八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会の勉強会に参加

 八ッ場ダムを考える1都5県議会議員の会の勉強会に参加。渡辺洋子さん、嶋津暉久さんが講演しました。

 国交省は完成を急いでいますが、問題山積です。

 八ッ場ダムは、治水・利水に役立たないムダなダムであり、地すべりなど災害を誘発する危険なダムです。各地の災害を見ても、ダム依存の河川行政を抜本的に見直すときです。

特殊法人労連の定期総会に出席し、あいさつ

 特殊法人労連(竹内清議長)定期総会に出席、あいさつしました。

 国民生活に寄与する政府関係法人の労働者・労働組合でつくる特殊法人労連の活動に敬意。

 無期雇用転換回避の雇い止めを撤回させるなど、力を合わせてきました。

 公務・公共サービスの充実のため、労働条件の改善は不可欠です。

 9条守るたたかい、沖縄県知事選での玉城デニー氏の勝利のために、ご一緒に頑張りたい。


「しんぶん赤旗」9月12日付・5面より

インフラ整備など必要/特殊法人労連が定期総会

 特殊法人労連は7日、定期総会を東京都内で開きました。

 竹内清議長はあいさつで、「特殊法人等の労働者は、利潤追求でなく国民のための事業遂行に誇りをもって取り組んでいる。災害が多発する中、社会的インフラ整備など必要な予算を確保し国民本位の事業を拡充していこう」と語りました。

 篠原百合子事務局長が議案の提案を行い、「職場環境の改善と公的事業の拡充を柱に、『働き方改悪』を職場に持ち込ませず、安倍首相の9条改悪と消費税増税に反対しよう。若い組合役員も増え、参加しやすい組合活動を」と述べました。

 討論で、学生支援機構労組の代議員が非常勤職員の無期雇用転換を勝ち取り、夏季休暇を5日に増やしたと報告。全国社会保険診療報酬支払基金労組の代議員は医療「改革」に関連して、各県にある組織の「統合テスト」が始まっている問題を批判しました。法務局の窓口で働く民事法務労組は最低賃金の厳しい状況におかれ、「国がブラック企業をつくっているようなものだ」と述べました。

 議長に竹内清(都市労)を再任、事務局長に鷲尾盛士(水資労)を新たに選出しました。(敬称略)

 来賓として、全労連の長尾ゆり副議長、全労連公務部会の岡部勘市代表委員、日本共産党の塩川鉄也衆院議員があいさつしました。

関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2019年度概算要求について

 関東地方の主な米軍・自衛隊施設に関する2019年度概算要求の内容が明らかになりました。

 いくつかのポイントを記すと―――

1)自衛隊オスプレイ配備に伴う部隊編成について
今年度からオスプレイが配備される。配備先は現段階で未定だが、すでに今年度末までに第一ヘリ団の下に「臨時教育隊」60人を配置することになっている。さらに来年度の概算要求では、2019年度末までに「臨時航空隊」430人を配置することとしている。「臨時教育隊」は「臨時航空隊」に組み込まれる。

2)引き続き空自入間基地の拡大、機能強化が図られている
①C-2受け入れに伴う施設等経費36億円。航空貨物用倉庫の建替13.5億円、航空燃料貯蔵施設の新設13億円、洗機場の新設4億円。通信局舎の新設2億円(現局舎用地をC-2格納庫建設用地に充てるため)。C-2整備格納庫の調査に0.3億円。
 なお来年度概算要求では、2機のC-2を取得するための経費457億円を計上、2022年度に入間基地に配備する予定。合計5機となる。
②入間基地拡張強化計画の予算が計上されている。自衛隊入間病院のⅡ期工事に40億円、災害対処拠点地区の運動施設等の整備に9億円。
③航空医学実験隊庁舎の新設17億円。立川分屯基地から入間基地に移動する航空医学実験隊(1・2部)の庁舎を建設する。
④作戦システム運用隊(旧プログラム管理隊)庁舎の改修0.2億円。新早期警戒機(E-2D)の情報収取したデータを受け入れるための措置。

 詳細は以下の通りです。

1.米軍施設(横田飛行場、所沢通信施設、大和田通信所、厚木海軍飛行場)に係る概算要求額とその内容
横田飛行場提供施設整備 歳出ベース9億1200万円 契約ベース12億7400万円
管理棟、倉庫(給油機器)、整備用格納庫、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。
厚木海軍飛行場提供施設整備 歳出ベース19億4200万円 契約ベース29億8100万円
汚水排水施設、雨水排水施設、工場(車両)改築、ユーティリティ(給電・給水)。いずれも継続事業。
所沢通信施設及び大和田通信所に関係する経費は計上していない

 

2.陸自駐屯地(朝霞・大宮・相馬原・宇都宮・北宇都宮・勝田・土浦・霞ヶ浦・古河・習志野・木更津)及び空自基地(百里・熊谷・立川・横田・府中・入間)における「施設整備費」に関する概算要求額とその内容
朝霞駐屯地 約19億円
朝霞市公共下水への接続工事10億円(2021年度に完成予定)。朝霞市の工事に対しては、防衛省が負担金を払う(2020年度以降)。詳細については朝霞市と協議中。
庁舎の改修6億円。既存庁舎の空調設備の老朽更新や通信機材設置に伴う建屋改修。
庁舎の新設3億円。第一師団の偵察部隊が使用する狭隘な施設の新築。
調査工事0.8億円。女性隊員の庁舎・隊舎の狭隘化解消、建て替えのための調査費。
宇都宮駐屯地 約2億円
隊舎の改修。既存建物の耐震改修(2年間を予定)。
習志野駐屯地 約2億円
管理棟の新設2億円。仮設建物である装備品管理施設の新設。調査工事0.3億円。降下訓練塔の老朽対策。
百里基地 約4億円
格納庫の改修0.35億円、局舎の改修0.2億円、庁舎の改修0.9億円(いずれも三沢から百里への第3飛行隊移動に対応するもの)。
器材庫の改修0.2億円。
燃料設備の改修1.3億円。燃種の変更。
汚水排水設備の整備2億円。
空調設備の改修0.2億円。
調査工事400万円。着陸拘束装置設置のための調査工事費。
熊谷基地 約0.9億円
浴場の機械設備の改修。
府中基地 約22億円
庁舎の建替18億円。航空開発実験集団司令部庁舎の耐震対策。
庁舎の改修2.5億円。宇宙状況監視(SSA)システムの運用の拠点として活用。
隊舎の解体2億円。外来宿舎の解体。
入間基地

約106億円

航空貨物用倉庫の建替13.5億円、航空燃料貯蔵施設の新設13億円、洗機場の新設4億円。通信局舎の新設2億円(いずれもC2受け入れ関連)。
プログラム管理隊庁舎の改修0.2億円。
入間病院の新設40億円。2期。
災害対処拠点地区等の整備9億円。
航空医学実験隊(1・2部)庁舎の新設17億円。
雨水排水施設の整備2億円。
調査工事1億円。C2整備格納庫0.3億円。基地内のライフライン(給排水・電気設備等ユーティリティ関連)の検討1億円。

大宮駐屯地、相馬原駐屯地、北宇都宮駐屯地、勝田駐屯地、土浦駐屯地、霞ケ浦駐屯地、古河駐屯地、木更津駐屯地、立川基地、横田基地はなし。

 

3.陸上総隊隷下の部隊(司令部および司令部付隊、第一空てい団、第一ヘリ団、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊、中央情報隊、システム通信団、水陸機動団)及びその他の主な部隊に係る概算要求額(装備品等)とその内容
陸上総隊司令部及び司令部付隊(朝霞)

計上事業なし。

第一空てい団(習志野) 約1.4億円
空挺傘損耗更新など。
第一ヘリ団(木更津) 約500万円
CH47スリングベルトの改修など。
中央即応連隊(宇都宮) 約6.6億円
爆発物処理関連機材(IED対処)など。
特殊作戦群(習志野) 約13.1億円
中央特殊武器防護隊(大宮) 約2.4億円
除染車1両、除染装置1両。
対特殊武器衛生隊(三宿) 約0.3億円
生物剤対処用衛生ユニット維持。
国際活動教育隊(駒門)
計上事業なし。
中央情報隊(朝霞)
計上事業なし。
システム通信団(市ヶ谷) 約3.9億円
無線搬送装置。
水陸機動団(相浦) 約9.4億円
水中偵察用備品3.4億円、相浦訓練施設整備4.6億円など。
大井通信所(ふじみ野市) 約7億円

保全警備システムの保守整備250万円、通信所警戒監視要員(役務)の確保3600万円、老朽施設の建替6億8千万円。

防衛医科大学校(所沢) 約135億円
患者医療費40億円、学校機能維持費61億円、インフラ整備費14億円、医療備品整備19億円、防衛医学研究センター0.5億円。
航空医学実験隊(入間) 約5億円
操縦者作業負担度測定装置3億円、維持経費2億円。
航空機動衛生隊(小牧) 約400万円
機動衛生ユニット維持費。
陸自化学学校(大宮) 約0.65億円
学校教育に必要な消耗品、教材等の経費。

国会活動総集編▼2018年通常国会の取組み▼をまとめました

国会活動総集編▼2018年通常国会の取組み▼をまとめました。
【1】安倍首相国政私物化 森友・加計学園問題
【2】カジノ問題
【3】「働き方改革」批判
【4】地域振興 TPP・PFI・ホンダ狭山工場閉鎖問題
【5】くらし 子ども子育て支援法案・学童保育・ネットフリマ
【6】火山噴火対策
【7】セクハラ問題
【8】米軍機低空飛行問題
【9】選挙制度
【10】議院運営委員会の仕事

▼2018年通常国会の取り組み▼【10】議院運営委員会の仕事(1)安倍政権と対決、野党共闘に尽力(2)衆議院を代表して公式行事に出席(3)2018年度衆院予算に対する意見表明(4)国会同意人事候補者に対する質疑(5)政策秘書資格試験実施規程改定に対する意見表明

【10】議院運営委員会の仕事
(1)安倍政権と対決、野党共闘に尽力
1)政府が通常国会への提出予定法案を説明(1月18日、議院運営委員会理事会)
 西村官房副長官が出席し、1月22日召集の通常国会に政府が64本の法案を提出予定であることを説明。

 残業代ゼロ・過労死ラインの長時間労働容認の「働き方改革」法案や、カジノ実施法案、TPP関連法案について、社会と国民生活に重大な影響を与えるもの。提出すべきではないと主張。

2)与党による法案の強行採決に抗議(3月16日、議院運営委員会)
 与党が強行審議・委員会採決を行った、子ども子育て支援法案と在外公館法案の本会議上程に反対する討論を行いました。森友公文書改ざん事件解明に背を向けながら、政府法案だけ強行に進める与党の姿勢を厳しく批判しました。

3)ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託に反対(5月17日、議院運営委員会)
 自民・公明は、野党の反対を押し切り、ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託を強行しました。わたしは、議院運営委員会で反対の意見表明を行いました。

 ギャンブル依存症対策法案の内閣委員会付託の強行は、審議入りしたばかりのTPP11整備法案の質疑打ち切りを意味するものであり、引き続くカジノ実施法案の審議強行を図ろうとするものとなり、反対であることを述べました。

4)カジノ法案審議入りに反対(5月21日、議院運営委員会理事会)
 衆院議院運営委貝会の理事会で、自民、公明両党はカジノ実施法案を22日の本会議で審議入りすることを提案しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会の野党各党が「ギャンブル依存症など重大な問題がある」として審議入りに強く反対しましたが、古屋圭司委員長の職権で日程を決めました。

 わたしは「TPP関連法案の審議打ち切りを前提に、カジノ実施法案の審議入りを決めるなどとんでもない」と厳しく批判。「カジノ実施法案は刑法に反して賭博を合法化するものであり、ギャンブル依存症など重大な問題がある」と強調し、法案への反対を表明しました。

 他の野党からも、「(審議入りは)受け入れられない」(立民)、「違法性や依存症の問題があるなかで審議に入るべきではない」(国民党)などの批判が相次ぎました。

5)民間参入促進の水道法改定案の委員会付託に反対(6月27日、議院運営委員会)
 自民・公明の与党と日本維新の会は6月27日の衆院議院運営委員会で、水道事業への民間企業の参入を促進する水道法改定案を衆院厚生労働委員会に付託することを日本共産党など野党の反対を押し切って決めました。

 議院運営委員会では、日本共産党のほかに立憲民主党、国民民主党、無所属の会が反対しました。

 わたしは議院運営委員会理事会で、国民の生存権を保障する水道事業の公共性を後退させる水道法改定案の審議は認められないと述べました。

6)改憲手続き国民投票法改定案/憲法審査会付託に反対(7月2日、議院運営委員会理事会)

 改憲手続きのための国民投票法改定案(自民、公明、維新、希望の党共同提出)を憲法審査会に付託することを決めました。

 わたしは、そもそも今国会は、安倍政権の下、改ざん、ねつ造、隠ぺい、虚偽答弁など、国会の行政監視機能、国政調査権を侵害する憲法ないがしろの政治がまかり通ってきた。憲法の議論などできるわけがない。国民は安倍改憲を望んでいない。改憲の一里塚となる国民投票法改定案の審議は認められない――と反対しました。

7)総理・外務大臣の外遊/野党は「国会軽視」と反対(7月6日、議院運営委員会理事会)
 議院運営委員会理事会で政府が安倍総理と河野外務大臣の海外出張について説明し、野党は国会軽視の対応だと反対し、理事会の了承を得られませんでした。

 河野外務大臣が海外出張中に国会審議出席のためチャーター機を利用し「質問は2問しか出なかった。1問が何千万円だ」などと発言した問題。

 わたしは、国会出席を軽んじる発言だ――と批判。安倍総理の外遊日程も当初より大幅に延長されており、大臣には国会での応答義務(説明責任)があり、それを果たすべきだ。

 立憲民主・国民民主・無所属の会の各党各派も「国会会期を一方的に延長しておきながら、国会軽視も甚だしい」などと指摘。

 古屋議運委員長は、河野大臣発言について「よろしくない」と苦言を呈すものの、「政府の判断で対応を」と述べました。

8)自民案を倫選特付託/野党は本会議質疑を要求(7月13日、議院運営委員会)
 比例代表に「特定枠」を設ける自民党の参院選挙制度改定案について、本会議での質疑を行わず政治倫理・選挙特別委員会に付託することを、自民、公明の賛成多数で決めました。議会制民主主義の土台をなす問題で自民党の一方的なやり方は許されないとして、共産、立憲民主、国民民主、無所属の会、維新はそろって反対しました。

 わたしは、参院では与党が賢疑を打ち切り、討論を省略する動議を強行した。審議は尽くされておらず、衆院では本会議から質疑すべきだ――と主張。抜本改革に値しない自民党の党利党略の案に対し、世論調査でも反対が7割にのぼるなど、主権者・国民の理解は得られていない――と批判しました。

9)古屋議運委員長の政治資金パーティ収入過少申告疑惑ただす(7月18日、議院運営委員会理事会)
 古屋圭司議院運営委員長(自民)は、政治資金パーティーの収入を実際より少なく申告した疑惑(7月17日付朝日新聞報道)をめぐり、議運理事会で、経過と事実関係を書面で報告しました。

 書面では、報道されたパーティー券販売数を記したノートの存在を認める一方、記事内容とは違う点も確認されたとして、さらに調査をすすめると説明。

 日本共産党など野党は「説明責任を果たしていない」と批判し、関連資料の提出を含め、国民が納得できる明確な説明を求めました。

 書面では「ノートは事務所の政治資金パーティー券を販売した秘書がパーティー券の配布先及び配布枚数を規則したもの」と説明。実際の購入枚数とされる赤ボールペンで丸のついた数字について「赤丸で囲まれた数字と通帳などへの個々の入金額が一致しないものがある」「『赤丸数字=販売枚数』ではないケースが確認できた」と強調しています。

 野党は、赤丸数字と販売枚数で一致するものは何件あるのか、一致するものを足し上げていった結果、収支報告書の申告金額は過少になるのではないかと追及。

 古屋委員長は、弁護士・専門家に調査を依頼しており、調査を進めないと答えられないと述べるにとどまりました。

 わたしは、国会運営を担う議運委員長には高い倫理性が求められる。疑惑を明らかにしていない議運委員長の下で、「新たな日程を協議するわけにはいかない――と表明しました。

 しかし、与党と古屋委員長、野党の反対を押し切り、職権で今日の本会議開会を決めました。

10)国会の権威を失墜/古屋衆院議運委員長解任案に賛成討論(7月19日、本会議)
 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の6野党・会派は、古屋圭司衆院議院運営委員長(自民党)が安倍政権の悪法強行に加担し、自身の政治資金パーティー収入の過少申告疑惑でも説明していないとして、同委員長解任決議案を衆院に共同提出。本会議で賛成討論に立ちました。

 今国会で問われたのは安倍政権による改ざん、ねつ造、隠ぺいなど、民主主義の土台を根底から突き崩す異常事態に対して、国会が政府監視機能を果たすかどうかだ。古屋氏が疑惑解明に背を向け、国会を冒涜する安倍政権に追従し、国会の権威を失墜させた。

 古屋氏の職権による本会議開会などが20回に及び、重要法案を与党単独の質疑で進め、野党の質疑権を奪ってきた。「働き方」一括法、カジノ実施法案、自民党の党利党略の参院選挙制度改定など、最初から最後まで職権による強行運営で、政府・与党いいなりで悪法の審議促進に手を貸した責任は重大だ。また過少申告疑惑では、議会運営の要を担う議運委員長が、国民と国会に納得のいく説明をしないのは、民主主義の健全な発展に、極めて重大な問題をもたらす。

 決議案は自民、公明両党などの反対で否決されました。

11)衆院でも障害者雇用の水増し/雇用確保の仕組みを提案(8月29日、議院運営委員会庶務小委員会)
 議院運営委員会庶務小委員会・図書館運営小委員会において、衆院事務局・国会図書館事務局から、障害者雇用に関して報告がありました。

 衆院事務局は2017年度に10人、18年度は16人。国会図書館は17年度18年度それぞれ10人の水増しがあったことを明らかにしました(障害者雇用で短時間労働者は0.5人で計算されます)。

 水増しが生じた理由について「障害者雇用促進法に定める障害者雇用の対象範囲の解釈に誤りがあった」と説明しました。

 わたしは、障害者の雇用を確保する採用の仕組みを考えることが必要だ。大本には公務員削減がある。定員管理の在り方を含めた見直しが必要だ――と指摘。

 向大野新治・衆院事務総長は「障害者の選考採用や国会内のバリアフリー化を検討したい」と述べました。

(2)衆議院を代表して公式行事に出席
1)日中議会交流委員会に出席し、発言(1月23日)
 中国の立法機関である全人代代表と衆議院との意見交換の場である日中議会交流委員会が東京で開催され、環境問題などについて発言しました。

 相互理解、相互信頼を深める場として、毎年実施し、今回で10回目になります。

2)クウェート国国民議会議長一行が大島衆院議長を表敬訪問(3月13日)
 クウェート議長の訪日は45年ぶり。マルズーク・アリー・ムハンマド・スネイヤーン・アル・ガーニム議長は「この訪問を機に、両国の国会と国民の信頼が深まることを願っている」と述べ、大島衆院議長は「東日本大震災でのご支援にお礼申し上げたい。議員交流が活発になることは重要」と応じました。

 クウェートは、四国と同じ面積で、人口約428万人(内クウェート人131万人)。1961年に英国から独立。湾岸諸国の中で最も古い憲法と議会制度をもつ立憲君主国といいます。

 クウェート国民議会は一院制(民選議員+全閣僚)。任期4年。定数10の5つの大選挙区から選出。選挙権はクウェート国籍をもつ21歳以上の男女。被選挙権はクウェート国籍をもつ30歳以上の男女。

3)オーストラリア連邦議会議員団一行が大島衆院議長を表敬訪問(4月17日)
 5人の一行のうち議長を除く4人は女性です。議会の女性比率は3割といいます。 オーストラリアは上院と下院の二院制。下院議会の定数は150。任期は3年。小選挙区制です。

 選挙権は、18歳以上のオーストラリア国民及び1984年の連邦選挙法改正以前からオーストラリアに永住し選挙人名簿に登録している英国国民が有しています。供託金は、下院で1000豪ドル(8万3千円)。ちなみに日本の衆院選挙の供託金は、小選挙区300万円、比例代表600万円です。

4)日本EU議員会議参加者を歓迎/衆参議長主催のレセプションに出席(5月9日)
 衆院議長公邸で行われた日本EU議員会議参加者を歓迎する衆参議長主催のレセプションに出席。笠井亮議員と一緒に参加者と交流しました。

5)李克強中国首相が大島議長を表敬訪問(5月10日)
 今年は日中友好条約40周年。李首相は「相互理解を深める良い機会。議会間交流、国民的な交流が深まることを願っています」と述べました。

 大島議長は、7月に訪中し、栗戦書全人代常任委員長を訪問することを明らかにしました。

6)フランス共和国国民議会議長一行が大島議長を表敬訪問(5月31日)
 ド・リュジ議長は「今年は日仏友好160周年、意義深い。気候変動問題など連携していきたい」と述べ、大島議長は「議員同士の交流が活発になることを願っている」と応えました。

7)大島衆議院議長中国親善訪問議員団の一員として中国へ(7月23242526・27日)
 中国の国会である全人代の招待を受け、親善訪問。栗戦書・全人代常務委員会委員長、李克強・国務院総理との会見や中国企業(ファーウエイ・京東集団など)訪問、地方視察(西安市・深圳市)などを行いました。

(3)2018年度衆院予算に対する意見表明(1月18日、議院運営委員会)
 常任委員会や特別委員会の委員長手当は、12年に衆院で「委員長手当廃止法案」が可決されている。特権的手当だとして廃止を求めた。 

 文書通信交通滞在費について、在京議員にも「滞在費」分を支給することは国民の理解を得られない。見直しを主張。 

 わたしは、憲政記念館を議会博物館として発展させていくことの検討や、過去の国会審議のビデオ映像の公開の手立てをとることを提案。いずれも、今後検討していくことになった。

(4)国会同意人事候補者に対する質疑
1)会計検査院の森田検査官候補(現検査官)と杉本公正取引委員会委員長候補(現委員長)の聴聞(1月25日、議院運営委員会)
 森田検査官候補に対して、秘密保護法に基づく秘密指定された書類の扱いや森友疑惑の文書廃棄の問題、防衛費や官房機密費の会計検査などについて質問しました。憲法90条には「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し」とあります。戦前、軍事費を聖域とした歴史の反省があるからです。森田候補は「検査に聖域なしの立場で取り組んでいく」と述べました。

 杉本候補に対しては、独禁法改正に関して、日本経団連や自民党の要求に応えた公取委の対応は、他から指揮監督を受けることなく独立して職務を行う3条委員会としての役割を果たせていない、と指摘しました。

2)立花宏人事官候補(再任)の聴聞(2月22日、議院運営委員会)
 「国家・国益に奉仕する公務員」を掲げる安倍政権が2014年の国家公務員法改定で幹部人事を内閣人事局で一元管理し、首相官邸が各府省の幹部人事に関与する仕組みがつくられた弊害が、「森友・加計」疑惑などに表れている。前文部科学事務次官の前川喜平氏が、在任当時、官邸から課長級人事にまで「差し替えろ」「処遇しろ」と指示されたと語ったことを示して、経団連時代から幹部人事一元管理を主張してきた立花氏に見解をただした。

 立花氏は「マジョリティー(多数議席)を取った政党が内閣を組織し、内閣が掲げる政策を実現すべく政策チームを動員する。その結果については、次の選挙で国民が判断を下すという対応だ」と、“総理・官邸奉仕”の公務員を生んでいる現状を正当化した。

 わたしは、政府の重要政策を企画立案・調整する内閣官房で特に大企業出身の非常勤国家公務員が増加していることを指摘。官民人事交流法は、民間企業所属のまま正規職員として公務に従事する場合、出身元企業の業務従事や給与補填(ほてん)を禁止しているが、非正規職員の場合は抜け穴となって、公務の公正中立が損なわれていると、見解をただした。

 立花氏は、指摘された問題を是正する姿勢を示さなかった。

 立花氏は経団連専務理事、内閣府参与(国家公務員制度改革推進本部事務局長)を経て、14年から人事官。

3)異次元緩和を続行/黒田日銀総裁の再任案で所信聴取(3月2日、議院運営委員会)
 国会同意人事案件のうち、政府が再任案を示した黒田東彦日銀総裁候補(現総裁)の所信を聴取し、各党が質疑を行った。 

 わたしの質問に対し、黒田氏は、大規模な金融緩和による低金利が家計に与える悪影響を否定しませんでした。 

 黒田氏は所信の中で量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)について「政府と連携して2%の物価目標実現の総仕上げを果たす」と述べ、大規模な金融緩和の継続を強調しました。 

 異次元緩和によって経済の好循環が生み出されるとしてきたが、円安・株高によって大企業や富裕層に巨額の利益をもたらしたものの、実質賃金はマイナスとなり、消費は落ち込んだ。 

 黒田氏は「経済の好循環が始まっている」としつつ、「確かに賃金の上昇は鈍い」と認めました。 
 低金利が家計に与える影響について、日銀の試算でも、1991年を起点として比較すると、家計部門から企業部門に巨額の所得が移転している――とマイナス面をただすと。 

 黒田氏は「15年前、20年前と比較すると負担は事実」と答えました。 

 わたしは日銀のマイナス金利政策によって地域金融機関の収益が悪化し、金融仲介機能に悪影響を与えていることを指摘。 

 金融緩和によってつくられた低金利を背景に安倍政権は大型公共事業の促進や後年度負担を含む軍事費の拡大で財政悪化のリスクを高めている。日銀が財政をファイナンス(政府の財政赤字の穴埋め)しているとみられても仕方がない。

(5)政策秘書資格試験実施規程改定に対する意見表明(7月13日、議院運営委員会)
 今回の改定案は、政策秘書選考採用の対象に、税理士、司法書士その他の特定分野で十年の業務経験を持つ者を加えるというもの。わが党は反対した。

 現行の規程においても、税理士等で専門分野での業績が評価できる者は既に対象となっており、新たな要件を設ける必要はない。今回の改定では、専門分野における顕著な業績を証明する著書等の要件を外すことになり、これは現行の枠組みと矛盾する。規程を改定する必要はない。

▼2018年通常国会の取り組み▼【9】選挙制度(1)福島県議選特例法案について質疑(4月4日、倫理選挙特別委員会)(2)開票不正事件/真剣な原因究明を(6月15日、倫理選挙特別委員会)(3)参院選挙区の政見放送/政党所属候補者等だけビデオ持ち込み可能に(6月18日、倫理選挙特別委員会)(4)参院選挙制度・自民党案の論戦

【9】選挙制度
(1)福島県議選特例法案について質疑(4月4日、倫理選挙特別委員会)
 議員立法で提出された福島県議選特例法案について質疑、わが党の修正案を提出した。

 原発事故で国の避難指示による住民避難が続いている状況に鑑み、福島県議会議員の選挙区について特例措置を講じてほしいという福島県議会からの要望を重く受け止めている。

 国勢調査人口と選挙人名簿の基礎となる住民基本台帳人口との間のかい離に対処するため、特例法を立法することは必要だ。自民党らが提出した法案の問題点を指摘し、わが党の修正案を提示した。

(2)開票不正事件/真剣な原因究明を(6月15日、倫理選挙特別委員会)
 相次ぐ選挙管理委員会の開票不正事件。選挙は民主主義の根幹。公務員の選定・罷免権の行使という憲法上保障された国民主権と議会制民主主義上の原則にかかわる問題。真剣な原因の分析・検証を求めました。

 開票作業の作業ミスなどを取り繕うため、選管が白票を水増ししてつじつまを合わせ、隠ぺい工作を行った開票不正事件が2013年参院選、14年総選挙、17年総選挙で相次いで発覚しています。

 わたしは、選挙の正当性が失われる事態だ。現憲法下でこのような開票不正が行われることがあったか――とただしました。

 総務省の大泉淳一選挙部長は、指摘の3例しかないと認めました。

 隠ぺいのため投票用紙を焼却処分した滋賀県甲賀市で開票不正にかかわった選挙事務局長が、その理由について「開票遅れを回避するため」と説明している。法で定めている選挙経費の基準を引き下げ続けてきたことによって、開票時間の短縮を求めるプレッシャーがあったのではないか――とただしました。

 大泉選挙部長は「選挙の執行経費は国民の税金で、ある程度の効率化は当然考えるべき」と答弁。野田聖子総務大臣は「効率的な投開票事務に取り組んでいる事例の周知等のほか、必要な予算の確保に取り組む」と答えました。

 わたしは、選管事務の現場の実態に見合った経費や人員配置とともに、徹底した原因究明を求めたのに対し、野田大臣は「しっかり取り組む」と述べました。

(3)参院選挙区の政見放送/政党所属候補者等だけビデオ持ち込み可能に(6月18日、倫理選挙特別委員会)

 参院選挙区選挙の政見放送に候補者のビデオ持ち込みを条件付きで認める議員立法(公職選挙法)が19日の衆院本会議で可決・成立しました。日本共産党は、一定要件を満たす政党等の所属・推薦候補者だけに可能としたことは不合理だとして反対。自由、社民両党も反対しました。

 本会議に先立ち18日の倫理選挙特別委員会の質疑で、現行の参院選挙区の政見放送の主体は候補者個人となっているのに、なぜ、主体ではない政党等の要件を持ち出すのか―――とただしました。

 提出者の古賀友一郎参院議員(自民)は「多くの国民に候補者の政見がより効果的に伝わるようにする」ための改定であると述べながら、「全ての候補者に認めると品位を欠くものが持ち込まれる懸念がある」として、衆院小選挙区の実績も踏まえ「政党要件という線引きを行う」と説明。

 わたしは、衆院小選挙区選挙の政見放送の主体は候補者届出政党のみで候補者個人には認められておらず、選挙運動の主体の設定が違うにも関わらず、同じ要件を持ち込むことを批判。

 その上で、政見放送が有権者にとって接触しやすく役立つ情報源であるとの調査を紹介。多くの有権者に候補者の政見が伝わり、政策比較できるようにするため、政見放送の改善が必要だ。比例代表や知事選のビデオ持ち込みや手話・字幕の義務化、選管による政権動画のネット公開の検討を提案しました。

 また、国民・有権者が、自らの代表を選び積極的に参加していくためには、複雑な公選法を抜本的に変え、選挙運動の自由を保障すべきだ。

(4)参院選挙制度・自民党案の論戦
1)抜本改革に値せず(7月17日、倫理・選挙特別委員会)
 自民党の参院選挙制度改定案が、今日の委員会で、野党の反対を押し切り強行採決され、自民・公明の賛成により可決しました。

 この日の理事会で、共産・立憲民主・国民民主・無所属の会の4会派は、議会制民主主義の土台である選挙制度の問題の徹底審議を強く求めました。

 与党は、質疑終局・討論省略で採決に持ち込もうと動議を提出。審議続行を求める意見に耳を貸さない平沢勝栄委員長(自民)に対し、野党は不信任決議案を提出しましたが、与党などの反対で否決されました。

 野党の質疑は始まったばかり。十分な審議が必要だ。多数党が自らに都合のよい制度に変えることを強行すれば、議会制民主主義を壊すことになり、到底許されない。

 採決に先立ち、自民党案は抜本改革に値せず、自党の候補者を救済するための党利党略だ――と追及しました。

 2009年最高裁判決を発端とした参院選挙制度改革は、12年・15年の公選法改定で自民党等が抜本改革を先送りしてきましたが、15年改定の附則で「抜本的な見直し」について「必ず結論を得る」と盛り込んでいました。

 今回の案は、安倍首相が「臨時的な措置」と認めており抜本改革に当たるのかただすと――自民党提案者は「(合区解消のための)憲法改正が抜本的見直しだ。今回、(改憲なしでの)最善の策を示した」と答弁。

 わたしは、最高裁は改憲を求めておらず、附則をないがしろにした自民党は責務を果たしていないと批判。自民党案は抜本改革に値しない――と強調しました。

 比例代表選挙に導入する「特定枠」(政党が当選順位を決定する拘束名簿式を一部に採用)について、提案者は「活用するかは政党の判断」、「基本的には(国民が当選順位を決定する)非拘束名簿式を維持する」と答弁。

 これは、各党がバラバラな方式では有権者に混乱をもたらす。特定枠人数と当選者数によっては10万票で落選する一方、1千票でも当選する制度で、国民の理解は得られない。

 合区により選挙区で立候補できない候補者の救済という「自民党の都合」に合わせたものだ――と批判しました。

2)参院選挙制度の改定案強行/本会議で反対討論(7月18日、本会議)
 自民党提案の最悪の党利党略の参院選挙制度(公職選挙法)改定案は衆院本会議で、自民、公明によって可決、成立が強行されました。

 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会など全野党が反対。日本共産党を代表して、わたしが反対討論。

 選挙制度が国民の参政権、議会制民主主義の根幹にかかわる問題であり、十分な審議もせず押し通すやり方は、国民の理解を得られず、選挙制度改革のあり方として許されない。参院に続き衆院でも、特別委員会で自公と委員長が質疑を打ち切り、討論省略、採決を強行したことに強く抗議しました。

 過去2回、抜本改革を先送りし続けてきたのが自民党です。15年公選法改定で「抜本的な見直し」について「必ず結論を得る」と付則に明記していたにもかかわらず、今回の案も安倍晋三首相が「臨時的な措置」と認めたように「抜本改革」でないことは明らかで、抜本改革を先送りする自民党は責任ある政党とはいえない。

 合区により立候補できない自民党候補を救済するため、比例代表に「特定枠」(政党が当選順位を決定する拘束名簿式を一部に採用)を持ち込むことは到底、国民の理解を得られない。ほぼ全てを「特定枠」にすることが可能で、政党ごとに「非拘束」「ほぼ拘東」の名薄が混在する選挙になる。「特定枠」の候補者への個人名投票も認められることで、1万票で当選する候補もいれば、50万票で落選する人も生まれる。矛盾だらけの梓定枠導入は有権者に混乱を招くだけで、認められない。

▼2018年通常国会の取り組み▼【8】米軍機低空飛行問題/米軍機への苦情受付/防衛省による情報開示の後退が判明(4月13日、内閣委員会)

【8】米軍機低空飛行問題
米軍機への苦情受付/防衛省による情報開示の後退が判明(4月13日、内閣委員会)

 防衛省がオスプレイを含む米軍機飛行の苦情に関する情報公開を、米側の運用方針に合わせて後退させたことについて追及しました。

 防衛省はこれまで、住民から米軍機飛行に関する苦情を受け付けた際、米軍に対して米軍機かどうかの確認を求め、その回答を得てきました。しかし、2017年8月以降、米軍機かどうかの確認をやめています。

 防衛省に対応を変えた理由をただすと、防衛省の深山延暁地方協力局長は「米軍が昨年8月以降、個別の米軍機の飛行の有無については、運用上の理由から原則として逐一明らかにしないとしたためだ」と答えました。

 わたしは、米軍機であるかどうかを確認しないのか。「回答しない」などという米軍の対応を政府は放置するのか、と再三追及。

 防衛省は「今日、議員から指摘があったので、防衛省として再度、在日米軍に確認を求める」と答弁しました。

 しっかりと回答させるのは最低限のこと。米軍の危険な訓練飛行はきっぱりとやめさせるべきだ。

▼2018年通常国会の取り組み▼【7】セクハラ問題(1)財務省のセクハラ調査は異常(4月18日、内閣委員会)(2)麻生氏は謝罪・辞任を/セクハラ暴言をただす(5月9日、内閣委員会)

【7】セクハラ問題
(1)財務省のセクハラ調査は異常(4月18日、内閣委員会)
 福田淳一財務事務次官のセクハラ疑惑について、個人の尊厳を傷つける重大な人権侵害の問題だとし、財務省の調査手法の異常さを批判した。

 財務省が顧問契約を結び国が顧問料を支払っている弁護士事務所に調査を依頼するやり方は、客観性を確保できない。被害者に名乗り出るよう「協力」を迫ることは二次的被害を招くと批判した。

 調査に「違和感がある」と述べた野田聖子男女共同参画担当相は、「そちら(財務省)側の立場に立った弁護士に話をするハードルは大変高い」と答弁しました。

 松山政司少子化担当相や小此木八郎国家公安委員長も野田氏と同じ趣旨の発言をしている。菅義偉官房長官に「調査手法に違和感はないのか」と質問。

 菅氏は「心配をしたが財務省の責任で行うこと」と述べた。

 幹部人事の一元管理のもとで(事務次官)人事に同意してきた責任が問われている。

 セクハラ防止に関し、人事院規則は被害者が「不利益を受けることがないように」と定め、財務省の指針も職務で接する「職員以外」の人へのセクハラにも注意すべきだとしている。同省の調査はこれらに反する。国民の納得いく調査を行うべきだ。

(2)麻生氏は謝罪・辞任を/セクハラ暴言をただす(5月9日、内閣委員会)
 福田淳一前財務事務次官のセクハラをめぐる麻生太郎財務相の「男の番(記者)に代えればいい」「セクハラ罪はない」などの暴言についてただしました。

 麻生氏はセクハラが人権侵害だという認識が欠落しているのではないか――と政府の認識をただした。

 野田聖子・男女共同参画担当相は「発言の真意は本人に確認を」などと答えました。

 取材担当記者を男性のみにすればいいとの麻生氏の発言は「妥当ではない」とする答弁書が4月27日に閣議決定されている。政府の認識を改めて尋ねたのに対し、野田氏は「妥当ではない」と答えました。

 財務省が4月27日にセクハラを認定したものの、麻生氏は同日午前の記者会見で「セクハラ行為は断定できない」と述べていた。麻生氏は、福田氏のセクハラ行為を認めていない。麻生氏の発言は二次三次の被害を生じさせるもので、閣僚として不適格だ。麻生氏は謝罪して辞任すべきで、安倍首相の任命責任も問われる。

▼2018年通常国会の取り組み▼【6】火山噴火対策(1)火山観測・研究者足りぬ/高齢化が深刻(2月9日、予算委員会)(2)大規模火山噴火による降灰被害対策(4月11日、内閣委員会)

【6】火山噴火対策
(1)火山観測・研究者足りぬ/高齢化が深刻(2月9日、予算委員会)
 12人の死傷者を出した草津白根山の本白根山をはじめ、日本には111の活火山があるのに、火山の観測・研究に従事する「火山の主治医」(研究者)が足りない――火山の主治医の高齢化と若手研究者が不足している実態を告発した。

 火山の主治医は、2016年時点で45人、うち40歳以下は7人。火山の観測・研究体制が掘り崩されている大問題だ。

 林芳正文科相は「次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト」で人材育成をしている、
「政府の各関係機関などに、なるべく、できる範囲で年齢構成に偏りがでないような取組を促していきたい」と答えた。

 小此木八郎防災担当相は「主治医・専門家の育成は一つの課題。今後協議・研究する」と答弁。

 そもそも国立大学法人化後の運営費交付金の削減が、人件費削減につながり、民間資金獲得が困難な基礎研究である火山研究体制にしわ寄せとなっている。予算確保が必要だ。

(2)大規模火山噴火による降灰被害対策(4月11日、内閣委員会)
 火山噴火による降灰は、わずかな堆積でも被害は深刻だ。その認識を問いました。

 小此木八郎内閣府防災担当大臣は「移動手段が限定される。迅速な救助活動・交通対策など降灰時の対応力の向上を図っていくことが重要」と答えました。

 わたしは、『大規模火山災害対策への提言(2013)』の中で、国に対し、降灰対策の指針を作るよう求めている。その措置状況について質問。内閣府は「これから検討を進める」と答弁。

 5年も経っているのにまだ作っていない、と批判すると。内閣府は「今年度から富士山を想定した降灰対策の調査検討を行う」と答えました。

 大規模噴火のおそれのある火山は浅間山など他にも想定される。富士山に限定するのはおかしい。広域の降灰被害については、国の責任で、人もお金も出して対策するべきだ。

▼2018年通常国会の取り組み▼【5】くらし 子ども子育て支援法案・学童保育・ネットフリマ(1)子ども子育て支援法案についての集中審議(4月4日、内閣委員会)(2)学童保育指導員の処遇改善(4月4日、内閣委員会)(3)ネットフリマ規制なし/古物営業法改定案を批判(4月13日、内閣委員会)

【5】くらし 子ども子育て支援法案・学童保育・ネットフリマ
(1)子ども子育て支援法案についての集中審議(4月4日、内閣委員会)
 子ども子育て支援法案は、与党の審議・採決強行によって、野党の質疑は一度も行われませんでした。野党の要求により、子ども子育て支援法に関する集中審議が実現しました。

 わたしは、法律案要綱の誤りについて追及。子ども子育て支援法改正案の法律案要綱において、「市町村子ども・子育て支援事業計画」と記載すべきところを「市町村子ども・子育て支援計画」としていたことについて、誤りではないかと質問。

 松山大臣は「可能な限り簡素化し、わかりやすく説明するということだったが、そうなっていないという指摘は真摯に受け止めたい」と答弁。

 わたしは「誤りを誤りと認めない政府の態度が、国会と政府の信頼関係を損ない、国民の政府不信を大きくするものとなっている。いまからでも誤りを認め反省すべきだ」と指摘しました。

 また、2016年度からスタートした企業主導型保育事業について質問。児童育成協会の立ち入り調査で、職員の配置や保育内容について改善すべき事項が多数あることを確認。保育士の人数が足りていない時間帯があるとか、昼寝の際にうつぶせ寝にさせたままだった、給食のアレルギー対応のマニュアルがなかったなど問題点が指摘されています。

 認可外であり、保育所よりも職員資格等の面で緩和されているとか、設置や運営に市町村の関与が少ない。企業主導型保育事業は、保育料が応能負担ではない。低所得者世帯が利用できない可能性があるなど問題点を指摘しました。

(2)学童保育指導員の処遇改善(4月4日、内閣委員会)
 指導員の高い専門性に見合った処遇改善が必要だ。厚生労働省が行っている「処遇改善事業」「キャリアアップ処遇改善事業」の市町村における利用実績が20%に届いていない理由について問うと、厚労省の成田裕紀・大臣官房審議官は、財政上の理由などをあげました。

 松山政司・少子化対策担当相は「処遇改善は大変重要。(財政上の支援措置は)今後の検討課題としたい」と答弁しました。

 地方分権改革の中で、職員の配置基準について「従うべき基準」から「参酌基準」への緩和を検討していることは、専門性に見合った処遇改善の取り組みに逆行するものだと批判し、政府の認識を問いました。 

 成田氏は「安全性などの一定の担保が必要」、松山担当相は「質の確保は重要だ」と答弁しました。 

 職員の配置基準は国が自治体を縛っているものではない。子どもたちの安全を確保するために、国民が行政を縛っているのであり、それを後退させるのは許されない。

(3)ネットフリマ規制なし/古物営業法改定案を批判(4月13日、内閣委員会)
 社会問題化している「フリマアプリ」による盗品売買の問題を取り上げました。

 2012年に登場した「メルカリ」などのネットフリマは、「ヤフオク」などのネットオークション(個人対個人取引)に匹敵する市場となっており、さらに拡大すると予測されています。

 警察庁の山下忠雄生活安全局長は、ネットオークションでの盗品処分が、12年の2552件から13年の1164件に半減していたことを明らかにしました。

 わたしは、落札期日まで取引が確定しないネットオークションに対し、ネットフリマは買い手が応じれば取引が成立し手軽に換金できる傾向があり、盗品売買がネットフリマに流れていると考えるのが自然だ、と指摘。

 そのうえで、同庁の「有識者会議」では検討されていたネットフリマへの法規制を古物営業法改定案に盛り込まなかった理由を質問。

 山下局長は「新しいビジネスの芽を法規制で摘むなとの意見が出て、自主規制に任せることになった」と説明しました。

 有識者委員にネットフリマ大手「楽天」の役員がおり、楽天が入っているから自主規制になったと言われても仕方がない。

▼2018年通常国会の取り組み▼【4】地域振興 TPP・PFI・ホンダ狭山工場閉鎖問題(1)TPPの論戦(2)PFI法案の審議(3)ホンダ狭山工場閉鎖/大企業の社会的責任棚上げの産業政策を批判(4月6日、内閣委員会)

【4】地域振興 TPP・PFI・ホンダ狭山工場閉鎖問題
(1)TPPの論戦
1)日米交渉/国民に打撃/TPP11がベースに(5月16日、内閣委員会)
 関税撤廃などを盛り込んだ環太平洋連携協定(TPP)加盟11か国による新協定「TPP11」について、米国からはTPP11をベースに日米二国間協議でさらなる追加措置が求められる危険があると指摘しました。

 トランプ米大統領が「アメリカ第一」の立場から、「TPPに戻りたくない」「二国間協議がいい」と明言しているもとで、安倍首相が日米の新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは、きわめて重大。日米二国間交渉のゆくえを中心にただした。

 トランプ大統領がTPPから離脱し、貿易協定は二国間交渉で進める意向を示したことで、日本の麻生太郎副総理と米国のペンス福大統領の経済対話、茂木敏光TPP担当大臣とライトハイザー通商代表部(USTR)代表の新協議機関(FFR)の創設を積み上げてきた。

 FFRで取り上げる課題は何かと質問。茂木担当大臣は「日米の関心事を出し合っていく。できるだけ具体的なテーマで議論したい」と答えました。

 すでに日米経済対話で、USTRが今年3月末に公表した2018年「外国貿易障壁報告書」に示された要求項目が議論され、具体的な措置もとられている。

 「外国貿易障壁報告書」では「(BSE問題は解消したとして)牛肉市場の完全な開放」を求めている。米国のBSE調査は1%未満だ。食の安全基準を犠牲にしてよいのかが問われている。国民の安全を損なうやり方は認められない。

 TPP,TPP11、日米二国間交渉が日本経済と国民生活に大打撃を与えることは必至だ。

2)参考人質疑 本質は多国籍企業の利益追求と参考人指摘(5月17日、内閣委員会)
 米国を除く11力国の環太平洋連携協定(TPP11)の関連法案について参考人質疑が行われ、政府の作成したTPPの影響試算の評価について質問しました。

 鈴木宣弘東大教授は「影響試算は、これだけの影響が出るからこれだけの対策が必要だという順序で進めなければいけない。政府の試算は“影響がないように対策するから影響がない”と計算している。対策を検討するための試算になりえない」と指摘しました。

 わたしはまた、TPP11で多国籍企業が投資先国を提訴するISDS条項など22の「有害条項」が「凍結」された効果を尋ねました。

 NPO法人アジア太平洋資料センターの内田聖子共同代表は「有害条項は22条項以外にも、食の安全や金融サービス等、非常に多くある。TPPの危険性は基本的に変わっていない」と答えました。

 わたしは、そもそもTPPは日米のグローバル企業の利益追求のためではないかと聞きました。

 鈴木教授は「ご指摘の通り、アメリカのグローバル企業が自分たちがもうけられるルールをアジア・太平洋地域に広げたい、これが端的なTPPの本質だ。日本のグローバル企業にとっても同じこと。アジアで直接投資を展開できる。グローバル企業の利益は増えるが、現地の人は安く働かされる。国内の人々は安い賃金で働くか失業する」と説明しました。

3)TPP11関連法案強行で反対討論(5月23日、内閣委員会)
 11力国による環太平洋連携協定(TPP11)関連法案が、自民、公明、維新の賛成多数で可決。反対討論に立ちました。

 山際大志郎委員長が職権で委員会の質疑を短時間で打ち切り、採決を強行したことに厳しく抗議。野党は、公聴会、関係委員会との連合審査、テーマ別審議などを要求してきました。TPP11が経済と国民生活にどのような打撃を与えるのか、などの国民に問題点を明らかにすべき国会の責務を果たしたとは到底言えない。

 もともとTPPは2年前の国会で国民の厳しい批判にさらされ、審議中に米国が離脱したにもかかわらず、政府・与党が採決を強行したものだと指摘。TPP11でも、関税・非関税措置の撤廃や、重要農産物の除外などを求めた「国会決議」に反する実態がそのまま生きており、認められない。

 また、4月の日米首脳会談で新たな経済協議の枠組みをつくることで合意したことは重大だ。米国に際限ない譲歩を迫られ、自由貿易協定(FTA)に行きつく。日本経済と国民生活に大打撃を与える。

 参考人質疑に出席した鈴木宣弘東大教授が、TPPで日本のグローバル企業の利益は増える一方、国内の人々は低賃金で働くか、失業すると明言した。世界の流れは、各国の食糧主権と経済主権を尊重した平等互恵の貿易と投資のルールづくりだ。

4)「経済・食料主権を侵害」本会議で反対討論(5月24日、本会議)
 米国を除く11力国が署名した環太平洋連携協定(TPP11)関連法案の採決が衆院本会議で強行され、自民党、公明党、維新の会の賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党は反対しました。

 TPP11は、TPPを丸ごと組み込んだものであり、国会決議に真っ向から反する。経済主権や食料主権を侵害するもので、断じて認められない――と反対討論しました。

(2)PFI法案の審議
1)PFI/優遇措置なしには成り立たず/制度見直せ(5月9日、内閣委員会)
 民間資金を活用して公共施設の整備促進をはかる「PFI法」改定案では上下水道事業について、民間が運営する「コンセッション制度」を導入した際に自治体の財政負担を軽減する措置などが盛り込まれています。

 PFI法が1999年に成立して以降、法改正を重ね、PFI事業者に金融支援するファンド創設や、専門ノウハウを持つ公務員の派遣制度などが導入されてきた。PFI事業者への優遇措置のオンパレードだ。法目的で、民間ノウハウ・資金の活用で効率的に社会資本を整備するとしているが、結局は優遇措置なしには成り立たないのがPFIの実態ではないかと質問。

 梶山弘志地方創生担当大臣は「PFI導入にはハードルがあり、その解消のための法改正だ」と述べました。

 総務省によるPFIを実施した自治体アンケート調査報告(2011年)では、7割以上が「今後予定はない」と回答していた。「一度やってもう懲りた」というのが自治体の声だ。こうした声に反して政府は、PFI導入の優先的検討を自治体に求める指針を出すなど、国が目標を決めて、自治体に押し付けている。

 梶山大臣は「PFIの導入はそれぞれの自治体が適切に判断することだ」と述べるに留まりました。

 わたしは「国が目標を決めて、自治体などに強く要請し、優遇措置を次から次へと打ち出さないと成り立たないのがPFI事業だ。抜本的に見直すべきだ」と強調しました。

2)PFI法改定反対/地方自治侵害と地元企業参入の妨げに(5月11日、内閣委員会)
 民間のノウハウと資金を活用して公共事業の整備促進をはかる「PFI法」改定案を採決し、賛成多数で可決。日本共産党は反対しました。

 昨年からPFI事業の中止を含む大幅な見直しを行っている愛知県西尾市で、二年前の市議会に提出されたPFI事業の「提案書」が墨塗りだらけだったこと、西尾市が行った「PFI事業検証報告書」の中で「民間事業者の著作権意匠権が絡むことで、情報開示が制限された」と述べている。住民自治の観点から重大な問題だ。PFIが事業者の都合を優先するがために起こる情報開示の後退だ。

 梶山弘志地方創生担当相は「適切な情報公開が重要」と述べるに留まりました。

 水道事業へのPFIコンセッション方式導入を進める静岡県浜松市が、内閣府からの全額補助で行った調査報告書の中で、コンセッション方式導入によって、地元事業者が排除されれば安定的・継続的な水道事業への障害となる懸念を指摘している、と質問。 

 梶山大臣は「もっともな指摘だ」と認めました。

 日本PFI・PPP協会作成の「PFI選定代表企業ランキング」では、ランキング上位は大手ゼネコンばかりで、上位10社だけで全体の35%を占める。結局、PFI事業は大企業の参入を促進し、地元企業を排除する仕組みとなっている。

 梶山大臣は「PFI導入は自治体の判断だ」と述べました。

 PFI事業は、地方自治を侵害し、地元企業の参入を妨げ、住民サービスの後退につながると批判した。

(3)ホンダ狭山工場閉鎖/大企業の社会的責任棚上げの産業政策を批判(4月6日、内閣委員会)
 ホンダ狭山工場の閉鎖が計画され、2021年度をめどに、寄居工場に集約するとしています。わたしは「寄居工場に行ける人ばかりではない」など不安の声が上がっていると指摘。

 厚生労働省は「狭山工場の約4600人の従業員の中には様々な事情で転勤できない方もいる」と認めました。

 ホンダは昨年10月に工場集約について記者発表して以降、まったく説明を行っていない。地域にきちんと説明するのはホンダが果たすべき最低限の責任だ。

 茂木敏充経済再生相は、「個別企業の経営判断について、コメントは控えたい」と述べました。

 ホンダが積み増した内部留保は国内4位の7兆4800億円に達している。黒字経営のホンダがなぜ、狭山工場を閉鎖しなければならないのか。多国籍企業の利益と、国民、地域経済の利益は一致しない。地域未来投資促進法で個別の企業へ支援を特化させるなど、大企業の社会的責任を棚上げし、産業集積、産地振興を投げ捨てているのが安倍政権の地域産業政策であることを批判しました。

▼2018年通常国会の取り組み▼【3】「働き方改革」批判/裁量労働制拡大 財界要求に応えた安倍首相の責任は重大(2月26日、予算委員会)

【3】「働き方改革」批判
裁量労働制拡大 財界要求に応えた安倍首相の責任は重大(2月26日、予算委員会)
 「働き方改革」法案に盛り込まれる裁量労働制の拡大について、「労使を交えた議論を経ている」などと繰り返す首相。 

 わたしは、労政審(労働政策審議会)でも労働者代表委員が“長時間労働を招く”と厳しく反対していたと指摘。裁量制の拡大が、首相が議長を務めた「産業競争力会議」という労働者の代表が一人もいない会議体で基本的な枠組みが議論され、それを閣議決定した上で労政審に持ち込まれた方針であることを明らかにし、労働者代表の懸念意見が顧みられなかったのは首相が裁量労働制拡大の結論ありきの決定をしたからだと批判しました。

 2013年の経団連の提言に裁量労働制拡大の要求があり、産業競争力会議でも経団連会長から「使い勝手のいい形に」との要求があった。首相は経営者・財界の要求には耳を傾けトップダウンで労働規制緩和を推進している。 

 第2次安倍政権発足以降、自民党への企業献金が大幅に増えている。その財界の利益を優先して労働者の命と健康をないがしろにすることなど許されない。

▼2018年通常国会の取り組み▼【2】カジノ問題(1)カジノ法廃止法案/4野党が共同提出(2017年12月6日)(2)ギャンブル依存症対策基本法案の審議(3)カジノ法案の論戦

【2】カジノ問題
(1)カジノ法廃止法案/4野党が共同提出(2017年12月6日)
 日本共産党、立憲民主党、自由党、社民党の野党4党が、刑法が禁じた賭博を合法化するカジノ解禁推進法(特定複合観光施設〔TR〕地域整備推進法)を廃止する法案を衆院に共同提出しました。

 安倍政権と自民・公明・維新の3党は昨年12月にカジノ解禁推進法を強行したのに続いて、同推進法を具体化する「カジノ実施法」の制定を狙っています。ギャンブル依存症の多発など社会に害悪をもたらすだけのカジノに反対して、各地で集会などが行われ、カジノ誘致を許さない共同が広がっています。

 廃止法案の提出者には、日本共産党からは笠井亮政策委員長とわたしが名を連ねました。

(2)ギャンブル依存症対策基本法案の審議
1)カジノ解禁で依存増/対策法相いれない(5月23日、内閣委員会)
 ギャンブル依存症対策基本法案に関し、自民・公明・維新案と立民・無所属の会・自由・社民案の両案について質問。

 自民、維新は2016年に提出されたカジノ推進法に賛成しました。政府提出のカジノ実施法案に対しても、政府と自民、公明、維新が一体となって、成立に向けて強引な国会運営を推し進めています。

 法案の目的について「依存症を減らすためのものか」と質問。

 法案の提案者である岩屋毅衆院議員(自民)は「おっしゃる通りだ」と答弁しました。

 カジノを解禁すれば、依存症を増やすことになるのではないかと追及。

 岩屋氏は「(カジノ実施法案には)依存症を最小化する仕組みが入っている」と答え、依存症が増えることを否定できませんでした。

 わたしは、依存症対策とカジノ解禁は相いれない、と批判した。

 また、立民・無所属の会・自由・社民案の提出者に対し、共産党が共同提出しているカジノ解禁推進法廃止法案についての態度を確認。

 初鹿明博衆院議員(立民)は「廃止法案を提出した。新たな依存症者を増加させることを進めるべきでない」と述べ、中川正春衆院議貝(無所属の会)は「賛成していく」とカジノ解禁推進法廃止の立場を明確にしました。

2)ギャンブル依存症対策法案、参考人質疑/予防が重要/事業者規制を(5月24日、内閣委員会)
 意見陳述で、日本弁護士連合会カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループ事務局長の三上理氏は「ギャンブル依存症対策として、依存症の進行の防止や回復ももちろん大切でありやらなければならないことだが、一番大切なことは予防であり、新たに依存症者を生み出さないことだ」と述べました。

 公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表理事の田中紀子氏は「依存症対策予算は6.1億円(2018年度)。そのうち民間団体への支援は1800万円しかない。民間団体は大きな役割を果たしているが、あまりにも公的支援が少ない」と述べました。

 わたしは、カジノを解禁すれば、新たな依存症者を増やすことにつながるのではないか――と質問。

 三上氏は「依存症対策について法律を作って、対策を進めていこうというときに、新たにカジノを作って、新たな依存症の人を増やしていくというのは非常に大きな矛盾だ。カジノが経済対策として効果があるという意見があるが、カジノの儲けは負けた人のお金であり、人の不幸をもとにした経済政策には反対だ」と述べました。

 さらに、依存症対策には、ギャンブル事業者への規制が必要ではないか――と質問。

 三上氏は「予防として一番大切なことは、時間的・場所的にいつでもどこでもギャンブルが身近にある状況を変えることだ。公営ギャンブルやパチンコなど、すべてのギャンブルを対象にした入場制限や自己申告・家族申告の制限などに加え、パチンコの出店規制も必要だ」と述べました。

3)事業者の規制こそ(5月24日、内閣委員会)
 ギャンブル依存症対策基本法案に関し、立民・無所属の会・自由・社民案について質問し、依存症対策に必要なものは射幸性の抑制や広告の規制など事業者そのものに対する規制強化だと主張しました。

 同法案は、カジノ解禁の具体化と一体の自民・公明・維新案と、カジノ推進反対の立民・無所属の会・自由・社民案の両案が審議されています。

 わたしが4野党・会派案と自公維案の最大の違いを尋ねると――法案提出者の初鹿明博衆院議員(立民)は、射幸性の抑制や入場制限などの措置を講ずる内容の検討規定を設けたことだと説明しました。

 検討規定にある「ギャンブル関連事業者の広告宣伝の在り方」について、現状認識と規制のあり方をただすと。

 初鹿氏は、パチンコなどへの依存に対する注意喚起は業界任せであり、駅や電車など公共の場で大量広告されているのが現状だと発言。広告の時間帯や量、場所について規制する必要があると答えました。

 依存症対策に必要なことは、射幸性の抑制や広告の規制、立地規制など依存症の発生を防止するギャンブル事業そのものへの規制強化だ。とくに依存症の大半を占めるパチンコに対する規制強化を進めるべきだ。ましてや、新たにギャンブルを広げることになるカジノ解禁は断じて認められない。

4)ギャンブル依存症対策法案の反対討論(5月25日、内閣委員会)
 パチンコなどが身近な日本には依存症を疑われる人が320万人おり、国が社会的課題として対策を行うことが必要だ。依存症対策には新たな依存症者を生みださないことが必要だ。

 法案の提出者が「依存症者を減らすことが法案の目的だ」と述べるとともに、「カジノ解禁が新たな依存症者を増やす」ことを認めている。新たなギャンブルであるカジノの解禁を認めることは矛盾している。にもかかわらず、法案の提出会派はカジノ推進法を強行し、今国会に提出されているカジノ実施法案に対しても政府と一体に推進を図ってきたことは極めて重大だ。カジノ解禁とギャンブル依存症対策はまったく相いれないものであり、法案には賛成できない。

 ギャンブル依存症対策として必要なのは、射幸性の抑制や入場・購入制限、広告の規制などの義務付けと、パチンコの賭博性を規制することだ。ましてカジノの解禁などもってのほかだ。

(3)カジノ法案の論戦
1)カジノ、国民多数は反対/石井カジノ担当大臣、答弁立てず(5月30日、内閣委員会)
 IR(カジノを中核とする統合型リゾート)を解禁するカジノ実施法案の質疑に立ち、「国民はカジノ解禁を認めていない」と、民意を無視してカジノ解禁を推進する政府の姿勢を追及しました。

 今国会でカジノ実施法を成立させる「必要はない」71%(「朝日」4月14・15日調査)などの直近の世論調査結果がある。国民多数がカジノに反対している理由は何だと考えるか――と何度もただしたが、石井啓一IR担当相は答弁に立とうとしませんでした。

 国民の反対はカジノが依存症・経済破綻・地域社会の荒廃をもたらす懸念があるからだ。

 石井担当相は「カジノばかりに焦点があたっている」と、反対世論はIRの全体像への“無理解”によるものだと居直り、カジノ解禁を進める理由を「わが国を観光先進国に引き上げる原動力になる」と述べました。

 IRの推進は「抑止すべきギャンブルを奨励するものになる」「そもそもギャンブルは抑止・抑制すべきものではないか」とただしました。

 石井担当相は「現行法上、カジノ行為は刑法で禁じられている」と認めました。

 カジノ合法化で、新たなギャンブル依存症が増えることを認めるか――とただしても、石井担当相は「明確にお答えできない」と答弁を避けました。

 国民多数はギャンブルによる『経済振興』に明確に反対している。

2)負の影響の検討必要/参考人質疑(5月31日、内閣委員会)
 刑法が禁じる賭博場を解禁するカジノ実施法案を審議している衆院内閣委員会で、参考人質疑を行いました。参考人の陳述から、「カジノの負の影響が検討されていない」「地方創生の効果はのぞめない」など、同法案の問題点が多面的に明らかにされました。法案に賛成する美原融大阪商業大学教授は「カジノは健全な成人が自己責任で楽しむものだ」などと主張しました。

 反対の立場から鳥畑与一静岡大学教授は「カジノの高収益と『世界最高水準のカジノ規制』とは矛盾する」「カジノは人の不幸を最大化することで収益をあげる」と述べました。

 日本弁護士連合会の新里宏二カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループ座長は、同法案をめぐり国民的な議論が尽くされていないこと、カジノの負の影響が検討されていないことなどをあげ、「カジノ解禁には反対する」と語りました。

 わたしは、カジノ事業者が客に賭け金を貸し付ける「特定資金貸付業務」について参考人に質問。

 美原氏は「金融機能を認めないとVIP客(高額をかける客)が来なくなる」と発言。

 鳥畑氏は「借金ができることで歯止めがきかなくなる」と述べ、新里氏は「貸金業法のルールとは別にカジノ事業者の貸金の仕組みをつくり、二重のルールで多額の貸し付けが起きる」と指摘しました。

 わたしがカジノの運営事業者についてたずねたのに、鳥畑氏は「経験があるということから当然海外の事業者が入ってくる」として、米国のカジノ運営企業ラスベガス・サンズのビジネススタイルを紹介し、「カジノ売り上げの35%前後は確実に海外に流出する」と答えました。

 立憲民主党の阿部知子議員が世界のカジノの動向をたずねたのに対し、鳥畑氏は「世界中のカジノ市場が縮小する中で海外のカジノ資本は新市場として日本進出に躍起になっている」と答弁。阿部氏は「日本の高齢者がカモネギのようにされるのに反対しなければならない」と語りました。

3)カジノ事業者の金貸し批判(6月1日、内閣委員会)
 カジノ実施法案がカジノ事業者による賭博資金貸し付けを認めていることについて、多重債務やギャンブル依存症を助長するものだ――と追及しました。

 同法案は、カジノ事業者が客に賭博資金を貸し付ける「特定資金貸付業務」を認め、外国人客のほか日本人でも、事前に一定額を預託した者には場内で賭博資金を貸し付けるとしています。

 深刻な多重債務問題を契機に2006年に行われた貸金業法の抜本改正で、過剰貸し付け抑制策として総量規制(借入を年収の3分の1までに制限)が導入されました。

 わたしは、今回の賭博資金貸し付けで、貸金業法の枠外に新たな貸金制度をつくる理由をただしました。

 中川真IR推進本部事務局次長は貸金業法の総量規制を理解しているとしながら、「カジノ事業者は貸金業法の事業者ではない」と答えました。

 在日米国商工会議所が意見書で「金融サービスの提供」を「不可欠」と求めていた。日本への進出をねらう、カジノ事業者の要求に応えたものだ。

 石井啓一IR(統合型リゾート)担当相は「(今後定める預託金を)簡単に預託できる額にはせず富裕層に限定する」と答えました。

 カジノで会社の資金106億円を失った大王製紙元会長の事例でカジノ事業者からの借り入れがのめり込みのきっかけになった。対策を講じるというが制度設計が大問題だ。カジノ事業者の貸付業務は多重債務・依存症問題を助長する。

4)カジノ面積規制緩和/海外事業者が要求(6月1日、内閣委員会)
 カジノ実施法がIR(カジノを中核とする統合型リゾート)施設内に置くカジノの面積規制が法案段階で緩和された背景となった資料の提出を求めました。

 法案の準備段階で、政府のIR整備推進会議「取りまとめ」では「依存症予防等の観点から…相対的な位置づけのみではなく、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきである」とされていました。ところが2月から始まった与党協議で突然、絶対値の制限がとりはらわれました。この結果、IR施設全体を大きくすれば、いくらでも大きなカジノがつくれる仕組みとなりました。

 当初のカジノ面積規制案に米国のカジノ大手ラスベガス・サンズの会長が「われわれが望んでいたようなIRを実現できない」と強い不満を表明していた。海外のカジノ事業者の要求を優先したのか――と追及。

 中川真・IR推進本部事務局次長は「立地地域や規模が未確定なためだ」と答えました。

 根幹にかかわる問題だ。政策変更の経緯を明らかにし、与党協議の審議内容や政府提出資料などを開示すべきだと要求しました。

5)米国がカジノ法案要求/首相に撤回迫る(6月1日、内閣委員会)
 与党が今国会での成立を狙うカジノ実施法案を審議している内閣委員会で、安倍晋三首相への質疑を行いました。わたしは、賭博であるカジノを収益エンジンにするIR(統合型リゾート)を経済政策に掲げることを国民は受け入れていない――として、同法案の撤回を強く求めました。

 同法案は2016年12月の国会で自民、公明、維新が強行成立させたカジノ解禁推進法を受け、政府の責任でカジノの運営解禁を定めるもの。成立すれば日本国内で、依存症、多重債務、地域社会の荒廃をもたらすことが懸念されるカジノが解禁されます。

 わたしは、直近の世論調査でカジノ解禁「反対」が「賛成」を圧倒していることをあげ、首相の認識をただしました。

 安倍首相は「(IRが)日本の成長戦略に資する経済効果を有することについてイメージの共有が道半ばだ」とのべ、カジノ解禁に執着する態度をとりました。

 わたしは、17年2月の日米首脳会談でトランプ米大統領が首相にたいして米国の巨大カジノ企業名を示したとされる報道(「日経」同6月10日付)を示し、事実を確認。

 首相は「トランプ大統領からそんな話はなかった」と答えました。

 さらに、この首脳会談当日の全米商工会議所・米日経済協議会共催の朝食会に米大手カジノ企業のトップが出席している。日本のカジノについての要望をきいたのではないか――と追及しました。

 首相は、自身が、成立したばかりのカジノ解禁推進法を紹介し、課題解決に協力すると意見があったことを認めました。

 ギャンブル依存症対策として検討されたIR施設内のカジノ面積規制が、米カジノ企業の意向に沿って緩和された疑いがある。米国側の要望などの資料提出を要求。カジノ企業の要求ではなく国民の声を聞け――と法案撤回を求めました。

6)カジノ規制機関が推進側に/金も人もカジノ事業者任せ(6月8日、内閣委員会)
 カジノ実施法案の質疑。カジノの規制機関として置かれる「カジノ管理委員会」が「カジノ推進機関」になる危険性を追及しました。石井啓一IR(統合型リゾー卜)担当相は否定できませんでした。

 政府は、カジノ管理委員会は組織として独立性を有すると説明しています。

 わたしは、カジノ管理委員会とIR推進側の官庁の人事交流は規制するのか――とただしました。

 石井担当相は管理委員会事務局の職員について「他省庁との人事交流に制限はない」と答弁。

 原子力規制庁では職員が原子力利用推進側の行政組織に配置転換するのを禁止する「ノーリターンルール」があるのに、カジノ管理委員会に同様の規定がないことをただすと、石井担当相はIR推進省庁と管理委員会の「行政目的は対立するものではない」と答えました。

 信じられない答弁だ。これではカジノを規制・管理するどころか、推進の立場でカジノを拡大することになる。

 さらに、カジノ管理委員会事務局にカジノ事業者を入れることを質問すると、石井日当相は「カジノを管理するためにはカジノの実態を知っている人を任用することもありうる」と述べ、委員会室から驚きの声があがりました。

 カジノ管理委員会の独立性は確保されておらず、経費はカジノ事業者が負担し、規制の仕組みはカジノ事業者の方が精通しており、事業者との人的結合もあり得る。カネも人もノウハウ(必要な知諏)も事業者に依存することになる。規制ではなく推進機関になりかねない。法案の徹底審議を求めました。

7)カジノ実施法案強行するな/内閣委員長解任決議案討論(6月14日、本会議)
 カジノ実施法案の衆院内閣委員会での採決強行を狙う与党に、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の野党5党1会派は結束して対抗しました。野党が提出した山際大志郎内閣委員長(自民)解任決議案は衆院本会議に上程され、与党と日本維新の会などの反対で否決されました。

 わたしは賛成討論で、山際氏が、公文書改ざん問題は「民主主義の根幹を揺るがす」と言いながら徹底究明に背を向け、政府与党の言いなりでTPP(環太平洋連携協定)11関連法案など悪法の成立に加担してきた。カジノ実施法案は、わずか18時間の審議の中で、カジノ事業者による客への資金貸し付けが依存症や多重債務者の拡大につながることや、カジノを規制する管理委員会の事務局にカジノ事業者が入ることなど重大な問題が明らかになった――と指摘。

 カジノ法案の背景にあるのは、日本国民をターゲットに狙う米国カジノ企業の要求だ。議会制民主主義を踏みにじる運営を続ける委員長の解任は当然だ。

8)カジノ法案強行採決/野党は一致して抗議(6月15日、内閣委員会)
 衆院内閣委員会で、自民、公明、維新が、カジノ実施法案を強行採決しました。

 わずか1分間の強行劇でした。内閣委員会冒頭、立憲民主党の森山浩行議員が「審議継続の動議を提出します」と発言。山際大志郎委員長はそれには取り合わず、自民党議員の合図で与党と維新の議員が3回、起立と着席を繰り返しました。野党議員の抗議の声で何も聞き取れない中、山際委員長は退席。

 その直後に、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党の野党4党1会派の委員は、山際委員長に質疑続行を申し入れ。

 わたしは、重大な問題点のある法案の徹底審議は国民の声だ――と求めました。

 これに先立つ衆院本会議では、野党5党1会派が提出したカジノ法案担当の石井啓一大臣(公明)に対する不信任決議案が議題となり、日本共産党の宮本岳志議員が賛成討論。自民、公明、維新の反対で否決されました。

9)カジノ実施法案/「廃案しかない」と本会議討論(6月19日、本会議)
 刑法が禁じる民間賭博場=カジノを解禁するカジノ実施法案が衆院本会議で、野党の反対を押し切って採決され、自民、公明、維新の賛成多数により可決し、参院に送付されました。日本共産党など5野党・1会派は反対しました。

 わたしは反対討論で、国民の圧倒的多数が法案に反対していると強調。内閣委員会で与党側が野党の審議継続の動議を無視し、定例日での質疑まで拒否して、わずか18時間の審議で採決した。法案内容を国民に知らせずに押し切ろうという政府・与党の姿勢は、議会制民主主義の蹂躙(じゅうりん)だ。

 カジノは民間企業が私的利益のために開設するもので、公益を目的に認められた公営競技とは全く違う。世界で最も深刻な日本のギャンブル依存症者をさらに増やすものだ。

 政府が「世界最高水準のカジノ規制」をいいながら、当初想定していたカジノ面積の上限規制を外したほか、公営ギャンブルやパチンコでは認められていない客への金の貸し付けをカジノ企業には認めている。さらに、カジノ規制のために新設される「カジノ管理委員会」が、経費負担も事務局もカジノ業者に依存するものだ。カジノ推進機関になりかねない。

 貸し付け解禁や面積拡大を要求してきたのが米国のカジノ企業だ。まさに米国カジノ企業による、カジノ企業のためのカジノ事業法案、廃案しかない。

▼2018年通常国会の取り組み▼【1】安倍首相国政私物化 森友・加計学園問題(1)森友学園公文書改ざん/11閣僚に認識ただす(3月30日、内閣委員会)(2)加計学園問題(3)内閣人事局の廃止要求/幹部人事一元管理を批判(3月30日、内閣委員会)

【1】安倍首相国政私物化 森友・加計学園問題
(1)森友学園公文書改ざん/11閣僚に認識ただす(3月30日、内閣委員会)
 学校法人「森友学園」との国有地取引に関する決裁文書の改ざんについて11閣僚の認識をただし、徹底した真相究明を求めました。

 公文書改ざんにより、国会の国政調査権を冒とくし、行政監視機能を妨害した認識はあるか、と問いました。

 野田聖子総務相、加藤勝信厚労相、小此木八郎国家公安委員長、福井照沖縄・北方相、松山政司1億総活躍相、梶山弘志地方創生相、鈴木俊一五輪相は、国会の求めに対して改ざんした公文書を出したのは重大な問題だとの認識を示しました。

 一方、菅義偉官房長官は「結果として国会審議を混乱させた」「行政への信頼を揺るがしかねない事態」と述べるだけ。わたしが5回にわたって追及しても、まともに答えませんでしたが、各大臣の答弁を聞いてようやく「そのような認識だ」と答弁しました。

 茂木敏充経済再生相も、3回目の質問に「(各大臣と)同じ認識だ」と答えました。上川陽子法務相はこれまで「答弁を差し控える」としていましたが、初めて「重大な問題」と答えました。

 森友公文書の一部を保有し、問題の当事者である国土交通省の石井啓一大臣は、他の大臣と同様に「大きな問題だ」と述べるにとどまりました。

(2)加計学園問題
1)柳瀬氏「首相案件」発言問題(4月11日、内閣委員会)
 「加計学園」の獣医学部新設は「首相案件」だとする柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の発言が新たに明らかになった問題で、菅義偉官房長官にただしました。

 同学部新設は「首相案件」だという発言は、文部科学省の内部文書にある「総理のご意向」との藤原豊内閣府国家戦略特区担当審議官(当時)の発言とも、非常に符合する。安倍首相の関与を「否定できるか」とただす。

 菅氏は「すでに国会で総理が答弁したとおりだ」として、関与を認めませんでした。

 利害関係者による審議や議決への参加を排除する国家戦略特区会議の基本方針に反して、加計孝太郎理事長を「腹心の友」とする安倍首相が、同学園の学部新設を決めた同会議の議長を務めてきた。藤原氏らが国家戦略特区の手法を提案したのは、安倍首相自身が国家戦略特区を「私自身が進み具合を監督する」制度として「強い政治力を用いて進める」と表明してきた。総理自身が進み具合を監督するために、国家戦略特区に切り替えたのが真相ではないかと追及しました。

2)加計学園問題/内閣官房も調査へ/官房長官が答弁(4月18日、内閣委員会)
 学校法人「加計学園」の国家戦略特区での獣医学部新設(愛媛県今治市)をめぐり、柳瀬唯夫・元首相秘書官が「本件は、首相案件」と発言したとする県職員作成の面談記録について、菅義偉官房長官は、内閣官房でも存否を調査すると表明しました。

 官房長官がこれまで所在調査を指示していたのは、内閣府、文部科学省、農林水産省、厚生労働省のみでした。

 愛媛県の記録では、内閣府地方創生推進室次長たった藤原豊氏の「要請の内容は総理官邸から聞いており」との発言も記されている。官邸が主導したのかが問われている。内閣官房での記録の存否をはっきりさせ、官邸が主導したか徹底究明すべきと要求。

 菅官房長官は「農水省以外の関係省庁では確認できなかった。内閣官房は(確認)していない。(調査を)致したい」と述べました。

3)菅長官を追及/愛媛県知事の反論に答えず(5月11日、内閣委員会)
 菅義偉官房長官は、加計学園疑惑をめぐる柳瀬唯夫元首相秘書官の答弁を「真実ではない」と批判した中村時広愛媛県知事のコメントや新たな県の公表文書について「コメントする立場にない」と繰り返し答弁。わたしは、真相解明に背を向けていると批判しました。

 菅長官は、内閣官房に同県の面会記録が残されているかについて「調査の結果、確認できなかった」と答弁。学園との面会を繰り返した柳瀬氏への「慎重に行動すべきだった」との指摘には「その通りだと思う」と述べました。

4)政府に反証責任ある/愛媛新文書/加計疑惑を追及(5月25日、内閣委員会)
 加計学園の獣医学部設置をめぐり愛媛県が提出した新文書についてただしました。

 新文書には加計孝太郎理事長と安倍首相が2月25日に面談し、獣医学部構想に首相が「いいね」とコメントしたという記録がある。首相は入邸記録を確認したがなかったと説明しましたが、入邸記録は「遅滞なく廃棄」する扱いになっています。

 そこで、2015年2月25日の入邸記録が残っているのかと質問。

 内閣官房の原邦彰審議官は「廃棄しているので確認できなかった」と答えました。
 愛媛県側は文書で記録を明らかにしているのに、官邸は記録がない。これは説得力がない。菅義偉官房長官に新文書の確認を求めると「愛媛県の文書に政府としてコメントしない」と従来の答弁を繰り返しました。

 わたしは、国政調査権に基づいて出された公文書だと重みを持って受け止めよ。物証を含め反証を示すべきだ――と重ねて求めました。

 記録がないのなら、関係者に証言してもらうしかない。新文書には3月24日にも柳瀬氏と加計学園が面会した記録があり、参考人質疑での柳瀬氏の証言と食い違いがある。柳瀬氏、加計理事長の証人喚問を求めました。

(3)内閣人事局の廃止要求/幹部人事一元管理を批判(3月30日、内閣委員会)
 「森友学園」への国有地処分に関する公文書改ざんの背景に官邸による幹部人事一元管理があるとして、内閣人事局の廃止を求めました。

 幹部職員任用は同局が一元管理し、最終的に首相と官房長官、各閣僚が「任免協議」で決定。内閣官房は、「官職の適性」と「採用昇任等基本方針」が同協議での判断基準だと説明しています。

 「官職の適性」とは何かとの質問に、内閣官房は「個々の具体的な官職に必要な能力」だと説明。

 それでは客観的な基準とは言えない。任用の過程がブラックボックスだ。総理や官房長官の恣意的な人事運用になりかねない。

 また、同方針にある「縦割り行政の弊害排除」について、同局設置時の担当閣僚だった稲田朋美氏が「岩盤規制」は省庁縦割りが原因だとして、「規制を排除した官僚」を登用する仕組みを求めたことを示し、「これが内閣人事局か」と質問。

 内閣官房は「そのようなこともある」と認め、菅義偉官房長官は「政権が掲げる改革政策に協力する公務員を登用するのは当然だ」と開き直りました。

 官邸による幹部人事の一元管理は、安倍晋三首相夫妻の「お友だち」を特別扱いし、財界要求の規制緩和を推進する官僚機構をつくる。憲法が規定する『全体の奉仕者』としての公務員制度を壊す内閣人事局は廃止すべきだ。

【新聞「新埼玉」掲載】「オール沖縄」と連帯してオスプレイ配備の撤回を

新聞「新埼玉」9月号より

塩川鉄也の“国会から埼玉から”

 墜落事故を繰り返す危険なオスプレイが県内各地を飛行し、米軍所沢通信基地では着陸訓練まで行いました。米軍は今後も訓練することを否定していません。病院や住宅団地のすぐ隣で軍事訓練を行うなどとんでもない。

 多くの市民が抗議の声をあげる中、所沢市は、所沢通信基地への米軍機の飛来中止を国に要請しました。また全国知事会は、国に「米軍基地負担に関する提言」を提出。日米地位協定を抜本改定し、航空法などの国内法の適用を米軍に求めるものです。ドイツやイタリアなど海外では、米軍もその国の法律を守るというのは当たり前のことです。

 米軍の横暴を許さないという翁長雄志沖縄県知事の訴えが全国知事会を動かし、今回の提言につながりました。「オール沖縄」と全国のたたかいが一体となって、国と米軍を追い詰めています。オスプレイの訓練中止、配備撤回を実現しましょう。そして何としても沖縄県知事選勝利を勝ち取りましょう。