クウェート国国民議会議長一行の表敬訪問/衆議院を代表して同席

 クウェート国国民議会議長一行が大島衆院議長を表敬訪問。衆議院を代表して同席しました。

 クウェート議長の訪日は45年ぶり。マルズーク・アリー・ムハンマド・スネイヤーン・アル・ガーニム議長は「この訪問を機に、両国の国会と国民の信頼が深まることを願っている」と述べ、大島衆院議長は「東日本大震災でのご支援にお礼申し上げたい。議員交流が活発になることは重要」と応じました。

 クウェートは、四国と同じ面積で、人口約428万人(内クウェート人131万人)。1961年に英国から独立。湾岸諸国の中で最も古い憲法と議会制度をもつ立憲君主国といいます。

 クウェート国民議会は一院制(民選議員+全閣僚)。任期4年。定数10の5つの大選挙区から選出。選挙権はクウェート国籍をもつ21歳以上の男女。被選挙権はクウェート国籍をもつ30歳以上の男女。

森友文書改ざん事件徹底解明を/官邸前行動に参加

 森友文書改ざん事件徹底解明を求める官邸前行動。日本共産党国会議員団も参加し、宮本たけし議員が連帯あいさつ。

 文書改ざんは、安倍昭恵総理夫人隠しだったことが明白に。

 昭恵氏が関わっていたら、総理もやめる、議員もやめると言った安倍首相の責任問題です。

 佐川氏、安倍昭恵氏らの証人喚問を!

 真相の徹底追及を!

埼玉・所沢市/航空公園駅前で原発ゼロと9条改憲反対の署名宣伝行動

 航空公園駅前で、原発ゼロと9条改憲反対の署名宣伝行動。被災者支援に全力を挙げます。国会に原発ゼロ法案を提出したことを報告。

 
 森友文書改ざん疑惑にも関心が高い。署名してくれた人が「頑張ってください」と激励してくれました。週明けの国会、がんばります!

栃木/日光市春を呼ぶつどいで訴え

 日光市春を呼ぶつどい。素敵なビオラとバイオリンの演奏で始まり、福田えつ子市議、福田みちお市議と一緒に訴えました。

 
 森友文書改ざん疑惑、「働き方改革」、北朝鮮情勢の激変、安倍9条改憲、原発ゼロ法案提出など、話題に事欠きません。
 
 市民と野党の共闘の前進、日本共産党の躍進、市議選で議案提案権獲得の2議席実現を!
 

「しんぶん赤旗」3月14日付・首都圏版より
改ざん究明、2議席必ず/塩川氏迎え/栃木・日光で集い
 
 栃木県日光市の日本共産党市委員会は10日、市内の日光総合会館で、来月の市議選(8日告示、15日投票、定数24、4減)の勝利をめざす決起集会「舂を呼ぶつどい」を開き、塩川鉄也衆院議員が、福田えつ子、福田みちお両市議の必勝を訴えました。
 
 塩川氏は、「森友公文書改ざん疑惑」をめぐり、国会情勢を報告。参院予算委員会の審議に共産党が参加しなかったことについて「疑惑をはらすための資料を出さないからだ。審議の前提を壊したもとでの審議には応じられない。自民党に責任がある」と強調。「国政調査権を行使するとともに、市民と野党の共闘を強め、真相究明に全力をあげる」と表明。会場から「そうだ」の声と拍手があがりました。
 
 住宅リフォーム助成の拡充など市民の福祉・暮らしの要望を実現し、自然環境を壊すメガソーラー建設計画の中止を求める運動を市民とすすめてきた両市議の実績を紹介。「2議席の確保で、市政への発言力を飛躍的に強められる議案提案権を」と、支援を訴えました。
 
 両氏は、国保税の引き上げストップや、ごみ袋の料金引き下げなどの選挙公約にふれ。「議席を守り抜く」と決意表明しました。

佐川国税庁長官が辞任/真相究明は国会の重要な責務

 佐川国税庁長官が辞任しました。辞めて済む話ではありません。国会で真相を語ってもらうことこそ必要であり、証人喚問に応じるべきです。「適材適所」と佐川長官をかばってきた麻生財務大臣、安倍首相の任命責任も問われます。

 この間、大問題となっている森友学園との国有地取引に関する財務省の決裁文書改ざん疑惑は、国権の最高機関である国会の国政調査権の蹂躙であり、断じて容認することはできません。

 三権分立の下、国会が政府に対する監視機能を果たすことは、国民の負託を受けた国会として果たすべき重要な責務です。国会の国政調査権は、そのために欠かすことのできない権能です。

 それなのに、国会からの資料要求に対して、政府が文書を改ざんして提出するということになれば、国会の国政調査権をないがしろにし、国会と行政府の信頼関係を根底から突き崩すものとなります。

 森友問題をめぐっては、憲法90条に基づき、参議院が要請した会計検査に対して、財務省が会計検査院に関係資料を提出していなかったことも大問題となりました。今回の事態も憲法62条に基づく国会の行政監視機能を蹂躙したものであり、重ね重ねの憲法無視の行政府の対応に怒りを禁じえません。

 国会は、速やかに国政調査権を行使し、議院証言法第1条及び国会法第104条に基づき、財務省の決裁文書原本の提出を求め、改ざんの有無とその経過、内容を明らかにすることが求められます。過去の事例を顧みれば、「検察の捜査」を理由に拒否することは許されるものではありません。

 国民の負託にこたえるため、国会は蹂躙された国政調査権をいまこそ行使して、政治の信頼を取り戻す時です。国会の権威と信頼の回復のため、与党が賢明な判断をするよう強く求めるものです。

財務省文書改ざん/与党は疑惑解明に応じよ/野党合同院内集会に出席

 国会内で「財務省文書改ざん疑惑野党合同院内集会」に出席。

 政府に対する監視機能を果たす国勢調査権を蹂躙するものであり、断じて認められません。

 国会は、議院証言法第1条及び国会法104条に基づき、財務省の決裁文書原本の提出を求め、改ざんの有無とその経過、内容を明らかにするよう政府に要求すべきです。与党はこれに応じよ!

ホンダ狭山工場の再編問題など/埼玉労働局に申し入れ

 日本共産党埼玉県委員会と党埼玉県議団が、埼玉労働局に対して、ホンダ狭山工場の再編問題と労働契約法に基づく無期転換ルールに関する申し入れ。柳下県議、伊藤岳参院埼玉選挙区予定候補、梅村さえこ前衆院議員(参院比例予定候補)らとともに参加しました。
 
 ホンダ狭山工場の閉鎖問題についてホンダ側は、当初、埼玉労働局に対してもきちんとした説明をしない態度だったとのこと。現時点でも昨年10月の記者会見発表時の情報以上のものはないと言います。
 
 大量離職者が発生する可能性が高い計画であり、ホンダに対して情報開示はもちろんのこと、雇用と地域経済への責任を果たすよう働きかけるべきだと要請しました。
 
 無期転換ルールに関して、理化学研究所で非正規職員の無期転換が実現したのは重要です。しかし、実際には「限定無期雇用職」として限定正社員の扱いとなり、有期の研究室やプロジェクトの存続するかぎりとされているとのこと。
 
 事業者は、定年まで働ける安定雇用の実現につとめるべきです。行政はしっかりと指導することを求めました。

「しんぶん赤旗」3月6日付・4面より
ホンダ再編雇用守れ/塩川・梅村氏ら/埼玉労働局に措置要請
 
 日本共産党埼玉県委員会と党埼玉県議団は5日、埼玉労働局に対して連名で、本田技研工業(以下ホンダ)狭山工場再編問題と、労働契約法に基づく無期転換ルールに関する申し入れを行いました。
 
 申し入れは、▽再編問題の実態把握▽「雇用対策本部」の設置▽労働者や事業主への無期転換ルールの周知徹底と脱法行為防止への指導▽無期雇用転換に関する専門相談窓口の設置――などを求めています。
 
 埼玉労働局は実態把握について、工場側や狭山市と情報交換を行い昨年10月の報道と同じ内容は把握していると述べました。無期転換ルールの周知については、企業訪問時の説明やホームページなどで周知に努めると回答。相談窓口設置については、労働基準監督署内に総合労働相談コーナーを設置し、13日から無期転換ルール緊急相談ダイヤルを設置したと答えました。
 
 また申し入れでは、現場の元労働者が再編問題を受けての職場の状況を報告しました。
 
 申し入れには、日本共産党の塩川鉄也衆院議員、梅村さえこ参院比例候補・前衆院議員、伊藤岳参院埼玉選挙区候補、柳下礼子県議団団長が参加。塩川氏は「再編問題について、報道以上のことをホンダは出してこない。不誠実な態度だ」と批判。ホンダは雇用を維持できる体力があると述べ、「社会的責任を果たすべきだ」と話しました。
 
 

栃木・高根沢町/日本共産党演説会

 栃木県高根沢町で日本共産党演説会。4月10日告示の高根沢町議選挙、森ひろ子町議が7期目をめざします。

 18歳までの子ども医療費無料化など、豊かな実績で、町政のチェック、住民要求の実現に全力を挙げます。

 労働法制改悪ストップ、9条改憲阻止、日本共産党の前進を勝ち取ろう!

「没後30年 鈴木賢二展」/栃木県立美術館を訪問

 栃木県立美術館で開催中の「没後30年 鈴木賢二展 プロレタリア美術運動から戦後版画運動まで」に足を運びました。
 
 戦前の山本宣治のデスマスクや戦後直後の産別会議機関紙の挿絵、ベトナム戦争や米軍基地反対運動を描いた木版画などが展示されています。農民や労働者、子どもたちに心を寄せる作品が魅力的です。
 
 鈴木賢二は、戦後、栃木県の共産党組織の再建でも重要な役割を果たしました。
 
 展覧会は3月21日まで。
 

「しんぶん赤旗」3月2日付・9面より
働く人々への愛と関心/鈴木賢二展
 
 現在、栃木県立美術館では、版画家、彫刻家として活躍した鈴木賢二(1906~1987)の回顧展「没後30年鈴木賢二展昭和の人と時代を描く――プロレタリア美術運動から戦後版画運動まで」を開催している。
 
 鈴木賢二が美術の世界で歩み始めたのは、旧制の栃木中学校を卒業して上京する1924年で、その創作活動は亡くなる1987年まで続いた。まさに昭和という時代と重なり、その創作内容も昭和とともにあった。第2次世界大戦を経て冷戦、安保闘争へとつなかっていく激動の歴史は、そのまま作品から読み取ることができる。
 
 プロレタリア美術運動に興味をお持ちの方には、1929年に日本プロレタリア美術家同盟書記長となり、1930年に雑誌『アトリエ』に「プロレタリア美術概論」を寄稿した人物として記憶されていようか。象徴的なのは、刺殺された山本宣冶のデスマスクを制作したことだろう。そして、第2次世界大戦中は栃木に帰郷し、彫刻家として高い評価を得た。東京美術学校で彫刻を学んだことを生かそうとしたのだろう。その主題の根底には、農村で働く人々への深い愛と関心があり、戦後の版画ともつながる。だが、この時代、他の美術家だちとともに陸軍美術協会にも在籍した。
 
 戦後の活動は、飯野農夫也や滝平二郎など仲間たちとの、北関東を中心とした版画運動によって開始される。それは魯迅と中国の木刻運動に導かれたものであった。やがて、こうした活躍のなかで、鈴木賢二はいよいよ美術家としての頂点を極めていく。
 
 ここに紹介する《女》のように、迫力ある木版画の数々が生まれる。大判の版面に刻まれた細やかな線の集積によって、繊細に陰影の濃淡を描き出しつつ、太く直線的な輪郭線を大胆に出現させる。その斜め下から見上げるクローズアップの構図で、柔和な表情ながら、強い意志を視線に込めた農婦の相貌をとらえる。この表現力は、今こそ再評価に値しよう。ぜひ、この機会に、鈴木賢二の豊かな造形世界を味わっていただきたい。
 
木村理恵子(栃木県立美術館学芸員)
 
21日まで栃木県立美術館(宇都宮市桜4の2の7) 電話028(621)3566
 

埼玉県党会議であいさつ

 埼玉県党会議であいさつ。裁量労働制拡大撤回させたのは画期的。働き方改革関連法案断念に追い込もう。
 
 オール埼玉総行動の市民と野党の共闘を前に進め、3000万人署名で、安倍9条改憲を阻止しよう!
 
 強く大きな党をつくって、共闘の前進、日本共産党の躍進を勝ち取ろう!
 

「しんぶん赤旗」3月6日付・首都圏版より
 
参院選・地方選勝利を/埼玉県党会議開く/塩川・梅村・伊藤氏あいさつ
 
 日本共産党埼玉県委員会は4日、深谷市で第61回県党会議を開き、2019年の参院選と統一地方選で「必ず勝利しよう」と決意を固め合いました。
 
 荻原初男県委員長は、「市民と野党の共闘をさらに発展させ、強く大きな党をつくろう」と強調。参院選では比例で70万票・得票率20%以上を獲得して選挙区でも議席を勝ち取り、統一地方選では、県議選で議案提案権を得る8議席以上、さいたま市議選で全10行政区での議席獲得をめさすと述べました。
 
 塩川鉄也衆院議員、梅村さえこ参院比例候補・前衆院議員があいさつしました。塩川氏は、安倍政権が「働き方改革」関連法案から裁量労働制部分の全面削除に追い込まれたことについて「国民の世論と野党の結束したたたかいの成果だ」と強調。梅村氏は「消費税増税ストップや国会で取り上げてきた地方公務貝の過労死問題、郵便局の非正規問題など、みなさんの切実な要求を届けるために、必ず国会に戻る決意です」と訴えました。
 
 伊藤岳参院埼玉選挙区候補も決意表明し「埼玉選挙区の3議席は安倍政権の悪政や改憲を推進する勢力に独占されている。何としても勝ち抜きます」と述べました。
 
 

【議院運営委員会】異次元緩和を続行/黒田日銀総裁の再任案で所信聴取

 国会同意人事案件のうち、政府が再任案を示した黒田東彦日銀総裁候補(現総裁)の所信を聴取し、各党が質疑を行った。
 
 私の質問に対し、黒田氏は、大規模な金融緩和による低金利が家計に与える悪影響を否定しませんでした。
 
 黒田氏は所信の中で量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)について「政府と連携して2%の物価目標実現の総仕上げを果たす」と述べ、大規模な金融緩和の継続を強調しました。
 
 異次元緩和によって経済の好循環が生み出されるとしてきたが、円安・株高によって大企業や富裕層に巨額の利益をもたらしたものの、実質賃金はマイナスとなり、消費は落ち込んだ。
 
 黒田氏は「経済の好循環が始まっている」としつつ、「確かに賃金の上昇は鈍い」と認めました。
 
 低金利が家計に与える影響について、日銀の試算でも、1991年を起点として比較すると、家計部門から企業部門に巨額の所得が移転している――とマイナス面をただすと。
 
 黒田氏は「15年前、20年前と比較すると負担は事実」と答えました。
 
 私は日銀のマイナス金利政策によって地域金融機関の収益が悪化し、金融仲介機能に悪影響を与えていることを指摘。
 
 金融緩和によってつくられた低金利を背景に安倍政権は大型公共事業の促進や後年度負担を含む軍事費の拡大で財政悪化のリスクを高めている。日銀が財政をファイナンス(政府の財政赤字の穴埋め)しているとみられても仕方がない。
 

「議事録」
<第196通常国会 2018年03月02日 議院運営委員会 9号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 日銀は、異次元の金融緩和によって大量の資金を供給すれば、インフレ期待によって物価が上昇し、経済の好循環が生み出され、デフレ打開につながるとしてまいりました。株高や円安方向の動きが生じて、企業収益を押し上げ、雇用や賃金の改善をもたらすとされているわけです。
しかし、円安、株高の動きによって大企業や富裕層には巨額の利益をもたらしたものの、賃上げはわずかで、実質賃金はマイナスとなり、消費は落ち込んでおります。こういう事態についてはどのように受けとめておられますか。

○黒田参考人 現在の日本経済の状況を見ますと、御指摘のように、金融緩和のもとで、いわば経済の好循環が始まっておりまして、単に企業の収益が非常に拡大、大きくなって史上最高水準になるというだけではなくて、雇用も非常に大きく拡大いたしまして、その中で賃金も緩やかに上昇し始めたというところであります。物価はまだ十分上昇しておりませんので、二%の物価安定の目標に向けた強力な金融緩和というものは粘り強く続けていく必要があるというふうに考えております。
 経済の好循環が始まったとはいえ、確かに、個々の企業とかあるいは各地、全域、全県で有効求人倍率が一を上回ったという、記録をとって初めての状況であるとはいえ、各地域の中には完全にその好循環が回ってきていないところもあるかもしれません。そのあたりは、今後とも、各地域あるいは各産業、そういったところの状況は十分把握して、いわば好循環が全国津々浦々に広がるように努力していくということは必要だと思っております。
 もっとも、金融政策はどうしてもマクロ的な政策でございますので、それ以外の財政とかその他の政策というものも、そういった意味では必要になると思いますけれども、私どもとしても、経済の拡大が、全国、まさに津々浦々に波及するように努力してまいりたいと思っております。

○塩川委員 好循環が全国に及んでいるわけではないというお話がありましたけれども、やはり、働く人、実質賃金、そこのところがどうなのかというところが好循環を考える上でも基本だという点で、先ほどのやりとりの中でも賃金は弱目というお話もされておりましたし、昨年十二月のきさらぎ会での講演を拝見しますと、労働需給の引き締まりに比べて賃金の改善が緩やかだ、特にパート雇用者に対して正規雇用者の賃金上昇が鈍いと述べておられます。
厚労省が二月二十八日に公表した賃金構造基本統計調査によると、二〇一七年の正社員の一カ月分の賃金は三十二万一千六百円で、前年より減少したとされておりますけれども、これはやはり大きな、重い事態ではないでしょうか。

○黒田参考人 名目賃金につきましてはさまざまな統計がございますけれども、比較的広く使われている賃金の統計によりますと、名目賃金はほぼ横ばいか若干上昇しているような状況でもあるように見えます。他方で、消費者物価の方は、特に消費税を引き上げたことによる消費者物価の上昇というのが二〇一四年にきいておりまして、実質賃金がそのときに下がった。その後、実質賃金は緩やかに回復しているようにも見えるんですけれども、確かに実質賃金の上昇は極めて鈍いということは事実であります。一部の年には実質賃金はマイナスになっているということも事実であります。
 ただ他方で、この五年間、四年から五年の間は、雇用者数がかなり大きく伸びておりますので、実質賃金に雇用者数を掛けた実質雇用者所得という面では着実に伸びているようでございます。
 ただ、確かに、賃金の上昇率が、雇用情勢のタイト化あるいは企業収益の大幅な増加に比して鈍い、それから生産性の上昇率に実質賃金の伸びが追いついていないということは事実であります。

○塩川委員 実質賃金の上昇が鈍い、マイナスというお話、今ありました。一方で雇用は非常にふえているという話がありますが、非常に非正規がふえているという現状をリアルに見る必要があるんだろうと思います。
もう一つ、低金利政策の家計への影響についてお尋ねしたいんですが、黒田総裁は、預金金利はもともと低い、住宅ローンなど貸出金利の低下の方が下げ幅もずっと大きいと述べていますけれども、このマイナス金利政策は家計には大きな影響を及ぼさないという認識なんでしょうか。

○黒田参考人 最近の時期をとりますと、先ほど委員が御指摘になったような状況でありまして、預金金利はもうかなり前から、マイナス金利政策とかあるいは量的・質的金融緩和をとる前から、もうほとんどゼロに近いところでずっと来ておりました。
 したがいまして、量的・質的金融緩和あるいはマイナス金利が預金金利を更に押し下げて、そこの部分が、家計に、その前と比べてマイナスが大きくなったということはなかったと思います。他方で、住宅ローン金利は確かに目立って低下しております。
 その意味では、最近の数年をとった場合にはそうなんですが、もっと昔から、十年も十五年も前の、もっと前からとりますと、前はもっと預金金利が高かったわけですから、それがどんどん落ちてきたということはあったと思います。これは基本的には、やはり、デフレのもとで預金金利もどんどん下がってきたということがあったわけでして、量的・質的金融緩和とかマイナス金利の導入によって預金金利が更に大きく下がったということはなかったと思います。

○塩川委員 短期間の話と同時に、一定の、中長期のお話がありました。
 確かに、低金利の家計と企業への影響について日銀も試算をしておりますが、あの低金利政策の始まった一九九一年を起点として、その金利水準が続いていた場合と比較して、受取利子と支払い利子を比較すると、家計部門から企業部門に巨額の所得が移転をしている。
 ですから、これまでも、白川元総裁は、金融緩和が家計の利子所得の減少要因となって、個人消費の減少要因であると国会で述べておられますし、その前の福井元総裁も、家計に重い負担をかけている、市場メカニズムを犠牲にした大変コストのかかる政策だと述べていたわけです。
そういう点では、黒田さんも、この十五年とか、スパンの話をされておられましたけれども、やはりこのような金融緩和の影響というのは家計に重い負担をかけている、そういう認識はお持ちということでしょうか。

○黒田参考人 それは、先ほど申し上げたように、十五年とか二十年前と比較しますと預金金利も下がっておりますので、その部分が十五年、二十年前と比べて負担になっているということは事実だと思います。
 ただ、それは基本的には、成長率も下がり、特に一九九八年以降は、デフレが二〇一三年まで続いておりましたので、そのもとで預金金利がどんどん下がって、ほとんどゼロに近いところになっていた。この五年間、特に預金金利が大きく下がったということはなかったと思いますけれども、比較的長い目で見れば、そういったことになっていることは事実なんですが、長い目で見たときのその差というのは、やはり日本経済の構造も変わり、いわば、マクロ的に言うと貯蓄超過状況になり、そして九八年から二〇一三年までのデフレが続いたということが大きくきいているのではないか。
 そのもとでの、今言われた、福井総裁の言われたことは、そういうもとでそのことについて言われたのか、もっと長い期間のことについて言われたのかちょっとわかりませんが、長い期間について見ればそうなんですけれども、それは、先ほど申し上げたように、経済構造が変わったもとでのことですので、経済構造が変わっていない状況での十五年、二十年前の預金金利と比較して、今は低いではないかと言っても、これはなかなか、前と比べれば家計は損をしている、それはそのとおりなんですけれども、それが何か意味のある議論なのかどうかというのは、ちょっと議論は難しいんじゃないかと思います。

○塩川委員 二月二十八日の日経に、「通貨の番人はどこへいく」というコラムが掲載されました。五年前に始まった黒田緩和とは一体何だったのか、突き詰めれば円高の修正を目指したものであり、今も円高の再来を抑える防波堤役を担っていることは公然の秘密と言っていい、このように書いて、黒田総裁の異次元の金融緩和に対し、目標は達成されるという見方は少なく、期待もされていなかった、とにかく円高をとめていただきたいというのが企業の本音だったと書かれているわけです。それはコラムでのそういうコメントなわけですけれども、総裁は、こういった、五年前の当時、企業、財界の中にそのような期待感があるということは受けとめておられたんでしょうか。

○黒田参考人 私、五年前の、二〇一三年の、たしか三月までマニラにおりまして、アジア開発銀行の総裁というものを八年間やっておりまして、アジアの、途上国の経済開発と貧困削減ということをやっておりましたので、日本のことを詳しく知る立場にはありませんでしたので、そういう議論があったということは私は存じておりません。
 ただ、現在でもそうですし、これはG20のコミュニケなどにも常に書かれておりますけれども、金融政策は、あくまでも国内目的、つまり物価安定のために行われるものであって、為替操作というか為替政策として行われるものではないということが確認されておりますので、私が云々というよりも、むしろ日本や米国や欧州の中央銀行としては、常に、為替が動いたときのその影響はよく点検いたしますけれども、為替を動かそうとかそういう意図はありませんし、特に米国と日本の場合は財務省が為替政策の責任者でございますので、そういう法的な枠組みからいいましても、日本銀行が何か為替を操作するとか影響を与えるとか、そういうことは基本的に考えていないということだと思います。

○塩川委員 二〇一二年末の総選挙で、自民党の経済政策の中心は、行き過ぎた円高を是正するというものでありました。現在の安倍総理は、当時繰り返し訴え、政権に返り咲いたわけです。
 黒田総裁も、経済大国が金融緩和をした場合に為替が下落する傾向があるということは、理論的にも実証的にもそう言われていると述べておられました。
安倍政権の就任と前後して円安・ドル高が一気に進みましたが、まさに大胆な金融緩和政策、質的・量的金融緩和がもたらしたものではないか、為替の下落を狙っていないとしても、黒田日銀の金融緩和政策の結果ではないか、その辺についての受けとめをお聞きします。

○黒田参考人 その点はよく理解をいたします。
 金融政策が為替に影響ないということではないんですけれども、あくまでも、日本であれ米国であれ欧州であれ、金融政策の目的、目標は物価の安定である。そういう中で、他の事情にして等しければ、大きく金融緩和した国の為替が下落する傾向があるというのは、それは理論的にも実証的にもそうですけれども、ちなみに為替市場というのは非常に気まぐれな市場ですので、実際必ずそうなるというわけでもなくて、いろいろな違った事情で違った動きをするということもありますので、あくまでも為替の安定、為替政策というものは、金融政策と別の、日本の場合ですと財務省が所管して為替の安定を図っているということでございます。

○塩川委員 異次元の金融緩和による円安と株高は、自民党それから財界の要望に応えて、大企業と富裕層に巨額の利益をもたらしましたが、肝心の庶民生活を見れば、実質賃金は減少し、雇用増も非正規中心であり、消費は冷え込んだままであり、異次元の金融緩和は経済の好循環をもたらしたとは言えないと考えます。
 次に、副作用についてお尋ねいたします。
 長期化した日銀の金融緩和政策、とりわけマイナス金利政策による副作用がさまざまな形で顕在化しています。
 その一つが、先ほども議論ありました、地域金融機関の収益悪化です。
 昨年十月、金融庁発表の平成二十八事務年度金融レポートによれば、地域銀行の経営状況は、金融緩和政策の継続により、長短金利差が縮小し、収益性が低下していると分析しています。
 報道によれば、昨年十一月、金融庁の森長官は、主要企業の経営者との意見交換の場で、地銀、第二地銀百六行のうち、直近で五割程度が既にコア業務純益で赤字になっている、地銀経営者の多くにPL悪化への危機感が足りないなど、多くの時間を割いて地域銀行の問題点を指摘したとされています。事実、一七年九月期決算では、上場地銀八十一社・グループのうち九社で総資金利ざやがマイナスに陥っているとされています。
 全米経済研究所は、十一月中旬に、日本経済の現状について、マイナス金利による収益低下で銀行が与信拡大に慎重になっている、政策企図とは逆方向との趣旨のレポートを発表いたしました。
マイナス金利政策が地域金融機関の収益を悪化させ、金融仲介機能にまで悪影響を与えているのではないのか、この点についてお考えをお聞かせください。

○黒田参考人 理論的には、預貸金利格差、貸出し利ざやが金融緩和のもとで縮小して、それが余りに行き過ぎると、金融機関の方、つまり金融機関の利益が大幅に減って、資本を一部食い潰すというような状況になってきますと、貸出しに消極的になっていく、金融仲介機能が阻害されるのではないかという議論でございます。
 ただ、現状、先ほども申し上げましたように、地域銀行は活発な貸出しを行っておりまして、実際問題として、金融仲介機能に障害が出ているという状況には全くありません。
 その背景には、一つは、地域銀行が十分な資本を持っているということ、もう一つは、景気の拡大のもとで信用コストが大幅に減少していますので、いわば貸倒引当金に入れていたものを繰り戻すというようなこともありますので、それによって、かなりというか十分な利益も上げられるというもとで、地域金融機関の方がむしろ貸出しに積極的であります。
 ですから、今の時点でそういった地域金融機関の収益を圧迫して仲介機能が低下するという状況には全くないわけですが、先ほど来申し上げていますとおり、非常に長い期間で見ますと、確かに、地域の人口が減り、企業も減り、いわばクライアントが減っているわけですね。そうしたもとで、従来どおりの支店網あるいはスタッフを抱えていますと、どうしてもコストの方がグロスの利益を上回ってくるおそれがあるわけでありまして、長い目で見ますと、預貸金利が拡大しても、こういう構造的な傾向が続く限り、地域金融機関の根源的な収益構造というものが変わっていかないと、難しい状況が起こり得るということは確かだと思います。
 そういう意味で、既に各地域銀行ではいろいろな努力をしておりまして、一方で、地域の企業の承継であるとかビジネスマッチングであるとか、そういったことを助けることによって金融サービス収入をふやすということもやっておりますし、他方で、ITを使って効率化を上げてコストを下げるという努力も、一部の地域金融機関ではかなり目覚ましい努力をしておられまして、コストを大幅に下げるということも実現している金融機関もあるようでございます。
 ですから、今の時点で何か深刻な状況になって金融仲介機能に障害が出るという状況では全くないんですけれども、五年、十年という長い期間をとりますと、構造的な問題がありますので、それに対する対応というものを地域金融機関が行っていかなければならない。それに対して、もちろん所管の金融庁はいろいろな努力をされるのは当然だと思いますけれども、我が日本銀行としても、いろいろな機会にそういった問題に対するアドバイス等は十分行ってまいりたいと思います。

○塩川委員 もう一つ指摘をしたい副作用の問題が、日本銀行の国債引受け、財政ファイナンスの問題です。
 五年前の議運の聴聞会で黒田総裁候補は、国債の直接引受けにつきましては、戦前戦中の経験に鑑みて財政法で原則的に禁止されている、国債を直接引き受けるということは全く考えていないと述べておられます。
 しかしながら、日銀が保有する長期国債等の保有比率は、二〇一二年十二月末の約一一%、九十一兆円から、昨年九月末には約四二%、四百十三兆円にまで拡大をしています。その間にふえた政府の借金、長期国債等の残高約二百兆円分に加えて、市場から百二十兆円ほど調達したことになります。国債の爆買いともいう状況です。
今後も現在の金融政策を続けるならば、量的な制約が全くなく国債の購入を継続することは理論的に可能だと考えているのか、仮に問題がないとした場合、このような量的な制約がいずれ国債購入方針に何らかの影響を与えるのか、その点についてお聞かせください。

○黒田参考人 御指摘のとおり、現在、日本銀行が四〇%ほどの、四割ほどの国債を保有しているわけでございます。
 機械的に言えばまだ六割ぐらい残っているでしょうということなんでしょうが、それより前に、実は一昨年の九月に導入いたしました長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとでは、確かに国債の買入れを行っておりますけれども、かつてのように国債買入れ額を金融調節方針のターゲットにしてやっておりません。
 今やっておりますのは、長短金利操作つきということに示されておりますとおり、短期政策金利をマイナス〇・一%、十年物国債の操作目標をゼロ%程度とする適切なイールドカーブを形成されるように国債の買入れを行っておりますので、現実の国債買入れ額はかつてよりも大分減っております。
 しかし、そのもとで十分、従来どおりの適切なイールドカーブは維持されておりますので、あと六割残っているでしょうというようなことを申し上げるより前に、今のフレームワークでは、あくまでも、長短金利操作によって適切なイールドカーブをつくり、それによって経済の好循環を持続させて、賃金、物価が緩やかに上昇して、二%に物価上昇率が達するということを目標にして運営しておりますので、市場からの国債買入れについて限界が出て、何か大きな問題になるというようなことは想定しておりません。想定されないと言っていいと思います。

○塩川委員 日本銀行のQアンドAで「教えて!にちぎん」というのがありますけれども、そこで、中央銀行が一旦国債の引受けによって政府への資金供与を始めると、その国の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯どめがかからなくなり、悪性のインフレーションを引き起こすおそれがあるからです、これは長い歴史から得られた貴重な経験ですと書かれている。知られているところであります。
 やはり、安倍内閣そのものが財政規律にルーズと言わざるを得ません。日銀の金融緩和政策によりつくられた低金利環境を背景として、財政投融資の活用によるリニア新幹線などの大型公共事業の促進や、一般会計でいえば、後年度負担を含む軍事費の拡大などを予算に盛り込み、財政悪化のリスクを高めております。この状況では、日銀が財政をファイナンスしていると見られても仕方がありません。
 昨年来、FRBの金融緩和政策の縮小で、米国債の金利は上昇しています。日本でも、日銀が国債購入額を段階的に縮小し、保有額自体を減らしていくことになれば、当然国債の金利は上昇します。そのとき、国の予算の国債費は、金利上昇を受けて増加していかざるを得ない。
市場には、財政悪化が続く中で長期金利の低位安定を維持するには、日銀は国債購入をむしろふやしていかざるを得ないとの指摘もありますが、総裁としてはどのようにお考えでしょうか。

○黒田参考人 従来から申し上げておりますとおり、今、日本銀行は国債の直接引受けというのを行っておりませんし、あくまでも金融政策の一環として、市場から国債その他の金融資産を購入して、それによって、金利を引き下げ、予想物価上昇率を引き上げて実質金利を引き下げることを通じて経済の好循環を持続していこうということでございます。
 したがいまして、もちろん、現時点で金利が低いということが政府の国債費負担を下げていることは事実ですけれども、将来、当然のことながら、二%の物価安定目標も達成され、出口ということになってくれば、そういった状況ではそもそもマーケットで金利も上昇していくということになると思いますし、その中で従来どおりの国債発行をしていけば、国債費は急増するということになると思います。
 ですから、それは当然、そういうことは政府として予想しておられることだと思いますけれども、私どもとしては、あくまでも、財政ファイナンスをする、通貨発行権限を背景に政府の財政赤字をファイナンスするというような財政ファイナンスは、現在もしておりませんし、将来もすることはないと申し上げられると思います。

○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。
ありがとうございました。

 

働き方改革虚偽データ疑惑/野党合同ヒアリング

 働き方改革虚偽データ疑惑野党合同ヒアリングに参加。

 安倍首相は、働き方改革関連法案の中の裁量労働制の拡大部分については全面削除し、裁量労働制の実態把握をしなおすことを表明しました。国民の世論と国会論戦、野党の結束したたたかいの成果です。関連法案提出断念にまで追い込みたい。

 全国過労死を考える家族の会東京代表の中原のり子さんのお話をお聞きしました。小児科の勤務医として長時間労働を強いられ過労自殺した夫の勤務実態を語り「裁量労働制は削除したのに、高プロ(残業代ゼロ法案)は削除しないのは矛盾している」「過労死ラインを超える上限規制や高プロは認められない」と訴えました。

【新聞「新埼玉」掲載】災害時には迅速な救助法適用を

新聞「新埼玉」3月号より

塩川鉄也の“国会から埼玉から”

 全国各地で豪雪被害が相次いでいます。大雪のため玄関の出入りができない、住宅倒壊の危険があるなど、深刻です。あらためて重要なのが、災害救助法の早期適用です。都道府県の判断で市町村単位に適用される災害救助法には、被災者に対する様々な応急救助の支援策があります。災害救助法が適用された豪雪地域では、個人宅の除雪なども自治体の判断で可能となります。

 「大規模な被害が出ないと適用されない」という誤解がありますが、とんでもない。「多数の者が生命又は身体に危害を受け又は受ける恐れが生じた場合」には、災害救助法が適用されます(いわゆる「4号基準」)。内閣府も「『恐れ』の適用を恐れるなと、自治体に周知している」と述べています。

 この間、埼玉県内でも豪雨災害がありましたが、埼玉県は災害救助法を適用せず、そのため住家の応急修理(57万4千円相当)などが活用できなかったのは残念でなりません。自治体独自に災害救助法と同等の支援の実施を求めたい。今後、迅速な災害救助法の適用を求めていきます。

裁量労働制再調査と佐川国税庁長官らの証人喚問を/野党合同緊急院内集会

 裁量労働制再調査と佐川国税庁長官らの証人喚問を求める野党合同緊急院内集会に参加。

 日本共産党から小池書記局長があいさつ。命を脅かす裁量労働制拡大は許さない、安倍首相主導の法案提出をきっぱりと断念に追い込むため、野党は結束してたたかおうと呼びかけました。