【内閣委員会】カジノ法案/強行採決/野党は一致して抗議

 衆院内閣委員会で、自民、公明、維新が、カジノ実施法案を強行採決しました。

 わずか1分間の強行劇でした。内閣委員会冒頭、立憲民主党の森山浩行議員が「審議継続の動議を提出します」と発言。山際大志郎委員長はそれには取り合わず、自民党議員の合図で与党と維新の議員が3回、起立と着席を繰り返しました。野党議員の抗議の声で何も聞き取れない中、山際委員長は退席。

 その直後に、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党の野党4党1会派の委員は、山際委員長に質疑続行を申し入れ。

 わたしは、重大な問題点のある法案の徹底審議は国民の声だ――と求めました。

石井カジノ担当相不信任決議は否決

 これに先立つ衆院本会議では、野党5党1会派が提出したカジノ法案担当の石井啓一大臣(公明)に対する不信任決議案が議題となり、日本共産党の宮本岳志議員が賛成討論。自民、公明、維新の反対で否決されました。

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【倫理選挙特別委員会】開票不正事件/国民主権と議会制民主主義の原則にかかわる問題/真剣な原因究明を

 相次ぐ選挙管理委員会の開票不正事件。選挙は民主主義の根幹。公務員の選定・罷免権の行使という憲法上保障された国民主権と議会制民主主義上の原則にかかわる問題。真剣な原因の分析・検証を求めました。

 開票作業の作業ミスなどを取り繕うため、選管が白票を水増ししてつじつまを合わせ、隠ぺい工作を行った開票不正事件が2013年参院選、14年総選挙、17年総選挙で相次いで発覚しています。

 わたしは、選挙の正当性が失われる事態だ。現憲法下でこのような開票不正が行われることがあったか――とただしました。

 総務省の大泉淳一選挙部長は、指摘の3例しかないと認めました。

 隠ぺいのため投票用紙を焼却処分した滋賀県甲賀市で開票不正にかかわった選挙事務局長が、その理由について「開票遅れを回避するため」と説明している。法で定めている選挙経費の基準を引き下げ続けてきたことによって、開票時間の短縮を求めるプレッシャーがあったのではないか――とただしました。

 大泉選挙部長は「選挙の執行経費は国民の税金で、ある程度の効率化は当然考えるべき」と答弁。野田聖子総務大臣は「効率的な投開票事務に取り組んでいる事例の周知等のほか、必要な予算の確保に取り組む」と答えました。

 わたしは、選管事務の現場の実態に見合った経費や人員配置とともに、徹底した原因究明を求めたのに対し、野田大臣は「しっかり取り組む」と述べました。

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「議事録」
<第196通常国会 2018年06月15日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 3号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、今、先ほども取り上げていただいた選挙管理委員会の開票事務の不正問題についてお尋ねをいたします。
 最初に大臣にお尋ねいたします。
 選挙は民主主義の根幹であり、主権者である国民の参政権の問題であります。不正があれば選挙の正当性が失われることになり、選挙無効になりかねないので、ひいては選挙権を行使できなくなる。選挙執行に当たっては、その公正さに疑念が持たれるようなことがあってはならないわけで、決して不正があってはならない、その点をまず確認をしたいと思います。

○野田国務大臣 塩川委員にお答えいたします。
 御指摘のとおり、選挙は民主主義の根幹をなすものでありますから、適切な管理、執行により選挙の公正を確保することは極めて重要であると考えております。

○塩川委員 そういった際に、この間、国政選挙における選管の開票不正が相次いでいるという現状があります。この間、どのような事案があったのかについて、簡単に説明してもらえますか。

○大泉政府参考人 お答えいたします。
 国政選挙において不正な開票事務がなされた事案としては、先ほど申し上げました、平成二十九年衆議院選挙における、滋賀県甲賀市で、投票者数と投票総数のそごについて、白紙投票を水増しして処理し、その後さらに、未開票の投票用紙が入った投票箱を発見したものの、当該投票用紙を処分したという事案がございました。
 それ以前には、平成二十五年参議院議員通常選挙におきまして、香川県高松市で、投票者数と投票総数のそごについて、集計済みの白紙投票を再度集計することで整合がとれるように処理し、後日、未集計の有効投票の束が発見されたため、箱の封印を不正に開披して、これを集計しないまま無効票の箱に混入したというようなこと、平成二十六年衆議院議員総選挙におきましては、宮城県仙台市で、投票者数と投票総数のそごにつきまして、集計表上の持ち帰り票と白紙投票を増加させることで整合をとれるように処理した事案、その三件がございます。

○塩川委員 二〇一三年の参議院選挙では高松市で、これは隠蔽工作も行うような、これはだから、高松市の選挙事務局長が主導するという格好になるわけでしたし、また、二〇一四年の総選挙では、仙台市において、この選挙管理委員会、これは選挙課長が了承して不正を行うということでしたし、昨年の総選挙では、甲賀市において、選挙事務局長がかかわっての不正になっていると。
 これは、処分したと簡単に言いましたけれども、この投票用紙を燃やしちゃったわけですよね、わざわざ持って帰って。そんな、投票した有権者の一票一票、その貴重な一票を、隠蔽するために燃やしてしまうなんということがまかり通ること自身が、どう考えてもおかしいわけであります。
 ですから、これを見ていただいてもおわかりのように、単なる選挙事務のミスじゃないんです。選挙事務に携わった職員が不正を行う事件になっているわけです。
 ですから、選管の事務局長や青葉区の選挙課長のように、まさに選管の中心にいるような役職者がかかわっているという点で、選挙への信頼を揺るがす重大事態であるわけで、この現憲法下で、こういった開票不正というのは、過去、ほかにも行われたことがあるんですか。

○大泉政府参考人 従来からの選挙の管理、執行についてのミス等が報告されておりますが、ミスとして、事務従事者が確認誤りや思い込み等によって誤ってしまったというようなことがございましたけれども、選挙事務に携わった幹部を含む職員が不正を行うということについては、その三例を承知しております。
 選挙への信頼を大きく揺るがしかねない事態でございますので、大変ゆゆしきことと認識しております。

○塩川委員 ですから、選管幹部がこういうふうに不正にかかわるような事案というのは、過去をさかのぼって、ないという話なんですよ。二〇一三年以降のこの五年間で三件も発生しているというのは、極めて異常な事態であるわけです。
 大臣にお尋ねしたいんですけれども、これまでなかったのに、この五年間の間に信じられない開票不正が三回も連続して起きている、極めて重大なことであって、何でこんなことが起こったのか、このことについて、総務省、総務大臣として、どのような分析、把握をされておられるのか、お聞きしたいと思います。

○野田国務大臣 お答えいたします。
 各選挙管理委員会は、選挙の管理、執行機関として、常に公正かつ厳正な手続や事務処理が求められていますが、昨年の衆議院議員総選挙において管理、執行上問題となった事項は百七十五件で、前回の衆議院議員総選挙時の百九十四件を下回ったものの、遺憾ながら、依然として多くの管理、執行上のミスが発生しています。
 それぞれの選挙の状況も異なっていて一概には言えないんですが、個別のミスの原因としては、多くが事務従事者の確認誤りや思い込み等であるものと考えられます。
 管理、執行上問題となった事項については、全国の選管で情報共有を図っているところであり、各選管において、これら他団体の事例を参考にしながら、適切な管理、執行に努めていただきたいと考えております。
 また、近年……(塩川委員「質問への答弁じゃないんですよ」と呼ぶ)あっ、続き、いいですか、続けてよろしいですか。(塩川委員「はい」と呼ぶ)
 また、近年、高松市や仙台市、甲賀市の事例のように、単なるミスを超えて、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が発生したことは、選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、大変ゆゆしきことと認識しています。
 これらの事案は、民主主義の根幹をなす選挙への信頼を支えているという自覚や、罰則の適用を含めた選挙制度の理解が欠如していたことや、事務体制や個々の作業に不正が混入し得る余地が、過誤が発生し得る余地があったことが原因であったと考えています。
 各選管においては、改めて選挙の公正の確保という原点に立ち返り、緊張感を持って職務に臨み、一つ一つの作業を確実に実施するとともに、節目節目で十分に点検を行うなど、選挙の厳正な管理、執行に万全を期していただきたいと考えています。
 総務省としても、引き続き、あらゆる機会を捉えて、各選管に、選挙の厳正な管理、執行を要請してまいります。

○塩川委員 いや、お尋ねしたのは、過去一度もないようなことがこの五年間で起こっているよねと。これはやはり、従来の延長線上の話ではなくて、何か異常な事態になっているんじゃないのか、こういう認識が必要じゃないかという問題なんですよ。
 事務ミス、これをなくしましょうというのは当然のことですけれども、また、選挙制度について、やはりその一票の重さの問題、そういうことについてしっかりと認識をする、これも当然のことなんだけれども、それは前からやってきている話であって、それであるにもかかわらず、過去一度もないようなことがこの五年間で三回も発生をしてしまった。このことについての、総務省として、国政選挙にかかわる不正、開票事務の不正が行われたということについて、しっかりと分析する必要があるんじゃないかと思うんですけれども、そういうことをやっていないということなんですか。

○野田国務大臣 繰り返しになるんですけれども、今の御指摘の件につきましては、やはりまず、民主主義の根幹をなす選挙への信頼を支えているという自覚を、その責任者が欠如してしまっていること、また、事務体制の中にそういうことが、個々の作業に不正が混入しやすいという余地や過誤が発生し得る余地があったということが原因だということは、今考えているところであります。

○塩川委員 自覚の欠如の問題も、これはこれで問題ですけれども、実際、その事務体制の問題でどんな問題があるのか。その辺の認識はどういうことなんですか。

○大泉政府参考人 お答えを申します。
 それぞれ三例につきまして、再発防止委員会が行われておりまして、それについて原因あるいは改善策などが検討されております。そういうことを含めまして、私どもも研究し対応していきたいと思います。
 その中で、今回、甲賀市の事案、最初は、高松市のときには、先ほど申しました法令遵守の徹底、選挙の信頼回復などを通知したところでございますけれども、今回はこれに加えまして、全国の選管を対象とした会議、研修会などにおいて、私ども、直接、選管の幹部職員に対してその意義を訴えることによりまして意識改革を図る施策、あるいは、投開票の実務に精通した選管OBを派遣しまして、選挙執行事務に対する基本姿勢、あるいは不測の事態が発生した場合の対応などについて、研修を積極的に行っていただこうというような取組を始めているところでございます。

○塩川委員 率直に言って、意識改革とか研修とかという、そういうレベルの話なのかということだと思うんですよね。こんな連続して起こるようなことって信じられないわけですよ。じゃ、みんながみんな起こり得るのかという話で、率直に疑念が持たれるような状況で。
 この甲賀市における選挙開票事務の不正事件では、不正にかかわった選管事務局長兼務の総務部長、それから総務部次長、総務部の課長級職員の三人は、無効票を水増しした理由を、開票おくれを回避するためにやったと説明しているわけです。
 私、この委員会でも何度も指摘をしてきているわけですけれども、こういう事件の背景に、開票時間の短縮を求める、そういうプレッシャーが働いていたんじゃないのか。開票時間をどんどん短くしてくれと、こういうプレッシャーが、こういう事件の背景にあるんじゃないのかと率直に思うわけですけれども、大臣、いかがですか。

○大泉政府参考人 一つ、前回の参議院選挙の前に執行経費基準法を改正いたしましたが、そのとき、開票時間が当時四時間というふうに設定されておりましたが、それを四時間半に、実情に即して延ばしたというようなことも対応しておりますので、私ども、そういうことで、プレッシャー、あるいは過度に迅速さに駆られないようにということを考えながら制度設計をしているところでございます。

○塩川委員 前回の参議院選挙のときで四時間想定している、まあ四時間半、つまり、国政選挙経費の基準額積算の前提となる開票時間というのを設定している。要するに、執行経費、お金を国政選挙の場合に国の方で出すような場合に、その際の積算の根拠として、開票時間をどれだけ想定するかということがあるわけですよね。それを、四時間と言っていたのを四時間半に延ばしました、そういう点での実態に合わせた配慮をしたという話なんですけれども、でも、これはさかのぼると、そもそも、もともとは何時間だったんですか。

○大泉政府参考人 もともとは六・五時間ということでございましたが、平成十九年の改正において六・五時間を五時間にしております。
 これは、実態を踏まえることと、あと、選挙執行経費は国民の負担である、原資が税金であるということも鑑みまして、ある程度の効率化というものは当然含んで考えるべきであろうということから、このように見直しているというふうなことで、現在は四時間半となっているというところでございます。

○塩川委員 今説明があったように、開票準備時間を合わせて、開票事務にかかる時間について、二〇〇四年基準は、今答弁にあったように六・五時間だったんですよね。それが、二〇〇七年の基準は五時間になり、二〇一三年の基準は四時間になって、今、現行は四・五時間と若干戻したわけですけれども、もともとは六・五時間想定だったんですよ。
 それは実態に合わせてと言いましたけれども、一方で効率化ということを言っているわけじゃないですか。効率化ということで経費節減を図るという趣旨がここにある。結果とすれば、現場にすると、この選挙の執行経費について、開票時間に係る経費が短い時間を設定されたために削られるという中で、どんどんどんどん開票時間を長くするようなことはできない、なるべく短くしよう、こういうプレッシャーがこんな経費の面でも働いていたんじゃないのかということが問われているわけです。違いますか。

○大泉政府参考人 直近の総選挙で、今基準として定めております四時間半で開票を終了しているというところが大体八割弱ございますので、おおむねの選管の求めには応じられるのではないかと考えております。

○塩川委員 今言ったように、現行の四・五時間以内に開票を終了している開票所の割合が八割弱という説明ですけれども、それに及ばないような状況というのも現に発生しているわけで、今言った、昨年の総選挙で四・五時間以内に開票を終了しているのが七八・八%ですけれども、十七年総選挙でもとの基準の六時間以内に開票終了している開票所は九五・五%ですから、本来、そこに戻してこそ、実際の実務に対応した開票事務の時間になっているんじゃないのかという点でも、これはやはり、減らし続けたということがこんなプレッシャーとなって開票事務の不正を招くような、こういうことになっているということが問われているんじゃないですか。
 効率化とか経費の問題と言いますけれども、選挙という、まさに民主主義の根幹を支える制度に不正があってはならないわけで、そのときにかかるコストは無駄なものじゃないんですよ。まさに民主主義のコストそのものじゃないですか。こういうことを削るということ自身が大問題なんじゃないですか。
 だから、現状でいっても、こういう選管の事務のトップにいるような人間が不正を主導するような事態が三回もこの五年間で連続しているということを、極めて重く受けとめるべきなんですよ。そのときに、単にしっかりと法律を守ってくださいねとかマニュアルをちゃんとつくって徹底してくださいねとか、そういうレベルの話じゃないんです。
 やはり、選挙制度でのこういう経費の問題や、あるいは人的な、人の配置の問題とか、いずれにせよ、そういった公正な選挙を保障するための体制がどうだったのかというところまで含めて検証する必要があるんじゃないですか。
 その点で、やはり、国政選挙にかかわる開票事務の不正ですから、そういったお金の手当ても責任持ってやっている総務省として、これはしっかりとこの三件についても分析をする、国としてもこれについて明らかにする、これこそ必要じゃないですか。改めて、野田大臣、いかがですか。

○野田国務大臣 お答えいたします。
 御指摘の選挙の管理、執行については、その全般にわたって遺漏のないよう万全を期すために、必要な予算、選挙事務に従事する人員を確保することは重要だと考えています。
 一方、御承知のように、国、地方の厳しい財政状況を踏まえれば、効率的な経費支出にも努める必要があることから、事務の効率化に向けた取組もまた重要だと考えています。
 こうした観点から、各選挙管理委員会において、それぞれの団体の実情に応じ、効果かつ効率的な執行体制を整え、公正かつ適正な選挙の管理、執行が行われるよう、総務省としても、効率的な投開票事務に取り組んでいる事例の周知とか国政選挙における必要な予算の確保には、しっかり引き続き取り組んでまいります。

○塩川委員 経費や人員配置についても、しっかりと現場を見て確保することの必要性と同時に、一方での効率性という言い方をしますけれども、選管の事務の現場の実態をよく見ていただきたいんです。
 国政選挙でも、この間、たくさんの選挙制度の改正が行われたじゃないですか。そういう中には、例えば十八歳選挙権というふうに新たに有権者が拡大するということなんかもありました。そういったさまざまな整備も必要だったわけですし、参議院では合区も行われるという点では、県の選管をまたがるような事務になってくる。そういう複雑さも出てきますし、小選挙区の区割りがこれほど複雑になったこともないわけです。
 ですから、一つの選挙区でも複数の選管がまたがるような実態という点では、非常にやはり開票事務も複雑になっているんですよ。そういうときに、現場の地方自治体の職員の数は全体として減っているわけですし、現場の選管を専任でやっているようなのは大きな規模の自治体でなければないわけで、多くの方々が兼務で懸命にやっておられるわけですよね。そういったときに、しっかりとした、余裕というか、適正な選挙を保障する、そういう体制、経費や人員の面で行うということが改めて問われなければならないと思います。
 ですから、早い開票をとあおるような問題というのは根本から改めなければいけないということを申し上げたいと思いますし、主権者国民の代表を選ぶ選挙というのは、民主主義の根本であり、公務員の選定、罷免権の行使という憲法上保障された国民主権と議会制民主主義上の原則にかかわる問題ということをしっかりと貫くということであり、改めて、総務省として真剣に分析、検証しろ、このことを求めたいと思いますが、最後に一言、大臣からお願いします。

○平沢委員長 大臣、時間が来ましたので、簡潔にお願いします。

○野田国務大臣 お答えいたします。
 しっかりと取り組んでまいります。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

【本会議】カジノ実施法案強行するな/内閣委員長解任決議案討論

 カジノ実施法案の衆院内閣委員会での採決強行を狙う与党に、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の野党5党1会派は結束して対抗しました。野党が提出した山際大志郎内閣委員長(自民)解任決議案は衆院本会議に上程され、与党と日本維新の会などの反対で否決されました。

 わたしは賛成討論で、山際氏が、公文書改ざん問題は「民主主義の根幹を揺るがす」と言いながら徹底究明に背を向け、政府与党の言いなりでTPP(環太平洋連携協定)11関連法案など悪法の成立に加担してきた。カジノ実施法案は、わずか18時間の審議の中で、カジノ事業者による客への資金貸し付けが依存症や多重債務者の拡大につながることや、カジノを規制する管理委員会の事務局にカジノ事業者が入ることなど重大な問題が明らかになった――と指摘。

 カジノ法案の背景にあるのは、日本国民をターゲットに狙う米国カジノ企業の要求だ。議会制民主主義を踏みにじる運営を続ける委員長の解任は当然だ。

 野党5党1会派はさらに、法案阻止のため、カジノ法案担当の石井啓一大臣の不信任決議案を提出。政府・与党は、15日の本会議で決議案を採決し、同日中に法案の委員会可決を狙っています。

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反対討論は、以下のとおり。


 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました山際大志郎内閣委員長解任決議案に賛成の討論を行います。

 賛成理由の第1は、カジノ法案の強行採決を図ろうとしているからであります。

 国民多数はカジノ解禁に反対です。それはギャンブル依存症や多重債務者が増加し、生活破たんや治安悪化が懸念されるからです。「賭博で経済成長はおかしい」「人を不幸にして金儲けするな」が国民の声です。

 わずか十八時間余りの審議でも、法案の重大な問題点が明らかになってきました。

 一つは、公営ギャンブルやパチンコでは認められていない、客への金の貸し付けをカジノ事業者には認めることです。過剰貸し付けへの歯止めもなく、依存症や多重債務者の拡大につながることは必至です。

 二つは、当初、導入予定だったカジノ施設面積の上限規制を取り払ったことです。世界最高水準の規制だ、依存症対策だと言いながら、与党協議の中でいつの間にか、外してしまいました。

 三つは、カジノを規制するカジノ管理委員会の問題です。カジノ管理委員会の経費は、カジノ事業者が払います。石井啓一カジノ担当大臣は「カジノ管理委員会の事務局にはカジノの実態を知る人を任用することもある」とカジノ事業者が事務局に入ることを認めました。金も人もカジノ事業者に依存するカジノ管理委員会は、カジノ推進機関になりかねません。

 このカジノ法案の背景にあるのは、日本国民をターゲットと狙う米国カジノ企業の要求です。

 昨年2月、安倍総理がトランプ大統領との初の首脳会談を行った日の朝食会には、米国カジノ企業のトップ3人が出席していました。そのうちの1人は、トランプ大統領の最大の支援者であります。安倍総理はその場で、カジノ推進の法律をつくったと紹介しました。まさにカジノ企業の要求に応えるものでした。

 このようなカジノ法案の採決強行を図ろうとする山際委員長の解任は当然であります。

 第2に、山際委員長の公文書改ざん問題への姿勢であります。

 森友学園との国有地取引に関する財務省の公文書改ざん事件は、「国会の国政調査権を冒涜し、国会と行政との信頼関係を損なっただけでなく、民主主義の根幹を揺るがし、国民の行政に対する信頼を著しく損なうものである。公文書管理を所管する委員長として、政府に対し、徹底した真相究明を行い、再発防止に向けた根本的な対策を講じることを強く要望する」と委員会において発言したのは誰だったか。山際委員長自身であります。

 しかし、実際に行ったことは何か。国会審議の前提を掘り崩す異常事態を放置し、自らの発言さえ覆して、真相究明に背を向け、悪法の成立を最優先してきたのであります。断じて認めることはできません。

 第3に、そもそも山際委員長の内閣委員会の運営は、与野党の合意にもとづく公正円満な運営をことごとく踏みにじり、政府・与党のいいなりで、数々の政府提出の重要法案の採決を強行する、異常極まるものであります。

 今国会、冒頭の大臣所信質疑から職権で委員会を強行したことにはじまり、子ども子育て法案では、野党5会派 に一度も質問させないまま、与党質疑3時間のみで採決を強行したのであります。このとき、野党の厳しい批判の前に、山際委員長は「全会派参加の下での充実した審議の機会が妨げられたことは誠に遺憾」と、その誤りを認めました。

 ところが、その後もPFI法案で野党ぬきの審議を強行し、さらに日本経済と国民生活に大打撃を与えるTPP関連法案では、わずか十七時間の質疑で強行採決したのであります。

 悪法の成立に加担し、議会制民主主義を踏みにじって恥じない山際委員長が、もはやその職責を果たし得ないことは明白であります。

 以上、山際委員長解任決議に賛成の討論をおわります。

オーフス条約と日本の環境民主主義/勉強会に参加

 国会公共事業調査会(仮称)準備会の勉強会に参加。テーマは「オーフス条約と日本の環境民主主義」。講師は大久保規子大阪大学大学院法学研究科教授。

 オーフス条約(環境に関わる、情報の入手、意思決定への公衆参加及び司法の利用に関する条約)は「環境問題はすべての関係市民が参加することによりもっとも適切に取り扱われる」とのリオ宣言第10原則を具体化した条約であり、市民参加の国際標準だといいます。

 欧州などの先進事例に学びながら、公共事業、公共政策が産業政策に従属している日本の現状を変えるために、市民のみなさんと力を合わせていきたいと思います。

カジノ法案/野党合同ヒアリング

 カジノ法案野党合同ヒアリング。

 与党がカジノ法案の審議を拒否している下で、法案の問題点を明らかにしていこうと開いたものです。

 依存症対策の観点で決めたはずのカジノ施設上限面積(1万5千㎡)の規定が、いつの間にか消えてしまったのは、自民・公明のプロジェクトチームの議論によるものだということをIR推進事務局が認めました。「3万㎡はほしい」と言っていたカジノ事業者の要求を反映したものです。不透明な政策立案過程を明らかにすべきです。


「しんぶん赤旗」6月14日付・2面より

カジノ法案問題点次々/野党合同ヒアリング

 カジノ実施法案をめぐる初の野党合同ヒアリングが13日、国会内で行われました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の野党5党1会派の議員が、内閣府のIR(統合型リゾート)推進本部事務局から、法案の問題点について聞き取りました。

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員が、政府のIR推進会議が依存症対策として示していたカジノ面積の絶対値(上限値)での規制が法案から削除された経緯をただしたのに対し、中川真同本部事務局次長は「与党プロジェクトチームの議論を経たもの」と答え、与党の検討の過程で消えたことが明確になりました。

 中川次長が削除の理由について「公益目的の制約要因になりかねない」と説明したのに対し、塩川氏は「『公益』というが(IRの収益の)7~8割はカジノの収益であり、カジノにかかる制約を取り払ったものだ」と指摘しました。

 出席議員からは▽カジノの違法性の阻却(そきゃく=しりぞけること)要件について法務省独自の検討がされていない▽面積制限は賭博機器の設置面積だけに限定されている▽カジノ事業者による客への資金貸し付けの上限額が事業者まかせ―など多岐にわたる問題点が出され、慎重な審議を求める声があがりました。

カジノ解禁に反対/緊急記者会見・勉強会に出席

 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会によるカジノ解禁に反対する緊急記者会見・勉強会に出席。わが党から大門議員も同席。立憲民主党、国民民主党、自由党の議員も参加しました。
 
 法案審議のなかで次々、その問題点が明らかになっています。徹底審議で廃案に追い込むため、全力を挙げます。
 
 
 
 

「しんぶん赤旗」6月13日付・15面より
カジノ実施法案/徹底審議で廃案/全国反対協が緊急院内集会
 
 全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会(代表・新里宏二弁護士)は12日、国会内で緊急集会を開き、カジノ実施法案の成立を許さない声明を発表しました。
 
 新里代表は「日本で初めて民間賭博を解禁するという暴挙を許すわけにはいかない。問題点を共有し、たたかいを広げたい」とあいさつしました。
 
 静岡大学の鳥畑与一教授は報告で、米国のラスベガス・サンズなど海外のカジノ資本の日本進出のねらいを解明しました。日本弁護士連合会、主婦連合会など各団体の代表が発言しました。
 
 日本共産党の塩川鉄也衆院議員、大門実紀史参院議貝が参加し、あいさつ。塩川氏は「徹底審議を通じて廃案に追い込むため全力を尽くします」とのべました。立憲民主党の阿部知子、福田昭夫両衆院議員があいさつしました。
 
 声明は、同法案のカジノ「規制策」の具体的内容が政省令に丸投げされているため「熟議を阻む」ことになっているとしたうえ、カジノ事業者による客への貸し金制度は「客がカジノから離れるのを許さず身ぐるみ剥いでいくためのわな」だと批判。「カジノ合法化は我が国の確立した法秩序に対する重大な挑戦」であり、「本法案、そしてカジノ合法化そのものに反対する」としています。
 
カジノ実施法案/反対が上回る/NHK世論調査
 
 NHKが12日報じた世論調査の結果で、カジノ実施法案について「賛成」16%、「反対」38%、「どちらともいえない」36%と、反対が賛成を大きく上回っていることが明らかになりました。
 
 国会会期末の20日に向けて、政府・与党は同法案を強引に成立させようとしています。
 
 それが最悪の民意無視であることが、同調査結果からも浮かび上がっています。

衆院内閣委員長解任決議案/カジノ実施法案めぐり野党5党1会派が提出

 今日、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の野党5党1会派で、山際大志郎衆院内閣委員長解任決議案を提出しました。
 
 解任決議案の提出理由について、5党1会派は、山際委員長が重要広範議案で、国民の多くが成立に反対しているカジノ実施法案の採決をわずか18時間程度の質疑で強行しようとしているのは「言語道断」。「言論の府である国会の権威を踏みにじるものだ」と批判しています。
 
 委員長解任決議案の提出に伴い、委員長職権によって決められているカジノ実施法案採決の13日内閣委員会は開かれない見込み。解任決議案は14日の本会議で採決される見通しです。

カジノ実施法案/与党採決を狙う/野党4党1会派は抗議/徹底審議を

 今日の内閣委員会理事懇談会で、山際大志郎委員長(自民党)は、刑法が禁じる賭博場・カジノを解禁するカジノ実施法案を、13日の委員会で質疑を打ち切り、採決する日程を職権で決めました。
 
 日本共産党、立憲民主党、国民民主党、自由党、無所属の会の野党4党1会派はこれに抗議し、徹底審議を求めました。
 
 野党側の内閣委員会理事・委員はその後開いた共同記者会見で、地方・中央公聴会、参考人質疑を含め国民の声を聞くことなど4点を再度要求しました。
 
 カジノ事業者による貸金業務やカジノ管理委員会の“推進機関化”への懸念がある。米国など海外カジノ企業の要請にこたえる『カジノ事業法』の具体化であり、国民の暮らしを損なう重大問題だ。国民の理解は得られていない。徹底審議を求める声にこたえて野党は力を合わせていきます。

埼玉・寄居町/日本共産党のつどい

 埼玉県寄居町で日本共産党のつどい。大澤ひろし町議宅で、コーヒーを飲みながらおしゃべり。

 森友問題、参院選挙制度改革、共産党への偏見、オスプレイ配備、米軍機の低空飛行訓練、北朝鮮問題と米朝首脳会談、待機児童問題と予算の使い方、集め方など、あっという間の2時間でした。

 山の草木を燃やすと、その灰からは今なお、高い放射線量が計測され、子どもたちとたき火を楽しむことができないと聞きました。原発事故は終わっていません。

群馬県党会議であいさつ

 火山噴火災害対策や米軍機低空飛行訓練反対、オスプレイ配備撤回の取り組みなど、悪政の告発、要求運動の前進のために力を合わせてきました。
 
 昨年の総選挙での野党協力が、国政私物化追及をはじめとした国会での野党共闘を前進させる力になっています。
 
 野党共闘の前進、日本共産党の躍進で、安倍政権を退陣に追い込もう!
 
 館林や昭和、渋川などの中間選挙勝利、来年の統一地方選、参院選勝利を!
 
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【「しんぶん赤旗」掲載】根本問題噴出するカジノ実施法案/徹底審議し廃案に

「しんぶん赤旗」6月10日付・2面より
 
 刑法が禁じる賭博場・カジノを解禁するカジノ実施法案を審議している衆院内閣委員会は、与党が質疑打ち切り・採決を提案する一方、野党4党1会派が徹底審議を要求する緊迫した状況が続いています。
 
 同委員会では先週の6日に1時間25分、8日に1時間45分というきわめて短い時間の質疑しか行われていません。いずれも委員会の定例日で、終日質疑を行う条件があったのに、与党が質問時間の切り詰めを求める「与党の審議拒否」(日本共産党の塩川鉄也議員)が起きたのです。
 
業者が客に貸し付け
 
 塩川氏が追及した「特定資金貸付業務」は各党が取り上げ、その問題点がいっそう鮮明になりました。カジノで手持ち資金を使い果たした客にカジノ事業者が賭博資金を貸し、さらに深みにはまらせる業務です。
 
 「世界中のカジノでやっていることだから事業者には当然需要がある」(内閣府の中川真IR推進本部事務局次長)という答弁が示す通り、政府は日本に進出する米国など海外のカジノ資本の要求をくんで、法案に組み込みました。
 
 塩川氏が追及したカジノ施設の面積上限の絶対値の規制が取り払われた背景にも、海外カジノ資本の強い要求があります。
 
 カジノ事業を規制・監督する「カジノ管理委員会」の抱える矛盾も深刻です。独立した行政委員会として強い規制権限を持つ同委員会が、カジノ事業を推進する側の官庁との関係を遮断されておらず、事務局にカジノ事業者の任用も妨げないという″ズブズブ″の関係となり、規制どころか推進の機関になる危険性を指摘した塩川氏の質問に、委員会室がどよめきました。
 
刑法は民営賭博禁止
 
 同法案は、刑法が犯罪として禁止している民営賭博を合法化するものです。
 
 安倍晋三首相は、カジノ解禁は、「刑法の賭博を禁止している法制と整合性がとられている」と繰り返し答弁しました。政府の論理は、カジノ法制の整備を政府の責務としたカジノ解禁推進法は「刑法との整合性の検討」を求めている↓政府は整合性を検討したうえ実施法案を準備した↓実施法案は刑法と整合性がとれている――という循環論法に陥っており、到底通用しません。
 
 安倍首相はカジノ解禁の「経済効果」を強調しますが、政府は「定量的な試算はできない」(中川次長)といい、カジノがもたらすマイナスの効果は度外視しています。
 
 カジノの運営基準を定める膨大な法案であるにもかかわらず300項目以上が政省令やカジノ管理委員会規則に委ねられており、審議すればするほど制度の根幹にかかわる問題が噴き出す状況です。
 
 質疑打ち切り、採決などとんでもありません。徹底審議したうえ、同法案は廃案にすべきです。

法案徹底審議求める/衆院内閣委理事会を受け4野党1会派が記者会見

 カジノ実施法案を審議している衆院内閣委員会の理事会で、与党が同法案の審議の終局と採決を提案したのに対し、野党が徹底審議を求めて折り合わず、12日に理事懇談会を開き、改めて協議することになりました。

 理事会後、日本共産党、立民、国民、自由、無所属の会の4野党1会派は共同で記者会見し、「与党の『もう議論しない』という態度は一貫している。憤りを感じる」と批判。
1)地方・中央公聴会の実施など十分な審議時間の確保
2)カジノが地域経済社会に与える負の影響や政省令事項の内容など資料の提出
3)カジノ客に日本人が主対象になっていることへの説明
――を審議で徹底して追及すると決意表明しました。

 今日の審議でも、規制機関とされたカジノ管理委貝会にカジノ事業者が入れることを大臣自ら認め、カジノ推進の機関だとはっきりした。さらなる審議が必要だ。

【内閣委員会】カジノ法案/規制機関が推進側に/金も人も事業者任せ

 カジノ実施法案の質疑。カジノの規制機関として置かれる「カジノ管理委員会」が「カジノ推進機関」になる危険性を追及しました。石井啓一IR(統合型リゾー卜)担当相は否定できませんでした。

 政府は、カジノ管理委員会は組織として独立性を有すると説明しています。

 わたしは、カジノ管理委員会とIR推進側の官庁の人事交流は規制するのか――とただしました。

 石井担当相は管理委員会事務局の職員について「他省庁との人事交流に制限はない」と答弁。

 原子力規制庁では職員が原子力利用推進側の行政組織に配置転換するのを禁止する「ノーリターンルール」があるのに、カジノ管理委員会に同様の規定がないことをただすと、石井担当相はIR推進省庁と管理委員会の「行政目的は対立するものではない」と答えました。

 信じられない答弁だ。これではカジノを規制・管理するどころか、推進の立場でカジノを拡大することになる。

 さらに、カジノ管理委員会事務局にカジノ事業者を入れることを質問すると、石井日当相は「カジノを管理するためにはカジノの実態を知っている人を任用することもありうる」と述べ、委員会室から驚きの声があがりました。

 カジノ管理委員会の独立性は確保されておらず、経費はカジノ事業者が負担し、規制の仕組みはカジノ事業者の方が精通しており、事業者との人的結合もあり得る。カネも人もノウハウ(必要な知諏)も事業者に依存することになる。規制ではなく推進機関になりかねない。法案の徹底審議を求めました。

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「議事録」
<第196通常国会 2018年06月08日 内閣委員会 26号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、今、質疑もありましたカジノ管理委員会について質問をいたします。
 この第六回のIR推進会議の資料で、カジノ管理委員会というのがあります。これを見ますと、カジノ管理委員会の権限の行使に当たっては、IR推進、振興に関係する他の行政機関や利害を有するカジノ事業者との関係を踏まえ、組織として独立性を有し、公正中立な立場での意思決定及び手続等が求められるとあります。
 つまり、組織としての独立性を担保をするために、IR推進の他の行政機関との独立性、またカジノ事業者との独立性、これが問われているということが指摘をされているわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、このカジノ管理委員会の事務局が組織として独立性を担保するために、カジノ管理委員会事務局とIR推進の行政機関との人事交流を規制するという規定は、法文のどこにありますか。

○石井国務大臣 今回のIR整備法案におきましては、IRの推進を通じた公益の実現を担うIR主務大臣、カジノ施設の設置、運営に関する秩序維持等を担うカジノ管理委員会という、行政目的を異にする二つの組織が新たに設けられることになります。そして、これら二つの行政目的は、互いに相反するものではありません。
 カジノ管理委員会は、世界最高水準のカジノ規制を公正中立な立場から担う存在としまして、内閣府のいわゆる三条委員会として設置することとしておりまして、カジノ管理委員会の事務局の職員につきましても、委員会の指揮命令のもと、公正中立かつ厳格にカジノ規制事務の執行に当たることとなります。
 カジノ管理委員会が担うカジノ規制の内容は多岐にわたり、また専門的な知見を必要とすることから、厳格なカジノ規制を実現するため、幅広い業務の特性に応じた人材を行政各分野から確保していく必要があるところであります。
 カジノ管理委員会の事務局につきましては、他省庁との間で行われる人事交流について制限を設けることは考えておりません。

○塩川委員 それはおかしいですね。だって、カジノ管理委員会の事務局について、IR推進会議の取りまとめにおいても、カジノ管理委員会は、IR推進、振興に関係する他の行政機関とは一線を画し、カジノに関する規制を厳格に執行する行政委員会として位置づけるべきとあるわけです。明確に区分する必要があるんですよ。IRを推進する部局と、まさにカジノを規制する、カジノを管理する部局と、これは人的にも分けるのは当たり前じゃないですか。
 三条委員会の議論でも、一番問題となったのが原子力規制委員会でしょう。まさに原子力を推進する機関と規制する機関の分離が必要だ、その人的な交流は行わない、こういう議論がずっと行われてきたじゃないですか。
 原子力規制委員会の設置法では、原子力規制庁の職員については、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めないという、いわゆるノーリターンルールが規定をされています。経産省や文科省の原子力担当、原子力委員会の事務局などには配置転換ができません。
 原子力に係る推進機関と規制機関の分離を図る観点で実施をされているわけで、IR推進の行政機関とカジノ管理委員会事務局の間でのこういうノーリターンルール、カジノ法案で規定しないのか。独立性を言うのであれば、そういうことこそ必要じゃないですか。

○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま、推進会議の中でのこの一線を画するという御指摘でございますけれども、これは先ほど石井国務大臣の方から御答弁がございましたように、カジノ管理委員会のマンデートは、カジノ事業の廉潔性を確保するということが明確にある。一方、IR事業を担当する主務大臣は、IR事業を通じて日本を観光先進国に引き上げていく、そういう公益を実現することを監督していくということで、行政目的が異なるということを触れたものでございます。

○石井国務大臣 御指摘の原子力規制庁については、従来、原子力を推進する経済産業省に規制を担う機関が属し、規制機関の独立性が欠如するという中にあって、安全が軽んじられていたこと等の反省に立って、いわゆるノーリターンルールが設けられたものと承知をしております。
 今、先ほどから御説明申し上げておりますように、今般、IR主務大臣とカジノ管理委員会、二つの組織が新たに設けられるわけでありますが、これら二つの行政目的は、互いに相反するものではありません。
 なおかつ、カジノ管理委員会は、いわゆる三条委員会として、公正中立な立場からカジノ規制を担う存在として設けられるものでありまして、事務局職員についても、委員会の指揮命令のもと、公正中立かつ厳格にカジノ規制事務の執行に当たることになります。
 したがいまして、行政各分野からカジノ管理委員会に人事交流等で出向したとしても、それでもってカジノ管理委員会の公正中立な立場が失われるということはないというふうに考えております。

○塩川委員 いや、信じられないですね。IRを推進するためにもうけを上げようと思えば、カジノの収益を上げるというのが一番だと。もうけ、八割がカジノから来ているんですから、IR推進、どんどん広げようと思えば、カジノをどんどん広げるということにならざるを得ないじゃないですか。それはもう、カジノ管理委員会の目的、きちんとした規制をするというところと相反する方向なんですよ。だからこそ、組織としての独立性を担保するということを、事務局の議論でも有識者の議論でも行ってきたんじゃないですか。
 こんなところについても、これでは結局、規制、管理するどころか、IR推進の目的のためにどんどんどんどんカジノを拡大する、こういうことにならざるを得ない。まさにそういう法案の中身だということをみずから認めているという点でも、極めて重大だと言わざるを得ません。
 もう一つ指摘をしたいのが、このカジノ管理委員会が組織として独立性を有するために、カジノ管理委員会事務局にカジノ事業者を入れるということはないですね。

○石井国務大臣 カジノ管理委員会は、世界最高水準のカジノ規制を公正中立な立場から担う存在として、内閣府のいわゆる三条委員会として設置することとしておりまして、カジノ管理委員会の事務局職員については、委員会の指揮命令のもと、公正中立かつ厳格にカジノ規制事務の執行に当たるものであります。
 カジノ管理委員会の職員の外部からの任用に当たっては、監督等の対象となるカジノ事業者等との間の癒着など、カジノ規制事務の公正性、中立性にいささかの疑念を持たれることのないようにすることが前提でございます。

○塩川委員 だから、癒着など中立公正性を損なうようなことがないように、人的な交流を禁じるということが必要じゃないかと聞いているんですよ。
 大体、この法案の中にも、カジノ管理委員会の委員長又は委員は、カジノ事業者はなることができないと規定しているんですよ。委員長や委員についてはカジノ事業者、関連の事業者はなることができないと規定しているんだったら、このカジノ管理委員会の事務局も禁止すればいいじゃないですか。禁止すればいいでしょう。どうですか、大臣。

○石井国務大臣 これは、カジノ事業者から、外部から職員を任用するかどうかというのは、それは明確に定めていないところでありますが、ある意味で、カジノを管理するためには、カジノの実態を知っている人を任用するということも一つあり得るかもしれません。
 ただし、先ほども申し上げたように、カジノ事業者との間の癒着など、カジノ規制事務の公正性、中立性にいささかの疑念を持たれないようにすることが大前提ということであります。(発言する者あり)

○山際委員長 御静粛にお願いします。

○塩川委員 だから、中立公正性に疑念が持たれないように、カジノ事業者は事務局に入れないと規定すればいいじゃないですか。何でそんなこともできないのか。
 そもそも、カジノ管理委員会の経費という、皆さん、カジノ管理委員会の経費は誰が負担するのか。規制対象のカジノ事業者が負担するんですよ、納付金から出るんですから。また、カジノ規制の仕組みについてはカジノ事業者の方が精通しているということは、大臣もお認めになっておりますから。
 カジノ管理委員会は、カジノ規制のノウハウについてもカジノ事業者に劣後をし、カジノ事業者との人的結合、官民癒着の疑念は排除をされず、財政的にもカジノ事業者に依存する。金も人もノウハウもカジノ事業者に依存する。カジノ管理委員会は、カジノ規制機関ではなく、カジノ推進機関になりかねないじゃありませんか。
 規制機関が規制される事業者に取り込まれる、規制のとりこが大問題となった、あの原発事故の過ちを繰り返してはならないのではありませんか。
 さらなる徹底審議を要求する、このことを強く求めて、質問を終わります。

カジノ法案めぐり緊迫/野党“徹底審議は国民の声”

 日本共産党、立民、国民、自由、無所属の会の野党4党1会派の衆院内閣委員会理事・委員は7日、国会内で共同で記者会見し、カジノ実施法案の徹底した審議を求めました。

 与党が同委員会での採決を提案したのに対し、
野党は――
▼地方・中央公聴会、参考人質疑など国民の声を聞くこと、十分な審議時間の確保
▼カジノが地域経済社会に与える負の影響、法案が政省令に委ねている事項の内容など必要な資料の提出

○負の影響試算には、最重要である地域経済社会への影響などが含まれていない。また、海外のカジノ事業失敗事例、本法案に基づく失敗ケースの判断要件、撤退手続きや対応コスト試算など明らかにせよ。
○政省令については、具体的な想定概要を明らかにせよ。
○推進会議「とりまとめ」内容などと政府答弁には乖離や不明点があり(例えばカジノ面積上限)、乖離した結論に至った経緯、与党間協議を含め、資料を明らかにせよ。

▼カジノ客の構成(外国人と日本人)など答弁がなかった点の明確化
――の3点を共同要求として政府・与党に迫りました。

 質疑時間が与党の主張で短時間に抑えられるなど、「与党による審議拒否」が起きている。国民多数がカジノ反対の声をあげている。『世界最高水準』とうたっているカジノ『規制』には、面積の上限やカジノ事業者による客への貸し付けなどで穴が開けられ、その背景に日本進出をめざす米国などのカジノ資本の要求があることが浮かび上がっている。「徹底審議が必要だというのは、国民の声だ。

カジノ法案/与党が8日採決を提案、野党一致して反対

 カジノ実施法案を審議している内閣委員会の理事懇談会で、今後の日程を協議。

 与党は8日の法案採決を提案しました。野党は一致して採決に反対し、さらなる質疑を求めました。8日は1時間45分間の質疑を行うことを決めました。

 わたしは、質疑終局、採決は認められない。質疑を続行せよ――と主張しました。