【内閣委員会】能動的サイバー防御法案/参考人質疑/「国際法の原則に反する」

 国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・無害化できる「能動的サイバー防御法案」について参考人質疑を行い、私が質間に立ちました。

 冒頭の意見陳述で防衛大学校の黒崎将広教授は、「アクセス・無害化措置」が、「武力の行使」に当たるのかについて、「国際法上、武力の行使について普遍的に合意された定義はない。日本の行為を武力の行使であると批判する国が出てくることは理論的には否定できない」と述べました。

 私は、国家による警察権は、自国の領域内でのみ行使できるのが国際法の原則だと指摘。同法案では警察が海外にあるサーバーに侵入するため、領域外で讐察権を用いることになり、国際法の原則に反するのではないかと質間しました。「中曽根康弘世界平和研究所」の大沢淳主任研究員は「領域外で警察権を用いた行動が想定される」と認め、「国際法上、正当だと理由づける必要がある」と述べました。

 私は、フランスは自国のネットワークに影響をもたらす外国のサイバー行動は「主権侵害」になるとの立場を示していると指摘。日本政府が「主権侵害」とみなされた場合、国際法の「緊急避難」を適用すれば違法性を否定できると主張していることについて見解をただしました。黒崎氏は、緊急避難は先例や判例があまり確立していないと述べました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


「武力行使」否定できず/能動的サイバー防御/塩川氏に参考人/衆院内閣委

「しんぶん赤旗」3月30日・2面より

 衆院内閣委員会は28日、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・「無害化」=破壊できる「能動的サイバー防御法案」の参考人質疑を行い、日本共産党から塩川鉄也議員が質問に立ちました。

 意見陳述で防衛大学校の黒崎将広教授は「アクセス・無害化措置」が「武力行使」に当たるのかについて、「国際法上、武力の行使について普遍的に合意された定義はない。日本の行為を武力の行使だと批判する国が出てくることは理論的には否定できない」と述べました。

 塩川氏は、国家の警察権は、自国の領域内でのみ行使できるのが国際法の原則だと指摘。同法案では警察が海外のサーバーに侵入するため、領域外で警察権を用いることになり、国際法の原則に反するのではないかと質問しました。「中曽根康弘世界平和研究所」の大沢淳主任研究員は「領域外で警察権を用いた行動が想定される」と認め、「国際法上、正当だと理由づける必要がある」と述べました。

 塩川氏は、フランスは自国のネットワークに影響をもたらす外国のサイバー行動は「主権侵害」だとの立場だと指摘。日本政府は、自らの行為が「主権侵害」とみなされた場合、国際法の「緊急避難」を適用すれば違法性を否定できると主張していることへの見解をただしました。黒崎教授は、緊急避難は先例や判例があまり確立していないと述べました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月28日(金曜日)内閣委員会 第9号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

 最初に、吉岡参考人にお尋ねをいたします。

 サイバーセキュリティーに関する研究開発に従事をしてこられたということで、吉岡さんのメディア等での発言等々を拝見をした中に、攻撃者は得られるメリットの大きさだけでターゲットを決めるわけではない、攻撃にかかるコストが低ければ小さな組織も魅力的なターゲットとなり得ると述べておられました。

 中小企業など小さな組織においてセキュリティー対策を強めるとすれば、国としてどのような取組が求められるのか、この点について教えていただけないでしょうか。

○吉岡参考人 お答えさせていただきます。

 今御指摘ありましたように、重要なシステムですとか、大企業ですとか国だけが攻撃対象になっているかというと、そうではないということが、いろいろな研究で、そのように認識しております。

 中小企業となりますと、やはり一番足りないところは、人的又は技術的な意味でもリソースが足りていないということです。やらなければいけないことは分かっていながらも、何から取り組んでいいのかということが十分に認識できていないですとか、危機感がまだ十分にないというところが、一つ大きいところかと思います。

 ですので、既に国の方でも、最低限中小企業で行うべき対策のチェックリストですとか、そういったものを用意いただいていると思います。さらに、それをうまく活用して、リストは準備しても、それが浸透していない、普及していなければその効果は求められませんので、そういった現状のサイバー攻撃の状況というのをしっかりと認知していただくような活動というのも重要になってくるかと思っております。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、黒崎参考人にお尋ねいたします。

 サイバー分野の国際法は発展途上というお話がございました。フランスは、自国のネットワークに影響をもたらす全ての外国のサイバー行動は主権侵害になり得ることを示唆する立場ということを伺っております。

 そのような国がある下で、法案におけるアクセス・無害化措置がサイバー攻撃と判断される、そういう危惧についてはどのようにお考えでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 確かに、現時点では、フランスにつきましては、ネットワークに対して影響を及ぼすものについては主権侵害の可能性があるというような見解を示しているというふうに私も認識しております。

 問題は、ネットワークへの影響とは何なのかというようなところはやはり国際法学者としては気になるところでございます。これを、低い烈度というか、敷居が非常に低いと見るか、あるいは、実は言っていることはほかの国と、例えば物理的な被害とか機能喪失とかといったことと変わらないかもしれない。ただ、だから、そこら辺は、その国の安全保障に対する考え方というものがやはり背景にあって、ある意味、戦術的にと申しますか、というような形で表現をして、他国の出方を見たりして、どういう形で見解が収れんしていくのかという段階に今あるんだと思います。

 例えば、フランスとは反対に、イギリスとかいうものについては、内政干渉にならないのだったら主権侵害にもならないという、つまり内政干渉の方が重要なんだみたいな形で、主権よりもそっちの方が重要だというような考え方の国もあるんですが、それも本当に違うのか、ほかの国が言っていることと、とか。

 というような形で、だから、こういうふうに、一見違うようなことに見えるけれども本当に違うのかというところを今見極めなきゃいけない状態というところで、私自身が、発展途上の、一つの状況把握としては考えております。

 以上です。

○塩川委員 関連して、緊急避難についてですけれども、国際法学者は適用できるケースを非常に限定して考えており、これを理由にすれば対抗措置以上に論争を呼ぶ可能性がある、日本政府は緊急避難を援用することも国際法上認められると考えると主張しているが、同様の主張をしている国はまだ多くはないと述べておられます。

 そういった点での危惧を覚えるところなんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 まず、国際法上、一般論といたしまして、違法性阻却事由というものについては、緊急避難よりも、緊急状態と政府は言っていると思いますが、緊急状態よりも対抗措置の方がより確立した、つまり、先例とか判例もしっかりしているということで、よりそちらの方が支持が得られる違法性阻却事由として、教科書でもそのような形で書かれていると思います。

 そういう意味では、緊急避難というものは、国際法をやっている人間は余りそこまでしっかり勉強しなかったというぐらい、余り注目されてこなかったというものであると思います。そういうものを反映して、緊急避難というものについて、サイバーの文脈で援用する国々がやはりいないということも影響しているんだと思いますが。

 ただ、しかしながら、やはり対抗措置というものをサイバーの文脈で援用するということは極めて難しいという問題点もございます。それはやはり、対抗措置を援用するためには、相手の国が先に違法行為をしていなきゃならない。つまり、それは、国家がやったというところまで持っていかなきゃいけないという、いわゆるアトリビューション、帰属という問題が出てきます。これがサイバーの実態に非常にそぐわない。

 という中で、でも、しかしながら、市來先生がおっしゃったような違法性阻却事由の懸念という、対策も考えなきゃいけないと私は申し上げましたが、第二段階ということで、サイバーに一番その特性に見合った国際法の違法性阻却事由とは何かというようなことを考えると、これは、確かに濫用の危険性というのはこれまで主張されてきたものではありますけれども、ただ、国家の安全保障上の、ここで言う国家責任条文での緊急避難というようなところでございますが、重大かつ差し迫った危険から根本的利益を守るために、つまり、相手の先行違法行為が国によって行われているというようなことを、考えなくても言える、それはそれでまた濫用のリスクがあるじゃないかというふうに思われるかもしれないんですが、ただ、しかしながら、サイバー攻撃の実態を鑑みると、一番これが適切であるというような国が必ずしも今の現状では少なくても、一番サイバーの実態に合った違法性阻却事由として主張しているというのも事実でございます。

 そういうような判断がこれから恐らく日本を中心に、私の模範事例というような話にも合うと思うんですが、事情を、特性を考えて、違法性阻却事由というものが、対抗措置と緊急避難、どっちが本当にいいのかというようなことを考えていかなきゃいけない、そういうふうに考えております。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 もう一問、黒崎参考人にお尋ねしますが、今回の法案は日本の安全保障における転換点となり得る、第一に、警察が安全保障に関わるようになること、第二は、外国からの不正なサイバー攻撃に対して犯罪処罰とは別の目的で域外実力行使を警察がし得ること、警察は従来、刑事犯罪への対処と国内の脅威を対象とする治安、公共秩序の維持を主たる任務としていたが、その垣根を越えると述べておられました。

 今回の法案は、このような、警察の活動に質的な大きな変化をもたらすものということなんでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 まず、国際法上に限って、国内法であれば行政警察権とか、また警察か自衛隊であるかというのは重要な要素になると思いますが、国際法上は、先ほどお答えさせていただきましたように、国が何をするか、警察機関がやるか自衛隊がやるかとか、そういうようなことで、それ自体で決まるというわけではございません。

 その国がどういう目的で行動を行うのか、国際関係において、ということですので、その意味では、日本の警察組織がこれまで関わらなかったことをやるようになったことは画期的だというふうに申し上げましたが、国際法からしますと、いろいろな、警察であっても安全保障に関わる任務を行うということは国家機関としてありますし、また、国際法上の軍隊にいたしましても、そのような警察活動、公共秩序維持というようなことでございますが、日本でいうと行政警察ということになると思いますが、そういうようなことをするというようなことであります。

 ただ、国際法上では、警察か軍事行動であるかというようなことがきっちりとそれ自体で分けられているということではございませんので、その意味では、特にそれ自体で画期的だというふうな、国際法上の評価からすると言えるのではないかと思いますが、ただ、日本のいろいろな背景からすると、警察というものが実際そういう任務を、これまで、海上保安庁はまた別だと思うんですが、警察庁が域外の任務を与えられるということは非常に重要である、画期的であるというような認識は変わらないと思います。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、大澤参考人にお尋ねいたします。

 冒頭の意見陳述の中で、警察権の関係のお話がございました。今回、アクセス・無害化措置を我が国の領域外で警察権を用いて実施することは、国内法を外国の領域で行使する執行管轄権の行使に当たるため、国家管轄権である執行管轄権は原則としてそれぞれの自国領域内に限り認められるという国際法の属地主義の原則に反する可能性が生じるということですけれども、こういった点についてはどのように対応することなのか、その点についてお聞かせください。

○大澤参考人 お答え申し上げます。

 諸外国ですと、こういった領域外の措置は自衛権の行使で行っております。ところが、我が国では自衛権の行使は非常にハードルが高い、平時にはなかなか実施をできないということで、平時から、いきなり有事になると自衛権の行使になる。ただ、諸外国においてはシームレスに斜めに上がっていきますので、そういった点で、今回の法案では警察権を用いて領域外での行動が想定をされているということになります。

 ただ、そうしますと、諸外国でやっている自衛権の行使と明らかに条件が異なりますので、そういった国内の法執行を外で行うということに関して、冒頭でも述べましたように、国際法上正当である、違法性が阻却できるということをきちっと理由づけた上で活動する必要が出てまいります。

 そういった点では、先ほど来議論をいただいております緊急避難ないしは対抗措置、こういったもので理屈づけをして域外での法執行を行う、こういったことが必要になるというふうに考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、高見澤参考人にお尋ねいたします。

 意見陳述の中で、警察と自衛権の共同の措置が重要ということを述べておられました。その意味するところはどういうものなのかについて、高見澤参考人にお尋ねいたします。

○高見澤参考人 私が共同措置が非常に意味があると申し上げていますのは、やはり現在の日本の憲法体系なりの下でいろいろなことを考えてできた今回の法案における一つの特徴は、警察と自衛隊が共に共同して、いろいろな情報を共有しながらシームレスに対応しようということがうたわれておりますので、その意味で、警察が全体的に、前面に立ってやるということではなくて、少なくとも国外からの、その要件に該当するようなものについては、警察と自衛隊が協力してやるんだということがはっきり出ているという意味において、それなりに、自衛隊の権限の行使ということあるいは警察の関係ということを政府全体としてやる体制がそこにできているのではないか。だから、実際の行動に対しても比較的スムーズに迅速な対応が期待できるのではないか。さらには、いろいろな形で、共同の施設なり、あるいは近い施設で警察と自衛隊が協力してやるというふうなことはそれなりに意味があるのではないか。つまり、今回の法案の一つの悩みというか、その部分がうまく反映されているのではないかなというふうに理解しているところでございます。

○塩川委員 ありがとうございます。

 最後に、高見澤参考人と大澤参考人にお尋ねいたします。

 自衛隊が通信防護措置を行う場合の要件の一つに、自衛隊が対処する特別の必要があるときというのが挙げられております。自衛隊が有する特別な技術又は情報が必要不可欠であるなどとしておりますが、この自衛隊が有する特別な技術、情報というのはどのようなものなのかについて教えていただけないでしょうか。

○高見澤参考人 私は、少なくとも外国の高度な組織的なものに対するサイバー防衛ということを考えた場合に、自衛隊は、日本有事の場合にどういうふうな形をするかということで、各国との情報交換もやっておりますので、その意味で、そういった技術なりというのは持っているわけですし、また、総合的な情報ということについても警察とはまた違ったものがあるかというふうに思いますので、そういうことを背景として、実際に対処する上でやはり自衛隊の存在が必要になるということが日常的にも考えられるわけでございますので、そういった意味で、この要件というのは、まさに自衛隊にとって重要な内容のものに対応するための権限ということになるのではないかというふうに理解をしております。

○大澤参考人 現時点では、具体的にどういう技術なのかというのは、公開情報でもありませんので推定になりますけれども、警察が国内のサイバー攻撃を扱う中で、自衛隊は外国からの、特に、ちょっと国名を申し上げるとあれですが、隣国の、想定される攻撃者の攻撃手法、こういったものを研究しながらということになりますので、そういった攻撃手法やマルウェア、こういったものの技術解析とか、逆に相手のネットワークに入るというふうになりますと、ウィンドウズベースではない、その国のOSとかソフトウェアで守られているということになりますので、当然、そこにアクセスをして無害化をするということになりますと、その国のスペックに合った、OSに対してどうやって侵入するのかという、ふだん恐らく警察が実行しないようなアクセス・無害化措置やソフトウェアとかマルウェアを使うことになりますので、そういう点では、自衛隊が外国からの攻撃を想定して有している技術がこういった高度な技術になるというふうに考えております。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

【政治改革に関する特別委員会】企業・団体献金規制の立法府の議論の積み重ね

 私は、企業・団体献金を規制する国会での議論の積み重ねを無視し、いまだに企業・団体献金に固執する自民党をただしました。

 政治資金規正法は1948年の制定以来、度重なる贈収賄事件を受け、政府の審議会も繰り返し「企業・団体献金の禁止」「資金は個人に限る」と答申してきました。

 75年にようやく、企業・団体献金の質的規制と量的規制を導入。

 私は、▼補助金受注企業や赤字会社、外国人からの献金禁止、▼献金額の上限規制、▼政党・政治資金団体以外への企業・団体献金を禁止する受領者規制などが、設けられてきた理由について質問。

 総務省選挙部長は、「補助金受注企業が、国などと特別な関係を維持・強固にすることを目的とする寄附を防止するため」「株主に利益配当もできない会社が寄付することは適当ではないため」「外国の勢力によって影響を受けることを未然に防ぐため」、「量的規制は、巨額の政治資金が政治の腐敗・癒着に結びつきやすいため」、「受領者制限は、政治資金の調達を政党中心にするため」であったと答弁しました。

 私は「この議論の積み重ねをどう考えるか」と質問。

 自民党の小泉進次郎議員は「企業・団体献金の完全な禁止を目指す趣旨の議論をしてきたわけではない」などと答弁。

 私は「そもそも、一連の法改正のきっかけは自民党の不祥事だ」と批判し、企業・団体献金の禁止に踏み出すべきだと強調しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


議論積み重ねを無視/衆院政治改革特委/企業・団体献金規制/塩川氏が批判

「しんぶん赤旗」3月27日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は26日、企業・団体献金を巡る与野党の法案について質疑を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は、企業・団体献金を規制する立法措置を積み重ねてきた国会の議論を無視し、いまだに企業献金に固執する自民党をただしました。

 政治資金規正法については1948年の制定以来、自民党の度重なる贈収賄事件を受け、政府の審議会も繰り返し「企業・団体献金の禁止」「資金は個人献金に限る」と答申。75年にようやく企業・団体献金に量的規制と質的規制が導入されました。

 塩川氏は、▽国から補助金を受けている会社、赤字会社、外国人からの献金禁止▽献金額の上限▽政党・政治資金団体以外への献金を禁止する受領者規制―などが設けられてきた理由について質問。総務省の笠置隆範選挙部長は「補助金受注企業が国などと特別な関係を維持・強固にすることを目的に寄付することを防止するため」「株主に利益配当もできない会社が寄付することは適当でない」「外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止するため」だと説明。量的規制は巨額の政治資金が政治の腐敗・癒着に結びつきやすいために設けられ、受領者制限は政治資金の調達を政党中心にするためだったと答弁しました。

 塩川氏は「この議論の積み重ねをどう考えるのか」と質問。自民党の小泉進次郎議員は「企業・団体献金の完全な禁止をめざす趣旨の議論をしてきたわけではない」などと答弁しました。塩川氏は「そもそも一連の法改正のきっかけは自民党の不祥事だ」と批判し、企業・団体献金禁止に踏み出すべきだと強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月26日(水曜日)政治改革に関する特別委員会 第11号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案提出者にお尋ねをいたします。

 前回の質疑で、政治資金規正法の基本理念にある国民の浄財について議論をいたしました。政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利であり、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権といった参政権は憲法十五条で国民固有の権利としており、ここには企業、団体は含まれないと私も述べたところであります。

 一方で、自民党提出者は、企業、団体が政党に寄附を行うことは憲法第二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められている、自然人たる国民と同様に政治活動の自由、そして判例にもありますように政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由も有する、一方で納税の義務も負っている、また、八幡製鉄の最高裁判決では、憲法上は公共の福祉に反しない限り会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると言わざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用の限りでないというふうに判示されていると述べておられます。

 そこで、質問通告の順番を変えて、一九七〇年の最高裁判決に関する問いからお尋ねします。

 このように自民党の提出者は一九七〇年の最高裁判決を述べておりますが、後段部分が入っていないわけですね。一九七〇年の最高裁判決は、大企業による巨額の寄附は金権政治の弊を生むべく、また、もし有力株主が外国人であるときは外国による政治干渉となる危険もあり、さらに豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成するというのであるが、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきであると述べているわけです。そこで、自民党提出者にお尋ねしますが、この一九七〇年の最高裁判決は企業・団体献金の弊害を認め、その対策は立法政策にまつべきと述べており、企業・団体献金禁止の立法を否定していないと考えますが、改めて見解を聞かせていただきたいと思います。

○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。

 八幡製鉄事件最高裁判決における御指摘の判決文のくだりでございます。正確には、上告人が指摘するところによると大企業による巨額な寄附は金権政治の弊を生むべくという文脈でございます。あくまでも上告人の主張を引用するものであって、最高裁が御指摘のような弊害を認定したわけではないというふうに私どもは受け止めております。

 その上で、最高裁はニュートラルに、以降、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきことであってとしておりまして、すなわち、弊害という立法事実が存在する範囲内において、公共の福祉による制約の必要性、合理性が認める範囲内で制約するというふうに私どもは認識をしています。

 判決が示された昭和四十五年以降、累次の政治資金規正法の改正が行われたことは委員御指摘のとおりでございます。加えて、今回、企業・団体献金について禁止という最大限の制約を課す立法事実は我々としては見出すことができないと考えているところでございます。

○塩川委員 立法政策にまつべきと。既にこの間、戦後の歴史においても、政治資金規正法に関して企業・団体献金を規制する、そういう措置が行われてきているということがあるわけであります。

 昨年の委員会でも議論しましたけれども、一九四八年の政治資金規正法制定以降、様々な企業・団体献金規制の立法措置が行われてまいりました。

 戦後、昭和電工事件や造船疑獄などがあり、一九六一年、当時の池田勇人総理の諮問を受け、第一次選挙制度審議会は、会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものであると答申しております。六三年の二次審におきましても、選挙資金及び政治資金についての寄附は個人に限る、会社、労働組合その他の団体からの寄附は禁止するという第一次審議会の答申を再確認するものとすると答申しております。さらに、黒い霧事件もあり、六七年の第五次審では、政党はおおむね五か年を目途として個人献金と党費によりその運営を行うと答申しております。そういう中で、ようやく企業・団体献金に量的規制や質的規制が盛り込まれたのが一九七五年の改正であります。

 総務省にお尋ねいたします。一九七五年の法改正で、企業・団体献金に対し、補助金等を受けている会社や赤字会社、外国法人等からの献金禁止などの質的制限を加えた理由は何か、お答えください。

○笠置政府参考人 一九七五年、昭和五十年でございますけれども、昭和五十年の政治資金規正法改正によりまして、一定の補助金等の受給企業による寄附の禁止、あるいは赤字企業による寄附の禁止等のいわゆる質的制限の規定が設けられたところでございますが、改正案の提案理由におきましては、最近における国民世論の動向と政党政治の現状とを考慮しつつ、現実に即した政治資金の授受の規制、政治資金の収支の公開の強化、個人の拠出する政治資金に対する課税上の優遇措置などを講ずることにより政治活動の公明と公正を図るべくこの法律案を提出することとしたと述べられております。

○塩川委員 いや、個々に聞いているんですけれども。補助金等を受けている会社、赤字会社、外国法人、これらについて献金禁止などの質的制限を加えた理由はそれぞれどういうふうに説明していますか。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 大変失礼しました、まず補助金等受給企業からの政治献金の禁止、これは昭和五十年改正ということでございますが、こちらにつきましては、国から補助金等や出資等を受けている会社その他の法人が補助金等を受けていることにより国と特別な関係に立ち、その特別な関係を維持又は強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがあるということで、それを防止しようという趣旨でございます。

 あと赤字会社ですね。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 赤字会社につきましては、二十二条の四で規制をされてございますが、こちらにつきましては、会社が営利を目的とする企業体である以上、株主に対する利益配当もできないという経営状態にあるにもかかわらず政治活動に関する寄附をすることを許容するということは適当ではないこと、また、過去の事例から見てこのような赤字会社が寄附を行うことについては疑惑がつきまといがちなこと等の理由によって禁止措置を講じたということになってございます。(塩川委員「外国」と呼ぶ)外国、ちょっと待ってください。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 外国人等からの寄附の禁止ということでございます。二十二条の五でございますが、こちらにつきましては、我が国の政治や選挙が外国人や外国の組織、外国の政府など外国の勢力によって影響を受けることを防止しようという趣旨でございます。大変失礼しました。

○塩川委員 質的制限ということで、補助金等を受けていて国や地方自治体との特別な関係に立っているという点での不明朗なことは許されないということであり、また、赤字企業の場合には配当もできないような経営状態なのに寄附するというのは許容できないよねということであり、外国勢力によって影響を受けることを未然に防止しよう。それぞれ、一九七五年におきまして企業・団体献金についての質的な制限を加えるという措置が取られてきました。

 引き続きお尋ねしますけれども、同じ一九七五年の法改正では企業・団体献金に上限を設ける量的制限を加えておりますけれども、その理由は何だったでしょうか。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 昭和五十年の改正によりまして量的制限が設けられたところでございますが、こちらにつきましては、それ以前はそういった規定はなかったわけでございますが、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことから、寄附者の立場に着目して、寄附をそれぞれ相応な額に制限することとし、量的な面から規制をしようとしたものでございます。

○塩川委員 巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことからということでの量的な制限で、その後、ロッキード事件やリクルート事件がありました。九〇年の第八次審でも、将来の姿としては政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと答申をしております。

 そういうものも受けて、また総務省にお尋ねしますが、一九九四年の法改正で政党、政治資金団体、資金管理団体以外への企業・団体献金を禁止しましたけれども、企業・団体献金の受領者を制限したその理由は何かについて説明を求めます。

○笠置政府参考人 平成六年の政治資金規正法の改正でございますが、こちらは政党本位、政策本位の政治を目指し政党中心の政治資金制度に改めようとしたものであると認識しておりまして、これに伴いまして、企業・団体献金についても政党、政治資金団体及び資金管理団体に対するものに限るものとされたということでございます。

○塩川委員 その五年後の九九年の法改定で資金管理団体への企業・団体献金を禁止しております。企業・団体献金の受領者を制限した理由は何でしょうか。

○笠置政府参考人 政治家個人の資金管理団体に対する寄附の禁止ということでございますが、こちらは平成十一年の政治資金規正法の改正で禁止することとされたものでございますが、こちらは、先ほど述べました平成六年の改正法の附則第九条の趣旨にのっとりまして、政治家個人の資金管理団体に対する企業・団体献金について平成十二年一月一日から禁止をすることとされたものでございます。

○塩川委員 ですから、政党中心にといいながら、要するに政治家個人のはまずいよねという形での規制が成ったということと、九九年については派閥についてもこれは駄目だよねという形で、一連の規制がずっと加えられてきているわけであります。

 そこで、自民党と立憲民主党、日本維新の会の提出者の方にそれぞれ伺いますけれども、このように金による特別な関係を絶つ、疑惑を未然に防止するということで企業・団体献金の規制を行ってきた歴史があるわけですが、立法府における、企業・団体献金を制限し、禁止に係るこのような議論の積み重ねをどのように考えておられるでしょうか。

○小泉(進)議員 平成の政治改革におきましては、企業・団体献金を受け取れるのは政党、政治資金団体に限るという改正が行われたところ、これは政治資金の調達を政党を中心とするために行われたものでありますから、企業・団体献金を完全に禁止する趣旨ではないと承知しています。

 また、昭和五十年改正では、今、塩川先生御指摘のとおり、量的制限及び質的制限を設けたところ、この点については企業・団体献金だけでなく個人献金についても設けられたものと承知をしています。

 このように、立法府における企業・団体献金に関する議論の積み重ねを見ると、決して企業・団体献金の完全な禁止を目指すものとは言えず、しかも、この議論の積み重ねの中で、三十年前の政治改革についての事実認識に我々与野党で合意ができない、禁止を合意したものが三十年前のものではないという我々の、あと有識者の一次史料が二次史料を優先するということも合意できないという中で、改めてここで禁止とすることは私は議論の積み重ねを見ても誤りだと捉えていますので、公開を強化する、そういった方向性で積み重ねを更に重ねていく、これが私はあるべき姿ではないのかと思っております。

○井坂議員 ありがとうございます。

 先ほどの議論を聞いていて私も大変勉強になりましたが、一九七五年改正で、特別な関係ができてしまうとか、あるいは腐敗に結びつくとか影響を与える、そういう理由で献金が禁止をされて、そして九四年、九九年で、政党中心ということで、まず個人、そしてまた資金管理団体への献金が禁止をされた。ところが、その流れでいって結局政党への献金は引き続き認められていて、さらに政党支部経由の献金がまかり通ることになった結果、企業・団体献金の抜け道としてさらにはパーティーも引き続き認められて、それがまた今回の自民党派閥によるパーティー収入の裏金問題にもつながっている、こういう流れであります。

 企業・団体献金の禁止というのはこの間ずっと懸案になっており、しかも、政党には認めるといいながら結局、政党支部経由で個人にも、またパーティーを使って個人にもということがいまだに行われているというこの状況に対して、昨年末ようやくこの衆議院の政治改革特別委員会において、令和六年度末までに結論を得る、ここまで議論が積み重なってきたところであります。

 我々は五党派で企業・団体献金の禁止法案というものを提出しておりますので、きちんとした意思決定さえなされればこの年度末までに企業・団体献金禁止という結果が出せるというふうに議論の積み重ねからも考えております。

 以上です。

○池下議員 お答えいたします。

 今言っていただきました立法府における企業・団体献金の議論の積み重ね、これは非常に大事、重要であると考えております。また、我々も企業・団体献金の抜け道のパーティーの問題だったり様々議論があるかと思いますけれども、ただ、昨年の臨時国会で企業・団体献金の禁止法案については衆議院政治改革特別委員会において精力的に議論を行って令和六年度末までに結論を得るとの申合せを行ってから既に三か月が経過しております。この政治改革特別委員会の場でも各会派でかんかんがくがくの議論を行ってまいりました。その上で、企業・団体献金の禁止は三十年前の平成の政治改革に決着をつけるものでありまして、再度期限を切ったとしても延長の繰り返しになるのではないかという思いもあります。

 しかしながら、現在、国民、公明の両党案が提出されるやに聞いております。そうであれば、何年、何か月というわけにはいきませんが、数日程度は真摯に議論、協議をさせていただきたいと思っておりますし、また、日頃から公明、国民両党を含めた理事の皆様とも大変議論をさせていただいているところから、しっかりと結果を得られるようにしていきたいと考えております。

○塩川委員 政党中心といいながらも実際には政党支部という形、またパーティー券の購入といった形での、政治家個人への抜け道が二つも残されているということが大きな課題ということもありますし、政党中心といいながら、今回の自民党の裏金問題というのは、派閥の人員を全部足し上げれば自民党所属議員の過半数になるという点でいえば、まさに政党ぐるみの問題という点で、政党中心ということが本当に問われている、それが成り立っていないんじゃないのかということがまさに焦点となっているときですので、改めて企業・団体献金に踏み出していくその転機だということであります。

 そもそも一連のこういった法改正が行われるきっかけとなったのは、自民党の皆さんの不祥事がきっかけですから、そこへの反省がそもそも求められているということを強調したいと思います。

 八幡製鉄の最高裁判決についても、先日の参考人質疑で四人の参考人の皆さんがそれぞれ、八幡製鉄の最高裁判決で企業献金を合憲としているから企業・団体献金の禁止はできないと言った参考人は一人もいなかったわけでもありますので、こういうことは重く受け止めるべきだということを述べ、質問を終わります。

【内閣委員会】サイバー法案/同意なく情報取得・利用/個人情報保護法に背く

 私は26日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視する「能動的サイバー防御法案」について、本人の同意なく個人情報が取得、利用される危険な実態を追及しました。

 同法案は基幹インフラ事業者に加え、家電メーカーなどあらゆる民間事業者に通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。

 私は、どのような情報を提供させるかなどを定める協定内容には公表義務がないことを指摘し、「インフラ等の利用者に対し情報提供の同意はとるのか」と質問。内閣官房の小柳誠二審議官は「個々の利用者から同意を得ることは難しい」と同意がないことを認めました。 

 さらに私は、同法案は、協定当事者の同意を得れぱ、取得した通信情報からIPアドレスやメールアドレスなどの機械的情報を選別したものを、総理がサイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用できる規定があるのではないかと質問。小柳審議官はその通りだと認めました。さらに、その規定は警察や自衛隊にも準用されるのではないかと質すと、準用されることを認めました。

 私が、警察や自衛隊がサイバー攻撃の被害防止とは無関係な自らの業務に、取得した通信情報を利用できてしまうと追及すると、平将明デジタル相は「利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られない」と認めました。

 私は、岐阜県大垣市で脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集し電力会社に提供していた事件が起きており、取得した通信情報が「市民運動を監視する目的で使われる可能性もある」と告発。本人の同意なく目的外利用、第三者へ提供、海外移転を行うことは「個人情報保護の原則に背く」と批判しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


同意なく情報取得・利用/衆院内閣委/サイバー法案/塩川氏質問に審議官

「しんぶん赤旗」3月27日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は26日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視する「能動的サイバー防御法案」について、本人の同意なく個人情報が取得、利用される危険な実態を追及しました。

 同法案は基幹インフラ事業者に加え、家電メーカーなど、あらゆる民間事業者に通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。

 塩川氏は、どのような情報を提供させるのかを定める協定の内容は公表義務はないと指摘。インフラ等の利用者本人に情報提供の同意はとるのかと質問しました。内閣官房の小柳誠二審議官は「個々の利用者から同意を得ることは難しい」と同意がないことを認めました。

 さらに塩川氏は、同法案は、首相が、取得した通信情報からIPアドレス(ネットワーク上の住所)やメールアドレスなどの機械的情報を選別したものを、協定当事者の同意を得ればサイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用できる規定があるのではないかと質問。内閣官房の小柳氏はその通りと認めました。さらに塩川氏が「その規定は警察や自衛隊にも準用されるのではないか」とただすと小柳氏は、準用されることを認めました。

 塩川氏が、警察や自衛隊がサイバー攻撃の被害防止とは無関係な自らの業務に、取得した通信情報を利用できてしまうと追及すると、平将明デジタル相は「利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られない」と認めました。

 塩川氏は、岐阜県大垣市で脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集し電力会社に提供していた事件が起きており、取得した通信情報が「市民運動を監視する目的で使われる可能性もある」と告発。本人の同意なく目的外利用、第三者へ提供、海外移転を行うことは「個人情報保護の原則に背く」と強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月26日(水曜日)内閣委員会 第8号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案について質問いたします。

 先日の質疑では、政府が必要と判断した通信情報を取得する際は、やり取りの内容も含んだ情報を一旦は全てコピーしてくること、選別された後に残った機械的情報も通信の秘密の対象であることなどを確認してきました。

 通信の秘密の侵害は、市民が情報発信自体をちゅうちょすることにつながり、ひいては表現の自由を侵害するものでもあります。

 その上で、政府と事業者との協定について引き続きお尋ねします。

 自治体を含む基幹インフラ事業者だけでなく、ネット回線を利用していればどんなものでも対象になり得るということでした。ほぼ全ての国民の通信情報が関わってきます。

 そこで、お尋ねしますけれども、こういった協定の内容はインフラなどの利用者に対し公開されるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 本法案におきまして、当事者協定を締結したことについての公表に関する規定は設けてございません。

 なお、協定当事者におきまして、利用者に配慮するなどして協定締結に関する情報の公表を希望する場合もあるというふうに考えられますところ、公表を行うかどうかは、協定当事者の御要望も踏まえて個別に判断をしてまいります。

○塩川委員 協定に関する公表規定はないということです。

 利用目的の特定と外部提供の制限という個人情報保護の原則からしても、どういう協定を結ぶのか、どういう情報を政府に提供するのか、その通信情報が取得される利用者に対し公表するのが当然だと思いますが、インフラなどの利用者は、自分の情報が政府へと提供されるということを、そもそもどうやって認識することができるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 政府におきましても、協定を締結した基幹インフラ事業者等におきましても、政府に提供される情報に特定の利用者の情報が含まれるかどうかを把握することは困難と考えられます。

 ただし、例えば、事業者が協定を締結した旨を公表することがあれば、利用者は自分の情報が政府に提供される可能性があることは知ることができることとなるものでございます。

○塩川委員 何も、それが義務づけられているわけではないところであります。

 大臣にお尋ねしますけれども、このような協定を結ぶかどうかというのは同意を前提ということですが、あくまでも事業者のものであって、利用者の同意というのはないということでよろしいんでしょうか。

○平国務大臣 塩川委員にお答え申し上げます。

 協定を締結をする基盤インフラ事業者等において、政府に提供される情報に特定の利用者の情報が含まれるかを把握することは困難であること等から、個々の利用者から提供について同意を得ることは難しいところでございます。

 その上で、当事者協定で取得した通信情報については、自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみが選別をされ分析対象となるほか、特定の個人を識別することができることとなるおそれが大きい情報については他の符号に置き換えるなどの非識別化措置を講ずることとし、また、独立機関であるサイバー通信情報監理委員会の検査等の対象ともなるものであり、協定当事者の通信の相手方の権利にも十分配慮をすることとしています。

 したがって、こうしたことにも鑑みると、通信の秘密との関係で問題を生じるものではないと考えております。

○塩川委員 通信の当事者の相手方の利用者の個々の同意というのは難しいということですから、利用者の同意はないということです。

 基幹インフラ事業者の同意があれば、利用者には同意もなく自らの通信情報を政府に取得されることとなります。今るるそれに対しての御説明がありましたけれども、今日の質疑の中でも目的外利用の禁止の話などもありましたが、ただ、原則禁止するという、原則という言葉がついていたわけですね。そういう点でも、目的外利用の禁止の例外があるということであります。

 そこで、二十四条の非識別化はちょっと後に回して、二十三条関係で続けて質問しますけれども、二十三条四項で規定をする選別後通信情報の利用、提供の例外規定についてお尋ねをいたします。

 二十三条の第四項は、「内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、選別後通信情報を、特定被害防止目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することができる。」としております。一号では、選別後通信情報を協定当事者の同意を得て自ら利用し又は提供する場合、二号では、関係行政機関や外国政府等への提供を規定しております。一号では、協定当事者の同意を得れば、選別後通信情報を目的外利用できるし、外部提供できるとしているわけです。

 お尋ねしますけれども、条文上、目的外利用についての縛りはないと思いますが、協定の相手方の同意があれば、サイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用することも排除されていないのではありませんか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 本法律案におきましては、御指摘のとおり、特定被害防止目的以外の目的にも利用することが例外的に認められているわけでございますけれども、まず、特定被害防止目的とは、国外からの重要電子計算機に対するサイバー攻撃等の被害を防止する目的を指すものでございまして、選別後通信情報については、この特定被害防止目的以外の目的での利用を原則として禁止する旨を規定しているところでございます。

 その上で、二十三条四項でございますけれども、特定被害防止目的以外の目的のために例外的に利用できる場合について規定してございますけれども、選別後通信情報につきましては、自動選別によって一定のサイバー攻撃に関係があると認めるに足りる機械的情報に限定されたものでありまして、そのため、選別後通信情報の利用は、いずれにせよ、サイバーセキュリティー対策の範囲内に通常限られるというふうに想定されるものということでございます。

○塩川委員 条文上でも特定被害防止目的以外の利用も可能とするという点では、それは可能だということですので、そういう点でいえば、協定当事者の同意があれば、内閣総理大臣が幅広い目的で選別後通信情報を利用できるというのが二十三条四項の一号であります。

 そういう点では、想定されることはあるということですけれども、しかし、実際にこのような利用目的についての例外ということは当然行われるわけで、そういう点でも、このような、排除はされていない規定というのが問われてくると思います。

 さらに、この二十三条四項一号の規定については、三十一条三項で、選別後通信情報の提供を受けた機関、通信情報保有機関の長にも準用されるということで、そういうことであれば、警察やまた防衛省・自衛隊にも準用されるということでよろしいんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 本法律案第二十三条第四項第一号の規定でありますけれども、警察庁、防衛省・自衛隊等に対しても、これらの機関が本法律案の規定により、例えばアクセス・無害化措置のために通信情報の提供を受けて通信情報保有機関に該当することとなった場合には準用されるというものでございます。

○塩川委員 大臣にお尋ねします。

 協定に関する選別後の通信情報の提供を受けた警察や自衛隊が、協定相手の同意があれば、その情報をサイバーセキュリティーとは無関係な自らの業務のために利用することも可能ということになりはしませんか。

○平国務大臣 お答え申し上げます。

 本法律案第二十三条第四項第一号の規定により、協定当事者の同意を得た場合には、御指摘のように、その利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られないことになります。

 しかしながら、選別後通信情報は、自動的な方法による選別により、一定の重大なサイバー攻撃に関係があると認めるに足りるIPアドレス、コマンドなど機械的情報に限定されたものであり、また非識別化措置も講ずることから、いずれにせよ、サイバーセキュリティーに関係する業務で用いられることが想定されるものです。

 したがって、警察や自衛隊においてサイバーセキュリティーと無関係な業務のために利用されることは、協定当事者の同意がある場合を考慮に入れたとしても、通常想定されるものではありません。

○塩川委員 機械的情報であっても通信の秘密の対象となるということもありますし、非識別化といっても再識別化もできるという規定もあるところであります。

 そういう点では、選別後通信情報であっても、やはり恣意的な選別が行われる疑いがある、このことは拭えないと思いますし、そもそも通信の秘密に該当する情報であり、メールアドレスや個人の特定や行動を把握し得るものであります。そういう情報について、インフラ事業者だけでも既に広範な国民が利用しているものである。加えて、さらに、家電メーカーなども含むあらゆる民間事業者と協定を結ぶことで収集をし、警察や防衛省・自衛隊が自らの業務のために利用するのではないのか。

 例えば、岐阜県大垣市で、脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集をし電力会社に提供していた事件のように、市民運動を監視する目的で使われる可能性もある、こういったことも排除されないのではないのか。この点も問われると思うんですが、それについてはいかがでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 本法案におきましては、通信情報を内閣総理大臣が取得したときには、閲覧その他の人による知得を伴わない方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析をするということとなってございます。そして、それ以外のものを消去する措置を講じなければならないということが法律で定められてございます。

 そのため、選別後通信情報に広く一般のユーザーの個人情報が含まれるといったことは想定されるものではございません。

○塩川委員 不正の目的で個人情報を使っているということが断罪されたのも大垣事件でもありますので、そういった点でも、機械的情報、通信の秘密に関わるような情報とその他の情報も一体にすることによって、警察等の業務に関わるようなものが不当な扱いにされる、また、そういったこともこれまでの事例でもあるという点での懸念、危惧が拭えないということを申し上げておきます。

 ちょっと時間があれですが、二十四条の関係で、選別後通信情報は通信の秘密の対象となるということですけれども、国民のプライバシー権との関係でどうかという問題もあります。

 お尋ねしますが、選別後通信情報に個人情報が含まれている場合もあるのではないのか。この点、これまでの質疑にあるように、メールアドレスとか、SNSのアカウント、電話番号等も含まれるということでよろしいでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、選別後通信情報が個人情報に該当する可能性はあるものというふうに認識をしてございます。

 通信情報に含まれる個人情報につきましては個人情報保護法の規定が適用されることとなりますので、個人情報保護法の規定も遵守し、適正な取扱いを行ってまいります。

 その上で、先ほど申し上げたとおりでございますが、自動選別におきましては、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみが選別をされて、それ以外のものは消去されるということでございまして、選別後通信情報に広く一般のユーザーの個人情報が含まれるということは想定されないというところでございます。

○塩川委員 最後に大臣にお尋ねしますが、機械的情報が個人情報に該当する場合には個人情報保護法の規定が適用されるということでありました。個人情報保護の原則からすれば、本人の同意を取ることすら行わずに、目的外利用や第三者提供、さらに、海外移転などができるはずがないのではありませんか。

○平国務大臣 選別後通信情報が個人情報である場合には、選別後通信情報を第三者に提供する場合も含め、個人情報保護法の規定を遵守し、適正に取扱いをしてまいります。

○塩川委員 本人同意もなしにそういうことを行うのは個人情報保護法の立場にも背くものだということを申し上げて、質問を終わります。

【本会議】議員生活25年の永年在職表彰

 私は、議員生活25年の永年在職議員の表彰を受けました。

 表彰を受けたのは、日本共産党の赤嶺政賢議員と私、自民党7人、立憲民主党4人、無所属1人の14人です。

 最年長の赤嶺議員が、代表して謝辞を述べました。

 他、13人の議員の謝辞は、会議録に掲載されます。

 

 

 私の謝辞は、以下の通りです。

*****

永年在職議員表彰にあたっての謝辞

     日本共産党 塩川鉄也

 このたび、在職25年の表彰をいただいたことに、謝意を申し述べます。2000年以来、日本共産党を応援いただいた全国、そして群馬・栃木・茨城・埼玉の北関東の皆さんに厚くお礼申し上げます。また、いつも励ましの言葉をかけてくれた妻と家族にも感謝します。

 私の政治活動の原点は、日本と世界から戦争と貧困をなくすことであり、日本共産党と出会ったことが転機となりました。学生時代、米軍が日本に核兵器を持ち込もうとしたことが大問題となったとき、強い憤りを覚えました。なぜ被爆国の日本に核兵器が持ち込まれようとしているのか知りたいと思うとともに、自分ひとり声を上げても政治は変わらないという気持ちもありました。その時に、安保条約の下で米国言いなりの仕組みがつくられていることが大本にあり、対等平等の日米関係を実現する展望を示してくれたのが日本共産党の先輩でした。そして、みんなと一緒に政治を変えようと、一歩足を踏み出す勇気を与えてくれました。

 今や国際社会では、核兵器禁止条約が実現し、日本被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したように、被爆者を先頭にした日本と世界の世論と運動が大きな力を発揮しています。「核抑止」の呪縛を解き放ち、「核兵器のない世界」の実現のために力を尽くすものです。

 この間国会では、カネで動く政治を終わらせようと、企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきました。政府が、物価高騰対策として最も効果のある消費税減税に踏み出そうとしないのは、財界・大企業が消費税増税、社会保障抑制、法人税減税を要求し、そのために多額の企業・団体献金を政権党に行ってきたからです。

 以前は企業・団体献金禁止と言えば、日本共産党だけの訴えだったものが、今では他の野党からも禁止法案が提出されるようになり、大きな変化が生まれています。国民生活を守り、支えるためにも、賄賂であり国民の参政権を侵害する企業・団体献金の禁止をぜひとも実現したいと決意しています。

 長らく国会の運営全般に関わる議院運営委員会の一員として活動してきました。憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視監督する国会の責務は重大です。平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くすことを申し述べ、謝辞といたします。ありがとうございました。


衆院で議員25年の永年在職表彰/共産党から赤嶺・塩川氏

「しんぶん赤旗」3月26日・2面より

 日本共産党の赤嶺政賢議員、塩川鉄也両議員は25日の衆院本会議で、議員生活25年(9期)の永年在職議員の表彰を受けました。表彰されたのは両氏のほか、自民党7人、立憲民主党4人、無所属1人の計14人。最年長の赤嶺氏が代表して謝辞を述べました。

 赤嶺氏は悲惨な戦争の傷痕が残る米軍占領下の沖縄で生まれ育ったことにふれ、「憲法9条守れの決意は私自身の生い立ちに根ざしたもの」と強調。基地があるが故の事件・事故が繰り返される沖縄の現状について「憲法の上に日米安保条約・地位協定があり、県民の人権が蹂躙(じゅうりん)される軍事優先の異常な社会は変えなければならない」と力をこめました。

 民意も法律も踏みにじる政府の辺野古新基地建設の強行に対し、県民は保守・革新を超えた団結で翁長(おなが)県政を誕生させ、自身を4回連続で沖縄1区からオール沖縄の代表として国会に送り出したと述べ、「オール沖縄の団結は沖縄戦や米軍統治、その後も続く米軍支配に抗う沖縄の平和の心が一つに結ばれたもの」と強調。「命どぅ宝(命こそ宝)の平和の心を掲げ、辺野古新基地建設、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化を許さず、基地のない平和で豊かな沖縄をめざし、県民とともにたたかい続ける」と結びました。

 塩川氏は、後日、会議録に掲載される謝辞に、核兵器廃絶が活動の原点であると述べ、今や国際社会では核兵器禁止条約が実現し、被爆者を先頭とした世論・運動が大きな力を発揮しているとして、核兵器のない世界の実現のために力をつくすと強調しました。

 企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきたことにふれ、「是非とも実現したい」と決意を表明。また議院運営委員として「憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視・監督する国会の責務は重大」と強調し、「平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くす」と表明しました。


永年在職議員表彰の謝辞

「しんぶん赤旗」3月27日・4面より

 25日の衆院本会議で永年在職議員の表彰を受けた日本共産党の赤嶺政賢議員と塩川鉄也議員の謝辞の全文は次の通りです。

 

赤嶺政賢議員 平和の心掲げ県民と共に

 ただいま私たち14名に対し、院議をもって在職25年の表彰をしていただき、誠にありがとうございました。心からお礼の言葉を申し上げます。

 私はまず、2000年の初当選以来、四半世紀にわたって私を国会に押し上げていただいた九州・沖縄の皆さんに心からお礼を申し上げます。

 私の原点は、基地のない平和で豊かな沖縄を建設することです。

 私は1947年、米軍の直接統治下の沖縄で生まれました。悲惨な沖縄戦の傷痕が残る中でした。父親の畑仕事を手伝うようになると、戦没者の遺骨の断片を畑の四隅に積み上げるのが私の役割でした。米兵による強姦(ごうかん)事件などが処罰されないことに大きな怒りを抱きながら育ちました。

 沖縄戦を生き残った人々は、「いくさーならんどー、なーいくさーならんどー」と口癖のようにつぶやいていました。戦争は嫌だ、戦争はもう絶対に繰り返してはならないという気持ちが込められていました。憲法9条守れの決意は、私自身の生い立ちに根差したものであります。

 私は大学に進学するときに、パスポートを持って上京しました。この屈辱は生涯忘れません。当時の沖縄は、サンフランシスコ講和条約第3条によって、日本から切り離されていたのであります。

 日本国憲法の下への復帰を願った祖国復帰闘争は、沖縄と本土の連帯した闘いで沖縄の施政権返還を勝ちとることができました。ところが、その後、日米安保条約が沖縄に適用され、広大な米軍基地は復帰前と変わらず存在し続けています。

 私は当選以来、普天間基地の無条件返還を求め、辺野古新基地建設を押し付ける政府と論戦を重ねてきました。

 米軍基地あるが故の事件・事故が繰り返され、憲法の上に安保条約・地位協定があり、県民の人権が蹂躙(じゅうりん)される軍事優先の異常な社会は変えなければなりません。

 ところが政府は、繰り返し示してきた民意も、地方自治も、法律さえもふみにじり、新基地建設を強行しています。これに対し県民は、保守・革新を超えた団結で翁長県政を誕生させ、私を4回連続で小選挙区沖縄1区からオール沖縄の代表として国会に送り出してきたのであります。

 オール沖縄の団結は、沖縄戦や米軍統治、その後も続く米軍支配に抗(あらが)う沖縄の平和の心が一つに結ばれたものです。

 私は、命(ぬち)どぅ宝の平和の心を掲げ、辺野古新基地建設、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化を許さず、基地のない平和で豊かな沖縄をめざし、県民とともに闘い続ける決意です。

 以上を表明し、謝辞といたします。

塩川鉄也議員 憲法が生きる政治へ全力

 このたび、在職25年の表彰をいただいたことに、謝意を申し述べます。2000年以来、日本共産党を応援いただいた全国、そして群馬・栃木・茨城・埼玉の北関東の皆さんに厚くお礼申し上げます。また、いつも励ましの言葉をかけてくれた妻と家族にも感謝します。

 私の政治活動の原点は、日本と世界から戦争と貧困をなくすことであり、日本共産党と出会ったことが転機となりました。学生時代、米軍が日本に核兵器を持ち込もうとしたことが大問題となったとき、強い憤りを覚えました。なぜ被爆国の日本に核兵器が持ち込まれようとしているのか知りたいと思うとともに、自分一人声を上げても政治は変わらないという気持ちもありました。その時に、安保条約の下で米国言いなりの仕組みがつくられていることが大本にあり、対等平等の日米関係を実現する展望を示してくれたのが日本共産党の先輩でした。そして、みんなと一緒に政治を変えようと、一歩足を踏み出す勇気を与えてくれました。

 今や国際社会では、核兵器禁止条約が実現し、日本被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したように、被爆者を先頭にした日本と世界の世論と運動が大きな力を発揮しています。「核抑止」の呪縛を解き放ち、「核兵器のない世界」の実現のために力を尽くすものです。

 この間国会では、カネで動く政治を終わらせようと、企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきました。政府が、物価高騰対策として最も効果のある消費税減税に踏み出そうとしないのは、財界・大企業が消費税増税、社会保障抑制、法人税減税を要求し、そのために多額の企業・団体献金を政権党に行ってきたからです。

 以前は企業・団体献金禁止と言えば、日本共産党だけの訴えだったものが、今では他の野党からも禁止法案が提出されるようになり、大きな変化が生まれています。国民生活を守り、支えるためにも、賄賂であり国民の参政権を侵害する企業・団体献金の禁止をぜひとも実現したいと決意しています。

 長らく国会の運営全般に関わる議院運営委員会の一員として活動してきました。憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視監督する国会の責務は重大です。平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くすことを申し述べ、謝辞といたします。ありがとうございました。

高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟の設立総会に参加

 患者団体が声を上げ、世論と運動の力で高額療養費上限額引き上げを撤回させ、議連の発足につながった。

 高額療養費制度の発展のために力を尽くしたい。


高額療養費巡り議連発足/「患者の声聞き十分に議論を」/がん患者団体などが訴え/共産党からは田村・小池氏ら

「しんぶん赤旗」3月25日・3面より

 高額療養費制度や社会保障のあり方を議論する「高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟」の設立総会が24日、国会内で開かれました。日本共産党など各党の国会議員85人が参加しました。

 政府は今月、制度改悪で影響を受ける患者らの声や世論に押され、高額療養費の自己負担上限額引き上げの見送りを決めました。政府は秋にも再検討する方針です。

 議連設立を呼びかけた全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「当事者の意見を十分に聞かないまま短期間で審議されてしまった。保険の根幹である大きなリスクに備える議論を優先してほしい。患者の可処分所得のなかでどの程度の負担感がでるか十分に議論してほしい」と訴えました。

 日本難病・疾病団体協議会(JPA)の吉川祐一代表理事はメッセージを寄せ「根治療法がない難病患者にとっては大きな負担になる。負担額の再検討に当たっては、患者やさまざまな立場の人たちから客観的なデータを取り、丁寧かつ慎重な議論を行ってほしい」と呼びかけました。

 議連会長の武見敬三前厚生労働相は「高額療養費制度をより発展させるために議連の中で熟慮して役割を果たしていきたい」とあいさつしました。

 日本共産党から田村智子委員長、小池晃書記局長らが出席。小池氏は「超党派議連が設立できたのは、全がん連やJPAのみなさんが声を上げたたまものだ。ともに知恵を出し合いたい」と表明しました。

【政治改革に関する特別委員会】賄賂性を持つ企業・団体献金は国民の参政権を侵害する

 企業・団体献金の禁止をめぐる各党の法案について質疑を行い、私は、「企業にも政治献金の自由があると」主張する自民党の姿勢をただしました。

 自民党は、企業・団体献金を温存する法案を提出しており、その趣旨説明で「政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み」などと述べています。

 提出者の長谷川淳二議員は、このくだりは政治資金規正法第2条の引用だと説明。

 私は、政治資金規正法の逐条解説によれば、国民の政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利とされていると指摘。憲法15条では、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権といった参政権は「国民固有の権利」とされており、政府も認めていること、先日の参考人質疑においても、企業・団体献金が「本質的に賄賂」であり、国民の参政権を侵害することは「明白」と発言があったことに触れ、反論しました。

 自民党の小泉進次郎議員は、企業・団体の献金は憲法21条に基づく政治活動の自由の一環として認められていると主張。

 私は「企業・団体が政治に関し発言することはあり得ることで、その表現の自由は認められるが、発言することとカネを出すことは別物だ」と強調。「営利目的の企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大偉業に向けたものになる」と主張しました。

 私は、今国会で問題となっている、高額療養制度の自己負担額の上限引き上げも、経団連が長年提言してきた要望だと批判。「経団連の要望と、その背景にある企業・団体献金が、高額療養制度の上限引き上げをはじめとする社会保障費の抑制や給付の削減に結びついていることが厳しく問われている」と述べ、企業・団体献金の全面禁止の必要性を強調しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


企業献金本質は賄賂/衆院特委/塩川氏「禁止こそ」

「しんぶん赤旗」3月25日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は24日、企業・団体献金の禁止を巡る各党の法案について質疑を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は「企業にも政治献金の自由がある」と主張する自民党の姿勢をただしました。

 自民党は企業・団体献金を温存する同党提出法案の趣旨説明で「政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み」などと述べています。同党の長谷川淳二議員は、政治資金規正法第2条を引用したものだと説明しました。

 塩川氏は、同法の逐条解説によれば、国民の政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利とされていると指摘。憲法15条で、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権などの参政権は「国民固有の権利」とされ、政府も認めていることや、17日の参考人質疑でも企業・団体献金は「本質的に賄賂」で、国民の参政権を侵害することは「明白」だとの発言があったとして反論しました。

 自民党の小泉進次郎議員は、企業・団体献金は憲法21条に基づく政治活動の自由の一貫として認められていると主張しました。塩川氏は「企業・団体が政治に関し発言することはあり得ることで、その表現の自由は認められるが、発言することと、カネを出すことは別物だ」と強調。「営利目的の企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大企業に向けたものになってしまう」と主張しました。

 塩川氏は、今国会で問題となっている高額療養費の自己負担額の上限引き上げも、経団連が長年提言してきた要望だと批判。「経団連の要望と、その背景にある企業・団体献金が、高額療養費の上限額引き上げをはじめとする社会保障費の抑制や給付の削減に結びついていることが厳しく問われている」と述べ、全面禁止の必要性を訴えました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月24日(月曜日)政治改革に関する特別委員会 第10号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案について質問します。

 今日の議論の中で後藤委員が、吉川農水大臣の鶏卵汚職事件の話がありました。その際に農水省の報告書の話があったんですけれども、それは有罪判決が確定する前の時期の話じゃないかなと思っておりまして。ですから、有罪判決が出され、それに対して控訴を断念という経緯を考えたときに、有罪判決を踏まえての回答が欲しかったなというのを率直に思っておるところなんですが。何か感想でもありましたら。

○小泉(進)議員 今、塩川先生からの御指摘は通告にないものではありますが、改めて、司法の判断がどういったものかというのは先ほど私が後藤先生に対して申し上げたとおりであります。ただ、これについて今の塩川先生の御指摘を超えて言えば、後藤先生の質問の趣旨は、こういうふうに過去に自民党の議員と献金との間にまつわる事案があるから企業・団体献金は禁止すべきだという、そういった思いの中で議論されていると私は理解をしていますので、そういったことだから全部やめろというのは乱暴であって、個人献金の世界に行ったら個人献金で何かあったら全部やめるか、そういう議論になりかねない、そういったことも含めて前向きな議論が進められることが私としては願うところであります。

○塩川委員 報告書が有罪判決の前といった点も踏まえて、しっかりとした議論が必要ではないのかということを申し上げておきます。あのときにはパーティー券も実際には贈賄に問われているわけですから、そういったお金の流れについてしっかりと検証もした上での対策が必要だということを申し上げておきます。

 今日の質疑は全体として先日の参考人質疑を踏まえての議論が続いているということで、私もその立場で何点かお尋ねをしたいと思います。

 最初に自民党の提出者にお尋ねをいたしますが、政治資金の公開に関連しまして、中北参考人は陳述の中で公開の徹底について述べておられました。禁止よりも公開をと主張している以上、公開強化法案の対象をもっと広げた方がいい、データベースの検索可能な範囲を極力広げるとともに、可能であれば研究上も有益ですので公開期間を三年ではなく無期限にしていただくことをお願いいたしますと述べておられました。中北参考人からこのような意見を投げかけられたことについて、自民党の提出者はどのように受け止めておられますか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 データベース化を含めた政治資金の収支公開制度の在り方につきましては、まず、政治資金の透明性の確保、国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする必要性、これがまず一点。一方で、例えば個人献金でありましたら住所まで記載されるわけでございます。個人の寄附者のプライバシーや個人情報の保護の必要性といったものへの配慮、そして、総務大臣や都道府県選管が保存する紙による収支報告書の閲覧制度に関しましてですけれども、膨大な収支報告書の保存には事務負担がかかります。こういったものを勘案して定められるべきものと考えております。

 昨年の通常国会そして臨時国会で成立した法律の施行後においては、このようなバランスを踏まえた上で、一階部分である収支報告書のインターネット公表、さらには二階部分であるデータベース化、これは、収支報告書が公表された以後三年を経過するまでの間公表されることになるというふうに整理をさせていただいたものでございます。現行の収支報告書の保存年限、公開年限に合わさせていただいたということでございます。

 なお、その上で、インターネット公表やデータベースについてはこれから閲覧者において検索データをダウンロードできるようになるわけでございます。そうしたダウンロードによる取得も可能だということについては付言させていただきたいと思います。

○塩川委員 コストの話につきましても、中北参考人は、コストはかかるかもしれないけれども与野党しっかり議論をいただきたいという形で。国民に対してしっかりと公開をする、こういう立場に立って必要な経費をかけるのは当然のことだということを求めたいと思いますし、三年ではなく無期限にする、そういうことこそ求められていると思います。

 また、中北参考人は、昨年の参議院の審議で参考人として出席をした際に、要旨の廃止は後々検証可能性を損なってしまうのでこれはどうにか避けていただけないかとも述べておられました。そのことを説明した上で、その思いは全く変わっておりませんと述べておられました。改めてお尋ねしますが、要旨廃止の撤回を行うべきではありませんか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 収支報告書の要旨でございます。現行法においても、収支報告書のインターネット公表をする場合には収支報告書の要旨を公表する必要がないという旨が既に規定されているところでございます。この規定に基づいて、現在、四十七都道府県中四十道府県において収支報告書の要旨が既に廃止をされております。その上で、昨年の通常国会で成立した規正法の改正では、総務省、各都道府県選挙管理委員会の選択に委ねられていた収支報告書のインターネット公表を一律に義務化することに併せて要旨の公表を廃止したということでございます。

 インターネットで公表された収支報告書には要旨よりも詳細な情報が記載されています。先ほど申し上げたように、ダウンロードすることも可能でございます。これを誰でも容易に閲覧、保存することができるようになったというところでございます。

 その上で、要旨の作成について復活させるべきという御意見でございます。仮に作成義務を復活した場合には、特に都道府県選管、総務省もそうですけれども、相当な事務負担がかかります。数多い政治団体から提出を受けた何千ページにも及ぶ収支報告書から、要旨作成のためにデータを抽出して紙の公報を作成するための事務的な負担が相当かかるというふうに伺っています。こうした現状の下では、やはり要旨の作成の復活については慎重に検討すべき課題と考えております。

○塩川委員 中北参考人は、自民党の公開強化法案について、一階部分、二階部分があって三階部分がある、仮にデジタル情報による提出が幅広い形で義務づけられ、データベースとして記録され、その上に公開強化法案みたいな三階建てがあるということになっている、そもそも論として公開期限の三年と今決まっているところをどうするのか、公開期限が無期限とかになってくれば要旨の問題がそもそも発生しないということも述べておられるわけで、参考人質疑で陳述された中北参考人の発言そのものを真摯に受け止めるときではないのか、このことを改めて求め、収支報告書はそのまま速やかに公開し公的に残すべきだ、要旨廃止の撤回、また収支報告書の保存、公開の延長こそが必要だということを申し上げておきます。

 次に、企業・団体献金禁止について、参考人質疑で小林節参考人は、企業において企業の利益につながらない金を出したら役員は背任になる、企業に損をさせたことになる、企業の利益に返ってくる献金をしたら、これは権力との取引で贈収賄になってしまう、やはり禁止すべきとしか言いようがないということや、企業献金というのは本質において買収であるから、もろ、露骨に公共の福祉に反することで、これは禁止されるべきと明快に陳述をされました。

 さらに、小林参考人は、金持ちか有力者が法人の金を持って権力を持っている側に献金し、結果的に大企業に有利な税制が行われている、本来一人一票のはずのものが、これでは昔の制限選挙と同じで歴史に逆行すると述べておられました。このような小林参考人の指摘に対してはどのようにお考えでしょうか。

○小泉(進)議員 そもそも、企業、団体が政党に寄附を行うことは憲法第二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められているものであります。また、参考人質疑において中北参考人からは、企業だって被災地に寄附することがあります、狭い利益だけでやっているわけではない、様々な広い利益で行動することも当然行っているわけでありますと述べられているとおり、企業は公益的な観点からの様々な活動も行っております。これを本質において買収、露骨に公共の福祉に反すると評価することは、企業やその構成員、従業員の皆様方の活動を不当におとしめるものだと思います。

 加えて、国民の選挙権との関係については、八幡製鉄所事件最高裁判決に照らせば、会社が納税の義務を有し自然人たる国民とひとしく国税等の負担に任ずるものである以上、企業、団体による寄附を禁止すべきではないと考えます。

 もちろん、贈収賄のようなことが行われることがあってはなりませんが、この点については既に刑法等で処罰規定が設けられており、企業、団体が法律で定められた量的、質的制限の範囲内で寄附をすること自体は何ら問題であるとは考えておりません。

○塩川委員 政治資金規正法の改正の歴史というのが、まさに企業・団体献金の問題を是正するという流れの中で行われてきている、そういう点では、対象者としての企業、団体からの献金を制限する問題もありますし、量的な制限もありますし、質的な制限も行ってきた。そういう中で今問われているのが、九〇年代の議論にあるような、政党支部を通じた抜け道の問題、またパーティー券を通じたという抜け道の問題、こういうところに来ているときに、この企業・団体献金の問題があるからこそ今そういう到達点に来ているという点で、まさに今こそ企業・団体献金の禁止が必要だということを申し上げているわけであります。

 自民党は今回の法案の趣旨説明において、我が党は、企業・団体献金が政治活動の自由の一環として国民の不断の監視と批判の下に行われるべきことに鑑み、禁止ではなく公開との考え方に基づき、その透明性、公開性を一層強化するとともに、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み、政治資金を拠出する者の意思が尊重されることが何よりも重要であると考えておりますと述べておられます。

 政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑みと述べていますが、この国民に企業、団体というのは含まれるんでしょうか。そうであれば、その理由は何なんでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 今委員の御指摘がありました、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑みというのは、政治資金規正法の第二条の基本理念のところですね。この法律は、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これを取ったものでございます。まさに政治資金規正法の理念、これに基づいて法案の趣旨説明とさせていただいたものでございます。

 憲法は政治活動の自由を保障しております。国民が自己の信念に基づいてその支持する政党その他の政治団体に政治資金を拠出することは、政治活動の自由の態様の一つとして位置づけられています。企業については、現代の経済社会において社会的な実態を有し、社会を構成する一個の主体として重要な活動を行っております。したがいまして、自然人たる国民と同様に、政治活動の自由、そして判例にもありますように政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由も有するものでございます。一方で、納税の義務も負っているところでございます。そうしたことから国民に含まれるものと考えております。

○塩川委員 引用されましたように、政治資金規正法二条の基本理念の部分であります。

 逐条解説、その該当部分には、国民が自己の信念に基づきその支持する政党その他の政治団体あるいは公職の候補者に対して政治献金をすることは本来自由であるべきものである、それは国民の立場からすれば国民の政治参加の一つであり国民の権利でもあると考えられるとあり、この条文はこのことを踏まえたものとしております。

 政治資金の拠出は国民の政治参加の一つの手段であって、参政権に結びついた国民の権利ということであります。国民の代表を選ぶ選挙権、投票権といった参政権は憲法十五条で国民固有の権利と述べているとおりであります。この憲法十五条の国民はいわゆる自然人を指しておって、その中にはいわゆる法人は含まれないというのが内閣法制局の答弁でもあります。企業は含まれておりません。

 ですから、石破総理を始め自民党は企業・団体献金の禁止が憲法二十一条に抵触すると言いますけれども、もちろん我々も、企業、団体が政治に関して発言するということはあり得ることであって、その表現の自由は認められるという立場であります。しかし、発言することと金を出すことは別物であって、営利を目的とする企業が個人をはるかに超える巨額の金の力で政治に影響を与え、自己の利益を図れば、政治が大企業、財界に向けたものになってしまうということは明らかじゃないでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。

 八幡製鉄の最高裁判決のことについて触れさせていただくことになると思いますけれども、憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は性質上可能な限り内国の法人にも適用される、会社は自然人たる国民と同様に国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである、その上で政治資金の寄附もまさにその自由の一環であるというふうに判示をしているところでございます。

 先ほど、参政権を侵害するということでございますけれども、これにつきましても、八幡製鉄の最高裁判決では、憲法上は公共の福祉に反しない限り会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると言わざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用の限りでないというふうに判示されているところでございます。

○塩川委員 改めて、憲法十五条の立場は、国民固有の権利としての参政権、それを侵害するようなことを、まさに多額のお金を準備する参政権もない企業、団体が行うことが許されないということがまさに焦点となっているときですので、そういう立場での今の対策が必要だ。

 歴史的に見ても、こういった自民党と企業との癒着によって政治がゆがめられた事例というのは枚挙にいとまがないわけであって、経団連は一九九三年、リクルート事件を機に企業・団体献金のあっせんを中止しました。経団連は、企業献金については、公的助成や個人献金の定着を促進しつつ、一定期間の後、廃止を含めて見直すべき、経団連は来年以降そのあっせんを行わないとしたにもかかわらず、十年後の二〇〇三年に経団連は企業献金あっせんの復活を決定いたしました。いわゆる政策評価、政党通信簿と言われるもので、復活してからのこの二十年間で経団連の企業、団体から自民党の政治資金団体である国民政治協会には企業・団体献金額が四百八十八億円にも上るということです。

 そういった中で、今国会でも問題となっている高額療養費制度の見直しの問題を始めとした社会保障制度についての様々な提言を日本経団連は行っております。一九九六年の提言には高額療養費制度についての自己負担額の上限の引上げということが明記されておりますし、二〇〇五年には高額療養費の自己負担額引上げなどが議論として政府内で行われていることについて経団連としても引き続き問題に取り組んでいくとしておりますし、二〇一六年にも、政府で改革工程表を踏まえた検討が進められているとして、高額療養費全体について負担能力に応じた上限額へと速やかに見直すべきといった要求が出されています。

 昨年十一月の財政審の建議に高額療養費制度の見直しが盛り込まれましたが、これを受けて石破政権は予算案を閣議決定しました。その財政審の会長は誰かといえば、十倉経団連会長であります。

 こういったように、経団連の要望、その背景にある企業・団体献金が、高額療養費の自己負担額の引上げを始めとした社会保障の抑制、給付の削減、こういうことに結びついているんじゃないのか、こういうことが厳しく問われているんじゃないでしょうか。そのことについて、最後に。

○小泉(進)議員 今の議論、塩川先生から度々聞いていますけれども、特定の団体の要望に沿って自民党が政策を行う、そういったことは当たりません。

 私、以前も言っていますけれども、野党が一致して夫婦別姓を求めてきている政策を経団連は同じ立場で、自民党の中で割れている問題は経団連と違うじゃないですか。必ずしも、一つの政策で合意するところがあっても、全体を見ればそんなこともありませんし、例えば日本の自動車メーカーの中で自民党に献金をしていただいているメーカーがあれば、そのメーカーの労組は、我々に企業が献金している以上に労働組合が献金しているという実態があって、だから自動車産業が発展したというのは、そんなわけはないですよね、これは民間の力ですよね。なので、そういったことは当たらないというふうに考えております。

○塩川委員 四百八十八億円の二十年の献金の間に法人税の減税、消費税の増税という要望に応えたというのは歴史の事実でありますので、こういうことがそもそも問われる、企業・団体献金の禁止が必要だと申し上げて、質問を終わります。

越谷市で「春をよぶつどい」

 下水道事故で越谷市民も大きな影響。

 党国会議員団は、国の財政支援を要求。

 予備費活用で復旧工事費の半分を国が負担することに。

 耐用年数50年と言っていたのに、陥没事故は40年がピーク。

 伊藤岳参議院議員の追及を受け、全国の大口径下水道管の調査は30年以上を対象に。

富士見市議選告示!

 川畑かつひろ・宮尾りょう・木村くにのり・すざき悦子の現有4議席必ず!

 18歳までの医療費無料化、放課後児童クラブ増設など豊かな実績。

 4月からの国保税平均12.8%値上げに他党・議員は賛成。

 市民の負担増にきっぱり反対の日本共産党。

 学校給食費を無料に!公営の屋内プール開設を!


暮らし守る議席必ず/埼玉・富士見市議選/4氏が第一声

「しんぶん赤旗」3月25日・10面より

 23日告示(30日投票)された埼玉県富士見市議選(定数21)に現有4議席確保をめざし立候補した、日本共産党の川畑かつひろ(54)、宮尾りょう(52)、木村くにのり(55)、すざき悦子(72)=いずれも現=の各候補は第一声で、全員当選で暮らしを守る政策実現へ決意を語りました。

 4候補は、現市政が市民の声を聞かず、びん沼自然公園の自然を壊すパークゴルフ場建設や市民プール廃止、国民健康保険税の3年連続(今年4月からは平均12・8%)値上げなどを進め、共産党以外の議員は国保税値上げなどに賛成してきたと批判。総額126億円もの市役所新庁舎建設事業を見直し、物価高騰対策や学校給食の無償化、保育園の増設、循環バスの充実などの実現へ「物価高から市民の暮らしを守り、市政に物を言う4議席がどうしても必要」と訴えました。

 塩川鉄也国対委員長・衆院議員、伊藤岳参院議員らが応援演説。塩川氏は、石破首相の自民党新人議員への10万円の商品券配布問題を批判し、「一貫して企業・団体献金の禁止を求めてきた共産党を市議選でも大きく伸ばすことが、金で動く政治を一掃する一番の力になる」と強調しました。

 共産4、公明4、立民1、維新1、国民民主1など有力23人が立候補。第一声には参院選を見据えて国会議員や市長が応援に入るなど、誰が落ちてもおかしくない少数大激戦です。​

【内閣委員会】サイバー防御法案/政府の判断で「情報収集の対象際限なく広がる」

 私は、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」について、政府の恣意的判断で情報収集の対象を広く読み取れるようにしている実態を追及しました。

 私は憲法が規定する「通信の秘密」の範囲について、通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含むと指摘、平将明デジタル相は、これらが「通信の秘密」の範囲に含まれていると認めました。

 私は、政府が必要と判断すればすべての通信情報をコピーする仕組みではないかと追及。内閣官房の小柳誠二審議官は「通信の内容に該当するものも含めて取得する」と認めました。私は「通信の秘密を侵害する重大な行為だ」と批判しました。

 政府は取得した通信情報のうち、IPアドレスや指令情報などの機械的情報で一定の要件を満たすものだけを分析の対象とするとしています。私がこの点について質問したのに対し、小柳審議官は「機械的情報であっても「通信の秘密」の保護を受ける」と初めて認めました。

 同法案は、重要インフラを担う電気・ガス・鉄道などの基幹インフラ事業者から通信情報を提供させる協定を結ぶことができると盛り込んでいます。私は、重要インフラであればほぼ全ての国民が利用者にあたると指摘。水道事業として同事業者に指定される中には埼玉県やさいたま市なども含まれているとして「自治体も情報提供の対象か」とただすと小柳氏は「法律上の適用対象となる」と述べました。さらに法案では、重要インフラ事業者に限らず、「電気通信役務の利用者」とも同じ協定を結ぶことができるとしています。私が「ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得る。IoT家電メーカーや自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させるのではないか」と迫ったのに対し、小柳審議官は「法文上は対象となり得る」と認めました。私は、対象者が際限なく広がる仕組みだとして「通信の秘密」の侵害が強く危惧されると強調しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る


情報収集対象 際限なし/衆院内閣委/能動的サイバー法案に塩川氏

「しんぶん赤旗」3月22日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は21日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」について、政府の恣意(しい)的判断で情報収集の対象を広く読み取れるようにしている実態を追及しました。

 塩川氏は憲法が規定する「通信の秘密」の範囲について、通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含むと指摘。平将明デジタル相は、これらが「通信の秘密」の範囲に含まれていると認めました。

 塩川氏は、政府が必要と判断すればすべての通信情報をコピーする仕組みではないかと追及。内閣官房の小柳誠二審議官は「通信の内容に該当するものも含めて取得する」と認めました。塩川氏は「通信の秘密を侵害する重大な行為だ」と批判しました。

 政府は取得した通信情報のうち、IPアドレス(ネットワーク上の住所)や指令情報などの機械的情報で一定の要件を満たすものだけを分析の対象とするとしています。塩川氏がこの点について質問したのに対し、小柳氏は「機械的情報であっても『通信の秘密』の保護を受ける」と初めて認めました。

 同法案は、重要インフラを担う電気・ガス・鉄道などの基幹インフラ事業者から通信情報を提供させる協定を結ぶことができると盛り込んでいます。塩川氏は、重要インフラであればほぼ全ての国民が利用者にあたると指摘。水道事業として同事業者に指定される中には埼玉県やさいたま市なども含まれているとして「自治体も情報提供の対象か」とただすと小柳氏は「法律上の適用対象となる」と述べました。

 さらに、同法案では、重要インフラ事業者に限らず、「電気通信役務の利用者」とも同じ協定を結ぶことができるとしています。塩川氏が「ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得る。家電や自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させるのではないか」と迫ったのに対し、小柳氏は「法文上は対象となり得る」と認めました。

 塩川氏は、対象者が際限なく広がる仕組みだとして「通信の秘密」の侵害が強く危惧されると強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月21日(金曜日)内閣委員会 第7号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 いわゆる能動的サイバー防御法案について質問いたします。今日は、通信情報の取得、利用に関してお尋ねをいたします。

 最初に大臣にお尋ねしますが、憲法に規定される通信の秘密、表現の自由にも関わる重要な規定でありますけれども、この通信の秘密の範囲について、政府はどのように説明をしてきておられるんでしょうか。

○平国務大臣 御指摘の通信の秘密についてのこれまでの政府の説明は、通信の秘密の考え方として、通信の秘密は、個人の私生活の自由やプライバシーを保護するとともに、通信が人間の社会生活にとって必要不可欠なコミュニケーションの手段であることから、憲法上の基本的人権の一つとして憲法第二十一条第二項において保護されている旨の説明があったものと承知をしております。

 また、通信の秘密を制約できる範囲として、通信の秘密の保障も、絶対無制限ではなく、公共の福祉の制限の下に立つものであり、公共の福祉の要請に基づき必要最小限の範囲でこれを制約することは許される旨の説明があったものと承知をしております。

○塩川委員 通信の秘密の範囲についてお尋ねしたんですけれども、総務省のホームページでは、「通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含む」、これが通信の秘密の範囲ということはよろしいですね。

○平国務大臣 はい。結構でございます。

○塩川委員 守られるのはその通信の内容だけではないということであります。メールの送受信やウェブサイトの閲覧、SNSの投稿など、広くネット回線を用いて行われる行為に関して、いつ、どこから、誰が閲覧や書き込みといった行為を行ってきた、そういう種別、そういった行為をしたということについても、守られる秘密の範囲内ということになります。

 政府が必要と判断したものについては、一旦は全ての通信情報が丸々複製、コピーをされるのではないかと思いますが、その点について確認します。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 まず、同意によらない通信情報の取得につきましては、サイバー通信情報監理委員会の承認を受けまして一定の要件を満たす通信情報を取得することが前提でございまして、全ての通信情報を政府が取得するというものではございません。条件が満たされているものについて取得をし、そうした条件が満たされているかどうかの判断のために全ての通信情報を取得するというものではございません。

○塩川委員 要するに、政府が必要と判断したものについては、通信の内容も含め、全ての通信情報を複製、コピーをするという仕組みになっていますよね。

○小柳政府参考人 取得につきましては、量的に全てのものを取得するわけではございませんけれども、通信の内容に該当する部分も含めて、要件に該当するものを取得をするということでございます。

○塩川委員 通信の内容も含めて、必要があるものという前提ですけれども、複製、取得をするということであります。

 政府が必要と判断すれば、通信の秘密はもちろん、個人特定につながるような情報やプライバシーに関するものも含めた情報を取得するということであります。サイバー攻撃対処という名目や、ふるいにかけられるからという言い訳があったところでも、そもそもこのような通信の秘密を侵害する重大な行為だということを指摘しなければなりません。

 その上で、確認ですけれども、選別後通信情報というのは、機械的情報のみということでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 選別後通信情報は、機械的情報のみで構成されるものでございます。

○塩川委員 選別後通信情報以外については削除するということですけれども、本当に削除されるのかといった点での疑念があるところであります。

 この機械的情報というのは、具体的にどのような情報を含むんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答え申し上げます。

 選別後通信情報でございますが、不正な行為に関係があると認めるに足りる状況のあるものとして自動的方法によって選別された機械的情報でございまして、コミュニケーションの本質的な内容には当たらない機械的情報でございます。

○塩川委員 そういった機械的情報であっても、それは通信の秘密の保護対象に当たる、そういう情報ではありますね。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 機械的情報でありましても、通信の秘密の保護を受けるものでございます。

○塩川委員 機械的情報について、法の規定、二条八項三号では、コミュニケーションの本質的でない情報として内閣府令で定める情報としておるわけで、その指定の範囲が不透明だ。先ほども質疑にもありましたように、政省令等々が多いといった中身についても、是非とも明らかにしていただきたい。それの中身についての疑念があるということを申し上げておくものです。

 それで、取得された通信情報について、自動選別されたもの以外は削除するということですけれども、その選別条件は政府が決めるとしております。そこに、結局、政府の方の恣意性が働くようなことがないのか。恣意的な選別につながりはしないのか。この点についてはどうでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 本法律案でございますけれども、取得した通信情報について、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法により、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して記録し、それ以外のものを、その選別の終了後直ちに消去するように明確に定めてございます。

 この選別につきましては、不正な行為に関係があると認められる機械的情報のみが選別されるようにする選別の条件に関する基準が適切であるかどうかを独立機関であるサイバー通信情報監理委員会が事前に審査をすることといたしておりまして、これにより恣意的な選別が行われないことを確保いたしております。

 また、選別をした後につきましても、規定を遵守して適切に選別がされたかどうかは、委員会の指定職員等による検査の対象となってございまして、その結果や状況は委員会に報告をされまして、もし違反していると認められた場合には、委員会から内閣府に通知がなされまして、内閣府は是正等の措置を講じなければならないということとされております。

 加えまして、万一、職員が通信情報の取扱いに関する事務を通じて得た通信情報の秘密を盗用した場合には、罰則の対象となることといたしております。

 したがいまして、恣意的な選別がなされるようなことは十分に防止ができるものというふうに考えてございます。

○塩川委員 対象不正行為に関係があると認めるに足りる状況、こういった判断がどうなのかといった点などについても不分明なところがあるということは申し上げなければなりません。

 選別条件として、具体的にIPアドレスや指令情報、コマンドなども挙げられておりますけれども、選別の条件として設定することで特定のサイバー攻撃に関係する機器などの探査が容易になると認めるに足りる状況のある情報、これはどういうものに当たるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 機械的情報を選別する自動選別につきましては、法案の第二十二条二項等におきまして、IPアドレス、それからコマンド又はその他関係があるデータ等の探索が容易になる情報を条件とするというふうに設定をされてございまして、それらを二つ以上設定をするということでございますので、そういった情報を選択をしながら自動選別を行っていくというものでございます。

 IPアドレス、コマンド又はその他の関係があるデータでありますので、例えば通信の履歴等が該当するということでございます。

○塩川委員 この三号のところについて、探査が容易になると認めるに足りる状況のある情報という点についての、曖昧さの点について十分な回答がなかったと思います。

 その上で、先ほどの質疑の中でも、基幹インフラ事業者との協定、同意に基づく通信情報の取得について、内内も入るということがありました。加えて、同意によらない場合でも、検索サービスやSNSを始めとして、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くある中で、実質的に国内同士のやり取りを取得する可能性というのも排除されていないんじゃないでしょうか。

○平国務大臣 委員の御指摘のとおり、インターネットでの通信の経路はその途中で国境を越えることがあり得ることから、例えば、外内通信というふうに見られても、実際には送信者又は受信者の両方が日本国民であったり、日本国内にいる外国人であったりという可能性はあると考えています。

 ただし、本法律案においては、自動的な方法により、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析をし、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会の継続的な検査の対象ともするなど、通信情報の利用による通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまることを確保した内容としております。

○塩川委員 ですから、内内という場合でも内外内と実際なっていて外内が対象になるという点でも、要するに、同意に基づく通信情報の取得でも内内もあるわけですが、広く国民の通信を取得をするということ、それを前提にしている仕組みだということであります。

 一方で、同意があると政府が言う通信情報の取得についてお尋ねをいたします。

 法案では、政府が、基幹インフラ事業者などと通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。基幹インフラ事業者との協定について、基幹インフラ事業者から提供される情報はどのような内容のものとなるのか。そのインフラを利用している人の情報、例えば、住民の住所や電話番号やメールアドレス、そのインフラの使用料や支払い情報、こういうのも含まれるということではないでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 協定を締結した基幹インフラ事業者等から提供されることとなる通信情報の内容でございますが、その事業者の個別の事業内容や協定の内容によって変わり得ると考えられるため一概にお示しすることは困難でございますけれども、例えば、事業者のウェブサイトにおいて送受信される通信情報の提供を受ける場合には、当該ウェブサイトにユーザーから入力された住所、電話番号等が含まれる可能性はございます。

 しかしながら、本法案におきましては、内閣総理大臣が通信情報を取得したときは、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析することとし、それ以外のものを消去する措置を講じなければならないこととされているところであります。そのため、提供を受けました情報に通常のユーザーが入力した住所、電話番号等が含まれていたとしても、それらが分析の対象となることは想定されていないものでございます。

○塩川委員 広くコピー、取得されるということです。重要インフラということであれば、ほぼ全ての国民がその利用者に当たると言っても過言ではありません。

 経済安保推進法によって特定社会基盤事業者として指定された者として、水道においては、埼玉県やさいたま市のような自治体も含まれているわけであります。この法案における協定も自治体が対象に含まれていることになるんでしょうか。

○小柳政府参考人 基幹インフラ事業者をまずは対象としておりますので、自治体が該当する場合には、法律上、適用の対象となるところでございます。

○塩川委員 自治体も対象になる。

 さらに、法案の第十二条では、電気通信役務の利用者とも同じ協定を結ぶことができるとしておりますが、基幹インフラ事業者に限らず、ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得るのではないのか。IoTの家電メーカーですとか自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させる、そういう仕組みにもなり得るのではありませんか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 法文上は、役務の利用者であれば対象となり得るというものでございますが、実際の運用におきましては、協定を締結して、通信情報を送信していただき、政府で受信するといったところは、数に限り等もございますし、必ずしも利用している方全て、全員が適用を現実にされるというものではないというふうに考えてございます。

○塩川委員 広く読めるような仕組みになっているという点でも、通信の秘密の侵害に当たる、そのことが強く危惧されるということを申し上げて、質問を終わります。

日本原水爆被害者団体協議会に対する表祝行事

 衆議院は19日、ノーベル平和賞を授与された日本原水爆被害者団体協議会に対する表祝行事を行いました。

 代表委員の田中熙巳氏らが出席。

 額賀衆院議長から表彰状と記念品を贈呈。

 参加者と懇談しました。

 私からも田中氏らにお祝いの言葉を述べました。

埼玉県民大運動実行委員会の院内集会であいさつ

 高額療養費上限額引き上げ「凍結」など、国民の世論と運動が政治を動かしている。

 八潮市の下水道管破損事故について、伊藤岳参院議員らが奮闘。

 下水道施設の大規模化を推進し、老朽対策を軽んじてきた国の責任を追及。

 復旧経費を国も負担することに。

八潮市の道路陥没事故に対して、予備費の支出/工事費用の半分である45億円

 この間、党国会議員団は、八潮市の下水道管破損に伴う道路陥没事故について、下水道事業の大規模化を自治体に押し付けてきた国の責任を追及してきました。水の使用を控えるなど被害を被った流域住民に下水道料金という形で、復旧工事の費用を負担させるのではなく、国が責任をもって財政措置を行うべきだと要求してきました。

 政府は18日、予備費の支出を決定。八潮市の道路陥没事故に対して「緊急下水道管路改築事業」として、工事費用の半分である45億円を充てることとしました。また、30年以上経過した大口径管の全国調査を行い、調査結果を踏まえ緊急改築を行う予算措置もとることになりました。

 伊藤岳参議院議員の予算委での質問などが大きな力を発揮しました。改築だけでなく、修繕にも国費を充てるなど、さらなる改善の取り組みを要求していきます。

【本会議】「能動的サイバー防御法案」審議入り/憲法と国際法踏みにじる

 政府が国民の通信情報を常時監視し、必要と判断すれば警察・自衛隊がサーバーに侵入し、監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」が18日、衆院本会議で審議入りしました。私は、憲法が保障する「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、国際法違反の先制攻撃にあたりうるサイバー攻撃に踏み込むものであり「憲法と国際法を踏みにじる重大な法案だ」と批判しました。

 私は、政府が送受信者の同意なく通信情報を取得できるようにしている点について、「なぜ、政府が個人の通信情報を勝手に取得できるのか」と追及。個人特定をさけるため「非識別化」しても政府の判断で復元可能となっていることなどをあげ、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものだ」と批判しました。

 石破茂首相は「通信の秘密に対する制約は、必要やむを得ない限度に留まる」と侵害することを認めたうえで「サイバー攻撃を防ぐという高い公共性のため」と正当化しました。

 私は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入・監視し、その機器を使用不能にするとされている「アクセス・無害化措置」は、まさにサイバー攻撃であり、これが裁判所の令状なしに可能となることは「警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化する」と強調。これを外国のサーバーに行えば、主権侵害となり「違法な先制攻撃とみなされる危険がある」と警告しました。石破首相は「具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えするのは困難」と弁明しました。

 私は、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険性についても指摘。安保法制などに基づいて、米国が軍事行動を取る相手国に対して、日本が「無害化措置」に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになると警告しました。

 さらに、自衛隊は在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしているが、「サイバー攻撃だと判断するのは米国だ。実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになる」と追及しました。

衆議院TV・ビデオライブラリから見る

以下、本会議質問の全文です。
――――――――――――――――――――――――――
 私は、日本共産党を代表して、いわゆる「能動的サイバー防御」法案について質問します。
 本法案は、安保3文書に基づき、政府が国民の通信情報を常時収集・監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察・自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取ろうとするものです。
 国民の「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に我が国が踏み込むもので、憲法と国際法をふみにじる重大な法案です。
 第一に、「通信の秘密」と「プライバシー権」についてです。
法案は、サイバー攻撃の実態把握のためと言って、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。なぜ、個人の通信情報を政府が勝手に取得できるのですか。
 政府は、国内同士の通信は対象ではないとし、国民への権利侵害である通信情報の取得を最小限にとどめるかのように言いますが、海外のサーバーを介する通信は取得・分析の対象となります。検索サービスやSNSをはじめ、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くあります。結局、広範な国民の通信情報が取得されることになるのではありませんか。
 取得した情報はメールアドレスなど個人特定に繋がる情報も含まれているのではありませんか。個人特定を避けるため「非識別化措置」を行うと言いますが、政府の判断で復元可能と規定しており、これは個人情報に当たるのではありませんか。
 さらに、取得した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも個人情報は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることが大原則です。これらをことごとく無視する重大な法案ではありませんか。また、国民が自らの通信情報の収集・利用を拒否し、消去などを請求する規定はこの法案のどこにあるのですか。
 この法案は、憲法が保障する「通信の秘密」、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。
 電気やガス、公共交通、通信などといったインフラ事業者に対し、導入した電子計算機の製品名の届出やインシデント報告を罰則付きで課し、さらに通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。協定は同意を前提としていますが、事業者には協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。提供される情報には、「営業の秘密」も含まれるのではありませんか。
 日米ガイドラインは、自衛隊や在日米軍が利用する重要インフラ・サービスへのサイバー攻撃に日本が主体的に対処することを明記しています。これを具体化し、日米軍事一体化に民間企業・従業員を動員するものではありませんか。
 外国政府への情報提供は、どのような場合を想定しているのですか。サイバー空間における脅威や脆弱性に関する情報を共有することを明記した日米ガイドラインを具体化し、米国、同盟国・同志国に提供するものではありませんか。
 第二に、法案における「アクセス・無害化措置」は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃にあたるのではないですか。
 どうして「アクセス・無害化措置」が、裁判所の令状なしに、第三者機関の承認で可能となるのですか。警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化するものではありませんか。
 外国のサーバー等に対しても侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うとしていますが、そうした行為は主権侵害にあたるのではありませんか。誤って「アクセス・無害化措置」を行った場合の国家責任は誰がどのようにとるのですか。被害の回復・補償はどうするのですか。
 国際法上の違法性を阻却できるような措置に限って実施すると言いますが、そのような理解は、慣習国際法はおろか、国連の政府専門家会合などにおいても意見は一致していないのではありませんか。
 自国領域での外国政府によるあらゆるサイバー行動を主権侵害とみなす国があるもとで、日本がその国の同意なく、しかもその疑いだけで「アクセス・無害化措置」にふみきれば、違法な先制攻撃とみなされる危険があるのではありませんか。
 外国政府を背景とする主体による高度に組織的・計画的な攻撃が行われた場合には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じることができるとしていますが、自衛隊がそのような措置にふみきることが、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険についてどう認識しているのですか。いわゆるグレーゾーン事態や安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動をとる相手国に対し日本が無害化措置にふみきれば、日本の側から戦端を開くことになるのではありませんか。
 自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、サイバー攻撃だと判断するのは米軍ではないですか。米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。
 以上、質問を終わります。


サイバー法案審議入り/憲法と国際法踏みにじる/塩川氏が批判/衆院本会議

「しんぶん赤旗」3月19日・1面より

 政府が国民の通信情報を常時監視し、必要と判断すれば警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」が18日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の塩川鉄也議員は、憲法が保障する「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、国際法違反の先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に踏み込むものであり「憲法と国際法を踏みにじる重大な法案だ」と批判しました。(質問要旨4面)

 塩川氏は、政府が送受信者の同意なく通信情報を取得できるようにしている点について、「個人の通信情報をなぜ勝手に取得できるのか」と追及。個人情報を避けるため「非識別化」しても政府の判断で復元可能となっていることなどをあげ、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものだ」と批判しました。

 石破茂首相は「『通信の秘密』に対する制約は必要やむを得ない限度にとどまる」と、侵害することを認めた上で、「サイバー攻撃を防ぐという高い公共性のため」などとして正当化しました。

 塩川氏は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入・監視し、その機器を使用不能にするとされている「アクセス・無害化措置」は、まさにサイバー攻撃であり、これが裁判所の令状なしに可能となることは「警察権の乱用を防止する令状主義を形骸化する」と指摘。これを外国のサーバーに行えば主権侵害となり「違法な先制攻撃とみなされる危険がある」と警告しました。首相は「具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えするのは困難」と弁明しました。

 塩川氏は、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険性についても指摘。安保法制などに基づいて、米国が軍事行動をとる相手国に対する「無害化」措置に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになると警告しました。

 さらに、自衛隊は在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしているが、「サイバー攻撃だと判断するのは米国だ。実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになる」と追及しました。


衆院本会議/能動的サイバー防御法案/塩川議員の質問(要旨)

「しんぶん赤旗」3月19日・4面より

 日本共産党の塩川鉄也議員が18日の衆院本会議で行った能動的サイバー防御法案に対する質問(要旨)は次の通りです。

 本法案は、安保3文書に基づき政府が国民の通信情報を常時収集・監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察・自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取るものです。国民の「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃にわが国が踏み込むもので、憲法と国際法を踏みにじる重大な法案です。

 第一に、「通信の秘密」と「プライバシー権」についてです。同法案は、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。政府は国内同士の通信は対象外としますが、海外のサーバーを介する通信は取得・分析の対象としています。検索サービスやSNSなどインターネット上の通信は国内で完結しないものが多く、結局広範な国民の通信情報が取得されることになるではありませんか。

 取得した情報には個人情報も含まれるのではありませんか。そして、外国政府など第三者への提供も可能です。必要以上に収集せず、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得るという個人情報保護の大原則をことごとく無視するものです。国民が自らの通信情報の収集・利用を拒否し、消去などを請求する規定はどこにあるのか。通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。

 インフラ事業者などに対し、通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。事業者に協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。

 日本と米国がサイバー空間における脅威に関する情報共有を明記した日米ガイドラインを具体化し、米国などに取得した情報を提供するものではありませんか。

 第二に、「アクセス・無害化措置」は、警察・自衛隊が機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃にあたるのではないですか。外国のサーバー等も対象としており、日本がその国の同意なく「アクセス・無害化措置」に踏みきれば、違法な先制攻撃とみなされるのではありませんか。

 外国政府を背景とする主体による攻撃には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じるとしますが、自衛隊がそのような措置に踏み出すことが、事態の悪化を招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険についてどう認識していますか。安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動をとる相手国に対し日本が無害化措置に踏みきれば、日本から戦端を開くことになるのではありませんか。自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。


2025とくほう・特報/能動的サイバー防御法案/違憲で危険 廃案を

「しんぶん赤旗」3月29日・3面より

 衆院で審議中の能動的サイバー防御法案。個人情報の監視・収集による憲法21条が保障する「通信の秘密」の侵害、疑わしい外国サーバーに侵入し無害化する国際法違反の先制攻撃、それを担う警察や自衛隊の権限拡大など、問題だらけの姿が浮かび上がっています。

「通信の秘密」侵害する

 18日の衆院本会議で日本共産党の塩川鉄也議員は、この法案が送受信者の同意なく広範な国民の通信情報を監視する仕組みで、個人情報の中身を分からないよう非識別化(IPアドレスなど機械的情報)にしても政府の判断で復元できると指摘し、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのもの」と追及しました。石破茂首相は「通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる」と侵害を認めつつ正当化しました。

 法案は、サイバー被害防止の必要性を問わず、電気・ガス・水道・鉄道・航空などの基幹インフラ事業者や電気通信事業者が政府と協定(当事者協定)を結べば、事業者と通信する市民の情報を政府に提供する仕組みになっています。

 斎藤裕弁護士(日弁連前副会長)は「通信の秘密を制限する必要性がない場合にも結べる当事者協定に基づいて個人情報を提供できる制度は、憲法21条違反といえます」と指摘します。

 さらに「全ての通信情報利用について、被害防止の目的以外には通信情報は利用できないが、サイバー防御のための捜査や起訴などでの利用は禁止されていません。裁判所の令状なしで通信情報を捜査に利用することになると、憲法35条の令状主義に違反します」と批判します。

令状なしの警察権拡大

 侵入・無害化措置を実行するため、警察官職務執行法(警職法)を改定します。「警職法は職務質問などあくまで任意で強制捜査に至らない職務を定めたもので、令状なしでやれるわけです。その改定によってサイバー空間を監視して侵入・無害化するという強制的な権限を警察に与えるやり方には大いなる疑問があります」と斎藤さん。

 「警察の権限を無限に拡大する法案で、かなり危機感があります」。大垣警察署市民監視違憲訴訟をたたかった原告の近藤ゆり子さんは語ります。この訴訟は公安警察が風力発電事業に反対して市民運動を行う市民の個人情報を長期に収集し、民間企業に提供していた事件です。名古屋高裁は昨年9月、表現の自由やプライバシー権を侵害する違憲行為だとする原告の訴えを認めて情報の抹消と損害賠償を岐阜県に命じ、判決は確定しています。

 近藤さんが知人に風力発電事業について「知らん顔はできないのでは、と感じています」とメールした内容を把握した大垣警察がその翌日、「近藤が動き出す気配がある」と民間企業に電話連絡したことを裁判所は事実認定しています。

 近藤さんは「公安警察は裁判所がどういう規則に基づいてやっているのかと聞いても沈黙を通しました。まさに無法地帯です。私たちが警察を監視し規制する法律をつくる運動をしようと思っていた矢先に真逆の法案がでてきたことに正直驚きました」と話します。

米軍と一体の先制攻撃

 警察や自衛隊が常時監視に基づいて疑わしいと判断した外国のサーバーに侵入して未然に使用不能にする措置は、相手から攻撃を受けていないのに行う先制攻撃と同じで、国際法違反の主権侵害です。

 この措置について石破首相は「仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できる場合がある」と答弁しました。主権侵害の違法性を阻却できる「緊急避難の法理」には「急迫性」「唯一の手段」「重大な損害をもたらさない」という要件が必要です。それは首相も認めています。

 斎藤さんは「問題はそのような要件を踏まえた表現が条文にないことです。急迫性についていえば“そのまま放置すれば重大な危害が発生する”というのが条文の表現で、『そのまま』なら1年後かも10年後かもしれず、急迫性の要件を満たしていません。これでは要件を満たさない無害化措置が行われるリスクがあります」と指摘します。

 これらの措置は第三者機関の承認を得ることになっています。しかし、「承認を得るいとまがない」場合は事後通知でよいとされ、形骸化しかねません。

 法案は2022年末に閣議決定された国家安全保障戦略など安保3文書に基づき、「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上」することを目指しています。防衛力整備計画ではサイバー専門部隊4千人、サイバー要員2万人と体制の大幅な拡充を掲げています。

 背景には米国の要求があります。デニス・ブレア元米国家情報長官は「サイバー戦において米国の同盟国の中で最も弱いのは日本」で、サイバー空間で諜報活動を行う権限を持っていない(『正論』同年6月号)として能動的サイバー防御を求めてきたのです。

 法案には、在日米軍のコンピューターを守るための侵入・無害化措置をとる権限を自衛隊に与えています。衆院内閣委員会で防衛省は米国が使用するコンピューターについて「わが国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当すると評価し、警護の対象にする」と答弁しました。衆院本会議で塩川議員は「判断するのは米軍」「実質的に米軍の指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではないか」とただしました。

外交交渉 何より不可欠

 井原聰東北大学名誉教授は「自衛隊と米軍が情報を共有し、米軍の指揮下で一体となって対応することになると、日本の情報が全部筒抜けになる危険がある。先制攻撃を受けた国が反撃してくる懸念もある。サイバー防御は必要ですが、こんな危険な法案ではなく、今の法体系に基づく取り組みで不備が起きたら、政府が支援を進めることが必要で、何よりも外交交渉が不可欠です」と語ります。

 衆院の審議ではサイバー人材の育成と確保を求める質問が相次ぎ、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議でもその重要性が強調されました。「これは法律をつくらなくてもできるはずなのに、首相も検討をいうだけで具体策はありません。サイバー防御には人材育成が決定的で、それをやらずにわざわざ人権や主権を侵害する法案を通そうというのはおかしい」と斎藤さん。

 「警察に強大な権限を与えて市民を監視し他国にサイバー攻撃を仕掛ける法案は戦争準備のためです。なんとしても食い止め、廃案にしたい」。近藤さんの言葉に力がこもります。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月18日(火曜日)本会議 第9号

○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる能動的サイバー防御法案について質問します。(拍手)

 本法案は、安保三文書に基づき、政府が国民の通信情報を常時収集、監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察、自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取ろうとするものです。国民の通信の秘密やプライバシー権を侵害をし、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に我が国が踏み込むもので、憲法と国際法を踏みにじる重大な法案であります。

 第一に、通信の秘密とプライバシー権についてです。

 法案は、サイバー攻撃の実態把握のためといって、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。なぜ、個人の通信情報を政府が勝手に取得できるのですか。

 政府は、国内同士の通信は対象ではないとし、国民への権利侵害である通信情報の取得を最小限にとどめるかのように言いますが、海外のサーバーを介する通信は取得、分析の対象となります。検索サービスやSNSを始め、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くあります。結局、広範な国民の通信情報が取得されることになるのではありませんか。

 取得した情報は、メールアドレスなど個人特定につながる情報も含まれているのではありませんか。個人特定を避けるため非識別化措置を行うといいますが、政府の判断で復元可能と規定しており、これは個人情報に当たるのではありませんか。

 さらに、取得した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも、個人情報は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることが大原則です。これらをことごとく無視する重大な法案ではありませんか。また、国民が自らの通信情報の収集、利用を拒否し、消去などを請求する規定は、この法案のどこにあるのですか。

 この法案は、憲法が保障する通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。

 電気やガス、公共交通、通信などといったインフラ事業者に対し、導入した電子計算機の製品名の届出やインシデント報告を罰則つきで課し、さらに、通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。協定は同意を前提としていますが、事業者には協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。提供される情報には、営業の秘密も含まれるのではありませんか。

 日米ガイドラインは、自衛隊や在日米軍が利用する重要インフラ、サービスへのサイバー攻撃に日本が主体的に対処することを明記しています。これを具体化し、日米軍事一体化に民間企業、従業員を動員するものではありませんか。

 外国政府への情報提供は、どのような場合を想定しているのですか。サイバー空間における脅威や脆弱性に関する情報を共有することを明記した日米ガイドラインを具体化をし、米国、同盟国、同志国に提供するものではありませんか。

 第二に、法案におけるアクセス・無害化措置は、警察、自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃に当たるのではないですか。

 どうしてアクセス・無害化措置が、裁判所の令状なしに、第三者機関の承認で可能となるのですか。警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化するものではありませんか。

 外国のサーバー等に対しても侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うとしていますが、そうした行為は主権侵害に当たるのではありませんか。誤ってアクセス・無害化措置を行った場合の国家責任は、誰がどのように取るのですか。被害の回復、補償はどうするのですか。

 国際法上の違法性を阻却できるような措置に限って実施するといいますが、そのような理解は、慣習国際法はおろか、国連の政府専門家会合などにおいても意見は一致していないのではありませんか。

 自国領域での外国政府によるあらゆるサイバー行動を主権侵害とみなす国がある下で、日本がその国の同意なく、しかも、その疑いだけでアクセス・無害化措置に踏み切れば、違法な先制攻撃とみなされる危険があるのではありませんか。

 外国政府を背景とする主体による高度に組織的、計画的な攻撃が行われた場合には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じることができるとしていますが、自衛隊がそのような措置に踏み切ることが、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険について、どう認識しているのですか。いわゆるグレーゾーン事態や安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動を取る相手国に対し日本が無害化措置に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになるのではありませんか。

 自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、サイバー攻撃だと判断するのは米軍ではないでしょうか。米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。

 以上、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

○内閣総理大臣(石破茂君) 塩川鉄也議員の御質問にお答えいたします。

 サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の取得、分析と通信の秘密との関係についてでございます。

 サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の利用は、通信当事者の同意によらない場合であっても、国、基幹インフラ事業者等の重要な機能がサイバー攻撃により損なわれることを防ぐという高い公益性があること、他の方法によっては実態の把握、分析が著しく困難である場合に限って通信情報の利用を行うこと、一定の機械的な情報のみを自動的な方法により選別して分析すること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことなどから、通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる制度としております。

 なお、分析の対象となる機械的な情報が個人情報に該当する場合には、外部提供の制限を含めて、個人情報保護法の規定も適切に遵守する必要があり、法令の規定に基づき、適切に業務を行ってまいります。

 基幹インフラ事業者との協定等についてでございますが、サイバー対処能力強化法案では、基幹インフラ事業者との間で行う協定の締結について、当事者の一方が協議を求めた場合には、正当な理由がない限り、その相手方は協議に応じなければならないとしておりますが、協定の締結はあくまでも任意でございまして、政府が基幹インフラ事業者に対して協定の締結を強制することはございません。

 また、この法案では、基幹インフラ事業者に対し、一定の電子計算機を導入した場合の届出や、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合の報告を義務づけることといたしており、これらの中に事業者の営業秘密に該当する情報が含まれ得ることは否定できませんが、この法案では、同時に、政府が取得した情報に係る安全管理措置を講じなければならないことや、関係業務に従事する職員等の守秘義務についても規定をいたしておりまして、守秘義務に違反した場合の罰則につきましては、国家公務員法の守秘義務規定の違反よりも重い罰則を定めることといたしております。

 さらに、協定に基づき取得した通信情報やインシデント報告等を分析した情報を政府からほかの企業等に提供する際には、営業秘密に該当する情報を削除するなど、事業者の権利利益に十分配慮をいたしてまいります。

 今般の法制と日米ガイドラインの関係についてでございますが、サイバーセキュリティーは日米同盟の基盤の一つでございますが、サイバー対処能力強化法案及び整備法案は、国家安全保障戦略を踏まえ、我が国全体のサイバーセキュリティーの強化を目的として我が国として主体的に判断して整備するものであり、日米ガイドラインを具体化したものではなく、日米軍事一体化に民間企業、従業員を動員するものではございません。

 また、サイバー対処能力強化法案の規定により、政府が取得した通信情報を外国政府又は国際機関に提供することができるのは、我が国に対する一定の重大なサイバー攻撃による被害を防止する目的の達成のために必要があると認めるときに限定されており、その必要性を、その都度、主体的に判断をいたしてまいります。

 アクセス・無害化措置といわゆるサイバー攻撃との関係等についてのお尋ねです。

 アクセス・無害化措置は、警察庁長官等の指揮により、比例原則に基づき、目的を達成するために必要最小限度の措置として行われるものであり、措置の対象となるサーバー等に、物理的被害や機能喪失等、その本来の機能に大きな影響が生じることは想定いたしておりません。そのため、御指摘のような、措置の対象となる機器を使用できなくするといったサイバー攻撃には当たらないものでございます。

 アクセス・無害化措置は、刑事責任の追及に結びつく作用を有するものではなく、重大な危害の防止という極めて公益性の高い目的の下で実施するものであり、制約される権利の程度は合理的かつ必要な最小限度にとどまることなどから、過去の判例に照らしましても、裁判所の令状は要しないと考えられます。

 加えて、適正手続の観点から、アクセス・無害化措置を講じるに当たり、サイバー通信情報監理委員会の事前承認等を得ることといたしており、令状主義の形骸化といった御指摘は当たりません。

 アクセス・無害化措置と国際法との関係についてでございますが、国や重要インフラ等に対する安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合や、そのような重大なサイバー攻撃が発生した場合に、我が国がその攻撃元となっている国外に所在するサーバー等に対して必要な措置を取りますことは、国際法上も一定の状況において許容されているものと認識しております。

 個別のアクセス・無害化措置に関する国際法上の評価については、それぞれの具体的な状況に応じて判断されるため、一概にお答えすることは困難でございますが、このような措置につきましては、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できるような場合があり、こうした点に関し、国連憲章全体を含む既存の国際法がサイバー行動にも適用されることは、国連における議論を通じて確認されておるところでございます。

 我が国が国外に所在するサーバー等に対して誤った措置を行った場合の対応につきましても、それぞれの具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えすることは困難ですが、アクセス・無害化措置を国際法上許容される範囲内で行うのは当然のことでございます。これを確保する観点から、措置の実施主体は、警察庁長官又は防衛大臣を通じて、あらかじめ外務大臣と協議しなければならないことといたしております。

 アクセス・無害化措置が違法な先制攻撃とみなされる危険性等についてでございますが、今回整備するアクセス・無害化措置は、そもそも、国連憲章や日本国憲法第九条に規定する武力の行使と評価されるものではなく、違法な先制攻撃とみなされるようなものではありません。

 今回のアクセス・無害化措置は、公共の秩序の維持の観点から、警察権の範囲内で、攻撃サーバー等にアクセスして不正プログラムを無害化する措置等を想定しております。措置の対象となるサーバー等に、物理的被害や機能喪失等、その本来の機能に大きな影響を生じさせることは想定をいたしておりません。また、外国に所在する攻撃サーバー等の無害化措置を行います際にも、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できるような措置に限って実施することとなります。

 その上で、国際法上許容される範囲で措置を行うことを確保するため、措置の実施主体が、あらかじめ外務大臣との協議を行うことといたしております。措置の適法性を確保する観点から、警察庁長官等の指揮を受けるとともに、原則としてサイバー通信情報監理委員会の承認を受けることともいたしております。

 このような制度的仕組みを総合的に踏まえれば、自衛隊がアクセス・無害化措置を実施しても、事態のエスカレーションを招くようなものではなく、日本の側から戦端を開くことになるなどといった御指摘は当たらないと考えております。

 また、我が国に所在する米軍が使用する特定電子計算機の平素からの警護につきましては、要請の判断主体は米軍でございますが、当該要請に基づく自衛隊による警護の実施に当たりましては、国際情勢や米軍の状況等を踏まえ、防衛大臣がその必要を判断するものであり、アクセス・無害化措置に当たっても防衛大臣の指揮を受けることになるため、日本が米軍の指揮下に入るといった御指摘は当たりません。

 以上でございます。(拍手)