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第195 特別国会 2017/11/1〜2017/12/9
日付:2017-12-28
2017年特別国会の取り組み【1】議院運営委員会の仕事
(1)疑惑解明、安倍政権の基本姿勢を質す国会審議実現に取り組む
1)特別国会に向けた各派協議会に出席
(10月25日)
総選挙後、特別国会が召集されるまでの期間、院の構成などについて話し合う各派協議会の最初の会合が開かれ、日本共産党を代表して出席。
私は、先の臨時国会(9月28日)について、菅官房長官が「(野党から)召集要求を受けており、国民生活にかかわる内外の重要課題に対応するため」と召集理由を述べていたにもかかわらず、冒頭解散したことをあげ、野党の臨時国会召集要求は憲法53条に基づくもので、森友・加計疑惑の真相解明を行うためのものだったと強調。「説明責任を果たすと、安倍総理は繰り返し述べているではないか、政府・与党としてどう対応するつもりなのか」と迫りました。自民党の代表は「意見は承った」と述べました。
立憲民主党の代表は「総理は謙虚に説明していくといってきたわけだから、審議をしてもらいたい」と発言。希望の党の代表は「野党側が召集を要求した臨時国会が召集日に解散された。審議する考えはあるのか」と述べました。
2)各派協議会で政府が特別国会を11月1日召集と伝達
(10月26日)
菅官房長官が出席し、特別国会を11月1日に召集する政府の方針を伝えました。
野党は、安倍総理による所信表明と代表質問、予算委員会での質疑、各委員会での大臣所信と質疑、森友・加計両学園疑惑に関する安倍昭恵・総理夫人らの証人喚問などを行うことを要求しています。
私は、6月に野党が臨時国会召集を要求し、安倍総理が内閣改造を行ったにもかかわらず、9月28日召集の臨時国会を冒頭解散して、質疑も行われていないと批判。「しっかりとした審議を行うべきだ」と主張。菅官房長官は「国会が決めれば、丁寧に対応したい」と述べたものの、自民党は「会期を8日間としたい」と提案。これに対し、野党側は「受け入れられない」と批判。私は、野党が求める審議を行うためには、30日程度の会期が必要だと主張。自民党は「意見は承った、持ち帰る」と述べました。
3)各派協議会/十分な審議を強く要求
(10月30日)
自民党は、前回26日で提示した8日間の会期に固執。総理指名などの他は、野党が求める実質的な審議を事実上拒否する姿勢を示しました。
私は、8月の内閣改造に加え、森友学園への国有地売却の際の値引きが最大約6億円も過大だったとする会計検査院の試算も明らかになったほか、加計学園の獣医学部新設に対する文部科学省への答申が11月上旬にも出されると報じられるなど、十分な国会審議がいっそう必要になっていると指摘。「実質的な審議を行うためには、少なくとも30日程度の会期が必要だ」と再度要求しました。与党側は、「国対に持ち帰ると」答えました。
4)各派協議会/6会派が30日以上の会期を要求
(10月31日)
実質審議の時間を確保するため、30日以上の会期を求める野党に対し、自民党は8日間の会期に固執。翌日の国会召集日にも引き続き協議することになりました。
自民党は「野党から要望もいただいているので模索を続けていきたい」と表明しつつも、質疑なし8日間の会期を、改めて提案。
私は、野党6会派が30日以上の会期を要求していることを指摘。NNNの世論調査でも「先の衆議院選挙を受けて、秋の国会で与野党の論戦が行われるべき」と答えた人が64.9%もいる。与党としても当然、国民の声にこたえる必要があるはずだと求めました。
5)各派協議会特別国会の会期39日間に
(11月1日)
前日まで審議なしの8日間の会期に固執していた自民党は、各派協議会で会期を12月9日までの39日間とすることを提案、野党側も同意しました。衆議院本会議で議決され、39日間の会期が確定しました。
「森友・加計」疑惑の真相究明や安倍政権の基本姿勢を質すことを求める世論を前にして、与党側は、30日間以上の会期で十分な審議の保証を求める野党側の要求に従わざるを得なかったものです。
6)代表質問の日程協議/十分な質疑を
(11月8日議院運営委員会理事会)
議院運営委員会理事会で、安倍総理の所信表明演説とそれに対する各党の代表質問の日程を協議。野党各会派は、森友・加計疑惑や総理の基本姿勢をただすための国会として、十分な質疑時間の確保を求めました。与党は、安倍総理所信表明演説を17日に、衆院での各党代表質問を20日・21日に行う日程を提案。
私は「森友・加計疑惑を解明し、安倍総理の基本姿勢をただす国会にふさわしい質疑時間をとるべきだ」と主張。
立憲民主党、希望の党、無所属の会も「過去の例やこれまで長く国会が開かれていない経緯を踏まえ、十分な質疑時間を確保すべきだ」などと求めました。
自民党は「引き続き協議していきたい」と述べました。
7)代表質問時間について野党は反対
(11月17日議運委員会)
衆院議院運営委員会は17日、安倍晋三首相の所信表明演説に対する十分な質疑時間を求める野党に与党が応えないまま、20、21両日に代表質問を行うことを自民、公明、維新の多数で決めました。日本共産党、立憲民主党、希望の党、無所属の会の野党各会派は、十分な質疑時間を確保するものではないと反対しました。
私は、野党の質問時間拡充を拒む与党に対し、総選挙後初めての代表質問であり、9条改憲や消費税増税、原発再稼働、北朝鮮問題など課題は枚挙にいとまがないと指摘。とりわけ憲法53条にもとづく野党の臨時国会召集要求をふまえた疑惑解明の質疑が行われないままとなってきたとして、「今国会は、疑惑解明、安倍内閣の基本姿勢をただす国会だ。それにふさわしい質疑時間を確保することは当然で、国民の声だ。その要求を拒む与党の姿勢は、政府への監視機能という国会の権能を損なうもので断じて認められない」と批判しました。
野党各会派も時間を増やすべきだとし、疑惑解明など「理由は大いにある」(立憲民主党)、「時間を十分確保し、特別国会で取り組む意思を国会が国民に示したい」(無所属の会)と発言しました。
議運委に先立つ理事会で、維新の足立康史議員が15日の衆院文部科学委員会で自民、立憲、希望の議員を名指しで「犯罪者」と発言した問題をめぐり、各党から批判が相次ぎました。維新側は「国会の品位を汚すものでありおわびしたい」と謝罪しましたが、塩川氏は「単に個人の問題でなく、党としての対応が問われる。本人が文科委員会で謝罪・撤回すべきだ」と求め、他会派からも賛意が示されました。
(2)国立公文書館建設、憲政記念館の在り方、立法府の公文書の取り扱いについて協議
(12月6日、議院運営委員会公文書館小委員会)
4月14日の議院運営委員会は、憲政記念館敷地を含む国会前庭を、新たな国立公文書館と憲政記念館の合築として政府が建設するために使用することを認めることを決定しました。わが党は、政府の機関である国立公文書館は、用地の確保を含め政府の責任で行うものであり、衆院用地を使用することは認められないと反対しました。
今回の小委員会は、4月の公文書館小委員会において「既存施設である現北の丸本館及びつくば分館と役割分担を図る新たな施設建設の基本計画の検討を進め、本小委員会に報告を求める」としたことを受けて開催されました。
私は「もともと北の丸とつくばを視野に入れて検討していなかったことが問題。一から議論すべきだ」と発言しました。石田小委員長は基本計画原案についておおむね妥当とし、今年度中に基本計画を策定することを求めました。
私は「憲政記念館敷地を活用した国立公文書館建設は、憲政記念館建替え計画になる。新憲政記念館の機能や規模などの計画は、政府の都合で決めるものではなく、国会で決める仕事だ。①憲政記念館の建て替えについて、国会としての議論を行うこと、②憲政記念館の代替施設についても、必要な規模や機能について議論を行うことが必要だ」と主張。
さらに「憲政記念館については、歴史的な資料の収集、保管、展示を行う議会博物館としての役割を発展させるという見地で議論を深めるべき。立法府の公文書の作成、管理、保存、公開のルールづくりを進めること、憲政記念館を議会公文書館とすることも選択肢とした検討を行う必要がある。公文書館小委員会において、立法府の公文書の取り扱いや憲政記念館の在り方について、議論していくべき」と提案しました。
石田小委員長は「当小委員会において、憲政記念館の在り方について検討を行うとともに、立法府の公文書の取り扱いについても検討したい」と述べました。
(3)次期議員会館事業の在り方について協議
(12月6日、議院運営委員会庶務小委員会)
現在の衆議院議員会館(2010年から新会館)のPFI事業は、2019年度で期間が終了するため、次期議員会館事業の在り方を検討することになっています。
わが党は、議員会館をPFI方式で建設することについて、議員会館は国会施設そのものであり、その建設方式や管理運営を民間資金等活用事業(PFI事業)として民間にゆだねることは、国会の独立性や議員の政治活動の自由などからいってふさわしくない、と批判してきました。
実際、議員会館のPFI事業については、いくつものトラブルが発生しています。
・議員室のレイアウト変更の経費について、以前は院の側が費用負担していたのに、PFI方式では費用が徴収されるようになった。
・省エネ対策として導入されたNAS電池が故障した際に、その損害賠償について、だれが責任を負うのか契約に明記されていないために、解決までに5年以上もかかった(最終的に、PFI事業者が賠償金を支払った)。
・障害者団体が要望した施設のバリアフリー化の要望が反映されにくい。
などです。
議員会館のPFI契約終了期限を機に、この間の課題を洗い出し、PFI方式の検証を行うべき。PPP/PFI推進の政府方針に基づく「PFIありき」ではなく、直営に戻すことを含め、運営手法について真剣に検討することを求めてきました。
今回、議員会館PFI事業を検証するため、有識者による検証委員会を設置することになりました。私は「検証委員会メンバーに、PFIに批判的な識者も加えるべきだ」と提案しました。
(4)衆議院を代表して公式行事に出席
●ミャンマー連邦共和国下院議長一行の衆院議長表敬訪問に同席
(11月28日)
ミャンマー連邦共和国下院(国民代表院)のウイン・ミン議長一行が、大島衆院議長を表敬訪問。議院運営委員会のメンバーの一人として同席しました。
ミャンマーは人口約5千万人。民主化を求める国民のたたかいによって、アウン・サン・スー・チー氏の下、軍政から政権移行を実現。国民代表院(下院)の定数は440名。国軍司令官が指名する軍人議員が110名(定数の25%)を占め、残りの330名が小選挙区制で選出されます。任期は5年、解散なし。
国民民主連盟(NLD)(与党)255名、連邦連帯開発党(USDP)30名、アラカン民族党(ANP)12名、シャン民族民主連盟(SNLD)12名、他に少数民族政党が7党。
民主化運動に取り組んで、何度も投獄された経験をもつ人が国会議員になっています。今は、少数民族との和平が大きな課題となっています。