【内閣委員会】企業主導型保育/急激な事業拡大を批判/認可園の増設こそ

 突然の閉園など問題が相次いでいる「企業主導型保育」事業を拡大する国の姿勢をただしました。

 業主導型保育の助成決定に向けた審査で現地確認されたのは2600施設のうちわずか6件。とても慎重な審査が行われているとはいえない。保育士の一斉退職や突然の閉園などの大本には、2018年度分の整備量を3万人分に引き上げるなど2度にわたる急激な整備量の増加がある。前のめりで進めてきた政府の責任は重大だ。

 宮腰光寛少子化担当相は「これまで量の整備が重点で、質の確保が十分でなかった。反省すべきは反省して改善する」と弁明。

 私は、企業主導型の整備予定数を見直すべきだ――と批判し、公立をはじめとした認可保育所の増設こそ行うべきだと強調しました。

 また、保育士の賃金の地域間格差の問題をただしました。

 保育士の賃金を定める「公定価格」は、内閣府が定める地域区分に応じて額が異なる。埼玉県川口市と隣の東京23区では3万円以上の賃金差があるとした国の調査は、生活実態とかけ離れている。地域間格差の見直しを要求しました。

 宮腰担当相は「納得いかないところがあると思う。今後の検討課題としたい」と答えました。

↓資料はクリックすると拡大します↓

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第198通常国会 2018年03月27日 内閣委員会 9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、まず、公定価格の地域区分の問題について質問をいたします。
 埼玉県議会が、三月十五日付で国に意見書を上げております。幼児教育・保育の無償化に向けて質の確保等を求める意見書ということですが、その中に、「子ども・子育て支援新制度において国が定める補助の基準となる公定価格については、国家公務員の地域手当に準じた地域区分が設定されているが、近隣自治体と公定価格の乖離が著しい自治体においては特に、保育士の確保が更に困難となるおそれがある。」としております。
 大臣にお尋ねいたしますが、近隣自治体と公定価格の乖離が著しい自治体においては保育士の確保が困難となる、こういう事態がある、そういう認識はお持ちでしょうか。

○宮腰国務大臣 各自治体の皆様におかれましては、保育士の確保にさまざまな努力をされていること、また、地域区分について、自治体の皆様にさまざまな御意見があることも承知しております。私も先日、埼玉県の熊谷市長さんとも直接お会いをいたしまして、地域区分に関する御要望を伺ったところであります。
 内閣府におきましても、現場の御意見をより詳細にお伺いするため、今年度、公定価格の設定等に関する調査研究の項目の一つとして、埼玉県を含む自治体にヒアリング調査を行っておりまして、速やかに取りまとめてまいりたいというふうに考えております。
 なお、やはり公務員の地域手当の区分を活用しているものについては、例えば介護報酬や診療報酬等においても、子ども・子育て支援新制度の公定価格と同様に、公務員の地域手当を基本として地域区分を設定しているものでありまして、恐らくこれまでずっと、何らかの基準が必要であるということで、一番公平なのは、公務員の地域区分というのを基準にしているものというふうに考えております。

○塩川委員 自治体からさまざまな御意見があるということで、課題の一つということで、調査研究の項目にも挙げているということで伺いました。
 やはり、当然何らかの基準が必要なんですけれども、それが、人事院における地域手当、それを編集している公定価格の地域区分という、その妥当性の問題というのが問われるわけです。
 資料をお配りしました。地図が一枚目にありますけれども、公定価格の算定要素となる地域区分ということで、埼玉県と東京都の比較をくっつけてつくったものです。これは人事院の提出資料と内閣府の提出資料をもとに作成しました。
 人事院にお尋ねしますが、先ほど熊谷市長のお話もありましたけれども、熊谷市というのは黄色で三%なんですよね、支給割合。その周りの深谷市とか行田市とか鴻巣市とか滑川町とかは六%、東松山市は一二%なんです。このように熊谷は低い。これはどういう理由なのか。
 あるいは、その下の方、南の方に狭山市、緑色でありますけれども、狭山市は一二%ですが、周りの川越市、所沢市、入間市、飯能市は六%、日高市は三%ということで、狭山市が高いんですけれども、何でこんな、生活圏は一緒なのに大きな差が出るのか、それを教えてもらえますか。

○森永政府参考人 お答えいたします。
 国家公務員の地域手当の支給割合は、客観的なデータ、具体的には厚生労働省の賃金構造基本統計調査を用いて算出いたしました賃金指数に基づいて、市町村ごとに支給割合を決定しているものでございます。

○塩川委員 ということで、厚労省の賃金構造基本統計調査による賃金指数に基づいてということで、統計不正の問題はちょっとおいておいて、この数字。この賃金構造基本統計というのはどういう調査なんでしょうか。何でこういう数字、生活実感とかけ離れるような、違いが出るような。そのベースとなるような調査はどんなふうに行っているんですか。

○土田政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省で実施しております賃金構造基本統計調査は、労働者の賃金の実態につきまして、労働者の雇用形態、性、年齢、産業を地域別等に明らかにすることを目的としておりまして、毎年六月の各労働者の給与について調査を行っているものでございます。
 なお、地域別につきましては、全国計と都道府県別の調査結果を公表しているところでございます。

○塩川委員 こういう数字の違いが出るのはなぜなんですかというのを教えてほしいんですが。

○土田政府参考人 お答え申し上げます。
 賃金構造基本統計調査におきましては、市町村別の推計は行っておりません。市町村間の賃金水準についての分析は行っていないところでございます。
 その上で、御指摘の市町村の地域ごとに差異が生じている理由ということでございますけれども、一般論としてお答えいたしますと、この統計調査におきまして、労働者の賃金を把握するためには、労働者を雇用している事業所を抽出いたしまして調査対象としているところでございまして、そういった性格上、当該地域に所在する調査対象となった事業所の賃金の高低差などが地域ごとの差異に反映されることになるのではないかというふうに想定されるところでございます。

○塩川委員 ですから、事業所を抽出する、その事業所の賃金の高低差を反映すると。つまり、大手の大規模事業所があると高くなるわけです。それがない、あるいは卸とか小売中心のような産業構成のところは相対的に低く出る。だから、熊谷市などはそういった傾向になって、一方で、狭山市はホンダの埼玉工場がありますので、これは五千人規模の事業所ですから、だから全体が高くなるんですよ。
 ですから、大手の大規模事業所があるところは高く出る、そうでない卸とか小売中心のようなところになると相対的に低く出る。まさに、産業構成、産業構造を反映しているんです。ということですよね。

○土田政府参考人 ただいま委員御指摘の地域の産業構成につきまして、個々には承知しておりませんけれども、当然、抽出されました企業におきます賃金の実態というものが反映されるということが想定されるということでございます。

○塩川委員 二十三区なども高いというのはそういうものの反映となっているわけですけれども、もちろん、人事院の地域手当の仕組みそのものについて我々異論がありますので、その議論はまた別途しようとは思いますけれども。
 要は、これは内閣府に聞きたいんですけれども、市区町村単位にしているのは、これは人事院がやっているわけですけれども、その人事院のを受けて内閣府が市区町村別にこういうふうに、若干、小規模自治体を勘案した数字を出しているわけです。この色別の地図はまさに内閣府の行っている作業を地図に落としたものなんですけれども、市区町村単位で区分すると、大手の大規模事業所のあるなしで賃金が大きく変動する。
 内閣府に伺うんですが、こういう地域の産業構造に伴う賃金の違いは保育士の賃金水準と関係ないんじゃないですか。

○小野田政府参考人 お答えします。
 委員御指摘の地域区分につきましては、国として統一的かつ客観的なルールのもとで設定することが求められること等を踏まえまして、保育士につきましては国家公務員の地域区分等に準拠して設定しているものでございますが、客観的に国家公務員の地域区分に準拠しているだけでございますので、今委員御指摘の中身まで踏み込んでの準拠とは、今の状況ではなってはございません。

○塩川委員 いや、でも、基本はベースになっているわけですから、こういうふうに出るわけです。これはまさに内閣府の公定価格の算定要素となる地域区分ですから、ベースとなるのは賃金構造基本統計であり、それを人事院の方が編集して、市区町村別にしているということなんです。
 それで、地域手当に基づく保育士の地域区分はどのくらいの賃金差を生むのかを確認したいんですが、内閣府にお尋ねしますけれども、幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査報告書の地域区分別賃金、保育士を見ると、東京二十三区などを例に挙げられる二〇%地域の賃金は幾らで、川口市や戸田市などを例に挙げる六%地域の賃金は幾らとなっているでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 平成二十九年度の幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査によりますと、私立認可保育所における常勤保育士の賞与込みの月収は、百分の二十地域で三十万二百八十四円、百分の六地域で二十六万六千六百六十三円となってございます。

○塩川委員 ですから、六%、百分の六地域の、これは丸めた数字ですけれども、川口市や戸田市に相当するようなところは二十六万六千円なんですよ。それが、荒川を渡って二十三区に入ると三十万円になるんです。荒川を渡るだけで、三万四千円、三万三千円違うんですよね。これは大きな差がつくと思いますし、実際に、更に東京都などが独自の上乗せ措置もやっているので、なおのこと大きな差が出てくるということで、川口駅で乗ったら隣はもう赤羽駅ですから、そういうところでも大きな影響が出る。
 改めて大臣に伺いますけれども、こういった公定価格の地域間格差というのは、これは抜本的に是正が必要なんじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。

○宮腰国務大臣 大変難しい話であります。
 先ほども統括官からも御説明申し上げましたけれども、公定価格の地域区分については、国として統一的かつ客観的なルールのもとで設定することが求められていること、それからまた、ほかの社会保障分野の制度との整合性を考慮する必要があることなどを踏まえて、地域ごとの民間給与の水準を反映させている国家公務員の地域手当の区分に準拠しているということであります。
 地域ごとの民間給与の水準というのが、大企業が、大きな工場があればぱっと上がって、そうではなくて、中小企業や卸、小売主体だというところが余り上がらないという実態もあると思います。ましてや、隣の町とランクが違うというのがやはりなかなか納得いかない部分もあると思いますが、基本はやはり、国家公務員の地域手当の区分に準拠という仕組みは、これはなかなか無視ができないのではないか。全く全国統一的な仕組みが別にあるのであれば、これは別ですけれども。
 なかなか難しい問題でありますが、今後、この公定価格の検討に当たって、これは重要な問題でありますから、検討課題の一つとして、しっかり検討してまいりたいと思っております。

○塩川委員 きょうの参考人質疑でも、桑原参考人は、公定価格の見直しを、市町村単位には不満が多いという意見も述べておられました。
 今、議論とすれば、業種別、職種別の全国最低賃金を設けるとか、全体の底上げをどう図るかという議論も当然あるわけです。そういったときに、地域のこういった、客観的という話をされたけれども、客観的と言えない数字になっているということを含めて、国の政策による保育士賃金の地域格差は見直すべきでありますし、公定価格の地域間格差の見直しが必要だと。
 全体とすれば、そもそも待機児童解消のためには、保育士確保に大きな資源を投入する、抜本的に全体を底上げするということで、保育士確保を図る必要がある、労働条件の改善を図る必要があるということを申し上げておくものです。
 次に、子育て安心プランの関連でお尋ねをいたします。
 子育て安心プランは、二〇二〇年度末までに三十二万人分の受皿整備を行うとしております。この子育て安心プランにおける保育の受皿拡大量の内訳と、その根拠を示してください。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 子育て安心プランに基づいて、二〇二〇年度末までに三十二万人分の整備をすることとしておりますが、この根拠ということでございますが、二十五歳から四十四歳までの……(塩川委員「違う、違う」と呼ぶ)済みません。内訳と根拠ですよね。(塩川委員「内訳。ですから、市区町村と企業主導型との内訳」と呼ぶ)
 内訳についてお答えをいたします。
 受皿拡大量の見込みは、昨年九月の公表時点で、各市区町村による整備分の約二十三万三千人と、これに、企業主導型保育の整備見込み量六万人、この合計が二十九万三千人ということでございます。
 今後、毎年度、計画を見直す中で、潜在的ニーズが具体化し、整備量が増加するものと考えておりまして、二〇二〇年度末までには三十二万人の保育の受皿を整備するということとしております。

○塩川委員 資料の二枚目の方に、厚労省の、待機児童の解消に向けた取組状況という資料を載せておきました。
 上から二段目の右側に、子育て安心プランについて、市区町村の拡大量について約二十六万人、企業主導型保育拡大量について約六万人で、合計で三十二万人となっているんですが、この二十六万人と六万人と分けている、その数字の根拠は何かをもう一回言ってもらえますか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 三十二万人分というのはマクロの推計値をもとにしておりまして、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末までに八割まで上昇するということを想定して推計をいたしております。
 企業主導型保育の整備見込み量六万人につきましては、これは予算との関連で決まってくるものでございますので、予算を見込んで仮置きをしている数値ということでございます。

○塩川委員 これはいつの時点の数字なんですかね。予算上に六万人というのは、いつの時点でそういう数字が出ているんですか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 昨年九月の時点でございます。

○塩川委員 でも、今説明いただいたのは、平成二十九年六月の公表の安心プランの数字で聞いているんですけれども。
 この平成二十九年六月時点で六万人という数字はあったんですか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 六万人というのは、事業主の拠出金率が上限に達したときに実現される数値としております。

○塩川委員 いや、そうじゃなくて、この平成二十九年六月に子育て安心プランをつくったときに、そもそも企業主導型で六万人という数字を、確保する数字として挙げていたのかというのを聞いているんです。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育の六万人でございますけれども、最終的なその決定の経緯でございますけれども、平成二十九年十二月の新しい経済政策パッケージにおきまして、社会全体で子育て世代を支援していくという大きな方向性の中で、経済界に費用を負担していただき、待機児童解消に向けた子育て安心プランに基づく三十二万人分の保育の受皿増分に対応するため、一般事業主から徴収する事業主拠出金を活用し、企業主導型保育事業の拡充と、新たにゼロ歳から二歳児相当分の保育の運営費に〇・三兆円充当することが決定されたところでございまして、具体的に六万人といいますのは、この決定を受けまして、平成三十年度予算編成過程の中で、経済団体との協議の場を通じまして、企業主導型保育事業六万人分に充てる方針となったところでございます。

○塩川委員 ですから、二十九年六月時点に六万人という数字はないわけですよ。そもそも、十二月のパッケージで拠出金の拡充をして六万人にするという話ですから、拠出金の拡充もない段階で六万人の話なんかないんですよ。
 そうすると、二十九年六月時点の子育て安心プランの三十二万人に企業主導型は入っていないということなんでしょう。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 三十二万人という数字は、先ほども申し上げましたとおり、女性の就業率を想定をしたマクロの推計値でございます。

○牧原委員長 要するに、企業主導型がそれに入っているのかという質問です。

○本多政府参考人 それは、内訳を積み上げたものではなく、マクロで決めたものでございます。

○塩川委員 いや、この表に書いてあるから。
 それは多分、パッケージの時点、予算編成の時点の数字なんですよ、二十六万と六万というのは。つまり、二十九年の十二月のときの数字なんです。二十九年六月の時点で六万人という数字はないでしょう、三十二万人のうち企業主導型の枠というのはそもそもあったんですかというのを聞いているんです。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 二十九年六月の時点ではございませんでした。

○塩川委員 ですから、後から持ち込んでいるわけですよ。
 私は、三十二万人というのはそういうマクロの数字ですから、それは実際のニーズとイコールかどうかは別ですけれども、しかし、ニーズに応え得る数字として三十二万人というのを出しているというのはそのとおりだと思うので、そもそも、そういった保育ニーズに応えるような保育の整備量を賄うのであれば、これはやはり、子育て安心プラン実施計画という市区町村が立てる計画があるわけですよね、そこで保育ニーズを踏まえた数字を挙げるわけですよ。だとしたら、この市区町村の子育て安心プランの実施計画で三十二万人を目指すというのが本来なんじゃないですかということを確認したいんですけれども。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 保育の受皿につきましては、市区町村が認可保育所等を中心とした整備を進めることが重要であると考えております。
 一方、企業主導型保育事業につきましては、二十八年の子ども・子育て支援法改正によって待機児童対策への貢献を目的として制度化されたものでございまして、職員配置などが認可の小規模保育事業に準じた基準となっており、内閣府において認可保育所並みの整備費、運営費を補助していることや、また、事業主拠出金を財源として、企業の従業員の多様な働き方に対応できる保育施設であることから、重要な保育の受皿の一つと考えております。

○塩川委員 ですから、本来は、自治体の保育に係る実施計画の中でニーズに見合った整備を行いましょうということが大前提なわけですよ。そういう中には、もともと企業主導型は入っていなかったわけです。もちろん、地域枠を設けて、それをカウントもできますよというのは後で出てくる話なんだけれども。
 要は、三十二万人、三十二万人と言うんだけれども、実際には、当初はなかった企業主導型で六万人を入れましょうと、ぼんと二十九年の末に入ってくる。だから、その数字に合わせるようにどんどんどんどん企業主導型をふやそうというのが、この間の企業主導型をめぐる問題点の背景にあるんじゃないのかということを問いたいわけです。
 ですから、企業主導型は、二〇一六年にスタートをして、二〇一七年は八月の時点で二万人分の前倒しをし、九月に安心プランの二〇二二年度末達成を二〇二〇年度末への前倒しを行いました。二〇一八年は、九月に募集枠の二万人分を三万人分に引き上げた。つまり、企業主導型の申請数が多いと毎年毎年その都度最大限受け入れる、こういう対応を行ってきたというのが経緯じゃないですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 子育て安心プランに沿いまして計画的に進めてきている中で、予算も見ながら、どの程度ふやしていくかというのを判断していっているところでございます。

○塩川委員 いや、前倒し、前倒しで、要するに募集枠を超えるような数があったら、これは、じゃ、もう入れちゃおうと、申請に合わせてどんどんどんどんつぎ込んでいるんですよ。だから、前倒し、前倒しとできるという話なんだけれども、それが結果として今の混乱になっているんじゃないのか。
 きのう、児童育成協会にも行って、現場の皆さんは大変御苦労されておられるわけですけれども、お話を聞いても、例えば審査、監査の問題でも、助成決定に当たって施設の現地確認を行ったのは二千六百施設に対して六件だというわけですよ。
 それとか、あるいは、助成決定を行った審査会を五人で構成しているんだけれども、じゃ、五人のこの審査会がそういった審査を何回の会議でやっているかといったら、三回の審査会で二千六百施設の審査を行っているというんですよ。とても信じられないような事態があるわけで、立入調査も、八百施設入った場合でも、問題ありが七五・八%というのもあったわけです。
 私は、数々の問題を起こしている企業主導型の急激な整備というのがこういう混乱の大もとにあるという点で、二度にわたって前倒しをして、企業主導型を前のめりに推進してきた政府の責任は極めて重大だと言わざるを得ません。
 大臣にお尋ねしますが、結局、市区町村による受皿整備が不十分な場合に企業主導型で穴埋めしようと考えていたんじゃないのか、保育の受皿整備を、企業主導型を帳尻合わせに使うということを計画した政府の責任が厳しく問われる事態なのではないのか。この点についてお答えください。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業は、待機児童問題が大きく取り扱われる中で、まずは、やはり待機児童解消に向けた取組の一つとして、そして、それに加えまして、多様な働き方に応じた保育サービスが提供できる事業としてスタートいたしました。その二つが大事だというふうに考えております。
 しかし、子供の健やかな育ちを図るためには、保育の質の確保は非常に重要であると認識をいたしております。これまで内閣府が事業を進めた中で、量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか、ここは一度立ちどまり、これまでの取組を検証し、反省すべきは反省し、しっかりと改善を図っていくべきではないのか。私としては、そうした厳しい認識のもとに、昨年十二月に実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げました。
 今月十八日に公表されました、当面早急に改善すべき事項についての検討委員会報告におきまして、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」といった改善方策が示されておりまして、今後、検討結果を踏まえ、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 一度立ちどまるという話であれば、今年度の三万人分の受皿についても、これは見直す必要がありますよ。来年度二万人という数についても、それでいいのかという、その検証がそもそも必要だと思うんです。
 実施機関のあり方の話だけじゃなくて、そもそも、審査、監査を行っている現行の施設についての対応がこれでいいのかが問われているわけですので、問題を起こしている企業主導型をふやすということは保育の質の確保や保育の安心、安全の観点から認められないということを申し上げ、公立を中心とした認可保育所でしっかりと保育所の整備を行うということを求めて、質問を終わります。

【内閣委員会】子ども・子育て支援法改定案/参考人質疑

 保育と幼児教育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案の参考人質疑を行いました。

 保育施設での死亡・重大事故の予防活動などに取り組む寺町東子弁護士は「基準を満たす施設を増やし、希望者全員が入園できるようにすべきだ」と意見陳述しました。

 私は、『無償化』は安心・安全の保育の実現と一体で行われなければならない。『無償化』によって、指導監督対象の施設は約7千カ所から1万2千カ所に増える。指導監督体制の抜本的強化が必要ではないか――と質問しました。

 寺町氏は「スタッフが足りていない。人の手当てとそのための予算化が必要だ」と応じました。

 私は保育士不足について、国が保育士の配置基準を緩和するなどしてきたため、長時間過密労働を深刻にして人員確保を困難にしているのではないか――と問いました。

 寺町氏は「おっしゃる通りだ。配置基準が薄まっている施設は離職率が高い。それだけ負荷がかかっているためだ」と述べました。

 首都圏で保育施設を展開する社会福祉法人「桑の実会」の桑原哲也理事長は、長時間過密労働について「現場なので痛感している。昼休憩は子どもたちと一緒に過ごすため休めない。持ち帰り残業もある。労働環境は過密だ」と発言しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


子ども・子育て支援法改定案/基準上げて質確保を

「しんぶん赤旗」3月29日付・4面より

 保育と幼児教育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案について衆院内閣委員会が27日におこなった参考人質疑での、寺町東子弁護士の意見陳述要旨は次の通り。

 最も言いたいのは、認可外保育施設のうち国の指導監督基準を満たさないところは「無償化」の範囲から外すべきだということです。非常に質の低い施設が含まれていて、子どもの死亡事故が起こりがちだからです。

 保育の質を支えているのが、保育士の配置基準など構造的な質と、保育士の賃金など労働環境の質です。

 配置基準は、保育の質を支える指標として非常に重要です。認可外保育施設に対する国の指導監督基準は、保育者の3分の1が有資格者であれば足りるとしており、基準より下の施設には、行政による改善勧告や公表、事業停止や閉鎖命令など排除するための処分を行うとしています。排除するところまで5年間も無償化するとはどういうことか。これでは子どもの命は守れません。

 保護者は、安全で安心できて子どもの発達にプラスになる質の高い保育を求めています。基準を満たさない施設でも無償化になれば、質を高めようというインセンティブがかかりません。基準を満たす施設や事業を増やすことにお金は使ってほしい。

 保育士不足を解消するには、負荷の軽減と給与を増やす両方が必要です。子どもの安全を守り、子どもに寄り添い、応答的関わりを意識的に取り組んでいる保育施設や幼稚園では、国の最低基準を超えて職員配置をしています。その分(の人件費)が持ち出しになり、1人あたりの給与が低くなっています。配置基準を引き上げて負荷軽減と給与増を行うことが必要です。


「議事録」

<第198通常国会 2018年03月27日 内閣委員会 9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 参考人の皆様には、貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。
 早速、質問させていただきます。
 まず、四人の参考人の方それぞれにお答えいただければと思いますが、今回の法案におきまして、無償化ということですけれども、認可外保育施設についても、保育士が一人もいないような保育施設であっても無償化の対象とするということであります。
 このことについて、やはり保育の質の確保の点で非常に大きな懸念があると率直に思っておるんですが、この点についてのそれぞれの参考人の方の御意見を伺いたいと思います。

○松田参考人 御質問ありがとうございます。
 私ですけれども、最初全てを無償化することで、方針に賛成します。
 理由ですけれども、これは、そこに子供を預けている親御様から見たときに、やはりその経済的負担が軽減されることが大事であるということ。そして、認可外保育施設の中には、やはりそこしかないので、さまざまな事情、あるいはサービスが夜に提供されている等ですね、それを全く排除してしまいますと、お子様や親御様の不利益になってしまう可能性があると思います。
 しかしながら、大事なことは、この法案を契機に、その施設を認可の方に移行を促す、あるいはサービスの質を上げていく、ここのきっかけにすることが大事ではないかと思います。

○松居参考人 例えば、公立の保育園でも、十五年ぐらい前に、無資格者がいるということは考えられなかったわけですよね。それが、十一時間が標準になり、又は十三時間開所になった時点で、やはり、最後の三時間、資格者を雇うというのは無理になってきた。それと同時に、小規模保育のB型なんかは、半数は無資格者でいい。家庭的保育事業なんかもそうですけれども、無資格者を入れていかないと成り立たないような状況に、もう完全に流れがそうなっているわけですよね。
 資格を持っているから保育ができるとは私は思わないんです。潜在保育士はいますけれども、やはり保育士専門学校に行って実習を一週間やれば、これは無理だなと思う人が五割、六割いるんですよ。やはりそういう人は現場に出ない。自分で自分を埋めてくれるわけですよ。保育士を掘り起こせという言葉からこう言っているわけですけれども。
 役場の人なんかも言うんですけれども、公務員で雇っても、やはり十人に一人ぐらいは、子供を扱わせちゃいけないなという人を雇っちゃうんですよ。そういう人は大体児童館に埋めるとか、そんないろいろな方法があったんです。それを資格を持っているから掘り起こさなきゃならないという状況にまでなってきている。
 そういう中で、現場で、あの人を掘り起こすんだったらもう来なくていい、国基準を割ってもいいんじゃないかと。つまり、ゼロ、一、二歳の保育というのは、その部屋の雰囲気、空気なんですよ。そこに一人、子供をどなったりたたいたりする人がいると、もう周りの空気が壊れてしまうんですね。だから、そういうことからしても、やはり無資格者がこれだけ入ってくるようになっちゃっているというのは、これは危ないですよ。
 やはり、今度の無償化によって、無資格者をもっと入れなければならない状況になっていくんだということは全国各地の人たちが言います。私、おととい保育士会の前会長の御園先生に電話して聞いたときも、それは言いました。これはもうそうなるんですよ。だから、それを受け入れられるだけの質を担保しないでこれが進んじゃうことがどうなのかというところを論議しないと。
 ゼロ歳、一歳で一日保育士に話しかけてもらえないとか、こんなのはもう脳障害になっちゃいますよ。小規模保育の園長で、ゼロ歳、一歳の保育士に、とにかく子供に話しかけるな、だっこするなと言うんですよ、子供は生き生きとすると事故が起きる確率が高くなるでしょうと。もうそこまで園長たちも追い込まれているんだということをぜひぜひ、現場の人たちに聞いて、知っていただきたいというふうに思います。

○桑原参考人 やはり、質を担保せずにではいけないと思います。質こそ担保された上で、認可外の、そういう人たちの事業を妨げるわけじゃありませんが、起こってはいけないことが起こり得ることは懸念しております。
 以上です。

○寺町参考人 認可外保育施設の指導監督基準というのは、先ほども申し上げましたが、プラスしていく基準ではなくて、これ以下はだめだよという、排除をしていく基準です。
 子供が何かの拍子にぎゃあと泣き出して延々と泣きやまないというときに、親でもつらくなります、しんどいなと。そういうときに虐待をしないで済むのは何かといったら、愛情と専門性です。もちろん保育施設の職員の方で愛情いっぱいの方もいらっしゃいますけれども、最低限を画するという観点からいうと、愛情がない人でも虐待しないためにどうするのかといったら、そこは専門性なんですよね。そういう意味で、専門知識を有している方が一人もいない施設というのは、私は非常に危険だというふうに考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。
 次に、寺町参考人にお尋ねいたします。
 今回の無償化を契機に、いわば認可外で対象となる施設がふえる、指導監督する対象施設そのものが大きくふえる。例えば、事業所内保育施設三千八百カ所ですとか、ベビーシッター約九百カ所なども入ってくるということになりますと、指導監督の施設そのものが、七千カ所が一万二千カ所近くと大きくふえるわけですよね。そういった際に、認可外施設への指導監督体制はこれで現状どうなのかと率直に思うんですが、お考えをお聞かせいただけないでしょうか。

○寺町参考人 やはり、指導監督権限を有している都道府県あるいは政令市の指導監督に回るスタッフの人数というのが、非常に足りていないということがあろうかと思います。
 特に東京都では、指導監督に入れていない施設の割合というのが非常に大きい。現在でも二〇%ぐらいしか入れていないと思うんですね。そういう意味では、そこの監督の部分についてもきちんと人の手当てをして、予算化していくということが必要ではないかというふうに思います。

○塩川委員 ありがとうございます。
 次に、桑原参考人と寺町参考人にお尋ねいたしますが、この委員会で、法案にも関連して、企業主導型保育事業についての議論を随分行っているところです。
 企業主導型保育施設の入所児童は九割以上が〇―二歳に当たるということで、安全に対する取組は何よりも重要だということになります。
 それと同時に、企業主導型の場合には、夜間とか、休日勤務とか、短時間勤務とか、一時預かりなど柔軟に対応できるということを掲げているという点でいいますと、さまざまなニーズに応えた保育を必要としており、子供にとっては非常に強いストレスを覚える環境ではないのか。保育者には通常の保育以上に専門性が要求されるわけですし、夜間とか短時間などは、特殊な保育ともなるために、安全性が一層求められると思っています。
 その点で、こういった条件に対応した保育を行うためには、保育士の配置について、企業主導型については五割以上、もちろん小規模Bに相当するとかいろいろあるわけですけれども、認可と同等になっていないというのは、これは問題ではないのかと率直に思うんですが、その点についてのお考えをお聞かせいただけないでしょうか。

○桑原参考人 私どもも、地域型とか、以前にも病院の看護師さんのための保育をやっていた経緯がございます。やはり、考え方としては、全く認可に準ずる形で私どももやっておりました。
 これは、社会福祉法人の使命として、地域にある企業さんとの関係でやっておりましたけれども、そういう意味でいえば、認可基準というものは、最低限と言われておりますけれども、それを遵守するというのは、人員配置も願わくばそうであってほしいなとは思っております。
 以上です。

○寺町参考人 私も全く桑原参考人と同様に考えます。
 企業主導型の中には、たしかIT企業のケースだったと思いますけれども、そこの企業の従業員さんと同じ金額、給与、所得体系、いい待遇で保育士さんを雇って設置しているというようなところもありますので、そういう、保育士さんを大切にする、従業員の子供を預かるんだから同じようにメンバーシップでやるというぐらいの手厚いことをしていただけるところにこそ、お金がどんどん行ってほしいなというふうには思います。

○塩川委員 ありがとうございます。
 寺町参考人にお尋ねしますが、保育士の配置の関係で見ますと、実際には、待機児童がふえた場合に、施設をふやし、また保育士をふやしていくという方向が本来望ましいわけですけれども、そうならない状況のもとで、配置基準そのものを引き下げるような方向での規制緩和策というのを政府がとってきているという点が、この間、課題となっているわけです。
 その点では、人員配置や面積基準について独自の上乗せ基準を実施する自治体に見直しを求めるような通知を出してきたということも、それを受けてやっているかどうかというのはまた別ですけれども、国としてそういう姿勢で臨んでいるということが問われることだと思いますし、企業主導型保育事業も、いわばそういった一形態ではあるだろうと思っています。
 そういう点では、結果として、そういった保育士の配置の基準などを引き下げるような方向の対応というのは、かえって長時間過密労働も深刻にして、保育士の確保を困難にし、保育の質の低下をもたらすことになりかねないと思うんですが、その点について、お考えはいかがでしょうか。

○寺町参考人 おっしゃるとおりかと思います。
 保育士の比率が下がるということは、どの時間帯にも保育士は必ずいなければなりませんので、そうすると、有資格者としてその職場に入っている方個人で見ると、シフトの回数がふえるとか、長時間になるとか、そういう意味で、重い負荷がかかるようになってきてしまうんですね。なので、配置基準が薄まっている施設において離職率が高いということは、それだけ負荷が重いということを示しているのではないかと思います。

○塩川委員 ありがとうございます。
 あと、保育士の労働時間の、業務負担の関係で桑原参考人と寺町参考人にお尋ねしたいんですが、保育士の賃金の問題について、やはり全産業に比べて月十万円低いとかという現状がある。これを見直すということは重要です。同時に、労働時間についても、実際には、さまざまな業務負担が多いものですから、それが非常に保育の従事者の方にとっては大きな負担の要因になっている。
 全国的なそういう実態調査を国がやっているのかと言っても、そういうものはないという話で、私はこの委員会では、愛知県で研究者の方がやっておられる保育士の実態調査の話も紹介して、つまり、朝、仕事を始める前にそういったさまざまな計画づくりに対応するとか、昼休みにもそういう準備をするとか、仕事が終わってから次の日の準備をするとか、あるいは風呂敷残業で持ち帰りとか、そういう事例もかなりあるという話もありました。
 もちろん、園の実情、施設の実情、当然、差があるわけですけれども、全体として、非常に労働時間が長いといったこと、業務負担が非常に大きいことというのが、保育士の就業継続を困難にする、そういう要因になっているんじゃないのかと思うんですが、それはどのように受けとめておられるのか、お聞きしたいと思います。

○桑原参考人 現場ですので、私もそのことは痛感しております。持ち帰り残業みたいなものが実際あるのは事実ですし、例えば保育園の中で昼休みはみんなどうしているかというと、休憩だって、いわゆる労働時間で定められている休憩はちゃんとありますけれども、子供たちと一緒に食事し、一緒にやっています。その中で、お昼寝している間にいろいろなことをやったりするのは事実です。
 ですから、一緒くたに労働環境を、一保育士云々ということになると、すごく過密的に思います。これを、今、我が桑の実会でもどう分担化するかということをやっていこうと思っております。
 要するに、一人の労働者に対する負荷は、ほっておくと過密になります。ですから、ここを、パートさんを含めた、いわゆる主たる保育、従たる保育、それから裁量的なことを分担しながら、質的な労働時間というものを緩和していくことを目指して今やっております。
 以上でございます。

○寺町参考人 私立保育園連盟が、ノンコンタクトタイム、要は子供と直接接しない時間についての調査を先日行っておられましたけれども、ノンコンタクトタイムをきちんと確保するということは、実は保育の質を確保する上で非常に重要であります。子供が何に関心を示したのか、どういう行動をしているのかとか、そういうことをきちんと言語化して、記録化していくということが保育の質を上げていくことにつながっていくんですね。
 保育の質を確保するために重要な記録の時間、事務仕事の時間というものを子供と接する時間以外にきちんと設ける、それを八時間の勤務時間の中で確保していくということが、保育士さんたちの残業を減らしたり、保育の質を高めたりというところで非常に重要だと思います。
 幼稚園教諭と同じように、例えば直接子供と接遇する時間が六時間だったら、一時間は別に事務仕事の時間を確保するとか、そういうような積算が必要ではないかというふうに思います。

○塩川委員 ありがとうございます。
 あと、四人の参考人に公定価格に関連してお尋ねしたいんですが、地域格差の話なんです。
 例えば、埼玉の県議会がことし三月に、無償化に向けて質の確保を求める意見書というのを出しているんですけれども、そういった中に、「公定価格については、国家公務員の地域手当に準じた地域区分が設定されているが、近隣自治体と公定価格の乖離が著しい自治体においては特に、保育士の確保が更に困難となるおそれがある。」と。埼玉と東京で大きく差があるといったことなんか、所沢なども身近に、非常に強く感じておるわけです。
 こういった公定価格の算定要素となる地域区分について、賃金の差が生まれる、それが保育士確保についてもさまざまな困難の要因をつくっているんじゃないかと思うんですが、その点についてお考えをお聞かせいただけないでしょうか。

○松田参考人 申しわけありません。その点に関して、十分にお答えできる知識が私にはありません。

○松居参考人 やはり、地元に保育士養成校がありながら、一人も地元に来なかったみたいなことが埼玉なんかはあるんですね。東京が近いからということでもあるんですけれども。
 やはり、私が住んでいる杉並区なんかでも八万円の居住補助とか、いろいろなインセンティブを出しているわけですね。そうすると、税収の多いところが得になってくるということは確実に出てくると思うんです。
 それともう一つは、地域によって、幼稚園が一つもない自治体というのが全国に二割あるわけです。そこはもう全員、保育園でずっと来ていたわけですよ。役場の行政指導で、にせ就労証明書を書かせてというのをずっとやってきた。かと思えば、七割が公立幼稚園でやっているところもある。それと、あと、私立か公立かという、その割合の問題も含めて、余りにも自治体における保育の仕組みが違うんですよね。そこに一律これを当てたときにどうなるか。
 一律当てたときに、まず、公立の保育園の中で出るのは、やはり八時間よりも十一時間の方がお得なんですよ。延長料金が発生する時間がやはり違うわけですから。
 それとか、やはり全体的に見ると、自分で子供を育てている人が一番損なんじゃないかというような図式に見えてくるわけですよね。
 私は、やはり子育てを損得勘定で考えるというのは邪道だと思うんです。損得勘定を捨てるために子育てがあるみたいに思うんです。それでもやはりそういう損得勘定へ引き込まれていくような仕組みになっているなということは、いろんな自治体の課長さん、部長さんがやはり言います。
 それと、差が出るのが、給食費をどれだけやるかというのを現場でやれというわけですよ。これは、結構危ない個人情報を現場の保育園に役場からこうやってどんどんやっちゃっていいのみたいな、訴えられたらどうするのみたいなことも起こっている。
 だから、小さいことを言えば、本当にいろんなところにいろんな問題が噴出し始めているということですね。それはやはり格差の問題だと思います。

○桑原参考人 まさしく、地域間連携が必要なんですけれども、地域間格差があると思います。その意味で、ぜひ、市町村の枠組みを超えて、また都道府県の枠組みを超えて、地域の子育て事情、人材確保において、協議会を実のあるものとしてつくっていただきたいなと思います。
 一応、そういう協議会が市町村の枠組みを超えてできるようにはなっているとは聞いていますが、既得権益がある関係上、なかなか前に進んでいないとも聞いております。
 その意味で、地域間格差をなくしていくためには、公定価格も含めて、本当に、もっと大きな意味の公定価格を設定した方がいいと思います。市町村単位の公定価格は余り意味をなしていないというか、不満が多いと思います。
 以上です。

○寺町参考人 地域間格差、あると思います。
 そして、じゃ、それを埋めるためにどうするかという手段として、一つ、桑原参考人がおっしゃったところかと思いますが、もう一つは、情報供給をきちんとする、そこのインフラの部分をハローワーク等で支えてあげるということがすごく重要ではないかというふうに思います。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

慎重な審査が行えるのか/内閣委員会で児童育成協会の実態を視察

 内閣委員会で児童育成協会の視察。この間、問題となっている企業主導型保育事業の審査、監査を行っている法人です。

 企業主導型保育事業の助成決定にあたって、施設の現地確認を行ったのは、約2600施設に対してわずか6件。自治体が必ず現地確認する認可保育所などでは考えられない事態です、

 助成決定を行う審査会は、経営・会計・保育などの専門家5人で構成されていますが、3回の審査会で2600施設の審査を行うといいます。とても慎重な審査が行えるとは思えません。

 監査業務として、全施設について年1回の立ち入り調査を行うといいますが、実際に監査業務を行っているのは、委託先のパソナです。でも、そのパソナは企業主導型保育施設のコンサル業務を行っています。パソナがコンサル業務をしている施設に立ち入り調査をしているのはおかしいのではないかと質しても、パソナがコンサル業務をしている施設について把握もしていないといいます。

 これで大丈夫といえるのか。

国立公文書館議員連盟の総会/主要国並みの職員配置の実現を

 国立公文書館議員連盟の総会に出席。政府から新たな国立公文書館の基本設計の進捗状況について、国立公文書館からはアーキビストの養成について報告があり、懇談。

 私は、公文書管理の専門家の養成は極めて重要で、主要国並みの職員配置の実現を求めました。

 また、衆院議院運営委員会では、公文書館・憲政記念館小委員会を設置し、新国立公文書館の基本設計の進捗状況の報告を求めるとともに、新憲政記念館のあり方の検討を行うこと、立法府の公文書の取り扱いについても検討を行うことになっていると紹介。国会における公文書管理の議論を深めていきたいと発言しました。

さいたま市見沼区/戸島県議予定候補、青柳・とば市議予定候補と訴え

 さいたま市見沼区で街頭演説。市議4期16年の戸島よし子県議予定候補、青柳しんじ・とばめぐみ市議予定候補と一緒に訴えました!

 所得を減らしている庶民への消費税増税でなく、儲けを増やしている大企業、富裕層に対して、儲けに応じた 税の負担を求めるのが日本共産党の提案です。日本共産党の躍進で、消費税10%増税にストップを!


安倍政権審判のチャンス/埼玉で街頭演説/塩川氏ら

「しんぶん赤旗」3月26日付・首都圏版より

 24日、さいたま市見沼区。弁士は塩川鉄也衆院議員、戸島よし子県議予定候補、青柳しんじ、とはめぐみ両市議予定候補。

 塩川氏は、消費税増税ストップなどを訴え、「日本共産党の議席を増やすことが安倍政治を追い詰める何よりの力になる」と強調しました。

 戸島氏は自民党の賛成で県議会が原発再稼働を国に求めたことを批判し、「原発ゼロが国民の願いだ。原発再稼働を求めるなど許されない」と断じました。

 とば氏は「青柳氏とともに2倍、3倍の市民の声を届けていく」と決意。青柳氏は「今度の選挙は安倍政権に審判を下す絶好のチャンスだ」と呼びかけました。

 

埼玉・春日部市/秋山文和県議と街頭演説

 春日部市内で、秋山文和県議の応援に!

 市民要求実現のために奮闘してきた秋山文和県議。先日も東武鉄道本社に足を運び、駅の安全性、利便性の改善を求める要請を行ってきました。特別支援学校の過密化の改善のために、岩槻に特別支援学校の建設をと県議会で提案。県教育長が「有力な対策の一つ」と答弁し、建設への道筋をつけることができました。

 国保のエキスパート、秋山文和さんを再び県議会に送って、国保税の引き下げを実現しましょう!


安倍政権審判のチャンス/埼玉で街頭演説/塩川氏ら

「しんぶん赤旗」3月26日付・首都圏版より

 24日、埼玉県春日部市。弁士は塩川鉄也衆院議員、秋山文和県議。

 塩川氏は、消費税増税ストップなどを訴え、「日本共産党の議席を増やすことが安倍政治を追い詰める何よりの力になる」と強調しました。

 秋山氏は、県議会で特別支援学校の過密化解消に取り組んできたことにふれ、「県民の要求をみなさんと力をあわせて実現していく」と訴えました。

埼玉・北越谷駅前/金子まさえ県議と街頭演説

 北越谷駅前、金子まさえ県議の応援に駆けつけました!

 児童虐待が深刻な問題となる中、児童相談所の体制強化に一貫して取り組んできたのが金子まさえ県議です。県内で最も多くの県民(120万人)に対応しなければならない越谷児童相談所の体制強化を訴え続けたことにより、来年度、草加市に児童相談所が設置されることになりました。かけがえのない議席です。何としても押し上げてください!

 消費税増税ストップ、国保税引き下げの願いを日本共産党の金子まさえ県議にお寄せ下さい!

埼玉・川口市/村岡まさつぐ県議と街頭演説

 川口市内、村岡まさつぐ県議の応援に駆けつけました!

 地震、豪雨、大雪、竜巻など、災害現場に真っ先に駆けつけ、被災者の声を県政、国政に届けてきたのが村岡まさつぐ県議です。その奮闘が県独自の被災者支援制度創設につながりました。なくてはならない議席です。

 消費税増税中止、高すぎる国保税引き下げの願いを日本共産党の村岡まさつぐさんにお寄せ下さい!

米軍横田基地から所沢通信基地への土砂搬入計画の中止を/埼玉・所沢駅前で宣伝行動

 所沢駅東口で、米軍横田基地から所沢通信基地への土砂搬入計画の中止を求める宣伝行動に参加。日本共産党から柳下れい子県議、伊藤岳参院埼玉選挙区予定候補も参加しました。

 学校や住宅地の真ん中に、土砂置き場をつくるなどとんでもない!毎日120台ものダンプカーが通行し、通学路の安全など道路環境の悪化も心配です。

 民間業者に引き取りを求めればいいものをわざわざ所沢基地に積み上げるのは、土壌汚染があるからではないか。

 日米地位協定の下、日本の環境法令は米軍には適用されません。ドイツ、イタリアのように、米軍にも国内法を適用し、米軍基地への立ち入り権を認めさせるべきです。

 全国知事会は、日米地位協定の抜本改定を国に要求しています。所沢市も土砂搬入計画の中止、地位協定の改定を国に求めています。

 市民ぐるみの運動で土砂搬入をやめさせましょう!

【内閣委員会】長時間・過密労働/実態調査し保育士の処遇改善を

 子ども・子育て支援法改正案の質疑に立ち、保育の質・量の確保のために保育士の処遇改善を求めました。

 保育士の求人数は伸びている一方で、求職者数は減少しており、2019年1月時点で保育士の有効求人倍率が3.64倍(全国平均)にのぼっていることを確認。その背景には全産業平均と比べて約10万円も低い賃金と長時間・過密労働がある。

 研究者らが行った愛知県の実態調査によると、約8割が、朝・昼・夕に加え、持ち帰りの時間外労働を行っていること、約4割で「そもそも残業申請する習慣が職場にない」など多くが時間外労働分の賃金が支払われていない。

 私は、政府は保育士の労働実態を調査しているのかと質問。

 厚生労働省は「保育士に特化したものはない」と答えました。

 実態を把握してこそ適切に対応できる。政府の対策は処遇改善につながっていないと批判しました。

 「保育士の処遇改善を通じて受け皿確保をしていかなければならない」などと答える宮腰光寛少子化対策担当大臣。

 それに対し、私は、政府は保育士の配置基準の引き下げなどで待機児童に対処してきた。長時間・過密労働を深刻にし、かえって保育士確保を困難にしている。このような規制緩和のやり方を是正してこそ保育士の確保につながる――と賃上げや配置基準の見直しによる処遇改善を重ねて求めました。

↓使用したパネル、クリックで拡大します↓

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第198通常国会 2018年03月22日 内閣委員会 8号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、保育士の処遇改善についてお尋ねをいたします。
 大臣にまずお尋ねいたします。
 待機児童対策や保育の質の確保を進めるためにも、保育士の抜本的増員と労働条件の改善が必要であります。その点で、保育士不足の現状についてどのように受けとめておられるのか。保育士不足の現状認識について大臣にお尋ねをいたします。

○宮腰国務大臣 保育の受皿整備に伴いまして、全国的に保育士の有効求人倍率が高い水準で推移していると承知をいたしております。
 直近の平成三十一年一月には、保育士の有効求人倍率が、全国で三・六四倍、東京都に限って申し上げれば六・七一倍という状況にあります。
 保育人材の確保を図るため、政府を挙げて処遇や勤務環境の改善などに取り組んでいかなければならないというふうに認識をいたしております。

○塩川委員 今御答弁ありましたように、ことしの一月の有効求人倍率が三・六四倍ということで、東京では六・七一倍と大変高い数字で、これは、平成二十七年の一月の時点での有効求人倍率が二・一八だったものが、今回三・六四という形で、非常に大きくふえているということです。
 その点で、こういった有効求人倍率が高い保育士不足の状況というのは、大都市圏だけの話ではない、全国的にも保育士不足が広がっているのではないかと認識しておりますが、その点についてお答えいただけますか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 有効求人倍率を見ますと、大都市圏以外の都道府県でも保育士の求人倍率は高くなっておりますので、人材を確保しがたい状況が広がっているものと認識しております。

○塩川委員 大都市圏以外でも広がっている。保育士確保がなかなか困難になっているという状況が全国的にも広がっているということです。
 首都圏でも、東京が六・七一ですけれども、埼玉は四・五九ですし、茨城も四・二五、栃木も三・六四という形で、非常に全体としても高い状況があるわけです。
 全国的にもそういう傾向があらわれているということで、その上でお聞きしたいんですが、求人数は非常に増加をする、その一方で、求職者数というのはどうなっているんでしょうか。

○本多政府参考人 申しわけございません。ちょっと御通告をいただいていなかったものですから、求職者数そのものの数値が今手元にございません。

○塩川委員 有効求人倍率ですから、求人数と求職者数ということで出るわけですけれども。
 有効求人倍率において求人数は大きく伸びているわけですけれども、一方で、求職者数を見ますと、二〇一三年の一月に一万二百五件だったのが、二〇一八年の一月では九千七件ということで、〇・八八倍ということで、求職者数はこの間で減少している。こういう実態にあるということは認識しておられますか。

○本多政府参考人 求人倍率が上昇しておりますので、要因は、求人の増加と、あとは求職の減少があり得るものと認識しております。

○塩川委員 ですから、求人がふえているだけじゃなくて、求職者数が減っているという点が極めて重大だと受けとめざるを得ません。
 その上で、ですから、こういった状況になっている、このような人手不足の要因は何なのか、この点はどのように分析しておられますか。

○本多政府参考人 お答えを申し上げます。
 保育士さんの就職を希望しない理由などを拝見いたしますと、就業時間が希望と合わないですとか、また健康や体力面で不安があるですとか、また、休暇が少ない、とりにくいといった理由が挙げられております。そういったことが人手不足の背景にあるのではないかと考えております。

○塩川委員 就業時間等々労働時間の話もありますし、賃金などについても当然そういった、低賃金などについても人手不足の要因として挙がっているのかどうか、その点はどうでしょうか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 済みません、先ほどちょっとお答えの中に漏れておりますけれども、賃金が希望と合わないといった理由も挙げられているところでございます。

○塩川委員 人手不足の要因として、賃金が低いことが挙げられます。あわせて、やはり業務負担が多いという中で、長時間労働を強いられるといった労働時間の面の問題もある。
 そういう点で、政府の施策、この後少し議論しますけれども、処遇改善策というのが実際は賃金が中心という点で、こういった労働時間の時短を図る、こういった面も重要だということを人手不足の要因として指摘をしておくものです。
 まず、賃金についてですけれども、保育士の賃金は全産業平均とどれだけのギャップがあるんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省が実施します賃金構造基本統計調査によりますと、全産業と保育士の差は、基本給等の決まって支給する給与月額で見ますと、二〇一七年は十・四万円となってございます。

○塩川委員 月に十万円の差があるということですけれども、政府の施策としては、全産業平均と十万円の差があるという保育士の賃金について、保育士の賃金についてどの程度の賃金水準にしていくというつもりなんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えします。
 全産業の賃金も見据えながら処遇改善を図っていくことが重要だと認識してございます。
 保育士の処遇改善につきましては、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施してきております。さらに、ことし四月からは、月額約三千円の処遇改善をすることにしてございます。

○塩川委員 では、いつまでに全産業平均にたどり着くようなそういう改善を行うのか。そういう目標というのはあるんですか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 処遇改善につきまして、その目標や具体的な達成時期というのは定めておりませんけれども、他産業の労働者の賃金の状況も見ながら、また、安定的な財源も確保しながら進める必要があると考えております。

○塩川委員 全産業平均との大きな違いがあるのが今の保育士の賃金ですけれども、例えば過去との比較を見ても、縮まっていると本当に言えるのかというのもあるんですが、例えば、厚労省の方からいただいた、保育士の平均賃金の推移を全職種との関係で比較をした年次の推移のグラフをもらったんですが、平成二十二年で全職種と保育士の差が百四十一・八万円なんですけれども、平成二十九年だと百四十九万円というので、平成二十二年と二十九年の比較ではまだ差が開いている。
 もちろん、三十、三十一と来ていますから、その数字の比較をするとまた違うのかもしれませんが、決して詰まっているという状況じゃない。つまり、十年前と比較をした場合に、本当に詰まっているのか。この間、開いてきているのが実態ですから、それが若干埋まってきているだけの話であって、全産業平均とのギャップを埋めるような、そういう大幅な賃上げにないというのが、この実態からも見てとれるわけです。
 そうしますと、先ほどお話ししましたように、求人がふえている一方で求職者数が減っている。これはやはり産業としての保育の魅力に劣るということにもなるわけで、そういったときに、施策として、本気で保育士をふやすというのであれば、ほかの産業を上回って人材を引きつけることができなければならない。ですから、ほかの産業を上回って人材を引きつけることができなければ保育ニーズに見合った保育士の確保は困難じゃないかと思うんですが、その点での認識はいかがですか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 保育士の人材確保のために、ほかの産業の賃金の状況も十分に勘案しながら処遇の改善を進めてまいる必要があると考えております。

○塩川委員 ほかの産業を勘案しながらというんじゃなくて、ほかの産業を上回るような措置がないと人が集まらないんじゃないですか、そういう立場でやるのかということを聞いているんですが。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 ほかの産業の賃金も今後改善していく可能性もございます。処遇改善につきましては、保育ももちろん重要なんですけれども、オール・ジャパンでも重要な課題かというふうに承知をしております。
 そういった中で、相対的に保育労働者の方の処遇の改善を、やはり他産業の状況も踏まえながら進めていくことが重要だと思っておりますし、また、保育士という職業の魅力アップのためには、処遇改善もございますけれども、業務負担の軽減ですとか、そういったほかの面でも魅力アップを進めていく必要があるというふうに考えております。

○塩川委員 ほかの産業を上回るような賃金水準、ほかの産業を上回る形で人材を引きつけるにふさわしい賃金水準に現状なっていないわけで、それをどうするのかということが問われているということと、あわせて業務の改善のお話もありました。この点も重要だと思いますが、現状の政府の処遇改善策が、保育士の低賃金を大幅に改善するものとはなっていないということです。
 次に、今出ました業務負担の問題なんですけれども、保育士の時間外労働の実態というのは把握しておられるでしょうか。そういう中で、時間外労働について不払いがある、そういう実態というのは把握をしておられますか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 保育士の時間外労働また賃金不払いの状況についてのお尋ねでございます。
 まず、各保育所におきましては、労働基準法を遵守して、それぞれの施設の実情に応じて適切な勤務環境を整えていただくことが重要であると認識をしております。
 実態についてですが、都道府県等による指導監査の際に、時間外労働に係る労使協定の状況など、保育士の労働環境について確認をいたしておりまして、不適切な残業などの問題が認められる場合は、都道府県等による指導の対象となるものでございます。

○塩川委員 ですから、労基署が入るようなときにどうかというのもありますし、もちろん都道府県等の指導監査の際に確認をするということは当然あると思うんですが、そもそも、保育士の労働実態全体がどうなっているのかといった現状の実態、こういう現状の実態調査というのは、これは国としてやっておられるんですか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 全産業を対象とした政府統計などはございますけれども、特に保育士に特化した調査というのはやっておりません。

○塩川委員 保育士に特化した調査を行っていない。しかし、今言ったように深刻な人手不足なんですよ。そういったときに、求職者数もふえない、減るような状況であるときに、今の保育士の働いておられる実態を正確に把握することでこそ適切な施策になるんじゃないのかといった点で、そういった実態調査がされていないというのは極めて残念であります。実態把握をしていないこと自体が問題だと言わざるを得ません。
 そこで、私、御紹介をしたいのが、研究者の方などが昨年六月に取りまとめられた、愛知県における保育労働実態調査の内容であります。あいち保育労働実態調査プロジェクトとして、愛知県内の保育業務に従事する方に調査を行ったもので、全体三万人の愛知県内の保育業務の従事者がいらっしゃるそうですけれども、そのうちの四千三百三十一人の方から回答をいただいたということで、大変大きなサンプルでの調査になっております。
 そういった中で、時間外労働を行ったかどうかの調査もありまして、時間外労働について、時間帯別でどうかというのを聞いているんですが、勤務時間前に時間外労働を行ったという人が七四・五%いるんですよね。どんな仕事をしていますかというと、保育の準備とか、たまっている事務とか、保育室等の環境整備、掃除ですとか整えたり。
 休憩中、昼の休憩中でも時間外労働をしたという人が七九・六%。そこでやっている仕事というのは、お便り帳の記入とか、保育の記録とか、保育準備や片づけだと。
 さらに、勤務時間後にも行っているというのは八七・七%で、どんな仕事をしているかというと、会議や打合せ、行事の準備、翌日以降の保育準備、保護者対応とか、保育室等の環境整備。
 さらに、持ち帰りをしたという人は七五・六%ということで、週や月単位の計画づくり、クラス便りや園便りを書くこと、翌日以降の保育準備、こういったことがあるということです。
 ですから、広く時間外労働が行われているということがこういうことにも見てとれるわけです。
 同時に、こういった時間外労働があるんだけれども、残業申請する習慣が職場にそもそもないといった答えが四一・五%とか、業務上、必要な残業でも、申請できる業務とできない業務が決まっていると答えた人が三三・七%ということで、労働時間管理自体がきちんと行われていないという実態が広範にあるということがこの実態調査でも浮き彫りになったということであります。
 やはり、賃金について、不満や、やや不満と答えた人が六三・二%だった。その理由として、仕事に見合った賃金でないということを挙げる人が七二・七%、他産業、他職種に比べて低いを挙げる人が三七・三%でしたが、残業代などが支払われていないというのを挙げる人も三四・四%いて、超勤手当未払いが賃金に対する不満の主要な原因の一つとなっていることもわかったということなんです。
 こういう、ちょっとリアルな実態を把握してこそ適切な対策が行えるんじゃないのかということを申し上げたいわけであります。
 こういった実態、これまでやっていないというんだったら、これからしっかりやったらどうですか。その点、いかがですか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 各保育所に対する指導監査の際に、時間外労働の状況なども確認しております。また、そこで問題が認められる場合には指導の対象としております。
 また、労働関係法規に違反する疑いがある場合には、必要に応じて、都道府県労働局又は労働基準監督署との間で適切に情報提供等の連携を行うよう求めているところでございます。
 引き続き、このような指導監督の徹底を自治体に要請してまいりたいと思いますし、また、実態把握の方法についても、適切な方法で把握できるように考えてまいりたいと思います。

○塩川委員 実態把握について、本当に、全体が見えるような、そういう調査をぜひやっていただきたいという点と、違法を正すのは当然の話であって、しっかりとこれをやるということなんですけれども、問題は、やはり、保育士不足を起こしている要因は何なのか、この点をどうしっかり分析するのかという角度で調査を行う必要がある、このことを申し上げているわけです。
 愛知県のこの実態調査でも、保育士誰もが保育職場にやりがいを感じておられる。それは、皆さん、子供と一緒のそういった仕事というのは、本当にうれしく、誇りに思っているわけですけれども、しかし、仕事をやめたいという人も五・七%いて、迷っている、続けるかどうか迷っているという人も二四・九%で、三割の方が就業の継続が不透明だということになっているわけです。
 ですから、大臣にお尋ねしますが、今紹介をしましたように、長時間過密労働ですとか未払い賃金が就労継続の障害となっており、保育士をやめる大きな要因となっているのではないのか、この点についての大臣の御認識を伺いたいと思います。

○宮腰国務大臣 調査によりますと、保育士資格を持ちながら保育士としての就職を希望しない理由として、賃金が希望と合わないという点を除けば、就業時間が希望と合わない、それから、健康、体力への不安、休暇が少ない、とりにくいといったことが挙げられておりまして、委員御指摘のとおり、保育士の方々の業務負担の軽減は大変重要な課題であると認識しております。
 このため、厚生労働省を中心に、保育補助者の追加配置に対する支援の拡充や事務のICT化などにより、保育士の業務負担の軽減に取り組んでおります。私も幾つかの認可保育園を視察させていただきましたけれども、ICTなどにより勤務環境が改善され、働きやすくなったとの保育士の方々の声を直接伺ってまいりました。
 高い使命感と希望を持って保育士という職についた方々に長く勤めていただけるよう、厚生労働省としっかり連携して取り組んでまいりたいと考えております。

○塩川委員 やはり、就労継続を困難にするような実態、賃金と同時に業務の量の問題もあるという話で、この間、処遇改善策として取り組んでおられるということも紹介がありました。
 その点で、例えばICT化の推進ですとか、保育士のそういった業務を補助する方の賃金補助とか、これは実績としてはどんな感じなんでしょうかね。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 保育士の業務負担軽減のため、保育士の補助を行う保育補助者の雇い上げに必要な費用の補助、また、保育に関する計画、記録や保護者との連絡、子供の登降園管理等の業務のICT化を行うためのシステムの導入費用の補助などをしております。
 実績でございますけれども、保育補助者雇い上げのための事業でございますが、こちらは、二十九年度におきまして、二十一自治体、六十七施設で御利用いただいております。また、補助的な仕事を行っていただく方の賃金補助の事業、保育体制強化事業ですが、こちらは九十二自治体、一千百十二人が対象となっております。また、ICT等を利用した保育所等業務効率化推進事業でございますが、こちらは百十五自治体、一千七百七十六人が対象となっております。

○塩川委員 今お話があったように、保育士の業務を補助する方の賃金補助というのは、二十一自治体、六十七施設ということで、ほとんどないということでもありますし、ICT化の話についても、一千七百七十六人って、これはあれなんですかね、パソコンで手書きのものを管理するという意味で人数になっているんですかね。わかりますか。人数で出ているというのがよくわからないんだけれども。

○本多政府参考人 申しわけございません。先ほど一千七百七十六人が対象と申し上げたところですが、これはもしかすると施設数の間違いの可能性がございますので、ちょっと後ほど確認をさせていただきます。申しわけございません。

○塩川委員 それで、大臣も行かれて、ICT化で業務の改善という話を伺ったということもあるんですが、そういうところもあるんだと思うんですけれども、保育関係者の方でお話を伺ったりしますと、パソコンの台数が少ないものだから、結局、パソコンに打ち込むために無駄に待ち時間があって、そのためにかえって時間がかかるとかいうお話ですとか、手書きならあいている時間にできるんだけれども、子供がいるところでパソコンを使えないものだから、結局は今までよりも別なところに時間をとらないといけなくなっているという話もあって、これは全体の業務の見直しが必要なんだと思うんですけれども、こういった、やはり実態に即した対応になっているかどうかというのもきちっと検証していただきたいと思うんです。
 そもそも、この間のさまざまな指導監査、これ自身は重要なことですけれども、文書量も多くなって、その作業もふえているということも含めて、非常に事務量、業務量が大きくなっている。それはやはり、保育の質を確保するという点では必要な問題なんだけれども、それを、質の確保を保障する上でも、そういう業務の増加に見合うような人手の確保が何としても必要だということが現場が言っていることだと思います。
 ですから、このような処遇改善策で時間外労働の短縮、時短になっているかどうか。この業務負担軽減の効果というのは実際に労働時間の短縮という形であらわれているかどうか、その辺はわかっているんでしょうか。

○本多政府参考人 済みません。まず、先ほどのICTの導入等の事業の件ですけれども、一千百七十六人ではなく、一千七百七十六施設でございました。訂正をさせていただきます。
 また、こういった事業の効果につきましても、今後、適切な形で把握できないかどうか、勉強してまいりたいと思います。

○塩川委員 ですから、実際に効果が上がっているかどうかということが必要であって、メニューがふえれば進んでいるわけではないわけですから、その点をしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 その上で、やはり、こういったように、求職者数が少ない、求人がふえる、それにふさわしい保育士不足の改善策が必要だといったときに、こういった賃金の面でも労働時間の面でも、抜本的な改善に至っていないという状況がある。これ自身が問題だと言わざるを得ないんですが、あわせて指摘をしなければいけないのが、政府がこの間行ってきたことは何なのかということなんです。
 現状の保育士配置を引き下げることで保育定員増に対処しようとしてきたんじゃないのか。一つは、企業主導型保育事業のように、保育士の基準について、五〇%でもいいといった形でやっている。あるいは、朝夕の保育士の二名配置の弾力運用の話ですとか、先ほど阿部委員も指摘をされましたような、人員配置基準や面積基準について独自の上乗せ基準を実施する自治体に見直しを求める、そういう通知も出したり、政府の会議でもそういう議論を出してきている。
 こんなことが進めば、長時間過密労働を深刻にして、かえって保育士確保を困難にするんじゃありませんか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 例えば、定員超過との関係でございますけれども、定員超過をして子供を受け入れる場合というのもございますが、その際にも、国が定める保育所の人員配置や面積基準などの最低限遵守しなければいけない基準を満たした上で保育を実施することが前提ということでございます。
 いずれにしましても、保育士の人材確保のために、業務負担の軽減など、処遇改善など、総合的な支援に力を尽くしてまいりたいと考えております。

○塩川委員 そもそも国の基準が低いから、自治体が独自の上乗せ措置をやっているんですよ。それを下げてこういう待機児童解消に充てるというやり方そのものが間違っているんですよ。保育士の処遇改善を本当に抜本的に行って、誇りに見合うような労働条件を確保する、これこそやるべきじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
 企業主導型保育事業も、実際には、認可などにおける保育士の配置基準なども低くするような形で制度設計されているわけで、私は、このような保育士の配置基準を引き下げる方向で今の保育のニーズに応えるようなやり方は間違っていると思うんですが、それを是正してこそ本当の意味で保育士の確保につながるんじゃないのか。大臣のお考えをお聞かせください。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業にも触れられましたけれども、企業主導型保育事業、今回のこの検討委員会の取りまとめにおきまして、定員二十名以下の小規模な保育園、保育所、これまで保育士の充足率五〇%でよかったということでありますが、これを七五%に引き上げるということにいたしております。かつ、現状でも充足率一〇〇%という園が大半であるということも申し上げておきたいというふうに思っております。
 保育の質を高めていくという努力を地方自治体がしておいでになるということについては敬意を表したいというふうに思っておりますが、我々として、政府としてでも、やはり、保育士さんの処遇の改善を通じて、受皿の確保も同時にやっていかなければいけないというふうに考えておりまして、いろいろな意味で、あらゆる施策を総動員しながら、保育士さんの処遇の改善を通じて人材の確保等に努めていきたいなというふうに考えております。

○塩川委員 保育士の処遇改善を脇に置いて今の待機児童問題を解消するような規制緩和はきっぱりと見直すべきだ。賃金を上げ、手厚い人の配置を行うという取組でも、配置基準の見直しと公定価格の抜本的な引上げが必要だと考えます。
 公定価格についてちょっとお聞きする時間がありませんでした。またの機会にしたいと思いますので。
 以上で質問を終わります。

保育士の人員増と労働条件の改善を/幼児教育無償化野党合同ヒアリング

 幼児教育無償化野党合同ヒアリングに参加。保育士の人員増と労働条件の改善が議論に。厚労省は「賃金は労使交渉で決まる」などと説明したことに、高橋議員が「保育士の賃金は国が公定価格で規定している」と厳しく批判。国が賃金の上限を低く抑えていることが問題です。

 無償化による待機児童増加は限定的だという内閣府の国の説明に、根拠を示せと追及。次回までに根拠資料を提出することを求めました。

【内閣委員会】保育の質確保を/調査の遅れを指摘

 子ども・子育て支援改定案の質疑に立ち、幼児教育・保育「無償化」によって保育の質が損なわれないよう求めました。

 わたしは、安倍首相が2017年9月25日に『無償化』政策を発表する前に、消費税10%増税分を活用することについて政府で検討を行ったのか――と質問。

 内閣府の小野田壮政策統括官は「検討の場は無かった」と答弁し、総理の一言で決まったことを認めました。

 選挙の口実に使う党略的対応だ。法案では、5年の猶予期間中、保育士が一人もいないなど指導監督基準を満たさない認可外保育施設も無償化の対象に含まれます。

 わたしは、立ち入り調査の現在の実施状況をただしました。

 厚生労働省の本多則惠審議官は、立ち入り調査が認可外施設の68%でしか行われていないと答弁。「無償化」で指導監督の対象施設が約5000カ所増えると認めました。

 調査対象は1・7倍になる。指導監督体制の抜本的強化が必要だ――と追及したのに対し、本多審議官は「巡回支援指導員を増やす」と答えました。

 巡回支援指導は予算措置であり、児童福祉法に基づく指導監督に置き換えることはできない。

 厚労省も「代替できる物ではない」と認めました。

 わたしは指導監督体制の強化を求めました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「議事録」

<第198通常国会 2018年03月03月20日 内閣委員会 7号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 子ども・子育て支援法について質問をいたします。
 最初に、消費税増税との関連についてお尋ねをいたします。
 幼児教育の無償化と高等教育の無償化は、どちらも人づくり革命として、その安定財源については消費税の一〇%増税分を活用するとしております。高等教育の無償化法案である大学修学支援法案には、附則に、消費税一〇%増税の施行日の属する年の翌年の四月一日までに施行するとしております。しかし、幼児教育の無償化を実施する子ども・子育て支援法改正案には同様の規定がありませんが、この違いは何なんでしょうか。

○宮腰国務大臣 今回、改正法案を審議いただいている子ども・子育て支援法は、社会保障と税の一体改革の関連法でありまして、この法律に基づく給付等は、従来より、制度として確立された少子化対策として、消費税を充当する対象となる経費とされております。
 その上で、今般の幼児教育、保育の無償化の大半は現行の認可保育所等に対する給付であるため、認可外保育施設等を対象とする新たな給付についても子ども・子育て支援法に位置づけ、消費税を充当する対象となる経費といたしました。そのため、本改正法案においては消費税増税に関する規定は置いておりません。
 一方で、大学等における修学の支援に関する法律案、これは新法であります。これに基づく支援は、制度として確立された少子化対策として消費税増収分を充てることとしており、そのことを明示する規定を置いているというふうに承知をいたしております。

○塩川委員 今答弁にありましたように、税と社会保障の一体改革の関連法として成立をしているという経緯があります。そのときには、附則にやはり消費税増税との関連が記載をされていたわけです。従来より消費税を充当する対象としているという整理で、そういう点でいえば、大学修学支援法案と同等に、同じように消費税増税分を手当てするという整理となっている。幼児教育の無償化は消費税増税とセットで行われるということであります。
 そこでお尋ねしますが、消費税増税に基づいて今回の無償化ということですが、そもそも消費税というのはどういう税なのか。大臣にお尋ねしますが、消費税というのはそもそも、所得が低くなればなるほど負担が重くなる、重くのしかかる逆進性を持つ税ではないでしょうか。認識をお伺いします。

○宮腰国務大臣 幼児教育、保育の無償化の財源負担につきましては、未来の世代に回すことなく、安定財源を確保した上で進めるため、消費税率引上げの増収分を活用することにいたしております。
 詳細につきましては、政府参考人から答弁をさせたいと思います。

○小野政府参考人 お答え申し上げます。
 消費税の逆進性についてのお尋ねでございます。
 消費税につきましては、負担というものに着目いたしますと、低所得者ほど収入に占める税負担の割合が高くなるという意味で、いわゆる逆進性を有するものであると考えております。
 ただ、一方で、今回、社会保障と税の一体改革の中で、その増収分は社会保障の充実、安定化に充てることとしておりまして、その受益は低所得者ほど大きくなると考えられることから、所得の再分配にもつながるという面もあるということですので、負担面だけではありませんで、そうした受益の面とあわせて評価すべきものと考えております。
 また、今般の消費税率の引上げに当たっては、増収分を活用して、幼児……(塩川委員「聞いていない」と呼ぶ)はい。

○塩川委員 大臣の認識をお聞きしますけれども、消費税というのは、所得が低くなればなるほど重く負担がのしかかる逆進性を持つ税だという認識についてはお持ちですね。

○宮腰国務大臣 今回の増収分を活用して……(塩川委員「そうじゃなくて、そもそも税のあり方の話を聞いている」と呼ぶ)逆進性を持っているかどうかということであれば、それは持っているということだと思います。

○塩川委員 ですから、低所得者ほど重い負担がのしかかるという逆進性のある税だ、同時に、負担の話だけではなくて、一方で受益の話があるというのが財務省の答弁でしたけれども、この点でも、例えば、住民税非課税の一人親世帯などの場合については保育料は免除されているわけですよね。ですから、そういった世帯、住民税非課税の一人親世帯においては、保育料の軽減策はなくて消費税増税分だけが重くのしかかるということになるんじゃないですか。

○宮腰国務大臣 何度も御答弁で申し上げているわけでありますけれども、もともと、所得の低い方の保育料は既に公費を投じて負担軽減を図ってきておりまして、さらに、これまで、低所得世帯を中心に、先んじて段階的に無償化の範囲を拡大してきております。
 例えば、生活保護世帯と住民税非課税世帯に対し、合わせてこれまでに約四千五百億円の公費を投じて負担軽減を図ってきております。したがいまして、今回の公費負担額のみをもって低所得者に恩恵が少ない、今回の負担額のみをもって低所得者に恩恵が少ないとの指摘は当たらないというふうに考えております。

○塩川委員 私は、今回の増税を機に低所得の世帯にどういう影響が及ぼされるのかという質問をしているんです。
 ですから、住民税非課税の一人親世帯においては、保育料の免除ですから、その面についての負担軽減策はないんですよ。消費税増税分しかのしかからないじゃないですか。こういうのを低所得者世帯の対策として認めるのかという話なんです。

○宮腰国務大臣 今ほども申し上げたように、今回の公費負担額のみをもって低所得者に恩恵が少ないとの指摘は当たらないと考えておりますし、加えて、ゼロ歳から二歳までの子供につきましては、住民税非課税世帯のみを対象として進めるということにいたしております。さらに、低所得世帯の子供を対象とした高等教育も無償化されるため、教育の無償化全体としても低所得世帯に手厚いものというふうに考えております。
 これらを総合的に勘案すれば、政策全体として、所得の低い世帯に手厚く、逆進性に対して十分な緩和策になるものというふうに考えております。

○塩川委員 私は、住民税非課税の一人親世帯についてはどうですかと聞いているんですよ。
 ですから、将来、高等教育の話が出てくるかもしれません。しかし、住民税非課税の一人親世帯において、もう保育料は免除されているわけですから、そういった世帯には消費税の増税分しか重くのしかからないでしょう、こういうのを容認するんですかということを聞いているんです。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 今般の幼児教育無償化につきましては、少子化対策と、そもそもの幼児教育、保育の重要性、この二つの意義から実施するものでございます。
 それに加えまして、住民税非課税世帯につきましては、繰り返しになりますけれども、既に相応の公費を投入させていただくとともに、〇―二歳につきましては、住民税非課税世帯のみを対象として今回無償化を進めさせていただいているところでございます。

○塩川委員 だから、答えられないんですよ。答えていないじゃないですか。そういう点では、住民税非課税の一人親世帯においては負担増しかないんですよ。そういうものを、何かよくやったというような話にならないということを言わざるを得ません。
 住民税非課税世帯というのは、所得税の非課税の方。要するに、生活費に課税することそのものはやはり遠慮しようじゃないか。生計費非課税、こういう立場から、こういう低所得の世帯においては課税をしない。そういった世帯に消費税増税を押しつけること自身が間違いだということを申し上げたい。切実な子育てへの願いを逆手にとった消費税増税を国民に押しつけるのをやめるべきだということをまず最初に申し上げておきます。
 そこで、今回の無償化の話が一体どういう経緯で出てきたのかという点です。
 無償化の話そのものは以前からあったわけですけれども、その財源として消費税の増税分の使い道を変えるという話が一体どこから出てきたのかということで、二〇一七年九月二十五日の記者会見で安倍総理は、幼児教育の無償化を一気に進める、二〇二〇年度までに三から五歳まで、全ての子供たちの幼稚園や保育園の費用を無償化する、〇―二歳児も、所得の低い世帯では全面的に無償化すると述べました。そして、消費税の使い道を見直すという決断について国民の信を問うとして、衆議院を解散したわけであります。
 大臣にお尋ねいたしますが、幼児教育の無償化の財源について、消費税の一〇%増税分を活用するという政府内の検討はいつから始まったんでしょうか。

○宮腰国務大臣 消費税の増収分を活用し、幼児教育、保育の無償化などの施策を実施することにつきましては、委員御指摘の二〇一七年九月二十五日の経済財政諮問会議において総理から発言があったものであり、同時に、無償化を含む新しい政策パッケージを年内に取りまとめるよう関係大臣に指示があったものと承知をいたしております。
 また、同日、総理が記者会見を行い、無償化などの施策を推進するために消費税の増収分を活用する方針を総理の判断として示すとともに、速やかに国民の信を問う必要があるとして、衆議院の解散を表明したと承知をいたしております。
 さらに、総選挙後、第四次安倍内閣の組閣に当たり、改めて総理から関係閣僚に対し新しい政策パッケージの策定の指示があり、政府においては、総理を議長とする人生百年時代構想会議の場などで無償化の進め方等についての議論をしてまいりました。
 その上で、二〇一七年十二月八日に新しい経済政策パッケージが閣議決定され、政府として正式に、消費税の増収分を活用して幼児教育、保育の無償化を実施することが決定されたと承知しております。

○塩川委員 二〇一七年九月二十五日の記者会見で安倍総理が、無償化については消費税の増税分の使い道を変えるということを表明したわけです。その日の昼間に経済財政諮問会議が行われた。今大臣が答弁されたとおりで、その際に、安倍総理が、人づくり革命の財源についてもしっかりと結論を出していく、この際、二〇一九年十月に引き上げる予定の消費税による財源をしっかりと活用すると述べているわけです。
 私が質問したのは、この経済財政諮問会議はまさに記者会見の日なんですよ。ですから、その場で総理が踏み込んで発言をしたのは初めてなんです。総理の判断として示すということをおっしゃったんですが、政府内で検討はしていなかったのかということなんですよ。政府内のしかるべき審議会とか、関係機関とか、関係の役所とか、この九月二十五日の前に政府の会議で幼児教育の無償化の財源について消費税の一〇%増税分を活用するという検討は行われたんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 内閣府少子化担当の承知している範囲でございますけれども、幼児教育、保育の無償化は、安倍政権では、二〇一四年度以降、毎年段階的に進めてきたものでございます。
 二〇一七年六月の骨太の方針におきましては、幼児教育、保育の早期無償化や待機児童の解消に向け、財政の効率化、税、新たな社会保険方式の活用を含め、安定的な財源確保の進め方を検討し、年内に結論を得る旨の記載が盛り込まれているものと承知してございます。

○塩川委員 いや、答えていないですよ。
 だから、どこで検討したのかと言っているんですよ。消費税の増税の使い道を変えることで無償化の財源にする、そういう検討を政府内の一体どこでやったのか。ちゃんと答えてください。

○小野田政府参考人 繰り返しになりますけれども、二〇一七年六月の骨太の方針におきまして、安定的な財源の確保の進め方を検討し、年内に結論を得る旨の記載が盛り込まれたと承知してございます。

○塩川委員 二〇一七年六月の骨太を今紹介しましたか。(小野田政府参考人「はい」と呼ぶ)これは、幼児教育について、財源を確保しながら段階的無償化を進めると書いているんですよ。一気に無償化なんて書いていないじゃないですか。これは話が違うんですよ。
 どこなんですか。総理の記者会見、解散すると言ったその記者会見の前、政府内において一体どういう検討が行われたのか。全くないということですね。

○小野田政府参考人 お答えします。
 特にそういう検討の場はなかったというふうに承知してございます。

○塩川委員 検討の場はなかったんですよ。まさに総理の判断として示したということなんですけれども、私は、幼児教育の無償化の財源について、消費税の一〇%分を活用するという使途変更に関する検討は、いわば政府内では一切行われていないということを確認しました。そうなると、解散を宣言した記者会見の場で言い出したものということであります。
 政府として一切検討を行わず、官邸主導で総理大臣の一言で決まるというやり方、これを安倍政権がやっているということですね。

○宮腰国務大臣 無償化の財源について、党内でもいろんな議論があったことは承知しております。例えば教育国債を発行するといったような議論などもありました。
 総理が政治家として、選挙に臨むに当たって公約の一つとして、幼児教育、保育の無償化を消費税増税による増収分の一部をこれに充てるということを公約として掲げて選挙戦を戦ったものというふうに考えております。

○塩川委員 私は、まさにそこが問われていると思うんです。官邸の、総理の意思決定だけで事が進む。つまり、政策の企画立案過程、政策の意思決定過程が全く不透明なんですよ。要するに、政策の意思決定過程が国民に見えてこそ、本当の意味で国民の信頼を得ることになる。そういう過程が全く欠落したままで、こういった形での、解散を表明する場での政策発表というやり方自身がおかしいと言わざるを得ません。
 この官邸主導で何でもやるということが、この間、いろいろな問題、加計学園の問題でも問われましたし、統計不正の問題でも問われましたし、何でもかんでも官邸で決めるというので、メディアの中では何でも官邸団だという批判なんかも出るような今の政府の対応について、やはり不透明だという強い声があるわけです。それをやはりしっかり受けとめる必要がある。
 消費税増税の使い道を変えるということを解散・総選挙の口実に使うという、総理の党略的な対応そのものだと言わざるを得ません。総理の党略的な対応だからこそ、今回の無償化措置は保育の現場に大きなゆがみと混乱を生じさせている、このことを指摘するものであります。
 そこでお尋ねしますが、大臣、今回、無償化の対象として認可外にも広げるわけですけれども、保育士が一人もいないような施設であっても無償化の対象となるのでしょうか。

○宮腰国務大臣 今回の幼児教育、保育の無償化に当たりましては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人についても、負担軽減の観点から無償化の対象といたしました。
 都道府県等に届出が適切に行われたことを前提とし、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たすために、五年間の猶予期間を設けることとしております。
 詳細につきましては、政府参考人から答弁させます。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 五年間、届出が適切に行われたことを前提とした猶予期間を設けてございます。この経過措置期間におきましても子供の安全の確保が重要であると考えており、厚生労働省を中心に鋭意取組を進めてまいります。
 また、待機児童の状況等は地域によって大きく異なることを踏まえまして、市町村が地域の実情に応じて柔軟な運用ができるよう、改正法案では、市町村が保育の需給状況等を勘案し、条例により対象施設の範囲を定めることを可能とする仕組みを盛り込んでいるところでございます。

○塩川委員 条例の話はまさに自治体の判断であって、国の方針としては、こういった保育士が一人もいないような施設であっても無償化の対象とするということであります。
 そこで、子供の安全の確保が重要だということをおっしゃいました。その点についての懸念の声というのは当然あるわけです。子供の安全の確保、質の確保というのはどうするのか、この点は厚労省かな、お答えいただけますか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 まず、今回、無償化の対象になる認可外保育施設についてでございますが、児童福祉法によって都道府県等への届出が義務づけられております。
 都道府県知事等の指導監督権限としては、児童の福祉のため必要があると認めるときには、認可外保育施設の設置者等に対し、報告を求め、また、立入調査をさせることができる、また、その施設の設備や運営等に対し勧告を行うこと、勧告に従わなかったときはその旨を公表できること、また、都道府県児童福祉審議会の意見を聞いた上で、認可外保育施設の事業の停止又は施設の閉鎖を命ずることができる、こういったことが規定をされております。
 これらの規定に基づいて、認可外保育施設への指導監督として、厚生労働省が示しております指導監督のための指針の中で、都道府県知事等に対し、年一回以上の立入調査を行うことを求めているところでございます。

○塩川委員 報告を求めたり立入調査を行い、また、施設や運営についての勧告、従わない場合などについての公表といった規定があるということですけれども、この立入調査のところで、指導監督における原則年一回以上の立入りというのは行われているんでしょうか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 まず、認可外保育施設は、届け出られている施設の数でございますけれども、二十九年三月三十一日時点で七千九百十六カ所ございます。都道府県等に年一回以上の立入調査をベビーシッターについては義務づけておりません。ですので、これを除きますと七千十三カ所になります。この七千十三カ所のうち、平成二十八年度に立入調査を実施した施設は約六八%でございます。
 施設別に申し上げますと、立入調査を実施した割合は、ベビーホテルが約七三%、その他の認可外保育施設が約七一%、事業所内保育施設が約四五%となっております。

○塩川委員 年一回以上の立入調査ということですが、全ての施設に立入調査が行われていないということであります。
 今後ベビーシッターについても対象となる、そういった際に、ベビーシッターへの立入調査というのはどうなっているんでしょうか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 認可外保育施設につきましては、原則年一回以上、立入調査を義務づけておりますが、現在、ベビーシッターについてはそれを義務づけていないところでございます。ベビーシッターについては、現在は、通知において、都道府県等が必要と判断する場合に指導を行うこととしております。
 今後、ベビーシッターの新たな基準の検討をいたします。また、それとあわせて、指導監督の方法についても検討することといたしております。

○塩川委員 ベビーシッターについては立入調査の対象となっていなかった、今後必要な指針等々をつくるということです。
 今回の無償化によって指導監督する対象施設が増加をすると思います。どのような施設が増加をするのか、そもそも全体で現状が幾つで、この無償化措置を経て幾つぐらいにふえるのか、それについて教えてもらえますか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 まず、認可外保育施設で、現在、届出の対象施設数は七千九百十六カ所でございます。これは二十九年三月三十一日時点の数字でございます。
 これからのことでございますけれども、幼児教育、保育無償化を契機といたしまして、都道府県等による指導監督を通じた質の確保、向上を図るという観点から、これまで都道府県等への届出義務の対象外とされていた事業所内保育施設、こちらを新たに届出義務の対象に追加することとしているところでございます。(塩川委員「何カ所ですか」と呼ぶ)新たに届出対象となる事業所内保育施設については、約三千八百程度でございます。
 また、ベビーシッターにつきましても、現在、新たな基準の策定と指導監督の方法についても検討しているところでございますが、ベビーシッターについては約九百程度あるものと把握しております。

○塩川委員 ちょっと答弁がまだ欠けているんですけれども、原則年一回以上の立入調査を行う施設というのは現状は何カ所で、この無償化に伴って何カ所にふえるんでしょうか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 現在、立入調査の対象になる数は、先ほど申し上げました七千九百十六カ所からベビーシッターを除いた七千十三カ所になります。
 それに対して、今回新しく対象になりますのが、事業所内保育施設で約三千八百、ベビーシッターについて約九百程度というふうに把握をしております。

○塩川委員 そうすると、現行、立入調査の対象となる施設がおよそ七千カ所、事業所内保育施設プラスベビーシッターで、大体約一万二千ぐらいということでいいですかね。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 約七千カ所と四千七百ですので、一万千七百カ所程度かと把握しております。

○塩川委員 ですから、七千カ所が一万一千七百カ所にふえる。そうすると、指導監督する認可外の施設、立入調査の対象になる施設というのは一・七倍にふえるんですよ。一・七倍にふえる。こういうふうに指導監督の対象の認可外施設が大幅にふえることになる。そういったときに、先ほど立入調査が全体でも六八%といった状況で、本当に大丈夫なのかということになる。
 厚労省にお尋ねしますが、こういった認可外施設への指導監督体制の抜本的強化が必要じゃないですか。

○本多政府参考人 御指摘のとおり、指導監督体制の強化は必要だというふうに考えております。
 このため、指導監督の手法やルールの明確化等によって、児童福祉法に基づく都道府県等による指導監督の徹底を図ってまいります。また、これとともに、指導監督基準の内容についての説明や事故防止に向けた助言などを行います巡回支援指導員、こちらの配置の拡充によって、巡回支援と連携した効率的、効果的な監査の実施などの取組を進めてまいります。
 また、無償化の給付主体である市町村の役割も極めて重要であると考えております。
 このため、改正法案におきましては、市町村長に対して、対象となる施設を特定する確認、必要に応じた施設からの報告徴収、勧告、命令、確認の取消し、さらに、都道府県知事に対する必要な協力要請などの権限を与えるための規定を設けるとしておるところでございます。

○塩川委員 指導監督の徹底と、巡回支援指導員の話と、市町村の役割も重要だということで、今お話しされたのは確認指導監査のことでしょうかね、そういう話があります。それぞれ重要だと思います。
 ただ、これで本当に対応できるのかという点で、この巡回支援指導員についてお尋ねしたいんですが、この巡回支援指導員の予算上の配置人数と実績を年度別にまず教えてください。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 巡回支援指導員につきましては、平成二十九年度から都道府県等への配置を支援しているところでございます。
 この巡回支援指導員の予算上の人数でございますが、平成二十九年度は六百九十人、平成三十年度は七百六人、平成三十一年度の予算案上は一千二百二十一人となっております。
 実際の配置状況につきましては、二十九年度は二十一自治体で九十七名でございます。また、平成三十年度の配置状況については、現在集計をしているところでございます。

○塩川委員 この巡回支援指導員というのは法令上の規定になるんですか。

○本多政府参考人 この巡回支援指導員につきましては、法令上の根拠ではなく、予算上の事業ということになります。

○塩川委員 法令上の根拠がない予算事業、予算に伴って左右されるという話になります。
 巡回支援指導員に相当する仕事を行っているのが東京都の巡回指導だと承知をしております。厚労省がまとめている平成二十八年度認可外保育施設の現況取りまとめでは、東京都における立入調査は千五百七十七施設に対して百七十三施設にすぎないわけです。
 東京都は、巡回指導で全施設を回っており、問題があれば都の監査部門に連絡するとしておりますが、今確認したように、巡回指導というのは法令上の権限はないんですけれども、そういう対応で大丈夫なんでしょうか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 巡回指導で把握いたしました問題点などを監査の部門と共有するなど、自治体によっていろいろな工夫をしているというふうに承知しております。
 今後、そういった好事例なども横展開をして、巡回指導と監査の効率的な連携を進めて、効率的な質の確保を図ってまいりたいと思います。

○塩川委員 ですから、都としての立入調査というのは、千五百七十七に対して百七十三と、一割程度しかないんですよね。それは巡回指導ということで対応しておられるんですが、基本は指導助言ですよね。
 実際に、立入調査と巡回指導と指導助言項目というのはそれぞれ幾つぐらいになっているかというのはわかりますか。

○本多政府参考人 済みません、今、ちょっと手元には数がございません。

○塩川委員 私もにわか勉強でありますけれども、企業主導型についての検討委員会の中で東京都の方が説明をされておられて、その中で、指導助言項目について、立入調査の場合は百六十項目だ、巡回指導は三十項目という説明がありました。
 ですから、巡回支援指導員で指導監督に置きかえることはできないと思うんですが、いかがですか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの答弁とも重なりますけれども、巡回支援指導員がチェックをする項目と監査の項目で共通する部分もございますので、もちろん代替できるものではございませんが、効果的な情報共有などによって効率的に進めていくことは可能かというふうに考えております。

○塩川委員 代替できるものではないということで、やはり都の指導監督の体制そのものをしっかりと強化をするということが求められていますし、もちろん、東京都に限らず、全国的に指導監督そのものの抜本的な体制強化が必要だということを強調しておくものです。
 例えば、予告なしの立入調査なんかしっかりやってもらいたいと思うんですが、そういう点についてはいかがですか。

○本多政府参考人 現在、自治体の指導監督の方法などについても調査をしているところでございまして、その中でより効率的、効果的な方法を把握いたしまして都道府県に促していきたいというふうに考えております。

○塩川委員 この巡回支援指導員だけではなくて、指導監督の体制そのものを強化する、こういうことで国としてやるべきことがあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 巡回支援指導員の配置を拡充することとあわせまして、自治体の指導監督体制の強化につきましては地方財政措置を講じることとしているところでございます。

○塩川委員 地方財政措置、地方交付税措置というのは溶け込んでいてなかなかよくわからないということが言われるところでもありますし、これだけ一・七倍にもふえるんですよ。施設の大小はもちろんあるでしょうけれども、行くのは同じですから、そういう点でも、しっかりとした体制がないと、やはり重大な見逃しとかになりかねないんじゃないのか。
 こういうことについて、やはり国は責任を持って行う。今回の措置にあわせて、では、地方財政措置を拡充するとか、そういうふうになっているんですか。

○本多政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の無償化の実施も踏まえまして、新たに指導監督体制の強化について地方財政措置をお願いしているところでございます。

○塩川委員 お願いしているだけで実現はしていないという話であるわけで、こういう点でしっかりとやらないことには、そもそも無償化の前提そのものの安全の確保ということが問われる大問題ですから、このことを指摘しておくものです。
 次に、企業主導型保育事業についてお尋ねをいたします。
 資料を一枚お配りさせていただきました。内閣府からいただいた資料ですが、いっぱい項目があるんですけれども、見ていただきたいのは、保育所と、下から二つのところですが、認可外保育施設と企業主導型保育事業、この三つについて指導監査の違いをお尋ねしたいんです。
 欄の左から二つ目のところに施設監査とある。これが、児童福祉法に基づく認可外保育施設に対する指導監督と、それから、右側の赤い線で囲まれているのが、子ども・子育て支援新制度、子ども・子育て支援法に基づく認可外保育施設に対する指導監査のところです。
 それとは別に、一番下の企業主導型の保育事業については、子ども・子育て支援法に基づく措置は入っておらず、児童育成協会が実施をするということで、内閣府と児童育成協会が作成した指導監査基準に基づいて企業主導型保育施設に対する指導監査が行われているということなんです。
 つまり、児童福祉法に基づく指導監査と、子ども・子育て支援法に基づく指導監査と、企業主導型に対する内閣府と協会がつくっている指導監査、この三つの違いについてわかりやすく説明していただきたいと思います。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まず、保育所、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業等といった保育施設に対する指導監査でございますけれども、まず一つは、委員先ほどもお触れになられました、児童福祉法等に基づき、各施設等の人員配置や設備、面積等に関する認可基準の遵守の観点から、都道府県が行う施設監査がございます。この施設監査につきましては、一方、認可外保育施設につきましても、同じく児童福祉法に基づき、指導監督基準への適合性の観点から、都道府県等が指導監督を行ってございます。
 また、一方で、施設等に対する給付の観点から、これは子ども・子育て支援法に基づくものでございますけれども、運営基準の遵守や給付の適正化の観点から市町村が行う確認監査、これに加えまして、法令遵守の体制整備の観点から国、都道府県又は市町村が法人に対して行う業務管理体制検査がございます。
 また、企業主導型保育事業に対してでございますけれども、この保育事業、保育施設、位置づけは認可外保育施設でございますので、先ほど申し上げました児童福祉法に基づきます指導監督基準への適合性の観点から都道府県が指導監査を行いますとともに、企業主導型保育事業の実施機関が、実施要綱等に定める基準の遵守や助成金の適正な執行の観点から立入調査を行っている状況でございます。

○塩川委員 児童福祉法に基づく指導監督基準を踏まえて認可外施設に対する指導監査を行うという部分と、子ども・子育て支援法に基づいて、給付の観点、運営上について法令遵守の問題を含めてしっかりと指導監査を行っていくということと、これとは別に、企業主導型については別途措置をしているということなんですけれども、今度、対象が広がります。そういった際に、この表の中で今回の法改正で変更というのは出てくるんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 恐縮でございますが、委員の表で申し上げますと、認可外保育施設のところにつきまして、今回、新たに無償化措置によりまして、認可外保育施設等に対しまして給付が始まりますので、この赤枠の新制度、確認指導監査のバーの部分、認可外保育施設のこのバーの部分に確認指導監査というのが新しく位置づけられることになります。

○塩川委員 認可外保育施設について、この新制度、子ども・子育ての確認指導監査というのが入ってくるということで、では、その右の業務管理体制検査というのは入らないんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 業務管理体制検査でございますけれども、保育所に対する運営費は、施設が受領する従来の子ども・子育て支援法に基づく給付ということでございますけれども、給付による公費が大宗を占めてございまして、法人単位での不正受給等が生じないよう、法人に対して法令遵守に係る業務管理体制検査を行うという仕組みに今なってございます。
 他方、今回の認可外保育施設等に関する新たな施設等利用給付でございますけれども、これは、施設等に保護者が支払った費用の一部につきまして、その保護者に償還払いをするということが基本でございますので、今回は業務管理体制検査そのものの規定は設けていないところでございます。

○塩川委員 新制度に基づく確認指導監査は施設に対して行うというものですけれども、法人に対して業務管理体制検査を行うわけですよね。だったら、法人に対してという角度はあってしかるべきじゃないかと思うんですが、どうですか。

○小野田政府参考人 恐縮でございます。繰り返しになりますけれども、現在の業務管理体制検査は、法人単位での不正受給が生じないよう、現行の施設は子ども・子育て支援法に基づく給付が大宗でございますので、そういった観点からあえて業務管理体制検査を入れているところでございますが、今般の認可外保育施設につきましては、運営費そのものを給付として入れるという位置づけではございませんで、あくまでも施設等に保護者が支払った費用の一部を保護者に対して支払っていくということが基本でございますので、法人を対象とした業務管理体制検査の規定は設けていないところでございます。

○塩川委員 いや、やはり施設に対して見るというのと同時に、法人に対してもきちっと見るというのがあってしかるべきで、認可外の施設についての安全性の確保という観点というのは、そこをあけるというのが納得のいくものではありません。
 企業主導型について尋ねますけれども、今回の法改正で給付対象となる認可外保育施設については支援法の確認指導監査の対象となります。しかし、企業主導型保育施設は給付対象となる認可外施設なのに、支援法の確認指導監査の対象とならないというのは、これはどういうことなんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 今般の企業主導型保育でございますけれども、子ども・子育て支援法に基づく給付というものではございませんで、あくまでも事業主から徴収する拠出金を財源とする補助事業として今般実施させていただくことにしてございますので、事業の実施機関が引き続き立入調査を行うという位置づけにさせていただいております。

○塩川委員 要するに、拠出金から充てているから消費税を充てていないという整理ということですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 今般の企業主導型保育事業の無償化につきましては、いわゆる消費税を充てるのではございませんで、これまで同様、事業主から徴収する拠出金を財源とさせていただくということでございます。

○塩川委員 いや、ですから、消費税を充てると市区町村の確認指導監査をするんだけれども、拠出金を充てるとこの確認指導監査をやらないという理屈がよくわからないんです。

○小野田政府参考人 済みません、舌足らずで申しわけございません。
 消費税を充てる、充てないではございませんで、まず、子ども・子育て支援法への位置づけを、企業主導型保育事業、立入調査等は明確に位置づけてございませんで、あくまでも補助事業という位置づけでございますので、補助金適化法に基づきまして、必要であれば国が立入調査もできることになっておりますし、最初に委員もお話しになられましたとおり、実施機関が、補助金を給付するという観点から立入調査をこれまでもやっておりますし、今後も、無償化になろうが、引き続きやっていくという位置づけでございます。

○塩川委員 やはり地元の自治体の関与というのは非常に重要だという点で、この新制度に基づく確認指導監査というのがあるわけですけれども、企業主導型については、自治体、市区町村による指導監査というのは考えないということですか。

○小野田政府参考人 企業主導型保育事業につきましての監査でございますけれども、事業の実施機関が、認可外保育施設の指導監査を行う都道府県と、それぞれ実施することとしている立入調査の結果を共有するなどの連携を図るよう、都道府県に対しては協力を求めているところでございます。
 さらに、先般、企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会報告が出されましたけれども、この報告におきましても、更に都道府県との連携を図るほか、指導監査の研修の合同実施、連携の好事例の横展開などが示されております。
 こうした方向に沿って、さらなる都道府県、自治体との指導監査に当たっての連携を徹底してまいりたいと考えてございます。

○塩川委員 都道府県の指導監督、児童福祉法に基づく連携というのはわかるんだけれども、効率という言い方をされると、にわかには納得しがたい表現にも聞こえる。実態がどうなるかということが問われてくると思うんです。
 市区町村の関与というのが重要なんじゃないのかといった点でも、新制度での確認指導監査で市区町村が関与するということは企業主導型では考えないのかということなんです。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 市町村との連携も非常に重要だと思っておりまして、今回の先ほど申し上げました報告の中でも、一層の市町村との連携、例えば、地域枠を設定する場合に、あらかじめしっかりと保育の状況について市町村と相談をするとかいうことを、今以上に連携を入れておりますし、指導監査の面でも何らかの連携ができないかは引き続き検討してまいりたいと思います。

○塩川委員 先ほど答弁がありましたように、認可外保育施設については確認指導監査として新たに対象とする権限をきちっと今回規定するというふうにしているんだけれども、企業主導型保育事業についてはそれはやらないということですから、同じ認可外保育施設で、一方でやりながら企業主導型はやらないと。
 連携とか、それはわかるんだけれども、法令上の根拠を持った権限でやれるかどうかというのが問われているんじゃないですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まずは、実施機関におきまして計画的に立入調査を、これは原則、年に一度は立入調査をするということになってございますので、しっかりと立入調査をしていただくとともに、補助金適化法上、国におきましても、実施機関あるいは間接補助事業者ということで、個々の施設でございますけれども、これらに対して報告をさせ、当該職員にその事務所等への立入りをさせることができるというような規定がございますので、こちらの必要に応じまして、補助金適化法に基づきました立入調査等を実施していく予定でございます。

○塩川委員 児童福祉法に基づく指導監督をしっかりやるというのは重要で、しかし、現状も立入りは六八%で、一・七倍にふえるんですから、それ自身も非常に心配なわけですけれども、そういう点でも、市区町村の権限として子ども・子育て支援法上にあるんだから、そういうのをきちっと当てはめるということをやっていいんじゃないの。市区町村の体制支援というのはもちろん必要なわけですけれども、こういったことが抜けているという点でも、制度設計上、そもそも問題がありと言わざるを得ません。市区町村の関与をなるべく外したいと考えているんじゃないのかということを言わざるを得ない。
 実際、この委員会でも議論されているように、児童育成協会による指導監査というのはいろいろ問題が出ているわけじゃないですか。パソナとパソナフォスターの関係なんかも含めても、実際の指導監査についていろいろな疑念のあるところで、企業主導型への指導監査を可能な限り緩和しようとしているのではないのか、こういう疑念が拭えないということを申し上げておくものであります。
 そこで、この無償化の対象となる施設については、政府は、指導監督基準をクリアし、認可基準をクリアするということは二段階でやってくださいと求めているわけですけれども、企業主導型保育施設は無償化の対象となるわけですけれども、それでは、この企業主導型保育施設は認可化を目指すんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育事業は、事業主拠出金を財源といたしまして、企業が主体的に、従業員のニーズに応じた柔軟な保育を提供することができるという特色を持った事業でございます。
 具体的には、早朝、夜間、休日といった企業の従業員の多様な働き方への対応、従業員枠の設定など、本事業は、拠出金を財源として、認可保育所等にはない特色を有していると考えてございます。
 ただ、一方、例えば保育事業者設置型につきましてはさまざまな課題が指摘されてございまして、先般公表されました委員会報告におきましても、例えば、新規参入する場合には五年以上の事業実績のある者に限るべき、定員二十名以上の施設は保育士割合を七五%以上に引き上げるべきといったような内容が示されてございます。
 こうした検討結果や企業主導型保育事業の特色を踏まえまして、しっかりと改善を図ってまいりたいと考えてございます。

○塩川委員 ちょっと答えになっていないんですけれども、大臣、伺います。
 企業主導型保育施設は認可化を目指すのかという話なんですけれども、その点は。

○宮腰国務大臣 今、政府参考人から申し上げましたように、企業主導型保育は、従業員のニーズに応じた柔軟な保育を提供ができる、働き方に応じた柔軟な対応ができるという特色を持っているわけであります。
 認可化については、まずは、認可化ではなくて、企業主導型保育事業の特色を生かしながらしっかりと改善を行っていくということをやっていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 企業主導型も認可化を目指すということでいいんですね。

○宮腰国務大臣 特色を生かしながらということでありますから、必ずしも認可化を目指しているわけではありません。

○塩川委員 いや、だから、言われているように、企業主導型の場合については、企業からの受入れ枠がありますから、もし認可になれば自治体の関与があるということでは、そういう枠に基づかないという点では、企業主導型は認可を目指さないわけですよ、仕組み上は。

○宮腰国務大臣 自治体の関与、あるいは自治体との連携というのは、必ずしも認可でなければ関与ができないというわけではありません。
 特に、地域枠というものを持っているわけでありますから、そういう面では、自治体の関与、これから具体的にどうやっていくかということは課題でありますけれども、その関係についてはしっかりやっていきたいと考えております。

○塩川委員 答えになっていません。
 企業主導型保育施設は、整備費の助成単価は認可保育所の整備費の単価と同一水準としています。運営費の保育単価は、子ども・子育て支援新制度の小規模保育事業等の公定価格をベースに設定をしています。認可保育施設と同等な支援が行われていますが、認可施設にはならない。認可になると、入所は全て自治体が審査するので、企業枠がなくなるから。
 私は、企業主導型保育施設について、認可保育施設と同等の運営費、整備費を出すんだから、少なくとも保育の質も認可と同等にすべきじゃないのかと言いたいんですが、いかがですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育事業の例えば職員配置とか設備、面積等の基準でございますけれども、基本的には、認可施設でございます事業所内保育事業あるいは小規模保育事業と同様の基準を設定させていただいているところでございます。
 さらには、先ほど申し上げましたけれども、更に質の確保を上げていく観点から、例えば、保育事業者設置型につきましては、新規参入の場合に五年以上の実績が必要である、定員二十名以上は保育士割合を七五%以上に引き上げるといった報告書の内容を踏まえまして、一層の質の向上に努めてまいるという位置づけでございます。

○塩川委員 小規模と同等といっても、小規模は二十人より少ないわけですから、実際に二十人より多いところが多いわけで、そういった点でも低く合わせるようなやり方はおかしいですよ。
 今回、五〇%を七五%に引き上げるという検討委員会の報告書なんですけれども、実際にこの企業主導型保育施設に入所している児童の数、推計でいいんですけれども、聞きたいんです。〇―二歳と三―五歳、これはおおよそ何人ぐらいなんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育事業施設を実際に利用している児童数を集計したものはございませんが、平成二十九年度企業主導型保育施設の定員に対する利用者数の状況について調査してございます。
 この調査は、平成二十九年度中に運営を行っていた全施設につきまして、各月時点における延べ利用者数を、定員に開所日数を乗じた数で除し、一カ月当たりの定員充足率を算出したものでございまして、実際に利用していた人数を正確に算定することは困難ではございますが、その上で、先ほど申し上げました定員充足率の調査に基づきまして単純に推計させていただきますと、〇―二歳児が約一万六千三百人程度、三歳以上が約一千五百人程度となるところでございます。

○塩川委員 ですから、〇―二歳が圧倒的なわけです。それは当然そうだと思うんですよね。九割以上が〇―二歳ということになると、なおのこと安全対策が極めて重要だということを言わざるを得ない。保育士の配置基準、五割でいいとか七五%でいいとか、これは納得できる話じゃないと言わざるを得ません。
 最後に大臣に伺いますけれども、企業主導型というのは、答弁にもありましたように、働き方に応じた柔軟な保育ができる。今、長時間労働があるとか深夜労働とかある中で、その柔軟に応えるということは、保育そのものが長期になり、あるいは逆に短時間だったり、深夜に及んだり、あるいは集団ではなくて個別の対応にならざるを得ないという点でも、夜間とか休日勤務、短時間勤務、一時預かりなど、柔軟に対応できるというのは、ニーズに応えるという場合には、子供にとっては非常に大きなストレスをためるものになる。そのため、保育者には通常の保育以上に専門性の発揮が要求されているんじゃないでしょうか。
 夜間や短時間などは特殊な保育であるために、安全性が一層求められています。このような条件に対応した保育を行うためには、保育士の割合は七五%などと言わずに、認可と同様に一〇〇%にするのは当然じゃないでしょうか。大臣、お答えください。

○宮腰国務大臣 委員御指摘のとおり、子供の健やかな育ちを図るためには、保育の質の確保は非常に重要であると認識しております。
 しかしながら、これまで内閣府が事業を進めてきた中で、まずは量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか。ここは一度立ちどまり、これまでの取組を検証し、反省すべきは反省し、しっかりと改善を図っていくべきではないのか。私としては、そうした厳しい認識のもとに、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げました。
 一昨日十八日に公表されました当面早急に改善すべき事項についての検討委員会報告において、子供の安全第一の観点から、保育の質の確保、向上を重視し、審査、指導監査のあり方を検証し、見直すといった改善方策が示されております。
 今後、検討結果を踏まえ、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいと考えております。

○塩川委員 全く不十分だと言わざるを得ません。柔軟な働き方というより、柔軟な働かせ方そのものを変えるべきなんじゃないでしょうか。それに合わせたような保育に対応すること自身が、子供の安全性にとって大きな懸念を生じるものになる。
 この企業主導型そのものについても強い懸念がある、待機児童対策というのは、認可保育所を、しっかりと保育を行っていく、このことが保護者の強い要求だということを申し上げて、質問を終わります。

埼玉県民大運動実行委員会の国会要請行動であいさつ

 埼玉県民大運動実行委員会の国会要請行動であいさつ。

 統計不正問題、辺野古米軍新基地建設問題など野党の要求で新たな資料が国会に提出されました。ウソとごまかしの安倍政権を徹底追及していきたい。

 統一地方選と参院選で、安倍政権に退場の審判を下そう!

ラオス国民議会議長一行の衆院議長表敬訪問に同席

 ラオス国民議会議長(パーニー・ヤートートゥ議長)一行が大島衆院議長を表敬訪問。会談の場に同席しました。

 パーニー議長は「二国間の議会交流を促進する機会にしたい」と述べ、大島議長は「議会間交流は、あらゆる場面で活発に進めていきたい」と応じました。

 ラオス国民議会は一院制。全国18選挙区、149議席。任期は5年。選挙権は18歳以上、被選挙権は21歳以上。

 ラオス人民革命党の一党指導体制であり、全議席がラオス人民革命党。
女性議員は41名で、約27.5%を占める。