▼2020通常国会の取組み▼【2】カジノ利権追及 (1)カジノ利権追及/カジノ管理委事務局にカジノ関連事業者 (2)中央公聴会/カジノ問題で発言 (3)カジノ疑惑払拭できぬ/推進者受け入れは問題 (4)黒川氏、カジノ解禁推進/法務事務次官時代

【2】カジノ利権追及
(1)カジノ利権追及/カジノ管理委事務局にカジノ関連事業者予算委員会、1月31日
 秋元司被告(自民党離党)の汚職発覚後もカジノ推進に執着する安倍晋三首相を追及。カジノをめぐる利権と癒着の構造にメスを入れた。

 カジノ規制の中核を担う行政組織として新設された「カジノ管理委員会」の事務局が、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)推進事業者から職員を受け入れており、カジノ事業者の都合でルールが作られるのではないか――と追及した。

 カジノ管理委員会の並木稔事務局次長は、あずさ、PwCあらた有限責任監査法人在籍者がそのまま管理委員会事務局に勤務していることを認めた。

 両監査法人がIRに関する「知見や実績」を売りに、地方自治体によるIR誘致支援業務を行っている。

 武田良太カジノ管理委員会担当相は「日本では誰も経験のないカジノ事業を管理・監督するためにはカジノに関する知見が必要だ」と弁明した。

 やったことがないならやらなければいい。

(2)中央公聴会/カジノ問題で発言予算委員会、2月21日
 多重債務問題にとりくむ弁護士の新里宏二氏は、安倍内閣が「経済成長戦略の目玉」として推進するIRの問題について語った。

 私は、カジノ規制の中核を担う行政組織として新設された「カジノ管理委員会」の事務局が、IR推進事業者から職員を受け入れている問題について質問。

 新里氏は「推進の人が規制側に入る自己矛盾になっている。中立性の担保に大きな問題がある」と指摘した。

(3)カジノ疑惑払拭できぬ/推進者受け入れは問題内閣委員会、3月18日
 私は1月31日の予算委員会で、コンサル出身の職員がカジノ管理委員会事務局の非常勤職員として雇われ、出身元企業の身分を持ち、出身元企業からの給与補てんも認められている事実を示し、カジノ事業者にとって有利なルール作りが行われる疑念があると追及した。

 その後の政府の対応をただしたのに対し、武田良太カジノ管理委員会担当相は「(非常勤職員として雇っていた)公認会計士、弁護士を特定任期付職員として採用するための公募をした。特定任期付職員は出身元企業と兼業関係が生じず、給与も全額国が支給する」と答弁。

 私が、これまでの非常勤職員ではカジノ規制にあたっての透明性・中立性に問題があったと認めるものだ、と追及したのに対し、武田氏は「国民の疑念を払しょくしていかなければならない」と述べるにとどめた。

 特定任期付職員として雇ったとしても退職後に元の職場に戻ることができる。疑念を拭い去ることはできない。カジノ管理委員会には規制側と推進側の役所間の人事交流を規制する「ノーリターンルール」もない。カジノ管理委員会がカジノ推進機関になりかねない。野党のカジノ廃止法案の審議を求めた。

(4)黒川氏、カジノ解禁推進/法務事務次官時代内閣委員会、5月29日
 賭けマージャンを認めて辞職した黒川弘務前東京高検検事長が、法務事務次官時代に安倍政権が強行したカジノ合法化を推進していた問題を追及した。

 『時評』2017年9月号のインタビューで黒川氏が休日の過ごし方を聞かれ「海外に行った際には個人的な観点でIR(カジノを中核とする統合型リゾート)を視察する」「職業上の関心もかねて」と述べている。黒川氏がインタビュー直前の17年4~5月に、有名なカジノ施設があるシンガポールに海外出張している。IRを視察していたのか、とただした。

 法務省の山内由光審議官が「訪問先にカジノ施設は含まれていない」と答えたのに対し、私は、3日間の日程の中で、1日目は先乗りで何の日程も入っていない。2日目も3日目も夕方で日程が終わっている。カジノを訪れていたのではないかが問われると主張。

 17年前後はカジノ解禁の議論が進んでいた時だ。賭博・カジノを合法化する解釈変更を法務省が追認したのも黒川事務次官の時であり、「邸肝いり」のカジノ合法化に汗をかいたのがギャンブル好きの黒川氏だったのではないか、と迫った。

 法務省が、立案作業などに「必要な協力を行ってきた」としか答えなかったのに対し、私は、黒川氏がカジノ合法化に関わった経緯の資料を出すよう要求した。