【内閣委員会】法案資料45カ所の誤り/デジタル法案/「説明を放置」と追及

 デジタル関連5法案、法案資料の計45カ所の誤りについて国会にも国民にも知らせず放置していたとして政府の責任を追及。大本に『菅首相の看板政策だからとにかく早く進める』という拙速な対応があったからではないか。そのことへの反省がまず必要だ、とただしました。

 政府は、2月12日に最初のミスに気付き、2月末には精査が終わり、こっそり内閣官房などのホームページを入れ替えていました。国会にはその報告もせず、4日夜に政府担当者が私に法案印刷物を届けに来た際、「法案提出時に届けたものと異なります」とだけ伝えてきました。誤り部分と正しい表記を並べた「正誤表」の提出を求めたものの放置。正誤表を持ってようやく8日に説明に来ました。

 私は3月初頭に報告を受けていたという平井氏や与党に対し、与党は正誤表もないのに(説明に)納得したのかと批判。

 平井担当相は、正誤表は配らなくていいという「強い思い込みで遅れた」との言い訳に終始しました。

 私は、行政府と立法府の関係が問われていると強調し、国会審議を軽視する政府・与党の姿勢を批判しました。

 平井担当相は謝罪し、月内に再発防止策をまとめる考えを表明しました。

 私が求めていたホームページ上での入れ替え日の記載と正誤表の掲載は、11日の夕方には行われています。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月12日 内閣委員会 8号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 私からも、冒頭、このデジタル関連法案について、要綱等、関連資料の間違いがあった、この問題について取り上げたいと思います。
 元々、四日の木曜日の夜に白表紙を政府の方が持ってきて、届けに来たついでのように、いや、若干間違いもありますのでみたいな説明だったんですよ。本来、そこで正誤表を持ってくるならまだしも、そういうのもなしに、正誤表の要求をしたにもかかわらず、ずっとそのまま放置されるような状況だった。
 大臣は、この正誤表そのものがいつできたかというのは御存じですか。
○木原委員長 すぐ出ませんか。
 速記を一回止めてください。
    〔速記中止〕
○木原委員長 速記を起こしてください。
 平井大臣。
○平井国務大臣 これは、五日の指摘を受けて、三月八日、九日、ですから、正誤表というのは八日、九日ということになるんですね。
 これも、随時作っていたもので、バージョン管理ができていなかったというのが今回の先生に御迷惑をかけた一つの原因になっているというふうに今調査しているところでございます。
○塩川委員 要するに、正誤表は三月の八日、九日だということですよね。
 そうなりますと、おとといの理事会に内閣官房、内閣府が、要綱等の誤りについてというペーパーを出しました。ここのところには、四日から国会の皆様に御報告を行っているとあるんです。要綱等の誤りについて四日から報告を行っている。これは、正誤表がない中でどうやっているんですか。
○平井国務大臣 ここが、修正済みの白表紙を配付することをもってきちんと対応になるとの思い込みが余りにも事務方に強かったということで、四日、五日に配付した際に正誤表をつけていなかったと。つまり、白表紙にこだわり過ぎたというふうに思います。
 そしてまた、御指摘のとおり、その時点で正誤表をつけなかったのは丁寧な対応ではなかったと思っており、大変反省しております。申し訳なく思っております。
○塩川委員 ですから、正誤表もないのに説明したと言えないんですよ。だって、どこが間違っているかって分からないんだから。何を直しましたということもないんだから。それを、報告しましたというのをペーパーで出してくるのがそもそもおかしいんじゃないですか。また理事会でこういう誤った説明をしているのかという話になるわけであります。
 それで、ホームページの差し替えの話もありました。
 内閣府の方は二月の二十六日、内閣官房の方は三月の一日ということですけれども、その処理を行ったのはいつなんでしょうか。(平井国務大臣「何の処理ですか」と呼ぶ)ホームページ上に記載をしたのはいつの時点ですか。
○平井国務大臣 内閣官房及び内閣府のホームページの国会提出法案資料の掲載に関して、誤りの箇所が確定した後、内閣府の所管法律案については二月二十六日に、また内閣官房の所管法律案については三月一日にそれぞれ修正したというところでございます。
○塩川委員 それを実際にホームページ上に記載をしたのはいつの時点なんですか。
○平井国務大臣 二月二十六日に手続をしたと思われますが、まだ正確には今分かりません。
○塩川委員 それは違うんじゃないですか。つい最近のことじゃないですか、直したのは。
 要は、二月の二十六、三月の一日の時点で間違いは分かっていました、ホームページ上も直しました、与党に対しては二十六、三月の一日に説明をしていました、直したタイミングですから。それなのに、国会への報告、国民への公表、それがずっと放置をされていた。ホームページ上の変更というのもつい最近のことですから。
 こういったように、国会、そして野党、国民の皆さんへの報告がこんなに遅れたというのはなぜなんですか。
○平井国務大臣 ホームページ等々は国民に対してオープンにするということだと思うんですが、今回、事務方において、国会に報告する資料としては、誤り部分を修正した白表紙を整えて配付することをもってきちんとした資料で対応したことになるという強い思い込みで遅れたと私は思っています。
○塩川委員 ですから、事前に取り寄せた人は間違っていると思わないんですよ。そのことについて何の配慮もないということですか。
○平井国務大臣 事前にお配りした人に関しては、修正があるということで、その白表紙をお配りしたと聞いております。
○塩川委員 ですから、正誤表はつけていなかったわけでしょう。それでどうして事前に配付をした人に対しての説明になるのかという話なんですよ。
 こういう形で、ホームページ上にはこっそりと直しました、元々二月二十六、三月一日に分かっていました、与党には説明しました、だけれども、国会において、野党に対してはずっと一週間以上も放置をした。それはなぜなのかというのをもっとしっかり答えてください。
○平井国務大臣 今回は、参考資料に誤りがあったこと、国会への説明が遅くなったこと、提出した正誤表が最終版ではない途中のものを配付したこと、この三点が我々の大きなミスで、おわびを申し上げたいと思います。
 ただ、何度も同じ答弁になって申し訳ないんですけれども、国会に対してはきちんとした資料で説明する必要があると考え、誤り部分を修正した白表紙を整えて配付することをもってきちんとした資料で対応したことになる、その思い込みが非常に強かったということでございます。
○塩川委員 大体、与党も、説明を受けたといっても、正誤表もない中で何で間違いが分かるんですかね。与党の皆さんはそれで納得されていたんですかね。そういう点でも、行政府と立法府の関係が問われているんですよ。法案審議をするというときに、こういった間違いについてきちんと報告もしない。
 こういった大本にはやはり、菅総理の看板政策だから、とにかく早く出す、早く進める、こういう拙速な対応が結果としてこういう事態になっているんじゃないのか。そのことへの反省がまずは必要なんじゃないですか。
○平井国務大臣 今回のことは本当に心からおわびを申し上げ、再発防止策についても、今、藤井副大臣とともに今月中に取りまとめたいというふうに思っておりますし、本当に先生方に御迷惑をおかけしたことに心から申し訳なく思います。
○塩川委員 本多さんが要求されておりましたけれども、一連の経緯についてきちっと調べて報告をいただきたい。それを踏まえて、また政府の対応方についてただしていきたいと思います。

【議院運営委員会】非常勤職員/兼業で公正さに疑念/人事官候補に指摘

 政府が提示した国会同意人事案のうち、川本裕子人事官候補から所信を聴取しました。

 私は、人事院の中立・第三者機関としての役割について認識をただしました。

 川本氏は、「公務員は全体の奉仕者」との憲法15条の規定をあげ、人事院の業務は「公務員が不偏不党、中立公正に公務の遂行を可能にすること」だと答弁。

 私は、公務の公正性が疑われる総務省・農林水産省の接待など官民癒着が問題となっている。内閣広報官などの特別職の官僚は国家公務員倫理法の対象外だ。特別職の官邸官僚への倫理法や倫理規程が必要ではないか、と質問しました。

 川本氏は「特別公務員は厳格な倫理意識をもつ人が選任されるのではないか」「選任時のルールは府省庁で持っている」などと述べ、正面から答えませんでした。

 また、私は、国家公務員の非常勤職員は兼業が可能で出身企業から給与の補填(ほてん)を受けられる。誰のために仕事をしているのか。公務の公正性に疑念が生じる、と批判。

 川本氏は「兼業として民間企業の業務に従事した場合、給与を受け取ることはありうる」と容認しました。

 


 

【内閣委員会】特別職の官邸官僚/倫理規程なし/塩川議員「ルール作れ」

 山田真貴子・前内閣広報官が、総務省在籍時に、東北新社だけでなくNTTからも接待を受けていた問題。総務行政の信頼が問われている。総務省として調査を行えと質問。

 総務省は「倫理法違反については、山田氏はすでに退職しており、総務省として調査する立場にない」としつつ、行政が歪められた疑惑については東北新社接待問題を検証する第三者委員会にて「山田氏の在職時も含めて、過去の衛星基幹放送の認定プロセス等について検証が進められると考えている」と調査対象になると答えました。

 また、私は、人事院に対し、国家公務員倫理法が持つ汚職防止のための事前規制としての役割を確認。

 人事院は「その通り」と認めましたが「特別職は倫理法の所管外。担当する府省庁が対応することだ」と述べました。

 私は、加藤勝信官房長官に対し、内閣官房として、倫理法・倫理規程に相当するルールを作るべきだと主張。

 加藤氏が「内閣官房職員の訓告等に関する規程がある」と答えたのに対し、私は、訓告は懲戒処分ではないと追及。

 加藤氏は「高い倫理観をもって職務に励んでほしい」と本人の自覚任せの姿勢を示しました。

 私は、官邸機能強化で、官邸官僚の力が強くなっているときに、恣意的な運用とならないようにルール作りを行えと強調しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月10日 内閣委員会 7号>

○塩川委員 続きまして、総務省接待問題をお尋ねをいたします。
 総務省にお聞きしますが、三月八日、総務省は、NTT接待に関する倫理規程違反の疑いがある会食一覧を国会に提出をいたしました。その一覧表では、上記以外の会食についても確認中といいますけれども、調査範囲はどうなっているでしょうか。山田真貴子元内閣広報官はその調査対象に入っているのか、この点をお尋ねします。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
 三月八日に提出いたしました会食の一覧につきましては、国家公務員倫理規程に違反する疑いのある四件の会食について事実関係の特定を早急に行い、現時点で確認できたものを途中経過として御報告したものでございます。
 これまでもコンプライアンス対応で相談させていただいております弁護士の方に加えまして、検事経験のある弁護士の方にも新たに参加していただきまして、御指摘ありました調査対象とか調査の手法まで御指導を仰ぎながら、ヒアリングにもできる限り御同席していただくなど、常に第三者のチェックをいただきながら、引き続き確認を進めてまいるつもりでございます。
 また、山田真貴子前総務審議官につきましては、既に総務省を退職しておるところでございまして、総務省といたしまして、倫理法違反の疑いにつきまして調査を行う立場にはございません。
 以上でございます。
○塩川委員 調査対象の範囲はまだはっきりしていないということですか。
○阪本政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申しました弁護士の方と相談して、現在精査しているところでございます。
○塩川委員 NTTとの関与というのは非常に重大な中身でありますので、その範囲をしっかりと広げていくということが必要だということを申し上げるとともに、山田真貴子元内閣広報官については、総務省在籍時に、利害関係者である東北新社から接待を受けていただけではなく、NTTからも接待を受けていたということになりました。しかし、今回の会食一覧では、参加者の一人として名前が挙がっているだけであります。
 やはり、総務審議官時代の利害関係者との会食になっていく問題ですので、単に退職したからもう関係がないという話じゃないんですよ。総務省の仕事をしているときに起こった、こういう倫理規程違反が問われる問題について、総務行政への信頼が問われているわけです。総務行政への信頼、これを回復しようというのであれば、当然のことながら、その当時の関係者である山田さんについてもしっかりと総務省として調査する必要があるんじゃないですか。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど、倫理法違反の疑いについての調査について回答させていただきました。
 御指摘のような、まさに総務省の行政についてということでございますが、今後立ち上げます第三者による検証委員会では、山田前総務審議官の在職期間中のものも含めまして、過去の衛星基幹放送の認定プロセスなどにつきまして検証が進められることになる、そう考えておるところでございます。
○塩川委員 第三者検証委員会にしっかりやってもらって、関係者をしっかり呼んでもらうと同時に、やはり、倫理法違反、倫理規程が問われる、この問題について、必要な関係者の意見を聞く必要があるんじゃないですか。利害関係者の側だって民間の方であるわけで、総務省の人ではないけれども、そういう方にしっかり話を聞くということがあるわけですから。
 当事者の中の山田さんについて、今のお立場であっても話を聞きに行くというのは当然必要なことなんじゃないですか。
○阪本政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになって恐縮でございますが、山田真貴子前総務審議官につきましては、既に総務省を退職しておりますので、総務省が倫理法違反の疑いについて調査を行ったり処分を行ったりという立場にはないという状況にございます。
○塩川委員 倫理法違反の全体像を明らかにする上でも、当事者の方の話を聞くということは必要なことであって、山田氏を始めとして徹底調査を行うことを改めて求めておきます。
 次に、人事院にお尋ねします。
 この国家公務員倫理法及び倫理規程は、もちろん倫理規程に関わる問題について対応するわけですけれども、贈収賄のような重大な汚職事件を回避するための未然防止策としての役割もあるんじゃないですか。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
 倫理法は公務に対する国民の信頼を確保することを目的とするものでございまして、贈収賄等を規定している刑法とは趣旨、目的が異なるものと承知をしております。
 もっとも、倫理法令は贈収賄に問われないような行為も規制対象としており、職員はより厳格な対処が求められていることから、結果として、委員御指摘のような効果もあるものと考えております。
○塩川委員 過去、過剰接待、事務次官の贈収賄事件もあった、その教訓の上にこの倫理法ができているという経緯を考えても、公権力行使を律するという点で、その入口として、こういった倫理法、倫理規程というのが重大な汚職事件を回避するための未然防止策としての役割にもつながりますし、このこと自身が、利害関係者との対応について公務員の側を守るという、そういう側面にもつながってくるわけであります。
 そういったときに、一般職の国家公務員は当然、倫理法、倫理規程があるわけですけれども、政治任用の特別職の国家公務員においてどうなのか。
 人事院にお尋ねしますが、内閣広報官や総理秘書官、総理補佐官などの特別職のいわゆる官邸官僚に適用される倫理法、倫理規程はどうなっているのか。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
 倫理法は一般職の国家公務員に適用されるものでございまして、特別職の国家公務員については所管外となっているところでございます。
○塩川委員 それでいいのかという問題なんですけれども、人事院としては、その点についてはどうですか。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
 特別職の国家公務員といいましても、その性質は様々でありますことから、担当する府省等において必要と判断されれば、それぞれにおいて検討されるものと理解をいたしております。
○塩川委員 まあ、いろいろあるということですけれども、必要に応じてそれぞれの省庁で考えることということですが、そういう点では、官邸における官邸官僚、特別職についてどうするのかという問題になってまいります。
 加藤官房長官にお尋ねをいたします。
 政権中枢で政策の企画立案や総合調整を担う特別職の官邸官僚というのは、極めて重い仕事を行っていることになります。こういった特別職の官邸官僚への規律が求められている。特別職の官邸官僚に対する倫理法、倫理規程に相当するルールづくりが必要ではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 内閣官房に置かれている特別職については、内閣の長である総理を直接補佐し、内閣と一体となって行動する幹部職員であり、いわゆる政治任用の国家公務員という位置づけになるんだろうと思います。したがって、その服務等については一般職と異なった取扱いになっており、国家公務員倫理法についての規定がなく、それぞれの特別職ごとに、その根拠法において必要な措置が講じられるところと承知をしております。
 倫理法の適用の有無にかかわらず、内閣官房に置かれる特別職の方々は、内閣の長である内閣総理大臣を直接補佐するという重責を担っていることを自覚し、国民全体の奉仕者として、一層高い倫理観を持って日々の職務に当たることは重要と考えております。
○塩川委員 自覚任せというわけにはいかないという話でありまして、まさに権力の中枢にいるわけですから、少なくとも最低限の倫理規程が必要なわけです。まさに、官邸で必要であればつくればいい話ですから、つくったらいいじゃないですか。
○加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、特別職については、まさにそれぞれの特別職ごとに、その根拠法において、服務、懲戒等によって必要な措置は講じられているところであります。
○塩川委員 倫理規程に相当するものをつくる必要があるんじゃないかというふうに聞いているんですが。
○加藤国務大臣 まず、服務の根本基準である国家公務員法の九十六条等については内閣広報官も適用されるわけであります。それ以外に、内閣官房職員の訓告等に対する規定が別途用意されているところであります。
○塩川委員 訓告は懲戒処分じゃありませんから。懲戒処分相当の措置を行う倫理規程に相当するものを、官邸官僚について、内閣官房、官邸として定めるべきじゃないのか。改めて。
○木原委員長 加藤長官、時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○加藤国務大臣 ですから、現在において、特別職については、内閣官房について、あるいは今御指摘の内閣広報官については、国家公務員法等の準用等、もう既に規定がなされているわけでありますから、それにのっとって対応していく。
 さらに、先ほど申し上げたその重責を踏まえて、国民全体の奉仕者として、高い倫理観を持って職務に当たっていただけるよう、これは励んでいただきたいというふうに考えております。
○塩川委員 官邸機能強化の下で官邸官僚の権限が強くなっているときに、それが恣意的な運用にならないようなしっかりとしたルールづくり、今つくるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

【内閣委員会】ステージ基準/変異株動向踏まえ見直しも/西村担当相

 西村康稔経済再生坦当相は、私の質問に対し、新型コロナウイルスの感染状況を示す4段階(ステージ1~4)の指標について、感染力がより強いとされる変異ウイルスが増加するなどの状況次第で、基準見直しもあり得るとの考えを示しました。

 西村氏は「現時点で基準見直しの議論をしているわけではない」としながら、「変異株、ワクチン接種の動向、病床の確保、さまざまな状況を見ながら専門家に今後議論いただき、必要があれば見直しをすることはあり得る」と述べました。

 西村氏は新型コロナについて「早晩、日本も全て(変異株に)置き換わると専門家もいっている。そういったことを頭に置いて対応していかなければいけない」との考えを示しました。

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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月10日 内閣委員会 7号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、コロナ対策について西村大臣に何点かお伺いをいたします。
 首都圏四都県の緊急事態宣言の二週間延長がありました。今、下げ止まりの心配があり、解除後のリバウンドの懸念等々もある中で、変異株の影響についての心配もあるわけです。厚労省のアドバイザリーボードや諮問委員会の場などでもそのことが指摘をされております。西村大臣御自身も、感染力が強い、変異株は非常に脅威、早晩全て変異株に置き換わるということを頭に置きながら対応しなければならないと述べておられました。
 既存株から変異株に置き換わることを念頭に置いて対策を取ることが必要であります。その際に、その対策の目安となるステージの判断基準、このことも見直す必要があるのではないかと考えますが、その点、いかがでしょうか。
○西村国務大臣 御指摘ありましたように、イギリスではもうほとんど全て変異株に置き換わり、フランスでも六割を超えてきている、あるいはアメリカでももう一割を超えてきているというような報告を受けております。早晩、日本も全て置き換わる、これは私どもの専門家の皆さんもそうおっしゃっておられますので、そういったことを頭に置いて、特に変異株は感染力が強いという研究結果がありますので、そういったことを頭に置いて対応していかなきゃいけないというのは御指摘のとおりだというふうに思います。
 その上で、この基準については、これまでも、感染状況などにおいて見直しをしてきております。
 実は、昨年春の解除のときには、直近一週間の新規の陽性者の数が十万人当たり〇・五人とか一人とかということでありました。その後、様々な知見もあり、また検査体制の充実もあり、病床も確保してきたことも進み、現在では十万人当たり二十五人以下ということで、こうした変更を行ってきております。
 これはステージの判断をしていく六つぐらいある指標のうちの一つですので、これを下回ったからといって直ちに解除するわけではありませんけれども、こういった形で指標も、見直しは様々な知見を踏まえて行ってきているところであります。
 そして、現時点で、何か、今、このステージ判断の基準を、見直しの議論をしているわけではありませんけれども、御指摘のように、変異株の動向とか、あるいはワクチン接種の動向とか、病床の確保とか、様々な状況を見ながら、これは、必要に応じて専門家に今後御議論いただいて、また必要があれば見直しをするということはあり得るというふうに考えております。
○塩川委員 必要な対策として、基準の見直しということを視野に置いて取り組んでいただきたいと思います。
 変異株の増加の懸念もありますし、リバウンドの心配などが今後想定されるような際に、やはり、高齢者施設や医療機関、また保育園での話もありましたので、定期的で頻回の社会的な検査が必要だと考えます。変異株の疑いを確認する検査を増やすことも必要だと思います。この点で、自治体の費用負担分を国がしっかりと措置することを改めて求めたいと思っております。
 地方創生臨時交付金で自治体負担分についての手当てということでこの間の答弁もしていただいているところですけれども、やはり、自治体負担分に地方創生臨時交付金は直接充てることができない、迂回するような迂遠な措置となっているということでもありますので、そういう点でいいますと、震災復興特別交付税のような形で、地方交付税措置を使うことで自治体負担分に直接手当てをする、こういうことが、自治体における検査体制を更に進めていく、こういう後押しになるのではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○西村国務大臣 まさに、行政検査の費用負担については、感染症法の規定によって、都道府県等の自治体と国が二分の一ずつ負担をするということとなっていると承知をしております。そして、この二分の一の自治体側の負担については、御指摘の地方創生臨時交付金の算定対象とすることが可能となっておりまして、その分を自治体におけるコロナ対策の財源として活用することができます。この間、財政措置については、累次の補正予算、予備費などによって必要な対応をしてきたところであります。
 そして、御指摘の震災の復興特別交付税のようなものについては、震災復興の特別交付税は法人税や今も続いております所得税の増税を財源として創設したものでありますので、類似のものを考えるとすれば増税を行わなきゃいけないということにもなります。私どもとして、政府内で何かそんな増税の議論をしているわけではございません。
 いずれにしましても、この地方創生臨時交付金を活用いただき、必要な検査について積極的に対応いただきたいと考えておりますし、また、様々な状況を見ながら、予備費二・七兆円、また来年度予算が成立すれば五兆円ありますので、必要な対策は機動的に対応していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 そもそも、一連のコロナ対策でも実際には国債で対応しているわけですから、財源措置の在り方そのものをどうするかということは今後の議論であって、当時の民主党政権の対応がそうだったということはその限りの話でありますので、やはり自治体において、ふさわしく、こういった検査体制などがしっかり行えるような財源措置として、自主的な財源に当たる交付税措置を行うというのは一つの選択肢として考えるべきではないのかということを申し上げておきます。
 関連して、緊急事態宣言により影響を受けた事業者の皆さん、大変な御苦労の中にあります。そういった際に、地方創生臨時交付金の増額ですとか特別枠の設定などを考えるときではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○西村国務大臣 地方創生臨時交付金につきましては、まず協力要請推進枠として、御案内のとおり、緊急事態宣言措置の地域では月額換算最大百八十万円、これは店舗ごとに、大企業であっても支援をするということで、そのための財源をしっかりと手当てをしているところでありますし、解除後の地域でも、二十一時までの時短の場合、一日当たり四万円、月額換算最大百二十万円を基本として、その総額の範囲内で、より大きな店には上限を上げて六万円とか七万円とすることも可能とする、そうした柔軟な仕組みを導入したところであります。
 是非、柔軟に活用していただいて、要請に応じていただけるようにうまく対応していただければというふうに思います。
 他方、地方単独事業分、これは、三次補正で手当てしました一兆円を活用して、それぞれの自治体において、例えば、国の一時支援金は五〇%以上売上げが減少した中小企業に対しての支援でありますけれども、三〇%以上減少した部分もカバーしようということで充てられる自治体もあれば、また、感染状況がすごく下がっていますので、県内の観光を振興しようということで、県民に対して県内の観光施設を利用するクーポンのようなものを発行するような形で支援をやっていこうという自治体もあります。
 それぞれの自治体の地域の感染状況や経済の状況に応じて、地域のまさに実情をよく御存じの自治体が自由度高く支援策を行えるということで、もう既に行っていただいているところでありますので、そういった形で活用していただければと思いますが、いずれにしましても、予備費の活用も含めて、機動的に必要な対策を講じていければというふうに考えているところであります。
○塩川委員 柔軟な対応と言いますけれども、基本は事業規模に応じた支援をしっかり行うというところであって、それが今の財政措置では余りにも少な過ぎるというところを踏まえた対策こそ必要で、全国知事会が地方創生臨時交付金の増額などを要求しているのはそういったことが背景にある、こういうことをしっかり受け止めて、今後の対策を強く求めたいと思っております。
 西村大臣についてはここまでで結構です。ありがとうございました。

総務省接待問題/沢田NTT社長、東北新社中島社長・菅正剛氏らの招致を/野国連

 野党国対委員長連絡会開く。

 総務省接待問題で、参院予算委が沢田NTT社長の参考人招致を確認したことを受け、衆院でも参考人質疑を求めることで一致。沢田NTT社長とともに、東北新社の中島社長、菅正剛氏らの招致も求めることに。

 また、「全日本私立幼稚園連合会不正会計問題実態解明チーム」立ち上げを確認しました。

【本会議】デジタル法案/個人データ/不利益利用も/行政サービス充実こそ

 デジタル社会形成基本法案などデジタル関連5法案が衆院で審議入りし、質疑に立ちました。

 私は、デジタル化を口実に窓口の減少など自治体の対面サービスを後退させる事例が多いと指摘。デジタル化を生かすとともに多様なニーズに応える対面サービスの拡充を求めました。

 また、基本法案が推進する「国や自治体の情報システムの集約・共同化」は、自治体の業務内容を国のシステムに合わせるものだと指摘。ある自治体がシステムの仕様変更ができないことを理由に、第3子の国保税免除の要望を拒否した事例を紹介し、自治体独自のサービスの抑制につながると批判。

 菅義偉首相は根拠を示さず、「懸念はあたらない」と強弁しました。

 私は、同法案によって個人データを「活用」する社会になると指摘。マイナンバー制度の拡大をめぐっても、個人の所得・資産・医療・教育などの膨大なデータを国に集積させようとしている。本人に不利益となる利活用が行われるのではないか、と追及しました。

 菅首相は「法定された範囲内で利用する事務を増やす」とし、「個人情報の一元管理はせず、保護に万全を期す」と述べるだけでした。

 私は、基本法案の基本理念に『個人情報保護』の文言がないことは重大だと強調し、国家による個人情報集積が監視社会につながると主張しました。

 デジタル庁については、各行政機関への勧告など強力な権限を持ち、自治体や医療・教育機関の予算配分やシステム運用にも関与でき、多数の民間企業在籍者を登用することで、官民癒着を招くと批判しました。


衆院本会議で行ったデジタル関連5法案の質問要旨は次の通りです。

 政府は行政のデジタル化で住民サービスを向上させるといいますが、実態はデジタル申請のみとした持続化給付金などで、支援を受けられない事業者を多数生じさせ、窓口減少や紙の手続き取りやめ、対面サービスの後退も相次いでいます。

 行政サービス向上には、迅速・簡便な手続きとしてデジタル化を生かし、多様で多面的なニーズに応える対面サービスの拡充こそ必要ではありませんか。

 基本法案は、国・自治体の情報システムの集約・共同化を推進するとし、政府は全国規模のクラウドを立ち上げます。その移行のために主要業務の標準化を推進するとしています。国主導のシステムの集約・共同化は、国がつくった鋳型にあてはまるものしか認められず、自治体を国の「端末」に変質させます。自治体独自のサービスの抑制につながります。

 基本法案は、AI(人工知能)やクラウドなどを利用し、個人データなどを「活用」する社会にしようというものです。その手段が、国・自治体のシステムの集約・共同化と、マイナンバー制度の拡大です。基本法案は「マイナンバーの利用の範囲の拡大」を明記しています。マイナンバー制度の利用範囲を税・社会保障・災害の3分野に限定し、国民の情報の一元管理は行わないとする従来の政府方針と整合性が取れません。

 整備法案では、税理士や医療・介護・社会福祉などの国家資格保有者を手始めに、マイナンバーでの情報管理を進めるとしています。口座ひも付け2法案では、本人同意が必要とはいえ、年金や児童手当などの受給者を手始めに、国が資産状況を把握し、税務調査などに使えるようにしています。

 国に、個人の国民の所得・資産・医療・教育など「あらゆる分野」をまるごとスキャン(読み取り)し、膨大なデータを集積しようとしているのではありませんか。

 重大なのは、基本法案の基本理念に「個人情報保護」の文言がないことです。個人情報は「個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべき」で、プライバシー権は憲法が保障する基本的人権です。「忘れられる権利」や情報の自己コントロール権保障の仕組みこそ必要です。

 個人データの利活用を優先して人権保障を軽んじ、国家による個人情報の集積が「監視社会」につながるのではありませんか。

 整備法案では、民間・行政機関などに分かれていた個人情報保護法制を統合し、自治体独自の個人情報保護条例を一元化しようとしています。プライバシー保護の後退、条例制定権の侵害になりはしませんか。

 デジタル庁は、政府全体のデジタル化の基本方針を策定し、各行政機関に勧告する強力な権限をもちます。補助金を出している自治体や医療機関・教育機関などの準公共部門の予算配分やシステム運用に口を挟むことが可能になります。自治体や大学などの自主性を損ないます。

 デジタル庁は、民間企業の人材を多数、登用するとしています。特定企業に都合の良いルールづくりや予算執行が行われるのではありませんか。


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「議事録」

埼玉・入間市議選告示で応援に

 入間市議選告示。日本共産党は、安道よし子・小出わたる・佐藤ただしの3議席確保に全力!応援に駆けつけました!

 この4年間で、小中学校教室へのエアコン設置や中学生までの医療費無料化を実現。市財政の黒字を活用して、コロナ対応の検査体制の強化、医療機関・事業者支援、高すぎる国保税の引き下げをめざします。

 首相の身内が特別扱いされ、官僚が忖度して、行政がゆがめられるという、安倍・菅政権はもう終わりにするとき。野党共闘の前進、徹底追及の日本共産党を大きく伸ばしてください!

デジタル法案、9日審議入りを与党が決定/野党が批判

 個人情報保護をおざなりにして個人データの利活用を進めるデジタル関連5法案について、5日の衆院議院運営委員会理事会で、9日に重要広範議案として、首相出席の本会議で趣旨説明と質疑を行い、一括して審議入りすることを決めました。

 5法案の中には、デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案や59本の法案改正案を束ねた整備法案も含まれています。

 野党側は、これだけ重大で膨大な法案を束ねて一括審議とするのはおかしいと批判。慎重で十分な審議を行うべきだと求めました。

【議院運営委員会】宣言延長/五輪中止含め検討を

 政府から新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長にあたって事前報告を受け、質疑を行いました。

 私は宣言の延長期間について、2週間の延長では、今後、新たな取り組みを行っても効果の検証ができないと指摘。

 西村康稔経済再生担当相は「病床使用率が下がるのを見極める期間で2週間を考えている」などと述べました。

 また、私は新型コロナの変異株が広がる中で、東京五輪・パラリンピックについて、中止も含めて五輪開催の是非を協議する必要があると主張。

 その上で、コロナ対策として、大規模なPCR検査、高齢者施設や医療機関への社会的検査が必要だと強調。

 検査費用の自治体負担分について、地方創生臨時交付金は自治体負担に直接充てることができないと指摘し、新たに自治体負担分に直接充てられる地方交付税措置などを創設せよと迫りました。

 西村担当相は「臨時交付金を活用してもらいたい」と応じませんでした。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月5日 議院運営委員会 14号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 首都圏の四都県の緊急事態宣言の二週間延長ということであります。リバウンドの懸念や変異株の影響など、心配されることがあります。
 二週間後の指標というのは、しかし、今現在の状況を反映したものであります。今後二週間に新たな取組を行っても、二週間後ではそのことが反映をされません。取組の効果の検証が二週間ということではできないのではないかと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○西村国務大臣 御指摘のように、通常は、二週間対策を行って、その後二週間でその効果を見極めるということを基本として私ども取り組んでまいりました。
 これまで、もう一月七日から約二か月間対策を講じてきているところであります。そして、その効果は、最大のときから新規陽性者の数は八割減ぐらいまで落ちてきておりますので、一定の成果が出てきているものと思います。しかしながら、病床の使用率でまだぎりぎりの数字を示している県がございますので、下がっていくのをしっかりと見極めるという期間で、二週間を考えているところであります。
 この間にもちろん対策を徹底していかないと、今日感染してしまえば十日後とか二週間後にそれが報告されていくわけで、潜伏期間とか検査までの期間などを経て、十日後、二週間後に表れますので、いざ解除というときに増えてしまうといけませんので、引き続き対策の徹底をお願いし、私ども、二十時までの時短など、呼びかけ、働きかけ、徹底してやっていきたいと思いますし、また、病床の確保も、厚労省と都県において連携をしながら、しっかりと確保して、安定的に使用率が下がっていくように全力を挙げていきたいというふうに考えているところであります。
○塩川委員 オリンピック・パラリンピックに関連してお尋ねします。
 一昨日、三日、五者協議において、月内に海外観客の受入れ可否を決め、四月には観客数の上限について判断することで合意をしたとのことであります。
 丸川担当大臣は、海外からの観客について、変異株の影響を予測できない中で、この先の状況は非常に予測することが困難と述べておりました。
 海外客を入れないとしても、大会関係者だけで外国人は五万人、数万人とされております。国内観客でも数百万人に及ぶでしょう。コロナ対策に全力を挙げるときであり、オリパラの中止を含めて、開催そのものの是非を真剣に協議することが必要ではありませんか。
○西村国務大臣 国民の皆様も、このオリンピック・パラリンピックについて、ある意味で期待と不安と両方お持ちではないかというふうに思います。
 私の立場としては、国内の感染拡大をしっかりと抑えて、そして水際対策を強化することによって、安心してオリンピック・パラリンピックを開催できるように全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。
 御指摘のように、今週三日に開催されました五者協議におきまして、改めて、安全、安心な大会運営を最優先として、引き続き今年の夏の東京大会の成功に向けて五者で緊密に連携していくことが確認されたと承知をしております。
 いずれにしましても、丸川大臣を始め関係大臣とよく連携をしながら対応していければというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 コロナの感染症治療に加えて、ワクチンに多くの医療関係者が従事することになります。オリパラは更に医療機関、医療従事者に負担をかけることになります。我が党は中止すべきと考えますが、立ち止まって、開催の是非について、東京都や組織委員会、IOCなどと検討すべきときではないかと申し上げます。
 その上で、大規模なPCR検査や、高齢者施設、医療機関への定期的で頻回の社会的検査が必要です。自治体の費用負担分を国でしっかりと措置してもらいたい。
 地方創生臨時交付金は、自治体負担分に直接充てることができません。是非、新たな地方交付税措置などを創設して、自治体負担分に充てられる、迅速にPCR検査を行えるような財政措置を国として取るべきではないでしょうか。
○西村国務大臣 蔓延防止の観点から行われる行政検査の費用につきましては、感染症法の規定によりまして、都道府県等自治体と国が二分の一ずつ負担をするということとなっていると承知しております。
 この自治体の二分の一負担分につきましては、御指摘ありました、まさに新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金の算定対象とすることが可能となっており、その分を自治体におけるコロナ対策の財源として活用することができるというふうに承知しています。
 これまでも、累次の補正、予備費によって必要な対応をしてきたところでありますけれども、いずれにしましても、この臨時交付金を活用していただいて、必要な検査について積極的に対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 検査の抜本的な拡充、医療機関への減収補填、事業者への十分な補償を行うことを求めて、質問を終わります。

【「しんぶん赤旗」掲載】危険知らせ、廃案ヘ/デジタル化法案/連絡会が集会/参院議員会館

「しんぶん赤旗」3月6日・13面より

 デジタル改革関連法案に反対する集会が5日、参院議員会館で行われました。

 主催は、全労連や全国商工団体連合会(全商運)などでつくる「デジタル改革関運法案反対連絡会」です。

 全労連の小畑雅子議長は『負速に反対運動を強めることが必要です』と強調。多くの市民に知らせ、「徹底審議のうえ廃案を強く求めていきましょう」と述べました。

 自冶体情報政策研究所の黒田充代表が講演。国民の個人情報が企業に利用される危険や市民サービス低下が狙われるなど問題が山積みだと指摘。個別に見ると約60の改定が盛り込まれており、「これを一気に通そうとすることはあまりにも拙速であり、非民主的です」と語りました。

 各団体から発言。全商連の中山眞常任理事は、税務署が確定申告の集団申告を拒否してデジタル申告を求めていると告発。「主権者である納税者の自主申告権を否定するものであり容認できません」と述べ、同法案に反対していくとのべました。

 野党から日本共産党の塩川鉄也、立憲民主党の大河原雅子の両衆院議員があいさつ。塩川氏は、菅義偉首相の肝いり政策で与党は採決ありきで進めようとしているとのべ、「国会で厳しく追及します。力をあわせて廃案にしましょう」と呼びかけました。

【予算委員会】政策買収疑惑究明を/農水汚職で幹部ら追及

 贈収賄で在宅起訴された吉川貴盛・元農林水産相と鶏卵大手「アキタフーズ」前代表らとの会食に農水省幹部が同席していた問題を追及しました。

 私は、会食に参加した枝元真徹(まさあき)事務次官に対し、アキタフーズの秋田善祺(よしき)前代表がどのような人物か知っていたかと質問。

 枝元氏は「養鶏業界の重鎮なので承知していた」と述べつつ、利害関係者という認識だったかについては「その場ではそこまで認識しなかった」と答弁。一方、過去に農水省畜産部の関係で癒着が問題になったことを「承知している」とし、ルールを定めていることも「知っていた」と認めました。

 私は枝元氏について、会食の相手方が利害関係者に該当するか否かについて相談・指導する農水省の倫理監督官でもあると指摘。何が禁止行為か、誰が利害関係者か判断できない枝元氏に事務次官の資格はない、と辞任を求めました。

 また、農水省の調査報告では安倍、菅両政権で内閣官房参与を務めた西川公也・元農水相の関与に触れていないと指摘。西川氏が日本養鶏協会とアキタフーズの顧問だったか問うと、農水省の横山紳官房長は「たしか顧問だった」と答弁しました。

 私は、場面によって肩書を使い分けている西川氏を調査しないのかと追及。

 横山氏は「倫理審査会の指導をうけ報告書を作った」と弁明し、西川氏に関する調査については明言を避けました。

 私は、この接待の処分で一件落着ではない。贈収賄事件が問われている。政治家の関与、政治家による政策買収疑惑の徹底解明が必要だ、と強調しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年3月1日 予算委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 最初に、農水省の接待問題について質問します。枝元次官にお尋ねをいたします。
 吉川貴盛元農水大臣が在任中に鶏卵大手企業アキタフーズから現金五百万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部は一月の十五日、吉川元大臣を収賄罪で、アキタフーズの秋田善祺前代表を贈賄で在宅起訴をいたしました。吉川貴盛元農水大臣らの政策買収疑惑であります。
 その当事者となったアキタフーズ代表の秋田善祺氏と農水省職員が、二〇一八年十月と一九年九月の二回にわたって会食を行っておりました。農水省は、国家公務員倫理法の倫理規程に基づき調査を行い、アキタフーズ及び日本養鶏協会は利害関係者と認め、会食に参加した六人の職員を懲戒処分としたところであります。
 そこで、枝元次官にお尋ねをいたします。
 農水省報告書では、「事前に秋田元代表が同席することは認識しておらず、当日の会食現場で初めて同氏が同席することを知った」といいます。秋田元代表が同席していることは、その場でおかしいと思いませんでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 当時、吉川元大臣から、河井先生と御一緒にということでお誘いを受けたというふうに記憶してございます。参りましたら、秋田氏がいらっしゃいました。
 おかしいというか、御同郷ということでございまして、広島の御同郷ということなので、何というんでしょうか、吉川大臣と河井先生とが中心の会ではございましたけれども、おかしいというか何というか、そこはその場にいらっしゃって、そのまま参加したものでございます。
○塩川委員 秋田元代表がどのような人物かというのは御承知だったわけですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 養鶏業界の重鎮でいらっしゃるので、どういう方かというのは承知しておりました。
○塩川委員 そうしますと、利害関係者だということも承知しておられたんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 その場でそこまで思ったかどうかは別として、利害関係者であるというふうに承知をしてございます。
○塩川委員 その場で利害関係者だと思わなかったんですか。
○枝元参考人 どちらかというと、どちらかといいますか、吉川大臣と河井先生が中心の席でございましたので、余り秋田さんの方まで気にしなかったというのが正直なところではございます。
○塩川委員 いやいや、政治家が参加していたというのはあったとしても、アキタフーズの秋田元代表が利害関係者だということは、顔を見たときに思わなかったんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 よく覚えておりませんけれども、思っておくべきだったろうと思います。
○塩川委員 水田生産局長は知っていたと。そういう点でも、あるいは報告書の中でも、伏見畜産振興課長や望月食肉鶏卵課長は承知していたはずだといった関係もありますから、当然類推し得る立場にあったということは明らかであります。
 農水省の報告書では畜産部ルールというのを取り上げておりますが、この畜産部ルールを定めているというのは、農水省にとって、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっているからではないのか。そういう認識は、枝元さん、お持ちでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 私が会食に出たときに、ちょっとそのルールがあったかどうか、承知いたしませんけれども、畜産の関係で問題があって、そういうことのルールが畜産に関しては決まっているということは承知をしてございます。
○塩川委員 ですから、畜産部ルールというのがあって、やはり農水省としては、畜産業者との会食も多く、癒着が問題となっている、そういう認識はあったということですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 畜産に関しては、過去もいろいろなことがございましたので、農林省の中でもそういう側面があるということは承知してございます。
○塩川委員 それなのに秋田元代表が利害関係者だとその場で判断しなかったというところは、信じ難い話であります。
 会食の場でアニマルウェルフェアの話は出ませんでしたか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 養鶏についての話題も出たんだろうとは思いますけれども、二年半ほど前のことで、ほとんど覚えてございません。
 ただ、具体的な政策についての働きかけがあればさすがに覚えているというふうに思いますので、そのような働きかけはなかったというふうに認識してございます。
○塩川委員 秋田元代表が同席をしているということは、その場に行って分かったと。でも、そういう場に秋田元代表がいたということについて、吉川大臣が何で秋田元代表のいる場に枝元さんたち農水省の幹部を招いたのか、そのことについてはどのようにお考えになったんですか。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 ちょっとそこは分かりません。
○塩川委員 分からないというのはちょっと分からないんですが、もう一回。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 吉川大臣がなぜ私どもを呼んだのかというのを吉川大臣から特に聞いておりませんので、分かりません。
○塩川委員 その後も確認をしなかったということであります。
 河井克行議員が同席していることについては、どういうふうに受け止めておられたんですか。
○枝元参考人 その席自体は、吉川大臣の方から河井先生と一緒の席なのでということでお誘いを受けて参加いたしました。国会議員の先生、大臣と国会の先生ということで、そこは余り不思議には思いませんでした。
○塩川委員 話題の方ですので。
 農水省官房長にお尋ねしますが、この農水省の報告書には西川公也内閣官房参与の関与については出てこないんですけれども、それはなぜでしょうか。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。
 本件は、当省職員の国家公務員倫理法違反に係る調査報告書というものでございますので、その点については必要な部分では触れていると思いますが、そういった性格の報告書でございます。
○塩川委員 西川公也さんは、日本養鶏協会の顧問、アキタフーズの顧問という肩書があったと聞きますけれども、それはそのとおりですか。
○横山政府参考人 済みません、通告がなかったので正確なところはあれですけれども、たしかその顧問になっておられたというふうに思います。
○塩川委員 それならば、今回の報告書では、日本養鶏協会、アキタフーズは利害関係者です、顧問となっている西川公也さんは利害関係者だという判断というのはなかったんですか、枝元さん。
○横山政府参考人 西川元参与に関しましては、もちろん元大臣でもあり、また内閣参与、あるいは与党の部会などにも御出席されている方ということでございますので、基本的にはそうした認識でございます。
    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
○塩川委員 西川公也さんのブログを見ると、いろいろ使い分けているんですよね。内閣官房参与というときもあるし、日本養鶏協会顧問というときもあるんですよ。だとすると、両方の顔を持ってやっていたんじゃないのか。ですから、その会食の場では、日本養鶏協会顧問、そしてアキタフーズ顧問として、利害関係者の立場で会食していたんじゃないか。そういう観点で、倫理規程について農水省は報告をしないんですか。
○横山政府参考人 御指摘の点につきましても、これはまさに国家公務員倫理審査会の御指導を受けながら調査を進めてまいりました。そうした中で、こうした調査報告書、そして処分を実施させていただいたということでございます。
○塩川委員 農水省として徹底解明をするということが求められているんですよ。倫理審査会の話じゃないでしょうが。農水省としてしっかり解明するのかどうか。
○横山政府参考人 国家公務員倫理法に基づく処分につきましては、国家公務員倫理審査会の了解を得ながら進める、これはまさに国家公務員倫理法の中に書かれている話でございます。それに基づきまして、我々としては、指導をいただきながら調査をし、処分をさせていただいたということでございます。
○塩川委員 大臣にお尋ねします。
 倫理規程に伴っても、こういった利害関係者が類推されるような西川公也さんの調査もしないで、どうしてまともな報告書と言えるでしょうか。そういう問題についてどう考えるのかということと、この倫理規程上の懲戒処分で一件落着というわけにいかないわけであります。政治家の関与こそ解明すべきであって、贈収賄が問われる政策買収疑惑の解明こそ必要なんじゃないですか。
○野上国務大臣 本当に、当省の職員が倫理規程違反で懲戒処分を受けるに至ったことに対し、深くおわびを申し上げたいと思います。
 倫理規程違反に対する調査におきましては、今官房長から申し上げたとおり、倫理委員会の指導に従ってやるものでありまして、部下を指導監督する立場にある幹部職員が吉川大臣からの誘いを受けてアキタフーズ元代表等と会食したものであります。職責や会食に参加した回数等を総合的に考慮しまして、倫理審査会の承認を得た上で、枝元次官以下三名の職員を減給とするなど、厳正な処分を行ったところであります。
 また、政治家の関与等々につきまして、これは今、第三者検証委員会でそのプロセスを検証をいただくということでございます。
○塩川委員 農水省の報告書では、政治家との会食に関する農水省独自のルールを制定すると書いてありますけれども、農水省では、政治家の誘いには注意をしろということをここで示しているということですか。
○横山政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の事案でございますけれども、政治家の方の招きを受けて会食した場合には倫理上の問題が生じないんじゃないかという、当省の職員のそこは甘い認識があった、このように認識してございます。
 こうしたことから、このルールでは、政治家の方と利害関係者の方が同席する会食に職員が参加する場合には、費用の金額、負担がどなたかということにかかわらず、大臣及び倫理監督官に届け出るということとしたものでございます。
○塩川委員 それだけ政治家との関係についてしっかりと対応しなければいけないといったときに、倫理規程の問題にとどめず、贈収賄の事件であるわけですから、政治家の関与こそ解明すべきであって、大臣、アニマルウェルフェアの国際基準策定や鶏卵生産者の経営安定対策事業に関して、行政がゆがめられたのではないかという政策買収疑惑の徹底解明こそ農水省ですべきでありませんか。その点について、改めてお聞きします。
○野上国務大臣 吉川元大臣また秋田元代表が贈収賄容疑で起訴されたことを受けまして、農林水産省としても、国民に疑念を持たれることがないように、公判への影響にも配慮しつつ、養鶏、鶏卵行政の公正性について検証いただくために検証委員会を設置をしたところでございます。ここで調査、検証を行っていただいて、その結果を取りまとめて公表していきたいと考えております。
○塩川委員 西川公也氏の関与も含めて、この問題についての徹底解明が必要だと強く申し上げておきます。
 引き続き、枝元次官にお尋ねをいたします。
 枝元氏は、昨年七月から事務次官を務めておられます。そうしますと、枝元次官は農水省の倫理監督官ということでよろしいですね。
○枝元参考人 お答え申し上げます。
 国家公務員倫理規程に基づきまして、事務次官が倫理監督官になってございます。
○塩川委員 人事院に質問します。
 倫理規程には、倫理監督官は、職員に対し、その職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うとあります。倫理監督官というのはどんな指導や助言を行うのか、倫理規程の十五条第一項第一号を踏まえてお答えください。
○荒井政府参考人 お答えいたします。
 倫理法第三十九条二項におきましては、倫理監督官は、所属職員に対してその職務に係る倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うとともに、職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこととされております。
 具体的には、禁止行為に該当するかどうかの判断ができない場合などにおいて、実際に相談に応じるなどのことを行っていくものと思っております。(塩川委員「利害関係者も。第十条の方で、利害関係者についてもアドバイスでしょう」と呼ぶ)もちろん、該当するかどうかですから、利害関係者に当たるかどうかの判断ができない場合などにおいては、実際に相談に応じるなどの対応をしていくものと思っております。
○塩川委員 つまり、何が禁止行為か判断できない職員に対してアドバイスをするのが倫理監督官なんです。誰が利害関係者か判断できないという職員に対して指導助言を行うのが倫理監督官なんです。
 先ほどの枝元さん、聞いてもらったように、利害関係者が誰かということさえ明らかにできない人じゃないですか。そういう人が、何で倫理監督官が務まるんですか。大臣、枝元さんの答弁では、何が禁止行為なのかということについて、自らのことについても明らかにできない、利害関係者かどうかということについても判断ができない。そういう人が倫理監督官をどうして務めることができるのか。事務次官の資格そのものがないということじゃないですか。
○野上国務大臣 枝元次官につきましては、自ら所属する組織のトップである大臣からの誘いを受けて会食に参加した等の事情はあるものの、部下を管理監督する立場にあった生産局長時代に国家公務員倫理法に違反をして利害関係者の負担で飲食を行った責任を取りまして、今般、国家公務員倫理法に基づき、適正な処分を行ったところでございます。
 次官には、今般の事案について猛省をしていただいた上で、しっかりと職責を果たしてもらいたいと考えております。
○塩川委員 自らに関わることさえ判断ができないということでは倫理監督官は務まらないわけで、事務次官としての資格がそもそも問われている。きっぱりと辞めるということこそ行うべきことであります。
 報告書の再発防止策というのは、これまでより少し詳しく報告すればオーケーだという話になっているわけで、到底認められるものではありません。癒着を防止をし、職員を守るためにも、利害関係者との会食をきっぱりやめることこそ真の再発防止対策だということを申し上げておきます。政策買収疑惑の徹底解明と枝元次官の辞任を強く求めるものであります。
 次に、官房長官にお尋ねをいたします。
 総務省の接待問題についてですが、山田真貴子内閣広報官は体調不良、入院加療で辞任とのことであります。しかし、これで一件落着というわけにはいきません。
 山田真貴子氏の調査については、山田氏自身が東北新社から確認を取って明らかにしたものでした。つまり、自分が関わる事件について、自分が調査をして報告するというのは余りにもずさんじゃないでしょうか。何でこんなことになるのか。おかしいと思いませんか。
○加藤国務大臣 御指摘の会食について、まず本人が調査した結果が総務省から確認として提出をされたところでありますが、あわせて、私の指示により、改めて内閣官房の職員から東北新社側に確認を取ったところ、本人からの申告があったとおり一件の記録があったとの回答であると聞いております。また、日時、場所、額、負担者、タクシー券、土産の有無についても、山田広報官が東北新社側に確認した内容どおりであったと聞いております。
    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
○塩川委員 山田氏の処分について、今言った調査も踏まえてということですけれども、それが事実だったということでありますけれども、山田氏の処分は官邸としてどのようにされたんですか。
○加藤国務大臣 総務省時代の国家公務員倫理法違反の行為、これは甚だ遺憾でありますが、内閣広報官としての行為ではなく総務省在職中の行為であることから、処分はできないということでありますが、本人の自主的な判断として、内閣広報官としての給与の返納を行うとの判断が示されたところであります。
○塩川委員 いや、総務省の時代でも総務審議官という要職を担い、単なるOBではないわけであります。退職したからそれで処分の対象外ということにはならない。特別職として引き続き官邸でまさに重責を担う立場だったにもかかわらず、何のおとがめもないというのは、官邸として、総理として、もちろん官房長官としても、それは余りにもおかしいと思わないんですか。
○加藤国務大臣 先ほど申し上げた自主的返納については、給与報酬月額の十分の六を返納しようというもので、これは総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえたものになっているものと承知をし、また、本人も今回のことを深く反省し、自らの職責の重さは十分に踏まえた対応であると受け止めたところであります。
 また、総理からの指示もあり、私の方から、今回のこうした行為が国民の皆さんの疑念を抱く結果となったことについては甚だ遺憾であり、深く反省をしてもらいたい、今後このようなことが二度とないよう厳に注意してもらいたい、こういった旨を伝えたところであります。
○塩川委員 農水省でも懲戒処分がありました。総務省でも懲戒処分がありました。総務省時代にまさに倫理規程に違反するような行為があったにもかかわらず、OBの扱いで何のおとがめもない、それは余りにもおかしいと思いませんか。引き続き特別職として、国家公務員として働いているときに、過去の行為について免罪するような今の仕組みというのはおかしいと思いませんか。けじめをどうつけるのか、そのことについてどうお考えですか。
○加藤国務大臣 ですから、今の枠組みの中では処分ができないということはもう説明を申し上げた。しかし、そういう中で、本人が今回の行為を反省し、総務省における処分内容のうち最も重たかった減給処分を踏まえた給与報酬月額の十分の六を返納したということでありまして、そうしたことにおいて、本人が深く反省し、自らの職責の重さを十分に踏まえた対応であるというふうに我々として受け止めたところであります。
○塩川委員 いや、だから、一般職が対象の国家公務員倫理法、特別職は対象外だと。でも、今回の場合のような事態が起こっているわけですから、そういうときに特別職に対しての倫理法に対応するような仕組みをつくるということこそ、まさに教訓として官邸が行うべき仕事じゃないのか。それはどうなんですか。
○加藤国務大臣 今回の事案について、先ほど申し上げた、国家公務員倫理法違反の行為があったことは甚だ遺憾でありますし、しかし、内閣広報官としての行為ではなく、総務省在職中の行為であるということであります。
 事案について、法の不備との御指摘は当たらないというふうに考えておりますが、いずれにしても、内閣広報官を始め、官邸において勤務する者は、重責を担っていることを自覚し、国民全体の奉仕者として高い倫理観を持って日々の職務に当たることが重要であるというふうに考えております。
○塩川委員 まさに不備じゃないですか。
 山田氏は、公務員として倫理規程違反が問われているだけではありません。官邸の中で政権運営を担う特別職として、政治家と同様に政治的、道義的責任が問われているんじゃないでしょうか。
 山田内閣広報官を重用してきた菅総理の責任は極めて重大だ。改めて、これで終わりではない、徹底解明を求めるものであります。
 残りの時間、総務省の接待問題で、吉田眞人総務審議官にお尋ねをいたします。
 総務省の報告書では、「吉田眞人が情報流通行政局総務課長着任以降に、東北新社と三回程度会食を行った記憶がある旨証言している」とあります。「本人及び東北新社への確認の結果、日時や飲食の内容等の特定が困難」ともありますけれども、この三回程度会食をした記憶がある、それは、思い出していただくと、どんな記憶なんでしょうか。
○吉田参考人 お答えを申し上げます。
 今回の件につきまして、東北新社との会食について、記憶と東北新社様の方のデータとを突き合わせて一応五件の確認をいただいておるわけなんですけれども、自分といたしまして、非常に記憶がおぼろげで曖昧で大変恐縮なんですけれども、それ以外に、自分が情報流通行政局の総務課長に着任して以降、三件程度、その五件とは異なるものがあったようなちょっと記憶がありましたもので、今回の事案の性格に鑑み、ちょっと曖昧なものではありますけれども、これは調査チームに申告をしておくべきだろうと考えまして、その旨を申告させていただいたものでございます。
 ちょっと、日時や内容等について非常にはっきりしないということは大変恐縮でございます。
○塩川委員 情報流通行政局総務課長着任以降、三件という話ですけれども、東北新社からの情報提供で、二〇一六年以降は出ているだけ、五件という話もありましたけれども、それ以前ということになるわけですが、そうすると、この総務課長のときに会食があったということでしょうか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 総務課長のとき、それ以降、あと二つぐらい、放送とは関係のないポストに就いておりまして、その後、放送担当の審議官をやっておるんですけれども、そのどの時点であったのかということにつきましても、大変恐縮でございますけれども、ちょっとはっきりしておりません。ただ、この期間に三件程度あったというおぼろげな記憶があったということでございます。
○塩川委員 ですから、総務課長の着任以降だから、総務課長が着任したその期間では会食したということでよろしいですか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 厳密にその期間だというふうに断言できるような記憶はないんですけれども、恐らく、今回の様々な前後関係から見まして、総務課長着任以降、放送担当の審議官をやる間ではなかったかなというふうには考えております。
 ただ、ちょっと、その日時等を含めて全く明確ではございませんので、必ずその期間であったかというふうに問われますと、そこは大変恐縮でございますが、記憶定かではないというふうにちょっと申し上げざるを得ないということでございます。
○塩川委員 二〇一六年以前の三回の会食の際に、東北新社側で菅正剛さんが同席をしていたということは覚えておられますか。
○吉田参考人 お答え申し上げます。
 まず、毎回、今回、木田由紀夫氏が相手方でおられたというのは記憶にございますが、中には菅氏が同席された会もあったやに思います。ただ、それが例えば何回とかそういう話は、ちょっと明確ではございません。
○塩川委員 時間が参りましたので終わりますけれども、引き続き、二〇一六年以前に遡った調査をしっかり行うことが求められているということを申し上げて、終わります。

【予算委員会】「接待攻勢 行政ゆがめた」/「東北新社に有利」と追及

衛星放送WG職員に集中

 菅義偉首相の長男、正剛氏が勤務する放送関連会社「東北新社」の総務省接待をめぐり、同社の接待の大部分が衛星放送に関する同省のワーキンググループ(WG)の事務方職員に対して行われ、東北新社にとって有利な内容を盛り込んだWG報告書案が作成される期間に集中していたことが明らかになった。一連の接待攻勢で、東北新社に有利になるように行政がゆがめられたと告発しました。

 同省の検討会「衛星放送の未来像に関するWG」は2018年5月の第5回で、衛星放送への新規事業者の参入を拡大する報告書案を取りまとめました。新規参入枠をつくるため、東北新社を有力企業とする衛星放送協会は、電波の周波数の帯域幅(スロット)で42スロットを自主返納。東北新社も6スロットを自主返納しました。

 私は、18年報告書案後に東北新社から接待を受けたWGの事務方職員の数・回数などをただしました。

 同省の原邦彰官房長は、WGが再始動する第7回までに東北新社が行った接待21回のうち、WG事務方職員が参加したのは19回と答弁。2回目の報告書案が出される第12回までの接待28回のうち26回がWG事務方へのものであることを明らかにしました。

 私は、同社の接待がこの時期に集中していると指摘し、その結果、WGが新たにまとめた報告書案には、BS右旋帯域の4K放送を認めることや、衛星の利用料低減が盛り込まれたと指摘。長男が勤務する東北新社と特別の関係にある菅首相の存在が行政をゆがめる大本にあったのではないか、と追及しました。

 菅首相が「総務省の中でしっかり検証している」と言い逃れたのに対し、私は東北新社社長が菅首相に対して今回問題となっている18年10月にも献金を行っていたと指摘。菅首相がこれまで述べてきた「総選挙の応援」という理屈は成り立たないと強調し、贈収賄も問われる疑惑であり徹底解明が必要だと迫りました。


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【論戦ハイライト】接待攻勢で東北新社の要望に沿う/疑惑の徹底解明を/衆院予算委/塩川議員が追及

「しんぶん赤旗」3月1日・2面より

 菅義偉首相の長男、正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」による総務省幹部への接待問題。1日の衆院予算委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の追及で、東北新社が衛星放送に関する検討会の総務省事務方職員に接待攻勢をかけ、放送行政がゆがめられた疑いが浮き彫りになりました。

 焦点となっているのは、総務省の検討会「衛星放送の未来に関するワーキンググループ(WG)」。小林史明政務官が座長として2018年5月にとりまとめた報告書案は、衛星放送への新規参入の拡大を求めるもので、既存事業者の東北新社に厳しい内容でした。

 塩川氏は、接待を報じた週刊誌報道では「BSのスター(チャンネル)がスロット返して」「俺たちが悪いんじゃなくて小林が悪いんだよ」「どっかで一敗地に塗(まみ)れないと」などの会話が報じられていることを紹介。東北新社がスロット(電波周波数の帯域幅)を自主返納したのは総務省の強い要請と将来の見返りを期待してのもので、その後、WGを再始動させ新たな報告書をつくるため、同社がWGの総務省事務方へ接待攻勢をかけている姿を浮き彫りにしました。

10人中6人

 塩川 新たな論点整理の場として再開された第7回WGの総務省事務方10人中、東北新社と会食した職員は誰か。

 原邦彰・総務省官房長 吉田真人情報流通行政局長ら6人だ。

 小林政務官のもとで報告書案を取りまとめた第5回WGには当時情報流通行政局長だった山田真貴子内閣広報官、再始動した第7回WGには総務省事務方トップで情報流通行政局長だった吉田総務審議官、新たな報告書を取りまとめた直前の第11回WGには谷脇康彦総務審議官も出席。いずれも東北新社の接待を受けていました。

 塩川氏は、WGの新しい報告書案では、これまで認められなかった右旋帯域への4K化や衛星放送利用料の低減など、東北新社が有力企業である衛星放送協会の要望に沿った内容に変わったとして、次のようにただしました。

 塩川 一連の接待攻勢によって、東北新社に有利となるように行政がゆがめられたのではないか。

 武田良太総務相 現段階ではゆがめられた事実はない。国民から疑念の目を向けられることとなっており、検証するよう改めて指示を出した。

調査不十分

 塩川氏は、正剛氏の影響は「確認できなかった」とする接待問題に関する同省調査で、吉田真人氏が情報流通行政局総務課長着任以降に東北新社と3回程度会食を行った記憶があるとしている点をあげ、次のようにただしました。

 塩川 3回の会食の際、東北新社側で菅正剛氏が同席していたことは覚えているか。

 吉田 木田由紀夫氏が相手側でいた記憶はある。菅氏が同席した回もあったやに思う。

 塩川氏は、総務省の調査では不十分だとして、疑惑の徹底解明を求めました。


「議事録」

<第204通常国会 2021年3月1日 予算委員会 17号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 今日は、総務省接待問題について質問をいたします。
 きっかけとなった週刊文春の報道では、昨年十二月十日の東北新社と秋本局長の会食の会話が紹介をされております。
 菅正剛氏が、BSのスターがスロットを返している。木田氏が、俺たちが悪いんじゃなくて小林が悪いんだよと。秋本局長は、うん、そうだよということを踏まえて、秋本局長は、小林氏のことを念頭に、でも、どっかで一敗地にまみれないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねと。こういうやり取りがあったということが紹介をされ、秋本局長もそのことを認めておりました。
 BSのスターというのは、東北新社のスターチャンネルのことであります。スロットというのは、放送事業を行う場合の電波の周波数の帯域幅のことであります。小林氏とありますのは、小林史明当時の総務大臣政務官のことで、このやり取りにあるのは、二〇一八年五月の衛星放送の未来像に関するワーキンググループで取りまとめた報告書の内容にも関わるものであります。
 総務省に確認をいたします。
 この小林史明政務官が中心となったワーキンググループの報告書は、新規参入を拡大することを求める内容でした。
 二〇一八年の十一月、東北新社を有力企業とする衛星放送協会は、四十二スロットの自主返納を決め、総務省に報告をしました。東北新社も、BS放送のスターチャンネルのスロットの一部を自主返納した。これは、そのとおりですね。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 二〇一九年十一月に認定されましたBS放送の新規参入事業者などの放送開始に向け、現在、BS右旋帯域において帯域再編作業が進められておりますが、その再編作業の中で、スロットの縮減を行った事業者がいます。
 株式会社スター・チャンネルにおいても、スターチャンネル1、スターチャンネル2、スターチャンネル3のスロットの縮減が二〇二〇年十一月三十日に行われております。
 これらのスロット縮減は、各社が経営判断に基づき行ったものでございます。
    〔委員長退席、山際委員長代理着席〕
○塩川委員 この二〇一八年の五月の報告書の中身に関わって、既存の衛星放送事業者にとっては、4Kを推進している中、4K推進に協力している既存事業者を差しおいて、なぜ4Kではない新規事業者を増やすのかということだったのではないか。しかし、総務省側の強い要請もあり、厳しい経営環境を打開するためにも、将来の見返りを期待しての自主返納だったのではないか。そこで東北新社は衛星放送の未来像に関するワーキンググループの総務省事務方への働きかけを強めたのが、その後の接待攻勢だったということではないでしょうか。
 総務省に確認しますが、この二〇一八年五月の第五回衛星放送の未来像に関するワーキンググループの総務省の事務方、出席は十人でしたが、その十人について、その後、東北新社との会食に出席した職員は誰か、お答えください。
○原政府参考人 お答えいたします。
 衛星放送の未来像に関するワーキンググループ第五回の総務省出席者のうち、今回の総務省調査において東北新社との会食が判明したのは、当時の役職で申し上げますが、奈良大臣官房審議官、湯本放送政策課長、井幡衛星・地域放送課長、豊嶋情報通信作品振興課長の四名でございます。
○塩川委員 三島さんについてはどうですか。
○原政府参考人 お答えします。
 失礼いたしました。三島も入っております。
○塩川委員 このときの情報流通行政局長は山田真貴子さんなんですけれども、それはそのとおりですね。それは何で入っていないんですか。
○原政府参考人 お答えいたします。
 今回、総務省の調査で判明いたしましたのは、現職の職員ということでございます。山田広報官、もうお辞めになられましたが、当時情報流通行政局長でありましたが、今回の総務省の調査ではないということで、総務省の調査では先ほど申し上げたということでございます。
○塩川委員 当時でも山田さんそのものだったわけですから、つまり、この第五回のワーキンググループの総務省事務方、出席している十人のうち六人が東北新社への会食に参加をしているということであります。
 次に聞きますが、昨年四月には、休止をしていたこのワーキンググループが再開をしました。十二月に再び報告書をまとめました。この昨年四月、新たな論点整理の場として再開された第七回ワーキンググループの総務省事務方十人中、東北新社との会食に名前を連ねていた職員は誰でしょうか。
○原政府参考人 お答えいたします。
 第七回ワーキンググループ、これも当時の役職で申し上げますが、吉田眞人情報流通行政局長、湯本情報流通行政局総務課長、豊嶋情報通信政策課長、井幡地上放送課長、三島情報通信作品振興課長、吉田恭子衛星・地域放送課長、六名でございます。
○塩川委員 第七回についても、十人中六人、やはり過半数が東北新社と会食を行っております。昨年四月に再開したワーキンググループの総務省事務方トップは、情報流通行政局長だった吉田眞人現総務審議官であります。新たな報告書取りまとめの直前である昨年十一月の第十一回ワーキンググループには、谷脇康彦総務審議官も出席をしておりました。
 重ねて聞きますが、小林政務官の下で報告書を取りまとめた二〇一八年五月から、再度ワーキンググループが立ち上がった二〇二〇年四月の間で、総務省職員が東北新社と会食をした回数は何回で、そのうちワーキンググループの事務方経験者の会食回数は何回だったのか、この点を確認します。
○原政府参考人 お答えいたします。
 今回の調査において判明した東北新社との会食のうち、御指摘の期間に係るもの、これは一回の会食に複数の職員が出席した場合一回とカウントしておりますが、第五回から第七回は二十回でございました。このうち、ワーキンググループに一回でも出席した者の参加した会食は十八回ということでございます。
○塩川委員 ですから、一度出した報告書の第五回のワーキンググループから、再開をして新たな報告書を出すそのタイミングとなった二〇二〇年の四月の段階、その間に二十回の会食がある。二十回の会食のうち総務省の事務方が参加していたのが十八回。
 これには山田さんは入っていませんよね。入っているとしたら、加えたら一個増えるということですね。
○原政府参考人 お答えいたします。
 総務省の調査ということでございますので、山田さんは入ってございません。
○塩川委員 ですから、山田氏を加えれば二十一回中十九回であります。
 今回判明した接待のほとんどが、この時期に集中をしている。東北新社は、衛星放送の未来像に関するワーキンググループの事務方ばかり会食に誘っているということが、ここの実態に明らかではないでしょうか。
 その後も会食を重ねて、十二月までには二十七回。そのうちワーキンググループの事務方経験者との会食が二十五回。これに山田氏を加えたら、二十八回中二十六回ということになるわけであります。
 その結果取りまとめられた昨年十二月の報告書では、BSの右巻きの帯域の4K放送への割当てや、総務省が衛星の利用料金の低減を積極的に進めるといった取りまとめが行われました。これらは、東北新社が有力企業となっている衛星放送協会の要望、右回りの帯域への4K化の希望や、衛星放送利用料金の低廉化に沿ったものであります。
 総理にお尋ねします。こういった一連の接待攻勢によって、東北新社に有利となるように行政がゆがめられたのではありませんか。お答えください。
○武田国務大臣 改めて、今回、行政そして国家公務員に対する多くの疑念を生むことになりました。心からおわび申し上げたいと思います。
 調査チームの報告によれば、現段階までに全ての当事者の方々から複数回にわたりヒアリング等の調査を行ったその結果でありますけれども、現段階では、行政をゆがめられたという事実というものは確認できておりませんが、今回の事案により、衛星基幹放送の業務の認定そのものに対して国民から強い疑念の目が向けられることとなったことを重く受け止めております。
 このため、新谷副大臣をヘッドとする検証委員会を早急に立ち上げて、過去の衛星基幹放送の認定プロセスについて、実際の意思決定がどのように行われたのか、行政がゆがめられるといった疑いを招くようなことがなかったかについて検証するよう、改めて指示を出しました。
 検証委員会は、客観的かつ公正に検証いただけるよう、第三者の有識者に構成員となっていただく予定であります。検証内容や方法などについても、有識者の方々の御意見も踏まえながら検討いたします。
 国民の信頼を取り戻せるよう、できるだけ早急に対応してまいりたいと考えております。
○塩川委員 認定の問題だけじゃないんですよ。
 今指摘をしたように、BSの右巻き帯域への4K化の希望とか、衛星放送利用料金の低廉化とか、こういうことがどうだったのかについて検証しなければいけないのに、検証委員会にそういう中身は入っていないじゃないですか。
 倫理規程違反に問われる段階ではなくて、贈収賄といった汚職が問われる問題であり、徹底解明が必要であります。
 総理にお尋ねします。
 東北新社と会食した職員は他の衛星事業者との会食はなかったといいます。なぜ総務省は東北新社だけを特別扱いするのか、それは菅総理の存在があるからではないでしょうか。東北新社からすれば、総務大臣経験者の菅義偉議員の息子であり、総務大臣政務秘書官を務めた菅正剛氏を採用することによって、総務省とのコネ、接点を使うことができるし、総務省から忖度が生じる。
 また、東北新社社長親子から菅議員は五百万円の政治献金を受け取っておりました。総選挙の時期に献金を行っただけではありません。二〇一二年、一四年、一七年の総選挙の時期ではない、総選挙のない二〇一八年十月にも献金がありました。この時期は、今取り上げたように、ちょうど東北新社が衛星放送行政を自社に有利となるように総務省幹部と会食を重ねてきたときであります。東北新社と特別の関係がある菅総理の存在が、行政をゆがめる大本にあったのではありませんか。
    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕
○菅内閣総理大臣 いずれにしろ、総務省の中でしっかりと検証しているんじゃないでしょうか。そうしたことを徹底して検証すべきことだというふうに思います。
○塩川委員 いや、検証のそもそもテーマが問題なのに、そもそも菅総理の存在が行政をゆがめる大本になったのではないのかと。菅氏の身内の話、そして、この献金の時期というのも、まさに問題となっている時期ではありませんか。そのことについてきちっとお答えください。
○菅内閣総理大臣 私は、法律に基づいてしっかり手続をしております。ですから、私の存在がいろいろなことにということでありますけれども、そうしたことは私はないと思います。
○塩川委員 政治家の意向を忖度するような今の行政の在り方の大本に菅首相の人事介入の問題がある、このことも極めて重大だ。このことを指摘をして、質問を終わります。

【議院運営委員会】「宣言」の一部解除/事業規模応じた支援を

 新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の一部解除にあたって政府から事前報告を受け、質疑を行いました。

 厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」が前倒しの宣言解除について“リバウンド”への危機感を示している。宣言解除後も感染拡大防止の取り組みが必要だ。

 私は、飲食店が営業時間の短縮要請に応えられるよう事業規模に応じた支援が必要だ、と主張しました。

 西村康稔経済再生担当相は「より柔軟な仕組みを考えたい」と答弁。

 私は、これまでの政府の基本的対処方針では緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」の対象以外の地域への支援が明記されていなかったと指摘。支援を行わないということかと迫りました。

 西村担当相は、対処方針に宣言解除後の区域での支援を書き込んだとして、当該地域でも「政府として支援を行う」と答弁しました。

 私は、検査の拡大や医療機関への減収補填(ほてん)など感染症対策の基本的な取り組みをしっかりと行えと強調しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年2月26日 議院運営委員会 12号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 関西、中部、福岡の六府県の緊急事態宣言の解除が行われます。
 最初に、リバウンドに関連してお尋ねしますが、二十四日の厚労省アドバイザリーボードは、緊急事態宣言の解除がリバウンドを誘発する懸念に留意が必要だと指摘をしています。感染者数の下げ止まりや医療提供体制への負荷の継続、ウイルス変異株のリスクもあり、リバウンドしないためには、宣言の解除後もステージ2水準以下を目指すべきだとしております。
 飲食の場面などの感染減少の取組を進める上でも、事業者に時短を要請することになります。事業者の皆さんが時短要請に応えられるように、事業規模に応じた事業者への支援をしっかり行うことこそ求められているのではないでしょうか。
○西村国務大臣 御指摘のように、本日の諮問委員会でも、解除後、再拡大しないように、リバウンドしないように、引き続きの徹底した対策が必要だということの御指摘をいただいたところであります。
 そうした中で、解除される六府県においては、二十一時までの時短を継続することを考えておられるわけでありますけれども、その際に、私ども、日額四万円、月額でいいますと百二十万円を基本とした協力金の支援を基本として考えているところでありますが、これまで以上に自治体において事業規模に応じた支援等ができるように、より柔軟な仕組みを考えたいというふうに思っております。
 そうした中で、事業者の皆さんに御理解をいただいて、要請に応じていただき、引き続き時短に応じていただく。そしてまた、アクリル板とか換気とか、そういったことも併せて呼びかけることによって感染拡大を防いでいきたいというふうに考えております。
○塩川委員 時短の継続を求められる事業者の皆さん、本当に大変御苦労されておられます。
 検査体制の抜本的な拡充や、また医療機関への減収補填、そして事業規模に応じた事業者への補償など、感染症対策の基本的取組をしっかりと行うことを強く求めておきます。
 そこで、コロナ特措法改正で創設をした蔓延防止等重点措置とステージの判断の関係についてお尋ねをいたします。
 今回は蔓延防止等重点措置は行わないということですけれども、緊急事態措置の宣言時はステージ4相当、解除のときにはステージ3相当、蔓延防止等重点措置の適用はステージ3相当であるほか感染拡大の状況を勘案して行うとしていますが、蔓延防止等重点措置の終了の際にはステージとの関連が不明確であります。
 自治体、国民から見て予見可能性を高めるためにも、ステージの目安と関連づけて示す必要があるのではありませんか。
○西村国務大臣 基本的対処方針においてお示しをしている蔓延防止等重点措置の終了については、まさにその蔓延防止措置を実施している区域の感染状況が、都道府県全体に感染を拡大させるおそれがないかどうか、これを判断するということになっております。
 基本的に想定しておりますのは、県全体でステージ3の段階で蔓延防止措置、拡大している地域にそれを講じることによって、ステージ4、つまり緊急事態宣言に行かないようにしようという発想でありますので、そこで抑えていくことによって県全体に広がるおそれがなければ解除するという発想であります。
 ただ、県全体がステージ2の段階でこれが使えないかというと、そうでもなくて、仮に、ある地域が水準が急激に上昇している、感染が拡大しているような場合、これも使えなくはありませんので、そういう意味で、ステージの判断は書いておりませんけれども、いずれにしても、その地域の感染が、都道府県全体に感染が拡大するおそれがなくなった場合というふうに明記をさせていただいているところであります。
○塩川委員 国民に見える形での取組を求めたいと思います。
 基本的対処方針を見ますと、緊急事態措置区域と蔓延防止等重点措置区域における取組の一つとして、「政府は、地方創生臨時交付金に設けた「協力要請推進枠」により、飲食店に対して営業時間短縮要請等と協力金の支払いを行う都道府県を支援する。」とあります。
 しかしながら、緊急事態措置区域から除外された地域と緊急事態措置区域及び重点措置区域以外の地域の取組の箇所には、同様の記述がありません。これは、支援は行わないということなのか。
○西村国務大臣 緊急事態措置区域から除外された地域につきましても、政府としても、しっかり支援を行うこととしております。先ほど申し上げましたように、月額最大百二十万円を基本として、より柔軟に自治体が支援を行える仕組みとしたいと考えているところであります。
 その上で、本日御了承いただきました基本的対処方針において、当該地域についても、協力金の支払いを行う都道府県を支援する旨明記をさせていただいたところであります。
○塩川委員 基本的対処方針でしっかりと示していただくということを改めて求めておきます。
 終わります。

【予算委員会第一分科会】開かれた国会のために新憲政記念館の充実を

 衆議院の「憲政記念館」について質問。現在、憲政記念館には、議会博物館機能、講堂・会議室の運用、事務施設等の管理の役割があります。

 私は、博物館機能の中で資料の収集がどうなっているかを確認。

 岡田衆院事務総長は「塩川議員の指摘もいただき、資料収集方針を策定し、議会制民主主義に関連する貴重な資料を次の世代に引き継いでいくため、必要な資料を収集対象としている」と述べました。

 私は、現在取集対象となっていない政党のポスター類も、政党が離合集散する中で歴史的な価値もあると指摘し、収集を求めました。

 岡田事務総長は「寄贈もあるだろう、引き続き検討を進める」と答弁しました。

 憲政記念館は、新国立公文書館との合築が決まっており、建設計画が進んでいる。現在でも衆院の参観者は年26万人に上り国際的にも注目されています。新憲政記念館は、施設見学にとどまらない国会の役割・権能を学習できる議会ビジターセンターの役割が必要と指摘しました。

 岡田事務総長は「指摘の通りで、体制を含めて、検討を進めたい」と述べました。

 さらに、私は、立法府の重要公文書を保管・公開する議会公文書館の機能を、一部、現在でも憲政記念館が果たしていると指摘し、今後、参院とも連携し、しっかり果たすことが必要だと強調しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年2月25日 予算委員会第一分科会 1号>

○塩川分科員 日本共産党の塩川鉄也です。
 国会に関して、今日は質問をさせていただきます。
 岡田事務総長においでいただいております。よろしくお願いします。
 この間、私も、議院運営委員会などの活動を通じて、立法府の活動について様々御意見なども伺いながら提案も行ってきたところであります。そういった取組を通じて、今日は幾つか具体の問題について質問をしたいと思っています。
 最初に、国会審議の映像記録の公開の問題であります。
 この間、国会審議のインターネット配信が大きく進んでおります。国民の皆さんによるSNSの発信などを含めて、国会への国民の関心を高め、開かれた国会をつくる上で重要な手段であります。まだデータベース化をされていない、そういった映像もあるということですので、過去のビデオ等の記録の公開を是非図っていただきたいと思いますが、その点についてお答えください。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 公開していない過去映像をインターネットに公開するためには、公開用のファイルとするための変換作業、いわゆるファイル化が必要であり、今後鋭意進めてまいりたいと考えております。
 また、ファイル化した新たな映像をインターネットに配信するためには、システム改修、予算措置の検討も必要となり、これも先生方と御相談をさせていただきたいと思います。
 あわせて、インターネット審議中継における過去映像の公開については、議院運営委員会において運用方針を決定していただいておりますので、改めて議運理事会で御協議をいただき、運用方針の見直しもしていただく必要がございます。
○塩川分科員 過去、こういった映像記録について年限を区切って削除するようなこともありましたが、そういうことも取り払って、拡充してきているという経緯があります。是非、議院運営委員会の議論等を通じまして、こういった過去の映像記録の公開を更に進めていく、そういうことにつなげていきたいと思っております。
 その上で、インターネット配信をする際に、是非とも、バリアフリー対応なども含めた措置として、字幕を載せていく、こういうことを通じて、多くの国民の皆さんにより身近に国会審議を受け止めてもらえる、そういったインターネット配信における字幕の記載を是非具体化いただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 インターネット審議中継に字幕をつけることについては、事務局においてその手法、運用の調査研究を行っておりまして、メリットや課題、論点等の整理を鋭意進めているところでございます。
 今後、検討の素材を先生方に御提供する中で、どういう形で進めていくことがふさわしいかにつきまして十分な御議論をいただきたいと存じております。
○塩川分科員 是非、論点整理を進めていただいて、前向きな対応を共に図っていきたいと思っております。
 次に、立法府の情報公開、公文書管理についてであります。
 立法府の公文書においては、議会事務局の事務に係る議院行政文書というのがあります。同時に、議員や会派、政党の活動に係る立法調査文書、こういうことの整理が行われておりますけれども、議会事務局に係る文書である議院行政文書については、この間、行政府の公文書管理、情報公開に準じた措置が行われてきているところです。
 一方で、議員の活動に係る立法調査文書については、現状で、公文書管理、情報公開のルールがありません。こういう点についても議論を深めていく必要があると考えております。
 最初に、議院行政文書に関して、この間、議院行政文書ファイル管理簿を作成してまいりました。行政機関では、既に公文書管理のガイドラインを作成し、運用しているところです。
 衆議院における議院行政文書ファイル管理簿に対応した公文書管理のガイドラインの作成、これは直ちに実施をすべきだと思っておりますし、昨年来このことを指摘しておりますが、現状、どうなっているでしょうか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 文書ファイルの管理簿につきましては、そのインターネット公開について御指摘をいただいているところでございますが、衆議院事務局の情報公開制度に基づいて、開示の対象となる文書を含む文書ファイルの一覧である議院行政文書ファイル管理簿を事務局の情報公開窓口において閲覧に供しており、昨年二月に、これを衆議院ホームページの情報公開のコーナーに掲載したところでございます。
 また、御指摘の文書管理のルールの細目となるガイドラインにつきましては、完成に向けて、今、鋭意作業を進めているところでございます。ただいま行政府の文書管理規則と事務局の文書管理規程との規定内容の相違を踏まえた内容のチェックなどを厳密に行っているところでございますので、いましばらくお時間をいただきたいと存じます。
○塩川分科員 去年から鋭意準備中ということで、しばらくお待ちをということですが、大体めどとしてはどのぐらいでしょうか。
○岡田事務総長 ちょっと今、この場でめどを申し上げる段階にないんですが、何分分量が多いということと、行政の方は公文書管理委員会に基づくひな形がございますけれども、我が方の文書の取扱いは、又はその会議に関する文書、それから議院行政文書、様々形態が違うものですから、その辺りは慎重に今検討を行っているところでございます。
○塩川分科員 是非、ガイドラインの作成、進めていただきたいと思います。
 それから、こういった公文書に係る公文書館の国際組織として、ICA、国際公文書館会議というのがあります。その中で議会公文書館の会議も行われていると聞いております。
 是非、この国際公文書館会議、その中の議会公文書館部会に日本からも参加をして、世界的な取組、知見などを学んでいく、そういう機会にするのがふさわしいのではないかと思っておりますが、この点についてはどうでしょうか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 先生御指摘のICA、国際公文書館会議は、各国公文書館の相互連携を確立し、その発展に貢献することを目的として発足した国際非政府機関であると承知をしております。
 今まで衆議院事務局から同会議の議会公文書部会への派遣の実績はございませんが、今後、今現在、日本から国際公文書館会議に加盟しております国立公文書館とよく相談をさせていただきながら、鋭意参加の機会を捉まえて、それに加わることができますよう事務局内でも検討を進めてまいりたいと考えております。
 ただ、非常に専門性が高い部会というふうに聞いてございますので、どういう形で我々もその議論に参加できるかにつきましては、ここでの議論をまず勉強させていただいて、我が方でもしっかりとそれに対応できるように準備を進めた上で臨みたいと存じております。
○塩川分科員 また後で質問もいたしますけれども、議会公文書館をどうするのかという議論にもつながっていく話でありますので、そういった海外での知見に是非学ぶという機会は適切なものではないかと考えております。
 次に、立法調査文書の情報公開、公文書管理のルール作りが必要であり、議員間の協議が求められております。議院運営委員会の下に置かれております国立公文書館憲政記念館建設小委員会、この場がこのような立法調査文書の情報公開、公文書管理のルール作りの場となっていくのではないかと思うんですが、その点については受け止めをお聞かせください。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 衆議院事務局の文書管理に関しましては、内規でございます衆議院事務局文書取扱規程に基づいて行っておりまして、庶務的、管理的な文書のみならず、立法及び調査に関する文書につきましても、原則として文書取扱規程の例により取り扱うこととしており、同規程に沿ってしっかり管理を行っているところでございます。
 また、情報公開については、同様に、内規でございます衆議院事務局の保有する議院行政文書の開示等に関する事務取扱規程に基づき、行政府と同様のルールで行っておりますが、議院の活動に係る立法及び調査に係る文書は対象外となっております。
 そこで、立法及び調査に係る文書の取扱いについては、その協議をどのような形で進めていくかを含めまして、今、先生御指摘の公文書館小委員会という場も含めまして、議院運営委員会の先生方の御判断も踏まえて、私ども事務局もしっかり対応してまいりたいと存じます。
○塩川分科員 公文書館憲政記念館建設小委員会においては、小委員長のまとめの発言の中に、繰り返し、立法府の公文書の取扱い等についても検討するということで、この小委員会の位置づけが示されていると思います。こういう点でも、立法府の公文書管理の検討の場としてこの小委員会があるということはそのとおりだと思いますが、確認でお聞かせいただきたいと思います。
○岡田事務総長 先生の御指摘、そのとおりかと存じますが、いずれにいたしましても、議院運営委員会の場での御議論を踏まえて臨んでまいりたいと存じます。
○塩川分科員 この点でも、衆議院においての対応と同時に、今、参議院でも当然その対応が求められているところです。参議院側とも連携をしまして、立法府の情報公開法、公文書管理法の制定に向けた各党の協議を是非進めていきたいと思っております。
 次に、憲政記念館の役割であります。
 今、憲政記念館の立地をしている敷地において、今度新しい国立公文書館を建設する。その場合に、合築という形で新たな憲政記念館を建設することになっております。そのために対応するのが、先ほど述べた国立公文書館憲政記念館建設小委員会であります。そういう意味でも、改めて、憲政記念館の役割は何なのか、この点についての議論を深めて、課題を明らかにし、具体的に進めていくということが求められていると思います。
 憲政記念館の役割というのは今どういう役割を果たしているのか、この点について御説明をいただけますか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 憲政記念館は、議会制民主主義が歴史からの英知であり、永久に守られなければならないという議会人の共通認識に立ちまして、議会政治に関する資料の収集、展示などにより国民の皆様に認識を深めていただこうという趣旨によりまして、昭和四十五年に設立されたものでございます。
 この趣旨に基づきまして、憲政記念館には、まず、収集、展示等を行う博物館機能、次に、勉強会や講演、討論集会等を行うための講堂・会議室機能、次いで、館内、国会前庭、バス駐車場を管理する事務・施設管理機能の三つの機能があるというふうに心得てございます。
 特に、博物館機能におきましては、国会の組織や運営などを資料や映像によって分かりやすく紹介してまいりました。また、憲政の歴史や憲政功労者に関係のある資料を収集、保管してございまして、常時展示をするほか、企画展示等を行っているところでございます。
○塩川分科員 博物館機能、講堂、会議室などの運用、また事務、施設等の管理機能という話がありました。
 博物館機能という点でいいますと、もちろん常設あるいは企画の展示を行っているということもありますし、そもそも、収集ということも行っているわけであります。その点で、この憲政記念館の資料の収集方針、議会資料収集方針というのはどういうものなのかを確認したいと思います。
○岡田事務総長 御質問ありがとうございます。
 以前、先生の御指摘もいただきまして、憲政記念館では資料収集方針を策定いたしておりまして、同方針では、議会制民主主義に関連する貴重な資料を次の世代に引き継いでいくため、必要な資料を収集の対象としております。
 議会資料につきましては、例えば、帝国議会、国会に関する資料として、議会関係の文書、絵画、記念物、書跡、視聴覚記録、こういったものを収集しているところでございます。
 今後も、展示資料を更に充実させていくために、この資料収集方針に基づいて必要な資料を収集してまいりたいと考えております。
○塩川分科員 その点では、憲政記念館として、議会関連の資料収集ということで、収集方針を定めて取り組んでおられる。
 そういう点でいいますと、もちろん国立国会図書館も収集方針を持って独自に取組を行っているわけです。そういう意味でも、国立国会図書館では扱っていないような資料というのも当然あるわけで、もちろん、刊行物という点でいえば、政党の刊行物も国会図書館は収集することになっておりますけれども、例えば政党などのポスターなどについては、これは直接は国会図書館が収集するということになっておりません。
 しかし、政党の歴史を振り返る上でも、そのときそのときの政治課題などが端的に表記をされるようなポスター類というのは歴史的な価値もあると考えておりますし、政党が離合集散することが多いので、資料そのものが消えてなくなる可能性も高いといった点で、こういった政党関係の資料をしっかりと収集していく、こういう取組というのが必要ではないかなと思っておりますので、国会図書館が収集対象としていない政党の宣伝物などについて、この収集方針にも位置づけて、憲政記念館でしっかりと収集していく、こういう取組が必要ではないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 先ほどの憲政記念館の資料収集方針では、議会制民主主義に関連する貴重な資料を次の世代に引き継いでいくためという観点から必要な資料の収集を行っているところでございまして、御質問いただきました政党の資料なども、例えば、看板ですとか党旗、ポスター、ビラ、そういったものもその収集の対象とさせていただいているところでございます。
 これまでも、政党や個人の方のお申出により寄贈を受けるなどしておりまして、例えば、現在常設展示しているものでは、西尾末広関係文書中の三党立会演説資料「民社党の成立事情」といったものがございます。そのほか、新自由クラブの総選挙大綱などもございます。
 政党の資料の収集につきましては、今後どのようなアプローチができるかなども含めまして、これは、過去の政党の系譜を引いてございます現在の政党の皆様方、先生方ともよく相談をさせていただきながら、また、先ほど申し上げましたような、寄贈を受けるということもございましょう。そういうことも含めまして、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。
○塩川分科員 私も、憲政記念館の収蔵庫にお邪魔しまして、収集物も拝見いたしました。その中にはポスター類もかなりありまして、新進党のポスターとかというので、消費税減税とかと大きく出ていたのを懐かしく拝見いたしましたけれども、是非こういった点でも、歴史的に貴重な議会関連の資料というのをしっかりと収集する、その方針を持って取り組んでいただきたいと思います。
 同時に、その収蔵庫に行ったときに、非常に狭かったんですよね。現行の憲政記念館のスペースですから、工夫しながらいろいろ配置などもしておられたところでしたけれども、今後、新しい憲政記念館にもなるといった際に、是非ともこういった収蔵スペースをしっかりと確保することが必要じゃないかと思うんですが、分かる範囲で結構なんですけれども、新しい憲政記念館の収蔵というのはどういうふうになってくるのか、その辺について、分かるところで教えていただけませんか。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 ちょっと今、手元に詳しいデータを持ち合わせていないんですが、現在の収蔵庫よりも広い収蔵庫を、今、内閣府さんとの御協議を進める中で確保しておるところでございまして、先生御指摘のとおり、これからまだ、ますます資料も増えてまいりますので、また一方で、デジタルでの保存、保管、管理、こういったことも含めまして、総合的にしっかりと保管、管理ができるように努めてまいりたいと存じます。
○塩川分科員 新しい国立公文書館、それから憲政記念館は、併設、合築になりますので、展示スペースなども、同じフロアで一体的に行えるという点でも、国立公文書館でも展示を見、同時に憲政記念館でも展示を見ることができる、そういう点でのいろいろな工夫もできていくと思いますので、収蔵スペースもそこにも一定確保しているということですから、そういった国民に開かれた国会につながる憲政記念館の更なる活用というのを、博物館機能、議会資料館としての機能を果たしていくという取組の具体化を求めていきたいと思っています。
 次に、憲政記念館は、国会に対する国民の理解を深める場となる議会ビジターセンターとしてどういう役割を果たしているのか、この点について御説明ください。
○岡田事務総長 お答えいたします。
 憲政記念館は、先ほど申し上げました成り立ち、国会に対する国民の理解を深める場とすべく、博物館機能におきましては、国会の組織や運営などを資料や映像によって分かりやすく紹介するとともに、憲政の歴史や憲政功労者に関係のある資料を収集、保管しており、常時展示するほか、企画展示等を行ってまいりました。
 衆議院事務局といたしましては、現在、実施設計が進んでおります新たな憲政記念館に対しまして、国会周辺を訪れる人々を幅広く受け入れる、先生御指摘のビジターセンター的機能を持たせてまいることを考えております。
○塩川分科員 ビジターセンター的な機能を持たせていくということで、衆議院の事務局は、この間、議会ビジターセンター国際フォーラムに参加をしております。議会事務局の方が集まった国際的な会合ですけれども、そこに参加をした衆議院の事務局の方が作成した参加報告書を、おととしのものを拝見しますと、衆議院の参観者数が年二十六万人に上るということは各国に注目をされたということがありました。大変見学者が多いというのが日本の国会の特徴だということであります。
 一方で、国民、ビジターへのアプローチを統括する意味でのビジターセンターは置かれていないという点が課題となっております。ビジターに対して、施設見学にとどめずに、国会の役割を分かりやすく伝える工夫が必要であります。
 今、警務の方などが施設見学で衆議院の本館などの丁寧な説明をされておられます。これはこれとして、本館における成り立ちを含めた解説としては大変御努力もされておられると思います。同時に、施設の説明だけではなくて、国会そのものがどういう役割を果たすのか、どういう機能、どういう権能を果たしているのかといったことについて多くの国民の皆さんに学んでいただける、知っていただける、そういう場が必要だと思っております。
 それがまさにビジターセンターの役割だと思いますが、ビジターに対してこのような工夫を行っていくといった際に、警務部や憲政記念館が担っている議会ビジターセンターの機能について、統一的な対応が取れる体制を図るべきではないでしょうか。
○岡田事務総長 御質問ありがとうございます。
 先生からの御指摘、そのとおりでございまして、憲政記念館のビジターセンター的機能の位置づけと国会参観の連携等につきましては、このビジターセンター国際会議で得た諸外国の事例などを踏まえてしっかりと整理をし、新施設の竣工に向けて、衆議院全体として体制を含めて、また、議運を始めとした先生方ともよく相談をさせていただきながら、検討を進めてまいりたいと存じます。
○塩川分科員 そういったビジターセンターの機能を果たすという点でいえば、ワークショップですとか教育プログラム、また子ども国会、参議院などにおいて特別プログラムということで、参議院の講堂を使って、小学校や中学校の皆さん、まさに模擬国会を行って、過去の実際の審議録を参考にしながら、委員長や政府側や質問者という格好の役割分担を子供たちが行って、そのやり取りの議事録を後に記念品で持って帰れるという取組なんかも行っております。
 そういった取組を行っていくこと、また、衆議院の参観者ホールも広いものができたんですけれども、もう少し工夫ができるんじゃないか、そういう点での改善措置を是非図っていただきたいと思うんですが。
○岡田事務総長 御質問ありがとうございます。
 現在、実施設計が進んでおります新たな憲政記念館におきましては、四十名の来館者が着席をして体験や学習ができる本会議場体験コーナーや第一委員室体験コーナー、さらに、国会参観の事前あるいは事後に十分な学習ができるように多目的学習室を設置し、展示、学習機能を十分に持たせることとしております。
 令和三年度におきましては、平成三十年度に衆議院で策定をした展示等基本計画原案に基づきまして、新たな憲政記念館の竣工に向けて、子供や大人を対象にした参加型、体験型プログラムをどのように提供できるかを検討してまいりたいと考えております。
 また、先生御指摘の参観者ホールでございますが、国会参観の待機場所であり、短い滞在時間となっておるわけでございますが、充実した時間が少しでも過ごせることを目的に、先生からも従来御指摘をいただいているところでございますが、本格的な展示施設である憲政記念館への訪問を促すべく、展示パネル、これは憲政記念館の案内や周辺の散策のマップなどでございますが、こういったものを増設したり、記念スタンプコーナーの新設等をして、子供たちに、来館者に十分な興味と関心を持っていただくように努めているところでございます。
 引き続き、この点についての充実は図ってまいりたいと存じます。
○塩川分科員 新憲政記念館では、今よりも席数を増やした本会議場の模擬施設を造るということと、新たに第一委員室についても造るということですから、そういう意味でも、テレビで見ているような場面を実際に体験できるような機会をつくるということも重要ですし、そういうことを通じて議会の役割が学べるようなワークショップなどにしっかり取り組んでいくということを、是非とも具体化をしていただきたいと思っております。
 それから、議会の公文書館に関してですけれども、衆議院の事務局文書取扱規程第四十条に、「歴史資料として重要な文書ファイルであって憲政に関する資料として憲政記念館で保存することが適当であると認められるもの」という規定がありますけれども、これはどういうような文書を示しているんでしょうか。
○岡田事務総長 先生御指摘の衆議院事務局文書取扱規程第四十条第一項に基づきまして、歴史的価値があり、実務上の用途を終えたもので、一般に公開する等その活用を図ることが適当であると考えられる文書については、移管が進んでいるところでございます。
 なお、移管対象となる文書ファイルについては、憲政記念館への文書ファイル移管基準を設けまして、どのような文書が移管対象となるかを判断するに当たっての参考にすべき類型を定めました。
 まず一つ目は、議案、質問主意書などのいわゆる会議に関する文書のうち、会議録など憲政記念館以外で保存することが定められているもの等を除き、歴史資料として重要な文書であって、非現用文書であるものです。
 二つ目は、いわゆる会議に関する文書以外の文書のうち、衆議院又は衆議院事務局の主要な活動を跡づけるため必要となる運営上の重要な事項に係る意思決定、並びに、当該意思決定に至るまでの審議、検討又は協議の過程及びその決定に基づく施策の遂行過程が記録された文書であって、非現用文書であるものとしてございます。
 この二つの類型を参考に、今後も移管を進めてまいりたいと存じます。
 なお、規程改正後の一昨年十二月に歴史資料として重要な文書ファイルとして移されたものを御紹介させていただきますと、帝国議会期の書簡等を編綴した雑輯などの文書を移管したところでございます。
○塩川分科員 今答えていただきましたように、既に議会公文書館の役割を果たしているのが憲政記念館であります。是非、立法府の重要公文書を保管、公開をする議会公文書館の機能を憲政記念館がしっかり果たすということが必要ではないかと思うんですが、その点についてお答えください。
○岡田事務総長 現在、衆議院事務局文書取扱規程におきましては、先ほどございました、歴史資料として重要な文書ファイルは憲政記念館に移管することと規定されてございますので、移管された文書については、公用及び学術用の研究又は調査のための閲覧に応じてまいりたいと存じます。
 また、その他の情報の公開に関しましては、事務局の庶務的、管理的文書について、内規でございます、衆議院事務局の保有する議院行政文書の開示等に関する事務取扱規程に基づき、行政府の情報公開と同様のルールで開示しているほか、この制度の対象とならない立法や調査に関する情報に関しましても、例えば、質問主意書、答弁書、附帯決議、審議経過概要など、公開することに支障がないものにつきましては、会議録や衆議院ホームページにおいて積極的に公開しているところでございます。
 御質問のございました議会公文書館の機能をどのように果たしていくかについては、衆議院全体としてどのように立法府の重要公文書の保管、公開に取り組んでいくべきか、議運を始め、先生方の広範な御議論、また、よく御相談をさせていただきながら、検討を進めてまいりたいと存じます。
○塩川分科員 憲政記念館は衆議院の施設ですので、参議院との連携も必要になります。参議院の公文書管理、公文書館機能をどう発揮していくのかといったことと併せた前向きの議論を是非やっていきたいと思っています。
 そういう点でも、この憲政記念館が既に果たしている議会資料館、また議会のビジターセンター、そして立法府の公文書館、こういう三つの機能がしっかりと果たせる、そういう位置づけの施設としてより充実していくことを求めまして、質問を終わります。

【内閣委員会】法解釈「一貫」後付け/任命拒否を追及

 菅義偉首相による日本学術会議への人事介入問題について、政府が根拠とする「一貫した考え方」は後付けしたもので任命拒否先にありきだと批判しました。

 私は、2018年9月に、内閣府の学術会議事務局が内閣法制局に、学術会議の推薦通りに首相が会員を任命すべき義務があるかどうか、などを相談した経緯について確認。

 福井仁史学術会議事務局長は、15年の会員補欠人事で官邸側から複数名の提示を求められたことなどを挙げ、「当時の事務局が悩んでいたことは事実だ」と答弁しました。

 私は、悩むような注文が官邸からついていたということが(法解釈検討の)背景にある、と指摘。学術会議事務局が任命拒否の法解釈について法制局と協議した際の資料を示し、政府が任命拒否の根拠とする憲法15条1項の規定は、第1回の文書には出てくるのか、と質問しました。

 出てこないと認めた福井氏に、私は憲法15条が出てくるのは4回目の協議以降だ。『一貫した考え方』なのになぜ最初から記述されなかったのか、と追及。

 福井氏は、「憲法までさかのぼる必要があるのかという議論だったのではないか」と答え、私は、憲法が根拠なら最初の案文から出ているのが当然だ、と強調。任命拒否先にありきで、理由は後付けであることを示していると批判し、任命拒否を撤回せよ、迫りました。

 加藤勝信官房長官は、憲法15条1項を根拠に「総理大臣が任命権の行使を行ったものだ」と正当化しました。


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「議事録」

<第204通常国会 2021年2月24日 内閣委員会 5号>

○塩川委員 続けて、日本学術会議会員候補の任命拒否問題についてお尋ねをいたします。
 これは、二〇一八年の文書の作成過程について、学術会議の事務局から資料をいただきました。最初に、学術会議の事務局に幾つか事実関係をお尋ねをいたします。
 二十回ぐらい、ここは書き直している文書になっているわけですけれども、二〇一八年九月二十日、日本学術会議事務局作成の、内閣法制局の見解を求めることとした経緯について、その中には、法制局の見解を求めるテーマとして二点を挙げております。
 一つは、日本学術会議から内閣総理大臣に推薦された補欠会員の候補者一人について内閣総理大臣が会員に任命しないことが法的に許容されるか否か、二つ目が、今後、選考、任命手続の見直しにより、日本学術会議から一人の会員の欠員当たり複数名を内閣総理大臣に推薦することとした場合、内閣総理大臣が推薦順位が下位の者を任命することが法的に許容されるか否かということを内閣法制局の見解を求めるということで挙げております。
 そこで、お尋ねをいたします。
 この一つ目に関連してですけれども、推薦候補について、内閣総理大臣に推薦したんだけれども、総会での承認が見送られた、そういう事例というのはどうなっていますか。
○福井政府参考人 お答えさせていただきます。
 私どもの仕組みでは、まず、学術会議の中の幹事会が、会員に推薦したい人、この推薦案をつくりまして、総会に提案をするということをしております。それから、総会においてこの提案について承認をされますと、幹事会の方が会長に、内閣総理大臣にこれを推薦しろということを指示をする。それから、内閣総理大臣に推薦をして、任命という流れになっております。実際、この総会において、学術会議の幹事会が総会に提案をして、それが承認されなかったということはございません。
 ただ、このときに法制局の方に御説明しております、承認が見送られた事例という言い方をしておりますが、これは平成二十八年、二〇一六年でございますけれども、この夏に定年により三人の欠員が生じることになって、その後任となる会員を選考、任命することが必要になったんですが、三人について総会への承認提案自身を学術会議の中で行わなかった例、それから、このペーパーを整理したとき、そのときでございますけれども、平成三十年十月の総会までの間に三人の欠員が生じておりましたけれども、このうち一人について総会への承認提案を行わなかった例、この二つを挙げて、総会の承認が見送られたという言い方を、過去こういう事例があったという説明をしております。
 以上でございます。
○塩川委員 法制局に見解を求めるテーマの一つ目として、具体の事例としては二〇一六年、二〇一八年の話が紹介されました。つまり、二〇一六年以降に起こった新しい事態に対処しようとするものだったわけであります。
 もう一つ聞きます。
 二つ目の点ですけれども、昨年十二月十七日の田村参議院議員への政府の答弁では、任命権者側から定数以上の推薦を求められる可能性があったというのは、どのような事態だったんでしょうか。
○福井政府参考人 お答えをさせていただきます。
 田村議員にお答えしたときに同じような御説明をさせていただいているのですが、平成二十七年のことでございますけれども、会員一名の補欠人事について、補欠一人に対し候補者一人という名簿を任命権者側に説明したところ、複数名の候補者の提示を求められたことはございました。
 これは、いわゆる事前のすり合わせの段階の問題でございますけれども、このペーパーを整理する段階では、複数名の推薦ということを学術会議の総会において意思決定する、その法的な推薦としてそのようなことを求められる可能性はあるのではないかということで考え方の整理をしたというふうに理解しております。
○塩川委員 平成二十七年でいいですか、平成二十七年。
○福井政府参考人 今申し上げました、補欠一人に対して候補者一人の名簿を説明したところ、複数名の候補者の提示を求められたということは、私どもの提出しております資料の中で、当時の会長が前々回という言い方をして説明したところでございまして、この前々回というのはいつかというのは田村先生からも御質問がありまして、平成二十七年の際であるという回答をさせていただいております。
○塩川委員 平成二十七年以降に起こった新しい事態に対処する、複数の推薦ということが求められるということだったわけであります。
 日本学術会議事務局が内閣法制局の見解を求める契機となったのは、任命権者である安倍総理官邸が、これまで行ったことのない、今確認したような異例の要求を行ったからこそ、内閣法制局の見解を求めるということに至ったのではありませんか。
○福井政府参考人 済みません、先ほどの答弁でもしゃべらせていただきましたけれども、学術会議の方では、当時、平成三十年の総会までの間に定年で三人の欠員が生じることとなって、その後任となる会員を選考、任命することが必要であったという状況でございます。このうち一人について、結局、十月総会への承認提案を行っていないのでございますけれども、このような状態でございました。
 既にそれまでのいろいろな経緯などから考えて、推薦作業をいろいろ進めていくためには、従来からの推薦と任命の関係の法的整理をしておく必要があるのではないだろうかというふうに考えて、このような整理を行ったものと認識しております。
 異例かどうかというのは、ちょっとなかなか申し上げづらいところでございますけれども、当時の事務局が非常に悩んでいたのは事実でございます。
○塩川委員 当時の事務局が悩むような注文が官邸からついていたということが背景にあるということであります。ですから、任命権者の、学術会議の推薦どおりの任命を行わない、複数の名簿を出せ、こういうのが内閣法制局に見解を求める動機となっているということであります。
 そこで、この文書の中で根幹となっているのが、憲法第十五条第一項の規定を引用して、任命権者たる内閣総理大臣が必ず推薦のとおり任命しなければならないわけではないとする考え方、これは、日本学術会議会員の任命に関する安倍、菅政権の考え方の根幹ということでよろしいですか。
○福井政府参考人 その点は、当時の内閣といいますよりは、学術会議が推薦制度の形になって以来の考え方であったというふうに認識しております。
○塩川委員 昭和五十八年の、推薦制度を導入した、そのとき以来の考え方だということでありました。
 日本学術会議の事務局が作成した法制局との協議に関する資料によりますと、こういった法解釈の文書は、九月の五日から十一月の十三日、二か月間かけて、二十回近く文書を書き換えて、文書の案文の検討が行われておりますが、この憲法十五条第一項の規定を引用した考え方というのは九月五日の最初の文書には出てこないと思うんですけれども、そういうことですね。
○福井政府参考人 それは、提出しております資料のとおりでございます。
○塩川委員 この九月五日の、学術会議側がまず作成をした案文の中には、憲法十五条第一項というのは挙げられていないわけです。
 では、いつから憲法十五条の第一項というのは出てくるんでしょうか。
○福井政府参考人 法制局との御相談の過程で憲法十五条についても議論が及んだものと認識しております。
○塩川委員 何回目の文書からか、分かりますか。
○福井政府参考人 申し訳ございません、手元にございませんので、今ちょっとお答えしかねます。
○塩川委員 最初のにはないんですよ。二回目にもなくて三回目もなくて、四回目、ですから、十月四日なのか五日なのかちょっと微妙なんですけれども、記録上は十月の五日とされている文書の中に憲法第十五条第一項の規定が出てくる。
 いずれにしても、早い段階ではないものだということでよろしいですか。
○福井政府参考人 文書上はそのとおりでございます。
○塩川委員 日本学術会議事務局が内閣法制局との協議を始めてから一か月後に、やっと憲法第十五条第一項の規定が出てくるわけです。
 そうしますと、昭和五十八年の、選挙制が廃止され推薦制になったときからの政府としての一貫した考え方だったならば、なぜ最初から憲法十五条第一項と記述されていなかったんですか。
○福井政府参考人 済みません、当時の考え方を明確に追いかけることはできておりませんけれども、憲法にまで遡る必要があるのかどうかといったことを議論したんじゃなかろうかと思います。
○塩川委員 いや、だって、憲法第十五条第一項を持ち出して、これは昭和五十八年以来の政府の一貫した考え方だと言っていたんでしょう。一貫した考え方だったら、最初の案文から出ていて当然じゃないですか。何でないんですか。
○福井政府参考人 そのような考え方に基づいて既に日本学術会議法はでき上がっておりますので、そこまで触れる必要があるのかどうかということを議論したんじゃないかと思います。
○塩川委員 三回も四回も法制局とも議論していて、法制局側からそういう話も出てこないということ自身が、この第十五条第一項というのが後づけの理屈じゃないのかということを示している。この任命拒否が先にありきで、理由が後からついてくるというのが実態であります。
 憲法十五条は、公務員の選定、罷免権が主権者国民にあることを規定したものであります。その具体化は、国民を代表する国会が法で定めることになっており、法に反した任命こそ憲法第十五条違反となる。公務員の選定、罷免権をあたかも首相にあるかのごとく条項を読み替えるというのは、首相が、主権者である国民から公務員の選定、罷免権を簒奪をする暴挙だということを我が党は批判をしてまいりました。
 これはきちっと明らかにしてもらう上で、ここで出された文書の中に墨塗りがたくさんあるんですよ。墨塗りで何を隠しているんですか。墨塗りの部分を明らかにしてもらいたいんですが。
○福井政府参考人 墨塗り部分、一つは、今般の個々の会員任命に係ります任命権者の考え方について、誤解を招き得る記述であると考えて不開示としたものがございます。
 そのほかにも、細かい部分でございますけれども、当時の事務局の作成担当者の氏名が記載されておりまして、公にすることによって当該職員の現在従事する事務の適切な遂行に支障を及ぼすおそれがあるのではないかということで不開示としている部分もございます。
○塩川委員 誤解を招くというよりは、そもそも理由が後づけだということを示すような文言が入っているんじゃないのかという疑念だって湧くわけであります。
 そういう点でも、真摯に、こういった問題について明らかにするのであれば、墨塗り部分についてきちっと開示をする、こういうことこそ政府として行うべきことじゃないでしょうか。
 改めて墨塗り部分の開示を求めたいと思いますが、いかがですか。
○福井政府参考人 繰り返しになりますが、任命権者の考え方についての誤解を招き得る記述、あるいは、職員の現在従事する事務の適正な遂行といった観点からどうしても支障があるということで不開示とさせていただいております。
○塩川委員 是非、資料要求として、墨塗り部分の開示を求めると、理事会での協議をお願いします。
○木原委員長 ただいまの件につきまして、理事会にて協議をいたします。
○塩川委員 あわせて、この当事者であります杉田官房副長官の当委員会への出席を求めます。
○木原委員長 理事会にて引き続き協議をいたします。
○塩川委員 官房長官にお尋ねします。
 この学術会議は一九四九年に設立をされました。第一回総会で、科学者の戦争協力を反省をし、科学こそ文化国家、平和国家の基礎となるとの決意表明を行いました。
 日本学術会議の政府からの独立性の根本には学問の自由があります。学問の自由によって保障された日本学術会議の独立性を侵害する会員候補の任命拒否、これは是非とも撤回をし、六人全員の任命を求める、この点についてお答えをいただきたい。
○加藤国務大臣 日本学術会議法上、学術会議は、科学に関する重要事項の審議等の職務を独立して行うことが規定をされております。
 他方、学術会議の会員の任命は、今議論もあったところでありますが、憲法第十五条第一項の規定の趣旨を踏まえ、任命権者である内閣総理大臣が、日本学術会議法に沿って、国の行政機関である学術会議の役割なども踏まえて公務員に任命するものであり、先般の会員の任命においても、日本学術会議が専門分野の枠にとらわれない広い視野に立って総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただけるようにという観点から、任命権者である内閣総理大臣が学術会議法に基づいて任命を行ったものであり、こうしたことはこれまでも幾度と御説明をさせていただきました。
 こうした任命権の行使は、会議の職務の独立性を侵害することになるとは考えておりません。
 また、先般の任命は、推薦された者の扱いを含め、任命権者たる内閣総理大臣が今申し上げた考え方にのっとって最終判断がなされたものであり、一連の手続は既に終了しているものと考えております。
○塩川委員 任命拒否の理由が後づけだということを指摘をしましたが、こういう問題について、学術会議も要求をしている、この拒否の理由をしっかり説明してもらいたい。そして、拒否を撤回をして、六名全員の任命を、これこそ政府が行うべき取組だ、このことを強く求めておきます。
 それでは、官房長官、御退席いただいて結構です。あわせて、総務省接待問題や学術会議関連の方は結構ですので、御退席ください。
○木原委員長 どうぞ御退席ください。
○塩川委員 残りの時間で、改正コロナ特措法に基づく措置についてお尋ねをいたします。
 西村大臣、お世話になります。
 法改正を受けて、いろいろ、基本的対処方針の見直しもありましたし、コロナ室発出の事務連絡文書なども出されております。
 この二月十二日付の事務連絡文書で、事業者に対する支援に当たっての留意点に関する記述があります。その中に、「要請の対象となっていない事業者についても、例えば、要請の対象となる事業者の取引先である場合、特定都道府県における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受ける場合などは、効果的な支援を行うよう努めることとする。」と書かれておりますが、そこの部分の確認なんですけれども、要請の対象となっていない事業者についても、例えば、要請の対象となる事業者の取引先である場合は効果的な支援を行うよう努めるとありますが、この場合、緊急事態措置、蔓延防止等重点措置、第二十四条第九項のいずれであっても、その要請の対象となる事業者の取引先は支援を行うということでよろしいでしょうか。
○奈尾政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の特措法改正によりまして、特措法第六十三条二第一項において、国及び地方公共団体が新型インフルエンザ等の影響を受けた事業者を支援するための必要な措置を講ずる義務を明記したところでございます。
 今般の施行通知にも記載いたしましたとおり、事業者等に対して必要となる具体的な支援措置につきましては、その時々の感染症の感染状況や社会経済情勢などによって随時変わっていくというものでございますため、新型コロナウイルス感染症の感染状況などをよく見極め、状況に応じて適宜適切に対応していくということとしてございます。
 お尋ねの、要請対象となる事業者の取引先等につきましても、要請がどの条文に基づいて行われたかということにかかわらず、この規定の趣旨に沿って対応を行っていくことが必要と考えてございます。
 例えば、これまで、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出、移動自粛等による厳しい影響を受けまして、一月から三月のいずれかの月の売上げが五〇%減少するといった場合には、地域、業種を問わず、中堅・中小事業者に対して、法人では最大六十万、個人事業主では最大三十万円の一時金を支給するということにしてございます。
 また、第三次補正で措置いたしました地方創生臨時交付金の地方単独事業分、一兆円ございますけれども、これについては、国の一時支援金の対象とならない、県独自の営業時間短縮要請等に伴い影響を受けた関連事業者に対する支援を行うこととしている自治体もあると承知してございます。
 いずれにいたしましても、事業者等に対する支援措置については、その時々の感染症の感染状況や社会経済情勢などを踏まえて、適宜適切に対応してまいりたいと思っております。
○塩川委員 その点に加えて、もう一つ、西村大臣にお答えいただきたいと思いますが、要請の対象となっていない事業者についても、例えば、特定都道府県における不要不急の外出、移動の自粛による直接的な影響を受ける場合などは、効果的な支援を行うよう努める、この不要不急の外出、移動の自粛による直接の影響といった場合の指定の仕方が、特定都道府県におけると書いてあるんですけれども、不要不急の外出、移動の自粛による直接的な影響を受ける場合というのは、特定都道府県、つまり、緊急事態措置に限定しているということなんでしょうか。
○奈尾政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども、事業者の方々に対して必要となる具体的な支援措置については、その時々の感染状況とか社会経済情勢などによって随時変わっていくものであるため、感染状況などをよく見極めて、状況に応じて適宜適切に対応してまいりたいというお答えを申し上げました。
 今お尋ねの件でございますけれども、要請に基づいて営業時間を短縮した方のみならず、多くの事業者の皆様が極めて厳しい状況にあるといったことから、効果的な支援を行うよう努めることとしている場合の、例示上、書いたものでございますので、支援を行う場合を緊急事態措置の場合に限定しているものではございません。
○塩川委員 緊急事態措置に限定していないということなんですけれども、ただ、文面を読むと、特定都道府県におけるという書き方をしているんですよ。
 例えばというのが頭についているといえば、ついているのかもしれないけれども、これは、読み方とすると、緊急事態措置にしか対象にならないよと読める書きぶりなんです。それはおかしいんじゃないのかと。
 西村大臣、こういうのをきちっと見直して、都道府県においてしっかりとした対応が取れるような、そういう工夫は必要じゃないかと思うんですが、その点、どうですか。
○西村国務大臣 今答弁申し上げたとおりなんですけれども、通知においても、その柱書きというか前段のところで、国及び地方公共団体は、コロナの蔓延防止に関する措置が事業者の経営及び国民生活に及ぼす影響を緩和し、国民生活及び国民経済の安定を図るため、当該影響を受けた事業者を支援するために必要な措置を効果的に講ずるというふうに、まず全体として総論を書いております。
 それからさらに、先ほどの御指摘があったところの該当箇所についても、御指摘がありましたように、例えばと書いてあるのと、それから、特定都道府県における不要不急の外出、移動の自粛、この特定都道府県におけるというのは不要不急の外出の自粛にかかっておりますので、これによって、その地域以外であっても直接的な影響を受ける場合もありますし、更に言えば、例えばというふうに記載をしているということで。
 私ども、もちろんこの通知をしてできるだけ分かりやすくというふうに考えておりますけれども、様々な問合せなどについても丁寧にお答えしながら、いずれにしても、影響を受ける事業者への支援、その必要な措置を効果的に講じていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 ちょっと微妙な言い方なんですけれども、緊急事態措置だけじゃなくて、二十四条九項に基づいての自粛の要請などもあるわけですよね。二十四条九項で行った自粛の要請についても、直接的な影響を受ける場合については支援の対象だということでよろしいですよね。
○木原委員長 申合せの時間が来ておりますので、一言で、西村大臣。
○西村国務大臣 当然、その影響の度合いとか経済の状況とか国民生活への影響とか、こういったことを見ながら適時適切に判断をしていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 終わります。