入間基地・百里基地とPFAS問題/防衛省と環境省から聞き取り

 発がん性などが疑われる有機フッ素化合物PFASの問題について、防衛省と環境省からヒアリング。

 環境省が取りまとめた「令和3年度公共用水域及び地下水のPFOS及びPFOA調査結果一覧」によると、茨城県の梶無川の上宿橋(行方市)地点のPFOS+PFOAの合計値は54ng/L埼玉県川越市の不老川不老橋地点のPFOS+PFOAの合計値は60ng/L。いずれも暫定目標値50ng/Lを超過しています。

 梶無川上流には空自百里基地があり、不老川上流には空自入間基地があります。いずれも6キロ以上離れていますが、自衛隊飛行場が汚染源ではないかと懸念されます。

 防衛省の「自衛隊施設における泡消火設備専用水槽水質調査結果について」によると、百里基地及び入間基地の水槽水の調査結果が掲載され、PFASの高い数値が記録されているのです。

 暫定目標値を超えている河川のPFAS汚染に関して、自衛隊基地の影響があるのではないかと問うと、防衛・環境両省とも「PFASの用途は様々であり、汚染源の特定や因果関係を明らかにすることは困難」と述べるだけで、調査する考えはないとのこと。

 しかし、河川・湖沼といった公共用水域でのPFAS調査を見ると、茨城県内20か所中暫定目標値超過は1か所、埼玉県内48か所中1か所。その2か所の上流部にいずれも自衛隊飛行場があるというのはどういうことか。国の責任で調査し、因果関係を明らかにすべきです。

 空自浜松基地の近傍を流れる河川で、高濃度のPFASが検出されたことを受け、浜松市は基地内での調査を自衛隊に要請しました。防衛省は、その要請を受け止め、基地内の調査を実施することを決めました。入間基地・百里基地についても、国の責任での調査を求めるとともに、地元自治体が声を上げて自衛隊に調査するよう働きかけることも必要ではないでしょうか。

航空法の適用除外/構造的な欠陥のオスプレイ低空飛行訓練は認められない

 米海兵隊のMV-22オスプレイが航空法の定める最低安全高度(150m)を下回る60mの高度で訓練飛行することを日米政府が合意したことについて、防衛省に質しました。

1)米海兵隊のMV-22は「対地高度200フィート(60m)までの飛行訓練」を行うとしています。航空法の最低安全高度は、最も高い障害物の上端部から150mを確保する必要がありますが、MV-22の場合はあくまで「対地高度」であり、地表面から60mの高さで飛行するというもの。一層危険性を増すことになります。

2)米海兵隊は、MV-22の低空飛行訓練ルートについて、すでに「環境レビュー」においてオレンジルートやブルールートといった「色別」ルートを示していますが、今回の合意で自衛隊の訓練空域も使用することが明らかになりました。

 航空自衛隊には「低高度訓練試験空域」、陸上自衛隊には「最低安全高度以下の飛行許可」区域などが設定されています。今回の合意で、米海兵隊のMV-22部隊は「自衛隊の関係方面隊等に通報し・・必要な情報を提供する」とともに「必要に応じて・・自衛隊の他の適切な機関と事前調整を行う」とあります。「自衛隊の訓練空域の使用について、使用統制機関である自衛隊部隊と事前調整を行うということか」と聞くと「そのとおり」と回答しました。

 関東地方だけを見ても、群馬・栃木上空に航空自衛隊の低高度訓練試験空域「エリア3」が設定され、山間部や河川上空を中心に陸上自衛隊の最低安全高度以下の飛行許可区域が広範囲に設定されています。低空飛行訓練の危険性は明らかです。

3)「防災ヘリやドクターヘリ、ドローン飛行などとの事前調整は行うのか」と聞くと、「文書には記載されていない」と回答。自衛隊との調整は行うが、民間との調整は行わない姿勢です。救急医療や災害対応に支障が生じる重大問題です。

 日本の航空法が適用除外され、その上クラッチの不具合など構造的な欠陥を抱えるオスプレイの低空飛行訓練など、断じて認められません。米軍及び陸自オスプレイの配備・運用の中止を強く求めるものです。

【「しんぶん赤旗」掲載】資格確認書発行は負担増/共産党マイナ追及委/保険証なら経費不要

「しんぶん赤旗」8月10日・2面より

 日本共産党国会議員団の「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」は9日、7回目の会合を開き、「マイナンバー情報総点検本部」の中間報告などについて政府をただしました。

 議員からは来年秋の保険証廃止以降の「資格確認書」の有効期限を「5年以内」と区切った根拠を質問。厚生労働省は「退職や転職などにより資格を失っても、期限がないと不正使用される可能性がある。現行での有効期限の平均を見て5年以内とした」などと答えました。議員側からは「現行の保険証で対応すればいい話だ」との指摘が相次ぎました。

 伊藤岳参院議員は「ある保険者は、マイナ保険証や資格確認書交付のためのシステム改修に3億円かかったと言っている」と紹介しました。他の議員からは「システム改修や資格確認書の交付の費用に全体でいくらかかるのか。その負担は誰がするのか」と質問。厚労省は「システム改修については検討中。現行もランニングコストは保険者が負担しており、それを踏まえて決めていく」と答えました。議員からは「現行の保険証のままであれば必要ない費用だ」との批判の声があがりました。

 中間報告は、不安のある国民に、マイナポータルでひも付けが正しいかどうか自己確認することを推奨しています。しかし、ひも付けに誤りがあれば、他人の情報をのぞくことにもなります。個人情報保護委員会事務局は「一般的に他人の情報が閲覧できるのは適切な状態ではない」と述べました。

 追及委責任者の塩川鉄也衆院議員は「他人の情報を閲覧してくださいと大臣が推奨しているのが間違いではないか。個人情報保護委はマイナ制度全体を個人情報保護の観点でどうするのかを考えるべきだ」と批判。「マイナンバーカードの取得を強要してきたゆえに生まれているさまざまな問題だ。保険証廃止は撤回すべきだし、個人情報のひも付けについても、いったん立ち止まって見直すべきだ」と指摘しました。

 

【「しんぶん赤旗」掲載】PFAS健康調査せよ/共産党対策委/環境省に要求

「しんぶん赤旗」8月9日・4面より

 発がん性などが疑われる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の問題をめぐり、日本共産党は8日、国会内で「PFAS問題対策委員会」の初会合を開き、環境省が今後の対応方針を示したことを受け、聞き取りを行いました。党議員らは、高濃度の汚染が確認されている地域でPFASによる健康への影響を調査するよう求めました。

 東京・多摩地域や沖縄県などの米軍基地、大阪府摂津市の空調大手ダイキンの周辺などで、住民の血中から高濃度のPFASが検出されており、不安が広がっています。

 環境省は、汚染地域での健康影響調査について、「過去の血中濃度と疾病を結びつけるのは困難だ」と述べ、調査の実施に後ろ向きな姿勢を示しました。

 日本共産党の山下芳生参院議員(同委責任者)は、血液検査で高濃度のPFASが検出された摂津市民から、子どもや孫への健康被害を心配する声が上がっていると指摘。「不安解消には、PFASと疾病の因果関係を科学的に明らかにすることが必要だ。汚染が確認されているのに見逃せば、水俣病やアスベストと同じ事態になりうる」と警告しました。

 山添拓参院議員(同委事務局長)は、米国で「健康被害の恐れがある」とされる指標値(血液1ミリリットルあたり20ナノグラム)が公表されたことを受け、「日本も血中濃度の基準をつくるのか」と質問。環境省は「(知見を)集積しながら、今後どうするか考える」と述べるにとどめました。

 また、環境省が7月に作成した国民向けにPFASの疑問に答える「Q&A集」で、PFASによる「健康被害は確認されていない」と記述されていることに関し、山下氏は「そもそも健康被害を確認するための調査をしていない。非科学的で安全神話になりかねない」と批判しました。

 会合には笠井亮、穀田恵二、宮本徹、宮本岳志、塩川鉄也衆院議員、岩渕友、井上哲士参院議員らが参加。同委は今後、専門家からの聞き取りや現地視察を予定しています。

 

【「しんぶん赤旗」掲載】衆院比例候補駆ける/北関東(定数19)/塩川鉄也さん(現)

「しんぶん赤旗」8月6日・3面より

原点は憲法 筋通す論戦

 2000年の総選挙で初当選、以降連続当選し現在8期目です。戦後の全衆院議員の中で、委員会発言回数・出席回数は4位、現職ではトップ(民間作成の「国会議員白書」)。党議員団の論戦を引っ張ってきました。

 マイナンバー制度の追及でも、財界の要求を見抜き官民の癒着を暴露する等、論戦の先頭に立ってきました。

 19年の台風19号では県議と連絡を取り事前に埼玉県へ災害救助法適用を働きかけ、迅速な適用につながりました。これにより、避難費用や、住宅の応急修理費用が国と県の負担で支給されました。

 15年の関東東北豪雨災害の際、栃木県では住宅応急修理制度の適用は0件でした。地元議員団と自治体へ働きかけ、台風19号では2500件以上に。

 「強い官邸」と対峙(たいじ)し、国会の運営全般について各党間で協議する議院運営委員会。議運での発言は、他党議員や院事務局も「塩川議員が言うならば」と影響力が抜群です。

 原点は憲法。「国民主権の議会制民主主義において、主権者国民に『開かれた国会』が重要で、政府行政を監視監督することが国会の重要な役割」「憲法が根底に存在しているからこそ、筋の通った論で問題と正面から向き合うことができる」

しおかわ・てつや 1961年、埼玉県生まれ。衆院議員8期。国会対策委員長代理、党幹部会委員。

知事選最終日/柴岡ゆうま候補の応援に/埼玉・所沢市

 埼玉県知事選最終日、所沢駅西口で日本共産党の柴岡ゆうま候補が最後の訴え!

 水道料金・国保税値上げを計画する大野県政にノーの審判を!

 学校給食費無料化、所沢保健所復活の願いは、柴岡ゆうま候補へ!

 国の悪政に物を言い、保険証廃止撤回、大軍拡ストップ、原発ゼロの一票は、柴岡ゆうま候補へ!

群馬/桐生市で業者後援会のつどい

 桐生市で業者後援会のつどい。

 マイナンバー制度の問題点を指摘。消費税減税、インボイス中止を訴え。

 暮らしと営業、地域経済を支える中小企業政策への転換が必要。徴税強化の告発や下請けいじめの是正、資金繰り問題など意見交換。

 財界・大企業の儲け優先の政治を正す日本共産党を伸ばしてほしい。

群馬/太田市でつどい

 太田市のつどい。

 無理筋の保険証廃止の背景には、マイナンバーカード普及で社会保障の給付抑制と国民の負担増を求める財界の要求があること、岸田大軍拡は米国の要求に応えるものであることを訴え。

 軍需産業支援法の問題点や投票率の低さの解決策、不当な退職強要の実態などを交流。

 入党を訴えました。

【「しんぶん赤旗」掲載】外国人の人権守る/党の委員会初会合/前進へ知恵尽くす

「しんぶん赤旗」8月2日・1面より

 日本共産党国会議員団の「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」は1日、国会内で初会合を開き、同委員会が行った埼玉県内のクルド人コミュニティーの調査をふまえ、日本で暮らす外国人の人権を守る今後の取り組みについて協議しました。

 同委員会事務局長の本村伸子衆院議員は、難民問題に携わる弁護士が今回の党の調査について、改悪入管法は通っても「当事者を見放さないという大事なメッセージ」と話していることを紹介。医療や教育など重層的な困難を抱える外国人の人権を守るため、「少しでも前進できるよう知恵を尽くしたい」と述べました。

 責任者の仁比聡平参院議員は、在留資格のない子どもや家族が、強制送還への切迫した恐怖とともに、法案が成立した絶望感を抱えていると強調。抜本的解決策を掲げ「全力でたたかいたい」と表明しました。

 出席した議員から、入管施設への収容を一時的に解かれる仮放免状態にあるため、健康保険証がなく高額な医療費がかかる外国人に対する国の支援や、高校授業料の減免制度が適用されない現状を変える必要性などが次々と語られました。今後、子どもや家族に在留特別許可を出させることなど、段階的に取り組みを進めていくことが確認されました。

党マイナ追及委/政府「総点検」や保険証廃止/個人情報保護委員会の在り方について追及

 党国会議員団「保険証廃止撤回・マイナンバー問題追及委員会」の第6回会合。政府のマイナンバー「総点検」や保険証の廃止、個人情報保護委員会の在り方について、政府を追及しました。

 政府のマイナンバー「総点検」は、紐づけの誤りが起きる恐れのある事項だけ個別データの点検を行う方針です。

 デジタル庁は「個別データの点検を行えば、紐づけ誤りは相当程度修正されるはずだ」と説明。

 議員からは「データ点検を行う対象に入らない事項の誤りは発見できないのではないか」との指摘があがりました。

 現在、マイナ保険証を持っているのは国民の半数でしかなく、申請主義の資格確認証の交付対象や職権での交付について質問。

 厚生労働省は「保険医療が受けられないことがないよう、柔軟に対応する」と述べつつ、「基本はマイナ保険証、資格確認証は補完」と固執する姿勢を示しました。
議員からは自治体など保険者の負担を考えても「そのまま現行の保険証を残すべきだ」との声が相次ぎました。

 私(追及委責任者)は「個人情報保護委員会とデジタル庁の所管外人が同じという在り方が問題だ。菅内閣での個人情報保護法の改悪はデジタル改革を推進する立場で行われたものだ」と批判。

 個人情報保護委員会事務局は「独立組織であると法で規定している」と反論。

 私は「個人情報の利活用委員会になっている。大本が問われている」と主張しました。

埼玉・小川町議選告示/田中たつお候補の応援に

 小川町議選告示。本田重信議員の議席を引き継ぐ田中たつお候補の応援に!

 この間日本共産党は、18歳までの子ども医療費無料化を実現。自然・生活環境を壊すメガソーラー建設に反対し、新たな開発に歯止めをかけてきました。

 田中たつお候補の勝利で、学校給食費無料化、子どもの国保税(均等割)ゼロに!

【新聞「新埼玉」掲載】あたたかい埼玉県政へ転換を

新聞「新埼玉」8月号より

塩川鉄也の国会から埼玉から

 国の悪政の防波堤となる自治体の役割発揮が求められているのに、埼玉県政はどうでしょうか。

 マイナンバー制度をめぐって、個人情報の漏えいや保険証廃止、マイナンバーカード押し付けが大問題になっているのに、現職知事は「マイナンバーカード・マイナ保険証はメリットがある」などと、国の政治を追認するだけ。県政だけでなく国政に対しても自民党政治に迎合しています。

 岸田政権の敵基地攻撃能力保有と大軍拡に対しても、「国の専管事項」というだけ。平和と立憲主義を壊す岸田政権追随の県政では、暮らしも平和も守れません。4年前の知事選で、現職知事を自主支援した「自民党県政の復活は許さない」「立憲主義を守る」という大義は損なわれました。

 国いいなりの県政を変え、健康保険証廃止撤回、大軍拡ストップ、県民一人ひとりに寄り添うあたたかい埼玉県政へと転換していきましょう!

(衆議院議員・党国会対策委員長代理)

埼玉・川越市でつどい

 川越市南古谷で「未来を語るつどい」。佐藤一馬衆院埼玉7区予定候補と一緒に。

 「マイナンバーカードつくったけど心配」「今のメディアは国民に知らせることをやめている」「YouTubeの活用など若い世代に向けた働きかけの工夫を」「反共攻撃にどう答えたらよいかわかった」など、活発な質疑応答に。

核兵器禁止条約の批准を/埼玉県原爆死没者慰霊式

 埼玉県原爆死没者慰霊式に参列。

 被爆者の声が国際社会を動かして実現した核兵器禁止条約が発効。

 国連加盟国の半数の92ヵ国が署名。被団協の核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名は109万筆に及び、核兵器禁止条約への参加を求める地方議会の意見書採択は約4割の660議会に。

 政府は条約を批准せよ。

クルド人や支援団体と党国会議員団懇談/埼玉

 党国会議員団の「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」(責任者・仁比聡平参院議員)で、埼玉県内のクルド人や支援団体と懇談。

 医療機関の担当者から必要な医療が受診できない非人間的な扱いへの是正の要望が出され、教育関係者からは日本語教育の拡充のための教員増などの要望が寄せられました。


「必要な受診困難」訴え/埼玉・川口/党議員、クルド人支援者と懇談

「しんぶん赤旗」7月27日・12面より

 日本共産党の「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」(責任者・仁比聡平参院議員)は26日、埼玉県川口市などの埼玉クルド人コミュニティーを訪問しました。仁比氏、塩川鉄也、本村伸子両衆院議員、倉林明子党副委員長(参院議員)、梅村さえこ元衆院議員、党埼玉県議団、党川口市議団が参加しました。

 懇談では、同地域では在日クルド人が多いことを前提に、埼玉協同病院の事務次長らが、日本の在留資格を持たない外国人(非正規滞在外国人)は、仮放免などで入管には収容されていないものの就労が禁止されており、健康保険加入など日本の社会保障制度が使えないと説明。「(彼らへの)医療提供は無料低額診療事業で限られた民間病院の倫理観にのみ支えられている」「必要な時に必要な医療が受けられないという非人間的な扱いを受けていて、近代以前の状況」だと述べました。また、未払いもあり、病院の負担も大きいとして「無保険者の診療を受け入れた際は、国が補てんするなど公助の仕組みをつくってほしい」と訴えました。

 学校関係者との懇談では、現場で働く教員が「毎日1時間でも教えたいのに、現状では(クルド人らの)学習権が保障できていない」と語り、日本語教室の増設、教員の補充などを要望しました。

 本村、梅村の両氏は「国は、18人につき1人の教員を配置するとしているが、現場はどう思っていますか」と質問。教員は「18人に1人では、教えるのが難しい。それでは(教員が)全然足りない」と答えました。


病院1回で3、4万円/在日クルドの子ら苦しみ訴え/共産党議員と懇談

「しんぶん赤旗」7月28日・12面より

 日本共産党の「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」(責任者・仁比聡平参院議員)は26日、埼玉県内のクルド人コミュニティーを訪れ、在留資格のない子どもや家族、支援者と懇談しました。仁比氏と、本村伸子、塩川鉄也両衆院議員、梅村さえこ元衆院議員らが参加しました。

 クルド人の子どもたちは、入管施設への収容を一時的に解かれる仮放免状態のため、健康保険証がなく高額な医療費がかかることや、高校授業料無償化の対象にならないこと、住んでいる埼玉県から出るにはいちいち入管の許可がいる苦しみを語りました。

 中学1年生の女子は「病院に1回行くだけで3、4万円払う」と話しました。中2の男子は「サッカー部で群馬や千葉でも試合があるのに、埼玉から出られないから行けない」と訴えました。

 「留学をしたい。でも仮放免のままだと夢がかなわない」(中2女子)など、将来への不安も語られました。仁比氏は、医療や教育など生きていくうえで必要なサービスは「最低限のベースだ」と述べたうえで、「みんなが夢を追いかけられる社会にしていくために頑張りたい」と表明しました。

 在日クルド人との交流や学習支援などを行う団体「在日クルド人と共に」の温井立央さんは、大学生などが日本語教室のボランティアに参加するなかで、「一人の人間として(外国人に)接することは大切だと思った」と話していることを紹介。地域の人など「いろんな人がコミュニケーションをするなかで、理解を深めていってほしい」と述べました。

 家庭訪問では、日本に17年間暮らす女性(35)とその家族が、仮放免生活で不自由を強いられている実態を訴えました。

 女性は、クルド料理の教室など文化活動をしたくても、「住民票がなく場所を借りられない」と述べ、日本人と一緒に活動したり話したりする場がほしいと話しました。