【国土交通委員会】アイヌ差別/国策が原因と指摘/政府「重く受け止める」/衆院国交委で新法案可決

 アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記するアイヌ新法案について質疑し、政府の歴史認識と同法案の意義をただしました。

 私は、明治維新から現在に至るまで、北海道開拓と『北海道旧土人保護法』等による政府の土地政策・同化政策が、アイヌ民族の言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出した――として政府の認識を質問。

 石井啓一国交相は「政府の同化政策により差別と貧窮がもたらされたことは重く受け止める」と答えました。

 アイヌの人々の間にある、政府の反省と謝罪を求める声を重く受け止めるべきだ。政府の施策により言語や文化を奪われて差別を受けた歴史を国民全体の認識にする責任が政府にはある。

 また、古老の人々の生活困窮が深刻だ。政府として、低年金・無年金の実態の把握と要因の分析、生活保障・生活向上策の抜本強化が必要だ。本法案の策定過程で、当事者であるアイヌの人たちが参画し、多様な意見をくみ尽くしたと言えるのか。少なくない批判が寄せられていることを重く受け止めるべきだ。

 さらに、「先住民族の権利に関する国連宣言」を受けて2008年に採択された、アイヌ民族を先住民族とするよう求める国会決議と本法案の関係を質問。

 石井国交相は「国連宣言と国会決議を踏まえた」と答え、現行のアイヌ文化振興法との違いについて「アイヌの人々が先住民族だという認識の下、文化振興に加え、地域・産業・観光振興等を総合的に推進する」と説明。

 内閣官房の橋本元秀アイヌ総合政策室長は、国連宣言の趣旨を「第1条『近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み』の部分で示した」と答弁しました。

 私は、本法案に盛り込んだ『民族としての誇りをもって生活するための環境整備』が、アイヌの人々の生業(なりわい)につながることが重要だと強調しました。

 同法案は、同委員会で、日本維新の会を除く各会派の賛成多数で可決しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月10日 国土交通委員会 5号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 本法案について質問をいたします。
 最初に、石井大臣に、このアイヌ問題の政府の歴史認識を問いたいと思っております。
 明治維新以降現在に至るまで、北海道開拓及び北海道旧土人保護法等による政府の土地政策、同化政策によってアイヌ民族から土地も言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出した、こういう認識を政府としては持っているのか、この点についてまず伺いたいと思います。

○石井国務大臣 近代化の過程におきまして、同じ国民でありながらアイヌの人々が差別を受けてきた、こういう歴史に対しましては重く受けとめているところでございます。

○塩川委員 それは政府の行為がもたらしたという認識があるのかどうかを聞いているんです。土地政策や同化政策などの政府の施策が、アイヌから土地も言語も文化も奪い、アイヌの貧窮化を生じさせた、こういう政府としての認識があるのかをお尋ねしているんですが、いかがですか。

○石井国務大臣 いわゆる政府の同化政策というのも差別の一因になったのではないかというふうに考えています。

○塩川委員 そういう点で、政府の同化政策がそういった差別を助長する要因となっていた。その前提として、貧窮化をもたらすような施策、差別の話の前に、そもそも、実態として貧窮化をもたらした、そういうことが政府の措置によって行われた、そういう認識はあるということですか。

○石井国務大臣 差別と貧窮化がもたらされたということは重く受けとめているところであります。

○塩川委員 法案の名称は、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律となっているわけです。法律名で誇りを掲げるなら、百五十年間もアイヌの誇りを奪ったことへの政府の反省、謝罪がないのかというアイヌの方の思い、これをどう受けとめておられますか。

○橋本政府参考人 我が国が近代化する過程におきまして、法的にはひとしく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実については、政府として厳粛に受けとめます。
 なお、今回、本法案を作成するに当たりましては、アイヌの方々と数多くの意見交換会を実施いたしまして、御意見、要望等をいただいてまいりました。その中では、確かに謝罪を求める意見もございましたが、民族共生に向けて、国民の理解を深め、未来志向で物事を進めるべきである、そういう意見が強かったというふうに承知しているところでございます。
 政府といたしましては、今回の法律により、未来志向のもと、アイヌの人々に寄り添い、アイヌの人々の要望にできる限り対応しながら、共生社会の実現に向けてアイヌ施策を総合的に推進してまいりたいと考えております。

○塩川委員 アイヌに関する施策を進める上で、政府の行ってきた土地政策、同化政策がアイヌの皆さんから土地、言語、文化も奪い、貧窮化を生じさせたという政府の反省を踏まえてこそ真の対策につながっていく。やはり、こういうアイヌの方の指摘を正面から受けとめるべきだと思います。
 ですから、言語や文化を奪われて差別を受けてきた歴史を国民全体の認識にしていく、これが政府が責任を持ってやるべきことではありませんか。

○橋本政府参考人 歴史的な事実について政府として厳粛に受けとめる、これにつきましては、平成二十年の衆参両議院による決議で御指摘いただいているところでございます。その決議におきましては、あわせまして、アイヌの人々が先住民族であるとの認識のもとに、総合的な施策の確立に取り組むことを政府に求めている、そのように承知しております。
 このような決議の指摘を踏まえまして、本法律におきまして、アイヌの人々が先住民族であるとの認識を示し、また、アイヌ施策については、従来の生活向上施策や文化施策に加えまして、産業振興、観光振興、地域振興など、総合的な施策の確立に取り組むこととしております。
 政府といたしましては、今回の法律により、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、もって国民が相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現を目指したいと考えている次第でございます。

○塩川委員 法案の中身の話にまだ入っていないんです。その前提の議論をしているわけで。
 やはり、政府によるこういう土地政策、同化政策といったものがアイヌの方々から土地や文化を奪う、言語も奪う、そして貧窮化をもたらすといったことについての反省があってこそ真の対策につながっていくのではないのかというアイヌの方の訴えを重く受けとめるべきだ。
 そういう点でも、こういった現状の差別、偏見の大もとには政府の施策があるんだ、だからこそ、政府がきちんと、こういう、言語や文化を奪われて、差別も受けてきたアイヌの歴史を国民全体の認識にしていく、そういう責任がある、そこのところを問うているんですけれども、改めてお聞きしたい。

○橋本政府参考人 事実認識につきましては、重ねて申し上げて恐縮でございますが、厳粛に受けとめているところでございます。
 政府といたしましては、アイヌの人々が民族としての名誉、尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことが、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するために非常に重要だと考えているところでございまして、アイヌの皆様に寄り添って、未来志向のもと、アイヌ施策を総合的に推進していきたいと考えております。

○塩川委員 実際、アイヌの方の生活困難ということも、調査などでも明らかであります。特にアイヌの年配の方、古老の方の生活困窮問題が深刻だとお聞きします。
 実際、低年金、無年金といった実態、こういうアイヌの古老の方の生活実態、生活困窮の実態というのは政府としては把握しているのか、そういう生活困窮の要因は何なのか、その点についてはどうですか。

○橋本政府参考人 法案策定に当たりましては、北海道、また北海道の外におきましてもアイヌの方々と多数の意見交換会を実施してきたところでございます。その中で、特に高齢者の方々の貧窮といったようなことの御指摘はいただいておりますので、その点については承知しているところでございます。

○塩川委員 高齢者の貧困のことについては、そういう指摘があったと。
 政府として、その実態を把握をしているのかというのを聞いているんですけれども。

○橋本政府参考人 アイヌの法案策定に当たりましては、アイヌの方々の要望、また意見を聞く、その中でアイヌの方々の状況を十分把握するということに努めてきた、そのように承知しております。

○塩川委員 実態把握をしていないということで、そういう点でも、じゃ、そういった生活困難といった要因が何なのかの分析にも至らないわけですよ。それでいいのかということが問われているわけなんです。
 古老を始めとしてアイヌの人々は、土地政策や同化政策などの政府の施策によって貧窮化が強いられた。ですから、そういう歴史的な経緯を踏まえたときに、アイヌに対する生活保障、生活向上策を今回の法案に盛り込む考えというのはなかったのか、この点についてはどうですか。

○橋本政府参考人 まず、現状におきましては、生活向上施策につきましては、アイヌの人々とその他の住民の格差の是正ということを目的に、北海道におきまして、北海道、また市町村がアイヌ施策、生活向上施策を実施しているところでございます。
 今回の法案におきましては、そういったものをそのまま推進するとともに、それに加えて、本法案によりまして新たな交付金制度を創設いたしまして、地域振興、産業振興、観光振興等を含めた総合的な施策を推進する中で、例えば地域住民の交流の場となるような、現状は生活館というものがございますが、多機能な生活館を整備するであるとか、また、地域の高齢者の足となるようなバス、その他、生活支援、教育支援等の面で資する、そういったものについても市町村と協議しながら対応してまいりたいと考えております。

○塩川委員 交付金とかの施策の話は法案にかかわってまた聞くことになるわけですけれども、そもそも、現状行っているようなアイヌ政策、生活向上施策等々、その生活支援、生活向上策といったものについて法案に盛り込む考えはなかったのか。

○橋本政府参考人 現状につきましてでございますが、北海道の方でアイヌの生活実態調査を行っております。その中で、例えば貧窮度を見る場合に生活保護率というものがございますが、生活保護率については、長年の北海道等の取組の結果、改善している、そのように承知しているところでございます。
 この生活向上施策は、先ほども少し御説明いたしましたけれども、地域の状況に応じて地方公共団体が生活格差を是正する、そういう措置でございますので、本法の全国を対象とした法律にいきなりなじむかどうかということについては慎重に対応する必要がある、そのように承知しております。

○塩川委員 生活保護だけで何かあたかも貧窮、困難、生活苦が改善されているかのように言うのは実態と違うと思います。
 平均所得で見ても、全国平均よりも少ない北海道、その北海道の平均所得よりも少ないというのがアイヌの方々の生活実態ですから、それをどう底上げするのかといった視点が必要じゃないのか。政府の施策によってもたらされたアイヌの皆さんの貧窮化というところを、どうやはり政府として対処するのかということが求められている。この予算措置となっているアイヌに対する生活保障、生活向上策を抜本的に強化することが必要だということを申し上げたい。
 それから、今回の法案の策定過程において、アイヌの方の参画がどうだったのか。いわば、自決権という場合に、自己決定権、アイヌの方自身が法案を策定をする、そういった際に、当事者であるアイヌの人々が法案策定に参画するのは当然のことであります。
 多様な意見を酌み尽くすことが必要で、今回の法案は、アイヌの手によってつくられたと言える法案となっているんでしょうか。

○橋本政府参考人 今回の法案の策定に当たりましては、基本的な考え方といたしまして、アイヌの方々に寄り添って、アイヌの方々の要望に応えていくということでございます。
 したがいまして、法案の策定過程におきまして、意見交換会を、ちょっと手元資料はあれですが、四十回近く、また、参加人数は五百人を超えていたと思いますけれども、多くの方から意見をお伺いして、その内容を法案に反映するように努めてまいりました。
 また、官房長官をヘッドといたしますアイヌ政策推進会議というものがございまして、ここの中にはアイヌの方々に多数参加していただいているところでございます。

○塩川委員 地域説明会で意見を聞いてそれを反映するという話もありましたけれども、こういう地域説明会で出された意見については、この法案作成段階でどのように検討したのか、あるいはしなかったのか、取り入れたのか、取り入れなかったのか、そういうことについての説明というのは公表されているんですか。

○橋本政府参考人 策定の段階におきまして地域の意見交換会の中でどういう議論があったかにつきましては、北海道アイヌ協会の理事会といったところで還元して説明しておりますし、また、先ほど申しましたアイヌ総合推進会議などにおきましても、その状況については御説明しているところでございます。

○塩川委員 意見を述べた方に、自分の意見は反映されたのか、されなかったのか、これは極めて重要だと思うんですよ。まさに多様な意見を酌み尽くしたことを行ったのかということが問われているわけで、こういった対応については疑問が残ると言わざるを得ません。法案策定過程におけるアイヌの参画について、少なくない批判が寄せられているということを重く受けとめるべきであります。
 以下、法案の内容についてお尋ねをいたします。
 今回の法案は、二〇〇八年のアイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議を踏まえて提出されたものということでよろしいんでしょうか。

○橋本政府参考人 御指摘のとおり、平成二十年の衆参両院の国会決議、その内容を踏まえて法案を提出してございます。

○塩川委員 国会決議において、政府は、先住民族の権利に関する国際連合宣言を踏まえ、アイヌを先住民族として認めること、同宣言の関連条項を参照しつつ、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策を更に推進し、総合的な施策の確立に取り組むとあります。この国会決議を踏まえ、法案を提出したということです。
 大臣にお尋ねいたします。
 アイヌ文化振興法と今回の法案の違いというのはどこにあるんでしょうか。

○石井国務大臣 今回の法律案は、従来のアイヌ文化振興法に基づいた文化振興に加えまして、地域振興、産業振興、観光振興等を含む多岐にわたる施策を総合的に推進するものであります。
 具体的には、アイヌの方々が先住民族であるとの認識のもと、国、地方公共団体、国民の責務を示すとともに、市町村が作成する計画が内閣総理大臣の認定を受けた場合における交付金の交付、林産物の採取に関する特例等の特別の措置、民族共生象徴空間の円滑な運営のための措置、内閣官房長官を本部長とするアイヌ政策推進本部の設置など、アイヌ施策の効果的な推進を図るために必要な各種措置を講ずることとしております。
 これらの措置を講ずることによりまして、アイヌの方々が民族としての誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを期待をしております。

○塩川委員 アイヌ文化振興法との違いという点で、先住民族という認識を示しているということ、これまでの文化振興法に基づく文化振興、普及啓発に加えて、地域振興、産業振興など総合的な施策を推進する、そういう中身になっているということです。
 重ねて大臣にお尋ねしますが、この法案においてアイヌ民族が先住民族であることが初めて明記をされた、そのことの意義についてはどのように考えておられるか、お尋ねします。

○石井国務大臣 平成十九年に国連総会におきまして先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択をされ、我が国も賛成票を投じたところであります。同宣言の採択を受けまして、平成二十年に衆参両院によりましてアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議が採択をされ、政府に対しまして、アイヌの人々を先住民族として認めること、国連宣言における関連条項を参照しつつ、総合的な施策の確立に取り組むことが求められました。
 本法案におきましては、これらを踏まえまして、アイヌの人々が先住民族であるという認識のもと、従来のアイヌ文化振興法に基づいた文化振興に加え、地域振興、産業振興、観光振興等を含む多岐にわたる施策を総合的に推進することとしているところでございます。

○塩川委員 施策の総合的推進に寄与するといった点での説明がありました。
 今回の法案は二〇〇七年の先住民族の権利に関する国際連合宣言を踏まえたものだという点について、改めて確認したいと思います。

○石井国務大臣 先住民族の権利に関する国際連合宣言につきましては、法的拘束力はないものの、先住民族に係る政策のあり方の一般的な国際指針として認識をしております。
 また、平成二十年六月に衆参両院の本会議で決議をされましたアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議におきましては、先住民族の権利に関する国際連合宣言を参照しつつ、総合的な施策を確立すべきとされているところであります。
 本法律案におきましては、国連宣言が、差別を受けない権利や国民の理解の促進、先住民族の文化に関する権利などについて規定していることから、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念、国、地方公共団体による教育活動、広報活動等の責務等を規定しており、新たに創設される交付金制度や法律上の特例等の措置によりまして、アイヌ文化の振興や国民の理解の促進を図ることとしております。
 本法の制定及び現行の関係法令によりまして、先住民族の権利に関する国連宣言に示されている国の果たすべき責務につきましては、憲法等との課題整理を図る必要があるものを除きまして、おおむね措置できているものと考えております。

○塩川委員 二〇〇七年の国連宣言を踏まえているということは、この法案の法文上のどこに示されているんでしょうか。

○橋本政府参考人 お答えいたします。
 この法律におきましては、第一条に目的を規定しているところでございますが、その中で、「近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、」と、この部分で示しているところでございます。

○塩川委員 その上で、その国連宣言、第一条の目的のところで含んでいるということですが、この国連宣言は、じゃ、法案の中の施策として具体的にどのように反映されているのか。その権利宣言の、例えば第何条がどういうところで反映されているか。そういうことについて、わかりますか。

○橋本政府参考人 国連宣言の中は非常に多様な権利等が定められております。その中で、例えばでございますけれども、差別を受けないといったことについての権利が国連宣言の中にあります。これに関しましては、この法律の基本理念の部なんですが、第四条のところで、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念を示しております。
 また、国連宣言の中では、国民の理解の促進といったようなことについても言及があると承知しております。これにつきましては、例えばでございますけれども、法律の第五条の国、地方公共団体の責務のところの三項で、国及び地方公共団体は、教育活動、広報活動その他の活動を通じて、アイヌに関し、国民の理解を深めるように努めなければならないということもありますし、今回の施策、ウポポイを始めとして、アイヌ文化について情報発信していくという取組は、国連宣言の内容を受けてのものだと理解しております。

○塩川委員 法案の目的に、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができる社会の実現を図ると明記しておりますが、このアイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができる社会の実現を図るというのは、その意味するところは何か、お答えください。

○石井国務大臣 我が国が近代化する過程におきまして、法的にはひとしく国民でありながらも差別をされ、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府として厳粛に受けとめているところであります。
 また、現状におきましても、結婚、職場、学校などさまざまな場面において、アイヌの方々に対するいわれのない差別が残っていることが示唆をされております。
 本法律案におきましては、国連宣言が、差別を受けない権利や国民の理解の促進、先住民族の文化に関する権利などについて規定をしていることから、アイヌの人々に対する差別の禁止に関する基本理念、国、地方公共団体による教育活動、広報活動等の責務等を規定しておりまして、新たに創設されます交付金制度や法律上の特例等の措置によりまして、アイヌの文化の振興や国民の理解の促進を図ることとしております。
 こうした措置によりまして、本法案は、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図るものであります。

○塩川委員 アイヌ文化振興法にはない規定が追加をされているわけです。そこの持つ意味として、民族としての誇りを持って生活することができる、まさに生活をどう支えるのかといった点が極めて重要だと思っていますが、その意味するところというのはどういうところなのか。もう一度。

○橋本政府参考人 アイヌの方々が誇りを持って生活できるというその誇りの源泉といたしましては、やはり民族としての誇りでございますので、文化にその大きなところ、文化、伝統があると思います。そういった文化伝承について、継承、振興していくということが非常に重要なところでございます。
 文化振興法が文化の振興ということに焦点を当てて対策、対応、施策を進めてきたわけでございますが、今回の法律におきましては、その文化振興に資する環境の整備ということも入ります。
 それはどういうことかと申しますと、例えば、文化の継承をしていて、これまた意見交換で聞いた話ですけれども、継承をしていると、ほかに本業があれば、本業の稼ぎが減ってしまうんだというような、そういうふうなお声もいただいております。やはり、文化継承すること自体が、例えばなりわいにつながるであるとか、その文化継承の、例えば工芸品ということであれば、一定の規模が必要だと承知しますので、そういった原材料の確保であるとか、そういったものも非常に重要な課題だと承知しております。
 そういった環境の整備、文化の周りのそういった環境の整備も今回対応していきたい、そのように考えている次第でございます。

○塩川委員 文化の継承をする場合、そのことを行うことで本業の稼ぎが減ってしまうという点でも、文化の継承がなりわいにつながるという点が含まれるという話は首肯するところであります。
 そういう点で、従来の文化振興法の文化振興等の施策に加えて、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活するためのアイヌ文化の振興等に資する環境の整備を位置づけておりますが、その中には、地域振興や産業振興、観光振興に対する支援も入ってくると。そういった点で、こういった環境の整備というのが実際になりわいにつながっていくということが重要なんじゃないかと思うわけです。
 これらの生活のための環境整備の支援においては、アイヌの人々の生業、なりわいを保障するということが、アイヌの儀式や伝統、文化を継承することにつながるんじゃないのか。この点についてお答えください。

○橋本政府参考人 今回の法案の一つの柱として、交付金制度の新設がございます。また、法律の特例措置といったものがございます。これにつきましては、例えば、今委員が御指摘のように、地域振興、産業振興、また観光振興といった面でいろいろ活用があるのではないかなと。
 例えばアイヌのブランド化を推進する、これは、やはりアイヌの製品を扱うことをなりわいにする方にとっては大きなことだと思いますが、こういった産業振興を振興する。また、アイヌ文化関連の観光プロモーション、こういったものも進めれば、アイヌの芸術に携わる方々のなりわいも確保される方向で改善されるのではないかな、そのように承知しております。

○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。

【内閣委員会】企業主導型保育/ルール丸投げ/政府の責任を追及

 企業主導型保育事業を推進する政府の責任をただしました。

 政府は、企業主導型保育事業で突然の閉園や基準違反などが相次いでいる問題に対し、内閣府に設置された企業主導型保育事業に関する検討委員会が出した「報告」に沿って対策を行うとしています。 

 私は、「報告」で「企業主導型の一類型である保育事業者設置型(定員20名以上)の保育士配置基準を現行の50%から75%にひきあげるべき」と述べていることについて、対象となる施設がどれほどあるのかと質問。

 内閣府は「2600施設のうち30施設だ」と答弁。

 これでどうして改善になるのか。

 また、企業主導型保育事業の助成決定のための審査ルールや指導監督基準を定めたのは誰か――と質問。

 内閣府は「(政府から審査や指導監督を委託されている)児童育成協会だ」と答えました。

 私が、ルールを児童育成協会に丸投げしてきた政府の責任が問われる――と指摘したのに対し。

 宮腰光寛少子化対策担当相は「スタート時に国の関与について検討しておくべきだった」と答えました。

 企業主導型保育は今年度も2万人分の整備予算が計上されている。新規の開設を止めて、再検討せよ――と求めました。

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「議事録」

<第198通常国会 2019年04月10日 内閣委員会 11号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、企業主導型保育事業について質問をいたします。
 最初に、子ども・子育て支援法案の議論の際、三月の二十二日の当委員会での質疑で、法案にかかわる企業主導型保育事業についての宮腰大臣の答弁に訂正があるということで事務方から話がありました。そのことについて、まず最初に大臣にお聞きしたいと思います。

○宮腰国務大臣 三月二十二日の本委員会におきまして、塩川議員から企業主導型保育事業における保育士の配置基準について御質問いただきましたが、その際、私は事実と異なる答弁をいたしました。
 具体的には、「定員二十名以下の小規模な保育園、保育所、これまで保育士の充足率五〇%でよかったということでありますが、これを七五%に引き上げる」と答弁いたしましたが、正しくは定員二十名以上の保育園、保育所でありました。答弁を訂正するとともに、質疑者の塩川議員及び委員会の先生方におわびを申し上げたいというふうに思います。

○塩川委員 御説明いただきました。
 厚労省の答弁が間違えたあの十二カ所のその後のということでもありまして、これは、内閣府の事務方の方からは議事録の修正ということでのお話があったんですけれども、私は、委員会の質疑というのは基本公開で行われるべきものだと思っておりますし、当然、インターネットでの動画でも流れているわけですから、文字での修正ではなくて、委員会の場で訂正についてはきちっととどめておくということが必要だということで、きょう、こういう形での対応をお願いしたところであります。
 そういう点でも、国会審議を本当に活性化させる上で、本当に委員会の場でちょうちょうはっしの議論を行うということが改めて重要だということで、対応方、今後とも求めていきたいと思っております。
 それで、企業主導型保育事業に関連してですけれども、今の引用の部分というのも、企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会の報告にあるものですけれども、この報告を踏まえて、宮腰大臣は、三月二十九日の記者会見で、今後、本年夏を目途とする新たな実施機関の公募選定に向け、新設に係る審査や指導監査、情報公開などの基本ルールの設定に取り組むと述べております。
 そこでお尋ねしますが、このような、今まで、新設に係る審査については、誰がどのように定めていたのかを確認したいと思います。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まず、内閣府と厚生労働省が協議の上決定いたします企業主導型保育事業費補助金実施要綱、これにおきまして、単独設置型、保育事業者設置型などの事業類型、職員の配置基準や設備基準などの運営・設置基準などの基本ルールを定めているところでございます。
 また、児童育成協会におきましては、これに従いまして、内閣府子ども・子育て本部統括官及び厚生労働省担当局長と協議の上定めました企業主導型保育事業助成要領におきまして、助成の申込手続などについて定めているところであり、所要額調書や事業者の決算報告書など、必要な書類を添付した申請書に基づき、助成のための審査を行い、助成決定を行ってきているところでございます。

○塩川委員 こういった新設に係る審査については、内閣府と協議するというのはありますけれども、これは児童育成協会が定めているものであります。
 続けて、企業主導型保育事業の指導監査基準については、誰がどのように定めているのか、この点を確認します。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 指導監査基準でございますけれども、平成二十九年度、平成三十年度におきまして、児童育成協会が、内閣府、厚生労働省に協議した上で、指導監査基準実施要領及び指導監査基準を定めているところでございます。

○塩川委員 指導監査基準実施要領、指導監査基準を児童育成協会が定めているということであります。
 大臣にお尋ねしますが、企業主導型保育事業の助成決定のための審査ルールも、指導監査基準も、実際には児童育成協会が定めていると。そういう点で、国が児童育成協会に丸投げしている、こういう形でやってきたということ自身に問題がありはしないのかと考えるんですが、大臣、いかがですか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、実務を担う実施機関の体制を含め、実施体制の強化が急務となっていると考えております。
 三月十八日に公表されました企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会報告におきまして、「事業規模が拡大する中で、実施機関による指導監査、各種相談の実施体制が、十分に整っていないのではないか。」との課題が指摘され、平成三十一年度以降の実施体制については、国と実施機関が適切に役割分担する体制を整備し、国は、審査や審査基準を始め基本的なルールを策定をし、実施機関は、国の指導のもとで効率的かつ効果的な審査、指導監督等を担当することとされております。
 その上で、実施機関については、審査基準や運営基準、指導監査、相談支援、情報公開、自治体との連携に係る改善策について実施が可能となるよう中立、専門的な体制とすること、高い中立性、専門性のほか、継続的に担うことが求められるため、毎年度、国は、外部評価等を行い、透明性の高い事業運営が行われるようにすべきであること、それを前提に、実施機関において複数年の事業実施が可能となるようすべきであることとされておりまして、報告に沿った見直しが必要と考えております。
 委員御指摘のとおり、検討委員会報告を踏まえ、国は、基本的なルールを策定する。国と実施機関との役割分担を明確にしつつ、実施機関に求められる役割とその要件を整理をすることとし、その上で、一定の周知及び準備期間を考慮し、本年夏を目途に改めて実施機関を公募により適切に選定してまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 企業主導型保育の急速な拡大で、実際には審査ですとか指導監査が十分整っていないという問題が露呈をした。だからこそ、検討委員会の報告で対策になっているわけです。
 その際に、今後の話として、国が基本的なルールを策定する、役割分担という話をされましたけれども、国が基本的ルールをこれまで定めていなかった、そこが問題ではないのかということを問うておるんですが、その点はいかがですか。

○宮腰国務大臣 やはり、スタートのときにもう少し、質の確保を担保するための国の関与のあり方についてしっかりと検討しておくべきではなかったか、私もそう考えております。

○塩川委員 ですから、いろいろな混乱が生まれた、さまざまな問題も起こったということであるときに、夏まで一応猶予期間を設けて、新しい実施機関の対応等々、基本ルールをつくることも含めながら行っていくわけですけれども、であれば、そもそも、この間、大きくふえている現状の企業主導型保育施設について、もうちょっと立ちどまって、これ以上ふやしていいのか、ということを見直す必要があるんじゃないのか、これ以上の企業主導型の拡大は、そういった対応方も含めて、一旦立ちどまる、凍結をするということの対応が必要じゃないかと思うんですが、そこはどうでしょうか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業の平成三十一年度予算におきまして、子育て安心プランに基づき、新たに二万人分の保育の受皿を確保する費用を計上しておりますが、平成三十一年度以降の実施体制や募集のあり方につきましては、検討委員会報告につきまして今ほど申し上げたわけでありますが、まずは、国と実施機関との役割を明確にしつつ、実施機関に求められる役割とその要件を整理をし、その上で、本年夏を目途に改めて実施機関を公募し、選定することが適当であること、また、新規の実施施設の募集については、選定された実施機関のもとで実施されることとなるとされておりまして、この方向性に沿って実施体制を見直し、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 今ほど、一度立ちどまってというのは、現在、一度立ちどまって考えている、検討させていただいている、検討委員会の御意見も踏まえた上で実施体制をしっかりと強化をしていく必要があるということで、これから、先ほどの答弁で申し上げた、国と実施機関の役割分担、これを明確にした上で、その上で、本年夏を目途に改めて実施機関を公募し、選定をしてまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 待機児童対策で受皿の拡大を図ってくる、でも、その受皿拡大を前倒しもするといった際に、その中心となっているのは企業主導型保育事業なんですよ。政府の施策で受皿整備で前倒しで、それが企業主導型でやっているということがこういう問題につながっているわけですから、この急拡大そのものについて見直す必要があるんじゃないのか。そういう点でも、今年度は二万人ふやすというのはそれでいいのかということを含めて、見直す必要がある。昨年度の三万についても同様に、拡大をすることについてやはり立ちどまって見直すべきだということを改めて申し上げておくものです。
 それで、検討委員会の報告では企業主導型の質の確保が問題となっています。企業主導型保育事業の課題として、「待機児童対策へ貢献すべく量的拡充に重きを置く一方、実施機関が行う事前の審査、開設後の指導監査等において、保育の質の視点が不足しているのではないか。」という指摘になっているんですが、これはどういう意味を持つものでしょうか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業につきましては、これまで内閣府が事業を進めてきた中で、量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか、ここは一度立ちどまり、これまでの取組を検証し、反省すべきは反省し、しっかりと改善を図っていくべきではないのか、私としては、そうした厳しい認識のもとに、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げたところであります。
 この報告におきましては、保育の質の視点が不足しているとの観点から、新設申請の審査における、必要に応じた現地調査やヒアリングの実施や、財務面及び事業計画案の審査の適正化の必要性、指導監査における財務面、労務面の監査強化の必要性や、改善に向けた相談支援の充実などが指摘されているものと考えております。
 これらを踏まえ、当面、早急に改善すべき方向性といたしまして、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」と示されております。
 検討結果を踏まえまして、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 保育の質の視点が不足しているのではないのか、ですから今後こういうふうにやるというお話なんですけれども、そもそもこれまでが、何が問題だったのか。この保育の質の視点というのが不足しているというのは、質の点で何が問題だったかということをどう認識しているかをお聞きしているわけです。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業における指導監査の状況について、これは平成二十九年度の実施機関が行った立入調査結果でありますけれども、保育内容等に関する指摘事項のうち一番多かったのは、保育計画等を適切に整備をすることという指摘事項、これが一番多くて二百七十六件。それから、乳幼児の利用開始時に健康診断結果を確認すること、さらには、開所時間の全てにおいて必要な保育従事者数を配置すること、乳幼児の健康診断を適切に実施すること、嘱託医との契約を締結すること、職員の健康診断を適切に実施すること、児童相談所等の専門的機関の一覧表を整備すること、苦情処理規程を整備し職員へ周知すること等々が指摘をされております。
 これらの指摘をされた内容について、しっかりとやはり改善を図っていくということが必要なのではないかということで、特に、指導監査において、立入調査において指摘された事項についてしっかりと改善を図っていく必要があるというふうに考えております。

○塩川委員 具体的な立入調査を踏まえた指摘事項の中身を御説明いただきました。
 報告では、では実際にどういう施設で問題があるのかといったときに、保育事業者設置型の問題点というのを指摘しているわけですね。報告で、「単独設置型や共同設置型と違い、保育事業者設置型は、施設の設置企業と利用者の間に雇用関係が無い。また、認可保育所の代替としての側面が強く、入所児童は空きが生じた付近の認可保育所へ移る傾向も見られること等から、実績の少ない事業者について、保育の質や事業継続性の面で課題がある」としています。
 保育事業者設置型は保育の質や事業継続性の面で課題があると指摘をしているのは、これはどういう根拠を踏まえて述べているものか教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 保育事業者設置型につきましては、単独設置型や共同設置型と違いまして、施設の設置企業と利用者の間に雇用関係がない等の指摘がされているところでございます。
 実際、検討委員会におけるヒアリングでも、例えば自治体からのヒアリングにおきましては、保育事業者が設置し複数の企業と契約する類型について、保育事業者の保育運営に対して各企業に当事者意識が希薄で、責任の所在は不明確となりやすい傾向がある、申込方法も、申込者が厚生年金に加入していれば企業枠、加入していなければ地域枠といった契約を締結しているなど、企業主導型の本来目指していた姿とは乖離している事例を聞いたというような指摘がございました。
 あるいは、保育園を考える親の会からのヒアリングにおきましても、企業主導型のうちで保育事業者設置型の場合は、「事業主は法人契約を結ぶだけで何ら責任を負わず、責任の所在が曖昧になっている。」との指摘もいただいているところでございます。

○塩川委員 ですから、保育事業者設置型の問題点というのをそういう形で指摘をしているわけなんですよね。
 それで、では実際に保育事業者設置型というのが企業主導型保育施設のうちどのぐらいの割合を占めるのか、それを教えてほしいんですけれども、保育事業者設置型の施設数とその定員数、合計ですね、それぞれの企業主導型全体に占める割合はどうなっているのか、あと、従業員枠と地域枠の定員数というのはどうなっているのかを教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 協会に確認いたしましたところ、平成二十九年度助成決定を受けた二千五百九十七施設のうち、助成決定時点での保育事業者設置型の施設数は三百八十八施設、全体に占める割合は一五%でございます。それから、同じく二千五百九十七施設の定員五万九千七百三人のうち、保育事業者設置型の定員総数は一万四百六十五人となってございまして、その割合は一七・五%でございます。
 保育事業者設置型の従業員枠と地域枠の定員の割合を集計したものは現時点でございませんけれども、保育事業者設置型の施設、三百八十八施設のうち、地域枠を設定しているものが三百六十七施設、九四・六%となっておるところでございます。

○塩川委員 従業員枠と地域枠の定員数の内訳については承知していないということです。ちょっと、実態をどう把握しているのかという点で懸念があるわけですけれども。
 先ほど大臣が紹介されました平成二十九年度の立入調査の対象施設、八百施設のうち、保育内容等に関する指摘事項があったのが六百六施設なんですが、そのうち保育事業者設置型は何施設になるか、わかりますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 平成二十九年度の立入調査八百施設のうち、保育事業者設置型の施設は百二十一施設、割合としては一五・一%でございます。また、指摘事項がありました六百六施設のうち、保育事業者設置型で指摘のあった施設は九十一施設、割合としては一五・〇%でございます。

○塩川委員 そういった実態について、報告では、「保育事業者設置型については、保育事業を専門に行う事業者であることも踏まえ、定員二十名以上の施設は、保育士割合を七五%以上(現五〇%以上)に引上げるべきである。なお、本事業の既存施設には、三年程度の経過措置を設けることが適当である。」としています。
 この保育士割合、先ほど大臣が御答弁いただいた点ですけれども、これは、保育士割合を七五%以上とする理由というのは何なんでしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 まず、平成二十九年度の助成決定を受けた二千五百九十七施設の定員二十名以上の保育事業者設置型の施設、百六十七施設ございますが、それの保育士割合でございますけれども、保育士割合一〇〇%の施設が百十四施設、全体で六八・三%でございます。一方、保育士割合五〇%の施設が三十施設、全体の一八・〇%となってございます。
 一方で、この二千五百九十七施設全体の保育士割合を見ますと、保育士割合一〇〇%の施設が七六・七%、それと、保育士割合五〇%の施設が一三・九%ということで、結果として、保育事業者設置型の保育士割合が低くなっておりますし、先ほど申し上げました、雇用主との雇用関係が希薄だという点からの質の確保というようなことを鑑みまして、今回、七五%に上げさせていただくこととしているところでございます。

○塩川委員 そうしますと、今言ったように、全体において、一〇〇%のところが七六・七で五〇%以上のところが一三・九。それに対して保育事業者設置型が、それぞれ、一〇〇%が六八・三%、五〇%以上が一八・〇%と、保育事業者設置型の方が保育士の割合が低いということをもって七五%以上ということなんですが、そうはいっても、あれっ、六八・三と一八、足すと一〇〇にならないのは。

○小野田政府参考人 一つ省きまして、真ん中に七五%の施設がございまして、恐縮です、それを申し上げますと、定員二十名以上の保育事業者設置型は二十三施設、一三・七%、全体の方が九・四%ということでございます。

○塩川委員 そうしますと、現状でも七五%以上というのが八二%あるわけでしょう。ですから、五〇を引き上げるのはわかるんだけれども、全体としての施設の改善を図るのであれば、基本は一〇〇にするというのが本来なんじゃないですか。
 実際には、認可保育所などでは、加配も含めて、いわば一〇〇%以上で置いているわけです。それを、企業主導型の場合については小規模B相当という格好で五〇%以上、まあそれについても今回七五というのを入れるんだけれども、本来は、認可並みの保育士割合を設置をするという点で、五〇を七五じゃなくて、実態とすればそのほとんどがもう七五以上なんですよ、それを、何で一〇〇にしないで七五%にとどめているのか。問題があるというんだったら改善すべきなのに、何で、ほとんどのところが七五以上なのに、わざわざ七五という基準を、あたかも改善かのように言うんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、助成決定時点での数字ではございますけれども、保育事業者設置型、二十名以上の施設、百六十七施設のうち、保育士割合五〇%の施設が三十施設、一八%ございます。保育の質の確保のために保育士比率の全体の底上げが必要と認識しているところでございます。
 また、保育士比率一〇〇%は、委員御指摘の認可保育所と同等であるということでございますが、企業が主体的に従業員の多様な働き方に応じた柔軟な保育を提供することができるという本事業の特色を生かす中で、保育事業者設置型につきましては、保育事業を専門に行う事業者であるという点も踏まえ、保育所の定員二十名以上の施設につきまして、今回は七五%に引き上げるべきという報告をいただいたものと承知してございます。

○塩川委員 ですから、企業主導型保育事業そのものが多様な雇用形態にかみ合った形での保育、そういう意味では、子供たちにすれば、長時間だったり深夜だったり、逆に言えば短時間で、なかなかなじみにくい、そういった保育環境だからこそ保育士の専門性というのが必要で、保育士割合というのを、いわばより高める必要があるんじゃないのか。多様な雇用形態に対応するという保育と言う以上は、保育士の専門性をより高めるということが必要なのに、実際にはそれを低くしたままというのがこの企業主導型保育の一番の問題点だということで指摘をしてきているわけです。
 保育事業者設置型ももちろん改善すべきですけれども、それも含めて、改めて、五〇以上なんて言わずに、もう全体を引き上げて、少なくとも一〇〇にするといったことを、大臣、これは本当に、教訓を酌み取るのであれば、やるべき話じゃありませんか。

○宮腰国務大臣 保育士の人材不足というようなことも、現状、現実問題としてあるわけであります。同時に、多様な働き方に対応した保育事業という点からすると、多様な働き方に対応するということは、今、委員御指摘の、例えば夜間の保育でありますとか交代制に対応した保育でありますとか、保育士さんもそれに対応するということになると、それなりのやはり人材確保の困難性も伴うということにもなってくるのではないかなというふうに考えております。
 今、事務方から御答弁申し上げましたけれども、この企業主導型保育については、企業が主体的に従業員の多様な働き方に応じた柔軟な保育を提供することができるという本事業の特色を生かす中で、とりわけ保育事業者設置型については、これまで少し緩い面があったということでありますが、定員二十名以上の施設について、今回、七五%に引き上げるべきであるという報告を踏まえて、着実に、この引上げ実施をしていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 柔軟な保育というのは、子供たちにとれば大きなストレスを抱えることになる。だからこそ、専門性が求められる保育士の配置というのが一番の根幹だ。そこを緩和した対応というのは、私は納得できるものではありません。そういう点でも、新規の開設をとめて、立ちどまって再検討すべきだということを改めて申し上げたい。
 それと、報告書の関係でもう一点確認したいんですが、指導監査の効率化を図るため、国、実施機関と、児童福祉法に基づき指導監督の責任を持つ自治体の間の指導監査基準の整合性の確保を図るとしています。でも、この児童福祉法に基づく指導監査基準と企業主導型に関する指導監査基準は違うんです。そもそもその違いは何なのか、整合性を図るとはどういう意味なのか、教えてもらえますか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 第四回検討委員会におきまして、委員から、認可外保育所における指導監督については、その基準について各自治体で考え方が異なるため、企業主導型保育施設に対し、国、実施機関と自治体が合同で指導監督を行う場合は、その前段階として、どういった事項をどういう評価基準で見ていくか、企業主導型保育事業の指導監査基準を明らかにすべきとの御意見をいただいたところでございます。
 例えば、基準でございますけれども、保育士の割合をとってみましても、企業主導型保育事業は、現行五〇%以上、今後、保育事業者設置型七五%以上ということで取り組まさせていただきますけれども、これであるのに対しまして、認可保育施設は三分の一以上となっているといったような、基準の差が出てきているところでございます。
 こうしたことから、三月十八日の検討委員会報告におきましては、指導監査の効率化を図るため、国、実施機関と、児童福祉法に基づき指導監督の責任を持つ自治体の間の指導監査基準の整合性を確保することとされているところでございます。
 したがいまして、具体的には、この検討委員会報告における指摘は、例えば指導監査の合同実施に当たって、まずは、指導監査の評価項目や評価基準など、指導監査の方針について、国、実施機関と自治体の間であらかじめすり合わせをし、企業主導型保育事業の基準と差異があるような場合には、基準に適合しているかどうかという点で効果的に監査ができるようにしていく必要があるという趣旨の御報告と承ってございまして、そういう方向で取組を進めていきたいと考えております。

○塩川委員 指導監査といっても、児童福祉法に基づく自治体の指導監査と児童育成協会が行う指導監査は違うわけですから、それが何か、効率的ということも含めて言われた際に、指導監査を、二つをそれぞれやるべきものを、何らか省略するかのような、そういう話ではないということで、それぞれしっかりやると。もちろん、施設側の負担軽減の措置は当然あるんだと思いますけれども、しっかりとした指導監査がそれぞれの観点で行われるものということで求めておくものです。
 それで、あと、宮腰大臣の三月二十九日の記者会見で、実施機関が選定されるまでの間、児童育成協会に対し、適切に指導監督を行い、継続事務の円滑な執行を図ってまいりたいと述べています。
 児童育成協会から内閣府に提出された「平成三十一年夏を目処に実施機関が公募されるまでの間、内閣府の指示の下で実施される継続事務に係る適正化策」について質問します。
 ここで、指導監査業務について、「包括的な外部委託は行わず、また、営利企業への委託は行わない。」とありますけれども、これはどういう意味でしょうか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 その前に、まことに失礼しました。先ほどの整合性の確保のところで、保育士の割合、認可外保育施設三分の一以上と言うところを、済みません、ちょっと外を飛ばしてしまいまして、恐縮でございます。失礼いたしました。
 「包括的な外部委託は行わず、また、営利企業への委託は行わない。」の意味でございますが、三月十八日の検討委員会報告におきましては、指導監査業務の一部を外部に委託する場合は、中立性、専門性の確保が必要である、また、指導監査を行う者が一定の関係性を有する場合は、利益相反が生じないよう必要な措置を講ずるべきであるなどとされたところでございます。
 三月二十八日に児童育成協会から報告のあった適正化策におきましては、指導監査業務につきまして、包括的な外部委託は行わない、営利企業への委託は行わないとされてございます。
 例えば、保育面の監査に関しましては、前年度の指導監査で改善が見られないような施設を中心に原則として協会みずから対応する、財務面、労務面等監査業務を特定し、中立性、専門性を勘案して業務委託を行う、あるいは地域を限定して業務委託を行うという意味で、包括的な外部委託は行わないという趣旨であると承知してございます。

○塩川委員 保育面の監査については原則協会が行う、財務面、労務面については部分的、地域的な外部委託も行う可能性があるということですか。

○小野田政府参考人 済みません、ちょっと舌足らずでございました。
 保育面の監査で、特に前年度の指導監査で改善が見られていないような施設は、これらを中心に原則として協会が行う、それ以外の施設は、先ほど申し上げました、例えば地域を限定して保育面でも業務を委託を行っていくとか、そういう検討も加えていただきたいというふうに考えてございます。

○塩川委員 パソナは委託先にはならないということですね。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 適正化策におきましては、指導監査業務につきまして、営利企業への委託は行わないこととしてございまして、継続事務においては、株式会社パソナを始め、営利企業への委託は行わないものと承知してございます。

○塩川委員 最後に聞きますけれども、この指導監査の対象となる企業主導型保育事業の施設数というのは、結局全部で幾つになるんですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育施設における適正な保育内容及び保育環境の確保のため、原則として年一回、運営開始をしている施設に対して立入調査を実施しているところでございます。
 したがいまして、平成三十年度までに助成決定された施設につきましては、整備が完了していない施設や運営開始間もないような施設も含まれているため、現時点で正確な数をお答えするのは困難でございますが、その上で申し上げますと、平成二十九年度に助成決定された施設は二千五百九十七施設ございますし、平成三十年度の内示数は一千五百三十九施設でございます。
 これらの施設から、運営開始後一定の期間経過しているような施設に対して監査を実施していくことになりますので、相応の施設規模になると認識してございます。

○塩川委員 ですから、四千を超える施設が対象になる、指導監査の対象というぐらいで。保育について、やはり児童育成協会がみずから行うといった場合でも、もちろん、前年度の改善が見られない施設とかということですけれども、対象そのものが大きく拡大するわけですから、そういったことがそもそも可能なのかということも問われますし、やはり対象施設をふやすということ自身を見直すべきじゃないのかということを申し上げ、この問題についていろいろな議論も広がってきているところです。ぜひ、この企業主導型保育事業について、児童育成協会からの参考人の出席も求めた、必要な当委員会での質疑、集中質疑などを実現をいただきたい。
 そのことを申し上げて、質問を終わります。

【倫理選挙特別委員会】国政選挙の管理・執行/不正・ミス排除のため、経費と予算の確保を

 夏の参院選にかかわり、公正な管理・執行が行われるようただしました。

 国政選挙において選挙管理委員会の開票不正が3回(13年参院選、14年総選挙、17年総選挙)おこり、不在者投票の運用誤りなど管理・執行上のミスがほぼ全都道府県であり、この10年余りで約3倍に増加している。

 石田真敏総務大臣は「不正は選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、由々しき問題。各選管は、選挙の公正の確保という原点に立ち返り、厳正な管理・執行に万全を期してもらいたい」と述べました。

 私は、現憲法下でなかったことが立て続けに起こっており、危機感が足りないと批判。不正やミスの背景に、開票時間短縮のプレッシャーがあった、と強調した。

 総務省は、執行経費の基準となる開票時間4.5時間以内に開票作業を終了したのは46%(前回参院選)だったことを認め、今回、開票事務に活用する機器の整備費を規定したと答弁。

 ミスが増大し、不正事件まで起こっている反省に立てば、開票時間基準の短縮を見直し、見合った経費基準にすることが必要だ。また、直近で3分の1の投票所で投票時間の繰り上げが行われており、有権者の投票の機会を奪っている。

 総務省は、繰り上げを行った場合は経費を減額する措置を拡大したと答弁しました。

 さらに、私は、18選挙権導入、参院選の合区、小選挙区区割の複雑化など、選管の業務は膨大で役割は大きく、人員確保のため、全選管の実態調査を要望した。

 石田大臣は「必要性があれば検討したい」と答えました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月10日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 3号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 執行経費法について質問いたします。
 最初に、大臣に伺います。
 選挙は民主主義の根幹であり、主権者である国民の参政権の問題であります。不正があれば選挙の正当性が失われることになり、選挙無効になりかねないので、ひいては選挙権を行使できなくなる問題です。選挙執行に当たって最も重要なことは公正で間違いがあってはならないということですが、その点を確認したいと思います。

○石田国務大臣 御指摘のように、選挙は民主主義の根幹をなすものであることから、適正な管理、執行により選挙の公正を確保することは極めて重要であると考えております。

○塩川委員 開票所の経費について、まずお尋ねします。
 この間、国政選挙における選管の開票不正が三回も起きております。
 二〇一三年参議院選挙での高松市選管の不正開票事件。これは、開票作業中、投票数が足りないことに気がついて、白票の水増しでつじつま合わせをした。その後、未集計の票を発見するが、再集計はしなかった。後日、白票水増しを告発する通報があったにもかかわらず、隠蔽工作を行った。
 二〇一四年総選挙では、仙台市の選管において、作業ミスを取り繕うため、実際には存在しない白票などを水増しするなどの不正を行っていた。
 二〇一七年総選挙では、甲賀市選管が、投票総数より開票した票数が少なかったため、無効票となる白票を水増ししてつじつまを合わせ、後で見つかった未集計の投票用紙を焼却処分していた。
 現行憲法下でこのようなことはなかったのに、この五年間に開票不正が三回も起きております。
 また、開票不正以外にも、投票用紙の交付ミスや不在者投票の運用の誤りなど、管理、執行上問題となった行為、いわゆる選挙事務ミスもあります。二〇〇五年総選挙では六十四件だったのが、二〇一七年総選挙では百七十五件と、十年近くで約三倍に急増しており、しかもほとんどの都道府県でミスがあるという大変な問題であります。
 二〇一五年五月の当委員会で、私の質問に対し、当時の高市大臣は、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が発生したことで、選挙への信頼を揺るがしかねない、ゆゆしきことと述べ、選挙の管理、執行の公正性や厳正な手続を損なわれることがないように、しっかりと注意喚起していくと答弁しました。
 石田大臣にお尋ねしますが、この答弁は四年前のことです。その後も甲賀市選管の不祥事が起こりました。なぜ不正や選挙ミスがなくならないのか。どうお考えか、お聞かせください。

○石田国務大臣 選挙は民主主義の根幹をなすものでございまして、依然として多くの管理、執行上のミスが発生していることはまことに残念なことと考えております。
 こうした管理、執行上問題となった事項につきましては、全国の選挙管理委員会で情報共有を図っておりまして、各選挙管理委員会においては、これら他団体の事例を参考にしながら、適切な管理、執行に努めていただきたいと考えております。
 御指摘ありましたように、平成二十五年には、高松市において、単なるミスを超え、選挙事務に携わった職員が不正を行うという事案が起こったことから、全国の選挙管理委員会に対して、選挙の厳正な管理、執行の確保について通知を発出をいたしました。しかしながら、その後も仙台市や甲賀市において不正事案が発生していることは、選挙への信頼を大きく揺るがしかねず、大変ゆゆしき問題と認識をいたしておりまして、昨年四月にも改めて通知を発出したところでございます。
 各選挙管理委員会におきましては、法令遵守はもとより、改めて選挙の公正の確保という原点に立ち返り、緊張感を持って職務に臨み、選挙の厳正な管理、執行に万全を期していただきたいと考えております。
 総務省といたしましても、今年度新たに、各選挙管理委員会が実施する研修等に投開票事務に精通した選挙管理委員会OB等を派遣する制度を設けるなど、選挙の厳正な管理、執行に努めてまいりたいと考えております。

○塩川委員 通知とか研修とかの啓発のレベルの話じゃない、私はそういう点で危機感が足りないんじゃないのかと率直に言わざるを得ません。
 戦後の現行憲法下の七十年以上の歴史の中で一度もなかったことが、二〇一三年以降立て続けに三回も起きているんですよ。こういった事態、それは、選管が開票不正をやるんですから、これは極めて重大な事態であるわけで、それを本当にもう今後決して行わせないといった対応が求められる、民主主義の根幹である選挙の信頼を大きく揺るがす事態を絶対繰り返させないということを求めていく必要があると思います。
 何度も指摘したことですけれども、こういう事件の背景に、開票時間の短縮を求める、そういうプレッシャーがあったことは明らかではないのか。この点で幾つか基礎的な数字を確認したいのですが、一九九八年と二〇一六年の参院選時の投票所総数、開票所総数を述べていただきたい。

○大泉政府参考人 投票所につきましては、一九九八年、平成十年の参議院議員通常選挙におきましては五万三千四百十七カ所、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙におきましては四万七千九百二カ所となっております。
 一方、開票所につきましては、平成十年、一九九八年の参議院議員通常選挙におきましては三千四百カ所、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙におきましては千九百一カ所となっております。

○塩川委員 この二十年ほどで投票所は約五千五百カ所減り、開票所は四割も減少しています。
 この問題というのは、甲賀市の事案では、不正にかかわった選管事務局長兼務の総務部長、総務部次長、総務部の課長級職員の三人は、無効票を水増しした理由を開票おくれを回避するためにやったと説明しているということがあるので問うているわけですけれども、こういった国政選挙経費の基準額、積算の前提となる開票事務に要する時間がどんどん減らされて、現行は準備、撤去の時間を含め四・五時間となっています。
 総務省にお尋ねしますが、一六年の参院選において、基準四・五時間以内に開票終了をしている開票所の累計数、比率を述べていただきたい。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙において、四・五時間未満で開票が終了した開票所は、全開票所の千九百一カ所のうち八百七十五カ所でございまして、比率は約四六%でございました。

○塩川委員 だから、そういう点でいえば、四六%、開票を終えているというのは半数にもならないわけです。
 本案で開票時間基準が四・五時間のままなんですよ。これはなぜなんですか。

○大泉政府参考人 この点、先ほど申しました、平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙において、全ての開票所の平均開票時間は四時間五十分でありました。平成二十五年、その前の参議院選挙でございますが、これの平均開票時間は四時間四十七分と余り差がなかったところでございました。また、平成二十九年の衆議院選挙の総選挙につきましては、全ての開票所のうち約八割が四・五時間以内におさまったというようなこともございました。
 選挙の公正な執行を期するためには、必要な時間を確保するということは重要でございますが、その経費が国民の負担となることを考慮しますと、事務の効率化を図りまして経費の節減に努めるということも重要でございます。
 このため、今回の改正案につきましては、投票用紙読み取り分類機など、開票事務に活用する選挙用電子機器の整備に係る経費を新たに項目立てして規定し、効果的、効率的な開票事務を行える体制を整えるということで、開票時間の短縮が見込まれることから、現行の基準時間である四・五時間、四時間半ということを維持することとしたものでございます。

○塩川委員 経費の話を、ここで持ち出すっておかしいと思うんです。
 そもそも、だって、民主主義の土台である選挙、その公正性を担保する上でも必要な経費をかけるって当然のことなんですよ。よく皆さんは民主主義のコストなんて言うけれども、まさにそう言うのであれば、選挙に必要な経費をかけるというのは当たり前のことなんです。そういった点でも、こういう対応というのはおかしいと言わざるを得ません。
 もともと、二〇〇四年の基準は参議院選挙は六・五時間、衆院選は六時間だったのが、〇七年基準は五時間、一三年基準は四時間に減らされて、前回、一六年基準で、三十分戻して四・五時間になったという経緯なわけなんですよね。
 二〇一六年の参院選において、もとの基準の六・五時間以内に開票終了している開票所は累計で八七%で、この四・五時間というのは全く実態に見合っていないということを言わざるを得ません。
 大臣にお尋ねしますが、本案では、開票所経費の増額となっていますが、これが執行上のミスの減少につながるとお考えでしょうか。

○石田国務大臣 本改正案は、執行経費基準法について、選挙執行の実態等を踏まえ、改正を行うものであり、開票所経費につきましては、先ほど選挙部長から答弁をさせていただいたとおり、投票用紙の読み取り分類機など、開票事務に活用する選挙用電子機器の整備に係る経費を新たに規定することとしたところでございました。
 各選挙管理委員会においては、これにより効果的、効率的な開票事務を行える体制を整えていただくとともに、思い込みや単純な事務連絡ミスにより選挙の管理、執行の公正性や厳正な手続が損なわれることがないよう、万全を期していただきたいと考えております。

○塩川委員 機器の整備なんかは当然あることでしょうけれども、開票作業というのは何より正確さが第一であるわけで、それなくしては、民主主義の根幹である選挙の公正性、信頼性を損ないかねない問題です。
 しかも、選挙事務ミスが増大をし、開票不正事件まで起きているわけですから、その反省に立てば、開票所経費も実態に見合った基準にすることが必要だ。そういう点でも、開票時間についての経費についての増額を、単に効率云々ということでとどめるのではなく、必要な経費を手当てするということを改めて求めておくものです。
 次に、投票時間の繰上げについてお尋ねしたいんですが、先ほど投票所が激減していることを確認をしました。投票時間の繰上げの問題について、国民の基本的な権利である投票権の行使を制約することにつながるのではないのか、こういう見地で私もたびたび取り上げてきたわけです。
 確認しますが、九八年参院選と直近の二〇一六年参院選における閉鎖時間を繰り上げている投票所が全投票所数に占める割合を述べてください。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十年、一九九八年、これは、投票時間が二時間延長されて、午後八時まで延長されて初めての国政選挙でございましたけれども、参議院議員通常選挙におきましては、閉鎖時刻を繰り上げた投票所の数は二千九百六十六カ所でございまして、投票所総数の五万三千四百十七カ所に占める割合は五・六%でございました。
 平成二十八年、二〇一六年の参議院議員通常選挙につきましては、閉鎖時刻を繰り上げた投票所数は一万六千五百八十九カ所でございまして、投票所総数の四万七千九百二カ所に占める割合は三四・六%でございました。

○塩川委員 五・六%だったのが三四・六%というので、今では三分の一の投票所で閉鎖時間の繰上げが行われています。
 二〇一五年の五月の当委員会で、私の質問に対し、当時の高市大臣は、都市部で、投票所の閉鎖時刻をむやみに繰り上げてしまうと、投票人の投票の機会を奪うことになると答弁しています。
 その際に、群馬県の例も取り上げたんですが、前橋市とか高崎市って中心部でも午後七時とか、繰上げなんですよ。そうしたら、やはり若い人が投票に行くというときに、ああ、もう閉まっていたということもあり得るわけで、こういったことはおかしいんじゃないのか、投票人の投票の機会を確保せよということについて、先ほどの高市大臣の答弁があったわけです。
 二〇一六年基準の審議の際には、十八歳選挙権が施行されるときに、若い人の投票行動を見ても、閉鎖時間の繰上げが逆行していると、うちの穀田なども指摘をしました。これに対して高市大臣は、投票の権利は民主主義の最も基礎的な部分、投票機会を広く確保することは極めて重要、引き続きしっかりと要請していくとの答弁がありました。
 しかしながら、二〇一七年の総選挙では、繰り上げているところが三五・〇八%ということで、改善するに至っておりません。
 投票時間の繰上げを減らすために、どのような対策をとっているのか。

○大泉政府参考人 投票所の閉鎖時刻の繰上げにつきましては、公職選挙法において、市町村の選挙管理委員会の判断で、選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情がある場合ということに限って認められているわけでございます。
 総務省といたしましても、投票機会を広く確保する観点から、国政選挙や統一地方選挙のたびに、各選挙管理委員会に対して、投票所閉鎖時刻の繰上げにつきましては、厳正に対処するよう要請をしているところでございます。
 また、選挙の執行経費の基準法上のことでございます。これは、投票時間を短縮している投票所が少なくない実態を踏まえまして、平成十九年改正におきまして、投票所の閉鎖時刻の繰上げを行った場合は、投票所事務従事者の超過勤務手当について、繰り上げた時間相当分を減額するということとしております。
 今回の改正につきましても、投票管理者や投票立会人に係る報酬について、従事する時間に応じて報酬を減額する団体もあることを踏まえまして、事務従事者同様に繰り上げた時間に対しては、減額するというふうな措置を講じることとしております。

○塩川委員 この投票機会を奪うような繰上げについては、これはやはり厳正に対処せよという立場での対応というのはぜひしっかりとやっていただきたいということと、あと、投票所の減少を食いとめることも必要なんですが、それはどういう対策を考えるのか。

○大泉政府参考人 投票所数につきましては、過疎化による選挙人数の減少や、市町村合併などを契機とした投票区の見直しなどで減少してきているというところでございます。
 私どもは、選挙管理委員会が地域の実情を踏まえて決定すべきものではございますけれども、投票所あるいはそれにかわる期日前投票所を設置すること、かつて投票所があった地域での期日前投票所の設置や移動期日前投票所の取組、共通投票所の設置、移動困難者に対する支援など、選挙人の投票機会の確保に努めているところでございます。
 投票所の設置につきましては、国政選挙、統一地方選挙の都度に積極的な措置を各選挙管理委員会に対して要請してきてもおります。
 また、本日御審議いただいている公職選挙法の改正部分につきまして、投票管理者あるいは投票立会人の選任要件を緩和する内容を盛り込んでおりまして、これにより、投票立会人等の確保を容易にすることによりまして、投票所の維持確保の一助となるものではないかと考えているところでございます。

○塩川委員 投票管理者、投票立会人の要件緩和の話は今回盛り込まれているということであります。
 でも、期日前の話というのは、そもそも日本の選挙においては、投票日当日投票主義ですから、その原則が崩れるような複数投票日制をとっていないわけで、そういった点でも投票日にしっかりと投票ができるという環境をどう整備するかということが重要だと申し上げておきます。
 選管の人員の問題も深刻です。この数年の間、十八歳選挙権が始まって、参院選で初めて合区が行われ、小選挙区の区割りはどんどん複雑化をし、選挙執行業務は膨大で、選管の役割はますます大きくなっています。しかし、市町村選管の方もぎりぎりのところで頑張っておられて、苦労もしているわけです。
 実態調査がないと承知をしているわけですが、大臣、最後にお尋ねします。
 昨年、私の質問に、当時の野田大臣は、選挙の管理、執行については、全般にわたって遺漏のないよう万全を期すために、必要な予算、選挙事務に従事する人員を確保することは重要と答弁をしています。経費も人員配置も実態に見合うよう確保するためにも、全ての選管の職員の実態調査を行うべきではないかと考えますが、いかがですか。

○石田国務大臣 執行経費基準法は、諸物価の変動等を踏まえ、投票所経費等の基準額を定例的に改定するほか、各地方公共団体における選挙執行の状況や選挙制度の変更等を踏まえ、適切に国政選挙に要する経費を措置できるよう、規定の新設等の必要な見直しを行ってきております。
 今回の改正に当たっても、二十八年の参議院選挙について、全市町村を対象に、投票所や開票所の事務従事者の配置状況などについて十分な調査を行っており、選挙執行に当たっては万全な執行体制を整えているところであります。
 選挙執行時以外の選管職員の人員配置の実態についても、その調査の必要性があれば検討してまいりたいと考えております。

○塩川委員 ぜひ実施をしていただきたい。人口五万人未満になると平均選管職員数三人ほどで、多くは兼任、兼務ですので、そういった実態をしっかりと受けとめていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

【本会議】公的保育/大きく後退/子育て支援法改定案可決

 幼児教育と保育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案が、衆院本会議で採決され、自民党、公明党、国民民主党、日本維新の会の賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党、社民党は反対しました。

 私が、採決に先立ち反対討論。保育料が免除されている住民税非課税のひとり親などの「無償化」による恩恵がない世帯では消費税増税分が重くのしかかるだけ。低所得者層へ重い負担を押し付けることは認められない。

 また、「無償化」措置は、教育・子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引き換えに、総理の一言でまさに党略的に決められたものであるため、経過措置期間の5年間は、保育士が一人もいないような是正すべき施設も給付対象とするなど制度として矛盾だらけだ。

 さらに、今回の「無償化」が公立保育所は市町村の10割負担としているために、いっそう公立保育所の廃止・民営化を加速させる。一方、問題が相次ぐ企業主導型保育も「無償化」対象とするため、市町村が設置・監査に関与せず、認可基準以下で整備・運営ができる企業主導型保育が拡大するのは目に見えている。認可保育所による、自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を大きく後退させるものだ。「保育の質・量の確保」をしながら、保護者の負担軽減を進めるべきだ。

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子ども・子育て支援法改定案に対する反対討論要旨

 衆院本会議で行った子ども・子育て支援法改定案(「幼児教育無償化」法案)への反対討論の要旨は次の通りです。

 第1に、本法案は消費税増税が発端です。安倍総理は、総選挙を前にした2017年9月、消費税10%増税の使途変更を理由に「幼児教育の無償化」を持ち出し、解散総選挙の口実としました。

 消費税は、低所得者ほど負担が重い逆進性を持つ税だと総理自身認めています。保育料はすでに所得に応じ段階的になっており、保育料が免除されている住民税非課税のひとり親世帯などでは「無償化」による恩恵はなく、消費税増税分が重くのしかかるだけです。

 第2に、「無償化」措置は、教育・子育ての切実な願いを逆手にとり、増税と引き換えに総理の一言で党略的に決めたものです。内閣府が「検討の場はなかった」と答弁したように、十分な検討は行われていません。だから、経過措置期間の5年間は保育士がいない施設も給付対象とし、指導監督基準以下の施設も容認するなど制度として矛盾だらけです。

 認可外保育施設への児童福祉法に基づく立ち入り調査は68%しか行われていません。「無償化」によって調査対象は1・7倍に増えます。「巡回支援指導員を増やす」と言う厚労省も、巡回支援指導員では児童福祉法に基づく指導監督を代替できないと認めました。指導監督体制の強化なしに安心・安全な保育は保障できません。

 法案は保育料に含まれていた3~5歳児の給食おかず費を施設側に徴収させます。保育の一環である給食の費用は公費で負担すべきで、実費化は公的保育制度を後退させます。

 第3に、公立保育所をさらに減らし、企業主導型保育事業を拡大することです。

 公立保育所数は、地方行革の押し付け、運営費・整備費の一般財源化によって、この20年間で3割も減少しています。「無償化」で私立保育所には国から2分の1補助が出るのに、公立保育所は市町村の10割負担です。公立保育所の廃止・民営化をいっそう加速させるのは明らかです。

 一方、この間急拡大してきた企業主導型保育は、突然の閉園や助成金の不正受給、75%の施設で基準違反が見つかるなど問題が相次いでいます。助成決定を行う児童育成協会の審査で、現地確認は約2600施設のうちわずか6件。審査はたった5人で年3回の会議で行うというのが実態です。

 企業主導型は仕組み上、「認可施設にならない施設」だと内閣府も認めたのに、政府は「子育て安心プラン」で、企業主導型保育を待機児童の受け皿として組み込み推進してきました。企業主導型保育を今回の「無償化」の対象とすることで、市町村が設置・監査に関与せず、認可基準以下で整備・運営できる企業主導型が拡大するのは目に見えています。

 結局、認可保育所による自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を大きく後退させるだけで、断じて認められません。

 緊急にやるべきは待機児童解消であり、公立を含む認可保育所の増設と保育士の抜本的な処遇改善です。

 政府の保育の受け皿整備は、問題だらけの企業主導型を推進するだけ、保育士不足の要因である低賃金、長時間・過密労働の実態調査すら行っていませんでした。これでどうして、保育士の処遇改善ができるでしょうか。

 保護者と保育関係者の「安心・安全な保育を」という願いに応えるためには、「保育の質・量の確保」をしながら、保護者の負担軽減をすすめるべきです。

埼玉・所沢市/県議選最終日、やぎした礼子候補の応援に

 埼玉県議選最終日、やぎした礼子候補の応援に!

 塚田国交副大臣による安倍首相と麻生大臣のための「そんたく」発言は、辞任で済む話ではありません!

 選挙戦最中のこの発言は、国交副大臣の地位利用による利益誘導であって、公選法違反も問われる大問題です。発言を否定することは、選挙で公職にある者が有権者にうそをついて、騙したという話になります。

 真相究明と安倍首相の任命責任を追及したい。

 安倍首相とその取り巻きを優遇する政治の私物化が税金の無駄遣いになっています。

 公共事業の無駄遣いと大軍拡の無駄遣いを進める自民党、公明党に審判を下し、税金は健康を守る国保税引き下げに税金を回せと訴える日本共産党のやぎした礼子候補を押し上げてください!

 所沢駅前で、やぎした礼子県議候補が最後の訴え!

消費税増税ストップ、国保税引き下げの日本共産党のやぎした礼子候補へ!

安倍政権の国政私物化、「そんたく」政治にノーの審判を!​

群馬・伊勢崎市/はせだ直之県議候補の応援に

 伊勢崎市内で、はせだ直之県議候補の支援を訴えました!

 自公中心の群馬県政は、0~2歳の保育料3千円助成を廃止したり、少人数学級も後進県になってしまうなど暮らしに冷たい県政です。一方で、上信自動車道、コンベンション施設、八ッ場ダムなど開発予算は2年で200億円も増額しています。

 日本共産党のはせだ直之県議候補は、税金の使い方を改めて、学校給食の無料化、高校卒業までの医療費無料化を実現します!

 日本共産党の議席が、伊藤ゆうじさん、酒井ひろあきさんの2議席から、はせだ直之さんを加えた3議席になれば、議会運営委員会・各派代表者会議に出席できるようになり、県議会の民主的運営に力を尽くすことができます。本会議質問も、年2回から4回へと増やすことができます。ぜひ押し上げてください!

 国保税引き下げ、消費税増税ストップの一票をはせだ直之県議候補にお寄せ下さい!

前橋市/酒井ひろあき県議候補の応援に

 前橋市へ、酒井ひろあき県議候補の応援に駆けつけました!

 草津白根山噴火など災害現地に真っ先に駆けつけ、横暴勝手な米軍機、オスプレイの訓練飛行中止を国に迫り、学校給食の無料化の取り組みの先頭に立って奮闘してきたのが酒井ひろあき県議です。三度、県議会に送ってください!

 公費1兆円の投入で国保税を大幅に引き下げます。安倍麻生道路などムダな公共事業をやめ、トランプ大統領の注文に応えた米国製兵器の爆買いをやめて、命と健康を守る国保税引き下げに回しましょう!

 消費税増税ストップの一票を酒井ひろあき候補へ!

群馬・高崎市/伊藤ゆうじ県議候補の応援に

 群馬県議選、高崎市内で伊藤ゆうじ候補の支援を訴えました!

 国道も県道もあるのに新たに1千億円をかけて上信自動車道をつくるとか、過剰供給のコンベンション施設といった箱ものづくり、そして治水にも利水にも役に立たず、環境を破壊し、地滑りなどの災害を誘発する危険な八ッ場ダムの建設を推進してきた自公などの責任が問われます。

 日本共産党の伊藤ゆうじ候補の勝利で、県民本意の税金の使い方に変えましょう!学校給食の無料化を!

 消費税増税ストップの一票を伊藤ゆうじ候補へ!

さいたま市浦和区/とりうみ敏行市議候補の応援に

 さいたま市浦和区へ、とりうみ敏行市議候補の応援に!

 とりうみ敏行市議は、浦和区に一つもなかった特別養護老人ホームを市民と力を合わせて実現!さらにもう一つ実現することになりました!かけがえのない議席です。

 さいたま市は、政令市中3番目の財政力がありながら、認可保育所数、教員数、市営住宅戸数は最下位。その一方で大宮駅・浦和駅周辺の大型開発には「天文学的な数字」の税金を注ぎ込む。逆立ちした税金の使い方を改めて、水道料金、国保税の引き下げを!

 日本共産党の躍進、とりうみ敏行市議候補の当選で、消費税増税中止の審判を下しましょう!

さいたま市中央区/たけこし連市議候補の応援に

 さいたま市中央区で、たけこし連市議候補の応援演説!

 学生の学費値下げ、給付制の奨学金制度実現に取り組んできた、たけこし連さん。党県議団と力を合わせて、医学生奨学金制度を実現。その力を山崎章市議の議席を引き継いで、さいたま市政で発揮してもらいたい。

 塚田国交副大臣の「そんたく」発言は許しがたい。「安倍麻生道路」といわれる下関北九州道路は、需要が見込めず、凍結された事業。それを復活させる調査費計上を「そんたく」。

 森友問題、加計学園問題など、安倍首相とその取り巻きを優遇する政治がまかり通るのはおかしい。副大臣辞任で済む話ではない。安倍政権を退陣に追い込もう!

 ムダな大型開発や大軍拡をやめて、高すぎる国保税を引き下げましょう!

 日本共産党の躍進、たけこし連候補の当選で、消費税増税にストップを!

さいたま市桜区/久保みき市議候補の応援

 さいたま市桜区へ、久保みき市議候補の応援に!

 大久保公民館へのエレベーター設置、障害者グループホーム運営費補助の実現など、市民の声を議会に届け実現してきた、久保みき候補を何としても押し上げてください!

 ムダな大型開発や大軍拡をやめて、高すぎる国保税を引き下げましょう!

 共産党の躍進で、消費税増税ストップの審判を下しましょう!

【内閣委員会】塚田国交副大臣罷免要求/「忖度」発言で追及

 塚田一郎国土交通副大臣が「下関北九州道路」計画について「私が忖度(そんたく)した」と発言した問題で、安倍晋三首相に塚田氏の罷免を要求しました。

 吉田博美参院自民党幹事長が会長を務める「下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会」の設立総会(昨年11月2日)で、吉田氏が塚田氏ら国交省幹部に「政治生命をかけてという気持ちでやるので、よく肝に銘じてしっかりとやっていただく」と求めていた。

 こういう動きを背景に、今回の発言があったのではないか、と指摘。自民、公明両党の議員でつくる「関門会」の同道路早期実現を求める要望書(16年3月提出)には安倍首相の名が記載されており、計画推進は、総理自身が直接指示したのではないか――とただしました。

 首相は「私が指示したということはない」と否定しました。

 私は、事業を所管する塚田氏の発言は、福岡県知事選での利益誘導による選挙利用が問われる大問題だ。きっぱりと罷免すべきだ――と主張。

 安倍首相は、塚田氏の発言は「問題だ」と認めながら「まずは本人からしっかりと説明すべきで、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたい」と擁護し、罷免を事実上拒否しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月03日 内閣委員会 10号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 私からも、塚田国交副大臣に関連して質問をいたします。
 北九州市と山口県下関市を結ぶ下関北九州道路建設計画について、関門海峡には既に橋とトンネルがあり、二〇〇八年には不要との批判を受けて凍結をされたものです。それが一転して、石井国交大臣は、三月の十九日、二〇一九年度、今年度から国が直轄で建設に向け調査する考えを表明しました。
 報道によると、塚田国交副大臣は、四月一日、北九州市で開かれた福岡県知事選の自民党推薦候補の集会で挨拶をした。下関北九州道路に関して、国による直轄調査への移行について、安倍総理や麻生副総理が言えないので私がそんたくしたと発言をしたということです。
 事業を所管する塚田副大臣の発言は、福岡県知事選挙における利益誘導による選挙利用が問われる大問題であります。
 この点で、安倍総理自身の立場も問われております。
 北九州、下関に関連する与党議員の集まりであります関門会は、二〇一六年三月に、道路の早期実現を求める要望書を提出をしております。その要望書には、安倍総理の名前も記載をされています。
 地元にかかわる大型公共事業である下関北九州道路建設計画については、これは安倍総理自身が直接指示されたんじゃないですか。

○安倍内閣総理大臣 そんなことはございません。
 従来から、地元の要望があることは、地元選出の議員でありますから十分に承知をしておりますが、私が指示したということはございません。

○塩川委員 これとの関係で、塚田国交副大臣の発言ですけれども、西日本新聞では、塚田副大臣は、吉田博美参議院幹事長から、これは総理と副総理の地元の事業だよと言われたことを明かした上で、私は物わかりがいい、すぐそんたくする、わかりましたと応じたということです。先ほど塚田副大臣は事実と異なると言いましたけれども、本当にそうなのか。
 これは、吉田博美参議院幹事長が会長となって、下関北九州道路の整備促進を図る参議院議員の会というのが設立をされているんです。昨年十一月二日には自民党本部で設立総会を行って、塚田副大臣や政務官、道路局長らが出席をしている。吉田会長は、道路局長、副大臣、政務官がいる、政治生命かけてという気持ちでやるので、よく肝に銘じてしっかりとやっていただくと発言をしている。
 こういう動きを背景に今回の発言があったんじゃないのか。事実と異なるどころか、事業を所管する塚田副大臣の発言というのは、福岡県知事選挙における利益誘導による選挙利用が問われる大問題であります。きっぱりと罷免すべきではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 発言の詳細は承知をしておりませんが、本人も事実と異なる発言と認めておりまして、そうした発言をしたことは問題であります。既に本人から撤回し、謝罪したところと承知をしておりますが、まずは本人からしっかりと説明すべきであり、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたいと考えております。

○塩川委員 選挙利用を図ろうとした点は、これは事実そのものですから、この点でも塚田副大臣はやはり罷免をすべきだし、本人は直ちに辞任すべきだ、このことを申し上げておくものです。

【内閣委員会】子ども・子育て支援法可決/増税押し付けやめよ

 保育と幼児教育の一部を無償化する「子ども・子育て支援法」改定案が、衆院内閣委員会で採決され、自民党、公明党、国民民主党、日本維新の会の賛成で可決されました。日本共産党、立憲民主党は反対しました。

 採決に先立ち、安倍晋三首相出席のもとで質疑行われました。

 幼児教育・保育の「無償化」が消費税増税とセットで行われる。切実な子育ての願いを逆手にとって、消費税増税を国民に押し付けるのはやめるべきだ。

 住民税非課税のひとり親世帯の保育料は免除されている。このような低所得世帯にとって、今回の『無償化』は消費税分だけが重くのしかかるだけだ。

 安倍首相は「所得の低い方々への配慮として食料品を対象に軽減税率制度を実施する」などと答弁。

 私は、食料品にかかる消費税率は8%に据え置かれるだけで、消費税の逆進性が改善されるわけではないと批判し、「無償化」でも負担増にしかならない住民税非課税世帯に消費税増税を押し付けること自体が間違っていると強調しました。

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「議事録」(質疑)

<第198通常国会 2018年04月03日 内閣委員会 10号>

○塩川委員 法案についてお尋ねをいたします。
 幼児教育、保育の無償化は、消費税増税とセットで行われます。
 保育料については、所得に応じて段階的に負担をすることとなっており、住民税非課税の一人親世帯などの低所得者層では免除をされています。このような、例えば住民税非課税の一人親世帯にとっては、今回の無償化というのは、消費税増税分だけが重くのしかかるということではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 消費税引上げに当たっては、消費税に逆進性があることに鑑みまして、低所得者など真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くことが重要であります。
 まず、所得の低い方々への配慮として、食料品等を対象に軽減税率制度を実施をします。
 あわせて、所得の低い方々や小さな乳幼児のいる子育て世帯に対しては、税率引上げから一定期間使用できるプレミアムつき商品券を発行、販売をいたします。
 さらに、ゼロ歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供の幼児教育、保育を無償化するとともに、来年四月から、真に支援を必要とする低所得世帯の高等教育の無償化を実施することとしております。
 低年金者への給付等の社会保障の充実策を実施することなどを総合的に勘案すれば、政策全体として、所得の低い世帯に手厚く、逆進性に対して十分な緩和策になるものと考えております。

○塩川委員 いや、政策全体を見ても、こういった住民税非課税世帯に対して負担増となるというのが、この現状の仕組みであります。
 軽減税率は、総理も認めておられるように、逆進性のある消費税というのは八%なんですよ、八%だって逆進性があるんですから、それは何ら、これによって改善される話ではそもそもありません。
 プレミアムつき商品券というのは半年間、これは半年間分の消費税増税の負担分をもとに戻すという趣旨での商品券の額であって、半年から先、未来永劫ずっと増税は続くんですから、これに対しての負担増というのは紛れもない話であります。
 そういった点でも、この住民税非課税世帯、一人親世帯などの方については全く消費税増税分だけが重くのしかかる、この仕組みというのは変わらないじゃないですか。

○安倍内閣総理大臣 今回の、八%から一〇%へ引き上げることに対して、この逆進性対策のために、先ほど申し上げましたように、食料品に対する軽減税率を行うこととしているところでございますし、そしてまた、先ほど申し上げましたように、低年金の方への給付も行うわけでございます。
 そして、そもそも、伸びていく社会保障費を支えるために今回消費税率を引上げをするわけでございまして、まさに、引き上げた消費税については全額、社会保障費そして子育てのために使わせていただくということになっているところでございます。

○塩川委員 低年金の話は、子育て世帯に直接かかわりがありません。ですが、住民税非課税の一人親世帯などにとっては、既に保育料は無料なんだから、負担軽減されているので、消費税増税の負担増しかかからないということには変わりがない。
 住民税非課税世帯というのはそもそも所得税も非課税となるような世帯であるわけで、生計費非課税の原則からいっても、生活費には課税しないということが本来であって、そういう世帯に消費税増税を押しつけること自体が間違っていると言わざるを得ません。
 切実な子育てへの願いを逆手にとって、消費税増税を国民に押しつけるのをやめるべきだと申し上げたい。
 次に、企業主導型保育事業についてお尋ねをいたします。
 この間、企業主導型保育施設の運営については、突然の閉園や助成金の不正受給など、さまざまな問題が起こっております。
 二〇一七年度の立入調査では全施設のうち七五・八%で問題事例があった、企業主導型保育事業の助成決定に当たって現地確認を行った施設は二千六百施設に対してわずか六件とか、さまざまな案件でも、とても慎重な審査が行われているとは言えません。
 指導監査においても、コンサル業務を行っているパソナがコンサル業務を行っている企業主導型保育施設に監査に入るような、そういう疑念についてきちっと晴らすような解明も何ら行われていないということで、総理にお尋ねしますが、こういう事態というのは、単に企業主導型保育事業について管轄をしている児童育成協会に責任を押しつけて済む話ではありません。この間、政府が行ってきたこの募集枠の前倒しの措置がこういう混乱を生み出し、不祥事を生み出した。まさに政府の責任が問われる問題じゃありませんか。

○安倍内閣総理大臣 企業主導型の保育事業は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業であると考えております。
 しかしながら、制度創設から三年目を迎えて、さまざまな問題が指摘されていることはまことに遺憾であり、この制度が本来期待される役割を果たしていくためにも、運用の見直しが不可欠であると考えております。
 こうした問題が生じた原因や背景については、内閣府に設置された検討委員会で先般取りまとめられた報告において指摘されているところでありまして、早速に改善を進めさせたい、こう考えております。

○塩川委員 ですから、立ちどまるんだったら、この間の整備そのものを見直すということを考えるべきだ。昨年度の三万人の受皿整備、今年度について二万人と予算上計上している受皿整備、こういうのを白紙に戻して見直すということこそ行うべきだと求めておくものです。
 企業主導型保育施設というのは、入所の児童の九割以上が〇―二歳の子供たちになります。まさに安全対策が何よりも重要な施設であるわけです。
 一方で、企業主導型は、多様なニーズの話もありましたけれども、夜間、休日勤務あるいは短時間勤務、一時預かりなど柔軟に対応できるとしているわけです。これは、多様なニーズに応えた保育を必要としており、子供にとっては非常に強いストレスをためるものになる。そのため、保育者には通常の保育以上に専門性が要求される問題です。また、夜間や短時間などは特殊な保育であるために、安全性が一層求められます。それなのに、保育士の割合は認可基準を満たさなくてもよいとしているわけです。
 このような企業主導型保育施設も今回の無償化の対象となります。安心、安全の保育環境の拡充を願う保護者の願いと逆行することになるんじゃありませんか。

○安倍内閣総理大臣 この企業主導型保育への無償化の導入に先立ちまして、保育の質や子供の安全の観点から、特に審査、指導監督の強化を行うことが急務と考えています。
 そのため、検討委員会報告で指摘をされたとおり、立入調査結果や審査結果の情報開示、また各施設の決算情報の公開等を進め、透明性の高い事業運営に改めるとともに、自治体との情報共有や指導監査等における連携の強化等について、今から順次具体的な改善策を実施することとしたい、こう考えております。
 何よりも子供の育成を最重点にしっかりと対応していきたい、こう考えております。

○塩川委員 いや、私が聞いたのは、多様なニーズに応えるということでいえば、当然その多様なニーズに対応した保育を行わなくちゃいけない、それについては、保育者の専門性が一層求められるんじゃないのか、夜間ですとか短時間ですとか。当然のことながら、そういった際に子供たちのストレスもためることになる。そういった際に、通常以上に保育の専門性が求められるときに、企業主導型保育施設については保育士の配置は認可の基準以下でもいいとしているわけですから、これは容認できないんじゃないのかと。
 総理、いかがですか。総理。

○宮腰国務大臣 先ほども委員の御質問にお答えをさせていただいた部分もありますが、今回の検討委員会の報告の中で、例えば保育事業者設置型において、保育士さんの設置、配置基準について二分の一でいいという部分があったわけですけれども、これを七五%まで引き上げるとかいうようなことで、保育士の配置についても充実を図っていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 それは五〇を七五にするだけで、一〇〇の話でもないわけですよ。実際に、認可外の施設においては、自治体としてのかさ上げ措置をとってやっているわけですよね。
 それ以上に、子供たちにストレスがかかるような企業主導型保育施設のありようからいっても、認可の基準よりも保育士の配置を低くしていること自身がおかしいんじゃないのかと。その点についてお答えがない。

○宮腰国務大臣 保育士比率は、実際には一〇〇%満たしている施設が七六・七%あります。七五%という施設が九・四%、五〇%の施設が一三・九%でありまして、この部分についてはしっかりと充実を図っていくということにしております。
 これからも、企業主導型、特に保育事業者設置型について、しっかりとこの基準を守っていただくように指導してまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 一〇〇%いっている施設が多いというんだったら、何で七五%にとどめるのか。
 そういった点でも、認可の施設よりも設置の基準、運営の基準を緩めることによって企業主導型保育施設の整備を加速させるという趣旨になっているわけで、重大な懸念があるこういう企業主導型保育施設というのはきっぱりと見直すべきだということを申し上げて、質問を終わります。


子ども・子育て支援法改正案に対する反対討論は、以下の通りです。

 私は、日本共産党を代表して、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案、いわゆる「幼児教育無償化」法案に反対の討論を行います。

 第一に、本案は消費税増税を発端としたものです。安倍総理は、総選挙を前にした2017年9月、消費税10%増税を前提に「幼児教育の無償化」を持ち出し、解散総選挙の口実としましたしたのです。

 消費税は、低所得者ほど負担が重くなる逆進性を持つ税であることは、総理自身認めていますることです。保育料はすでに所得に応じて段階的になっており、住民税非課税のひとり親世帯などでは保育料は免除されています。このような層では無償化による恩恵はなく、消費税増税分が重くのしかかるだけです。

 消費税増税を財源にすることで、低所得者層へ重い負担を押し付けることは認められません。

 第二に、この「無償化」によって、何が引き起こされるのか。

 教育・子育ての切実な願いを逆手にとり、安倍総理が党略的に持ち出した「無償化」は、内閣府が「検討の場はなかった」と答弁したように、総理の一言で決まったことがはっきりしています。

 検討もされずに打ち出された施策だから、経過措置期間の5年間は、保育士が一人もいないような保育施設も、給付対象とする法案となっているのです。

 認可外保育施設の立ち入り調査は、現在でも68%しか行われていないにもかかわらず、「無償化」によって調査対象は1.7倍に増えまするのです。参考人からも指導監督体制の「スタッフが足りない、人員配置と予算化が必要だ」と指摘がありました。厚生労働省は、「巡回指導支援指導員を増やす」ことが対策だと述べましたと言いますが、巡回支援指導員は児童福祉法に基づく指導監督をすることはできません。厚労省も「代替できるものではない」と、厚労省も認めたではありませんか。指導監督体制の強化なしに、どうやって安心・安全な保育を保障するというのですかことはできません。

 また、本案には、これまで保育料に含まれていた3~5歳児の給食おかず費を施設側に徴収させることも盛り込まれています。保育の一環である給食の費用は公費で負担すべきで、給食費の実費化は公的保育制度を後退させるものです。

 経過措置の5年間、安全を置き去りにし保育制度に歪みを生じさせ、認可保育所を中心としによる、自治体の保育実施義務に支えられた公的保育をさらに掘り崩すことになります。こんな制度設計があるのか、無責任だと言わざるをえません。

 第三に、本案が、さらに公立保育所を減らし、公的保育制度の枠外にある企業主導型保育事業を拡大させるという問題です。

 公立保育所数は、地方行革の押し付け、運営費・整備費のが一般財源化によってされてから減り続け、この20年間で3割も減少しています。今回の「無償化」が、国から2分の1補助が出る私立保育所に比べ、公立保育所は市町村の10割負担のため、今回の「無償化」が、一層公立保育所の廃止・民営化を加速させることは明らかです。

 対照的に、企業主導型保育事業は急拡大しています。しかし、突然の閉園や助成金の不正受給、75%の施設で基準違反が見つかるなど、問題が相次いでいます。児童育成協会への視察で明らかになったのは、助成決定に当たっての現地確認を行ったのは約2600施設のうちわずか6件、審査もはたった5人がで年3回の会議で行うというものということで、とても慎重な審査が行われているとは言えません。

 今回の「無償化」は企業主導型保育も対象とする今回の「無償化」によってしており、市町村やが設置・監査に関与せず、認可基準以下で整備・運営ができる企業主導型保育が拡大するのは目に見えています。

 企業主導型保育は、仕組み上、認可施設にならない施設であると、内閣府も認めました。一方で、政府は「子育て安心プラン」で、企業主導型保育を待機児童の受け皿として組み込み、さらに3年間で2度の前倒しで推し進めています。このような企業主導型保育を前のめりで進め、公的保育制度を大きく後退させてきた政府の責任は重大です。

 最後に、この法案には、肝心の待機児童対策がありません。緊急にやるべきは、公立を含む認可保育所の増設と保育士の処遇改善です。

 宮腰大臣は「保育士の処遇改善を通じて受け皿を確保しなければならない」と答弁しましたが、政府は、保育士の低賃金、長時間・過密労働の実態調査すら行っていないことも明らかとなりました。これでどうして、保育士処遇改善ができるでしょうか。

 保護者と保育関係者の「安心・安全な保育を」という願いにこたえるためには、「保育の質・量の確保」をしながら、保護者の負担軽減をすすめるべきだと申し述べ、討論を終わります。

【内閣委員会】幼児教育無償化法案/公立保育所を減らし/企業主導型を拡大

 安倍政権が進める幼児教育・保育の「無償化」が、安心・安全の保育環境の拡充を願う保護者の要求と逆行し、企業主導型保育事業を拡大し、公立保育所減らしを加速させると批判しました。

●公的保育制度とは
 日本の保育制度は認可保育所による市区町村の保育実施義務に支えられた公的保育制度が原則です。これは、経済的な事情や、病気、障害など困難を抱える子も含めた、すべての子の保育を受ける権利を保障するための仕組みです。

●企業主導型保育事業は公的保育制度の枠外の制度
 安倍政権が募集枠の前倒しで急増させてきた企業主導型保育事業で、突然の閉園など問題が相次いでいる。企業主導型保育事業は市区町村に課せされている保育実施義務に関与しない施設ではないか――と質問。

 内閣府は「関与しない」と認めました。

 公的保育制度の枠外にある企業主導型を対象とする今回の「無償化」は、企業主導型をさらに拡大する仕組みになる。

●公立保育所は減り続けている
 待機児童対策は、公立保育所をはじめとした認可保育所で行ってほしいというのが保護者の要求にもかかわらず、国が公立保育所の運営費に関する国庫負担金・一般財源化など地方行革の推進政策を進めたことによって20年間で3割も公立保育所が減らされてきた。

 今回の「無償化」では公立保育所における自治体負担を10分の10とするため、公立保育所減らしを加速させる。

 今回の『無償化』は、認可外保育施設であって自治体が設置、監査に関与しない企業主導型保育事業を拡大し、公的保育制度を支える公立保育所を減少させるものになる。公的保育制度を後退させるものだ。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月03日 内閣委員会 10号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 法案の審議を行いますが、先ほど委員会の冒頭で、厚労省から、答弁の間違い、それについての謝罪もあったところであります。
 質疑において十二カ所も間違いがあったと。これ自身が、その質疑そのものが成り立たなくなるという点でも極めて重大で、発言の中にもありましたように、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれのある答弁という点でも極めて重大だ、こんなことが再びない、このことを強く求めておくわけですし、同時に、そういった誤りがそれにとどまっていないということも一言申し上げて、質問に入ります。
 内閣府にお尋ねしますが、子育て安心プランの三十二万人分の受皿整備についてですが、二〇一七年の六月公表時には、企業主導型の受皿拡大量が含まれていませんでした。十二月の予算閣議決定時に六万人と定めたというんですが、この六万人としたという根拠は何なのかについて、説明をしてください。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 子育て安心プランに基づく三十二万人分の保育の受皿整備のうち、企業主導型保育事業による六万人分につきましては、平成二十八年度の助成決定の実績件数、八百七十一施設、二万余の定員でございますけれども、実績件数などを踏まえた上で、平成三十二年度までの三年間での整備量の見込みを勘案し、平成二十九年十二月の新しい経済政策パッケージに基づきまして、平成三十年度予算編成過程の中で、経済団体との調整を踏まえ、決定したものでございます。

○塩川委員 二〇一六年度の助成決定の実績二万余等々を踏まえてということなんですけれども、どれだけふやすかという規模について、いわば募集があったから受けたんだという話、応募が多かったといった話で裏づけになるような話にはならないわけで、そういった点でも、根拠が極めてある数字と言うことはできません。
 それで、実際に企業主導型保育事業の受皿整備量についてなんですけれども、実績と今後の見込み、予算上の措置について確認したいんですが、私が承知しているところでは、二〇一六年度は約二万人で、一七年度が約四万人、一八年度の見込みが約三万人で、一九年度は予算上二万人ということで、合計すると十一万人の規模と承知しているんですが、それでよろしいですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 これまでの助成決定の実績といたしまして、平成二十八年度末約二万人、平成二十九年度末で約六万人、それから平成三十年度につきましては更に約三万人分の整備をすることとしてございます。平成三十一年度は約二万人分を整備する予定でございます。(塩川委員「十一万人でいいですね、足し上げると」と呼ぶ)そうでございます、はい。

○牧原委員長 もう一回、正確にお願いします。

○小野田政府参考人 二十九年度末の六万人といいますのは、二十八年度の二万人を加えての六万人でございますので、六足す三足す二ということでございます。(塩川委員「十一万人」と呼ぶ)はい。

○塩川委員 十一万人ということなんですが、要するに、パッケージの時点では、その二〇一六年度の二万の実績があって、それに六万を乗せるということだから、二〇二二年、それが、前倒しにさせて二〇二〇年度までに八万人の整備をするということなんですけれども、これは実際に、今年度を含めると、もう十一万人の規模になるんですよ。すごくふえているわけなんです。
 企業主導型保育事業について、改めて確認ですけれども、二〇一七年においては、三万人の募集枠に対して公募が五万人あって、そのため、八月の時点で二万人分の募集前倒しを行ったと承知しています。結果は四万人になったわけですけれども。九月に、安心プランの二〇二二年度末達成を二〇二〇年度末への前倒しを行った。二〇一八年については、二万人の募集枠に対して公募が五万人以上あり、募集枠を三万人分に引き上げた。募集枠に関する経緯というのは、以上のとおりでよろしいでしょうか。

○小野田政府参考人 委員御指摘のとおりと承知しております。

○塩川委員 ですから、もともと二〇二〇年度までに二万プラス六万の八万人というのが政府としての目標だったのを、前倒し前倒しで十一万人まで積み上げているんですよ。ですから、大幅にこの企業主導型保育事業を拡大する、この姿勢で一貫しているというのが今の政府の対応だということであります。大変な勢いで企業主導型の受皿整備量をふやし、前倒しを行ってきたということなんです。
 そこで、ちょっと確認で、先ほど山岡さんもやりとりしておりましたけれども、先週、企業主導型保育事業の審査、監査を行っている児童育成協会の視察に参加をしました。企業主導型保育事業の助成決定に当たって、施設の現地確認を行ったのは約二千六百施設に対してわずか六件と聞いたんですけれども、それは内閣府も承知しておられるんですか。

○小野田政府参考人 お答えします。
 これまでの間で六件と承知してございます。

○塩川委員 二千六百施設に対して、現地確認を行ったのはわずか六件。それは、自治体が必ず現地確認する認可保育所などでは考えられない事態であります。
 あともう一つ、助成決定を行う審査会は、経営とか会計とか保育などの専門家の方五人で構成されているということですが、実際には、この前のときは三回の審査会で二千六百施設の審査を行ったと聞いたんですが、そのとおりですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 審査会を開催したのは三回でございます。

○塩川委員 ですから、わずか三回で五人の委員が二千六百施設を審査するということは、到底、慎重な審査が行えるとは思えないわけです。
 指導監査業務として、二〇一七年度の立入調査では、全施設のうち七五・八%が問題事例であったということも出ているわけです。
 しかも、指導監査業務の大半を行っているのが委託先のパソナです。そのパソナは企業主導型保育施設のコンサル業務を行っているわけです。パソナがコンサル業務をしている施設に立入調査をしているのはおかしいんじゃないかとただしても、この児童育成協会では、パソナがコンサル業務をしている企業主導型保育施設について把握もしていないという回答でした。
 企業主導型育成事業の急激な増加措置に対応できていないということが、こういうところでも、さまざまなほころびとなってあらわれてくるわけです。
 実際には、入園に至らないような、閉鎖をするような施設、さまざまな不適切な対応というのがあった企業主導型保育事業において、こういったいろんな混乱を生み出したというのは、単に児童育成協会に責任を押しつけて済む話じゃないわけです。
 大臣にお尋ねしますが、言いましたように、政府として、受皿整備量として、この企業主導型については、例えば二〇二〇年度までに積み上げでいえば八万ぐらいだったのを、実際には、今年度、二〇一九年度で十一万人という、大きく上積みをしているわけですよ。それは、前倒し前倒しということでやってきたわけですよね。こういった前倒しでの措置というのが、結果としてさまざまな問題、不祥事を起こすことになったんじゃないですか。こういう企業主導型をめぐるさまざまな混乱や問題や不祥事というのは、政府の前倒しによってもたらされたということじゃないですか。

○宮腰国務大臣 企業主導型保育事業は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業であると考えております。
 しかしながら、これまで内閣府が事業を進めてきた中で、量の整備に重点が置かれ過ぎ、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか、ここは一度立ちどまり、これまでの取組を検証し、反省すべきは反省し、しっかりと改善を図っていくべきではないのか。私としては、そういう厳しい認識のもとに、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げさせていただきました。
 三月十八日に公表されました、当面早急に改善すべき事項についての検討委員会報告において、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」といった改善方策が示されております。今後、検討結果を踏まえ、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいというふうに考えております。

○塩川委員 量の拡充に偏っていた、質の確保が十分ではなかったのではないのか、そういう認識で、しっかりと調べ、対応策をとるということですけれども、もともと自治体が保育実施義務を持つ中で、認可保育所などによる保育所の整備を行っていく、実施計画をつくって行っていくわけですけれども、この企業主導型保育事業はそこに入らないわけですよ。だから、認可、自治体の保育実施義務の外にあるのがこの企業主導型保育事業であるわけで。
 そういったときに、今確認をしたように、とにかく次から次へと、応募があればそれを前倒し前倒しで受け入れるといった整備のあり方そのものが、こういう事態をつくっているんじゃないのかということなんですよね。そういう認識はないのかということなんです。

○宮腰国務大臣 この前倒しの問題と質の問題、基本的に、直接の因果関係があるかといえば、必ずしも私はそうではないと思っております。
 量の拡大といいますか、量の整備に重点が置かれ過ぎていた、一方で、質の確保への意識が必ずしも十分ではなかったのではないか。これは、私もですけれども、検討委員会のメンバーの皆さん方も同じ認識を共有しているわけでありますけれども、前倒しをやってきたからいろんな問題が出たのではないかということとは、直接私は因果関係はないものというふうに思っております。

○塩川委員 でも、量の拡大に重点が置かれ過ぎていたといった指摘なわけですから、その量の拡大というのは、別に児童育成協会の責任じゃないわけですよ。前倒しをしている政府側の責任じゃないですか。量の拡大に重点を置かれ過ぎていたというのは、まさに前倒し前倒しでもたらされているんですよ。
 そういう前倒しを行ってきた政府の責任については明らかにしないんですかということを聞いているんです。

○宮腰国務大臣 前倒しというのは、やはり待機児童の解消が極めて大きな問題、課題である、あるいは社会問題化までしているという状況の中で、できる限り、募集定員といいますか受皿を整備をしていくというのは、それは、社会全体で、国全体で見ても重要な課題であるということだと思っております。
 その結果、ようやく初めて、初めてではありませんが、久しぶりに待機児童の数が二万人を割り込んだということもあります。この待機児童解消対策をやらなければ、更に待機児童が多くなっていたということが言えると思っておりまして、待機児童解消のために前倒しをしたこと自体に問題があるとは私どもは考えておりません。

○塩川委員 保護者の方の要求というのは、安心、安全な保育なわけですよ。そういったときに、量とともに質というのは当然のことであって、この間の企業主導型について言えば、実際には認可に届かないような、認可基準以下での施設や運営について、保育士の配置基準などが規定されているわけですから、そういうときに、制度的にもこういった問題がある。
 加えて、量の拡充に偏るような措置において大きな問題が起こったわけですから、そこはやはり政府の責任として、前倒しをやった、そのことについてきちんとけじめをつける必要があるんじゃないのか。
 改めて、いかがですか。

○宮腰国務大臣 待機児童解消というのが優先課題の一つであるということから、前倒しをしてきたものであります。
 確かに、委員御指摘のように、企業主導型保育事業、大半は指導監督基準を満たして、その企業で働いておいでになる社員の方々、子供を預けながらでもきちっと働いていける、あるいは多様な働き方に対応していけるということでありますので、認可保育園、認可保育所とはまた全く違う形で子育てに対応できるのではないかな、できていると思います。
 でありますので、認可でなければだめだということではなくて、やはりこれはまた別の考え方で、多様な働き方に応じて、また待機児童解消にも役に立つということでスタートをした事業でありまして、それは経済団体の方からも期待されているというふうに思っております。
 でありますので、スタート地点でのこの制度の枠組みについては、やはり見直すべき点が多々あるとは思いますけれども、この事業そのものに問題がある、基本的な考え方に問題があるとは私どもは考えておりません。

○塩川委員 量とともに質、この質の問題について、安心、安全な保育の要望についての保護者のそういった願いに応えるといったときに、実際、では助成決定はどうだったかというと、こういう審査が本当にでたらめだったじゃないかということが問われているわけですし、指導監査のずさんさが問題になっているんですよ。まさに質の確保がされていないということが一番の問題となっているからこそ、量の整備についても見直すべきじゃないのかということを申し上げているわけであります。
 ニーズに基づかないような受皿整備というのが、とにかく前倒し前倒しとやったのがこういった不祥事を生み出しているわけですから、二〇一八年度の三万人分、そして今年度の二万人分の受皿整備量について、やはり白紙で見直すべきだということを申し上げておきたい。
 企業主導型保育施設というのはそもそも制度上どんなものかを幾つか確認したいんですが、この企業主導型保育施設は、仕組み上、認可施設にはならないというものだと思いますが、その点、いかがですか。

○小野田政府参考人 お答えいたします。
 企業主導型保育事業は、事業主拠出金を財源といたしまして、企業が主体的に従業員のニーズに応じた柔軟な保育を提供することができるという特色を持った事業でございます。
 こうした特色を生かすため、企業主導型保育事業は、事業主拠出金を財源としまして、例えば、市町村による利用調整がないこと、必ずしも地域枠を設定しなくてよいこと、利用料及び開所時間は施設が決定できることなどの仕組みを持ってございまして、したがって、認可保育施設と違った施設としまして引き続き展開していくべきものと考えてございます。

○塩川委員 認可施設とは違った施設、つまり、単純な、認可基準を満たさないというアンダーの認可外ではなくて、認可の外にあるというのが企業主導型保育事業、保育施設ということになります。
 ですから、企業主導型保育施設は、市区町村に課せられている保育実施義務には関与しない施設ということでよろしいですか。

○小野田政府参考人 お答えします。
 市町村による利用調整がないという意味では、関与はございません。

○塩川委員 そういった点でも、保育実施義務の外にあるということであります。
 大臣にお尋ねいたします。
 企業主導型保育事業というのは、市区町村の保育実施義務の外で、認可基準以下で整備、運営ができる仕組みになっているわけです。今回の無償化の制度というのは、認可外の施設であって自治体が設置、監査に関与しない企業主導型保育事業を更に拡大する仕組みになります。これは、これまでの認可施設による自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を後退させることになるんじゃありませんか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 保育の受皿につきましては、保育の実施主体である市区町村が認可保育所等を中心とした整備を進めることが重要だと考えております。
 一方、企業主導型保育事業につきましては、平成二十八年の子ども・子育て支援法改正によりまして、待機児童対策への貢献を一つの目的として制度化されたものでございまして、職員配置など、認可の小規模保育事業に準じた基準となっており、内閣府において認可保育所並みの整備費、運営費を補助していること、事業主拠出金を財源として企業の従業員の多様な働き方に対応できる保育施設であることから、重要な保育の受皿の一つと考えております。
 現在、保育事業者設置型についてさまざまな課題が指摘されていると承知しておりますが、内閣府において、検討委員会報告を踏まえて必要な改善が図られるものと承知しております。

○塩川委員 自治体の保育実施義務というのは、やはり保育のニーズを踏まえてしっかりとした整備も行っていきましょう、運営についても、認可という基準を支えにしっかりとした質の確保も行っていく、量と質の両面で自治体の責任をしっかり果たすという制度のもとで今の認可保育所の仕組みがあるわけです。
 その外にある企業主導型保育事業を前倒し前倒しでふやすということは、本来、この質と量について、まさにニーズを踏まえた自治体の対応、これを掘り崩す仕組みになっていくんじゃないのか。それが今言ったようにさまざまな問題を起こしているわけですから、これはやはり、改めて、こういう企業主導型保育事業のあり方をこのままというわけにいかないと思うわけですが、大臣、いかがですか。

○宮腰国務大臣 今回の検討委員会の報告書におきましては、自治体との連携を進めていくということが明記されております。
 例えば、具体的には、地域枠について、市町村子ども・子育て支援事業計画の供給量に含められるよう国の基本指針が改正されたところであって、設置者が地域枠を設定しようとする場合、自治体と相談の上で地域の保育需給状況を踏まえたものとなるようにすべきであること、それから、施設の適切な運営や緊急時の円滑な対応に資するよう、各施設が自治体に対し、定員、利用者、従事者等の状況を定期報告する仕組みを検討するべきであること、そのほかにも自治体との連携についての記述があります。
 我々としては、これまで自治体との連携が必ずしも十分ではなかった、一部には、例えば福岡市でありますとか大阪市でありますとか、そういうところで、しっかりと連携して、自治体としても企業主導型保育を進めていくという方向でやっていただいているところもありますけれども、これからも自治体との連携についてはしっかりと前に進めていきたいというふうに考えております。

○塩川委員 現に存在は拡大しているわけですから、連携するということは当然必要になってくるわけですけれども、でも、ニーズを踏まえた質、量の確保を行うという自治体の保育実施義務に支えられた今の公的保育制度の外にある企業主導型保育事業をどんどん拡大するというのは、その方向は誤りだということを申し上げておきます。
 次に、公立保育所についてお尋ねします。
 公立保育所数の推移を確認したいんですが、公立保育所の施設数と定員数について、一九九七年、二〇〇七年、二〇一七年の数字を紹介してください。あわせて、保育士数について、常勤換算ということですが、数字のある二〇〇三年と二〇〇七年、二〇一七年についてお答えください。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 公立保育所の施設数でございますが、福祉行政報告例によりますと、各年四月一日現在で、平成九年は一万三千六十四施設、平成十九年は一万一千六百二施設、平成二十九年は八千六百三十七施設となっております。
 公立保育所の定員数ですが、同じく福祉行政報告例によりますと、四月一日現在で、平成九年は百十一万三千人、平成十九年は百六万三千三百六十九人、平成二十九年は八十五万四千三百五十九人となっております。
 また、保育士数でございますが、こちらは常勤換算した場合の公営保育所に勤務する保育士数につきまして、社会福祉施設等調査によりますと、平成十五年は十四万七千四百八十四人、平成十九年は十四万一千百五人、平成二十九年は十一万七千七百六十五人となっております。

○塩川委員 二十年間で公立保育所の施設数は三分の二、定員数は四分の三に減少しました。保育士は、過去十四年間で八割に減少しています。このように公立保育所が減少している理由というのは何なんですか。

○本多政府参考人 保育の受皿整備に当たりましては、保育の実施責任がある市町村が、公立、私立の役割分担も含めて地域の実情に応じて取り組まれているものと承知しております。
 公立保育所につきましては、全国的に見れば減少傾向にございますが、各市町村がどのように公立、私立の役割分担を考えているかについては、地域事情を踏まえて、さまざまな理由が考えられますため、一概にお答えすることは困難かと考えております。
 例えば、働き方が多様化する中で、夜間保育や休日保育といった多様な保育に対するニーズが高まっており、こうしたニーズに応えるために公立保育所の民営化を行い、私立保育所の整備を積極的に進めている自治体もあると承知しておりますが、これ以外にもさまざまな理由があるものと承知しております。
 いずれにいたしましても、各市町村において、設置条例の廃止や予算等の審議等によって議会やそのほかの関係者に説明責任が果たされているものと考えております。国といたしましても、市町村が地域の実情に応じて取り組むことができるよう積極的に支援をしてまいります。

○塩川委員 地域事情と言いますけれども、地域事情もそれは全部排除されるわけじゃないですが、それ以上に、国の施策、国の政策によってもたらされているんじゃないのか。
 この間、国は、指定管理者制度の導入や、公立保育所の運営費に関する国庫負担金の廃止、一般財源化、公立保育所整備費国庫補助の一般財源化、集中改革プランや行革推進法などによる地方公務員の定数削減の推進を行ってきました。これらの地方行革の推進政策によって、公立保育所が削減されてきたということじゃないですか。

○本多政府参考人 お答えいたします。
 政府全体として進めてまいりましたそういった方針も含めまして、また、さらに、地域の実情も含めて、市町村が御判断をされているものというふうに承知しております。

○塩川委員 こういった一連の政府の施策の責任こそ問われるわけです。
 大臣に伺います。
 今回の無償化というのが、公立保育所における自治体負担が十分の十となるということで、結果として、公立保育所減らしを加速させるんじゃないのか。そのことが、保育所増設による待機児童の解消や保育士の処遇改善に逆行するものとなるんじゃないのかと考えますが、大臣はいかがですか。

○宮腰国務大臣 今般の幼児教育、保育の無償化におきましては、国と地方で適切な役割分担をすることが基本と考えておりまして、国と地方へ配分される消費税の増収分を活用することにより、必要な地方財源をしっかりと確保した上で、国と地方がよく連携して進めてまいりたいと考えております。
 財政負担のあり方につきましては、現行制度の保育所等に係る負担割合と同様とすることといたしまして、初年度に要する経費については、全額国費により負担をいたします。さらには、総務省と連携をいたしまして、必要な地方財政措置をしっかりと講じてまいります。
 これらにつきましては、昨年、全国知事会、全国市長会、全国町村会と丁寧な協議を行いまして、それぞれの団体における所要の手続を経て、組織として御了解をいただいたところであります。
 その上で、保育の実施責任は市町村にありまして、公立、私立の役割分担については、それぞれの市町村において判断すべきものであると考えております。
 また、このことで待機児童の解消や保育士の処遇改善に影響が出るということではないものと考えております。

○塩川委員 必要な地方財政措置を行うというんですが、過去の三位一体改革のときの運営整備費に係る国庫負担金や整備費の廃止、一般財源化というのは、公立保育所減らしに大きくつながっていったわけです。今回の無償化も、それと同様に、公立保育所減らしを加速させることになる。これが待機児童の解消や保育士の処遇改善に逆行するということを言わざるを得ません。
 今回の無償化が、認可保育所中心の自治体の保育実施義務に支えられた公的保育制度を後退させるものとなる、このことを申し上げて、質問を終わります。

【倫理選挙特別委員会】学生ら投票権保障を/事態の解消を求める

 住民票を異動せずに1人暮らしをしている大学生らが投票できない問題について取り上げました。

 総務省が2016年に行った調査で、約6割の大学生らが住民票を「移していない」と回答していると指摘、住民票を異動せずに遠方に進学した学生の人数を質問。総務省は全国の市区町村を対象に初めて調査を行い、17年の総選挙で3462人だったと明らかにしました。

 私は、18歳以上の日本国民は選挙権を有している。住民票を異動しないことで選挙権が奪われることがあってはならない――と指摘し、対策についてただしました。

 石田真敏総務相は、選挙管理委員会と住民基本台帳担当部局との連携が図られるよう「18年に通知を出している」と述べ、「投票機会が得られるよう、通知の趣旨を周知したい」と表明しました。

 住民票の異動の周知徹底は当然だ。国政選挙で選挙権を有していても、住民票を異動していないことで権利行使できない事態を解消する必要がある。

 また、自由な立候補を制約している国際的にも高額の供託金について、石田氏は「立候補しやすくすることは重要な観点」「改めて議論するのは意味がある」と答弁しました。

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「議事録」

<第198通常国会 2018年04月02日 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 2号>

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 きょうは、選挙制度について大臣にお尋ねをいたします。
 最初に、住民票を異動していない、ひとり暮らしの学生等の選挙権の問題についてです。
 二〇一六年に選挙権年齢が十八歳に下がってからことしは三回目の国政選挙、参議院選挙が行われます。十八歳選挙権が施行されることで、選挙人名簿に記載されない事態を排除するため、旧住所で投票できるよう、法律が制定をされました。一方、住民票を異動せずひとり暮らしをしている学生などが選挙権を行使できないことが当初から問題となっていたわけであります。
 十八歳選挙権施行当時の明るい選挙推進協会、明推協の調査ですが、高校卒業後、親元を離れて進学した短大生や大学生、大学院生等で住民票を移していないと答えたのは施行前の一五年六月は六三・三%、参議院選挙の直前の一六年六月でも六二・四%でした。総務省が一六年十月に行った十八歳選挙権に関する意識調査でも五六・四%が移していないという結果でした。徐々に減っているとはいえ、過半数のひとり暮らし学生が住民票を異動しておりません。
 明るい選挙推進協会の一七年総選挙時の調査によれば、引っ越しをしたら住民票を異動させなければならないことを全体では九五・二%の人が知っていましたが、十八歳から十九歳の場合は六七・六%と、他の年代に比べて低い結果となっています。また、住民票を移してから三カ月以上住んでいなければ現在住んでいる市区町村で投票できないことを知っているかどうかという問いに対して、全体では五三・五%の人が知っていたと回答していますが、十八歳から十九歳は二〇・六%、二十歳代は二九・二%と、若年層の認知率が低いということでした。
 大臣にお尋ねをいたします。
 この春、大学などへの進学でひとり暮らしを始める学生もいます。もう高校を卒業した方たちも多いわけで、ひとり暮らしの学生などの住民票の異動をどのように促しておられるのか、お尋ねします。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

○石田国務大臣 住所は各人の生活の本拠をいうものであり、引っ越しをした場合には当該生活の本拠のある市町村に住民票を移していただくことが必要となるものであります。
 また、このような場合については、住民基本台帳法の規定によりまして、引っ越し前の市町村において転出届の提出を行い、引っ越し後、引っ越し先の市町村へ転入届を行うこととされております。
 進学等で市町村の区域外へ住所を移すこととなる高校生等に対しまして住民票の適切な異動について周知を行うことは重要と考えておりまして、このため、総務省といたしましては、周知用リーフレットを作成をし、選挙管理委員会を通じて高校や大学に配布するとともに、文部科学省に対して、高校における卒業時や大学等における入学時のオリエンテーション等の機会を通じ、住民票の適切な異動について周知を依頼をしているところであります。
 また、文部科学省と連携をし、作成、配布している政治や選挙等に関する高校生向けの副教材におきまして住民票の適切な異動について制度解説やQアンドAで記載し、教育現場で活用いただいているところでございます。
 引き続き、各選挙管理委員会や文部科学省等とも連携をして、住民票の適切な異動について周知に努めてまいりたいと考えております。

○塩川委員 必要なリーフレットの作成ですとか、大学におきましても文科省と連携もしながらオリエンテーションの機会で周知をすると。これは、我が党の穀田議員が一六年の三月の当委員会で、大学側が新入生に新住所に住民票を異動したかどうかを確認する方策を考えてはどうかということを提案をしたという点でも、入学式やオリエンテーションの機会に周知を図っていくという点での取組を更に進めていただきたいと思います。
 それでは、住民票を異動していないひとり暮らしの学生らの投票権はどうなっているのかということで、各選管において、住民票を異動させずに遠方に進学した学生の投票を認めないケースがあります。
 総務省が全市区町村を対象に、選挙人がその市町村の住民であるかどうかを確認する居住実態調査に係る状況把握の調査を初めて行ったと聞いております。
 総務省にお尋ねしますが、二〇一七年の総選挙において居住実態調査を行った市区町村選挙管理委員会はどれだけで、うち選挙人名簿から抹消した選管はどれだけか、選挙人名簿に登録されなかった、又は抹消された者の人数はどれだけか、お答えください。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 市町村によって、居住実態調査の実施の有無あるいはその結果の取扱いが異なるとの指摘等がありましたので、平成二十九年の衆議院議員総選挙に際しまして、市町村の選挙管理委員会における居住実態調査の実施の有無、あるいは住民基本台帳部局との連携などにつきまして、対応状況を平成二十九年十二月に調査をいたしました。
 その調査の回答でございますが、その年の衆議院議員総選挙に関しまして、全国で四十団体が居住実態調査を実施しておりまして、そのうち、選挙人名簿に登録しなかった又は選挙人名簿から抹消した者は、三十団体で三千四百六十二人ありました。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

○塩川委員 二〇一七年の総選挙において、住民票を異動していないという理由で登録しなかった、抹消した、そういう人が三千四百六十二人、選挙権を行使できないということになったわけであります。
 北海道の旭川市選管が、少なくとも一九九三年以降、実家から離れて市外で暮らす学生らに不在者投票はできないと誤った説明を行っていたことに対して、北海道選管が不適切だと是正を指導した件もあります。
 大臣にお尋ねしますが、国政選挙において、選挙権を有しているにもかかわらず、選挙権を行使できるかどうかが各選管の対応によってばらばらであるというのが実態です。同一の選挙でありながら、これでいいのかということも問われます。今回の参議院選挙で、このようなひとり暮らしの学生の選挙権行使を保障するため、どのような対策を講じるのか、このことについてお答えください。

○石田国務大臣 市町村によって居住実態調査の有無や結果の取扱いが異なるとの指摘がございまして、総務省において実態調査を行った点については、今選挙部長から答弁させていただいたとおりであります。
 居住実態調査を行った団体の中には、選挙管理委員会と住民基本台帳担当部局との間で十分な連携が図られておらず、その結果、住民票が残ったままいずれの団体の選挙人名簿にも登録をされずに投票の機会が得られなかった事例があったことが課題として明らかになったところであります。
 最高裁判決におきましても、選挙に関して住所は一人一カ所に限定される旨述べられていることを踏まえ、選挙管理委員会が居住実態について調査を行う場合には、同一自治体の住民基本台帳担当部局との十分な連携、調整を行うよう、平成三十年三月に通知したところでございます。
 総務省としては、この夏の参議院選挙に向けても、選挙人がいずれかの団体で投票の機会が得られるよう、平成三十年通知の趣旨を周知してまいりたいと考えております。

○塩川委員 通知の話がありましたが、登録されなかった又は抹消された者が三千四百六十二人いたことに触れて、「このことは、選挙人がいずれの選挙人名簿にも登録されなくなるおそれにつながりますが、選挙権は国民の基本的な権利であり、投票の機会が得られるようにしていくことに留意することが必要」だと指摘をしています。
 住民票異動の周知徹底は当然として、国政選挙は、一定の年齢を超えた日本国民が選挙権を有しているのであって、住民票がある市町村に長期不在であっても投票権が奪われるようなことがあってはならないわけです。
 実際、この間の法改正によって、在外投票制度や洋上投票制度など、当該市町村内に住民票があれば選挙人名簿に登録され、長期間不在であっても投票機会を保障する制度が創設をされてきたわけです。
 選挙権を保障する立場から、選挙権を有しているにもかかわらず、住民票を異動していないからといって選挙権行使が認められない事態を解消する必要がある、この点では大臣も同じ考えだと思うんですが、いかがでしょうか。

○石田国務大臣 先ほどの調査によっても、やはり、選挙管理委員会と住民基本台帳担当部局との間の十分な連携が図られていないということが大きな原因の一つだろうと考えておりますので、しっかりこの辺の解消、周知徹底を図ってまいりたいと思っております。

○塩川委員 選挙権がしっかり行使できる、そういう方向での対応ということで強く求めておきたいと思います。
 次に、供託金についてお尋ねします。
 今、統一地方選挙の前半戦が行われている最中ですが、日本国憲法は、国民主権、議会制民主主義の基本理念のもと、主権者たる国民が政治に参加する手段として選挙制度を位置づけております。また、地方自治は、選挙によって住民の意思が示されることで、住民の意思に基づき、自治体みずからの意思と責任を持って役割を果たしていくことを明記しております。憲法上の権利行使にとっても、住民の意思を議会、首長に反映した地方自治を行うためにも、選挙が重要であることは言うまでもありません。
 総務省にお尋ねしますが、二〇一七年七月に公表された総務省の地方議会・議員に関する研究会報告書では、意欲ある人間の立候補を促進する環境整備として、供託金について何と書かれているでしょうか。

○北崎政府参考人 お答えいたします。
 地方議会・議員に関する研究会は、地方議会議員をめぐる選挙のあり方について、各方面での幅広い検討に資するため、十名の有識者の方々に純粋に学術的な見地から御議論いただいたものでございます。
 この研究会の報告書では、地方議会議員としての立候補を促進する環境整備に関する議論の中で、供託金について、その制度趣旨については、悪質な立候補を抑止し、立候補について慎重な決断を促すこと、候補者の乱立を防止することとされ、合理性、必要性がある制度として運用されている。また、地方議会議員の選挙については、そうした懸念が少ないことから設けられていない。一方で、地方議会議員の選挙の現状等を見ると、市議選、県議選を通じて、供託金没収率はかなり低いことから、具体的な選挙の乱用懸念がある場合には、個々の状況に応じて適切な対策を講じるべきであり、現在の地方議会選挙の状況に照らせば、一律に供託金を課す必要性は低下しているとの指摘があった。また、注記といたしまして、供託金にかわる制度として、外国では立候補に当たり一定数の選挙人の署名を必要とする制度があるが、我が国では、少なくとも現行制度では個人立候補主義としていることや、署名数と防止効果や事務負担等の関係等を考慮して検討する必要があるとの指摘もあったと記載されているところでございます。
 有識者の方々から、それぞれの問題意識に基づき御提言をいただきましたが、地方議会の選挙制度は、地方自治制度のみならず、民主主義の根幹にかかわる問題であることから、各方面での検討に際し、参考になればと考えているところでございます。

○塩川委員 答弁で、地方議員の選挙で供託金が設けられていないとあったんですけれども、町村議会議員の選挙ということですよね。

○北崎政府参考人 お答えいたします。
 はい、町村議会議員の選挙でございます。

○塩川委員 今紹介してもらいましたように、この研究会報告では、一律に供託金を課す必要性は低下をしているという指摘がされています。
 重ねてお聞きしますけれども、一連の選挙で供託金がどうなっているのか、衆議院、参議院、知事、都道府県議、政令指定都市の市長、市議、一般市長、市議、町村長の一九五〇年公選法制定時と現在の供託金額を説明してください。

○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 各選挙における供託金につきまして、昭和二十五年の公職選挙法制定当時と現在とでは、制度や物価水準などに相違があるために、一概に比較はできないと思いますけれども、機械的に金額を申し上げますと、衆議院議員選挙につきましては、昭和二十五年当時、三万円でございましたが、現在は、小選挙区選挙三百万円、比例代表選挙が六百万円となっております。
 参議院議員選挙につきましては、昭和二十五年当時、やはり三万円でございましたが、現在は、選挙区選挙が三百万円、比例代表選挙が六百万円となっております。
 都道府県知事選挙につきましては、二十五年当時、これもやはり三万円でございましたが、現在は、三百万円となっております。
 都道府県議会議員選挙につきましては、昭和二十五年当時、一万円でございましたが、現在は、六十万円となっております。
 市長選挙につきましては、昭和二十五年当時、一万五千円でございましたが、現在は、指定都市の市長選挙が二百四十万、一般市の市長選挙が百万となっております。
 市議会議員選挙につきましては、昭和二十五年当時、五千円でございましたが、現在は、政令市の議会議員選挙が五十万円、一般市の議会議員選挙が三十万円となっております。
 町村長の選挙につきましては、昭和二十五年当時、供託金はございませんでしたが、現在は、五十万円。
 町村議会議員につきましては、いずれも供託金はございません。

○塩川委員 物価の違いとかの話がありましたが、物価は三百倍には別になっておりませんので、どんどんどんどん上がる一方というのが供託金でした。
 衆議院の小選挙区、参議院の選挙区、知事では三百万円、衆議院の比例、参議院の比例は名簿登載者一人当たり六百万円ということで、国際的に見て、こんなに高い供託金を取っている国はありません。OECD加盟国で見ると、供託金制度そのものがない国の方が多いわけで、主要国でいうと、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアは供託金がありません。イギリスの下院は供託金がありますが数万円で、カナダでは、二〇一七年に違憲判決があり、既に供託金を廃止をしております。
 石田大臣、世界の状況を見ても、日本の供託金は余りにも高過ぎると思うんですが、お考えはいかがでしょうか。

○石田国務大臣 金額の多寡については、これは今までずっと積み重ねてきて改正を重ねられてきたものだと思っておりますけれども、今、一方の御趣旨で、やはり、なり手不足の問題とかいろいろな議論をされている中では、改めて議論をするということも意味のあることではないかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、しかし、これも非常に選挙制度の根幹にかかわりますので、やはり基本的には各党各会派でしっかり御議論いただく問題だと考えております。

○塩川委員 我が国の供託金制度は、選挙公営による候補者に対する公費投入がある以上、単なる売名目的の候補者の乱立を防ぐためとして制度が継続されてきました。国際的に見て極めて高い供託金制度が事実上自由な立候補を制約する極めて非民主的なもので問題であると、我が党は抜本的見直しを一貫して求めてきたわけです。
 今回の都道府県議選、市議選から選挙運動用のビラ頒布が解禁となりましたが、町村議選のビラ頒布は禁止のままで、その理由が、供託金制度とリンクさせ、公費負担がないということでした。乱立防止のためと巨額な供託金を課し、供託金を払っていないからと候補者の選挙運動に制限を加えるというのは、これは間違っているんじゃないでしょうか。
 二〇〇八年には、自民党提出の供託金引下げ法案というのが衆議院を通過をしております。金を持っている人でなければ選挙に出られない、供託金が立候補阻害要因となっているということも見直していかなければいけないと思うんですが、大臣、改めていかがですか。

○石田国務大臣 先ほど御紹介いただいた供託金の引下げの議論については、私もたしか参加させていただいた記憶がございますけれども、いずれにいたしましても、いろいろと議論がされている中で、やはり、どなたでも立候補しやすい形にしていくというのは非常に重要な観点ではないかなと思っております。
 ただ、先ほども申し上げましたけれども、これは根幹にかかわる問題でございますので、やはり各党各会派で御議論いただくべきものと考えております。

○塩川委員 今話もありましたように、選挙制度が議会制民主主義の土台であって、国民、有権者の参政権にかかわる問題であるという点でも、全党全会派参加のもとで議論をすべき課題であり、ぜひ協議を呼びかけたいと思います。
 以上で終わります。