手数料や管理費等も加算をされる、通常三・五%から五%、この手数料、管理費は、FMSを担当するDSCA、国防安全保障協力庁における人件費等の諸経費や輸出推進の経費などに充てられると言っています。防衛装備庁の担当者が述べている。
 米国政府の職員の人件費や米国兵器の輸出推進の経費をなぜ日本国民の税金で払わなければならないのか。おかしいんじゃありませんか。
○浜田国務大臣 防衛省の論文について一々私から評価はいたしませんけれども、FMSの調達については、諸課題がある中で、閣僚レベルを含む様々なレベルでの米国への働きかけなど、FMS調達の合理化に向けて積極的に取り組んでいるところであります。令和四年度予算のFMS対象経費についても、米国としっかりと交渉、調整し、価格の精査を通じて費用の抑制に努めました。
 引き続き、我が国に必要な装備品を適正価格で調達できるよう努めてまいりたいと考えております。
○塩川委員 答えていませんよ。
 要するに、経費に上乗せをして手数料や管理費が払われているんですよ、それが三・五%とか五%。そこにアメリカ政府の職員の人件費や米国の兵器の輸出推進の経費が含まれているという話であって、国防安全保障協力庁によると、武器輸出管理法は、FMS活動が米国政府に無償で実施されることを義務づけている、FMSは外国の購入者が管理費を提供し、納税者の負担なく運営している。つまり、日本の納税者の負担で米国兵器の輸出の推進の経費まで払うなど、全く納得がいきません。余りにもアメリカに都合のいい仕組みではないでしょうか。
 次に、トマホークについて聞きます。
 政府は、来年度、FMS対象事業として、トマホーク・ブロック5の取得に二千百十三億円を計上しております。
 トマホークを何基購入し、一基当たりの値段は幾らでしょうか。
○浜田国務大臣 自衛隊が保有するミサイルの弾数や単価については、従来から公表をしておりません。
 トマホークについても、これをお示しすることはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、引き続き、トマホークの必要性等について丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと考えております。
○塩川委員 何の説明もなくて、何で丁寧な説明なんですか、分かりやすい説明なんですか。
 米国防総省の昨年十二月の契約に関する公表資料を見ますと、来年度において、米海軍、陸軍、海兵隊で、合計百十一基のトマホークを約一億六千万ドルで取得すると書いてあります。一基当たりにすれば、約二億円であります。
 国内の報道では、日本が取得をするトマホークの単価は一基当たり三億円から五億円とありました。FMSによるトマホークの取得は、米軍の購入の単価の二倍という高値買いになっているんじゃありませんか。こういったことについて、是非説明いただきたい。
○浜田国務大臣 自衛隊が保有するミサイルの具体的な取得数や単価については、お答えは控えさせていただきたいと思います。
 その上で申し上げますと、一般的に、装備品の単価は、調達数量、能力向上や部品枯渇に伴う仕様の変更、材料や部品の価格変動、為替の変動など、様々な要因に基づき変動をいたします。そのため、トマホークの単価について、過去の他国の実績やその他公刊情報の単価がそのまま当てはまるわけでは必ずしもありません。
 トマホークの弾数や単価については一概にはお答えできませんが、防衛省としては、引き続き、トマホークの必要性等について丁寧に分かりやすく説明してまいりたいと考えております。
○塩川委員 丁寧でも分かりやすくもないという答弁そのものであります。
 大体、百十一基買う米軍で、それが一基当たり約二億円、それなのに、日本は五百基購入とか言われているわけですけれども、その単価が何で出てこないのか。四億円、三億から五億、こういう金額なのではないのか。こういうことについて丁寧な説明こそ必要じゃないでしょうか。
 トマホーク、何基買うのか、単価は幾らか、一切明らかにしない。それなのに、来年度、トマホークを一括契約することだけは決めているんです。この予算審議の中で、その妥当性、検証しようがないじゃありませんか。これでは予算審議そのものが成り立たないじゃありませんか。
 委員長、トマホークの弾数や単価を明らかにしていただきたい。資料提出を要求します。
○根本委員長 理事会で協議します。
○塩川委員 岸田総理は丁寧に説明すると言いますが、全くブラックボックスのままであります。
 トマホークは、イラクやアフガニスタンなどでの対テロ先制攻撃戦争で米国が繰り返し使用してきた兵器であります。先制攻撃につながる敵基地攻撃能力の保有そのもの、この点でも国民の不信は拭えないということを申し上げておきます。
 さらに、グローバルホークについて聞きます。
 来年度予算にグローバルホークの後方支援費が計上されています。ノースロップ・グラマン社の社員四十人の技術支援に対して九十億円を計上しています。何に使うんですか。
○浜田国務大臣 グローバルホークは、自衛隊において初めて導入された高高度滞空型の大型無人機であり、その運用や維持管理の一部について米国企業の支援を受けるため、令和五年度予算案において約九十億円を計上しております。
 米国企業の支援の具体的内容としては、三沢基地に駐在する役務員約四十名による機体の操縦や機体搭載センサーの操作教育、部品や支援機材の補給管理、情報保全、セキュリティー関連業務、機体や地上機材の整備、衛星通信やセンサーの整備、役務全般のマネジメントに加え、米国本土のノースロップ・グラマン社の役務員等による事業管理やセキュリティー関連業務、部品の生産管理、在庫管理、ソフトウェアのアップデート等が含まれております。
 三沢基地における技術支援のみで九十億円が計上されているものではありません。
○塩川委員 だって、三沢の三機のグローバルホークのために、その技術支援ということで九十億円なんですよ。四十人のノースロップ・グラマン社の社員に対し、技術支援という役務提供だけで九十億円なんです。部品の購入費などは含まれておりません。一人当たりの経費は年間二億円を上回る。技術支援という役務提供だけで一人当たり二億円というのは、余りにも高過ぎるんじゃありませんか。
○浜田国務大臣 三沢基地に駐在する役務員の約四十名は、先ほどお話をしたことであって、様々な役務に数名ずつ従事をしております。
 それぞれの役務に係る経費や役務員個別の手当といった経費の内訳については、米国政府と米国企業の契約内容に関わるものであり、米国政府から開示されていないため、防衛省としてお答えすることはできませんが、米国とは毎年協議を行い、経費の効率化、削減を行っております。
 さらに、防衛省としては、三沢基地に駐在する役務員の一部を自衛官に置き換えていくといった取組を進めることにより、役務に係る経費の削減に努めているところであります。
○塩川委員 アメリカの言い値をそのまま受け入れて計上しているだけということが実態であります。技術支援の中身が全く不透明であります。役務の提供だけなのに何でこんなに高いのか、納得がいきません。
 米国では、グローバルホークは金食い虫で役にも立たず、退役となりました。それなのに、日本は、アメリカの言い値で、古くなった兵器を押しつけられて、しかも多額の維持整備費まで払うことになる。アメリカのやりたい放題ではありませんか。こんな大軍拡に国民の税金をつぎ込むのは、理解が得られません。
 FMSは、米軍の軍需産業の利益を保証し、その生産ラインを動かすために、旧式の兵器を購入させ、多額の維持整備費を支払い続けさせる仕組みだ。そもそも、GDP比二%の大軍拡そのものがアメリカの要求であります。
 米国政府と米軍需産業の要求に応える大軍拡は中止すべきだと申し上げて、質問を終わります。

大幅賃上げ、大軍拡ストップを/JMITUの院内集会で国会情勢報告

 「23春闘勝利!軍拡・増税阻止!物価高騰からくらしと地域経済をまもる!JMITU中央行動」の院内集会で国会情勢報告。

 暮らしを守るために大幅賃上げを!

 敵基地攻撃能力保有と大軍拡ストップ!

 労働者と国民のためにたたかう労働組合の奮闘に期待。

埼玉県民大運動の国会行動であいさつ

 埼玉県民大運動の国会行動であいさつ。

 空自入間基地では、抗たん性の向上をはかる予算が115億円も計上。

 負傷した自衛隊員を搬送する輸送機や病院を整備。沖縄が戦場になることを想定した訓練も行われていた。

 スタンド・オフ・ミサイルのC2輸送機搭載システムも整備する。

 大軍拡反対の世論と運動を!

アイルランド下院議長一行が衆院議長を表敬訪問

 ショーン・オファイール アイルランド下院議長一行が衆院議長を表敬訪問。

 アイルランドはラグビー強豪国。日本文化を世界に伝えたラフカディオ・ハーンもアイルランド系。

 アイルランド下院議会選挙は、40選挙区からなる比例を加味した中選挙区制(3~5名)。選挙権は18歳以上、被選挙権は21歳以上。

埼玉/日高市で演説会

 日高市で党演説会。

 佐藤まこと市議は、コロナ禍の水道料金軽減策や中3のインフルエンザ予防接種助成を実現。

 「遠足の聖地」日高市で、山林を切り開くメガソーラー計画が浮上したときには、環境保全と災害防止の観点でメガソーラー規制条例実現のために尽力しました。

 なくてはならない議席です。

「共産党がんばって」と激励/埼玉・所沢市内で宣伝行動

 所沢市内で宣伝行動。城下のり子市議(県議予定候補)、加藤健一市議予定候補と一緒に。

 どの駅でも国政要望と励ましの声がたくさん寄せられました。「コロナの5類見直しでは、コロナにかかれる医療機関が減ってしまうのではないか」「岸田首相では暮らしが大変になる」「共産党がんばって」。

【内閣委員会】日本学術会議/自主性・独立性はアカデミーに不可欠/任命拒否の撤回を

 日本学術会議に関する問題を取り上げ、同会員選考時に自主性・独立性を守ることの徹底や、菅政権以降の会員6人の任命拒否の撤回を求めました。

 私は、各国のアカデミーの設置において不可欠の要件の一つが会員選考における自主性・独立性だと強調。学術会議による「各国アカデミー等調査報告書(2003)」では、各国アカデミーにおける会員の選出方法について、どのように指摘しているか質問しました。

 学術会議事務局は「各国アカデミーは、ほぼすべての機関において、そのアカデミー内の会員により推薦・選出される方式を採用している」と答えました。

 私は、内閣府が提出しようとしている日本学術会議法改正案では、会員以外の者で構成される選考諮問委員会を新たに設置することになっていると指摘し、「学術会議の会員候補者選考や選考の規則を定めるときに同委員会に諮問する仕組みだ。諮問委員会は誰が選ぶのか」とただしました。

 後藤茂之経済再生担当大臣は、詳細は検討中だとし「諮問委員会の委員は、学術会議会長が任命することを想定している」と初めて明らかにしました。

 私は、法案には、学術会議に対いて政府等と問題意識や時間軸を共有すること求める規定が盛り込まれていると指摘し、これまで軍事研究を否定する立場をとってきた学術会議を改造する狙いなどを指摘する声を真摯に受け止めよと追及。

 後藤大臣は「今回の見直しにおいて、独立性に変更を加える考えは一切ない」と答えたのに対し、私は「学術会議の独立性をいうのなら、6人に任命拒否を撤回すべきだ」と強調しました。

 後藤大臣は「すでに決着済みだ」と述べるのみでした。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年2月10日 内閣委員会 第2号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今日は、まず最初に後藤大臣に、日本学術会議をめぐる問題について質問をいたします。
 菅政権以降の政権が行ってきた、学術会議が推薦する会員六人の任命拒否には、厳しい批判の声が寄せられてきました。任命拒否は直ちに撤回をすべきであります。
 それなのに、この六人の任命拒否をそのままにして、今国会提出予定の学術会議法案では、選考諮問委員会の設置や、会員以外による推薦を盛り込む法案を提出しようとしていることは極めて重大であります。アカデミーの独立性を侵害するものと言わざるを得ません。
 日本学術会議は、各国のアカデミーの設置形態について分析をし、その不可欠の要件として、学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性、独立性の五点を挙げています。このような要件は、アカデミーの独立性に不可欠であります。
 そこで、今回、政府の介入でクローズアップされたのが、会員選考における自主性、独立性の問題です。日本学術会議は、現会員による会員の選出、コオプテーションを基本とすることが適当だと述べてきました。この方式は、海外の多くのアカデミーで採用されている標準的な会員選考方式だと指摘をしております。
 学術会議事務局にお尋ねします。
 日本学術会議の各国アカデミー等調査報告書では、各国アカデミーにおける会員の選出方法についてどのように指摘しておりますか。
○三上政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の各国アカデミー等調査報告書は、日本学術会議の国際協力常置委員会が、各国のアカデミーについて、設置の根拠、会員の人数、任期、選出方法、機能、予算等について調査を実施し、平成十五年に取りまとめたものと承知しております。
 会員の選出方法につきまして、同報告書では以下のとおり指摘しているところでございます。
 「各国アカデミーは、ほぼ全ての機関において、そのアカデミー内の会員により推薦・選出される方式(コオプテーション)を採用している。これは、アカデミー会員は学術上高い評価を得た者で構成されているべきであり、会員選出の判断はアカデミー会員のみによって可能であるという考え方に基づくと理解できる。」
 以上でございます。
○塩川委員 今説明がありましたように、各国アカデミーは、アカデミー内の会員により推薦、選出される方式、コオプテーションを採用しています。
 後藤大臣にお尋ねしますけれども、このようなアカデミー内の会員により推薦、選出される方式というのは、民主的な国家のアカデミーにおいては不可欠の要件ではありませんか。
○後藤国務大臣 今、コオプテーション方式のお話はさせていただいたとおりであります。
 そういう意味で、日本もコオプテーション方式を取っておりますし、今検討を、より国民の皆さんに理解され続ける学術会議であるためにどういうふうに考えていくのがよいのかという検討においても、このコオプテーション方式を前提として、より国民に理解されるという透明な仕組みをというふうに考えております。
 先ほどのお話の中で、世界の学術会議、アカデミーと日本の学術会議が非常に違いますのは、世界のアカデミーの中で、独立した民間団体ではなくて政府の組織そのものであるのは日本の学術会議だけでございます。
○塩川委員 アカデミーの独立性のポイントとして、今言ったような会員選考における自主性、独立性と同時に、五つの要件ということも冒頭申し上げました。そこがやはり肝腎で、国を代表する機関としての地位を与える、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、そして、活動面での政府からの独立に加えて、会員選考における自主性、独立性、この点で共通をしているという点が各国のアカデミーの特徴だということが重要であります。
 日本もコオプテーション方式を取っている、コオプテーションを前提として考えていくという話がありましたけれども、今回、政府が、日本学術会議の在り方についての方針の策定に当たって、各国のナショナルアカデミーの在り方についての調査を行っていると聞いております。そこでの会員選出方法については、どのような調査結果だったんでしょうか。
○後藤国務大臣 御指摘のとおり、内閣府におきましては、昨年、米国、英国、ドイツ、フランスの四か国のアカデミーの在り方について調査を実施したところでございます。
 ナショナルアカデミーの設置形態には、それぞれの歴史的経緯を踏まえた多様性がありまして、アカデミーが国の機関であり、会員が公務員であるとされているのは、主要先進国のアカデミーの中では日本だけであると認識をいたしております。
 調査の内容については、今まだ、現在確認中という状況でありまして、詳細まで申し上げられない状況ではありますけれども、アカデミーが日本の特殊法人のような組織であるフランスにおいては、会員について大統領の認証が行われております。それ以外の、アカデミーが民間の団体である国においては、国は会員の選考に関与しておりませんけれども、私的な団体の会員選考が会員によって行われるのは当然のことであるとも考えられると思います。
○塩川委員 コオプテーションを基本とするかどうかというのはその設置形態で問われているとなると、それ自身が世界標準から外れることになりかねないということを指摘をしておきます。
 そういった調査については、すぐ公表してもらえますか。
○後藤国務大臣 今申し上げたとおり、政府の発表する調査ということでございますので、正確を期して、現在確認をしているところでございます。
○塩川委員 是非直ちに出していただいて、それで議論に付していくということこそ、政府の行うべき姿勢だということを申し上げておきます。
 内閣府が示しています学術会議改正法案の概要では、会員及び連携会員以外の者で構成される選考諮問委員会を新たに設置をし、学術会議が会員候補者を選考するときや選考に関する規則を定めるときは、事前に同委員会に諮問する仕組みを導入するという話であります。
 この選考諮問委員会というのは誰が選ぶんでしょうか。
○後藤国務大臣 詳細については検討中ではございますけれども、委員は、科学や科学の研究環境などについて広い経験と識見を有する者について、一定の手続を経て会長が任命をする、学術会議会長が任命することを想定をいたしております。
 学術会議は国費で賄われる国の機関として独立して職務を行うことから、国民から理解され信頼される存在であり続けるためには、運営の透明化にとどまらず、活動を担う会員、連携会員の選考についても、国民の目から透明かつ厳格なプロセスで行われることが必要であるということで、選考諮問委員会を諮問者として置くことについて検討中でございますけれども、その会長は、今申し上げたとおり、学術会議の会長でございます。会員を選考するのは会長でございます。
○塩川委員 選考諮問委員会は誰が選ぶのかと。
○後藤国務大臣 もう一度申し上げます。
 選考諮問委員会の委員は、学術会議の会長が選びます。
○塩川委員 その際に、政府、総理大臣などの関与というのはどうなるんでしょうか。
○後藤国務大臣 今、詳細についてまだ確定をしているわけではありませんけれども、今のところでは、一定の手続は考えておりますけれども、国側がその諮問委員の任命に関わるという、そういう前提で議論をしておりません。
○塩川委員 一定の手続ということを含めて、政府側の関与というのはどうなのかといったことについて不透明なままであれば、これは理解が得られないということにもなります。そういう点でも、学術会員に対して真摯に説明も行っていく、そういったことこそ必要であると考えます。
 選考諮問委員会による会員選考への関与自身が総理大臣による任命拒否の正当化につながるのではないか、こういった懸念の声もあるわけですから、そういった声を真摯に受け止めていく必要があると思います。
 改めて、各国アカデミーが採用している、アカデミー内の会員により推薦、選出される方式が民主的な国家のアカデミーにおいて不可欠の要件だ、この点をゆるがせにはできない。その点で、選考諮問委員会がどういう位置づけになるのかといった点について、ここに口を挟むようなものになっては決してならないということを重ねて申し上げておきます。
 それと、法案は、日本学術会議に対して、政府等と問題意識や時間軸を共有することを求めています。
 この点について学術会議は何点か指摘をしておりますけれども、学術には一国に限定されない普遍的な価値と真理の探求という独自の役割があり、これには一国単位の利害には左右されずに、知の探求を通じて人類全体に奉仕するという意味が含まれている、また、政策決定に当たって学術は、政治や経済の観点からは抜け落ちかねない重要な知見を提出する可能性を有している、これらの知見は、必ずしも政府と問題意識を共有しないところからも得られるはず、さらに、中長期的な観点から物事を考える学術と、短期的な判断を常に迫られる政治的意思決定との間で、時間軸を共有できない場面が生じるのはむしろ当然だと指摘をしています。
 こういった指摘を真摯に受け止めるべきではありませんか。
○後藤国務大臣 まず最初に申し上げるのは、問題意識等の共有というのは、政府等との結論の共有を求めているというわけでは決してないということであります。
 その上で、政府としては、学術会議が国費で賄われる国の機関であって、政府等への科学的助言を公務として行うことを役割とする機関である以上は、受け手側の問題意識や時間軸や現実に存在する様々な制約等を十分に踏まえながら審議等を行っていただく必要もあると考えておりまして、結果的にそれが学術会議の科学的助言の実効性を上げることにもつながるのではないかということも申し上げております。
 また、学術会議においても、課題設定等に当たって、多方面の関係者と十分な対話、意見交換を行いながら進めていくことの重要性を自ら十分に認識されて、文書にもされておられます。このような対話機能の強化に向けての学術会議の取組を後押しするため、必要な枠組みを整備していきたいということを申し上げている次第でございます。
 いずれにしても、学術会議に対しては、その独立した活動と何ら抵触することではないということについても、一層丁寧に御説明し、十分に御意見を聞きながら検討を進めるよう心がけてまいりたいと思います。
○塩川委員 政府のこういった対応について、法案の内容についても、厳しい批判の声が寄せられているわけです。学術会議は国益のためではなくて、真理を探求し人類に貢献するために存在をする、その認識の上に独立性が担保されるべきといった意見や、軍拡を急ぐ政府と時間軸と問題意識を共有したら学術会議の本来的な存在意義がなくなるという指摘や、これまで軍事研究を否定する立場を取ってきた学術会議を改造する狙いがあるのではないのか、こういう指摘に対して真摯に受け止める必要がある。
 学術会議による懸念事項、また、このような批判の声に耳を傾けて、アカデミーの独立性を侵害する懸念のある法案については、立ち止まって再考すべきではありませんか。
○後藤国務大臣 まず、個別の問題について、一つずつ御指摘についてお答えするべきではないということかもしれませんけれども、軍事的な国家を目指すということでもありませんし、我々、アカデミアに軍事研究を求めるつもりも一切ありません。
 デュアルユースの問題で、例えば、先端科学技術が将来軍事転用される可能性をしっかりと識別できる議論が今できるのかどうかとか、そういったことについては我々としても意見があるわけでありますけれども、そうしたことは、逆に、学術会議の方が、先端的分野においてはそういう議論はもう現実的に技術的にできないということを会長が発表されておられますし、そのことについては同じ方向だと思っております。
 いずれにしても、総会や声明において様々な御意見、御懸念が示されていることはよく承知しておりますから、しっかりと受け止めさせていただきたいというふうに思います。
 そして、学術会議の独立性について申し上げれば、今回の見直しにおいて、独立性に変更を加えるという考えは一切ない、三条をしっかりと守った運営をしていく、そのことは改めて申し上げたいというふうに思っています。
 学術会議においても、今回、より良い役割発揮に向けてに基づいて進めておられる改革があるわけですけれども、改革の必要性や方向性については、政府と問題意識は共有されているというふうに思っています。学術会議における改革の成果を着実にしっかりと法律に取り込むことで、今後、安定的な運用を担保しつつ透明性を確保する、そういう趣旨で法案を提出するということが必要であるというふうに考えております。
○塩川委員 この間、学術会議をめぐる政府の対応として、政府方針が出され、法案の作業が進められている、これについて懸念や再考を求めるという学術会議の声があるわけであります。これこそ真摯に受け止めていくべきだということを申し上げておくものです。
 アカデミーの独立性の侵害、これが何を招くのかがやはり問われているわけであります。
 ロシアでは、二〇一三年に、プーチン政権の下、ロシア科学アカデミー改革法案が突如として提出をされて、科学アカデミー幹部会や研究所等が反対を表明したものの、同法が成立をする。その後、二〇二二年のアカデミー総裁選挙を始め、繰り返し、ロシア科学アカデミーに対する政府の介入がありました。
 佐藤学東大名誉教授は、アカデミー、学問の自由の侵害が戦争へと突き進む一歩だったと指摘をしています。そういう点でも、学術会議への介入が軍事への科学技術動員の動きと軌を一にするのではないのか、そういう危惧の念というのが強くあるということを正面から受け止めて、こういった介入をきっぱりとやめるべきだと。
 学術会議の独立性を言うんだったら、六人の任命拒否こそ撤回をすべきであります。直ちに任命をという声を求めている学術会議のその声に応えて、学術会議の独立性を口にするんだったら、この六人の任命拒否、直ちに撤回をして、任命をすべきではありませんか。
○後藤国務大臣 政府としては、この任命問題については、これは既に総理の権限を行使して決着済みだというふうに考えております。
○塩川委員 この任命拒否がそのままという点で、政府への信頼がそもそも失われているんですよ。そういう点でも、学術会議の独立性を言うのであれば、この任命拒否を直ちに撤回をして、六人の任命を行えということを強く求めておきます。

【内閣委員会】所沢除染土再利用実証事業/環境副大臣、自ら住民に説明する考えなし

 私は、環境省が埼玉県所沢市で計画している除染土再生利用実証事業について、地元住民から出ている計画撤回の声を聞くべきだと迫りました。

 私は、所沢ではこれまでも産廃焼却によるダイオキシンが大問題になり、また最近では、米軍横田基地から所沢通信基地に汚染土壌かどうかも未検査の土壌が運び込まれてきた経緯があると指摘し、「今度は環境省か」というのが住民の声だと強調。

 「小林環境副大臣は所沢市議会で説明を行ったものの、市民には非公開だった。改めて大臣・副大臣出席で市民を対象にした説明会を開く考えはあるか」と質問。

 小林茂樹環境副大臣は、非公開となったのは所沢市議会事務局の判断だったと釈明。

 私が「大臣・副大臣が公開の場で市民に説明しないのか」と追及すると、小林副大臣は「考えていない」と答えました。

 私は、まともな説明もしないまま計画だけ進めることは認められないと強調し、「計画は撤回せよ」と求めました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年2月10日 内閣委員会 第2号>

○塩川委員 環境省、小林環境副大臣にお尋ねをいたします。
 環境省は、東電原発事故の汚染土壌除去に伴う除染土の再生利用実証事業に取り組んでいます。所沢市の環境調査研修所や新宿御苑、つくば市の環境研究所の敷地内での実証事業を計画しております。いずれも、地元の住民の皆さんからは、反対の声、計画の撤回を求める声が上がっています。
 私が住んでおります所沢では、かつて産廃焼却によるダイオキシンが大問題となりまして、環境問題については皆さん大変危惧、懸念を覚えているところです。
 最近は、米軍の所沢通信基地に米軍の横田基地からの残土が持ち込まれると。米軍ですから、国内法令が適用されないということで、埼玉県の残土条例の適用除外で、汚染土壌かどうかの検査もできないと。こんな格好で持ち込まれる、これはおかしいじゃないかというような市民の大きな声が上がっていたわけであります。
 今度は環境省かと。市民の得られない、汚染土の再生利用実証事業は認められないということを申し上げておきます。
 そこで、小林環境副大臣は所沢市議会で説明をされたということですけれども、非公開だったということであります。市民の皆さんが広く関心を持っている問題について、改めて市民を対象に公開の場で説明を行う考えはありませんか。副大臣も大臣も出席をして、市民に対して公開の場で説明をする、是非やっていただきたいと思うんですが。
○小林副大臣 塩川委員にお答えをいたします。
 環境調査研究所で計画をいたしております実証事業に関して、昨年十二月の十五日に、所沢市議会から説明を求める要望書が提出をされました。この要望書を踏まえて、先週、火曜日でありますが、一月三十一日に行われた市議会の研修会において、私が出席をいたしまして、この実証事業について詳しく説明をいたしました。
 この内容は、除去土壌の再生事業というものがどのようなものであるのかという、その前段、二〇四五年までに福島県に現在置かれている除去土壌を県外に搬出をするという約束をさせていただいている、これに基づいての事業であります。
 なお、この議員研修会は、主催者である所沢市議会事務局の判断によって非公開で行われたというものでありまして、その判断を尊重したというところであります。
 現在、近隣住民に対して説明会を行っておりまして、いただいた御質問、御意見がございますので、これに対して丁寧にお答えをして理解を求めている、このような状況でございます。
 以上です。
○塩川委員 質問をした、大臣、副大臣が公開の場で市民に説明するということはやりませんかについて、お答えください。
○小林副大臣 所沢市議会の要請にお応えをして参加をしたということでありますので、現在、大臣、副大臣が公開の場でということに関しては考えておりません。
○塩川委員 まともな説明もしないで進めることだけ進めるというのは納得いかない、汚染土の再生利用実証事業は撤回すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

【内閣委員会】大軍拡の財源確保で、くらし・文教費にしわ寄せ

 大臣所信質疑で、大軍拡予算を確保するための「歳出改革」について質問し、文教費や公共事業費を削減させる仕組みになっていることを明らかにしました。

↑資料1(クリックで拡大)

 政府は「歳出改革」として23年度からの5年間で非社会保障分野から3兆円を捻出し防衛費に回す計画です(配布資料1)。

 私は、「23年度は二千億円、24年度は4千億円、25年度は6千億円、26年度は8千億円、27年度以降は1兆円削減するということか」と質問。財務省はその通りだと認めました。

 私は、非社会保障費の大部分を占めるのは文教費や公共事業費であることを示し(配布資料4、5)、「大軍拡によって、文教費が大幅に減らされるのではないか」と質問。

↑資料4(クリックで拡大)
↑資料5(クリックで拡大)

 財務省は「23年度予算で、文教費は129億円増やした」と答えたのに対し、私は「物価高騰の中で実質マイナスだ」と指摘し、「この仕組みでは文教費を増やすことはできない」と強調。「首相が言う子ども予算倍増に文教費は入っていないということか」と追及しました。

 松野官房長官は「必要な施策を実施していく」と正面から答えませんでした。

 私は、教育など暮らしの予算を削る大軍拡を撤回せよと主張しました。

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「議事録」

<第211回通常国会 2023年2月10日 内閣委員会 第2号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 新たな防衛力整備計画に関する財源確保についてお尋ねをいたします。
 我が党は、五年間で四十三兆円という大軍拡と、その財源確保には反対であります。この立場で質問いたします。
 防衛力整備計画期間中の二〇二三年度から二七年度までの財源確保は、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入、いわゆる防衛力強化資金、税制措置、国債発行などで行うとしております。
 そこで、今日は歳出改革についてお尋ねをいたします。
 この歳出改革というのはどのような改革を行うのかについて、説明をいただけますか。
○前田政府参考人 お答え申し上げます。
 今、防衛力整備計画に関する財源確保のうち、歳出改革について具体的にどのように取り組むのかというお尋ねでございました。
 今般の防衛力強化の財源確保に当たりましては、国民の皆様の御負担をできる限り抑制するといった観点から、徹底した歳出改革は必要であろうと考えてございます。
 具体的には、従来の歳出改革の取組を継続をするということといたしまして、防衛費の増額に当たりましても、非社会保障関係費全体を見直すことで財源を確保してまいりたいという方針の下、令和五年度予算におきましては、非社会保障関係費の増加額を千五百億円程度とする中で、二千百億円の防衛関係費の増額を確保したということでございます。
 令和六年度以降におきましても、同様の考え方の下、毎年度の予算編成過程において検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○塩川委員 その説明だけだとさっぱり分からないんですよ。配付資料の二枚目の一番下の歳出改革、これを読み上げているわけですけれども、その解説をちゃんとしてほしいんです。この千五百億円と二千百億円の関係もよく分からないんですけれども、その点。
○前田政府参考人 それでは、お答え申し上げます。
 この千五百億円と二千百億円の関係ということでございました。
 今回、令和五年度予算におきましては、骨太の方針等に基づきまして、経済、物価動向等を踏まえて柔軟な対応を行いつつ、これまでの歳出改革の取組を実質的に継続することとされてございます。
 したがいまして、社会保障関係費以外、非社会保障関係費の増加額につきましては、従来、プラス三百三十億円程度に抑えてまいりました。これに対しまして、令和五年度につきましては、消費者物価上昇率が、平成二十五年度から令和三年度まででございますが、過去平均の約四・五倍になると見込まれておりますことから、全体で三百三十億円掛ける四・五の千五百億円程度の増加にするという方針がございまして、その中で、防衛関係費以外の非社会保障関係経費につきまして一層の効率化、これが六百億円程度のマイナスでございます、を図ることで、防衛関係費の増額のうち、二千百億円程度に対する財源を確保した、こういうことでございます。
○塩川委員 来年度の軍事費以外の非社会保障経費について、この一年間の歳出削減実績の、今言った、一層の効率化と言っていた六百億円と、それから物価上昇見込みに相当する千五百億円、これについては合わせて二千百億円ということで、防衛費、軍事費に回すということであって。ですから、来年度の軍事費以外の非社会保障経費について、この一年間の歳出削減実績六百億円を継続するとともに、物価上昇見込みの千五百億円分はそれ以外のところに回さずに、合わせて二千百億円の財源をつくり、これを軍事費に充てるということでよろしいですか。
○前田政府参考人 来年度の物価上昇見込み等、物価、経済上昇の見込みというのは、また別途、それぞれの予算編成過程で検討することになりますけれども、基本的な考え方は先生のおっしゃるとおりでございます。
○塩川委員 ですから、この一枚目でいうと、令和五年度の歳出改革のところが二千百億円、〇・二兆円になるんですけれども、更に各年度積み上げて、合計で三兆円になりますよね。これはどういう理屈でなるのか。
 つまり、来年度、二千百億円、物価上昇分を抑えるということと、この一年間で減らした六百億円、それを足し上げて二千百億円になりますから、そういう努力を今後も毎年度毎年度重ねていくということで、ですから、令和六年度でいえばそれが四千億円になり、令和七年度が六千億、令和八年度が八千億、そして令和九年度に一兆円になる、そういうことで、合計で三兆円でよろしいでしょうか。
○前田政府参考人 今先生にお示しいただきましたこの図にございます三兆円強という数字でございますけれども、まさに先生のおっしゃるとおり、令和五年度では二千百億円、令和六年度は四千億円、令和七年度は六千、令和八年が八千、そして令和九年が一兆ということで、その二、四、六、八、十というのを全て足し上げれば三兆円になる、そういうことでございます。
○塩川委員 それで、配付資料の四枚目、令和四年度の一般会計予算、歳出歳入の構成のところで、歳出の方ですけれども、非社会保障関係経費の中心というのは、ここにあるように、公共事業の六兆五百七十五億、それから文教科振費の五兆三千九百一億、そして防衛が五兆三千六百八十七億、その他が九兆円余りということになっています。
 来年度、五枚目ですけれども、令和五年度におきますと、防衛関係費がトップになりまして六兆七千八百八十億、そして、防衛力強化資金への繰入れ三兆三千八百六億円があるので、軍事費関連が十兆一千六百八十六億円になります。次いで、公共事業が六兆六百億円、文教科振費が五兆四千百五十八億円ということで、軍事費以外の非社会保障経費の多くを占めるのが公共事業費と文教費ということになりますけれども、ここまで軍事予算が拡大をしていく、先ほどのように、毎年度毎年度二千百億円を軍事費に差し出すために、それ以外の非社会保障関係費について、伸びは抑え込む、今までどおり削る分は更に継続的に削り込むということになれば、当然のことながら、非社会保障関係費の主要な経費である公共事業や文教費、これが増えるどころか削られるということですよね。
○前田政府参考人 先生今御指摘ございましたように、この歳出改革によって、確かに非社会保障関係費の中で大きな割合を占めております文教費でありますとか公共事業費がどうなるのかということでございますけれども、歳出改革の対象につきましては、当たり前のことながら、何か特定の分野を念頭に置いているというものではございません。非社会保障関係費全体について見直すということでございます。
 今回の令和五年度予算案について、非社会保障関係費の内訳を見ますと、恩給関係費で三角二百五十二億円の減、エネルギー対策費で三角二百十七億円の減となる一方、科学技術振興費ではプラス百五十四億円の増となるなど、様々な増減がございまして、何か特定の分野を削減して防衛関係費の増額に充てるということではございません。
 その上で申し上げますと、今御指摘のございました文教関係費、令和五年度予算案におきましては、対前年度比でプラス百二十九億円の増額を実現いたしております。公共事業関係費につきましても、これまでに引き続き、安定的な確保を行うことといたしておりまして、前年度比でプラス二十六億円増の六兆六百億円を計上しているという次第でございます。
 今後とも、無駄を排除するなど、歳出改革を徹底してまいりたいと考えてございますけれども、同時に、現下の政策課題に対応いたしまして、国民生活を支えるために必要な予算というものはしっかり措置してまいりたいというふうに考えてございます。
○塩川委員 資料の三枚目を見てほしいんですけれども、財務省の資料ですけれども、防衛関係費と他の非社会保障関係費の対前年度増減額の累積額ということで、説明があった骨太の歳出改革について、三百三十億円抑えるという、その積み上げというのが上から二本目の折れ線グラフの骨太の歳出改革目安で、この七年間で二千三百億円程度ということが抑える目安になっているわけですけれども、それを上回って、防衛費が四千億円程度増えている。一方で、公共は一千億円程度しか増えない、文教科振費は六百四十億円程度しか増えない、その他が大幅に減っているということが、これが今後、もっと一層、防衛費はウナギ登りに増えて、その結果、公共や文教が抑え込まれるということが当然出てくるわけであります。
 先ほど、文教費について、来年度増えていると言いますけれども、物価高騰の中では実質マイナスじゃないですか。まさに今、この仕組みにあるように、物価上昇分はもう見ませんよ、そういう理屈の中で抑え込まれているというのは、もう来年度に既に表れているんです。それをその次も、その次も、その次も重ねていけば、一層のこと、しわ寄せを受けるというのは当然のことじゃないでしょうか。
 政府は、子育て予算倍増などと言いますけれども、最も国民からの要望が高い教育費の負担軽減などが放置をされています。この大軍拡によって、文教費が増えるどころか大幅に減らされるんじゃないですか。
○前田政府参考人 繰り返しの御答弁で恐縮でございますけれども、我々といたしましては、無駄を排除するという歳出改革は徹底して取り組む必要があると考えてございますが、現下の政策課題に対応して、国民生活を支えるために必要な予算というものはしっかりと措置してまいりたいというふうに考えてございます。
○塩川委員 だから、このフレームでは増えないでしょう、しっかり確保できないでしょうということを言っているわけです。
 官房長官、お尋ねします。文科大臣もされておられますから、中身についてもよく御存じだと思いますけれども。
 でも、このフレームだと、どうやったって増やしようがないじゃないですか。ですから、この仕組みでは文教費は増やせないんじゃないのか。それとも、子育て倍増のお金というのは、文教費に入っていない、そもそも枠外だということを示しているということなんですか。お答えください。
○松野国務大臣 塩川先生にお答えをさせていただきます。
 防衛費の規模等についての御議論もいただきました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーション等を行い、必要となる防衛力の内容を積み上げ、導き出したものであると考えております。
 これらは、憲法及び国際法の範囲内で、専守防衛の考え方を堅持した上で、あくまで国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要となるものであります。同時に、本予算において、一般歳出の約六割を社会保障や教育などに充てており、国民生活の向上に直結する経費など、必要な施策を盛り込んでいるところであります。
 今後とも、無駄を排除するなど歳出改革を徹底していきますが、同時に、現下の政策課題に対応し、国民生活を支えるために、必要な予算額はしっかりと措置をしていく考えであります。
 こうした内閣の方針について国民の皆様に御理解を深めていただけるよう、国会での議論も含め、引き続き丁寧な説明を行っていく考えであります。
○塩川委員 説明になっていないんですよ。
 ではお聞きしますけれども、先ほども聞きましたけれども、このフレームだと教育予算を大幅に増やすという仕組みにならないわけですよね。ですから、政府が言っている子育て予算倍増というのは、こういうスキームだと、教育予算は入っていないということなんですか。子育て予算倍増には教育費は入っていないということなんでしょうか。
○松野国務大臣 お答えをさせていただきます。
 子供、子育て政策は、最も有効な未来への投資であると考えております。これを着実に実行していくため、まずは、こども政策担当大臣の下、子供、子育て政策として充実する内容を具体化します。そして、その内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など、様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくかを考えていくということでございます。
○塩川委員 答えていません。
 ですから、子育て予算倍増に教育予算は入っているんですかということについてお答えがないということは、教育予算に対してまともな手当てはしませんと言っているのと同じじゃないですか。このスキームだと、どうやったって増やしようがないわけですから。
 財務省の方が、この間、削減、効率化の取組をやってきましたというので、恩給費の話なんかも言いましたけれども、でも、この間の非社会保障経費の歳出改革というのも、大半が恩給費の減少ですよね。過去七年間で見た場合に、その他が大体三千億円ちょっと減っていますけれども、このうち恩給費が二千七百十一億円ですよ。つまり、下がっているといっても、恩給費が下がっているだけなんです。それは、やはりまともに削ることなんかできないからですよ。
 その際に、じゃ、恩給費、これからも減らし続けるのかといったら、今後の金額でいうと、来年度の恩給費というのは僅か九百七十億円なんです。これも傾向的には減っていくんでしょうけれども、そこから何千億も出てくるはずないじゃないですか。そうしたら、ほかのところを大幅に削り込むしかないんですよ。文教費を大幅に削るということにならざるを得ないというのが、この大軍拡なんじゃないのかと。このことについてまともに説明をしない。これでは国民の理解は得られないというのは当然であります。
 官房長官にお尋ねしますけれども、この歳出改革の仕組みでは、文教費を増やすどころか削るだけになると。こんな軍事費を減らして、教育など暮らしの予算を削る、こういう大軍拡そのものを撤回すべきではありませんか。
○松野国務大臣 先ほど答弁させていただいた内容の繰り返しとなって恐縮でございますけれども、防衛費の規模については、現在の日本を取り巻く安全保障環境に対峙していく中で、必要となる防衛力の内容を積み上げて導き出したものであります。
 同時に、本予算においては、これも先ほど申し上げましたが、一般歳出の約六割を社会保障や教育などに充てており、国民生活の向上に直結する経費など、必要な施策を盛り込んでいるところであります。
○塩川委員 この大軍拡は撤回をすべきだということを申し上げて、この問題は一区切りします。
 官房長官、ありがとうございました。

【選挙制度協議会】現行の選挙制度検証へ

 衆院選挙制度協議会の初会合が行われました。

 与野党国対委員長会談(今月2日)の合意を受け設置され、与野党6党の実務者が出席。座長は、自民党の逢沢一郎議員となりました。

 1996年に現行の小選挙区比例代表並立制が実施されて四半世紀を経て、様々な問題が起こっているとして、現行制度の検証を行うことを確認。

 私は、衆院で議席のあるすべての党・会派の出席を求めました。

 そのうえで、2011年の衆院選挙制度協議会に関する各党協議会で、小選挙区制度が「民意をゆがめる」「過度に民意を集約する」ことを自民党も含め全党が認めていたと指摘。「そのときの各党の一致も踏まえ、小選挙区制度は廃止し、比例代表を中心とした制度にする必要がある」と発言しました。

 また、定数削減について、2016年の選挙制度調査会の答申が「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出しがたい」との結論を出したことを示し「定数削減は行うべきではない」と述べました。

市議選で豊かな実績の日本共産党3議席必ず/茨城・牛久市

 統一地方選で市議選のある牛久市で演説会。遠藤のり子・北島のぼる市議と大森和夫市議予定候補と訴え!

 高校までの医療費無料化、ひたち野うしく駅前の郵便局設置など、豊かな実績を持つ党の3議席を必ず!

 性的少数者や同性婚への差別発言を行う人物を任命してきた岸田首相の責任こそ問われている。

原発事故の汚染土再利用実証事業を考える懇談会/埼玉・所沢市

 党所沢市議団が主催する環境調査研修所での原発事故の汚染土再利用実証事業を考える懇談会。

 環境省は放射性廃棄物の再利用基準を緩和しようとしている。原発事故への反省なく、原発新設など原発政策の大転換と一体のものだ。

 参加者から「環境省は公開の説明会を」「市民運動を広げたい」と。


汚染土再利用は原発推進につながる/市政懇談会で塩川議員指摘/埼玉・所沢

「しんぶん赤旗」2月9日・地方総合ページより

 環境省が東京電力福島第1原発事故の除染で出た土を再利用する実証事業を埼玉県所沢市で行おうとしている問題で5日、日本共産党所沢市議団が塩川鉄也衆院議員を迎えて「市政懇談会」を開きました。

 塩川氏は環境省の計画について、福島の除染土を、放射能濃度が1キログラムあたり8000ベクレル以下のものを公共事業などに使い、同市の環境調査研修所では敷地内の芝生広場の下の土壌に使うものだと説明しました。

 また、同省の安全基準などの問題点を指摘し「汚染土壌の再利用が進めば、原発の新増設を促進することにもつながる。そうした動きは認められない」と強調。福島県内でも実証事業が計画されていたものの、市民の反対運動で計画を中止させたとして「所沢でも、地元の弥生町町会は反対を表明した。市民の声を集めて計画を撤回させよう」と呼びかけました。

 城下のり子市議(県議候補)は、議会として環境省に対し説明を求め、議員向けに説明会が開かれたことを報告。「環境省の担当者は住民に対し『同意を求めない』と説明しており、住民の同意もなしに進めるのなら問題だ」と述べました。

 参加した市民から「これまでの説明会はすべて非公開。次は公開させて」「この問題をよくわかっていない人が多い。みんなが問題点をわかるような働きかけを」などの意見が寄せられました。

空自入間基地の強化/戦場になることを想定した予算/防衛省説明

 空自入間基地の強化について、防衛省からヒアリング。

 概算要求段階の86億円が予算案では210億円に。

 増加分の115億円が基地の「抗たん性の向上」のための施設整備費。抗たん性とは軍事施設が敵の攻撃に耐えてその機能を維持する能力のこと。

 戦場になることを想定した予算です。戦争させない政治こそ!


入間基地強化“攻撃されることを想定”/塩川・伊藤氏ら防衛省から説明

「しんぶん赤旗」2月4日・首都圏版より

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員と伊藤岳参院議員は航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市、入間市)の強化問題について2日、防衛省の担当者から説明を受けました。柳下礼子、前原かづえの両県議、城下のり子(西1区=所沢市)、いのまた嘉直(西4区=狭山市)の両県議候補、佐藤匡入間市議も出席しました。

 来年度の入間基地の予算措置について約210億円の予算が組まれており、C2輸送機の受け入れや入間基地の抗たん性(敵の攻撃に耐えて基地の機能を維持する能力)の向上に使われます。特に抗たん性の向上にはそのために、約115億円が振り分けられています。電気や配水、通信などライフラインの更新と地中化、二重化のための予であり、これらは台風や地どの災害の際に基地機能を維持できるようにするために必要だと担当者は説明しました。

 質疑応答で、参加者から「抗たん性について担当者の説明の中では『攻撃される』ことには触れていない」との指摘があり、防衛省の担当者は慌てて「攻撃された際の基地機能の維持と災害時の維持を合わせた意味で使った」と訂正しました。

米国の統合防空ミサイル防衛は自衛隊と一体化/国会前行動であいさつ

 定例国会前行動であいさつ。

 昨日の志位質問は、米国が進める敵基地攻撃能力とミサイル防衛を一体化した統合防空ミサイル防衛(IAMD)の危険性を告発。岸田首相は「日本と米国のIAMDは別物」と言うがとんでもない!

 米インド太平洋軍は「同盟国とのシームレスな融合」と述べている。一体化そのものだ!


暮らし壊す大軍拡ノー/国民大運動など国会行動

「しんぶん赤旗」2月2日・13面より

 憲法違反の安保3文書撤回、くらし破壊の大軍拡・大増税NOを訴えて1日、衆院第2議員会館前で定例国会行動か行われました。参加者は、「戦争準備ではなく平和外交を」と声をあげました。主催は国民大運動実行委員会、安保破棄中央実行委員会、中央社会保障推進協議会。

 安保破棄中央実行委員会の東森英男事務局長は、安保3文書の狙いは専守防衛の大転換にあると強調。「軍拡増税に対する反対世論も高まる中で、大軍拡・大増税NOの学習や署名か急速に広がりつつある。軍事ではなく外交による平和を求める」と訴えました。

 「大軍拡・大増税NO!連絡会」の前田博史さん(全労連副議長)は、国民に「覚悟」を求める岸田首相の姿勢はまるで戦前だと指摘。「国民諸要求の実現こそ政冶の役創。物価上昇を超える最賃引き上げやインボイス中止を求めて草の根から運動を広げよう」と語りました。

 全国商工団体運合会の中山眞常任理事は、政府か導入を進める税務相談停止命令制度を批判。「基本的人権、団結権、幸福追求権の侵害で軍事国家づくりと一体になったものだ。早急に反対運動を広げよう」と話しました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は、政府が導入を進める「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)について、日米一体化をすすめ米軍とともに先制攻撃するものだと批判。「平和の地域づくりこそ必要だ」と強調しました。

つくば市での原発事故汚染土再利用実証事業計画撤回を申し入れ

 環境省は、つくば市の環境研究所で、原発事故の汚染土再利用実証事業を計画。山中前県議、橋本市議は、計画の撤回を申し入れ。

 原発廃炉に伴う放射性廃棄物の再利用の規制基準は100ベクレル/kgなのに、原発事故の汚染土の場合は8000ベクレル/kg。「公共事業で使うから」と言って、規制の基準緩和は認められない