北浦和公園で行われた「立憲主義を取り戻す!戦争させない!9条こわすな!6・3オール埼玉総行動」に1万3500人が参加!
全県の団体・個人が結集した総行動実行委員会が主催し、小選挙区単位の15の地域連絡会などが共催、埼玉弁護士会・連合埼玉・埼労連が後援する集会です。
政党代表として、日本共産党・立憲民主党・国民民主党・社会民主党・自由党があいさつ。わが党は田村智子副委員長。
市民と野党の共闘が継続、発展しています。この力をさらに大きくして、安倍政権を退陣に追い込もう!

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今日の内閣委員会終了後、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、日本共産党、自由党の内閣委理事・委員が、カジノ実施法案の徹底審議を求める共同記者会見を行いました。
今日の理事会で、以下の3項目を与党側に要求していることを明らかにしました。
わたしも、わずかな審議時間でも法案の問題点が明らかとなった。徹底審議が必要だ――と強調しました。
1)国民の声を聞くこと。国民の多くがIR、カジノについて、反対、疑問の意見を持っている。国民の声をしっかりと受け止めるために、地方公聴会、中央公聴会を行うこと。また有識者(法制度にかかわる専門家も含めて)やIR事業者など関係者の意見を聞く場として、さらなる参考人質疑を行うこと。
2)十分な審議時間を確保すること。昨日の参考人質疑でも「国会で慎重かつ十分な審議を」と要望されていた。また200条を超える新法は、介護保険法以来、21年ぶりのことであり、きわめて重要な法案であることは、与野党共通の認識である。介護保険法が、3国会にわたって50時間超の審議を行ったことを踏まえて、それを下回らない審議時間を確保すること。
3)充実した審議に資するための資料の提出を求める。
・IRの経済効果について、我が国における規模、また社会に及ぼす負の影響を含め、政府としての試算を示すこと。
・350項目に及ぶ政省令事項について、その概要を明らかにすること。
・IR法案提出に向けた与党協議における議論の内容及び政府提出資料の開示。
・その他
与党が今国会での成立を狙うカジノ実施法案を審議している内閣委員会で、安倍晋三首相への質疑を行いました。わたしは、賭博であるカジノを収益エンジンにするIR(統合型リゾート)を経済政策に掲げることを国民は受け入れていない――として、同法案の撤回を強く求めました。
同法案は2016年12月の国会で自民、公明、維新が強行成立させたカジノ解禁推進法を受け、政府の責任でカジノの運営解禁を定めるもの。成立すれば日本国内で、依存症、多重債務、地域社会の荒廃をもたらすことが懸念されるカジノが解禁されます。
わたしは、直近の世論調査でカジノ解禁「反対」が「賛成」を圧倒していることをあげ、首相の認識をただしました。
安倍首相は「(IRが)日本の成長戦略に資する経済効果を有することについてイメージの共有が道半ばだ」とのべ、カジノ解禁に執着する態度をとりました。
わたしは、17年2月の日米首脳会談でトランプ米大統領が首相にたいして米国の巨大カジノ企業名を示したとされる報道(「日経」同6月10日付)を示し、事実を確認。
首相は「トランプ大統領からそんな話はなかった」と答えました。
さらに、この首脳会談当日の全米商工会議所・米日経済協議会共催の朝食会に米大手カジノ企業のトップが出席している。日本のカジノについての要望をきいたのではないか――と追及しました。
首相は、自身が、成立したばかりのカジノ解禁推進法を紹介し、課題解決に協力すると意見があったことを認めました。
ギャンブル依存症対策として検討されたIR施設内のカジノ面積規制が、米カジノ企業の意向に沿って緩和された疑いがある。米国側の要望などの資料提出を要求。カジノ企業の要求ではなく国民の声を聞け――と法案撤回を求めました。
「議事録」
<第196通常国会 2018年06月01日 内閣委員会 24号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
安倍総理にお尋ねをいたします。
IRというのは、まさに収益のエンジンとしてのカジノを行うもの、だからカジノ解禁ということになるわけですが、このカジノ解禁に国民の多数は反対の声を上げている、六割、七割以上の方々が反対だ。こういうカジノ解禁に反対の声が多数だ、その理由はなぜだと総理はお考えですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど来答弁をさせていただいておりますように、このIRについては、カジノにばかり焦点が当たっていることから、その弊害を心配される方が多いのではないか、このように思います。
○塩川委員 カジノが収益エンジンなんですよ。まさにカジノで成り立っているのがIRなんですから。そのカジノの解禁について国民は不安を持っている。その理由について、国民の声を率直に受けとめるのであれば、なぜそう国民が思っているのか、そのことについてしっかりと総理として受けとめるべきじゃありませんか。なぜ国民がそういう反対の声を上げているのか。
○安倍内閣総理大臣 そこは、まさに先ほど答弁をさせていただきましたように、さまざまな弊害を心配しておられる声があるということは承知をしております。
そこで、カジノの設置については、依存症防止対策、犯罪・治安維持対策、あるいは青少年の健全育成対策として厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところであります。
政府としては、IR整備法案の策定に当たり、その制度の大枠について、パブリックコメントや説明会を実施し、国民の意見を丁寧に伺う機会を設けてきたところであります。また、今後、単なるカジノ施設ではない日本型IRのイメージを具体的に共有させていただくための全国キャラバンを実施していく考えであります。
引き続き、国民に丁寧に説明を行うとともに、依存症防止対策などに万全を期しながら、世界じゅうから観光客を集める滞在型観光を推進してまいりたいと思います。
○塩川委員 いや、だから、いろいろな対策をとらなければいけないような弊害を生むのがカジノの解禁なんですよ。依存症ですとか、治安ですとか、青少年への影響を懸念する、こういった国民の不安の声があるからこそ、カジノ解禁に反対が多数なんですよ。そのカジノ解禁をまさに中核とするIRであるわけで、安倍政権が成長戦略として日本型IRの整備推進を掲げているわけです。
依存症や生活の破綻などをもたらす賭博であるカジノを収益エンジンとするIR、これを経済政策に掲げることに国民は納得していないということじゃありませんか。
○安倍内閣総理大臣 納得していないということは、今、再三答弁をさせていただいたところでありますが、いわばカジノにばかりこれは焦点が当たることによって、弊害について心配をされる声がある、こういうことではないか、これが大きな理由ではないか、こう思うところでございます。
私自身も、以前、シンガポールの二つのIR施設を視察してまいりました。カジノによるさまざまな弊害についてかなり厳格な対応がとられていることや、カジノの収益を活用して新たな雇用や文化への投資を生み出す、大変な国際競争力を有する異次元のリゾート施設となっていることを知り、IRのイメージについては私も大きく変わったところであります。
日本型IRは単なるカジノ施設ではありませんが、依存症防止や犯罪、治安維持に万全の対策が講じられ、また、日本の成長戦略に資する経済効果を有することについて、イメージの共有が道半ばであると感じております。
今後とも、国民に繰り返し丁寧に説明を行うことに注力をし、世界じゅうから観光客に来ていただけるような滞在型観光を目指していることに理解を得るよう努めてまいりたいと思います。
○塩川委員 いや、そのシンガポールのIRのもうけの七七%はカジノなんですよ。こんなカジノを中心としたようなビジネスが行われるということについて国民は納得をしていないわけで、カジノで地域経済振興、カジノで金もうけというのは国民は受けとめていない、こういうのは受け入れていないということを強く申し上げておきます。
そこで、別な角度からお尋ねしますが、日本経済新聞の二〇一七年六月十日付で、昨年の二月の日米首脳会談について報じた記事がありました。ここでは、晋三、こういった企業を知っているか、アメリカで開いた二月十日の日米首脳会談、トランプ大統領は安倍晋三首相にほほ笑みかけた、日本が取り組むIRの整備推進方針を歓迎した上で、米ラスベガス・サンズ、米MGMリゾーツなどの娯楽企業を列挙した、政府関係者によると首相は聞きおく姿勢だったが、隣の側近にすかさず企業名のメモをとらせたとあります。
これは事実でしょうか。
○安倍内閣総理大臣 まるでその場にいたかのごとくの記事でございますが、そんな事実は、これは全く、一切なかったということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○塩川委員 にわかに、そういった話がないと言えるのかということで、その日は、朝、首脳会談に先立って、総理出席の、全米商工会議所、米日経済協議会の共催の朝食会が開かれていたわけであります。アメリカ側からは、ビジネスリーダーが十四名参加をしている。そのアメリカ側のビジネスリーダーの十四名の中には、ラスベガス・サンズの会長、MGMリゾーツの会長、シーザーズ・エンターテインメントのCEOなど、カジノ企業のトップが出席をしているわけです。その場に総理が出席をして、意見も聞いている。
直接、日本のIRカジノについて、米国の企業から要望をお聞きになったんじゃありませんか。
○安倍内閣総理大臣 それは、全米商工会議所、米日経済協議会共催朝食会では、超党派の連邦議員や米国企業CEO等、日米関係のさらなる強化に向けて意見交換を行ったところであります。私からは、二〇一六年十二月にIR推進法が国会を通過し、公布、施行されたこと等を紹介したところでございます。
参加者の中にはカジノ経営者が含まれておりましたが、統合型リゾート施設は観光立国を目指す日本にとって有益である点、また、IRに対する社会的懸念等の課題の解決に貢献していきたい等の発言があったところでございますが、そこにはトランプ大統領はもちろん出席はしていないわけでございますし、繰り返しになりますが、トランプ大統領との間においてはそんな会話は一切なかったということでございます。
○塩川委員 その具体的な要望の中身をぜひ明らかにしていただきたいと思っています。トランプ大統領の最大の支援者がこのラスベガス・サンズのアデルソン会長だと言われているわけで、そういう点でも、実態はどうかということをぜひ明らかにしていただきたい。
この共催の朝食会での具体的なアメリカのカジノ企業の要望について、明らかにしていただけますか。
○安倍内閣総理大臣 急な御下問でございますが、今事務方に確認をいたしましたら、要望等は一切なかったということでございます。
○塩川委員 その辺については改めてお尋ねしたいと思っています。
私は、今回のカジノ実施法案の内容において、当初、依存症対策のためにも一万五千平米というカジノ施設面積の上限規制があったのに、それを外してしまうという経緯があるということは、きょうの委員会でもただしたところであります。
そういったときに、昨年の七月の取りまとめで出されていた一万五千平米という上限規制を結果として法案でなくした、その経緯の中で、この間、ラスベガス・サンズのアデルソン会長や、あるいはMGMの日本法人のエド・バワーズCEOなどが、こういった上限設定を外してくれとか、最低三万平米は欲しい、こういう要望を上げていたわけであります。
そういう意味でも、私は、絶対値の規制をIR施設面積に占める割合に変えたというのは、依存症対策よりも、このようなカジノ事業者の要求を優先したと言わざるを得ないのではないのか。この点について、総理のお考えをぜひお聞かせいただきたい。
○安倍内閣総理大臣 今、突然の質問でございまして、午前中のやりとりについて私は聞いておりませんので、何ともお答えのしようがないわけでございますが、いずれにいたしましても、我々、先ほど申し上げましたように、しっかりとさまざまな懸念に対しては対応していきたい、こう考えておりますし、海外から多くの観光客がやってくる、そういう施設にしたい、このように考えております。
○塩川委員 カジノで金もうけなど、国民の理解は得られません。カジノ企業の要求ではなく国民の声こそ聞け、カジノ実施法案は撤回せよ、このことを申し上げて、終わります。
カジノ実施法がIR(カジノを中核とする統合型リゾート)施設内に置くカジノの面積規制が法案段階で緩和された背景となった資料の提出を求めました。
法案の準備段階で、政府のIR整備推進会議「取りまとめ」では「依存症予防等の観点から…相対的な位置づけのみではなく、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきである」とされていました。ところが2月から始まった与党協議で突然、絶対値の制限がとりはらわれました。この結果、IR施設全体を大きくすれば、いくらでも大きなカジノがつくれる仕組みとなりました。
当初のカジノ面積規制案に米国のカジノ大手ラスベガス・サンズの会長が「われわれが望んでいたようなIRを実現できない」と強い不満を表明していた。海外のカジノ事業者の要求を優先したのか――と追及。
中川真・IR推進本部事務局次長は「立地地域や規模が未確定なためだ」と答えました。
根幹にかかわる問題だ。政策変更の経緯を明らかにし、与党協議の審議内容や政府提出資料などを開示すべきだと要求しました。
「議事録」
<第196通常国会 2018年06月01日 内閣委員会 24号>
○塩川委員
次に、カジノの施設面積のことについてお尋ねをいたします。
IR施設全体に占めるカジノ施設の面積に上限を設けるということですけれども、政令事項ということですが、どういう基準を設ける考えなのか、ここをちょっと説明してもらえますか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
IR整備法案では、カジノ施設の規模について、カジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の床面積の合計が、ただいま委員から御指摘がありましたように、政令で定める面積を超えないことというふうにしております。
この政令で定める面積についてでございますけれども、具体的には、我が国と同様に厳格なカジノ規制のもとで公共政策としてカジノを含むIRを整備し、一定の効果を上げているシンガポールのIRにおける実例なども踏まえまして、IR施設全体の延べ床面積の三%の面積とすることを考えてございます。
○塩川委員 IRの施設総面積に対して、カジノ施設の面積が三%を超えないことということでの説明がありました。
重ねて伺いますけれども、昨年七月のIR整備推進会議の取りまとめでは、カジノ施設の規模の上限等の設定について、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきであるとしていたわけです。相対的な位置づけのみではなく、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきであるとしていたその理由は何ですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
今、塩川委員御指摘の点は、昨年の夏に政府のIR推進会議での議論をIR推進会議が報告書として取りまとめた際の考え方だというふうに考えております。
その際の議論は、先ほども援用させていただきましたシンガポールにおきましては、法規制としてはシンガポールは、シンガポールのカジノ管理法の政令に相当する法令におきまして、専らカジノ行為の用に供する部分、シンガポールのお言葉では、ゲーミングエリアという言葉を使っておりますけれども、そこの部分を絶対値として一万五千平米以下に規制をするという法制が既にございました。それを参考にして、IRの推進会議の委員での御議論を経て、推進会議の報告書として取りまとめられたものと理解しております。
○塩川委員 IRというワードそのものもシンガポールがつくったと聞いていますけれども、それでよろしいですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
講学的に、IR、インテグレーテッド・リゾートという言葉の由来がどこにあるかということまでちょっと探求できてはおりませんけれども、確かに、シンガポールが二〇〇〇年代初めにこういう新しい政策の導入を議論した際に、二〇〇五年の四月だったと思いますけれども、リー・シェンロン首相の国会でのスピーチなどでインテグレーテッド・リゾートという言葉が登場していて、なお、その前には、例えば九〇年代などにはラスベガスなどではこのインテグレーテッド・リゾートという言葉は使われていなかったのではないかというふうに理解をしてございます。
○塩川委員 そういうように、リー・シェンロン首相がそういうワードも使いましたし、政策的な意図を持ってIRを推進したのはシンガポールであります。それに学んでいるのがこの日本ということになるわけです。
そのシンガポールが、カジノ施設面積について、もともと、立地の場所との関係で逆算的に、そもそもカジノの施設面積が一万五千平米だよというところから出発しているわけですよね。それを総面積で比較をすると、三%になっているということですから。出発点は一万五千ということだったわけです。ですから、先ほどの答弁の中でも、絶対値として一万五千平米に限定するというシンガポールの法規制の例が紹介をされていたところだったわけです。
ですから、昨年の取りまとめの段階では、相対的な位置づけのみではなく、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきだと。そういう際に、シンガポールを参考に、一万五千平米というのが出ていたわけです。
しかし、この法案の段階、政省令の話になっていますけれども、この上限規制、上限値(絶対値)というのは落ちてしまって、IRの施設床面積の三%以内という相対的な位置づけのみになってしまっているわけです。これはなぜですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御説明させていただきましたように、絶対値の規制を考えるべきだという議論は、IR推進会議の委員が、シンガポールの絶対値の規制を念頭に置いて、参考にしてまとめたものでございました。
その際には、いろいろ議論がございましたが、シンガポールでは、この一万五千平米の規制を導入するに当たって、実は、シンガポール政府は既に、その規制をつくる前から、今、二つのIRが立地している二つの敷地とそこの大きさとを、あそこはいずれもシンガポールの国有地でございますので、国自身が選定をし、ここの場所に、この大きさの敷地のところにIRをつくってほしいという発注を出したわけでございます。
したがいまして、お互い、一つはやや小さ目の敷地、もう一つはリゾート型の非常に大きい敷地ということになってございますので、そういう立地条件、敷地条件の違いがある中で、カジノの施設面積を有効に規制するには、専らカジノ行為に使われる部分を絶対値で規制するということになったんだというふうに考えております。
一方、推進会議の議論では、そういうものも参考にいたしましたけれども、現時点におきましては、推進会議が取りまとめをまとめたときもそうですし、まさしく今議論をしているこの時点におきましても、日本のどこに、どういう敷地に、どういう大きさの敷地にIRが立地するかということが不明確、未確定でございますので、上限を絶対値にするという考え方もあるとは思いますけれども、敷地条件だとかが明確になっていない中で絶対値で上限を設定いたしますと、カジノ事業の収益を活用して整備されるIRの施設規模が制限される可能性もございます。
そういう意味では、今、政府の考えでは、IR施設の延べ床面積の九七%をゲーミング以外の、ノンゲーミングの公共政策の目的に資する事業を行うものに当てたいという意図を持っているわけでございますけれども、そこの公共政策の目的がどの程度達成されるのかという上で制約要因になりかねないというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 それは逆さまなんじゃないですか。カジノの施設面積を広げたいという要求があるから、上限値(絶対値)を設けるということをやらないという話なんじゃないですか。
そもそも、要するに、立地の地域、規模が未確定というのは、今答弁にあったように、今もそうだし、昨年七月の取りまとめのときも同じなんですよ。でも、昨年の取りまとめのときには、上限値(絶対値)が必要だよねということになっているわけですよ。それは、前提は、その文書にも書いてありますけれども、依存症予防の観点から、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきだと。つまり、依存症予防の対策から上限値を設けましょうと言っているのが取りまとめだったんですよ。その限りでは、理屈のある話であるわけです。
では、今のように、上限規制ありませんということになった場合には、この依存症予防の観点というのはどこに行っちゃったんですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
昨年の七月末に推進会議が報告を取りまとめた際は、上限値を絶対値として規制するという考え方も出しておりましたけれども、同時に、カジノ施設をIR施設のごくごく一部に限る、そういう相対的な、比例に基づく概念を組み合わせて考えるという形で意見を取りまとめているところでございます。
したがいまして、依存症予防の観点からということでいえば、比例的に規模を規制していく、定率的に規模を規制していくということも含めて、依存予防の観点からの措置として意見が取りまとめられているところでございます。
○塩川委員 それはおかしいですよ。
だって、取りまとめには、依存症予防の観点から、相対的な位置づけのみではなく、上限値(絶対値)でもカジノ施設の面積の規制を設けるべきだと、両方かけているんですよ。相対的だけじゃなくて絶対値上限値も、両方かけているんですよ。だけれども、法案ではこの上限値(絶対値)を取り払ってしまった。一体どういうことなのかというところが、議論の経過が全く見えてこないんですよ。そのところがまさに問われているということを言いたいわけであります。
この点では、問われているのが、昨年の七月に取りまとめを行ったわけですけれども、その後にアメリカのカジノ資本からいろいろな要望が出てきております。
昨年の九月の一日に、米カジノ大手のラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長が大阪府庁を訪れて、府知事、大阪市長と会談をしました。アデルソン氏は、IR整備推進会議取りまとめを批判して、上限設定があると、カジノの収益で採算性の低い国際会議場や娯楽施設の運営が賄えず、我々が望んでいたようなIRを実現できないと述べていたということであります。
絶対値規制を取り払ったというのは、こういったカジノ事業者の要求を優先したからじゃないですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど来の議論で御答弁申し上げておりますとおり、IR整備法案そのものの目的は、日本を世界に冠たる観光先進国に引き上げていく原動力となる制度をつくるということがございます。
また同時に、世界最高水準の規制によって、依存予防ですとか、あるいは反社会勢力の排除といった、社会が持つ懸念事項に万全の対応をするという、この二つの目的があるわけでございます。
先ほど来塩川委員が御指摘のカジノ規模の規制につきましても、先ほど御説明させていただきましたように、上限を絶対値にするという考えもございますけれども、立地規模だとか立地条件だとか、その規模が未確定である状況の中では、一定の上限値で、絶対値で上限を設定いたしますと、日本にできるIRがノンゲーミングの部分でどういう公益を達成することができるのかという、そのポテンシャルに対する制約要因になり得るという判断に基づくものでございます。
○塩川委員 いや、ですから、説明がわからないんですよ。委員長もそう思いませんか。
そもそも、取りまとめでは、相対的な基準と絶対値上限値と、両方かけていたんですよ。それが、法案ではこの絶対値がなくなっちゃったんです。その経緯について説明がないじゃないですか。立地の地域が不確定だから、未確定だからと。それは、今だって去年の七月だって同じなんですよ。
何でこんなことになったのか、この経緯についてきちっと説明してもらわなくちゃいけないんですけれども、今の答弁というのはそれを答えていないですよね。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
昨年の夏に取りまとめられましたのは、推進会議の委員がまとめた、推進会議としての取りまとめでございます。
その後、政府といたしましては、この推進会議の取りまとめについて、さまざまな方から、内外の方を含めて、意見をいただくためのパブリックコメントも実施いたしましたし、また日本の各地に出かけて説明・公聴会をいたしました。
そういうパブリックコメントなどを踏まえて、寄せられた意見も踏まえて、政府の方で検討を進めた結果を先ほど来御答弁申し上げている次第でございます。
○塩川委員 いや、答えていませんよ。
肝心の政策変更の過程というのがわからないんですよ。だから、政策立案過程をきちっと記録をして、それを保存し、そしてその後、公開をするという公文書管理法の基準から照らしても、こういう説明は納得いかない。
実際、政策立案過程はどうなっていたのか、そういう文書を出してもらいたい。何で絶対値が落ちたのか、そのことについてはどんな議論を行ったのか、それをちょっと出してもらえますか。
○中川政府参考人 委員からの御指摘でございますので検討はさせていただきたいと考えておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、実施いたしましたパブリックコメントの結果などにつきましては、これまで政府が行ったパブリックコメントでは例を見ないぐらい、どういう意見がどれぐらいの数出てきていたのかということも含めて全て公開をしているところでございまして、政府といたしましては、これまでの制度設計の議論の透明性を確保するということにつきましては重々留意をしてきた所存でございます。
○塩川委員 パブリックコメントは、多数が反対なんですよ。
そういう話じゃなくて、そもそも、絶対値上限値について落ちてしまったという、その政策立案過程の文書をしっかり出してもらいたいと重ねて要望します。
その間には与党のワーキングチームが行われているんですよ。与党のワーキングチームでどういう議論をしていたかということもまさに問われているわけで、この核心となるような部分についてどんな議論をしたのか、こういうことというのは与党は責任を持って出していただきたいと思うんですよね。そこに当然政府は関連する資料も出しているわけですから、政府が出した資料もしっかりと出してもらって、絶対値上限値が落ちた、こういう経緯についてしっかりと本委員会に資料を提出していただきたい。
このことについて、委員長に求めます。
○山際委員長 後ほど理事会で協議いたします。
○塩川委員 この問題を見ても、まさに二百条を超えるような新法というのが、介護保険法以来二十一年ぶりとかということでも言われているわけで、三百数十項目と言われる政省令もある。これは本当に、新法だから。改正案じゃないんですよ。一つ一つ、じゃ、政省令の中身がどうなっているのかという議論が必要なわけですよね。
そういった意味でも、今言ったこと一つとっても、政令事項に落としている、そういう中身がどういう経緯でなっているのかということなんかもしっかりと審議しなければいけませんし、その前提となるような資料をきちっと出してもらうということは当然のことでありますし、二百条を超えるような法案、三百数十項目の政省令事項がある法案ですから、これは徹底審議をするということが必要だ。
こういうことが、まさにこの問題について、国民の多数が反対なんですから、その反対の声があるからこそ、それをしっかりと受けとめる議論こそ、いわば与党であってもこれは議論すべき話であるわけで、地方公聴会を始めとした国民の声を聞くということを含めて徹底審議を求めて、質問を終わります。
カジノ実施法案がカジノ事業者による賭博資金貸し付けを認めていることについて、多重債務やギャンブル依存症を助長するものだ――と追及しました。
同法案は、カジノ事業者が客に賭博資金を貸し付ける「特定資金貸付業務」を認め、外国人客のほか日本人でも、事前に一定額を預託した者には場内で賭博資金を貸し付けるとしています。
深刻な多重債務問題を契機に2006年に行われた貸金業法の抜本改正で、過剰貸し付け抑制策として総量規制(借入を年収の3分の1までに制限)が導入されました。
わたしは、今回の賭博資金貸し付けで、貸金業法の枠外に新たな貸金制度をつくる理由をただしました。
中川真IR推進本部事務局次長は貸金業法の総量規制を理解しているとしながら、「カジノ事業者は貸金業法の事業者ではない」と答えました。
在日米国商工会議所が意見書で「金融サービスの提供」を「不可欠」と求めていた。日本への進出をねらう、カジノ事業者の要求に応えたものだ。
石井啓一IR(統合型リゾート)担当相は「(今後定める預託金を)簡単に預託できる額にはせず富裕層に限定する」と答えました。
カジノで会社の資金106億円を失った大王製紙元会長の事例でカジノ事業者からの借り入れがのめり込みのきっかけになった。対策を講じるというが制度設計が大問題だ。カジノ事業者の貸付業務は多重債務・依存症問題を助長する。
「議事録」
<第196通常国会 2018年06月01日 内閣委員会 24号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
カジノ実施法案、いわゆるIR実施法案について質問をいたします。
最初に、カジノ実施法案ではカジノ事業者に対してカジノ客への金銭貸付業務を認めておりますが、どんな仕組みになっているのかについて簡単に説明してもらえますか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
カジノにおける貸付けは、本来、顧客はみずからの資力の範囲でカジノ行為を行うべきであるという原則に立ちまして、あくまでもカジノ行為に付随した顧客へのサービスとして、その必要性の範囲内で認められるべきものというふうに考えてございます。
このため、この整備法案の中におきましては、貸付けにつきましては、貸金業法とは少し異なりますけれども、まず、貸付対象を原則外国人非居住者に限りまして、さらに、日本人などにつきましては一定以上の金銭をカジノ事業者に預託できる資力を有する者に限定をするということをしております。また、返済期間を短期間に限定いたしまして、保証契約の締結を禁止するとともに、さらに、カジノ事業者が貸付けで収益を上げないよう、無利息での貸付けを義務づけるといった措置を講じることにより、極めて限定的に認めることとしております。
○塩川委員 一定金額預託をすれば、日本国民も貸付けの対象になるということであります。
そこで、金融庁にお聞きしますけれども、この特定資金貸付業務の規制については、貸金業法と同様の規定が条文に書かれているところです。貸金業法については、この間、総量規制が導入をされました。総量規制とは何か、なぜ導入をしたのか、その効果はどうか、この三点でお答えいただけますか。
○松尾政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる総量規制は、借り手の返済能力を超える貸付けによって多重債務問題が深刻化したことを受けて、過剰貸付けを防止することを目的として、平成十八年の貸金業法改正により導入されたものでございます。
具体的には、貸金業者は、個人である資金需要者に対して貸付契約を締結しようとする場合には、指定信用情報機関の保有する情報を使用して返済能力を調査することとされており、その結果、資金需要者当たりの貸付金額の合算額が原則として年収の三分の一を超える場合には、当該貸付契約を締結することが禁止されているものという内容でございます。
この平成十八年貸金業法、総合的にいろいろな点を改正しておりまして、その中で、多重債務者の相談件数等々、減少しているところでございます。
○塩川委員 減少しているということで、もちろん、銀行系のノンバンクの話とか、全体としたらどうなのかというのはあるわけですけれども。しかし、貸金業法として、もちろんグレーゾーンの解消の話もありました、この総量規制というのも相まって、貸金業法の対象となるような人たちの多重債務問題の改善につながったというのは、確かにそのとおりだと思います。
IRの事務局の方に伺いますけれども、この法案で、カジノ事業者の顧客への貸付けというのは貸金業法の総量規制の枠内になるのか枠外になるのか、この点についてお答えください。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
この整備法案の中で提案しております特定金融業務につきましては、貸付業務につきましては、貸金業法の総量規制こそ採用しておりませんけれども、貸金業法と同様の手法によって返済能力に関する調査を行わなければいけないとしており、また、顧客一人一人の貸付限度額の設定を事業者に義務づけておりますし、その貸付限度額を超えた貸付けを禁止するということになってございます。
○塩川委員 ですから、貸金業法の総量規制は採用していないということで、もちろん個々の顧客に対して資力を踏まえた貸付限度額を定めるということになっているわけですけれども、でも、そもそも、多重債務問題が深刻になった、こういった貸金業法の改正が行われたという背景の一つに、やはりギャンブルの依存症を含めた多重債務問題というのがあったわけですよね。
そういったことを考えたときに、やはりこういった貸付けについての総量規制というのは必要なんじゃないのか。貸金業法で年収の三分の一以内に抑えるということで決めたというのが効果を発揮していると金融庁も言っているわけですから、だとしたら、その枠内におさめるということが、やはり多重債務問題の解消、ギャンブル依存症の対策に対しては非常に生きていくことになるのではないのかと思うんですけれども、カジノ事業者に対しても貸金業法を適用して。
過剰貸付け抑制のための総量規制をかけない、それはなぜですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
まず第一に、カジノ事業者は兼業を、IR事業者は兼業することを禁じておりますので、貸金業法で言う貸金事業者になれないということが一つございます。
そういう法制度上の制約の中で、どうやってこの事業を規制していくかという観点が重要になるわけでございます。
今、塩川委員御指摘の点につきましては、この整備法案の中でも、貸金業法で定められております指定信用情報機関を必ず使って顧客の信用情報を確認するということを義務づけておりますので、こういう措置をとることによって、今委員が御指摘の、顧客一人一人が総量としてどれぐらいの負債状況にあるのか、それから、過剰債務の状態になっていないのかどうかということを確認しながら、先ほど御答弁申し上げたような貸付業務の規制の中で適切に貸付けが行われることになるというふうに考えているところでございます。
○塩川委員 今説明があったように、カジノにおける貸付けについても、貸金業法上に規定をされている指定信用情報機関の情報を使わなければならないと書いてあるわけですよね、この法案にも。であれば、そもそも貸金業法で定めている総量規制、年収の三分の一以内、そこに入れたらいいじゃないですか。そのことの方が、過剰貸付けの防止につながる。依存症対策の面でもこれは効果的なんじゃないですか。そうしたらいいじゃないですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたように、カジノ事業者、つまりカジノ事業免許を取得している認定IR事業者ということになるわけですけれども、認定IR事業者はこの法律案の中で兼業が禁止してございますので、もちろん、貸金業務を、特定金融業務を行うか行わないかはそれぞれの事業者の判断だとは思いますけれども、貸金業法の中で定められている事業者になることはできないという制約はございます。
○塩川委員 であれば、総量規制の対象にすればいい。総量規制の対象にして、年収の三分の一以内、それを超えるものにならないという範囲としてこのカジノの貸付けも入れたらいいじゃないですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど金融庁からも答弁がございましたように、貸金業法に基づく総量規制は、貸金業者から借りて過剰債務に陥る国民が非常に多くなっている、社会的にそういう問題が出てきたことへの対応だというふうに理解をしてございます。
一方、カジノ事業者が行う特定金融業務につきましては、冒頭御答弁申し上げましたとおり、すべからく顧客一般を対象にするものではございませんで、そもそも日本人等は貸付けの対象になってございません。日本人の中では一定以上の金額をカジノ事業者にあらかじめ預託できる資力を持っている者に限定しているわけでございまして、極めて限定的な顧客だけを対象に、しかも、ほかの、貸付業務についての条件をさまざまにつけた上で、しかも無利息でございますので、全く大きな違いがあるだろうというふうに考えている次第でございます。
○塩川委員 だから、その預託がどうなるのかというのも当然あるわけですけれども、別に富裕層に限定とか、そういうのはどこにも書いてないわけですよ。
もともと総量規制の年収の三分の一の枠内におさめるように制度設計すれば過剰貸付けの心配はないでしょうということについては、全くお答えにならない。何でこんなことになるのか。
昨日の参考人質疑におきまして、多重債務問題にも取り組んでこられた新里宏二弁護士は、これまで、日本の公営ギャンブル、パチンコで事業者が現場で貸付けをすることはないし、あってはならないことと考えられてきた、ギャンブル依存症に直結するからにほかならないと述べていたわけです。カジノ事業者の貸付業務は、公営ギャンブルの違法性の阻却との関係で、射幸性の程度、副次的被害の防止について大きく逸脱するものだということを指摘しているわけです。
ですから、結果として、この法案というのは、いろいろ公営ギャンブル等のギャンブルの事業者はあるわけですけれども、そういう中でこういう総量規制の枠外にするという扱いという点でいえば、カジノ事業者を特別扱いするものだ。
何でカジノ事業者を特別扱いするのか、お答えください。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど来御答弁申し上げていますように、カジノ事業者が行う特定金融業務につきましては、これはそもそも、特に貸付業務につきましては外国人非居住者に限るというのがまず第一の原則でございます。
そして、日本人等に貸付けを行う場合には、繰り返しになりますけれども、一定以上の金銭をカジノ事業者に預託できる、そういう資力を有する者に限定をするという形での事業内容になってございますので、一般の国民がすべからく顧客になり得ることを前提にしている貸金業法の体系とは全く異なる法制度になるということを御理解賜りたいというふうに思います。
○塩川委員 ですから、貸金業法の上にこのIRでの貸付けのことも乗っかるということでいえば、それも含んだ、そういう制度設計にすればいいだけの話であって、こういうのでは全く理解できません。
大臣にお尋ねします。
こういった貸付けについて、顧客の利便性云々という話なんかもしますけれども、そもそも、在日米国商工会議所の意見書、統合型リゾートが日本経済の活性化に寄与するための枠組みの構築という文書を出しております。この在日米国商工会議所の意見書では、IRにおける顧客への金融サービスの提供を認めること、これは日本でカジノビジネスが成功する上で不可欠であると要求をしています。
まさにカジノ事業者の要望に応えるというものをこの制度設計で盛り込まれたということですね。
○石井国務大臣 先ほど政府参考人が述べましたが、IR整備法案においては、カジノ事業者による日本人等に対する貸付けにつきましては、対象者を一定の資力を有する者に限定をいたします、預託金を預託できる者。
この金額については、今後改めて定めていきますけれども、国民の平均年収等を勘案して、簡単に預託ができるという額にするつもりはございませんので、富裕層がどれぐらい、富裕層という定義ははっきりしませんけれども、一般的にかなりの富裕層と言ってもいい方に限定されるのではないかと私は思っております。
○塩川委員 この問題については、本当に経済効果があるのかということについての検証といいますか試算も出さない中での議論が深まりを欠いているわけで、しっかりとした負の影響も含めた、経済効果があるというんだったら、そういう試算をちゃんと示して議論することが必要であるわけです。
その上でも、地方においてはいろいろ試算は出しているわけですよ。そういう地方における試算を見ても、日本国民の利用者の割合が非常に高いわけですよね。七割、八割で、海外からというのは、空港の近くであればちょこっとふえるかもしれないけれども、北海道なんかでは大半が日本国民。道民だったり、道外から日本国民の方がいらっしゃる。そういったときに、やはり過剰貸付けになるようなこういう仕組みを入れていいのかということが問われているんじゃないでしょうか。
あわせて、富裕層だったら構わないという話にもならないんですよ。この間も紹介されていますように、大王製紙の元会長の井川意高氏のように、貸付けがカジノののめり込みの契機となったということが紹介をされています。二〇〇八年から頻繁にカジノに通い始めた井川氏は、グループ企業から無利子で膨大な借金を重ねて、三年足らずの間に総額百六億八千万円をカジノで失ったわけであります。
大臣、やはりこういった事実があるんですから、これはしっかり重く受けとめる必要があるわけです。カジノ事業者による貸付業務は、新たな依存症者を生み、新たな債務者を生み出すことにつながるんじゃないですか。大臣、ぜひ、はっきりとお答えください。
○石井国務大臣 カジノ事業者による日本人等に対する貸付けにつきましては、先ほど申し上げたとおり、対象者を一定の資力を有する者に限定するとともに、厳格な返済能力調査に応じた貸付けの義務づけをしておりますので、野方図に貸付けをするということにはまずなりません。
このほか、IR整備法案におきましては、依存防止対策としまして、IR区域数の限定やカジノ施設の規模の制限、一つのIR区域におけるカジノ施設の数を一つに限定すること、日本人等を対象とした一律の入場回数制限や入場料の賦課、依存防止規程に基づく本人、家族の申出等による利用制限措置や相談窓口の設置といった利用者の個別の事情に応じた対応、広告、勧誘等の誘客時における規制といった重層的、多段階的な取組を制度的に整備をしておりまして、カジノ行為への依存につきましては万全な対策を講じているものと考えております。
○塩川委員 対策を講じるんだったら、やはり貸付けの総量規制の枠内にカジノへの貸付けも含めるべきだ。そういうこともないような今の制度設計そのものが大問題であるわけで、カジノ事業者に貸付業務を認めるということは、多重債務や依存症を一層助長するだけだということを強く指摘をしておくものであります。
刑法が禁じる賭博場を解禁するカジノ実施法案を審議している衆院内閣委員会で、参考人質疑を行いました。参考人の陳述から、「カジノの負の影響が検討されていない」「地方創生の効果はのぞめない」など、同法案の問題点が多面的に明らかにされました。法案に賛成する美原融大阪商業大学教授は「カジノは健全な成人が自己責任で楽しむものだ」などと主張しました。
反対の立場から鳥畑与一静岡大学教授は「カジノの高収益と『世界最高水準のカジノ規制』とは矛盾する」「カジノは人の不幸を最大化することで収益をあげる」と述べました。
日本弁護士連合会の新里宏二カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループ座長は、同法案をめぐり国民的な議論が尽くされていないこと、カジノの負の影響が検討されていないことなどをあげ、「カジノ解禁には反対する」と語りました。
わたしは、カジノ事業者が客に賭け金を貸し付ける「特定資金貸付業務」について参考人に質問。
美原氏は「金融機能を認めないとVIP客(高額をかける客)が来なくなる」と発言。
鳥畑氏は「借金ができることで歯止めがきかなくなる」と述べ、新里氏は「貸金業法のルールとは別にカジノ事業者の貸金の仕組みをつくり、二重のルールで多額の貸し付けが起きる」と指摘しました。
わたしがカジノの運営事業者についてたずねたのに、鳥畑氏は「経験があるということから当然海外の事業者が入ってくる」として、米国のカジノ運営企業ラスベガス・サンズのビジネススタイルを紹介し、「カジノ売り上げの35%前後は確実に海外に流出する」と答えました。
立憲民主党の阿部知子議員が世界のカジノの動向をたずねたのに対し、鳥畑氏は「世界中のカジノ市場が縮小する中で海外のカジノ資本は新市場として日本進出に躍起になっている」と答弁。阿部氏は「日本の高齢者がカモネギのようにされるのに反対しなければならない」と語りました。
「議事録」
<第196通常国会 2018年05月31日 内閣委員会 23号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
きょうは、四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜り、本当にありがとうございます。
早速質問をさせていただきます。
今ちょうど、最後に、新里参考人から、カジノ事業者に係る貸付けの話がございました。その関係で、美原参考人、鳥畑参考人、そして石川参考人にお尋ねをいたします。
本法案では、カジノ事業者が顧客に金銭を貸し付ける業務が規定をされております。その点、依存を助長し、過剰貸付けとなる懸念があります。顧客の利便性向上のためという説明ではあるんですけれども、お金を事前に預託するということはあっても、貸付けまでする必要があるのかという懸念はあるんですが、このようなカジノ事業者による金銭貸付けというのは不可欠なのか、この点についてお尋ねをいたします。
○美原参考人 お答えいたします。
実は、この貸付業務というのは、通常の一般国民を対象にしたものではございません。カジノ管理委員会が別途定める一定金額以上の金額を預け入れる者。相当な高額だと思ってください。この対象は、富裕層と呼ばれるVIPを対象にしたものでございます。
なぜでございましょう。
都議会で、バッグに何千万円を積み込むようなショーケースがございました。一億円をバッグに積んでください。十キロ以上で、持てません。
実は、高額富裕層をカジノに招聘するためには、彼らは金を一銭も持ってこないわけです、彼らに対して高額消費をさせるためには、あくまでも限定的に現在の金融業法を逸脱するような形にして、同等の規制をかけながらVIPに対して利便性を供与することが、VIP顧客を日本に招致する唯一の方法だからでもあるわけです。
繰り返し申しますが、依存症等の対策等に関しましては、これら富裕層にも共通して適用する項目でもございます。ただし、かけ金額の前提というのは、一般の国民とは全く違った行動パターンをしますので、それをもし認めないとするならば、我が国のカジノにはVIP顧客は一人も来られないという結果になるわけです。
あくまでも、厳格な規制のもとに、特定の対象者をもとに認めるということでございまして、一般国民に対して特定金融業務といった形で金を貸し付けるということは、当然のことながら好ましくないものと判断しております。
○鳥畑参考人 お答えさせていただきます。
例えば、アメリカのゲーミング協会が責任あるギャンブラーといったときに、自分で時間を決めて、自分でかけ金額を決めて、予算を決めて、それをオーバーしたときにやめることができる。
ところが、実際に各地、世界、いろいろなところに行きますと、例えばシンガポールであれば、すぐ外にATMがありますから、予定した金額をオーバーして、やめようと思ったけれども誘惑に勝てなくて、外に一遍出てATMというような形で、結局、借金できるということが歯どめをなくすわけですね。これは、井川大王製紙会長の「熔ける」という本を読めば、非常にはっきりしている。
その貸し付けるといったときに、恐らく、例えば、ジャンケットに任せて、ジャンケットがお金を貸すという場合がある。アメリカのカジノ事業者のアニュアルレポートなんかを読みますと、国によってはギャンブルでの負けを債権として保護してくれない国がある、中国のようですが。そうしますと、中国の富裕層を呼んで、金を貸し付けて、大負けをさせる、その取立てというのは法的に保護されませんので、それなりのノウハウを持ったジャンケットに任せるしかない。
日本では、ジャンケットは認めません。当然、一定の要件をもって、一定の資産、信用調査をして、もちろん対象を限定するわけですけれども、そこにお金を貸し付けて、負けた場合は取り立てる。
例えば、私、昨年九月にラスベガスに行きまして、ちょうどスティーブン・パドックの乱射事件の時期と重ね合わさったんですが、彼は、ビジネスで資産を蓄えまして、引退して、ラスベガスでカジノにはまった、ポーカーですけれども。一定の資産がありますので、信用枠ということで主要なカジノ企業からお金を借りて、できていた。ところが、やはり財産を費消しますと、もうそうやって遊べなくなるわけですね。
こういう、特定金融業務という形で、資産評価して、この客は財産があるからこれだけ貸すよということは、結局そこで、借金の取立てということでその人の財産を奪っていく危険性が非常に高い。そういった意味では、日本のある意味富裕層といいますか財産を持った人を対象にしてビジネスをする仕組みであろうというふうに考えております。
○石川参考人 美原参考人の意見に私も全く同意見でありますが、一点つけ加えさせていただきます。
依存症、これは貸付けの問題もそうですが、一番の利害関係者はむしろ民間の事業者、カジノ免許事業者でありまして、自分の施設から依存症、借金、債務問題、そういった問題が発生しますと自分たちのレピュテーションにかかわる、事業上の大きなリスクになりますので、今、世界の流れでは、事業者が積極的に、むしろ事業者が一番積極的にと言っていいかもしれませんが、そういったプログラム、場内の見回り、与信の管理ということをみずから、法律で義務づけられていない国もありますので、そういった国でも、事業者みずからプログラムをつくってモニターしているというのが実際であろうというふうに理解しております。
○塩川委員 ありがとうございます。
次に、新里参考人にお尋ねをいたします。
新里参考人、お話の中にもありましたように、多重債務問題に取り組んでこられた。そういう中で、お尋ねしたいのが、公営ギャンブルやまたパチンコなどの既存のギャンブル、その害悪、弊害、これはどのようなものか。その辺について、いろいろ御体験を通じてお考えのところをお聞かせいただけないでしょうか。
○新里参考人 先ほど述べましたように、三十六年弁護士をし、ほとんど多重債務の問題に取り組んできた中で、何度も何度も借金をつくって、整理をするんだけれども、結局、僕らも叱っていたんです、どうしてこんなばかなことをするんだ、家族が泣くじゃないかといって。だんだん家族がなくなっていき、そして会社もなくなっていく、その中で自殺した人も体験しました。まさしくギャンブル依存症による借金で自殺につながる。
実は私、江原ランド、韓国の唯一の自国民が入るところにも行きましたけれども、そこで、一番近くの駅のところにワゴンカーがあって、どうもそこに女の子のポスターがあって、お父さん、お母さん、自殺しないでくださいと書いていました。まさしく江原ランドの中で、数年間で四十八名の方が自殺をする。まさしく借金をつくって自殺をしていくということ、それが大変な悲劇。
そして、日本が非常に今、三百二十万人というギャンブル依存症が疑われる方、三・八%程度ですけれども、これは諸外国と比べて大変多い数字でございます。
ちょっとだけ、先ほどの件ですけれども、一番問題なのは、一番大事なのは、幾らお金を預けるかということについての基準が政令等に委任されていてわからないということなんですね。だから、美原先生が言ったことは、カジノ管理規則をわかっていればそういうことかもしれません。ただ、それでも、結局、千八百兆と言われる個人の金融資産が狙われるということではある。それが庶民の方まで下がってくるかどうかというのはよくわからない。ただ、日本でこれまで事業者が貸付けをするということは認めてこなかった、それと大変矛盾するんだというふうには考えております。
以上です。
○塩川委員 続けて新里参考人に伺います。
日本における公営ギャンブルやパチンコなどのギャンブルの害悪の話をいただきました。また、海外の事例で、江原ランドのそういった具体的な呼びかけの話なんかもあるわけですが、その他の海外の事例、例えばシンガポールですとか、カジノの害悪、社会的弊害などについて、お聞きになっているようなことがありましたら御紹介いただけないでしょうか。
○新里参考人 私は、江原ランドだけじゃなくて、シンガポールの方にもお邪魔してきました。二カ所のカジノのところに行ってきましたけれども、やはり高齢者の方が非常に多くて、中国系の方が非常に多いなという印象を持ったところでした。
市民グループの方と、大変相談が多くなってきているということで、牧師さんがやっている市民グループのところに相談に行きましたけれども、牧師の中まで、やはり借金をつくってしまって、仲間で一回お金を出してやったんだけれども、その後、また船上カジノをやって、結局、もう協力しないと言って投身自殺をされたということで、反対運動もされたということを聞きました。
そこで出てきたのは、やはり日本で言う闇金が大変ばっこしているということを聞きました。韓国でもサチェという私金融、闇金がばっこしているとも聞きましたし、それから、シンガポールではローンシャークという闇金がばっこしているということも聞いております。そのように、正規のところから借りられなくて闇金まで追われていく、そういう状況がシンガポールでも出てきているということを聞いてまいりました。
以上でございます。
○塩川委員 続けて新里参考人にお尋ねいたします。
カジノ事業者に貸付業務を認めるという今回の法案についての懸念を述べていただいたわけです。
制度設計のつくり込みのところでいえば、カジノ規制委員会の規則、政省令のところに落としていくということで、こういう議論をこの後しっかりこの委員会でもやっていかなければならないと思うんですけれども、貸金業法と同等というんですけれども、同等であれば貸金業法を適用すればいいと思うんですが、そうなっていないという点で、これが一体どういうふうになるのかというところではいろいろな心配もあるわけですけれども、その辺について、お考えのところがあればお聞かせいただけないでしょうか。
○新里参考人 貸金業法では、収入の三分の一規制という格好で、収入証明書を出して進めるということですけれども、今回は、収入だけではなくて資産も含めて行われるということで、どうも規制が違っているのではないか、多くを貸せるような仕組みになっているのではないか。
それから、当然に、貸金業法の場合については、収入の三分の一ということで決まっていて、信用情報を見て、既存の借入れがどのくらいあるかということで、もうきちっとわかるわけですけれども、今回は、上限についてカジノ事業者が定めるという格好になっていて、これについても、カジノ管理委員会の規則に方法が委ねられていて、それがどうなっているのかが十分わからない。
そういう意味では、カジノ管理委員会規則とともに見ていかないと詳細はわからないけれども、どうも、二重のルールにして、ここでは多額な貸付けができるような仕組みが検討される。そうでなければ貸金業のルールでやったはずですから。そのように考えております。
以上です。
○塩川委員 ありがとうございます。
次に、鳥畑参考人にお尋ねをいたします。
海外の事例、ラスベガスの話などもお聞きいたしました。
日本がいろいろモデルとしている際にはシンガポールの例を出されるわけですが、その収益の柱、収益のエンジンというのはもちろんカジノであって、それは七七%とかという例があります。一方、ラスベガスの場合にはそれが少し低いような話なんかもお聞きしているわけです。
ラスベガスの話なんかも聞きながら、収益の三分の二がカジノ以外だという話も聞きますけれども、カジノに依拠しないビジネスモデルとなり得るのか、その辺について、お考えのところを少しお聞かせをいただけないでしょうか。
○鳥畑参考人 IRの場合にカジノの面積規制がありまして、日本では三%、シンガポールでは一万五千平米ということで、カジノは面積的にはほんの一部だというふうに言われているわけですけれども、きょう、お手元の図表の十五のところ、シンガポールのカジノ収益の構成を見ますと、マリーナ・ベイ・サンズそれからリゾート・ワールド・セントーサあわせて、やはりカジノに対する収益依存が七割から八割ということなんですね。
それから、カジノが収益エンジンである、さらに、収益を還元するというのはどういうことなんだろうということで、その上の図表の十三をごらんになってください。
もうとにかくカジノのもうけでさまざまな価格サービスを行ってお客さんを誘引するということになります。例えば、アトランティックシティーで最も典型的なIRと言えるボルガタですか、ここは、例えば二〇一七年はカジノのもうけの三二・七%をいわゆるコンプに使い、そのコンプで、部屋であるとか食事であるとか飲物であるとか、さまざまな料金サービスを延べ千二百七十七万人に対して行って引き寄せるということなんですね。
さまざまな形でこのコンプというサービスを通じてお客さんを誘引して、それをカジノに誘導して、遊んでとにかく金を使ってもらう、これがIR型のカジノビジネスのたてつけといいますか仕組みなわけです。
では、統合型リゾート、IRといった場合に、本当にカジノがなければ成り立たないのかということについては、少々疑問に思っているわけです。
例えば、この春に、横浜の横浜港運協会の方にお伺いしました。山下ふ頭の再開発、あそこで四十七ヘクタールぐらいの土地ができる、あそこで十分MICEだけでビジネスが成り立つ、我々は、カジノのないIR、MICE中心のIRで十分やっていくんだという計画を打ち出しておりますと。これは、実際に、そういう会議、展示協会ですか、その業界とコンサルをやった上で、十分収益として成り立つということで進めているわけですね。
そういった意味では、本当に観光資源が豊富な日本において、カジノがなくても、カジノがないIR、可能じゃないか、そういう意味で創意工夫を凝らすべきじゃないかなというふうに考えております。
以上です。
○塩川委員 ありがとうございます。
続けて鳥畑参考人に伺いますが、日本型IRの場合に運営事業者はどうなっていくんだろうかというところがあるわけですけれども、日本の事業者というのはそもそも想定されるのかというところが率直に思うわけです。
こういったように、まさに、カジノが収益のエンジン、カジノに精通をしているということがその核心ということになった場合に、日本の事業者でそのノウハウを直接持っている者はありません。そういった際に、やはり日本型IRの運営事業者が海外のカジノ資本とならざるを得ないんじゃないのか。その辺については、いろいろお聞きしているところでお話しいただけないでしょうか。
○鳥畑参考人 在日アメリカの商工会議所がこの問題について提言を出しております。IR事業者の選定においては、経験が豊富であるということを重視すべきであるということを言っているわけですね。
実際、IRをつくる、では、その成功というのは、やはりカジノ収益、収益エンジンとしてのカジノということで、そこのビジネスといいますか、経験、ノウハウが豊富な海外の大手のカジノ事業者が優先的にとっていくんじゃないか。
大都市部では、いわゆるビッグフォーと呼ばれるような、例えばラスベガス・サンズであるとかMGMとかが有力視されると思いますが、地方では、アメリカの中堅カジノ事業者が積極的に働きかけているということなんですが、やはり日本の企業がカジノ事業というところで食い込んでいくことはできずに、その周辺の、ホテルとか周辺のところで何とか参加していくような形になっていくんじゃないかなというふうに考えております。
以上です。
○塩川委員 それとの関連で、先ほどもお話に出た収益の海外漏出の話というのが出てくるということで、日本国民を対象とするようなビジネスで、さらには株主還元ということを考えれば、海外資本となれば本当に日本に富が集まってくるのか、そういう懸念というのがあるわけですが、その点について一言伺って、終わりにしたいと思います。
○鳥畑参考人 先ほども少し紹介をさせていただきました、例えばラスベガス・サンズがどういうビジネスをやっているんだということで、ラスベガス・サンズの収益構造ということで図表十を示しております。
よく、海外資本による投資、百億ドル規模で投資してくれる、今どきそんな投資機会はないんだよということが言われるわけですけれども、そういう投資、例えば百億ドルがあれば、それが五年とか六年で回収されていくという意味では、それが海外資本による投資であれば、海外に回収をされていく。
さらに、運営において、ただ、ラスベガス・サンズは非常に高い収益率目標を設定しているわけでして、実際、純益率は二〇%をクリアしております。その利益を、ほとんどといいますか、実態的にはそれを上回る収益還元を株主、要するにアデルソン一族と海外ファンドに還元をしていくということになるわけです。
そうしますと、その中のEBITDAというのがありますが、いわゆる償還であるとか還元前の利益ということですが、これがラスベガス・サンズの場合は大体三五%前後ということになるわけですが、ここに相当する部分は確実に海外に持っていかれるという点であれば、要するに、海外の純粋な外国客、外国ギャンブラー獲得で上げた利益の部分がこの部分を超えない限り、海外流出の方が多いという話になってしまう。
もちろん、さまざまな資材を地元で調達しているかどうか。江原ランドの話では、江原ランドは、地元で、ローカルでいろいろな資材を調達しない、非常に外からいろいろ安い資材を調達しているので、地元経済にはそういう意味では貢献をしていないという話もあるわけです。
以上です。
○塩川委員 終わります。ありがとうございました。
「しんぶん赤旗」6月1日付・4面より
衆院内閣委員会で31日に行われたカジノ実施法案についての参考人質疑での、静岡大学の鳥畑与一教授と、日弁連カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループの新里宏二座長による意見陳述(要旨)は次の通りです。
依存症対策が形骸化/静岡大学・鳥畑与一教授
IR(統合型リゾート)型カジノは、日本経済の発展、地域社会の安定と振興に逆行します。
政府は、カジノ単独では刑法の賭博禁止の違法性を阻却できないが、IRのなかに組み込んだカジノは違法性を阻却できるとしています。
その論拠は、カジノの高収益で世界最高水準の国際会議場、展示施設や宿泊施設等を備えたMICE(マイス)が実現し、観光振興や巨大な雇用と税収の実現などの経済効果が生まれるというものです。
カジノの収益性の水準がIR型カジノの経済効果を左右する仕組みで、不可避的に「世界最高水準の依存症対策」とは矛盾します。
今国会でも巨大なMICE施設が国民負担なしに実現するとの説明がされていますが、ギャンブルの負けという国民犠牲のうえに民間の投資が回収されるというのが実態ではないでしょうか。
経済効果をカジノの高収益性に依存するIR型カジノは必然的に依存症対策を形骸化せざるをえません。
入場料徴収は、入場料も含めた負け額を取り戻せると信じる依存症者の行動を促進することはあれ、抑制することはありません。
週3回・月10回という入場回数制限は、72時間連続カジノづけを容認することであり、年間120回の入場を認めるということです。
世界最高水準のカジノ規制というならば、欧州におけるギャンブル継続時間や賭け金額の制限、事前に賭け金額を決定させるなどの規制を導入するべきです。
今回の法案は、公設・公営・公益のギャンブルのみ認めるというこれまでの方針を百八十度転換させるものです。カジノ事業者の私益を追求しながらその利益の一部が納付金や寄付等で社会還元されることをもって、カジノ事業者の利潤極大化行動を公益性で粉飾することはできません。
今この段階での経済効果と社会的コストの評価をすべきです。
IR型カジノがなくても国際観光客が増大しているいま、そもそもカジノ合法化がIRにとって不可欠なのかという根本にたちかえった議論が必要です。
国民の理解得られず/日弁連カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループ・新里宏二座長
日本弁護士連合会では2014年5月、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律、いわゆるカジノ解禁推進法に反対する意見書を発表しています。
カジノ解禁には暴力団対策上の問題、マネーロンダリング対策上の問題、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題再燃の危険性、青少年の健全育成への悪影響など多数の弊害があることを理由にしており、一貫してカジノ解禁に反対です。
本法案(カジノ実施法案)に反対の立場から四点について意見を述べます。
第一は国民的議論がつくされていないことです。政府の推進会議のとりまとめについて昨年8月、一般からの意見募集が行われましたが、カジノ解禁に反対が67.1%にのぼるなど、これまでの世論調査とほぼ同様の結果があらわれたといってよいと考えます。
第二にカジノ解禁について負の影響の検討が不十分な点でございます。推進会議や本法案でも経済効果や地方への波及効果は述べられておられますけど、負の影響についての記載がなされておりません。したがって、経済効果から負の影響を差し引いて真に経済的効果が期待されるかは定かではないといえます。
第三にカジノについて「世界最高水準の規制とはいえない」ことです。
第四に、カジノ解禁について違法性の阻却ができるとは考えられないことです。
本法案の85条以下で、特定資金貸付業務として、カジノ事業者に貸し付けの業務を認めております。
これまで日本の公営ギャンブル、パチンコで、事業者が現場で貸付することはあってはならないと考えられてきました。ギャンブル依存症に直結するからにほかなりません。この部分が、これまでの公営ギャンブルの違法性阻却との関係で大きく逸脱していると考えます。国民の理解を得られないカジノ実施法案には反対させていただきます。
フランス共和国国民議会議長(フランソワ・ド・リュジ議長)一行の大島衆院議長訪問の場に同席。
ド・リュジ議長は「今年は日仏友好160周年、意義深い。気候変動問題など連携していきたい」と述べ、大島議長は「議員同士の交流が活発になることを願っている」と応えました。
塩川鉄也の“国会から埼玉から”
防衛省による米軍情報の開示が後退しています。防衛省はこれまで、住民から米軍機飛行に関する苦情を受け付けた際、米軍側に確認し、その回答を公表してきました。しかし、2017年8月以降、その確認をやめています。防衛省は「米軍が逐一明らかにしないとしたため」と説明していますが、許せません。沖縄をはじめ日本全国で米軍機の訓練被害が広がり、横田基地へのオスプレイ配備、訓練が大問題となっているときに、その実態を隠ぺいしようとするものです。
防衛省による米軍機の苦情受け付けは、市民にとって重要な情報開示でした。市民の苦情が米軍機の監視行動になり、米軍機の飛行を変更させ、米軍機の訓練実態を暴露する力となってきました。市民の運動を恐れているからこその隠ぺいです。
私の追及に、防衛省は「再度、米軍に確認を求める」と答えざるを得ませんでした。しっかりと回答させるのは最低限のこと。米軍の危険な訓練飛行は、きっぱりとやめさせましょう。
IR(カジノを中核とする統合型リゾート)を解禁するカジノ実施法案の質疑に立ち、「国民はカジノ解禁を認めていない」と、民意を無視してカジノ解禁を推進する政府の姿勢を追及しました。
今国会でカジノ実施法を成立させる「必要はない」71%(「朝日」4月14・15日調査)などの直近の世論調査結果がある。国民多数がカジノに反対している理由は何だと考えるか――と何度もただしたが、石井啓一IR担当相は答弁に立とうとしませんでした。
国民の反対はカジノが依存症・経済破綻・地域社会の荒廃をもたらす懸念があるからだ。
石井担当相は「カジノばかりに焦点があたっている」と、反対世論はIRの全体像への“無理解”によるものだと居直り、カジノ解禁を進める理由を「わが国を観光先進国に引き上げる原動力になる」と述べました。
IRの推進は「抑止すべきギャンブルを奨励するものになる」「そもそもギャンブルは抑止・抑制すべきものではないか」とただしました。
石井担当相は「現行法上、カジノ行為は刑法で禁じられている」と認めました。
カジノ合法化で、新たなギャンブル依存症が増えることを認めるか――とただしても、石井担当相は「明確にお答えできない」と答弁を避けました。
国民多数はギャンブルによる『経済振興』に明確に反対している。
「議事録」
<第196通常国会 2018年05月30日 内閣委員会 22号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
カジノ実施法案、いわゆるIR実施法案について質問をいたします。
カジノ解禁については、国民世論は反対が多数であります。例えば、共同の三月三、四日の調査では、カジノ解禁に賛成が二六・六%に対して、反対が六五・一%。また、朝日の四月十四、十五日の調査では、カジノ法案を成立させるべきは二〇%で、必要はないというのが七一%であります。
大臣にお尋ねいたしますけれども、このように、カジノ解禁について国民世論は反対が多数であります。その理由は何だとお考えでしょうか。
○石井国務大臣 IRにつきましては、カジノばかりに焦点が当たりがちなことから、さまざまな弊害を心配する声が世論調査に反映されているのではないかと思われます。
カジノの設置につきましては、依存症防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策として厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところであります。
政府といたしましては、IR推進法及びその附帯決議に基づき、IR整備法案の策定に当たりまして、その制度の大枠についてパブリックコメントや説明会を実施し、国民の皆様の意見を丁寧に伺う機会を設けてまいりました。
引き続き丁寧に説明を行うとともに、世界最高水準の規制の執行体制の整備等を着実に実施いたしまして、依存症防止対策などに万全を期しながら、世界じゅうから観光客を集める滞在型観光を推進してまいりたいと考えております。
○塩川委員 いや、大臣は質問に答えていないんですけれども、反対が多数だ、その理由は何かと聞いているんですよ。対策の話は聞いていないんです。
大臣も言っていたように、国民の意見は丁寧に伺ってきたと。要するに、国民はどんな意見を言っているのか、反対だという理由は何なのか、その点をもう一回答えてもらえますか。
○石井国務大臣 冒頭答えたと思いますが、IRについては、カジノばかりに焦点が当たりがちなことから、さまざまな弊害を心配する声が世論調査に反映されているのではないかと思われますと先ほど答弁をさせていただいたところであります。
○塩川委員 じゃ、何でカジノに焦点が当たるから反対が多いんですか。
○石井国務大臣 IRは、カジノだけではなく、MICE施設等さまざまな誘客施設が備えられた総合的なリゾート施設であります。そのIRの全体像がなかなか知られていないというところに、やはり一つの要因があるのかなというふうに思っております。
○塩川委員 いや、だから、IRの話じゃなくて、カジノの解禁の話をしているわけですよ。カジノ解禁に反対だという国民多数の意見、それはなぜだと思いますかと聞いているんです。
○石井国務大臣 カジノを単体で解禁するわけではありません。あくまでもIR、統合型リゾートの中の施設としてカジノを解禁する、なおかつ、これがさまざまな弊害防止対策を行っている、そのことについてまだ十分知られていないのではないかなというふうに思っておりますので、今後とも丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
○塩川委員 いや、IRにカジノが含まれるのははっきりしているんですよ。そのカジノの解禁に反対だという声が多数なんだから、カジノ解禁反対というその国民多数の理由は何だと考えているんですかということをお聞きしているんです。単純な話なんです。何で答えられないんですか。
○石井国務大臣 ですから、カジノを単体で解禁するのではなくて、IRの一部として実施をするということが十分に知られていないのではないかと思っております。
○塩川委員 だから、十分に知られていないということを前提に、じゃ、何で反対なのか。
○石井国務大臣 十分に知られていないから反対が多いのではないかと思っているということであります。
○塩川委員 だって、知られていなければ反対のはずもないじゃないですか。知られていないんだから。
○石井国務大臣 ですから、繰り返しになりますけれども、IRの中で統合型リゾートの一つとしてカジノがあるということが十分に知られておられずに、カジノ単体で解禁されるのではないかというふうにお思いの方が多いのではないかというふうに想像をしております。
○塩川委員 いや、ですから、カジノが入っているんです、IRは。そのことが、IR全体の話が知られていないという話、それはそれとしてあるわけだけれども、カジノがあるからですよ。カジノがあるから反対だと言っているわけだから。
その理由について、だって、具体的にこの後皆さんに説明するんだったら、そこの部分は欠かせないじゃないですか。どういうふうに説明するということですか。
○石井国務大臣 これまで重ねて答弁してきたとおりであります。
○塩川委員 いや、ですから、答えていないんですよ。
そもそもカジノ解禁について反対が多数だということは出ているわけですから、その理由を端的に聞いているんですよ。もう一回。
○石井国務大臣 これまで答弁してきたとおりであります。
○塩川委員 そんなのじゃ、説明になっていないですよ。こういったことを繰り返すから、国民の理解が得られないんじゃないですか。こういう答弁だから、国民の理解が得られないということになるじゃないですか。
この対応策で、大臣が言っていたように、ギャンブル依存の問題とか、治安の悪化の問題とか、青少年の健全育成の心配だとか、結局、こういうところがあるから反対の声が多数であるわけで、国民の中には、カジノ、ギャンブルは依存症、経済破綻、地域社会の荒廃をもたらすことへの懸念がある、それが反対が多数の理由であるわけです。
大臣に重ねてお尋ねしますけれども、そもそもギャンブルというのは、抑止、抑制すべきものじゃないでしょうか。
○中川政府参考人 御答弁申し上げます。
政府といたしましても、今、国会におきまして、ギャンブル等依存症の対策を強化するための法制について御議論をいただいているものというふうに理解をしております。
これは、IR推進法、議員立法でございましたけれども、の成立を機会といたしまして、その附帯決議などで、既存のギャンブル依存症などについて抜本的に取組を強化すべきであるという御決議をいただきまして、それをもとにして、政府におきましても、依存を防止し、そしてギャンブルのことで生活を破綻させ、あるいは経済的な生活、社会生活に悪影響を及ぼしている方を一人でも少なくするための措置に取り組んできているところでございます。
したがいまして、今、国会を挙げて、それから政府も含めて、ギャンブル等による悪影響に対して真っ正面から向かって抜本的な対策を強化しなければいけない、そういう流れにあるということは重々理解してございます。
○塩川委員 附帯決議の話とかされましたけれども、既存ギャンブルの依存症対策、抜本的強化をするという話ですけれども、大臣にもう一回聞きますよ。そもそもギャンブルは、抑止、抑制すべきものじゃないんですか。
○中川政府参考人 御答弁申し上げます。
我が国における賭博法制につきましては、もちろん刑法にあります賭博に関するルールをベースといたしまして、これまでも議員立法などにより各種公営競技法がつくられてきて、その法制のもとで公営競技などが行われているというふうに理解をしているところでございます。
○塩川委員 だから、公営ギャンブルとかパチンコについても依存症対策のためにはしっかり対策をやりましょうと、この前の法案の審議のときにも提出者の方は言っていたじゃないですか、依存症者を減らすんだと。そういう目的でやるわけでしょう。
だから、ギャンブルそのものについて、抑止、抑制すべきものというのは当然じゃないですか。大臣、お答えください。
○石井国務大臣 現行法上、カジノ行為については刑法等で禁止をされているということかと存じます。
○塩川委員 ですから、禁止されているカジノ、ギャンブルについては抑止、これも許されないと。当然のことながら、そういうギャンブルは抑止、抑制するものだというのは当然のことですよね。
○石井国務大臣 IR推進法の附帯決議では、刑法等の賭博に関する法制との整合性が図られるよう、目的の公益性等八つの観点から十分な検討を行うこととされたところでありまして、本IR整備法案につきましては、この八つの観点から具体化した諸制度を整備したところでありまして、刑法が賭博を犯罪として規定している趣旨を没却するものではなくて、法秩序全体の整合性は確保されているものと考えております。
○塩川委員 単純な話にお答えにならないというのは何なのかということがそもそも問われるわけですけれども、賭博、カジノについては犯罪で、禁止されているということですから、当然そういうギャンブルというのは許されるものではない、当然のことながら、抑止、抑制すべきもの、当たり前の話であります。
大臣に重ねて伺いますけれども、こういった既存ギャンブルに加えて、新たなギャンブルであるカジノを合法化することで、これは結果として、新しいギャンブルを始めるわけですから、ギャンブル依存症がふえることになりますよね。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたように、我が国の賭博法制の展開を振り返ってみますと、もちろん刑法がベースにあることは間違いないことでございますけれども、そのときそのときの公益上の政策目的などに鑑みまして、例えば競馬でございますれば、畜産を振興する、あるいは戦後すぐの地方公共団体の財源を確保していく、そういう公共政策の目的に沿った形で公営競技を行うという法制がつくられてきたものだというふうに考えております。
○塩川委員 だから、公営ギャンブルは、公共政策の目的に沿っていわば賭博ではないといった形での整理をしているわけですけれども、その話を聞いているんじゃないんですよ。
そもそも、新しい類型のギャンブルであるカジノを始めることになれば、そこでのギャンブル依存症者はふえることになりますよねという話ですよ。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
まさしく塩川委員御指摘のとおりでございまして、これまでの我が国のギャンブル法制といいますか賭博法制につきましては、そのときそのときの公共政策上の目的に応じて、どのような制度設計のもとで刑法が禁じている事実行為を開催することができるかという観点から法制度が形づくられてきたものだというふうに考えてございます。
○塩川委員 違法性の阻却の話を聞いているんじゃないんですよ。それはまた後で聞くから。
そもそも、新しいギャンブル、カジノを始めれば、そこで新しいギャンブル依存症者がふえることになるんじゃないですかと、そのことについての確認を大臣にお聞きしているんです。
○石井国務大臣 それは明確にはお答えできないと思います。
○塩川委員 信じられない答弁ですね。じゃ、何でこの法案の中に依存症対策とかカジノ規制が入っているんですか。そんな当たり前のことが何で言えないのか。もう一回。
○石井国務大臣 ギャンブル依存症が全体としてふえるか減るかという御指摘かと思いますけれども、必ずしも、IRをつくったからといって全体としてギャンブル依存症患者がふえることにはならないというふうに思っています。
○塩川委員 だから、全体の話は聞いていないんですよ、全体を減らすのは当たり前なんだから。
既存ギャンブルやパチンコのを減らすというのは、依存症対策、当然のことであるわけで、聞いているのは、新しい類型、今までやっていない新たなギャンブル、カジノを始めるんですから、そこで新しい依存症者がふえることになるんじゃないか、そこの話を聞いているんですけれども、そう思いませんか。
○石井国務大臣 塩川委員の当初の御質問は、全体としてギャンブル依存症患者がふえるのではないかというふうに受けとめたから、それは明確にはお答えをできない。
だから、それはそうだと思うんですよね。公営ギャンブルもありますし、パチンコもありますし、今後IRもつくりますけれども、ギャンブル依存症対策もこれからしっかりやりますから、全体としてふえるかどうかは明確ではないというふうに思っています。
○塩川委員 だから、全体の話は聞いていません。全体の話は聞いていないんです。新しい類型であるギャンブルのカジノを始めることによって、そのカジノに伴う依存症者がふえることになるんじゃないですかと、そこを聞いているんです。そこをはっきり答えてください。
○中川政府参考人 御答弁申し上げます。
塩川委員お尋ねの点につきましては、IR推進法案を国会で御審議いただいているとき以来国会でも議論になり、そのための万全の対策をすべきだという附帯決議がなされたものだというふうに理解しております。
そういう意味では、国民の中に、あるいは国会の中に、新しい形での賭博行為を社会の中につくっていくということになればそういう依存がふえるのではないかという懸念があることは重々承知しているつもりでございます。
○塩川委員 ですから、依存症者がふえる懸念があるということで、やはり多くの方が心配になっているというのは、現に、新しいギャンブルであるカジノを始めれば依存症者がふえるということが見込まれるからであります。何で、こんな当たり前の基本のところでこんな時間がかかるのかと言わなければならないんですけれども。
大臣にお尋ねします。こういった国民多数が反対をしているカジノを、IRと言いかえてもいいですけれども、なぜ推し進めるんでしょうか。
○石井国務大臣 政府といたしましては、議員立法で成立をいたしましたIR推進法において、カジノを含むIRの整備推進が国の責務とされております。ですから、法律上、国は、IRの整備推進が責務とされているわけであるということが一つございます。
それから、カジノ収益も活用して、MICE施設等のさまざまな誘客施設が一体となった国際競争力を有するIRを整備することによりまして、これまでにないような国際的な展示、会議ビジネスを展開し、新たなビジネスの起爆剤とする、日本の伝統、文化、芸術を生かしたコンテンツの導入により世界に向けた日本の魅力を発信する、これらにより、世界じゅうから観光客を集める滞在型観光モデルを確立することを実現いたしまして、我が国を観光先進国へと引き上げる原動力となることが期待をされているところであります。
一方で、カジノの設置につきましては、今御指摘もありましたようなさまざまな弊害を心配する声もあることから、依存症防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策として厳格な入場規制や広告・勧誘規制など、重層的かつ多段階的な措置を講じているところであります。
今後、魅力ある日本型IRを実現するために、世界最高水準の規制の執行体制の整備等を着実に実施し、依存防止対策などの課題に万全の対策を講じながら、観光先進国の実現に向けまして、世界じゅうから観光客を集める滞在型観光を推進してまいりたいと考えております。
○塩川委員 今、お話の中でも、国際競争力、そういう中で、世界で勝ち抜くMICEビジネスの確立ですとか、滞在型観光モデルの確立とか、世界に向けて日本の魅力を発信するとか、こういったIRの役割を強調されておられるわけですけれども、そうなると、そういった国際競争力に資するような、観光先進国となり得るような、そういったIRの実施法案というのは、結果として、当然、その中核にカジノがエンジンとしてあるわけですから、抑止すべきギャンブルというのを奨励することになってしまうんじゃないのかと思うんですが、率直にどうですか。
○中川政府参考人 御答弁申し上げます。
ただいま石井国務大臣からIR制度を整備する趣旨について御答弁がございましたけれども、まさしくIRは、カジノをIR事業全体の収益源とするという位置づけではございますけれども、その収益を活用して、さまざまな誘客施設を展開することにより、これまでにないビジネスチャンスを日本につくったり、あるいはこれまでにない形で日本の観光資源の魅力を世界に向けてアピールする、そういう舞台を提供するものだというふうに考えてございます。
したがいまして、IRで実現されるこういうノンゲーミング部分の付加価値、これは、まさしく究極のIR制度の目的であります、日本を観光先進国にしていく原動力にするということでございまして、そのためにIR制度が設計されているというふうに理解してございます。
○塩川委員 ですから、観光先進国の原動力となるようなIRは、その収益のエンジンはカジノですから、IRの収益源のかなめであるわけです。
結局、IRを推進するということは、抑止すべきギャンブルというのを結果として収益源として奨励することになるんじゃないですかということを聞いているんですけれども、大臣、いかがですか。
○中川政府参考人 御答弁申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたように、IR制度の究極の目的は日本を観光先進国に引き上げていくということでございまして、それを実現するためのものとしてIR制度を設計しておりますし、また、そこでさまざまな事業を展開していく際の民間事業資金を獲得する一つの方法としてカジノも位置づけられている、そういう形でございます。
○塩川委員 観光先進国に引き上げるためにカジノ解禁を国民は認めているわけじゃないんですよ。だから、国民の多数はギャンブルによる経済振興に反対だというのがやはり実態ですから、そここそ踏まえるべきだということを申し上げておくものであります。
次に、そもそも賭博行為であるカジノは違法であるわけですけれども、その理由についてもう一回確認したいと思います。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
IR整備法案は、IRの推進法に基づきまして、カジノ施設を含む特定複合観光施設を設置する区域を整備するための法制上の措置でございますので、これは、カジノ単体の整備のための制度を設計するものではございません。
○塩川委員 そもそも、単体でのカジノを整備しない、整備するものではないのは当たり前の話で、賭博であるカジノは違法だ、その違法性の阻却の話を聞いているわけです。
刑法の賭博禁止のもとで特別法で実施されている公営ギャンブルというのは、八要素の話も先ほどやりとりがありましたけれども、公設、公営で公益を目的とするという極めて限定的な条件で、特例として認められてきているわけです。
今回のIRの場合でいえば、民間事業者がみずからの私的利益のためにカジノを開設することがどうして許容されるのか、そういう整理はどうしていますか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの点は、先ほど法務省の刑事局の方からも御答弁がありましたように、法務省の見解によりますと、新たな賭博法制を考える場合には、刑法が賭博を禁じているその法の趣旨を、刑法の趣旨を没却しない新たな法制度になっているかどうかということを確認する際、この八つの観点からの考察を総合的に行うというふうに伺っております。
今のお尋ねでございますけれども、特に、この八つの観点のうち、運営主体等の性格ですとか、あるいは運営主体に対する公的な管理監督の仕組みが新しく提案されている法制度の中でどれだけきちっとセーフティーネットがつくられていて、それが刑法が賭博を禁じている趣旨を没却しないものになっているかどうかという観点を踏まえて制度設計がなされておりますし、また、先ほどの法務省の答弁によりますと、法務省としても、今回の御提案申し上げている制度設計案は、この八つの観点からの考察をした上で、刑法が賭博を禁じているその制度の趣旨を、法の趣旨を没却するものではない、そういう意味で整合性がとれているものだと判断しているという御答弁があったというふうに理解をしております。
○塩川委員 法務省の答弁で、八つの要素それぞれの説明がありました。目的の公益性のところでは、例えば観光や地域経済振興とか財政への貢献もあるでしょうけれども、そういった公共性があるんだということでの説明です。これは、推進法の第一条でも、観光及び地域経済の振興に寄与、財政の改善に資するというものであれば、いわばカジノは許容されるというたてつけになっているということです。
そういうことは、民間企業がカジノ行為を行うことで観光に貢献し、雇用や地域経済の振興に寄与し、多額の納税などを通じて財政改善に資すればカジノはオーケーという理屈ということですかね。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
新しい法制度を賭博法制として検討する際には、法務省の答弁によりますと、八つの観点からきちんと確認をしていく、総合的に考察をしていくということでございますので、今、塩川委員からは目的の公益性とそれから運営主体の性格などの御指摘がございましたけれども、そのほかにも、収益の扱い、先ほどの法務省の答弁によりますと、カジノ収益を内部で還元して、ゲーミング以外のさまざまな誘客施設を通じて観光、地域振興、経済の振興を図る、それからさらには、カジノ収益そのものが、国庫ないしは地方に対する納付金として、社会還元を通じて公益を実現するものになるといったようなことも触れられているわけでございます。
そのほかにもこの八つの観点がございますので、それらを総合的に考察して、先ほどの法務省の答弁によれば、刑法が賭博を禁じている、刑法の趣旨を没却するものにはなっていない、整合性がとれている、そういう御答弁があったものというふうに理解をしております。
○塩川委員 公共政策の話でも、さっき一条の答弁でもやりとりがありました。
今回のIRにおいては、やはり公共政策としてのIRとして、MICEビジネスの話や滞在型観光モデルや日本の魅力発信、こういうスキーム、こういうものが政策目的に合致をしているということで、賭博も合法化できるというスキームになるわけです。これは、その解釈ですと、どんどんどんどん広がっていくんじゃないのかなという懸念がするわけであります。
この点についてはまた改めて議論したいと思うんですが、そもそも、今回のIRの制度設計についてはシンガポールのIRを大きく参考にしているということは一つの事実だと思うんですが、その点はよろしいですか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
はい。シンガポールを含め、カジノの規制、そしてカジノの事業の廉潔性を保つための制度的な取組、あるいは依存防止のための取組、またマネロン対策を講ずるという点からの取組、そういうものが世界で非常に高いレベルにある諸国の制度を参考にさせていただいております。
○塩川委員 シンガポールも参考にしているということです。
昨年の七月、IR整備推進会議の取りまとめでは、カジノの施設面積について、上限値(絶対値)でカジノ施設の面積の規制を設けるべきであるとしていましたが、しかし、法案では、上限規制ではなく、IR施設床面積の三%以内となっています。これはなぜでしょうか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
カジノ施設の規模の規制につきましては、そもそも、IR推進法の附帯決議におきまして、国際的、全国的な視点から、真に観光、地域経済の振興の効果を十分に発揮できる規模のものとして、その際、複合観光施設全体に占めるカジノ施設の規模に上限等を設けるということが御決議されていたことも踏まえまして、これまで制度設計を検討してきたことでございます。
この法案の中におきましては、カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の床面積の合計につきまして、IRの規模をあらわすものとして、IR施設全体の延べ床面積を基準としてその一定割合以下に制限することが適切であるという考えに基づいて法案を作成しているところでございます。
御指摘のとおり、この上限値を絶対値とする考えもあり得ますけれども、IRの立地地域や規模が現時点では未確定だということでございまして、そういう状況の中では、そういう絶対値の上限を設けることによりカジノ事業の収益を活用して整備されるIRの施設規模が制限される可能性もあり、そういう意味では、IRを通じて達成することができるかもしれない公益の部分について制約要因になり得るかもしれない、そういう考慮の上で現在のような御提案になっている次第でございます。
○塩川委員 時間が参りましたので、次回に回したいと思います。
終わります。ありがとうございました。
東海第2原発再稼働反対のたたかいに向けた北関東4県(茨城・栃木・群馬・埼玉)の県議団懇談会に出席。
首都圏に所在する東海第2原発は、40年経つ老朽原発であり、再稼働・20年延長など認められません。
市民と野党の共闘に取り組むことや各県での視察や学習会などを具体化することに。
「けやきの会」総会で講演。
加計、森友、働き方改革法案、自衛隊日報、自民党改憲案、朝鮮半島情勢、市民と野党の共闘の前進、日本共産党の役割など、お話しました。
加計学園の獣医学部設置をめぐり愛媛県が提出した新文書についてただしました。
新文書には加計孝太郎理事長と安倍首相が2月25日に面談し、獣医学部構想に首相が「いいね」とコメントしたという記録がある。首相は入邸記録を確認したがなかったと説明しましたが、入邸記録は「遅滞なく廃棄」する扱いになっています。
そこで、2015年2月25日の入邸記録が残っているのか――と質問。
内閣官房の原邦彰審議官は「廃棄しているので確認できなかった」と答えました。
愛媛県側は文書で記録を明らかにしているのに、官邸は記録がない。これは説得力がない。菅義偉官房長官に新文書の確認を求めると――。
菅氏は「愛媛県の文書に政府としてコメントしない」と従来の答弁を繰り返しました。
わたしは、国政調査権に基づいて出された公文書だと重みを持って受け止めよ。物証を含め反証を示すべきだ――と重ねて求めました。
記録がないのなら、関係者に証言してもらうしかない。新文書には3月24日にも柳瀬氏と加計学園が面会した記録があり、参考人質疑での柳瀬氏の証言と食い違いがある。柳瀬氏、加計理事長の証人喚問を求めました。
「議事録」
<第196通常国会 2018年05月25日 内閣委員会 21号>
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。おはようございます。
それでは、きょう、官房長官にお越しいただきまして、加計学園関連の愛媛県新文書にかかわり、お尋ねをいたします。
今週の月曜日、参議院予算委員会の国政調査権に基づき、愛媛県が提出をしました新文書についてであります。
この中では、やりとりにつきまして、関連する個人メモというのが添えられておりますけれども、その一枚の中に、「加計学園からの報告等は、次のとおり。」、二〇一五年ですが、「二月二十五日に理事長が首相と面談(十五分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね。」とのコメントあり。また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。」このように記述がされております。
官房長官、お尋ねをいたします。
安倍総理は、今週の国会におきましても、その日、加計理事長と面会していないと答弁をされておられます。愛媛県のこの新文書と総理の認識に違いがあるということであります。その点でも、政府として、愛媛県側に事実関係の確認を行うことが必要ではないかと思いますが、官房長官、お答えください。
○菅国務大臣 まず、御指摘の総理面会についてですけれども、総理御自身がさきの委員会で、平成二十七年二月二十五日に加計理事長とお会いしておらず、念のため入邸記録も調査しましたが、加計理事長が官邸を訪問した記録は確認できませんでしたと説明をされて、また、加計理事長とは、これまで繰り返し答弁してきたとおり、医学部の新設について話をしたことはない、このように総理が説明をしています。これが全てであります。
その上で、愛媛県の作成した文書についてでありますけれども、政府の立場でそれはコメントすることは控えたいと思います。
○塩川委員 入邸記録については確認できなかったという話ですけれども、ちょっと聞きますけれども、この入邸記録というのは、そもそも、この二〇一五年二月二十五日というのは、何か残っているものがあるんですか。残っているものがある上で、確認したけれどもできなかったのか、そもそもないのか、その点、はっきりさせてください。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘のありました入邸記録でございます。この入邸記録とは、外部からの官邸への入邸に際しての訪問予定者に、訪問先への事前届出を必ず求めている訪問予約届というものでございます。これは、従来から国会で御答弁させていただいておりますが、使用目的終了後、遅滞なく廃棄という扱いになってございます。
総理の御答弁は、そういう遅滞なく廃棄する取扱いとなっているが、念のため確認したが、やはり確認ができなかった、こういうことでございます。
○塩川委員 ですから、この訪問予約届について、二〇一五年二月二十五日のは残っているんですか。
○原政府参考人 お答え申し上げます。
遅滞なく廃棄してございまして、確認できなかったということでございます。
○塩川委員 廃棄しているから、ないから確認できないと言っているだけで、その日についての記録があったらどうかという問題も出てきますし、当然、この訪問予約届だけではなく、官邸においてさまざまな来訪者があった際に、関係者がきちっと記録をする、面談の記録などをとるということも当然あるわけで、これについては、中川委員を始めとして、今委員会でも繰り返し要求をしているところであります。
そういう点について、愛媛県側は文書においてきちっとした記録を明らかにしているのに、官邸の方というのは、この問題についての記録というのは何ら、文書で示すものも一つもない。こういう点で、総理が言っているからというだけの話であって、これは説得力がない。政府としてコメントする立場にないという言葉でかわすような話じゃないと思うんですよ。
官房長官、改めてお尋ねしますけれども、政府の信頼性が揺らいでいるという問題なんですから、コメントする立場にないとかというので愛媛県の新文書について脇に置くような態度というのは、一層政府への疑念を拡大するだけであって、これはしっかりと愛媛県側に確認をする、こういうことこそ必要なのではありませんか。
○菅国務大臣 今日までも、官邸の入邸記録については何回となく質問があり、そのたびにそのシステムについてお答えをし、しかし、念のために調べるべきだということも何回かありました。そういう中で、今回調べさせていただいて、なかったということであります。
また、これは愛媛県の文書でありますから、政府としてここはコメントするものではないと思います。
○塩川委員 いや、それぞれ、認識、事実関係について違いが出ているわけですから、まさに参議院の予算委員会が国政調査権で、提出された、責任ある、いわば公文書であるのがこの愛媛県の新文書であるわけで、そういう重みを持って政府が受けとめているかどうかというのが問われているんじゃないですか。
国政調査権に基づいて出されたこういう新文書で、総理の言っていることと違うことが書かれている。その記録として出されている問題についての、事実として認められる、このことをやはり問われているわけですから、疑いがかけられているのはやはり総理の側であって、これはしっかりと反証を示す必要がある。一言、会っていないと言うだけではこれは納得し得ないわけで、何らかの物証を含めて反証を示してもらいたいんですけれども。そういうことを示すということこそ政府に求められているんじゃないですか。
○菅国務大臣 ですから、総理御自身が答弁されたことがこれは全てだと思います。
○塩川委員 ですから、それが疑念を更に深めているということになっているわけですから、そういう点での政府の姿勢そのものが問われているわけであります。
何らか記録なり文書なり証言なりで改めて事実関係をはっきりさせる、反証するというのは、政府がまさに求められている責任ですから、そういうものをしっかりと示すということこそ必要じゃないですか。
○菅国務大臣 御本人は、会っていないということ、そして、念のために入邸記録も調査をした、そういうことを答弁しているわけですから、それが全てじゃないでしょうか。
○塩川委員 いや、全然全てじゃないですよ。入邸の記録だけで何らかの物証になるわけではありませんし、そもそも何もないわけですから。
そういう点でも、具体的に文書等で、記録等で出せないというのであれば、これはやはり関係者にしっかりと証言をしてもらうということこそ必要であるわけです。
そういう点でも、柳瀬さん自身のあの参考人での答弁というのが、まさに会っている日付そのものについても、二〇一五年の三月の二十四日に加計関係者と柳瀬さんが会っていたなんという記載もあるわけですからね。そういうのが実際に参考人で答えたのと食い違うわけで、こういった問題についてしっかり明らかにしてもらう上でも、柳瀬さんの証人喚問も必要ですし、一番の当事者である加計孝太郎さん、しっかりと国会に来てもらって証人喚問に応じてもらう。また、この愛媛県の新文書を提出した中村時広愛媛県知事の参考人招致、こういうことは当然のことであるわけです。
そういう点でも、これは官房長官として、柳瀬さんにもう一回国会に出てもらって証人喚問に応じてもらう、こういうことについて、しっかりと働きかけるということは、やはり政府として行う必要があるんじゃないですか。
○菅国務大臣 従来までも国会のことは国会でお決めいただいておりますので、そのように国会でお決めいただくことだと思います。
○塩川委員 委員長、この柳瀬唯夫元総理秘書官と加計孝太郎理事長の証人喚問、中村時広愛媛県知事の参考人招致をぜひ求めたいと思います。
○山際委員長 後ほど理事会で協議いたします。
○塩川委員 この愛媛県の新文書では、柳瀬氏が二〇一五年三月二十四日に加計関係者と面会していることが記載をされています。また、加計理事長と安倍総理が面談したと記載されている二月二十五日にも、先ほど冒頭で紹介をしたように、柳瀬氏が同席していたと思われる記述があります。
この二つの日付について、これは内閣官房の総理秘書官を務めていたときの話ですから、内閣官房として、柳瀬氏にしっかり確認してもらう必要があるんですが、この二つの日付について、実際どうだったのか、それについて答えてもらえますか。
○村上政府参考人 特区制度の運用に関する話ということで、内閣府の方で確認をとらせていただきましたけれども、まず、さきの参考人質疑において、柳瀬元秘書官は、後藤先生の御質問に対して、平成二十七年二月から三月ごろだったと思いますけれども、加計学園の事務局の方から、上京する際にお伺いしたいという申入れがあって、官邸でお会いをしましたと。
蓮舫議員からの、加計学園関係者と会ったと言いますが、これ三月二十四日ではないですかとのお尋ねに対しては、日付がどの辺だったかはちょっと私わかりませんというふうに答弁をしております。
また、五月二十二日に、記者からのお尋ねに対して柳瀬元秘書官は、御指摘の安倍総理と加計理事長の面会についてでありますけれども、私はもちろん同席をした覚えもございませんし、その話を伺った覚えもございません、また、総理から本件について指示を受けた覚えもありません、したがいまして、その文書に記載のありました、私が安倍総理と加計理事長の面談を踏まえて資料の提示をお願いした覚えもございませんと述べたと承知をしてございます。
今回、委員のお求めもありましたので、改めて柳瀬元秘書官に確認もいたしましたけれども、やはり、さきの参考人質疑や記者からのお尋ねに対してお答えしたとおりであるということでございまして、そのように内閣府としても本人に確認をしてございます。
○塩川委員 済みません、もう一回確認しますけれども、二月の二十五日については、記者の問合せとの関係で、そういう、記憶がないという言い方なんですかね。三月の二十四日についてはどういうふうに答えているんですか。その点、内閣府としてどういうふうに確認をしているんですか。
○村上政府参考人 それぞれについてお答えを申し上げます。
三月二十四日の関連ということでありますが、そもそもの発端となりました四月二日の面会に先立ち、二月から三月ごろにかけて加計学園の事務局の方とお会いをした記憶があるが、日付ははっきりしないと。これに対して蓮舫議員から、三月二十四日ではないですかと問われて、その日付については、どの辺だったか、ちょっと私わかりません、このようにお答えをされているというふうに認識をしてございます。
他方で、二月の二十五日の方につきましては、これは御指摘いただいたとおり、記者からのお尋ねに対してお答えをしているというのが柳瀬元秘書官の認識でございまして、こちらにつきましては、そもそも、総理が二月二十五日にお会いされている事実自体を否定されるコメントを出しておられるというふうに認識しておりますけれども、当然でございますが、そういった総理との面会については、もとより日付のいかんにかかわらず同席をしておりませんし、したがいまして、その内容についても指示を受けた覚えもないというふうに本人が説明をしているというふうに内閣府として認識してございます。
○塩川委員 いや、本人がそういうふうに説明していると内閣府が承知していると言うんだけれども、もう一回確認したのかという話なんですよ。
二月の二十五日に会いましたか、三月の二十四日に会いましたか、単純な話なんです。内閣府として、これを柳瀬さんに聞いたんですか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
御通告を頂戴しておりますので、改めて、記者に対してそうしゃべったというだけではなく、その後、本人に確認をしてございますが、二月二十五日の総理面会の絡みに関しては、そもそもそういった会議自体も承知をしていないし、自分はそうした場にも同席していないし、それに伴う指示も受けていないということを、内閣府として直接本人に確認をしてございます。
三月二十四日につきましても確認をしてございますけれども、これにつきましては、後藤茂之先生や蓮舫先生からのお尋ねに対してお答えしたとおりでございまして、四月二日の前に、二月から三月ごろだったか、加計学園の方と柳瀬秘書官本人がお会いをしたことはあるだろう、ただし、その日付については正確にはわからないということで、それが三月二十四日であるかどうかについては自分自身は確認する手段を持ち合わせていないという趣旨で、日付がわからない、このように認識をしているというふうに内閣府としても理解しております。
○塩川委員 ですから、もともと柳瀬さんの参考人での答えがあやふやだったんですよ。官邸で三回会いました、四月二日もありますけれども、二月か三月ごろという話と、六月という話でね。
二月か三月ごろというのは、そもそも幅がある言い方でおかしいなと思っていたんですが、今回の場合に当てはめてどうなのかということになってくるんですよ。じゃ、三月の二十四日というのがそれなのか、いや、そうではなくてまた別途あるのか、二月の二十五となるのか。
そもそも、官邸外で総理と加計さんが会っている可能性も当然あるわけですけれども、そういうことを含めて、伝言ゲームみたいなやりとりでは全く納得がいかないわけで、内閣官房として、首相秘書官を務めているようなときに内閣官房が責任を持って調べる、内閣府に頼んで、内閣府が経産省の柳瀬さんに聞く、こんな伝言ゲームみたいなやり方じゃなくて、直接、事実関係を明らかにするということがやはり必要だ。
そういったことを政府が責任を持って行うということが必要なわけで、改めて柳瀬氏の証人喚問が求められているということを申し上げて、質問を終わります。
自民・公明・維新各党が提出したギャンブル依存症対策法案が25日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決しました。共産、立民、無所属の会、自由、社民の各党・会派が反対しました。
本会議に先立つ同日の衆院内閣委員会で、同法案への反対討論を行いました。
パチンコなどが身近な日本には依存症を疑われる人が320万人おり、国が社会的課題として対策を行うことが必要だ。依存症対策には新たな依存症者を生みださないことが必要だ。
法案の提出者が「依存症者を減らすことが法案の目的だ」と述べるとともに、「カジノ解禁が新たな依存症者を増やす」ことを認めている。新たなギャンブルであるカジノの解禁を認めることは矛盾している。にもかかわらず、法案の提出会派はカジノ推進法を強行し、今国会に提出されているカジノ実施法案に対しても政府と一体に推進を図ってきたことは極めて重大だ。カジノ解禁とギャンブル依存症対策はまったく相いれないものであり、法案には賛成できない。
ギャンブル依存症対策として必要なのは、射幸性の抑制や入場・購入制限、広告の規制などの義務付けと、パチンコの賭博性を規制することだ。ましてカジノの解禁などもってのほかだ。
反対討論は、以下の通りです
私は、日本共産党を代表して、自民、公明、維新提出のギャンブル等依存症対策基本法案に反対の討論を行います。
公営ギャンブルやパチンコが身近にある日本には、約320万人とも推計されるギャンブル依存症を疑われる人がいるとされ、諸外国と比較してその割合が非常に高く、深刻です。ギャンブル依存症問題に対し、国が、社会的課題として対策を行う必要があることは言うまでもありません。
ギャンブル依存症対策で重要なことは、依存症の進行の防止や回復とともに、新たな依存症者を生み出さないことです。
提出者はこの法案が依存症者を減らすことを目的にしていると述べるとともに、カジノ解禁が新たなギャンブル依存症者を増やすことを認めました。ギャンブル依存症者を減らす策を掲げることと、新たなギャンブルであるカジノの解禁を認めることは矛盾しています。
にもかかわらず、本案の提出会派は、新たなギャンブルであるカジノ解禁を推進しています。2016年にカジノ推進法を強行し、さらに今国会に提出されているカジノ実施法案に対しても、政府と一体となって、推進を図ってきたことは極めて重大です。
カジノ解禁とギャンブル依存症対策は全く相いれないものであり、自公維案には同意できません。
ギャンブル依存症対策として必要なのは、ギャンブル事業者へ、射幸性の抑制や入場・購入制限、広告の規制など依存症発生等の防止への取組を義務付けることであり、大半の依存症者の原因であるパチンコの賭博性を規制することです。
ましてやカジノを解禁し、新たにギャンブルができる場所を増やすなどもってのほかです。
以上、申し述べ討論を終わります。