私は、訪問介護事業者ゼロの自治体増加など「介護崩壊」が進むなか、訪問介護制度の規制緩和を狙う政府を「介護労働者の負担を増やし、人手不足を拡大させる」と批判し、抜本的な介護報酬引き上げと介護労働者の賃上げこそ必要だと主張しました。
私は「しんぶん赤旗」の調査を示し、昨年末時点で訪問介護事業所がゼロの自治体は前回調査から半年間で1自治体増えて116町村、事務所が一つしかない自治体は前回から10増えて279町村となったと告発。上野賢一郎厚労大臣も「厳しい状況にある」と認めました。私は、政府が2024年度に訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げ、「訪問介護事業所の空白地帯を拡大させた責任は極めて重大だ」と迫り、訪問介護の基本報酬を元に戻すよう強く求めました。
私は、こうした中で政府がやろうとしているのは規制緩和だと指摘。人口減少地域での管理職や専門職の常勤・専従要件の緩和、夜勤要件の緩和、訪問介護の月単位の定額払い制度の導入などを盛り込んだ法案を今国会に提出しようとしていることについて、厚生労働省の審議会の委員から、人員配置基準の緩和はサービスの質の低下を招くと共に、職員の業務負担を増やし、人員確保を一層困難にすると反対の意見が出ていると強調。「配置基準の緩和を行えば、職員の負担が増えて、なり手不足が深刻化するのではないか」と追及しました。上野厚労大臣は「中山間、人口減少地域では特に人員確保が課題となっている」ことを認めつつ、その対策として『柔軟なサービス』提供を可能とする配置基準の緩和など規制緩和を進める姿勢を示しました。
私は「根本原因の低すぎる介護報酬をわきに置いて、規制緩和でその場しのぎをすることは、介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行する」と強調し、「住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められない」と批判。24年の介護職員の賃金は全産業平均より8万3000円低いと指摘し、「いつまでに全産業並みにするのか」と追及。上野厚労大臣は「来年度、臨時の介護報酬改定を行い、最大1.9万円の処遇改善を進める」と答えたのに対し、塩川議員は「8.3万円の差を埋めるのにはあまりに不十分だ。達成目標時期も示せない」と批判し、抜本的な介護報酬拡充こそ必要だと主張しました。
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訪問介護の人手不足加速/衆院予算委/塩川氏 規制緩和方針を批判
「しんぶん赤旗」3月12日・1面より
日本共産党の塩川鉄也議員は11日の衆院予算委員会で、訪問介護事業所ゼロの自治体の増加など「介護崩壊」が進むなか訪問介護制度の規制緩和を狙う政府の方針を批判し、「介護労働者の負担を増やし、人手不足を拡大させる」として規制緩和は認められないと追及しました。
塩川氏は、「しんぶん赤旗」の調査を示し、昨年末時点で訪問介護事業所がゼロの自治体は前回調査から半年間で1自治体増えて116町村、事業所が一つしかない自治体は前回から10増えて279市町村となったと告発。上野賢一郎厚生労働相も「厳しい状況にある」と認めました。塩川氏は、政府が2024年度に訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げ、「空白地域を拡大させた責任は極めて重大だ」と迫り、訪問介護の基本報酬を元に戻すよう求めました。
塩川氏は、政府が人口減少地域での管理職や専門職の常勤・専従要件の緩和や、夜勤要件の緩和、訪問介護の月単位の定額払い制度の導入など規制緩和を進める法案を今国会に提出する方針だと指摘。厚労省の審議会の委員から人員配置基準の緩和は、サービスの質の低下や職員の業務負担増加につながるなど反対の声があがっているとして、多くの事業所が人手不足で苦しむなか、「規制緩和を行えば、職員の負担が増えて、かえって人員不足を拡大させるのではないか」とただしました。
上野厚労相は、人材確保は大きな課題と認めつつ「必要な法案を今国会に提出すべく検討を進める」と述べました。
塩川氏は、「介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行する」と強調し、「住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められない」と批判。24年の介護職員の賃金は全産業平均より8万3000円低いと指摘し、抜本的な介護報酬の拡充と介護労働者の処遇改善を強く求めました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年3月11日(水曜日)予算委員会 第9号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、介護事業所の深刻な実態、特に訪問介護事業所の深刻な実態について質問をいたします。
東京商工リサーチ調査によると、介護事業所の倒産、休廃業件数は過去最多となっております。二〇二五年の倒産は百七十六件で、二年連続で最多を更新し、うち訪問介護が九十一件を占めております。休廃業、解散は六百五十三件で、四年連続で最多を更新をしております。うち訪問介護が四百六十五件を占めております。訪問介護事業所の経営困難は、重大な事態だと言わざるを得ません。
こうした下で、自治体に訪問介護事業所が一つもない、そういう地域が全国に増加をしております。
配付資料を御覧いただければと思いますが、一枚目が、訪問介護事業所数ゼロ、そして残りが一つとなった自治体数の推移であります。二枚目の方が、訪問介護事業所数がゼロ、また残り一つという自治体の一覧表であります。
厚労省が半年に一回公表しているデータに基づき、我が党のしんぶん赤旗が調査をしたところ、訪問介護事業所が一つもない自治体が昨年末時点で百十六町村となったことが明らかになりました。前回調査から半年間で一自治体が増加しています。事業所が一つしかない自治体は、前回から十増加をして二百七十九町村になりました。訪問介護事業所がゼロ又は一という自治体が合わせて三百九十五自治体に上る、全自治体数の四分の一近くに当たるということであります。
上野大臣にお尋ねします。このような地方における訪問介護の実態は極めて深刻ではありませんか。
○上野国務大臣 まず、訪問介護につきましては、長引く人手不足や燃料代などの上昇などにより厳しい状況にあると認識をしております。そうした中ではございますが、訪問介護の事業所数につきましては、経年で見ますと、全事業所の一割程度が休止、廃止をしておりますが、一方で、新規、再開をする事業所数はそれを上回っており、差引きでは増加傾向にあるのも事実でございます。
御指摘の訪問介護事業所のない自治体につきましては、今し方委員からお示しをいただきました、昨年十二月末時点で全国に百十六町村存在をしております。このうち直近の半年間で事業所が確認できなくなった町村につきましては、訪問介護やそれに相当するサービスの利用が継続をしている、このことを確認しているところであります。
今後とも、事業所が確認できなくなった市町村についても、個別の状況、これを十分確認をしながら、引き続き丁寧な対応に努めていきたいと考えております。
○塩川委員 厳しい状況と認識しているということであります。一方で、ゼロ自治体のところにおいてもサービスは提供されているという話ですけれども、それは隣から入ってくるわけですよ。そうすると、実際には近隣自治体の事業所によるサービス提供によって賄われているわけで、それは引き受ける事業者の方にすると新たな負担となるような実態にもなっているわけであります。
介護分野の人手不足が深刻な下で、その負担の分、地元での受入れ、隣の自治体が引き受けてくれるといっても、自分の今担当している自治体でのサービスを削らざるを得ないということも出ているわけですから、極めて深刻なわけで、このように地域に訪問介護事業所がゼロということは、まさに介護崩壊そのものであります。地域のサービス提供が後退することが悪循環ともなっている。
そもそも、なぜ訪問介護事業所がこれほど深刻な状態に追い詰められているのか。政府は、二〇二四年四月に訪問介護の基本報酬を二%から三%引き下げました。厚労省が引下げの根拠とした調査でも、訪問介護事業所の四割近くが既に赤字だったわけであります。地域で必死に頑張って踏みとどまってきた事業所の方に対して、政府は基本報酬を引き下げて更に追い詰め、空白地域を拡大をさせてきた、その責任は極めて重大であります。
訪問介護の基本報酬の引下げ、これはまず直ちに元に戻すべきではありませんか。
○上野国務大臣 まず、訪問介護事業者の経営状況につきましては、地域の特性、事業所規模、事業形態等により様々でありますので、こうした状況に応じた対策を講じることが必要であると考えております。
このため、令和七年度の補正予算におきましては、人手不足などの影響によって厳しい状況にある、そのことを踏まえまして、介護職員の賃上げ、職場環境改善に対する支援、あるいは物価上昇への対応としての重点支援交付金、また、物価上昇の影響がある中でも介護サービスを円滑に継続をしていただくための訪問移動に伴う経費等への支援、様々な支援措置などを盛り込んでいるところであります。
また、これらの緊急的な対応に加えまして、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護報酬改定を実施することとしております。
こうした取組を通じまして、訪問介護のヘルパーの皆様を含め、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善、これに向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。まずは、これらの支援を速やかにお届けできるようにしっかりと取り組んでまいります。
○塩川委員 この間、緊急措置をやったとしてもゼロ自治体は増えているわけですよ。その対応策そのものが極めて不十分だということが言われているわけで、まずは基本報酬の引下げを元に戻せ、それに加えたしっかりとした支援策こそ必要であって、期中改定の話もありましたけれども、基本報酬の引上げは入っていないわけであります。介護職員の賃上げ支援、これをしっかりやるのはもちろん当然のことでありますけれども、赤字で苦しむ事業所への支援として基本報酬の抜本的な引上げが必要であります。
ところが、政府が今やろうとしていることは何か。こういった介護保険制度への支援を手厚くすることではなく、規制緩和措置を検討している。この間、社保審の介護保険部会でも意見書も出されておりましたけれども、高齢者の人口が減る人口減少地域では、管理職や専門職の常勤、専従要件の緩和や夜勤要件の緩和、訪問介護での月単位の定額払い制度の導入など規制緩和推進が図られようとして、今国会に関連する法案を出すということも言われております。
こうした規制緩和に対しては、社保審の介護保険部会でも、質の確保に対する懸念があるとの意見が幾つも出されておりました。人員配置基準の緩和については、サービスの質の低下、職員の業務負担の増加、それに伴う離職の誘発で人材不足の加速が懸念されるため行うべきではないとか、医療や介護の複合的なニーズを持つ高齢者の増加が見込まれる中、人員配置基準の緩和は利用者へのケアの質の低下に直結をし、職員の負担の観点からも慎重に判断する必要があるといった意見などが寄せられております。
大臣にお尋ねしますが、多くの訪問介護事業所が苦しんでいるのが、極めて深刻な人手不足の問題であります。地方で訪問介護に従事する仕事のなり手がいないのは、賃金を始めとした処遇が余りにもひどいからであります。今述べたような規制緩和策を行うようなことになれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を加速することになるだけではありませんか。
○上野国務大臣 訪問介護につきましては、やはり、特に人材確保、これが大きな課題になっていると認識をしております。
このため、先ほど申し上げました補正予算による賃上げへの支援、そうしたものに加えまして、提供体制の確保に向けた各種の支援策、またICTを活用した現場の負担軽減、また訪問介護を含めまして外国人介護人材の着実な受入れ整備、そうした総合的な対策に取り組んでいるところであります。
また、二〇四〇年に向けましては、高齢者人口が減少してサービス需要も減少する中山間、人口減少地域、ここでは特に人材確保に課題があることから、訪問介護も含めまして、地域の実情に応じて柔軟なサービスを提供することが可能となるような仕組みの創設等につきまして、関係審議会で議論を行ってきたところでございます。こうした議論も踏まえまして、必要な法律案、今国会に提出をすべく、引き続き検討を進めていきたいと考えています。
○塩川委員 この中山間地域などのサービスについて、柔軟なサービスの提供という格好で、要するに規制緩和措置によって人手のカバーをするような、そういうサービス提供体制にしていくという方向であれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を困難にすることになりはしませんか。
○上野国務大臣 いずれにいたしましても、関係審議会等の議論におきましても、そうした選択可能な制度の必要性につきましては議論を頂戴しているところでありますので、様々なお声を頂戴をしながら、しっかり検討を進めていきたいと考えています。
○塩川委員 この低過ぎる介護報酬という根本原因というのを脇に置いて、規制緩和で基準を下げてその場しのぎをするということは、介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行することになります。住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められません。
そもそも、人手不足のところで、そのやりくりのために規制緩和をやるというのであれば、より一層の負担増加をすることになって、かえって人手不足を拡大をすることになる、これこそ問われている問題だということであります。行うべきことは、介護労働者の処遇改善だ。
昨年の総合経済対策では、介護分野の職員の処遇改善について、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和八年度介護報酬において必要な対応を行うとあります。二〇二四年の介護職員の賃金は、全産業平均と比べて月額八万三千円の差があります。他職種と遜色のない処遇となる全産業平均の賃金を来年度達成するということなんでしょうか。他職種と遜色のない全産業平均、これはいつまでに達成するんですか。
○上野国務大臣 まず、令和八年度の介護報酬改定においてでございますが、介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月一万円、三・三%の賃上げを実現する措置、これに加えまして、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月〇・七万円、二・四%の上乗せ措置を実施することとしております。また、介護職員につきましては、累次の取組の中で過去最大の水準となる、定期昇給込みで最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現する措置を実施することとしておりますので、これは春闘等のレベルを超えた処遇の改善につながると考えております。
○塩川委員 月一・九万円なんかじゃとても足りないわけですよ。そもそも全産業平均に比べて八万三千円の差がある。この数年間、差が縮まるどころか、かえって拡大しているのが現状なんですから。こういった状況を放置したままで、地域の介護保険制度をしっかりと維持することができないことは明らかだ。この差を達成する時期も示すことができませんでした。
介護報酬の抜本的な拡充と介護労働者の抜本的な処遇改善を行うことを強く求めて、質問を終わります。