国会での奮闘をご紹介します
 
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国会質問


●第180通常国会●
2012年3月28日 内閣委員会 新型インフル特措法可決/慎重審議と国民的議論を
 新型インフルエンザ等対策特別措置法案について、集会の制限など国民の人権に広く制限をかける規定が存在している。国民の理解と納得のないまま拙速に進めれば、結果として国民的な協力は得られない。

 同法案では、知事が新感染症のまん延を防止するとして、公園などでの集会・催し物の制限や停止、政令で定める措置を施設管理者に指示できる。

 施設管理者には集会主催者も入るのかと質問すると、中川正春内閣府担当相は「自然な議論だと、そういうこと」と答弁。

 制限する場所についても中川担当相は「専門家に議論してもらう」と答弁。制限する期間についても、明文に規定はなく「想定は1〜2週間程度だが、状況で変わる」と語り、人権の制限が無限定になりかねない実態が浮き彫りになった。

 情報開示も国民的議論もしない状況で懸念の声があがるのは当然だ。法案審議にあたって議論を透明化させ、国民的な意見を踏まえたものにしてこそ、国民の協力が得られる。

 その上で、新型インフルエンザの対策として、危機管理だけを議論するのではなく、日常的な地域医療体制の充実が必要だ。医師不足の解消をはかるなど、マンパワーの充実こそ非常時の一番の備えになる。

国民的議論が不足している

 新型インフルエンザ対策特別措置法が賛成多数で可決。専門家の意見聴取、各地での公聴会を含め徹底的かつ慎重な審議が必要だとして反対した。

 同法案は新型インフルエンザなど新感染症対策の強化を図るとして、予防接種の実施や緊急物資搬送のほか、催物の制限要請・指示など国民の権利制限が盛り込まれている。

 重大な感染症から生命と健康を守り、国民生活を守るのは喫緊の課題だ。その上で、検疫の人的体制や地域医療の強化など総合対策が議論されてきた。ところが、法案では多くの人が集まる施設の使用停止をはじめ人権を制限する規定が盛り込まれるなど、危機管理の角度からの対策が強調されている。

 対策のために人権制限が必要だとしても、要件や運用の方法について「国民的な議論や合意の積み上げが決定に不足している。閣議決定から3週間足らず、わずか5時間の審議で採決することに国民の理解と合意は得られない。


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2012年3月22日 総務委員会 NHK予算/被災者の受信料で減免広く
 2012年度のNHK予算の審議。東日本大震災被災者に対する受信料免除対象の拡大や、離島や中山間地など地デジ電波が届かない「新たな難視聴地域」の対策をNHK執行部に求めた。

 現在、原発事故の警戒区域や計画的避難区域、半壊以上の世帯については、受信料免除の規定があり、規定を被災者の実態に即して拡大する必要がある。仮設住宅など避難生活を余儀なくされている世帯も対象とするよう要望した。

 松本正之NHK会長は「免除世帯を拡大すると受信料収入が減少する」「最小限の範囲で実施すべきと考えている」と、消極的な答弁に終始した。

 NHKが「受信料10%還元」の一部として、被災世帯の解約も含んでおり、減免措置を規定すべきだ。さらに、生活保護相当の所得の世帯への受信料減免も具体化するよう求めた。

 また、新たな難視聴地域問題では、難視聴対策としてケーブルテレビに加入せざるをえない人たちが、NHK受信料と合わせて毎月5000円もの利用料を負担している場合もある。公共放送の公平負担の観点からも、月額料金を引き下げる方向での対策をとるよう求めた。


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2012年3月16日 質問主意書 秘密保全法制の有識者会議/未公開文書タイトル判明
 質問主意書で秘密保全法制をめぐる「有識者会議」の情報開示を求めたのに対し、政府は答弁書で、「有識者会議」の配布資料のうち、首相官邸ホームページ上で公開していない文書のタイトルを明らかにした。
 →「しんぶん赤旗」3月19日付に掲載の記事へ

質問主意書全文(PDF)
答弁書全文(PDF)
2012年3月16日 内閣委員会 イスラム諸国の留学生名簿を大学・専門学校が警察に提出/徹底調査、破棄せよ


 警視庁公安部が作成した疑いのある文書がインターネット上に流出した事件(2010年10月。大学や専門学校がイスラム諸国からの留学生名簿を警察に提出していた問題を取り上げた。

 流出文書では、留学生の把握数(表上)が示され「(東京農工大、電気通信大)の管理者から留学生名簿を入手、イスラム諸国人留学生179名を把握」「帝京大学に対する管理者対策により、サウジアラビア人留学生16名が在籍」などと記載されている。

 留学生のプライバシーの重大な侵害が疑われる。各大学の個人情報保護方針にのっとらず、警察を含む行政機関に個人情報を提供することは重大な問題だ。城井崇文部科学政務官は「法令に基づいて各大学の判断により適切に対応されるべきもの」と答えるにとどまった。

 留学生を受け入れている教育機関の大半が警察に名簿を提出した可能性がある。学校任せにせず国としての徹底調査を求めた。城井政務官は「法令に基づき適切に対応」との答弁を繰り返すだけ。

 あなたの国からの留学生は、犯罪者予備軍として個人データを警察で管理していると誤ったメッセージを発することになる。松原仁国家公安委員長に対し、警察内に名簿があるか調査し、その破棄を求めた。

 警察関係者280人、市民約1000人、法人・団体680の個人情報が流出したことに対し、おわびもないのは言語道断。被害者は精神的苦痛を受け経済的な不利益も被っている。謝罪すべきだ。松原委員長は「遺憾」と表明しながらも、謝罪は拒否。

 そんな答弁では警察の信頼は回復されない。

各大学におけるイスラム諸国からの留学生の在籍人数や名簿を把握していた警視庁公安部の流出資料の拡大


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2012年3月9日 質問主意書 「八ツ場不要」8例中6例/国交省作成の降雨モデル
 民主党・野田政権が公約を投げ捨てた八ツ場ダムの建設続行をめぐり、建設推進の国交省の計算でも八ツ場ダムが必要となる洪水は検討した8洪水中2洪水しかないことが明らかになった。
 →「しんぶん赤旗」3月13日付に掲載の記事へ

質問主意書全文(PDF)
答弁書全文(PDF)
2012年3月8日 総務委員会 消費税増税は被災地に冷酷な政治
 消費税大増税は、被災地にまで情け容赦なく襲いかかる冷酷な政治だ。

 被災地では防災集団移転など住宅再建の取り組みが進められている。消費税増税となれば大きな負担となる。野田佳彦首相は「復興もやらなければならないが、『一体改革』も待ったなしだ」と答え、増税の影響については言及しなかった。

 被災者はマイナスからのスタートで、増税は再びマイナスの状況に追い込む。

 宮城県石巻市の魚市場社長は「加工団地の復興が進まなければ雇用も石巻の復興もありえない」との訴えている。いよいよ復活という時期に消費税増税が押し寄せる。生業(なりわい)再建の障害になるた。

 野田首相は「グループ補助金や復興特区の法人税減免など、いろんな後押しの仕方はある」とのべ、まともに質問に答えなかった。

 あまりにも被災地の現状をわかっていない。暮らしも経済も壊す消費税増税は断固反対だ。

地方税・交付税法案が可決/財政さらに抑え込む

 予算関連法案である地方交付税法と地方税法の改定案が、衆院本会議で各党の賛成多数で可決され、反対は日本共産党だけ。

 総務委員会で反対討論。地方税法改定案について、原発事故被害に対する課税免除や減額措置の延長は当然だが、特定外貿埠頭(ふとう)の大規模コンテナ埠頭にかかる固定資産税と都市計画税に対する軽減措置の延長をはじめ、担税力をもつ事業者への優遇策の継続が含まれており、ただちに廃止すべきだ。

 さらに、住宅用地の固定資産税と都市計画税の負担軽減措置の据置特例を2年間の経過措置後に廃止することも、住宅用地の増税につながるもので行うべきではない。

 地方交付税法改定案について、政府の「財政運営戦略」を踏襲し、地方財政をさらに厳しく抑え込むものだ。一般行政経費や給与関係経費などを削減して社会保障関係費の自然増分に充てている。これ以上の地方財政の抑制や削減は許されない。


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「質疑」
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「反対討論」
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2012年3月7日 内閣委員会 秘密保全法制は検討過程も秘密扱い/国出先機関改革やめよ
 政府が提出をねらう秘密保全法案の原案を検討した政府の有識者会議が、警察庁や防衛・外務両省の官僚主導で進められ、同会議の報告書案さえ公表されていないことを政府が認めた。

事務局に警察・防衛官僚/議事録なし資料非公開

 秘密保全法案は、「秘密の漏えい阻止」を理由に国民の知る権利や取材の自由などを侵害するものだ。

 有識者会議の事務局について質問。中村昭裕内閣官房審議官は、同会議の事務局は内閣情報調査室が担当し、警察・防衛・外務からの出向者が多いと答弁。同調査室の事実上のトップである内閣情報官が歴代警察庁出身者であることも認めた。報告書に盛り込まれた秘密の範囲についても「事務局が例示したもの」だと答弁した。

 外務・防衛・警察といえば『秘密保護』でなく情報開示の徹底こそ求められている役所だ。警察官僚をトップとした事務局が提案を行ったのは重大だ。

 有識者会議の議事録が残されていなかった問題に加えて、会議資料が全て公開されているのかと追及。藤村修官房長官は「資料の中に機微な情報を含むものがある」と答え、非公表資料の存在を認めた。

 当然公表されるはずの報告書案すら開示されておらず、議論の経緯がわからない。秘密でないものすら秘密扱いにしていることが検討過程でも明らかだ。法案策定をただちにやめるよう求めた。

出先機関廃止に反対/住民の立場で議論を

 447の市町村長が参加する「地方を守る会」が国の出先機関廃止に反対する決議を採択した。市町村からみた出先機関の役割についてきちんと検証を行うべきだ。法案提出に反対だ。

 「大震災で出先の役割が改めて認識された」という市町村長の声がある。川端達夫総務相は「役割を果たしたのは事実」と認めた。

 さらに、安全安心の立場から地方整備局のどこに問題があるのか。これに対して川端総務相は、「欠点があるからという発想ではない」と述べた。

 出先機関の役割について議論されておらず、まして住民の立場からの議論はない。そもそも公共サービスの後退につながる公務員総人件費2割削減方針に基づく出先機関廃止は撤回すべきだ。


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2012年3月6日 総務委員会 復興交付金/「要件緩和協議したい」と副大臣
 東日本大震災の被災自治体の復興事業を財政支援する復興交付金について、被災者や自治体が柔軟に活用できるように求めた。

 宅地地盤被害は国交省集計でも111市町村5467件にのぼるのに、交付が通知されたのは12自治体にとどまっている。液状化被害も79市町村2万6914件の被害に対し6自治体しかない。住民の要望に応えるよう見直すべきだ。

 末松義規復興副大臣は「もっと要件緩和できるか協議したい。制度そのものに申請が出せない要件があるのかを調べたい」と述べた。

 また、復興の基幹事業に関連して展開される「効果促進事業」の運用改善を求めると、末松副大臣は「できるだけ柔軟にやっていく」と述べた。

 さらに、震災復興特別交付税の活用について質問。液状化で被害を受けた下水道復旧事業などに地方自治体が一般会計から経費を繰り入れた場合、「全額措置されるのか」とただした。川端達夫総務相は「地方単独の災害復旧事業についても対象となる」と答えた。

 また、災害復旧に限定せず復興事業も対象にするよう要請したのに対し、川端総務相は「検討したい。実情を聞いて財政の支障がないように対応していく」と述べた。


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2012年3月5日 予算委員会分科会 「一括借り上げ」は評価するが 応急仮設の仕組み見直を
 東日本大震災の被災者が入居している雇用促進住宅など応急仮設住宅の環境整備と運用改善を要求。

 政府は災害救助法にもとづいて住宅を借り上げ、被災者に提供している。借り上げの遅れている雇用促進住宅やUR賃貸住宅についてただしたのに対し、厚労省、国交省の担当者は、宮城、岩手、福島の被災3県が一括借り上げする方向で応急仮設住宅として認定することを表明した。

 また、エアコンや給湯器などの付帯設備の設置費用についてただすと、厚労省、国交省は災害救助法に基づき国が支払うことを表明した。UR賃貸住宅で未設置だったエアコンの取り付けが可能になる。

 「一括借り上げ」について評価するが、応急仮設住宅としての認定が進まなかった背景には、災害救助法の仕組みに問題がある。自治体が丸ごと被災した場合では、被災自治体が被災住民の救助を行い、国が被災自治体を支援する災害救助法の仕組みがうまく機能しない。被災地に入って応援している応援自治体が国に直接、救助費用を請求できる仕組みに改めるべきだ。

 小宮山厚労相は「防災対策推進検討会議で関係者、有識者の意見を聞きながら検討する。委員の指摘は私の方から(会議に)提起する」と答えた。

雇用促進住宅/被災者入居の延長を

 雇用促進住宅に入居する被災者の入居期限の延長を求めた。

 雇用促進住宅を含む民間借り上げ住宅の入居期間延長を福島県から要望されている。2年間という入居期限を見直し、安心して復興に取り組めるようにすべきだと要求。小宮山洋子厚労相は「期日がきたからといって切らないようにする」と答弁。

 さらに、政府が雇用促進住宅を2021年までに譲渡・廃止する閣議決定を行い、784の住宅は来年3月末までに入居者の退去手続きを進める方針をとっている。雇用促進住宅には“派遣切り”にあった労働者も入居している。既存入居者を一方的に追い出すことは許されない。

 小宮山厚労相は「(被災者とは)ケースが違うので、それぞれで検討する」と答弁。

 被災者の入居延長を認めるのであれば、同じ雇用促進住宅に住む既存入居者と区別する理由はない。実態を無視して追い出すやり方はやめるべきだ。


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2012年3月1日 総務委員会 国公賃下げ法地方波及やめよ/被災自治体職員体制強化/液状化対策
 前日に成立した国家公務員の賃下げ法。地方公務員や民間労働者に波及させることはあってはならないと、ただした。川端達夫総務相は「地方公共団体に要請や強制は考えていない。地方財政計画では、賃下げ法と同様の措置を一律に実施することを前提に、給与関係経費を計上することは考えていない」と答えた。

 全国知事会が「地方公務員の給与は、国家公務員給与削減後の額を基準とするのは不適当」と述べ、中核市市長会は「引き下げを地方交付税に反映させるのは承服できない」と決議している。地方自治体に賃下げを押し付けることは許されない。国家公務員の賃下げが民間労働者の賃下げを招く悪循環から抜け出さなければならない。義務教育費国庫負担金や保育所運営費国庫負担金を削減すべきではない。

 文部科学省の城井崇政務官は、給与引き下げを押し付けないとした総務省と「同様の考えだ」と答弁。厚生労働省の辻泰弘副大臣は「賃下げ法は国家公務員に対する特例措置なので、民間の保育士の積算を準拠させるのは適当でない」と答えた。

被災自治体の人員不足に措置を

 被災地の復旧復興事業にあたる自治体職員が不足している実態を示し、国が財政的措置など責任を果たすよう求めた。

 「公共事業が数十倍になったのに技術者は10人しかいない」(宮城県山元町)など、被災自治体の声を紹介。総務省は、長期派遣職員の要望人数568人に対し、申し出は340人にとどまっていることを明らかにした。

 派遣元の自治体も人員不足であり、被災自治体では、復興業務に従事する職員の直接雇用を始めている。人件費を震災復興特別交付税で全額措置するよう求めた。

 川端達夫総務相は「その必要性を認識している。常勤職員を採用した場合は全額を震災復興特別交付税で措置する。任期付き職員の場合でも同様の措置を講ずる」として、24日付でその通知を行ったと答えた。

 この人件費の支援期間は5年間だが、復興基本方針では復興期間が10年である。10年間または復興期間に見合って、被災自治体の負担とならない財政措置をとることを要求。川端総務相は、復興事業を円滑に進めるという趣旨をふまえ、検討していく考えを示した。

液状化/個人の負担を軽く

 液状化対策推進事業を進めるには、計画区域内の所有者や倍地権者の3分の2以上の同意が必要。この同意は、金銭的負担を認めることが要件なのかと質問。国土交通省は「金銭的負担が明示されているものではない」と答えた。

 事業を進めるために、同意の要件について柔軟な対応をするべきだ。


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2012年2月29日 予算委員会 復興業務の国家公務員残業代不払い是正を/液状化対策
 震災復興、原発事故に国家公務員が長時間労働で対応している実態があるのに残業代が不払いとなっている疑いがある。残業実態を調査し、是正するよう求めた。

 2010年度は、震災後に政府全体で残業代のため16億円以上も予算を流用しているにもかかわらず、11年度は経済産業省が1億6千万円を流用しているだけだ(左下表参照)。水産庁は、太平洋沿岸の漁港が壊滅的な被害を受けたため、前年度比5倍の予算で漁民支援やインフラ復旧に取り組んでいるにもかかわらず、残業代支払額が8月分以降は前年度を下回っている。組織的に不払いを指示しているのではないか。調査すべきだ。

 鹿野道彦農林水産相が「赤潮対策など多様な業務で多かった」と答弁。

 1次から4次補正予算まで、すべて水産庁関係予算が計上されている。復興のため努力しているのに、残業時間が前年度より少ないのは納得できない。

 環境省や文科省、国交省など他省庁も残業代を増額しておらず、一部の増額にとどまっている経産省を含めて全省庁で不払いとなっている疑いがある。復興のために人員体制強化こそ求められており、定数や給与を削減し、そのうえ残業代まで支払わないのは許されない。

液状化/首長の声紹介

 東日本大震災に伴う液状化被害問題をとりあげ、個人負担の軽減などを求めた。

 2月24日に千葉県で行われた衆院予算委員会の地方公聴会で、「半壊以上の被害が3600棟。今なお苦しんでいる方もいる」(松崎秀樹・浦安市長)、「修繕には建て替えに近い額がかかる」(宇井成一・番取市長)など、健康被害や財政負担問題について意見が出された。被害住宅の復旧には、地盤、家屋、家周りの修繕で1千万円超の費用がかかり、松崎市長は国の液状化対策推進事業は、個人負担が重く「実現可能性の低い事業だ」と批判している。

 同事業が道路などの公共施設と住宅地の液状化対策を一体的に進めるものであり、個人負担をいかに軽減するのかが、液状化対策を進める最大のポイント。効果促進事業の活用や、地域の実情に応じて使える取り崩し復興基金の活用などを求めた。

 平野達男復興担当相は「個人負担が過重なものとならないように努力したい」と述べた。


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2012年2月24日 予算委員会地方公聴会 液状化対策は国が支援を
 千葉市でおこなわれた予算委員会の地方公聴会で質問。大震災からの復興策などで意見が相次いだ。

 松崎秀樹浦安市長や宇井成一香取市長が国の復興交付金の使い勝手の改善を訴えた。松崎氏は「液状化対策を正面に受け止める(交付金対象の)事業が極めて少ない。市街地液状化対策事業も実現可能性が低い。宅地は国の支援が得られず所有者の費用負担が数百万円にのぼるが、個人負担を強いることはできない」。宇井氏は「交付金に30項目を申請したが、2項目だけで出し直した。災害査定や交付金の効果促進事業の運用に柔軟な対応をお願いしたい」と述べた。

 わたしからは、市街地の液状化対策事業は、所有者個人の負担が前提ということが障害になっている。健康被害が起き災害救助法の住宅応急修理など制度の併せ技で負担軽減ができないか、と質問。松崎氏は「(支援の)期間を長くしてほしい」と応じた。

 また、農地の液状化被害で表面に浮き上がった砂によって収穫量が落ちる問題などに対して国の支援がかみ合っているか聞くと宇井氏は「大変悩ましい問題で、市民からも要望を受けている」と答えた。


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2012年2月23日 総務委員会 公務員賃下げ法案可決/反対討論
 民主、自民、公明3党が提出した国家公務員給与削減法案が、衆院本会議で採決され、3党などの賛成多数で可決。日本共産党と社民党は反対した。

 同法案は、平均0・23%削減を求めた11年度人事院勧告(人勧)を昨年4月にさかのぼって実施した上で、12、13年度に平均7・8%削減するもの。

 民主、自民、公明3党の密室協議による国家公務員給与削減法案。不利益を被る国家公務員の労働組合の意見さえ聞かずに短時間で採決することは許されない。

 国家公務員給与は生計費であり、複数年にわたる7・8%もの削減は許されない。

 国家公務員が自ら被災しながらも東日本大震災の被災者支援、復旧・復興に貢献してきたにもかかわらず、法案提出者は「被災者である国家公務員も別扱いしない」と答弁。

 被災者の生活再建なしに復興はない。復興に逆行するものだ。

 国家公務員給与は1999年をピークに連続的に減少している。

 江利川毅人事院総裁は、被災地である東北地方の国家公務員の給与は12年間で19%引き下げられていると答弁。

 労働基準法91条が、民間労働者への減給処分の上限を賃金総額の10分の1としている。

 金子順一労働基準局長は、「同条の趣旨は、減給の制裁は一定の限度にしないと、労働者の生活を脅かすからだ」と答えた。

 江利川総裁は課長級以上に対する10%減給が、懲戒処分の水準と同じだと認め、飲酒後、部下にタクシー車両でセクハラ行為をしたことで減給した例があると答えた。

 同じような措置を全ての国家公務員に賃下げという形でおしつけるものだ。生計費である給与は無駄や浪費ではない。削るべきは八ツ場ダムなどの無駄だ。法案の撤回を強くもとめた。

 本会議の採決に先立ち、総務委員会での質疑に続いて、反対討論に立った。

 国家公務員にたいする労働基本権の制約をそのままにしながら、その代償措置である人事院勧告制度さえ無視して、一方的な不利益を国家公務員に押し付ける二重の憲法違反になる。労働基本権の全面的な回復こそ国会がやるべきことだ。

 また、東日本大震災被災地の国家公務員からも例外なく給与を削減することは、復興に逆行するものだ。さらに、国家公務員の給与削減が、地方公務員や独立行政法人など約600万人に及び、民間労働者の給与にも大きな影響を与える。国家公務員給与の大幅削減は、国民全体の所得減少の悪循環をまねき、内需を冷え込ませ、財政の悪化をもたらす。

 さらに、自民・公明両党が地方自治体にも、公務員給与引き下げを押し付ける改悪修正を行ったことは、地方経済をさらに冷え込ませる。


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2012年2月3日 総務委員会 被災者支援/雇用促進住宅も手厚く
 雇用促進住宅に入居する5068戸、1万5千人(12月末時点)の被災者に対する支援の遅れ問題を追及。

 仮設住宅は災害救助法により給湯器やエアコン、照明器具、ガスコンロ、カーテンが設置される。ところが雇用促進住宅は同法が適用されておらず、入居時はガスコンロと照明器具しか設置されていない。エアコンも被災者からの要望で、やっと設置された状況。

 福島県から栃木県佐野市の雇用促進住宅に避難している被災者は、自費で給湯器を設置している。入居先で支援内容に差があってはならない。国の責任でただちに設置するとともに、自費で購入した場合は遡及して支援することを求めた。

 川端達夫総務相は「差が出ることは好ましいと思っていない。地方公共団体と連携をとり、こういうことがないよう取り組みたい」と答弁。一方、牧義夫厚生労働副大臣は「被災県の法適用の手続きが遅れている」と責任を地方に押し付け、遡及についても「災害救助法の趣旨に逸脱している」と答弁した。

 被災者に何の瑕疵もない。被災者がやむなく自費で負担した分を手当てするのは、当然だ。

 岩手・宮城・福島の3県以外にも避難者がいる。埼玉県は避難者数さえ把握していない。すべての被災者を把握し、視野に入れて支援策を行うべきだ。


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2012年2月1日 予算委員会 八ツ場ダムの検証/被災者の負担免除、手当延長を/政府の姿勢を追及
八ツ場ダムの検証は“身内”/ムダ続けての増税とんでもない

 民主党が公約を投げ捨てて建設継続を決めた八ツ場ダム(群馬県長野原町)の検証について、実質的な協議の場に参加した1都5県のダム担当部長のうち、4県の部長が国交省と総務省からの出向者で、“身内の検証”だったことを明らかにし、八ツ場ダム推進の国交省関係者ばかりが集まって、どうしてまともな検証ができるのかを追及した。

 八ツ場ダム検証の場となったのは、国交省関東地方整備局と1都5県のダム担当部長による「検討の場」の「幹事会」。メンバーのうち、群馬、茨城、千葉の関係部長は国交省の出向者で、埼玉の関係部長は総務省の出向者。メンバー13人の4割が政府からの出向者だった。

 群馬の県土整備部長は「完了が間近な段階になって…検証するのはなじまない」と発言していた。『八ツ場ダム推進』という予断を持つ身内による『検証』では信頼度はゼロだ。

 さらに、2004年度以降、八ツ場ダム関係の工事・業務契約をした企業や団体に国交省から104人が天下りし、天下りを受け入れた46法人の八ツ場ダム関連契約額が約150億円に上っている。八ツ場ダムを必要としているのは国民や県民ではなく、天下りを受け入れる受注企業や団体ではないのか。企業・団体献金を禁止し、天下りを根絶して、「ダム利益共同体」を解体すべきだ。

 野田佳彦首相は「予断なく(検証の)プロセスをたどってきている」と弁解に終始。

 まともな検証なしの八ツ場ダム推進の結論は許されない。ムダ遣いを続けながらの消費税増税などとんでもない。


被災者の医療・介護費負担免除、失業手当延長を

 政府が被災者の医療・介護費負担免除措置を2月末までに打ち切ろうとしていた問題。仮設住宅の寒さ。健康悪化の心配、失業。これが被災地の状況だ。そんなときに打ち切るとはとんでもない。政府の冷たい計画だ。

 小宮山洋子厚生労働相は、原発事故の警戒区域の住民については免除措置を一年間延長するとともに、計画を見直して国保、後期高齢者医療、介護保険での一部負担免除を9月まで延長することや、被用者保険についても協会けんぽが一部負担金免除を継続すると答弁。

 継続延長は被災地からの切実な要望があったからだ。入院、入所時の食事療養費など(ホテルコスト)の免除は打ち切られる。

 特養ホームに母親を入所させている被災者から「仮設住宅で介護は無理。月額負担は約3万円にもなる。免除を延長してほしい」との声が寄せられている。負担能力を失っている被災者に新たな負担を求めるのは生活再建の妨げになる。

 失業手当延長も、3月には7000人が、9月末には全員が打ち切られる。手当が切れた人の半数は就職先が決まっていないと、厚労省の調査結果で明らかになっている。工場が復旧せず仕事をしたくてもできない″などの実態がある。職に就けない人を見捨てるのか。

 小宮山厚労相は「仕事(に就く支援)に力を入れるのが重要だ」と答弁。

 あまりにも冷たい仕打ちだ。失業手当が切れれば、求職のため被災地を離れる人が増え復興の担い手が失われる。失業手当の延長を求めた。


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「しんぶん赤旗」2月2日付に掲載の記事
論戦ハイライト/国交省出向者ゾロゾロ/八ツ場ダム/“お手盛り検証”/塩川議員、実態示す
記事を見る(「しんぶん赤旗」に外部リンク)


「しんぶん赤旗」2月2日付に掲載の記事
制作・出演は国交省/塩川議員が明らかに/八ツ場ダム/“建設先にありき”の茶番/4人の出向者が議論リード
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