【「しんぶん赤旗」掲載】国民守る緊急対策を/補正予算/党国会議員団が政府要請

「しんぶん赤旗」5月30日・2面より

 日本共産党国会議員団は29日、政府が国会に提出する補正予算案の編成にあたり、米・イスラエルのイラン攻撃による物価高・資材不足から国民の暮らしと営業を守るための緊急対策を行うよう政府関係省庁に要請しました。

 小池晃書記局長、山添拓政策委員長、私、吉良よし子、岩渕友両参院議員、辰巳孝太郎衆院議員が参加。14日に首相官邸に提出し発表した5項目の緊急対策をもとに要請しました。

 ▽中小企業の資金繰り支援のための特別融資制度創設や休業補償▽燃料費・光熱費など固定費補助▽税・社会保険料の支払い猶予措置▽資金繰りへの措置▽雇用調整助成金の助成率・上限額引き上げ―などを要望。中小企業庁や厚生労働省の担当者は「慎重な検討が必要」「(制度の)利用者が少なく、行う状況にない」などと述べ、補正予算でこれらの措置は「考えていない」と答えました。

 小池氏は「(支援制度の)申請を諦めている実態があり、要件を緩和するなど利用しやすくすることが政府の仕事ではないか」と指摘しました。

 山添氏は「死活的な影響を受けている業者がおり、思い切った対応が必要」と主張。岩渕氏は「廃業者が増え、コロナ禍よりひどくなるのではと危惧している」と述べ、東京都中野区や高知県などでは、無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を始めたとして、国でも行うべきだと説きました。

 議員団は医療機関、農林水産業者、建設業者への支援、ナフサの供給などでも適切な対応を求めました。医療用手袋の供給について厚労省は、約2700の医療機関に1140万枚配布し、在庫は4億9000万枚あることを明らかにしました。

【内閣委員会】特殊詐欺被害額、5年で12倍に/対策予算の抜本的増額を

 特殊詐欺の対策強化を目的とした犯罪収益移転防止法改正案の採決を行い、全会一致で可決しました。私は質疑で、拡大する特殊詐欺の被害を防止するため、対策予算の増額を求めました。

 私は、2021年から25年の特殊詐欺の認知件数が14498件から43000件と3倍に、被害額は282億円から3257億円と約12倍に増加したことを確認し、特殊詐欺対策の広報・啓発予算の推移を質問しました。警察庁は「21年度以降は1億6000万円で変わっていない」と答弁。私は「特殊詐欺の認知件数、被害額ともに大幅に拡大しているのに予算額を増額しないのか」と追及。あかま二郎国家公安委員長は「どのような広報・啓発が有効かを踏まえて予算額を検討する」と述べるに留まりました。私は「抜本的な増額が必要だ」と強調しました。

 私は貧困問題に取り組む識者による「若者が『闇バイト』に走る背景には、そもそも勤労によって十分な報酬を得ることが難しい一方、働かずに所得を増大させていく者たちもいて、『まじめに働くのがばかばかしい』という感覚がある」との指摘を紹介し、「アベノミクスの下、大企業・大株主が富を増やす一方で、労働者の実質賃金はマイナスになり、負担増だけが強いられる。こういった政治の転換こそ『闇バイト』をなくしていく大きな力になる」と主張しました。

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特殊詐欺対策予算増を/衆院内閣委/塩川氏「被害防げ」

「しんぶん赤旗」6月1日・2面より

 特殊詐欺対策強化を目的とした犯罪収益移転防止法改正案が29日の衆院内閣委員会で全会一致で可決しました。日本共産党の塩川鉄也議員は質疑で、拡大する被害を防止するため、対策予算の増額を求めました。

 塩川氏は、2021~25年の特殊詐欺の認知件数が1万4498件から4万3000件へと3倍に、被害額は282億円から3257億円へと約12倍に増加したことを確認した上で、特殊詐欺対策の広報・啓発予算の推移を質問すると警察庁は「21年度以降は1億6000万円で変わっていない」と答弁。塩川氏は「特殊詐欺の認知件数、被害額ともに大幅に拡大しているのに予算額を増額しないのか」と追及しました。赤間二郎国家公安委員長は「どのような広報・啓発が有効かを踏まえて予算額を検討する」と述べるにとどめました。塩川氏は「抜本的な増額が必要だ」と強調しました。

 塩川氏は、貧困問題に取り組む識者による「若者が『闇バイト』に走る背景には、そもそも勤労によって十分な報酬を得ることが難しい一方、働かずに所得を増大させていく者たちもいて、『まじめに働くのがばかばかしい』という感覚がある」との指摘を紹介。「アベノミクスの下、大企業・大株主が富を増やす一方で、労働者の実質賃金はマイナスになり、負担増だけが強いられる。こういった政治の転換こそ『闇バイト』をなくしていく大きな力になる」と主張しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月29日(金曜日)内閣委員会 第16号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 犯罪収益移転防止法改正案について質問をいたします。

 資料をお配りしておりますが、二〇二五年の特殊詐欺の認知件数は四万三千件、被害額は三千二百五十七億円に上ります。二〇一六年は、一万四千百五十四件、四百七億円。ここから大幅に増加をしております。

 極めて重大な事態で、様々な対策を取っているにもかかわらず被害件数、被害額が増えている理由の一つに、特殊詐欺の新たな手口、形態が次から次へと生み出されているということがあります。

 特殊詐欺の手口、形態について、警察庁として幾つに区分しているのか、そのうち、この十年間で新たに区分した手口、形態はどんなものがあるのかについてお答えください。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 警察庁におきましては、特殊詐欺の被害の全体像や犯行手口の特徴をより分かりやすくお示しし、広報啓発を始めとする諸対策に役立てるため、現在、特殊詐欺を十三種類の手口に区分しております。

 そのうち、平成三十年、二〇一八年にキャッシュカード詐欺盗、令和二年、二〇二〇年に預貯金詐欺、令和八年、二〇二六年に偽警察詐欺が、この十年間で新たに特殊詐欺の手口として追加されたものでございます。

 また、SNS型投資詐欺とSNS型ロマンス詐欺につきましては、令和五年、二〇二三年に、特殊詐欺とは別に位置づけ、統計を取り始めたところ、最近の手口の実態等を踏まえまして、これらを令和八年、二〇二六年から特殊詐欺の手口として新たに位置づけたものでございます。

○塩川委員 二〇〇四年、オレオレ詐欺の被害拡大を機に、警察庁は特殊詐欺の手口ごとの区分を始めました。当時は、オレオレ詐欺と架空料金請求詐欺、融資保証金詐欺の三区分でしたが、それが今では十三区分にもなっております。

 その十三の区分のうち、今紹介してもらいましたように、この十年に新たに五つの手口が追加をされております。被害を防ぐ方策の一つとして、被害が拡大している特殊詐欺の新たな手口などについての広報啓発が重要であると考えます。

 二〇一九年度から、警察庁の特殊詐欺撲滅に向けた広報啓発事業が行われています。二〇一九年度から今年度までの当初予算額の推移を示していただけますか。

○山田政府参考人 お答えいたします。

 特殊詐欺の広報啓発に係る警察庁の予算についてですが、二〇一九年度、令和元年度につきましては約四千九百万円、令和二年度については約一億一千百万円、令和三年度につきましては約一億六千二百万円、令和四年度から今年度までは一億六千万円を当初予算として計上しているところでございます。

○塩川委員 今御紹介いただきましたように、二〇一九年度で四千九百万、二〇二〇年度で一億一千百万円ですが、二〇二一年度に一億六千二百万円になってから予算額が変わっておりません。

 二〇二一年と直近の二〇二五年の特殊詐欺の認知件数と被害額はそれぞれ幾らでしょうか。この間に何倍に増えているのかについて御説明ください。

○大濱政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの特殊詐欺の認知件数と被害額につきましては、令和三年、二〇二一年においては、認知件数が一万四千四百九十八件、被害額が約二百八十二億円、令和七年、二〇二五年におきましては、SNS型投資詐欺及びSNS型ロマンス詐欺を含みますが、認知件数が四万三千件、被害額が約三千二百五十七億円でございます。

 お尋ねの、令和七年、二〇二五年の被害状況を令和三年、二〇二一年と比較いたしますと、認知件数につきましては約三倍、被害額につきましては約十二倍に増加しております。

○塩川委員 このように、二〇二一年から二〇二五年を比較をすると、特殊詐欺の認知件数は三倍、それから被害額は十二倍。その一方で、広報啓発の予算は変わらないまま。

 あかま委員長にお尋ねします。

 特殊詐欺の被害が近年急速に拡大しているにもかかわらず、警察庁の特殊詐欺の広報啓発事業の予算を増やしていないというのはなぜなんでしょうか。

○あかま国務大臣 まず、大前提として、特殊詐欺の被害、これは依然として高い水準で推移していること、また、今お話のあったこの五年の比較の中で、被害額また件数、それぞれ相当伸びていること、これは憂慮する状況であると認識しています。

 また、特殊詐欺の被害拡大を防止するための広報啓発活動、これは、予算を活用して、動画、ポスター、リーフレットなどなど広報ツールの製作、ウェブサイト又は各種SNSを活用した情報発信を実施しております。

 あわせて、予算を伴う広報啓発活動に加えて、予算を必要としない官民連携であるとか、関係機関、関係団体との協働した施策を進めるなど、様々な工夫を凝らして、被害を未然に防止するための広報啓発活動を推し進めております。

 引き続き、必要な予算の確保に努めつつ、警察以外の事業者であるとか、関係機関等の協力を得ながら、より効果的な広報啓発によって特殊詐欺対策を推し進めていくよう警察を指導してまいりたいというふうに思っております。

○塩川委員 この五年で特殊詐欺の被害額が十二倍にもなっているのに、そのことについて広く、被害を受けないようにというしっかりとしたアナウンスを行う、もちろん、いろいろなところで官民でやっているわけですけれども、でも、やはり警察庁として行う広報啓発の予算が変わらないままというのは、これは率直に言っておかしいんじゃないかと思うんですが、そういうふうにお思いになりませんか。

○あかま国務大臣 被害額が十二倍、件数が三倍という話、この五年間でと。

 もちろん、それに準じて予算を、では三倍、十二倍がいいのかといったら、それもまた別の議論があるのかもしれませんが、十分な予算というものが獲得され、より効果的な広報啓発に努めてまいるよう警察を指導してまいりたい、そう思っています。

○塩川委員 いや、被害が十二倍になっているのに広報啓発の予算を増やさない、そういう判断というのは、これはおかしくないですか。

○あかま国務大臣 必要な予算を確保しながら、どのような形の広報啓発がより効果的で、また詐欺被害の抑止に効果があるのか、寄り寄りまた吟味しながら、また、必要であれば予算を確保するよう指導してまいりたいと思います。

○塩川委員 必要であれば予算を確保したいということで、増やさないということもあり得るということなんですか。

○あかま国務大臣 どのような形の広報啓発が有効なのか、それを踏まえて、また、それによってどのような額の予算が必要になるのか、これを検討するように指導してまいりたいということでございます。

○塩川委員 様々な対策をしっかり取ると同時に、少なくともやはり警察庁としての広報啓発を行っていくという点で、この額というのは被害状況を考えたときに余りにも不十分だということは申し上げ、抜本的な予算を確保するという点であかま委員長にも御奮闘いただきたいということであります。

 それで、被害防止対策とともに、やはりトクリュウなどに対する対策をしっかりと行っていくと同時に、受け子、出し子、かけ子などの闇バイトで若者が加害者となることがないような対策も必要だと考えます。

 あかま委員長にお尋ねしますが、若者が闇バイトという行動に走る、その社会的な背景にはどんなものがあるとお考えでしょうか。

○あかま国務大臣 闇バイトに若者が加担する背景、これは様々な要因が考えられるのかもしれません。

 ただ、警察における検挙の事例等々から確認できることとして、まず、若者がいわゆる闇バイトの募集情報に触れる、こういったこと、又は、先輩、知人から誘われるなどというきっかけもあるのかもしれません。また、事の重大性を認識することがない、場合によってはSNSで流れてくるバイト情報、それに対するリテラシーという話なのかもしれません。また、遊興費を得たいというそういった欲望という部分もまた若者の間にあるのかもしれません。様々な動機からアルバイト感覚で犯罪に加担してしまう、そうした実態。

 それらが、どのような社会的な構造だとか、地域なのか、また教育なのか、どういったところから起因するのか、これもまた様々な各種団体、関係省庁と様々連携をしながら総体的な取組を推進するようにしていく必要があると思っています。

○塩川委員 様々な要因があるというのは本当にそのとおりだと思いますが、そこはやはり分け入って何が問題なのかを明らかにしていくということが必要だと考えます。

 NHKがNHKスペシャルで紹介した番組がありましたけれども、少年院の在院者を対象とした闇バイトの実態調査を行ったということです。回答した少年五百八十七人中百十八人が闇バイトをしたことがあると回答したということであります。

 何があれば闇バイトに手を出さずに済んだのかと聞くと、給料が高く物価が安い世の中とか、こんなちゃんとしない政治や悪い方向に行ってしまう日本じゃなければ闇バイトなんかしないとか、高校生でもちゃんとしたバイトがあれば闇バイトに手を出さなかったなど、約五割がお金や真っ当な仕事と回答し、次いで、約三割が健全な家族や友人関係だと回答しております。

 こういった貧困問題での支援の取組を行っておりますPOSSEという団体がありますが、その元代表でもある今野晴貴氏によりますと、闇バイトの背景には貧困問題がある。しかし、それだけじゃなくて、そもそも勤労によって十分な報酬を得ることが難しくて、それが将来にわたる諦めとなっているということ。また、もう一方では、働かずに所得を大きく増大をさせる、労働の努力とは無関係に資産を通じて富を獲得させていく者たちへの羨望と憎悪があるのではないのかと。

 真面目に働くのがばかばかしいという感覚、これを犯罪組織が利用しているといったときに、この間、アベノミクスの下で大企業や大株主が富を大幅に蓄積する一方で、働く労働者、勤労者は賃金は実質賃金がマイナスになり、負担増だけが強いられる。こういった政治の転換こそ、こういった闇バイトなどの犯罪をなくしていく大きな力にもなっていくということを申し上げて、質問を終わります。

【挙制度協議会】小選挙区廃止し比例代表中心の選挙制度へと主張、各党が選挙制度改革案を提示

 各党が衆院選挙制度の理想の選挙制度と現行制度の課題について表明しました。

 私は「民意が届く国会」を実現するため、小選挙区制の廃止、比例代表中心の選挙制度への抜本改革を訴え、「民意を切り捨てる定数削減は断固反対だ」と強調しました。

 私は、小選挙区制の害悪を指摘し「現行制度を手直しする程度では問題は解決しない」と主張。「民意を正確に反映した国会での徹底した議論を通じで国の進路を決めることこそが国民主権の議会制民主主義だ」と述べ、議員総定数を基の500に戻し、全国11ブロックを基礎とした比例代表制を提案しました。また「定数が少ない選挙区では比例代表の機能を発揮できない」と指摘しました。

 自民党は「これまでも、これからも重視するのは民意の集約だ」として現行制度の小選挙区比例代表並立制の維持を主張。

 日本維新の会も、民意集約をより重視した小選挙区制強化を主張しました。

 中道改革連合は「小選挙区比例代表連用制」を提案。「小選挙区で多数の議席を獲得した政党は比例代表での議席配分を抑制する」としました。
 
 国民民主党は、有権者が複数の候補者に投票できるとする「中選挙区連記制」を提起。
参政党は、全国11ブロックごとの比例代表制を提起。

 チームみらいは、現行制度を維持した上で、「優先順位付き投票」の導入を提案しました。

 議員定数削減については、自民・維新が衆院議員定数1割削減を目標とした法案を今国会に提出し成立を目指すと主張したのに対し、中道は「比例定数のみの削減には断固反対だ」と表明。参政は「現行制度のままの定数削減は行うべきではない」と強調し、国民民主は人口減少に応じた定数削減を主張しつつ「定数問題は選挙制度とセットで考えていく問題だ」と述べました。

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比例代表中心にかえよ/衆院選挙制度協議会/塩川氏主張

「しんぶん赤旗」5月29日・2面より

 衆院選挙制度協議会が28日開かれ、各党会派が衆院選挙制度の理想の選挙制度と現行制度の課題について表明しました。日本共産党の塩川鉄也議員は「民意が届く国会」を実現するため、小選挙区制の廃止、比例代表中心の選挙制度への抜本改革を訴え、「民意を切り捨てる定数削減は断固反対だ」と強調しました。

 塩川氏は、小選挙区制の害悪を指摘し、「現行制度を手直しする程度では問題は解決しない」と主張。議員総定数を元の500に戻し、全国11ブロックを基礎とした比例代表制を提案しました。

 自民党は「これまでも、これからも重視するのは民意の集約だ」として現行制度の維持を主張。日本維新の会も、民意集約をより重視した小選挙区制強化を主張しました。

 中道改革連合は「小選挙区比例代表連用制」を提案。「小選挙区で多数の議席を獲得した政党については比例代表での議席配分を抑制する」としました。

 国民民主党は有権者が複数の候補に投票できるとする「中選挙区連記制」を提起。参政党は全国11ブロックごとの完全比例代表制を、チームみらいは、小選挙区比例代表並立制を維持した上で「優先順位付き投票」の導入を提案しました。

 議員定数削減については、自民・維新が衆院議員定数1割削減を目標にした法案の今国会中の成立を目指すと主張したのに対し、中道は「比例定数のみの削減には断固反対だ」と表明。参政は「現行制度のままの定数削減は行うべきではない」と強調し、国民民主は、人口減に応じた削減を主張しつつ「定数問題は選挙制度とセットで考えていく問題だ」と述べました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月28日(木曜日) 第5回衆議院選挙制度に関する協議会

○塩川協議員 日本共産党の塩川鉄也です。 

 お手元の資料は、我が党の総選挙政策の抜粋であります。御参考までに御覧ください。 

 それでは、日本共産党の衆議院選挙制度の基本的な考え方を述べます。 

 民意が届く国会を実現するため、小選挙区制の廃止、比例代表制中心の選挙制度に抜本改革し、民意を切り捨てる定数削減は断固反対であります。 

 まず、定数の問題についてです。 

 三回の参考人質疑において、ほぼ全ての参考人が定数削減に反対、批判を述べられました。定数削減は、多様な民意、地方の声が非常に届きにくくなっていく、地方の切捨てになる、あってはならない、大切な国会議員というパイプを安易に減らしていいのかという懸念の表れとして反対、懸念を示す知事が多数との意見がありました。 

 現行の衆議院議員定数が歴史的にも国際的にも少ないことを示し、既に議員が少ないので国民と議員の接触の機会が少ない、減らせばますます議員が遠い存在になる、悪循環になると指摘し、議員数増員の提案や、現職優位の傾向を助長し、議員の新陳代謝、多様化を阻害、国会運営に支障が生じ得る等の問題点とともに、日本の女性議員が極端に少なく、定数削減は悪影響となるとの発言もありました。定数削減に合理的根拠は存在しません。 

 二〇一六年、衆議院議長から各党の公約にある定数削減の処理等を諮問された有識者調査会は、衆議院議員の定数が多いとは言えず、削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いと答申していることは重要です。 

 しかも、当時の参考人質疑で佐々木毅調査会座長は、答申に、削減案を求められるとするならば、と書いたと答弁し、諮問が削減ありきだったから提案したにすぎないことを認めていました。 

 与党が政権合意文書に定数削減を盛り込んだことは、これまで立法府が積み重ねてきた到達点をないがしろにするものです。 

 参考人から、身を切る改革について、議員を特権階級と扱うのは、議員と国民の間に対立を生み支持を拡大する一つの手法と厳しく批判されたこと、定数削減を一方的に進めていくことは望ましくないと指摘されたことを真摯に受け止めるべきです。 

 議員定数削減は、多様な民意を切り捨て、排除し、国会の行政監視機能を後退させます。国民の声を代弁する国会議員定数を削減するなど、断じて許されません。 

 次に、選挙制度についてです。 

 参考人から、定数削減より、国民に自分たちの代表と思ってもらえるような議員を選出するにはどうしたらよいかを考えるべき、多党化の流れの中で無理くり小選挙区制を導入して民意を集約することは適切ではないとの指摘もありました。 

 現行制度の小選挙区制は、得票率と獲得議席に著しい乖離をつくり出すこと、議席に反映しない投票、いわゆる死票が小選挙区投票の半数もあることが最大の問題です。今年二月の総選挙結果においても、小選挙区制の根本的な欠陥が浮き彫りになっています。 

 日本共産党は、提案されたときから、小選挙区制は、選挙制度の基本である民意の公正な議席への反映をゆがめ、比較第一党が虚構の多数を得ることで強権政治を推し進めようとするものだとして反対してきました。虚構の多数政権による強引な政治、多数のおごりが民意を反映しない政治となり、国民の政治不信をつくり出しています。小選挙区制の害悪は重大です。 

 また、小選挙区制の下では、一票の較差解消のため頻繁に区割り変更が必要となり、少なくない有権者が選挙のたびに不自然な選挙区変更を強いられています。毎回大きな区割り変更を行っても問題が続くことは、小選挙区制が、元々、投票権の平等という憲法の原則と矛盾する制度であることを示しています。現行制度を手直しする程度では問題は解決しません。小選挙区制は廃止するしかありません。 

 民意を正確に反映した国会での徹底した議論を通じて国の進路を決めることこそが国民主権の議会制民主主義です。国民の多様な民意を正確に反映することが選挙制度の基本原則でなければなりません。 

 日本共産党は、選挙制度の抜本的な検討について、議員総定数は元の五百に戻し、全国十一ブロックを基礎とした比例代表にすることを提案しています。これは、投票価値の平等を保障する観点で有効な制度です。 

 なお、定数が少ない選挙区では、比例代表の機能を発揮できないと考えます。 

 選挙制度は民主主義の土台を決めるものです。全党全会派が参加して十分な議論を行い、国民の合意を得ていくことが必要です。各会派の提案をお聞きし、大いに議論していきたいと思います。 

 以上、終わります。

野党国対委員長会談開く

 補正予算案の十分な審議を求めていくことを確認。

 政府が検討する電気・ガス代、ガソリン補助などだけでは不十分。

 物価高に見合った年金や生活保護の引き上げ、中小企業への特別な支援策などが必要。

 また、再審法案について、丁寧に議論し、修正を求めていくことで一致。


補正「十分な審議を」/国対委員長会談で一致/塩川氏「中身が問題」

「しんぶん赤旗」5月28日・2面より

 日本共産党と中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらいの国対委員長は27日、国会内で会談し、政府が来週にも提出予定の2026年度補正予算案について十分な審議を求めていくことを確認しました。

 日本共産党の塩川鉄也国対委員長は「補正予算案の中身が問題だ」と述べ、政府が検討する電気・ガス代補助などだけでは不十分だと指摘。イラン情勢を受けた暮らしへの影響は深刻で、物価高に見合った年金や生活保護費の引き上げ、中小企業への特別な支援策など「十分な議論を行う必要がある」と主張しました。

 各党の国対委員長は、審議入りした再審制度を見直す法改定案について丁寧に議論し、修正を求めていくことでも一致しました。

 塩川氏は、冤罪(えんざい)被害者救済を求める運動を受けてまとめた超党派議連案を共産、中道、みらいが共同提出し、政府案と並行審議されていると強調。「与野党を超え、国会で、冤罪被害者が求める法案にしていこう」と述べました。衆院法務委員会に委員がいない会派も含め全会派の質問機会の保障を求めました。


補正予算案 十分審議を/野党要求 自民、打ち切り狙う

「しんぶん赤旗」6月1日・2面より

 2026年度補正予算案が3日、国会に提出されます。審議日程を巡り、野党側が十分な審議を求めているのに対し、自民党はわずかな審議時間で押し切ろうとしています。

 補正予算案の規模は3兆円強。自民党は当初、中道改革連合との国対委員長会談で、衆参両院の予算委員会での審議を「半日ずつ」と提案しました。

 自民党は26年度当初予算についても衆院で一方的に日程を省略し、早々に審議を打ち切る暴挙に出ていました。補正予算案の「半日ずつ」審議もこれに続く国会軽視・国会審議の形骸化であり、「衝撃的な、あまりに非常識な提案」(中道・重徳和彦国対委員長)でした。

 これに対し、日本共産党と中道、国民民主党、参政党、チームみらいの国対委員長は5月27日の会談で十分な審議を求めていくことを確認。参院でも同日、共産党と立憲民主党、国民民主、公明党、参政、れいわ新選組の参院国対委員長が十分な審議時間の確保を結束して求めていくことで一致しました。

 そもそも、補正予算案は中身に問題があります。イラン情勢が暮らしや経済へ及ぼす影響が深刻な中、政府の検討する電気・ガス代補助などの対策だけでは不十分です。日本共産党の小池晃書記局長は「物価高・物不足はエネルギー・石油製品だけではなく、暮らしに関わる全分野を支援する必要がある」(5月26日、参院財政金融委員会)と求めています。

 5月29日、自民・中道が衆参で「1日ずつ」補正予算案の審議を行う日程で「合意した」と表明しました。しかし、参院側の与野党は日程の合意には至っていないとし、1日にも改めて協議する予定です。

 野党側が一致結束して求めている補正予算案の十分な審議が必要です。

【選挙制度協議会】有識者が定数削減を批判、小選挙区制が多様化を阻害

 衆院選挙制度のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。

 陳述の中で、大泉淳一・選挙制度実務研究会会長(元総務省選挙部長)は、2016年衆院議長の下に置かれた有識者調査会が「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いとしつつも、定数削減は多くの政党の公約であり主権者たる国民との約束であるとして、定数10減」を答申したと述べました。

 これに対し、私は、調査会への諮問が「公約にある定数削減の処理」であったことを示し、定数削減ありきであっても理由や根拠がないと答申していることの重要性を強調しました。

 大山礼子・駒澤大名誉教授は、定数削減によって「中小政党の議席減、地方の声・少数意見の切り捨て、現職優位の傾向を助長し議員の新陳代謝・多様化を阻害、国会運営に支障」が生じ得ると問題点を指摘。日本の女性議員が極端に少ないことを示し「定数削減は悪影響となる」と述べました。

 また、大山氏は、「定数削減より、国民に自分たちの代表と思ってもらえるような議員選出をどうしたらよいか検討すべき」と述べ、議員の多様性、新陳代謝を促すためにも、わかりにくい選挙運動規制の簡素化、選挙運動期間の再考、供託金制度の見直し等の必要性を述べました。

 私が「小選挙区制が多様化を阻害しているではないか」と指摘したのに対し、大山氏は「多様化で言えば、女性議員が多いのは比例代表制の国であることは実証されている」と述べました。

 

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小選挙区制 多様化阻む/衆院選挙制度協/塩川氏質問に有識者

「しんぶん赤旗」5月30日・2面より

 衆院選挙制度協議会は26日、衆院選挙制度のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。

 大泉淳一・選挙制度実務研究会会長(元総務省選挙部長)は、2016年に衆院議長の下に置かれた有識者調査会が「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いとしつつも、定数削減は多くの政党の公約であり主権者たる国民との約束である」として「定数10減」を答申したと述べました。

 これに対し日本共産党の塩川鉄也議員は、調査会への諮問が「公約にある定数削減の処理」であったことを示し、定数削減ありきであっても理由や根拠がないと答申していることの重要性を強調しました。

 大山礼子・駒澤大名誉教授は、定数削減により「中小政党の議席減、地方の声・少数意見の切り捨て、現職優位の傾向を助長し議員の新陳代謝・多様化を阻害し、国会運営に支障」が生じ得ると指摘。日本の女性議員が極端に少ないことを示し「定数削減は悪影響となる」と主張しました。

 大山氏は「定数削減より、国民に自分たちの代表と思ってもらえるような議員選出をどうしたらよいか検討すべきだ」と強調。議員の多様性、新陳代謝を促すためにも、わかりにくい選挙運動規制の簡素化や選挙運動期間の再考、供託金制度の見直し等の必要性を述べました。

 塩川氏は「小選挙区制が多様化を阻害しているのではないか」と質問。大山氏は「多様化で言えば、女性議員が多いのは比例代表制の国であることは実証されている」と述べました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月26日(火曜日) 第4回衆議院選挙制度に関する協議会

○塩川協議員 日本共産党の塩川鉄也です。 

 お二方から貴重な御意見をいただき、ありがとうございます。 

 それぞれにお尋ねしようと思うんですが、大泉会長につきましては、二〇一六年の衆議院選挙制度に関する調査会答申を引用されてのお話をいただきました。

 思うんですけれども、ここに「衆議院議員の定数削減は多くの政党の選挙公約であり、主権者たる国民との約束である。」という記述があるんですけれども、そもそも、大島議長の下に置かれましたこの調査会におきましては、議会として四つの項目で諮問が行われていたわけですよね。その諮問事項として、現行選挙制度の評価ですとか、一票の較差是正のやり方とか、衆参選挙制度の在り方の問題点とか、それに加えて、各党の公約にある定数削減の処理というのが入っていたわけです。

 つまり、この調査会の答申に求められている項目の一つに、要は定数削減をどうやるんだというのが挙げられている、それをそのまま諮問事項どおり書いているのがここでの定数削減についての記述だと思います。その辺の経緯についてお聞きできればということ。

 あわせて、そういった定数削減のやり方について答申をという下でも、ここにありますように、現行の衆議院議員の定数というのは、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いと。定数削減ということを諮問事項と言われながらも、こういったことを述べている、そういった調査会での議論の中身について御紹介いただければということです。 

 それから、大山先生には、議員定数削減によって生じ得る問題点ということで御指摘いただきました。 

 一つは、常任委員会等の運営に支障ということについて、具体的にどんなことが考えられるのか、起こっているのかということ。私は、今、政務三役が八十人も政府に入るという中で、立法府で活動する人数が限られるという側面もある、そういう下での議員定数削減というのは立法府の権能を果たす上での困難さをより一層持つのではないかという問題意識もあるんですが、そのことも含めて、常任委員会等の運営に支障というのはどういうことをおっしゃっておられるのかというのをお聞きしたい。 

 もう一つ、現職優位の傾向を助長ということで、議員の新陳代謝、多様化を阻害をするということであります。その点では、定数削減もそうなんですが、選挙制度として、やはり小選挙区制というのが新陳代謝、多様化を阻害するものになっているのではないか。そういう点でも、小選挙区よりも比例中心の制度の方が、こういった議員の新陳代謝、多様化につながるものになるのではないか。その点についてのお考えをお聞かせください。 

○大泉淳一君 調査会答申についてでございますが、私の資料につけておりますけれども、これは衆議院の調査会でございまして、当時私はまだ総務省にいたものですから、中身的には分かりません。議事要旨などを見て大体想像して、あるいは答申をそのまま引いてきたということでございます。メンバーは、学者の先生方もいらっしゃいますが、財界の方とかいろいろな、文化人とかも含めて、平井知事もおりましたけれども、そういうような幅広い中での、世論も含めた定数削減に対する議論だったのではないかと想像します。 

 それ以上のことは、中にいたわけではないのでちょっとよく分かりません。申し訳ございません。

 以上です。 

○大山礼子君 まず、常任委員会等の運営に支障ということですけれども、極端に定数削減をいたしますと、現在の常任委員会数を維持する、各分野ごと、大体省庁対応になっていると思いますけれども、そういうものを維持していると、しかも委員の数を維持していると、皆さんかけ持ちしなければならなくなるわけで、かけ持ちしないようにするためには委員の数を減らすということになって、そこに参加できない政党も増えてくる、こういうことでございます。 

 それから、現職優位の傾向を助長するというところで、小選挙区制もそうではないかというのはおっしゃるとおりでございまして、小選挙区制ですと大体指定席になりがちで現職は落ちないというのは、世界の国々を見ても、そういう傾向がございます。 

 多様化という点でいいますと、女性議員が多いところは比例代表の国が多いというのもはっきり実証されているところでございます。比例の名簿を作るのに男性ばかり並べるのはやはり格好が悪いというようなこともあろうかと思いますので、それははっきりしているところです。 

 以上です。 

【「しんぶん赤旗」掲載】えん罪救済 証拠全面開示は不可欠/再審法改定案 きょう審議入り/3団体と共産党議員団が懇談

「しんぶん赤旗」5月26日・3面より

 刑事裁判のやり直し、再審法改定案の審議が26日から衆議院で始まる前に、日本共産党国会議員団は25日、国会内で、再審法改正をめざす市民の会など3団体と国会内で懇談しました。

 国会では、政府案と共に日本共産党など3党も改正案を共同提出しています。同案は、1月の衆院解散で廃案となった超党派議連が提出した改正案をベースとしたものです。

 日本国民救援会の鈴木猛副会長は「改正の出発点は何だったのか。今回の政府案で袴田事件や福井事件のようなえん罪を救済できるのか。(政府案にある)目的外使用禁止規定で、袴田事件の『5点の衣類』は開示できるのか」と述べました。

 自由法曹団の泉澤章弁護士は、政府案が開示の範囲を「再審請求理由に関連する」証拠に限定する点を強調。「これまで証拠開示の規定がなかったが、規定がない中で裁判官によっては開示が進んだ例もあった。政府案では規定があることによってかえって範囲が狭められてしまう」と述べました。

 日本共産党の小池晃書記局長は「えん罪防止のためには検察による抗告の全面禁止とともに、再審を開始させるためにも証拠の全面開示が重要だ。世論と運動を広げていきましょう」と述べました。

 党国会議員団からは、小池氏のほか、畑野君枝、私の両衆院議員と、山添拓、仁比聡平の両参院議員が参加しました。

 

生協労連の皆さんから最低賃金全国一律制度への法改正を求める請願署名を受け取り、懇談

 物価高騰の中で大幅賃上げ、時給1700円以上を!

 生協の職場でも石油・石油製品の物資不足・価格高騰は深刻です。

 燃油の値上がり、資材の不足などの解決のために、国として全力を挙げることを求めていきます。

【内閣委員会】飛ばしただけで直ちに罰則/報道の自由・知る権利を侵害/ドローン飛行禁止法改正案

 ドローン飛行禁止法改正案が、自民と維新、中道、国民民主、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 改正案はドローン飛行禁止区域を自衛隊・米軍施設など対象施設の周囲1キロに拡大し、そこでドローンを飛行させただけで、直ちに拘禁刑などの処罰=直罰を課すものです。

 私は質疑で「実際の飛行による危険や被害がない行為まで処罰の対象とするものだ」と追及。赤間二郎国家公安委員長が「ドローンの性能の向上」による攻撃の脅威などをあげて正当化したのに対し私は「性能向上を口実に、広範囲に市民の自由・権利を不当に制限することは許されない」と批判。改正案では自衛隊施設・区域2405か所(11億㎡)、米軍施設・区域131か所(陸上だけで10億㎡)に加え、その周囲1キロが処罰対象になると指摘。沖縄県では辺野古新基地建設の埋め立て区域も飛行が禁止されており、改正案によって伊江島のほぼ全域、本島中部地域の半分近くで飛行が禁止されると告発。日本新聞協会は「ドローン取材が事実上困難になる」「報道は民主社会の基盤を支え、国民の知る権利にこたえる公益的な活動」として直罰範囲の拡大に反対しているとして「自衛隊、米軍施設、原発などの周辺での市民や報道機関の取材活動などが大きく制約され、国民の知る権利、報道の自由が侵害される」と強調しました。

 私は、改正案で、自衛官が施設外で警察権を持ち危険防止のためにドローンの飛行妨害・破壊ができる範囲が拡大すると指摘。「自衛隊の基地外の1キロという市街地を含む広大な地域まで自衛隊の権限を拡大することは認められない」と主張しました。

以下、反対討論です。
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 私は、日本共産党を代表して、いわゆるドローン飛行禁止法改正案に反対の討論を行います。

 政府は、重要施設に対する危険を未然に防止するため、周辺地域の上空でのドローン飛行を禁止するといいますが、2019年改正で法の目的に「防衛の基盤の維持」の追加によって、飛行禁止区域の大きな部分を「防衛関連施設周辺地域」が占め、その実態は米軍・自衛隊基地に対する報道や国民の知る権利を制限するための法律に他なりません。

 本改正案は、対象施設の敷地・区域の周囲1キロメートルに及ぶ広大な地域をレッドゾーンとし、その上空でドローンを飛行させただけで直ちに処罰するものです。飛行による危険や被害の内容を一切問わず、法益侵害の危険性がない行為を処罰の対象とすることは、刑罰法規の前提を欠くものです。刑事罰によって不当に市民の自由・権利を侵害する本案は到底認められるものではありません。

 重大なことは、在日米軍・自衛隊基地の区域・敷地の周囲1キロメートルにレッドゾーンを拡大することです。

 自衛隊施設は2405カ所11億平方メートル、米軍施設・区域は131カ所、陸上だけで10億平方メートルに上りますが、さらにその外、周囲1キロに及ぶ地域を処罰対象にするものです。沖縄では現行でも広大な米軍の施設・区域、訓練海域や空域までもが対象とされ、新基地建設工事中の辺野古沖の埋立区域も飛行禁止区域に指定されています。本案の拡大によって伊江島のほぼ全域、本島中部地域の半分近くで、直罰をもってドローン飛行が禁止されます。ドローンの性能向上を口実にして、際限なく飛行禁止区域を拡大し、市民の自由と権利を制限することは、許されません。

 さらに、自衛隊基地の周辺地域の上空を飛行するドローンに対して、自衛隊が飛行妨害・機器破壊の措置をとることになります。基地外の周辺1キロメートルという市街地を含む広大な地域にまで自衛隊の権限を拡大・強化することは認められません。また、自衛隊法により米軍基地の警護任務についている自衛隊が米軍の施設・区域の周辺地域のドローンを破壊することにつながる可能も否定できません。

 日本新聞協会は「報道機関が運用するドローンは、災害現場や重大事故現場など、迅速かつ客観的な情報を国民に届けるための不可欠な取材手段」「報道は民主社会の基盤を支え、国民の知る権利にこたえる公益的な活動」として懸念を表明し、イエローゾーンの直罰化に反対しています。本案は報道の自由・国民の知る権利をさらに制限するものであり容認できません。

 以上指摘し、反対討論を終わります。 

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市民の自由権利 不当制限/ドローン飛行禁止法改定案 塩川氏批判/衆院内閣委で可決

「しんぶん赤旗」5月23日・2面より

 ドローン(小型無人機)飛行禁止法改定案が22日の衆院内閣委員会で、自民と日本維新の会、中道改革連合、国民民主、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 改定案はドローン飛行禁止区域を、自衛隊・在日米軍施設など対象施設の周囲1キロに拡大し、区域内でドローンを飛行させただけで直ちに拘禁刑などの処罰=直罰を科すものです。

 共産党の塩川鉄也議員は質疑で、「実際の飛行による危険や被害がない行為まで処罰の対象とするものだ」と指摘。赤間二郎国家公安委員長が「ドローンの性能の向上」による攻撃の脅威などを挙げて正当化したのに対し塩川氏は、「性能向上を口実に広範囲に市民の自由権利を不当に制限することは許されない」と批判しました。

 塩川氏は、改定案では自衛隊施設・区域2405カ所(11億平方メートル)、米軍施設・区域131カ所(陸上だけで10億平方メートル)に加え、その周囲1キロが処罰対象になると指摘。沖縄県では辺野古新基地建設の埋め立て区域も飛行が禁止されており、改定案で伊江島のほぼ全域、本島中部地域の半分近くで飛行が禁止されると告発しました。

 また、日本新聞協会も「ドローン取材が事実上困難になる」などとして直罰範囲の拡大に反対していると指摘し、「自衛隊、米軍施設、原発などの周辺での市民や報道機関の取材活動などが大きく制約され国民の知る権利、報道の自由が侵害される」と強調しました。

 塩川氏は、自衛官が施設外で警察権を持ち危険防止のためにドローンの飛行妨害・破壊ができる範囲が、改定案で拡大すると指摘。「自衛隊の基地外の1キロという市街地を含む広大な地域まで自衛隊の権限を拡大することは認められない」と主張しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月22日(金曜日)内閣委員会 第14号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 ドローン飛行禁止法について質問をいたします。

 今回の法案は、直罰の対象をイエローゾーンにまで広げるものであります。直罰となる範囲が、施設の敷地の範囲から周囲一千メートルの範囲に拡大をいたします。実際の飛行による危険や被害の内容を問わず、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに拘禁刑を含む刑罰を科すことになるというのは極めて重大だと思いますが、あかま国家公安委員長、お答えください。

○あかま国務大臣 今日の質疑等々でも何度かありましたけれども、この改正案では、最近のドローンの性能の向上等によって、警察官が操縦者を発見して措置命令を行うことが現実的ではなくなってきております、あわせて、イエローゾーンの上空からの対象施設に対する直接的な攻撃の可能性、こうしたことを踏まえて、その抑止を図るため、イエローゾーンの上空飛行について、命令前置の間接罰ではなく、飛行の事実のみをもって罰則を科すものとしております。

 ジャミング装置等のドローン対処資機材を用いた対処には、一定の時間が必要であります。イエローゾーン上空から直接対象施設に対する攻撃が可能であるドローンの脅威の現状、これらに鑑みれば、イエローゾーンの範囲を拡大した上で、罰則をもってその抑止を図る必要があるというふうに考えております。

 ただ、法の目的であります対象施設に対する危険の未然防止の観点からは、イエローゾーンの上空飛行がレッドゾーンの上空飛行と同等の危険性を有するとまでは言い難いことから、罰則の法定刑については両者で一定の差異を設けることとしたものであります。

○塩川委員 罰則の差異の話がありましたけれども、罰則をかけるということは同じでありますので、このイエローゾーンをオレンジゾーンみたいな説明も政府はされていましたけれども、実質、レッドゾーンを拡大するものというのが実態であります。

 エリア内を飛ばすという行為だけ、エリア内を飛ばすというだけで、この法益侵害の危険性がない行為を処罰の対象とするということは、不当に市民の自由、権利を侵害するものになるのではありませんか。

○あかま国務大臣 これまでの議論にありましたとおり、いわゆる個人の自由、さらには法規制というものと、また利活用、両方のバランス、これは両方鑑みなければならない部分があると思っています。その上で、昨今の性能の向上等を踏まえた、そうしたことを踏まえた法改正というふうに認識しております。

○塩川委員 ドローンの性能向上を口実にしているわけですけれども、際限なく飛行禁止区域を拡大することにもなるような、飛行による危険や被害の内容を問わずに処罰をするというものであり、このような理由で極めて広範囲に市民の自由、権利を不当に制限することは許されないということを申し上げ、次に、現行第十一条第三項は、自衛隊施設や敷地を警護する自衛官の職務として、危険を未然に防止するため、ドローン等の飛行妨害、機器の損壊その他の措置を取ることができると規定しております。自衛官の警察権が、自衛隊の施設にとどまらず、その外側にも及ぶものとなっております。

 今回の法改正で、その範囲が更に大きく拡大することになるのではありませんか。

○あかま国務大臣 今お話しいただいた小型無人機等飛行禁止法の第十一条第三項の規定によって、対象防衛関係施設として指定された自衛隊施設のレッドゾーンの上空、ここにおいてドローン等の違法な行為が認められる場合には、その施設を職務上警護する自衛官は、当該レッドゾーン内において、操縦者に対し当該ドローン等の退去を命ずるなどの措置命令を行うほか、操縦者が現場にいない場合などには、やむを得ないと認められる限度において、ドローン等の飛行の妨害、機器の破損その他の必要な措置を取ることができるというふうにされております。あわせて、警察官等がその場にいない場合には、当該レッドゾーンの外部からも同様の措置を取ることが可能であります。

 加えて、イエローゾーンの上空、ここにおいてドローン等が違法に飛行していると認められる場合にも、同じく警察官等がその場にいない場合に限り、同様の措置を取ることが可能であります。

 なお、対象防衛関係施設として指定された在日米軍施設については、小型無人機等飛行禁止法第十一条第三項の規定、これは適用されません。

 本改正法案によってイエローゾーンの範囲が拡大した場合においても、引き続き、当該自衛隊施設を職務上警護する自衛官は、これらの権限を行使することができるものというふうに承知をしております。

○塩川委員 今答弁がありましたように、警察官がいないというふうなことを前提にしてということですけれども、自衛官の職務権限、警護の権限というのが大幅に、基地の外に大きく広がっていくということで、いわばそれについての、イエローゾーンで違法に飛ばしていたとなれば、それを追いかければどこまでもどこまでもということにもなりかねないという仕組みということであります。

 次に、防衛省にお尋ねしますけれども、今ちょっと関連する答弁をいただいたんですが、米軍の施設、対象となっている米軍の施設・区域について、その施設の安全の確保というのは、この法律上、誰が行うということなんでしょうか。自衛官が警護に当たるということはあり得るのか、この点について御説明ください。

○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 小型無人機等飛行禁止法第十一条三項の規定に基づき、対象防衛関係施設を職務上警護する自衛官が同法の規定による権限を行使することができる施設は、同法第十条第三項三号に規定されているとおり、自衛隊の施設であるものに限られております。

 在日米軍の施設・区域の周辺においての安全確保の措置は、日本の法令に基づき、日本の当局が行います。さらに、在日米軍も、日米地位協定の規定を踏まえ、在日米軍施設・区域の周辺において、在日米軍施設・区域の安全に影響を及ぼし得る小型無人機等の飛行に対し必要な措置を取ることは許容され得るものでございます。

○塩川委員 日本の当局という場合には、警察や海上保安庁ということでよろしいんですか。

○伊藤政府参考人 これは、防衛省では、先ほど申し上げたように、自衛官の権限は自衛隊の施設であるものに限られているということでございます。

○塩川委員 委員長でも事務方でもいいんですけれども、今のところ、警察庁とか、答えられますか。

○石川政府参考人 在日米軍施設につきまして、周辺の警備ということになりますと、警察が対応するということになるというふうに認識をしております。

○塩川委員 今回の法改正で、自衛隊、米軍の施設・区域の周囲一キロの周辺地域の上空を飛行するドローンに対して、自衛隊や警察などが飛行妨害、機器破壊の措置を取る範囲が大幅に広がることになります。この法律による飛行禁止区域の大半というのは、実際上、米軍、自衛隊施設となっているわけです。現在、防衛省・自衛隊は、ドローンの開発や活用、対処能力の強化を図っているところであり、本法案が自衛隊の軍事的なドローン作戦とも密接な関係を持つものとして、看過できないと考えております。

 あかま委員長にお尋ねしますが、報道の自由との関係で、日本新聞協会は、ドローン飛行禁止法改正に関する意見として、イエローゾーンの外側周辺において実害がないにもかかわらず飛行の萎縮効果が生じることになり、当該エリアにおけるドローン取材が事実上困難となるだけでなく、報道以外のドローン活用にも大きな悪影響が生じると厳しく批判をしております。

 報道の自由が大きく制限されることになるのではありませんか。

○あかま国務大臣 今般のこの改正案において、報道、それから取材の自由を始めとする、先ほど来話のある国民の権利、自由の制約、またドローンの利活用の促進、これとの調和という部分についてはしっかり配意しつつ、技術の進展に伴う危険なドローン飛行への対策を講ずるため、イエローゾーンの上空の飛行、これを直罰化するものというふうに理解をしております。

 小型無人機等飛行禁止法においては、対象施設の管理者の同意を得て、都道府県公安委員会等への通報を行うことで、適法に飛行させることが可能であります。萎縮効果が生じないようという御指摘がありましたけれども、制度について、引き続き、報道機関を含めて国民への周知を丁寧にしっかりとしていくこと、このことが重要だというふうに考えております。

 今後とも、関係省庁また関係団体等と連携しながら効果的な広報啓発活動を推進すること、あわせて、対象施設管理者への同意取得手続であるとか都道府県公安委員会等への通報手続の円滑化、これらを図ることなどをしながら、報道の自由、あわせて、ドローンの利活用に配慮した取組、これを推進するよう警察を指導してまいります。

○塩川委員 実際、米軍基地の周辺でドローンを飛ばそうと思っても三十日前ということ自身含めて、非常に国民の知る権利、報道の自由に差し障るような運用を行っているという点も極めて問題で、日本新聞協会は、イエローゾーンの直罰化については反対を表明しております。

 この法案では、米軍、自衛隊基地の区域、敷地の周囲一キロメートルにレッドゾーンを拡大をします。自衛隊の施設・区域二千四百五か所、十一億平方メートル、米軍は百三十一か所、陸上だけで十億平方メートルに上りますが、さらに、その外の周囲一キロに及ぶ地域を処罰対象にするものとなります。

 資料をお配りしましたように、沖縄では、現行でも広大な米軍施設・区域やその周辺が対象とされ、新基地建設工事中の辺野古沖の埋立区域も飛行禁止区域に指定されております。本法の拡大によって、伊江島のほぼ全域、本島中部地域の半分近くで、直罰をもってドローン飛行が禁止をされるということになります。

 私、このドローン飛行禁止法、最初のときから議論してきましたけれども、十一年前のこの法案の審議を行ったときに、辺野古新基地建設問題にも触れました。二〇一五年の四月、沖縄県名護市の辺野古沖でのアルジャジーラのドローン撮影を海上保安庁が制限したという話を紹介をいたしました。アルジャジーラの取材班は、海上保安官の求めに応じてドローン飛行については中止したものの、基地の外側でのドローンの使用を禁ずる法的根拠について疑問を呈して、撮影記録の消去を拒否したということであります。海上保安官は、米軍が撮影記録の消去を求めているということを繰り返し伝えたということであります。

 このように、米軍の要求に基づき、取材活動の規制のためのドローンの飛行の禁止を拡大しているというのがこの実態ではありませんか。

○あかま国務大臣 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、国民の権利、また、今お話のある取材の自由等々について、これは十分配慮した上で、他方で、ドローンの性能の向上、これらを踏まえた、バランスを取った法改正としておるところであります。

○塩川委員 自衛隊や米軍施設、また原発などの周辺での市民の取材活動、報道機関の取材活動など、大きく制約されるという点で、国民の知る権利、報道の自由を侵害するものとなる、この点を述べて、質問を終わります。


○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、いわゆるドローン飛行禁止法改正案に反対の討論を行います。

 政府は、重要施設に対する危険を未然に防止するため、周辺地域の上空でのドローン飛行を禁止するといいますが、二〇一九年改正で法の目的に防衛の基盤の維持の追加によって、飛行禁止区域の大きな部分を防衛関連施設周辺地域が占め、その実態は、米軍、自衛隊基地に対する報道や国民の知る権利を制限するための法律にほかなりません。

 本改正案は、対象施設の敷地、区域の周囲一キロメートルに及ぶ広大な地域をレッドゾーンとし、その上空でドローンを飛行させただけで直ちに処罰するものです。飛行による危険や被害の内容を一切問わず、法益侵害の危険性がない行為を処罰の対象とすることは、刑罰法規の前提を欠くものです。刑事罰によって不当に市民の自由、権利を侵害する本案は、到底認められるものではありません。

 重大なことは、在日米軍、自衛隊基地の区域、敷地の周囲一キロメートルにレッドゾーンを拡大することです。

 自衛隊施設は二千四百五か所、十一億平方メートル、米軍施設・区域は百三十一か所、陸上だけで十億平方メートルに上りますが、さらに、その外、周囲一キロに及ぶ地域を処罰対象にするものです。沖縄では、現行でも、広大な米軍の施設・区域、訓練海域や空域までもが対象とされ、新基地建設工事中の辺野古沖の埋立区域も飛行禁止区域に指定されています。本案の拡大によって、伊江島のほぼ全域、本島中部地域の半分近くで、直罰をもってドローン飛行が禁止されます。ドローンの性能向上を口実にして、際限なく飛行禁止区域を拡大し、市民の自由と権利を制限することは許されません。

 さらに、自衛隊基地の周辺地域の上空を飛行するドローンに対して、自衛隊が飛行妨害、機器破壊の措置を取ることになります。基地外の周辺一キロメートルという市街地を含む広大な地域にまで自衛隊の権限を拡大、強化することは認められません。また、自衛隊法に基づき米軍基地の警護任務に就く自衛隊が、米軍の施設・区域の周辺地域のドローンを破壊することにつながる可能性も否定できません。

 日本新聞協会は、報道機関が運用するドローンは、災害現場や重大事故現場など、迅速かつ客観的な情報を国民に届けるための不可欠な取材手段、報道は民主社会の基盤を支え、国民の知る権利に応える公益的な活動として懸念を表明し、イエローゾーンの直罰化に反対しています。本案は、報道の自由、国民の知る権利を更に制限するものであり、容認できません。

 以上、反対討論を終わります。

【選挙制度協議会】有識者2人が定数削減を批判、「小選挙区制の弊害」も認める

 衆議院のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。出席した有識者2人とも議員定数の削減を批判しました。

 陳述の中で、竹中治堅・政策研究大学院大教授は「身を切る改革」について「議員を『特権階級』と扱うのは、議員と国民の間に対立を生み支持拡大する一つの手法」と批判したうえで、議員数は歴史的にも世界的にも少なく、「すでに議員が少ないので国民と議員の接触の機会が少ない。減らせばますます議員が遠い存在になる。悪循環になる」と指摘し、議員数の増員を提案しました。

 中北浩爾・中央大教授も議員数が少ないことを指摘し「定数削減を一方的に進めていくことは望ましくない」「定数増も一考に値する」と述べました。

 私は、2016年の定数削減の際、有識者協議会が定数削減の「積極的な理由や理論的根拠は見出し難い」と答申し、審議においても「定数削減に合理的根拠なし」が明白となったことを示し、「立法府が積み重ねてきた到達点を反故にして、定数削減を強行しようとしている」と批判しました。

 また、私は小選挙区制が、得票率と獲得議席に著しい乖離をつくること、1票の格差是正のため区割が毎回行われることなどの弊害を指摘。これに対し、中北氏は「同意見だ。多党化の流れの中で、無理くり小選挙区制を導入して民意を集約することは適切ではない」「頻繁な区割り変更は政党・政治家と有権者の関係が切断される」と述べました。

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議員定数削減は悪循環/衆院選挙制度協議会/有識者が批判

「しんぶん赤旗」5月22日・2面

 衆院選挙制度協議会は21日、衆議院のあり方について有識者2人から意見を聴取し、質疑を行いました。出席した有識者2人とも議員定数の削減を批判しました。

 竹中治堅・政策研究大学院大教授は陳述で、「身を切る改革」について「議員を『特権階級』と扱うのは、議員と国民の間に対立を生み支持拡大する一つの手法」と批判しました。議員数は歴史的にも世界的にも少なく「すでに議員が少ないので国民と議員の接触の機会が少ない。減らせばますます議員が遠い存在になる。悪循環になる」と指摘。議員数の増員を提案しました。

 中北浩爾・中央大教授も議員数の少なさを指摘し「定数削減を一方的に進めていくことは望ましくない」「定数増も一考に値する」と述べました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は、2016年の定数削減の際、有識者協議会が定数削減の「積極的な理由や理論的根拠は見いだし難い」と答申し、審議でも「定数削減に合理的根拠なし」が明白となったことを示し、「立法府が積み重ねてきた到達点をほごにして、定数削減を強行しようとしている」と批判しました。

 塩川氏はまた、得票率と獲得議席に著しい乖離(かいり)を生み、「1票の格差」是正のための区割り変更が毎回行われるなど小選挙区制の弊害を指摘。中北氏は「同意見だ。多党化の流れの中で、無理くり小選挙区制を導入して民意を集約することは適切ではない」「頻繁な区割り変更は政党・政治家と有権者の関係が切断される」と述べました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月21日(木曜日) 第3回衆議院選挙制度に関する協議会

○塩川協議員 日本共産党の塩川鉄也です。お二方から貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

 お二方にそれぞれ二問お尋ねしようと思うんですけれども、一つは小選挙区制のことであります。

 冒頭の陳述で中北先生から、単純小選挙区制は反対だ、政治の不安定化、人材の確保が困難になるという趣旨のお話がありました。竹中先生は、単純小選挙区制を目指すべきというお話をいただいたところです。

 私は、小選挙区制に伴う課題として、得票率と獲得議席に著しい乖離をつくり出すことになるのではないか。また、一票の較差を解消するために毎回小選挙区の区割り変更が必要となって、これが候補者、有権者にとっても大きな負担となる。そういった課題があると思うんですが、小選挙区固有のこういった問題点、弊害についてのお考えをお二方からそれぞれお聞かせいただければと思います。

 もう一つは、議員定数の削減の問題であります。

 衆議院では、二〇一六年に衆議院の選挙制度調査会の答申が出されまして、そのときは五つ削るという話だったわけですけれども、それも踏まえて、衆議院議員定数について、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、定数を削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難いと明確に書かれております。私は、それが衆議院、立法府の議論の到達点ではないかと受け止めております。

 ですから、民主党のときに八十議席削減というのはその前の話であって、二〇一六年を踏まえた定数の議論こそ必要ではないか。そういう点で、二〇一六年の衆議院選挙制度調査会における定数に係るこのような取りまとめについてどのように受け止めておられるのか。

 それと、議員定数に関わってもう一つ、議院内閣制の下で、特に、今、政務三役が八十人近く政府に入ることになります。ですから、立法府で立法府の権能を果たす議員の数はそこから差し引かれるという状況がある。そういうところに定数を削減することになれば、立法府にふさわしい権能を果たすことも後退させることになりはしないのか、こういった危惧も覚えておるものですから、その点について知見がございましたらお願いしたいと思っております。 

○中北浩爾君 御質問ありがとうございます。ほとんど同意見でございます。

 小選挙区制は、私は、一定程度、政治の安定といったことを含めて、民意の集約が必要であるということは確かですけれども、単純小選挙区制にするような条件は今はないのではないかというのが私の冒頭発言の趣旨でございます。それは余りにも政治が流動化してしまう。

 先ほど、政府に百人近く入るという話をされましたけれども、多分落選者だった人が一気にまた戻ってくるとなると、政権運営をそうした政党がうまくできるのかという問題にもなってきます。しかも、現状では政治が流動化している、多党化の流れがあるという中で、無理くり単純小選挙区制を導入していって民意の集約を図るというのは余り適切ではなく、政党数をある程度コントロールしていくような制度の方が望ましいのではないか。 

 もう一点、区割りの変更が頻繁に起きるという点は私も同感でして、区割りを変更すると、政党、政治家と有権者の間の関係性が切断されて、また、関係性が流動化していきますので、そういった観点からも頻繁な区割りを生じないような制度の方が望ましいと私も考えております。

 議員定数についても、根拠が不十分ではないかという点については、まさに御指摘のとおりでありまして、これは竹中参考人が様々な資料を御用意いただいて示されたとおりでありまして、やはり慎重に考えていくべき論点ではないかと感じております。

 以上でございます。 

○竹中治堅君 塩川先生、御質問ありがとうございました。

 まず、質問は多分三つあったと思うんです。小選挙区は死に票が多くなるのではないか、区割りが頻繁になってしまうのではないか、定数削減についてどう考えるのかということだったと思うんです。

 死に票が多くなるということは御指摘のとおりで、死に票は出てしまうと思うんですが、しかし、日本は参議院があるのでというのはもう既に御説明したとおりでございます。そちらで多様な民意は吸収すればいいと思っております。

 そして、先ほど申し上げなかったんですけれども、日本は参議院選挙が三年に一遍という非常な頻度でやってくるわけです。なので、ほかの諸外国に比べたら国政選挙の頻度が高いので、そこで多様な民意を吸収する機会は十分にある。極端な話、こんなに頻繁に国政選挙をやっている国はなかなかなくて、アメリカぐらいなもので、平均すると十八か月に一遍か十六か月に一遍やっている、というのは補足ですけれども、だから、民意を表明する機会は、参議院のことを考えたらすごくたくさんあるんです。そこで吸収すればいいのではないかというのが一つでございます。

 それから、区割りの変更問題でございますけれども、これは塩川先生がおっしゃるとおりの問題意識を私は共有しております。

 是非とも御覧になっていただきたいのが八ページの資料でございますけれども、仮に定数を五百まで戻した場合に、これを単純小選挙区でやった場合に、投票価値の較差は県間で一・四四まで抑えられます。ということは、多分、区割りを変更しなくても相当もつということではないかと思うので、要は、これは多分ここの協議会でもさんざん御指摘されていることだと思いますけれども、議員定数を増やせば増やすほど定数較差の是正、特に、県単位で、県の中で選挙区をつくらなければならないという制約の下では、定数を増やせば増やすほど較差問題の解消につながるので、そこをもう少しここで改めて強調させていただきたいと思います。

 そして、定数削減については、既にそういう報告書がまとめられているということでございますので、それについても、今日私もさんざんそれを改めて強調するようなことを申し上げたので、やはり定数削減には慎重にも慎重を期すべきだろうということを改めて繰り返させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

【内閣委員会】事業者要望と一致の改定案/「個人情報保護が後退」と批判 

 私は、個人情報保護法・デジタル行政推進法改定案が、IT関連を含む事業者団体などの要望内容とほぼ一致しているとして「事業者優先の個人情報の利活用推進では国民の権利利益は守れない」と批判しました。

 現在衆議院で審議中の個人情報保護法は、AI開発推進のためとして第三者提供・目的外利用・要配慮個人情報の取得の際「本人同意」を得るという保護の原則を大きく後退させる改悪がなされます。消費者団体などが求めてきた違法行為を抑止する課徴金制度が導入されたものの、対象となる範囲が狭く、被害者救済につながる団体訴訟制度の導入は見送られました。この背景には、データ利活用を押し進める事業者団体と自民党の圧力があります。

 私は、今回の改定に関して経団連や新経済連盟、日本IT団体連盟など8団体が2024年4月に個人情報保護委員会へ提出した要望内容を質問。同委員会の佐脇紀代志事務局長は▽課徴金・団体訴訟制度に反対▽本人同意原則の緩和▽個人情報漏えい報告など事業者負担の軽減、などが含まれていると説明しました。この意見書は、自民党の「デジタル社会推進本部」の会合に際しても提出されたものです。

 私は、これらの要望に沿う形で改定案がまとめられていると批判し、「個人情報保護が後退している」と指摘しましたが、松本尚デジタル相は「データ利活用と個人情報保護のバランスに配慮した」などと強弁しました。

 さらに私は、事業者がAI(人工知能)開発業者に個人データを渡す際に「匿名化されるのか」と質したところ、佐脇氏は「必須ではない」と認めました。企業や国が持つ氏名や顔写真など個人データがそのまま提供され、個人を特定できる危険性が明らかになった形です。
 
 同時に、デジタル行政推進法(審議中)は、事業者が国や自治体にもデータ提供を求めることができる仕組みとなっています。これに対し、私は「事業者の要求を国が特別いしている」とし、個人報保護が骨抜きになっていると重ねて批判しました。 

 

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事業者優先で利活用推進/衆院内閣委/個人情報保護法改定案/塩川氏批判

「しんぶん赤旗」5月21日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は20日の衆院内閣委員会で、個人情報保護法・デジタル行政推進法改定案が、IT関連を含む事業者団体などの要望内容とほぼ一致しているとして、「事業者優先の個人情報の利活用推進では国民の権利利益は守れない」と批判しました。

 現在衆議院で審議中の個人情報保護法は、AI(人工知能)開発推進のためとして第三者提供・目的外利用・要配慮個人情報の取得の際「本人同意」を得るという保護の原則を大きく後退させる改悪がなされます。消費者団体などが求めてきた違法行為を抑止する課徴金制度が導入されたものの対象範囲が狭く、被害者救済につながる団体訴訟制度の導入は見送られました。背景には、データ利活用を推し進める事業者団体と自民党の圧力があります。

 塩川氏は、今回の改定に関して経団連や新経済連盟、日本IT団体連盟など8団体が2024年4月に個人情報保護委員会へ提出した要望内容を質問。同委員会の佐脇紀代志事務局長は▽課徴金・団体訴訟制度に反対▽本人同意原則の緩和▽個人情報漏えい報告など事業者負担の軽減、などが含まれていると説明しました。

 塩川氏は、これらの要望に沿う形で改定案がまとめられていると批判し、「個人情報保護が後退している」と指摘しましたが、松本尚デジタル相は「データ利活用と個人情報保護のバランスに配慮した」などと強弁しました。

 さらに塩川氏は、事業者がAI開発業者に個人データを渡す際に「匿名化されるのか」とただしたところ、佐脇氏は「必須ではない」と認めました。企業や国が持つ氏名や顔写真など個人データがそのまま提供され、個人を特定できる危険性が明らかになった形です。

 同時に、デジタル行政推進法(審議中)は、事業者が国や自治体にもデータ提供を求めることができる仕組みとなっています。これに対し、塩川氏は「事業者の要求を国が特別扱いしている」とし、個人情報保護が骨抜きになっていると重ねて批判しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月20日(水曜日)内閣委員会 第13号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 個人情報保護法、それからデジタル行政推進法の見直しについて質問をいたします。

 昨年の十二月のデジタル行財政改革会議におきまして、高市総理は、世界で最もAIを開発、活用しやすい国とするために個人情報保護法改正案の提出を指示したということであります。

 個人情報保護委員会にお尋ねしますが、今回の見直しは二三年十一月頃から委員会において検討が始まりましたが、その過程で事業者団体から様々な要求が突きつけられたところであります。二四年四月二十四日の委員会において、事業者八団体が合同で、個人情報保護法の三年ごと見直しに対する意見という文書をヒアリングの資料として提出しております。八団体というのは、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、新経済連盟、日本IT団体連盟、Fintech協会、シェアリングエコノミー協会、プライバシーテック協会であります。

 これはどのような要望が出されたのか、簡単で結構ですが、御説明ください。

○佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的な項目は五つございまして、個人データ等の複数の定義の整理、明確化、二つ目は、法改正ありきで、機械的に三年ごと見直しを行うことについての再検討、三つ目に、漏えい等報告等の負担の軽減、四つ目に、本人同意によらない方法での第三者提供等の在り方の検討、そして五つ目は、課徴金制度及び団体訴訟制度の導入反対でございまして、これらに加えまして、個人情報保護法の見直しに当たって、広範なステークホルダーとの双方向かつ丁寧なコミュニケーションを行うべき旨も併せて要望いただいております。

○塩川委員 主に五つの項目での要望があったということで、今回の反映におきましては、その中で、漏えい等報告等の負担軽減ですとか、本人同意によらない第三者提供、利活用などについてが盛り込まれ、団体訴訟についても導入はしなかったということであります。

 重ねてお尋ねしますが、この事業者団体の意見、本人同意を要しない第三者提供、利活用に基づき、今回の法改正では、個人データの第三者提供及び公開されている要配慮個人情報の取得について、統計情報等の作成、AI開発を含む、にのみ利用される場合は本人同意を不要とするとしたところです。しかしながら、個人情報保護において、第三者提供、目的外利用、要配慮個人情報の取得の際には本人同意を得るというのは、大原則ではありませんか。

○佐脇政府参考人 お答えいたします。

 個人情報保護法では、個人データの第三者提供などの場合には原則として本人同意を求めることとされておりまして、本法案成立後におきましても、この基本的な考え方に変更はございません。他方、現行法におきましても、一定の公益性が認められる場合などには、その例外として同意が不要となるケースも定められております。

 一方で、現行法で定められておりますこれらの原則や例外につきましては、基本的に、個人データを個人との対応関係を残しながら取り扱うことを前提として定めているところでございますが、本法案で提案する統計作成等の場合の特例につきましては、この前提とは異なりまして、個人との対応関係が残らない取扱いに着目し、そのリスクに見合った新たな規律を導入しようとするものでございます。

 すなわち、統計作成等におきましては、大量のデータを個人との対応関係が排斥された形に加工する場合であって、かつ、それ以外の目的に利用されないことや安全管理措置等が講じられることが担保されている場合であれば、個人の権利利益を害するおそれが少ないことから、第三者提供等の場合に本人同意を不要とするということとして提案しているところでございます。

○塩川委員 個人の権利利益を害するおそれが少ない、そういうことで説明がありましたけれども、しかし、この大本の原則を曲げるものとなっているところであります。

 お尋ねしますが、今回の法案において、AI開発のための学習用の個人データというのは、提供されるときに匿名化がされているものなんでしょうか。

    〔委員長退席、鳩山委員長代理着席〕

○佐脇政府参考人 お答え申します。

 AI開発等におきましては、大量の文書を学習する場合など、個人情報が氏名や住所などの項目ごとに整理されていなくて、個人情報を抽出することが困難な場合も想定されるわけでございます。また、大量のデータに含まれる個々の項目が、提供先が行おうとするAI開発等との関係で必要か否かについて、必ずしも提供元が判断することが容易でない場合も想定されるものでございますから、今回の特例におきましては、提供に際しては、匿名化することや特定の項目を削除することを要件とはしてございません。

 もっとも、特例の対象となります統計作成等におきましては、法律上、改正法案上、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして規則で定めるものに限定しておりまして、その規則におきまして、提供先では不要なデータ項目を削除するというために必要かつ適切な措置を講ずることを要件として求めることとしてございます。

 また、提供先が漏えいした場合のリスクなどが大きい場合におきましては、そのリスクに応じて、不要な氏名などを削除することが元々安全管理措置義務として求められておりますので、本特例におきましては、提供先においては氏名や詳細な住所等の不要なデータがいたずらに保持し続けられることもなかろうかと思ってございます。

 匿名化して提供することはございませんが、提供先ではしっかり、リスクの少ない形で利用、管理がされます。

○塩川委員 提供元で匿名化されていないということですと、提供先には、氏名ですとか生年月日とか顔写真などの個人情報に目を通すことができるという形になるわけであります。個人を特定できる形でのデータの提供ということが前提だというのは、よく見ておく必要があると思います。

 次に、内閣官房の方にデジタル行政推進法についてお尋ねします。

 認定国等データ活用事業者は、国の行政機関等に対し、自らが必要とするデータの提供を求めることができ、それに対し国が必ず回答しなければならないという応答義務がかけられております。このような、国等に応答義務を課している他の法律というのは、具体的にはどんなものがあるんでしょうか。

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、国から認定を受けた事業主体が国の行政機関等に対してデータの提供を求めることができて、当該求めに対する国の行政機関等の対応が規定されている法律といたしましては、国家戦略特別区域法があると承知してございます。この法律は、同法に基づく認定を受けた区域計画における事業の実施主体が、当該区域に関するデータの提供を求めることができると規定されていると承知してございます。

 また、このほか、生産性向上特措法にもこのような制度がございましたが、同法は令和三年に廃止されていると承知しております。

○塩川委員 ですから、こういった事業者側が国にデータ提供を求める、それに対して国が必ず回答しなければならないという応答義務を課しているというのは、ほかには国家戦略特区法しかないと。極めて特別扱いの、そういう法律の仕組みになっているということでよろしいですか。

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねての答弁になりますが、前例として承知しておりますのは、先ほど申し上げたとおりでございます。

○塩川委員 極めて事業者側にとっては都合のいい、特別扱いの法律となっているところです。

 そして、法案では、国のデータに個人情報が含まれるときは個人情報保護委員会と協議しなければならないとあります。ですから、国が保有する個人情報の提供を念頭に置いている、こういう取組、スキームのものということでよろしいでしょうか。

    〔鳩山委員長代理退席、委員長着席〕

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 改正法案におきましては、国等データ活用事業計画を認定しようとする場合におきまして、当該事業において用いられるデータに個人情報が含まれるときには、個人情報保護法の観点から、個人情報保護委員会に協議を行わなければならないということを規定されております。

 また、国が保有するデータの提供に当たりましては、個人情報保護法を始めとする他の法令に違反する場合や公益を害する場合などにはデータ提供をしないこととしており、個別の事案に応じて適切に判断するというふうに規定してございます。

○塩川委員 このように、国の持っている個人情報を事業者に提供する、それについて、こういう情報があるのかということに対してきちっと応答義務を課している、その上で、個情委もかみながらということではあるんですが、個人情報を出しますよといったスキーム、そこまでやるというのはほかにはほとんど例がないということでもありますので、何でそこまでやるのかということについて御説明いただけますか。

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 データ利活用を推進するという観点から、このような制度を前例も見ながらつくったところでございますが、先ほど、必ずという委員の御指摘がございましたが、答弁でも申し上げましたように、個人情報保護法を含めました他法令に違反する場合、あるいはその他公益を害するおそれがある場合等々には提供しないということとしてございます。

○塩川委員 スキームとして、AI開発に必要な個人情報を含む国のデータを効率的に集める、そういうものになっているわけです。政府のデジタル社会構想会議、昨年の十二月の会議の場で、事業者団体の新経済連盟は、政府や国の機関が保有する日本語データも広く日本企業が学習用に使えるようにすべきと述べているように、事業者の求めるそういった中身に対応しているということであります。

 重ねて内閣官房にお尋ねしますが、事業者は、地方自治体に対しても個人情報を含むデータの提供を求めることができるんでしょうか。

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 改正法案におきましては、認定された国等データ活用事業の実施に関しまして必要があると認められるときには、活用事業者は、地方公共団体等の長に対し、当該地方公共団体等の保有するデータの提供を含め、必要な協力を求めることができるとされております。

○塩川委員 これは、具体的に自治体にどういうことを求めていくということを想定しているものなんでしょうか。

○山澄政府参考人 お答え申し上げます。

 重ねてで恐縮でございますが、当該地方公共団体等の保有するデータの提供を含む必要な協力ということでございます。

○塩川委員 自治体が保有する膨大な個人情報も視野に入れている、そういう取組と考えてよろしいんでしょうか。

○山澄政府参考人 地方公共団体がそのような求めを受けた場合におきましては、データを実際に提供するか否かについては、当該地方公共団体において総合的に判断されるというふうに承知してございます。

○塩川委員 自治体の判断ということでありますけれども、そういった自治体の保有する膨大な個人情報についても視野に入れているということになると思います。

 それで、AI開発という個人情報の利活用のために、第三者提供や、また目的外利用、要配慮個人情報の取得の際、本人同意を得るという個人情報保護の大原則が大きく後退するという点と、それに加えて、デジタル行政推進法において、事業者の要求を国が特別扱いする仕組みまで入れ込もうとしております。

 一方で、個人情報保護の強化策は骨抜きという状況で、二〇二四年の十二月の取りまとめ、個人情報保護法のいわゆる三年ごと見直しに関する検討会報告書では、課徴金や団体訴訟の検討が掲げられていたわけであります。

 個人情報保護委員会にお尋ねしますが、この検討会報告書では、課徴金納付命令の対象となる違反行為の範囲について、第三者提供規制等違反だけでなく、安全管理措置義務違反も対象となっていたのではありませんか。

○佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 課徴金制度の検討の過程におきましては、議員御指摘の安全管理措置義務違反につきましても対象として、検討を重ねてまいりました。

○塩川委員 検討会報告では第三者提供規制等違反だけじゃなくて安全管理措置義務違反も対象だったのに、何で安全管理措置義務違反は落ちてしまったんでしょうか。

○佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 今回導入する課徴金制度におきましては、違反行為の抑止の必要性がより高い事案に対しまして迅速、機動的な対応を確保する観点から、現行法上の緊急命令の対象となっている重要な規律に違反する行為類型のうち、個人情報保護委員会において勧告、命令の実績のある規律の違反行為類型を対象とするという整理を最終的に行いました。議員御指摘の第三者提供違反でございますとか、今回導入する統計作成等特例の義務違反などについて想定してございます。

 一方、議論になっております安全管理措置義務違反につきましては、検討しました結果、これらの不正取得あるいは第三者提供違反のような積極的な行為がなくても違反する可能性があるため、事業者の予見可能性を十分に確保するべく、より慎重な検討が必要であること、そして、安全管理措置を怠ったことにより削減したコスト、これは課徴金の算定基礎になるわけでございますが、その具体的な額の算定方法についてより慎重な検討が必要であることなどの課題があると認識に至ったために、対象外とすることとしたわけでございますが、引き続き、我々の措置命令その他の執行を続けていく中で、その状況を見ながら、課徴金制度の対象の範囲につきましては、当然ながら不断の検討を深めていく所存でございます。

○塩川委員 要配慮個人情報を含む個人情報を大きく提供を拡大するような仕組みになっていくときに、やはり、事業者に対して、問題がある際に、こういった安全管理措置義務違反をかけるというのは、一方で個人情報を大量に出すということを前提にしたときに、こういった対応でいいのかというのが問われるところであります。

 あと、団体訴訟についてはどうなったんでしょうか。

○佐脇政府参考人 お答え申し上げます。

 個人情報保護委員会におきましては、既存の適格消費者団体の活用を念頭に、団体訴訟の導入を検討してまいりました。

 検討の結果、個人情報保護法は個人の権利利益を保護するものである一方で、既存の適格消費者団体が利益を擁護するのは消費者でございまして、団体訴訟制度の対象となり得る違法な個人情報の取扱いの範囲につきまして引き続き法制的な整理が必要であること、それから、消費者団体などからは、個人情報の取扱いの態様などが消費者契約その他を扱う消費者問題との比較におきまして外部から明らかではないため、事実関係の把握が容易でない場合も多いといった実務上の課題に対処する必要性を指摘する意見もございました。

 これらを踏まえまして、団体訴訟制度の導入については見送ることといたしましたが、個人の権利利益の保護を図る上では、委員会におきまして、消費者団体などとの連携の強化、それから、一般の個人からの相談を受け付ける窓口の活用の促進、そして、適正な監視、監督の行使ということを通じまして、権利利益の救済には抜かりなきよう対応する所存でございます。

○塩川委員 見送りになったというのは極めて残念ですけれども、この法案を審議している地こデジにおける参考人質疑の場で、弁護士の森参考人は、個人情報保護法のいわゆる三年ごと見直しに関する検討会報告書を引用して、委員会の体制面や人的資源等にも限界はあり、必ずしも全ての違反行為に迅速かつ網羅的に対応できるとは限らない、個情委の今の体制では対応し切れないと。こうした既存の本人の権利行使による対応や委員会の権限行使による対応の限界を考えると、個人情報の違法な取扱いが行われている場合に適切に権利救済を受ける手段を多様化し、より確実に救済を受けられる環境を整えていくことは重要であると強調したところです。確実に救済を受けられる環境を整えていくことの重要性を、改めて認識すべきだと思います。

 大臣にお尋ねいたします。

 つらつら法案の議論をしてまいりましたけれども、このように、当初の検討状況から、個人情報保護の取組については残念ながら後退していると言わざるを得ません。そういった事業者団体の、課徴金及び団体訴訟制度の導入に強く反対という要求に沿ったものとなっております。個人情報保護法というのは、国民の重要な個人情報を保護するためにあります。それを業界団体、財界の要求によって曲げられているのではないのか、大臣の受け止めを伺います。

○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。

 この法案の審議に当たっては、個人情報保護が十分かどうかというようなことを、再三にわたって、いろいろなところから御意見を伺っております。

 今委員御指摘のように、一部の業界団体等の要求でねじ曲げられているのかと言われれば、そんなことはございませんと答えることになるんですけれども、この見直しに向けた検討に当たっては、令和六年六月に中間整理を出したときに、まずパブリックコメントを取っています。そのパブリックコメントについては、七十二者の団体、事業者、それから個人では千六百五十九者から御意見を伺ったところ。課徴金や団体訴訟については、有識者や関係団体を構成とする検討会を開きました。この検討会では、関係団体、主婦連合会、新経済連盟、消費者団体連絡会、消費者生活相談員協会など六団体からお話を伺っています。そして、制度の基本的な在り方に立ち返った議論を行うため、個情委員会の事務局によるヒアリングを実施したところではございます。

 このように、経済団体は当然なんですけれども、消費者団体の皆さんからも幅広く御意見を伺った上で、十分にバランス、データの利活用と個人情報のバランスを十分に配慮しながら、この法律の改正にまで持ってきたということでございます。確かに、一方の圧力があったのではないかというような御指摘があろうかとは思いますけれども、我々としては可能な限りバランスを取った法律の改正になっているというふうに思っておりますので、その点については予断を持たずに、是非御理解をいただきたいというふうに思います。

 ありがとうございます。

○塩川委員 冒頭紹介した事業者八団体の要望というのは、その中身がそっくり自民党の要望項目として政府に出されているという経緯の中を見ても、率直に言って、やはり、個人情報の利活用推進を求める事業者サイドの改定では国民の権利利益を保護することはできないということを申し上げて、質問を終わります。

7月に市議選のある常陸大宮市で演説会

 高村いさお議員からバトンタッチする小室さだおさんと訴え!

 周辺部の公共施設を減らし、中心部の開発を推進する市政を転換し、子育て・高齢者支援の施策で、いつまでも住み続けられるまちづくりに全力!

 消費税減税、戦争反対、憲法9条守れの願いを日本共産党へ!

 

 

 


茨城・常陸大宮市議選/新人・小室氏勝利を/党演説会/塩川氏が応援

「しんぶん赤旗」5月18日・8面より

 茨城県の日本共産党常陸大宮市委員会は市内で16日、7月に行われる同市議会議員選挙(19日告示・26日投開票)勝利へ演説会を行いました。同市党では現職の高村功市議から新人の小室さだお氏(市政・くらし対策部長)へのバトンタッチをめざし現有1議席確保に全力を尽くします。国会で奮闘する塩川鉄也衆院議員が応援に駆けつけました。

 塩川氏は、議席の4分の3を占める自民・維新政権となった国会の変化の中で、国民の命と暮らしを守り支える党議席の役割の重要性を語りました。国会前や全国で「『戦争反対。平和が大事』と訴える国民世論とともに政治を変える日本共産党を大きく伸ばしてほしい」と呼びかけました。

 小室氏は、元市職員として市民の声を大事にしてきた経験を紹介。▽中学校の給食無償化▽高齢者の補聴器購入助成制度▽国保税や水道料金の引き下げ―など公約を訴え「福祉や暮らし最優先の市政へ全力を尽くしたい」と強調しました。

 「小室さんは優しい実行力のある人」「誰とでも分け隔てなく接する、さだおさん」など元同僚や支援者たちが次々と応援。高村氏は「市民の声を議会に反映する党の議席をしっかりと引き継ぎたい」と語りました。

 

再審制度見直しのため、共産・中道・みらいの3党で、刑事訴訟法改正案を衆議院に提出

 

 立憲・公明・れいわの議員も同席。

 えん罪被害者の速やかな救済のための再審法改正が必要。政府案は不十分で問題あり。検察官不服申立て(抗告)の全面禁止、証拠開示の実施こそ。


検察官抗告を全面禁止、再審制度見直しの法案を共同提出、超党派議連案をベースに、冤罪被害者のすみやかな救済を

 日本共産党、中道改革連合、チームみらいは、再審制度見直しに向け、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)の禁止を明記した「刑事訴訟法改正案」を衆院に共同提出しました。

 この改正案は、昨年国会に提出され、1月の解散により廃案となった超党派議員連盟の改正案を基にしたものです。

 今日閣議委決定された再審制度見直しのための政府案は、冤罪の救済を遅らせる重大要因となっている検察官抗告を「原則禁止」として例外を設けています。

 これに対し、共同提出した改正案は、検察官抗告を例外なく全面禁止しています。

 また、改正案は、再審請求審で裁判所が検察に証拠開示を命じる規定を盛り込んでいます。

 改正案提出後の記者会見で、衆道の西村智奈美議員は「政府案の対案として提出した。国会で並行審議することで、論点を可視化し、より良い再審制度にできるよう全力を挙げる」と述べました。

 私は「冤罪被害者のすみやかな救済のための再審法改正が必要。政府案は極めて不十分で問題がある。検察官抗告の全面禁止、証拠開示の実施が必要だ」と強調しました。


再審改正「政府案不十分」/抗告全面禁止案を共同提出

「しんぶん赤旗」5月16日・2面より

 日本共産党、中道改革連合、チームみらいは15日、再審制度見直しに向け、再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)の禁止を明記した「刑事訴訟法改正案」を衆院に共同提出しました。同改正案は、昨年国会に提出され1月の衆院解散により廃案となった超党派議員連盟の改正案を基にしたものです。

 同日閣議決定された再審制度見直しのための政府案は、冤罪(えんざい)の救済を遅らせる重大要因となっている検察官抗告を「原則禁止」として例外を設けています。これに対し、共同提出された改正案は、検察官抗告を例外なく全面禁止しています。また、改正案は、再審請求審で裁判所が検察に証拠開示を命じる規定を盛り込んでいます。

 改正案提出後に記者会見した中道の西村智奈美議員は「政府案の対案として提出した。国会で並行審議することで論点を可視化し、より良い再審制度にできるよう全力を挙げる」と述べました。

 日本共産党の塩川鉄也議員は「冤罪被害者のすみやかな救済のための再審法改正が必要だ。政府案は極めて不十分で問題がある。検察官不服申し立て(抗告)の全面禁止、証拠開示の実施が必要だ」と強調しました。

【内閣委員会】科学技術の軍事化を推進/経済安保推進法改正案が可決

 経済安保推進法改正案が15日の衆院内閣委員会で採決され、自民、維新、中道、国民、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 質疑で私は、同法に基づく先端的重要技術の開発支援「Kプログラム」実施のために現在40設置されている協議会のうち「防衛省が参加しているのはいくつか」と質問。防衛省は「39に参加している」と答えました。私は「軍事を重視する研究体制だ」と批判し、実例としてKプロ案件の「光通信等の衛星コンステレーション(小型人工衛星)基盤技術の開発・実証」をあげ、防衛省が参加している理由を質しました。防衛省は「衛星通信は作戦の基盤。光通信技術は抗たん性の向上など様々な課題を解決するためのインフラとなりうる」と答えました。

 「防衛白書」は敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」獲得が目的の「衛星コンステレーション」構築をうたい、国はその「整備・運営等事業」を、民間資金やノウハウを活用するPFI事業として推進しています。私は、同PFI事業に対する国の業務要求水準書は、事業者に対し、戦争などで事業継続が困難な場合でも国が必要な画像データを取得できるようにすることを求めていると告発。防衛省は「スタンド・オフ防衛能力の実効性を確保するという重要性を踏まえ、業務の継続を求めている」と答えました。

 私は、同PFI事業はスカパーJSATが落札し、同社出資企業がKプロ案件の「光通信等の衛星コンステレーション」の幹事企業であると指摘。民間事業者を軍事に組み込む同PFI事業とKプロは一体だと強調し、「Kプロは巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業ではないか」と追及しました。小野田内閣府担当大臣は「Kプロの成果を防衛省などの判断で活用することはありうる」と認めながら「指摘はあたらない」と強弁しました。
―――――――――――――――――――――――――
以下、反対討論の全文です。

 私は、日本共産党を代表し、経済安保推進法等改正案に対し、反対の討論を行います。

 経済安保は第一次トランプ政権が打ち出したものです。仮想敵国を前提とし、経済力、技術力を、相手国への対抗手段、威圧する手段と位置づけ、経済分野でも米国を中心としたブロック体制に同盟国等を組み込もうとするものです。日本政府は、軍事面での日米一体化とともに経済安保でも米国に付き従い、2022年に経済安保推進法を成立させました。本案はそれをさらに拡大しようとするものです。

 重要物資の確保を理由に、政府が「関係者」に対し協力要請できる規定を盛り込んでいます。許認可権や巨額の支援など様々な権限を持つ行政機関からの要請は、事業者にとって大きな圧力となり、営業の自由の侵害が避けられません。

 重大なのは、軍事への協力も対象となりうることです。重要物資とは何かを決めるのは政府であり、現行法の下でも、すでに船体や無人航空機、半導体など軍事と関わりが深い分野が指定されています。そのうえ、法案では「関係者」の範囲、「協力」の内容など政府に白紙委任されています。政府の裁量で広範な事業者が自衛隊や米軍への協力を迫られることになりかねません。

 また、総理大臣が経済安保に関する官民協議会を設置し、その参加者に対して情報提供義務を課します。官民協議会には警察や公安調査庁も参加可能です。政府が民間事業者の情報を吸い上げ、経済安保分野における警察や情報機関の活動強化に使える仕組みであり、企業活動に対する監視・介入を拡大させる懸念はぬぐえません。

 加えて、軍事転用可能なデュアルユース技術の研究開発支援を行うKプログラムに参加する指定基金の対象を拡大する問題です。現在設置されている指定基金協議会のほとんどに防衛省が参加しています。Kプログラムが軍事と深くつながっているのは明白です。科学技術の軍事研究化を一層推進することには反対です。

 さらに、政府が経済安保上重要だとする海外事業への支援制度を新設する問題です。採算性が不確実なハイリスクな事業にJBICが融資するこの制度は、いち企業の経営リスクを、国民の財産・税金で肩代わりするものに他なりません。

 最後に、政官業癒着の問題です。質疑で明らかになったのは、重要物資の助成金の交付を担う法人の役員に、支援を受ける業界の企業の役員と天下り役人が就いている実態です。業界団体から自民党への献金など政官業癒着の構造そのものです。海外事業への支援制度を創設し、重要物資に「役務」も追加することは、こうした癒着を一層拡大させることは明らかです。

 以上申し述べ、討論を終わります。 

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科学技術の軍事化推進/経済安保推進法等改定案が可決/衆院内閣委員会/塩川議員が批判

「しんぶん赤旗」5月16日・2面より

 経済安全保障推進法等改定案が15日の衆院内閣委員会で、自民と日本維新の会、中道改革連合、国民民主、参政、みらいの各党などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 質疑で共産党の塩川鉄也議員は、同法に基づく先端的重要技術の開発支援「Kプログラム」(Kプロ)実施のため現在設置されている40協議会のうち、防衛省が39に参加していることを明らかにし、「軍事を重視する研究体制だ」と批判しました。

 その一つ、「光通信等の衛星コンステレーション(小型人工衛星網)基盤技術の開発・実証」について、防衛省に参加理由を追及。同省の吉野幸治サイバーセキュリティ・情報化審議官は「衛星通信は作戦の基盤。光通信技術は課題を解決するためのインフラとなり得る」と答えました。

 「防衛白書」は敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」獲得が目的の「衛星コンステレーション」構築をうたい、国はその「整備・運営等事業」を民間資金やノウハウを「活用」するPFI事業として推進しています。

 塩川氏は、同事業で国は事業者に対し、戦争などで事業継続が困難な場合でも、必要な画像データを取得できるようにすることを求めていると告発。吉野氏は「スタンド・オフ防衛能力」の実効性確保のための同事業を継続させる取り組みだと開き直りました。

 塩川氏は民間事業者を軍事に組み込む同事業とKプロは一体だと強調し、「Kプロは巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業ではないか」と追及。小野田紀美経済安保相はKプロの成果を防衛省などの判断で活用することは「あり得る」と認めながら「指摘はあたらない」と強弁しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月15日(金曜日)内閣委員会 第12号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 Kプログラムに関して今日は質問をいたします。

 先端的な重要技術の開発支援、Kプログラムにおける研究開発構想に係る指定基金協議会、今、四十と承知しておりますけれども、この指定基金協議会に参加する行政機関について、防衛省、まあ防衛装備庁も含みますけれども、防衛省が参加をしているのは幾つになるか、防衛省、お答えください。

○嶺政府参考人 お答え申し上げます。

 経済安全保障重要技術育成プログラムは、我が国の自律性、優位性、ひいては不可欠性を確保していくため、先端的な重要技術の研究開発を推進しまして社会実装につなげるための政府の取組でありまして、研究開発等を伴走支援する枠組みとして、研究開発実施者と関係府省を含む政府関係機関等が意見交換を行う場となる指定基金協議会が設置されております。

 本年三月三十一日時点で四十の指定基金協議会が設置されておりますが、防衛省も、潜在的な社会実装の担い手として想定される関係行政機関の一つとして、三十九の指定基金協議会に参加しておるところでございます。

○塩川委員 四十のうち三十九ということですから、ほとんど全てに参加をしていると。

 私もちょっと数えたら、経産省でも三十七でして、防衛省が一番多いのかなと思いました。防衛省がこんなに多いというのはなぜなんでしょうか。

○嶺政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどありましたように、これは、先端的な重要技術の研究開発を推進するプログラムということでございまして、当然、防衛だけではなくて広く民生にも裨益するような技術だというふうには考えておりますが、我々防衛省としましても、基本的に先端技術、これを取り入れていくということで、このプログラムに、こちら指定基金協議会の方の場で参加させていただいているということでございます。

○塩川委員 余り説明になっていませんが。このKプログラムというのが、率直に言って防衛、軍事に偏っている。軍事を重視する、そういった研究体制ということがそこから見て取れるところであります。

 そこで、具体的な事例として、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのも一つ挙げられております。このプログラムに防衛省が参加をしている理由は何でしょうか。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 衛星通信は自衛隊の作戦の基盤となるものでございまして、周辺国の妨害能力の向上、増大する自衛隊の通信所要に対応するためには、低軌道の衛星コンステレーションや静止軌道衛星等を組み合わせて、多層的で抗堪性の高い衛星通信ネットワークを構築することが必要でございます。

 その中で光通信技術は、通信容量の増大や通信ネットワークのセキュリティー向上、電波資源の枯渇への対応といった課題を解決するためのインフラとなり得るものと考えてございまして、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えてございます。

 このため、防衛省と防衛装備庁でございますが、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加し、光通信に係る先端技術についての意見交換を行っておるところでございます。

○塩川委員 衛星通信に係る抗堪性の確保も含めた取組ということであります。

 そういう中で、防衛白書において、スタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーションを二〇二七年度までに構築するというのがあります。その取組として、防衛省は、衛星コンステレーションの整備・運営等事業、いわゆるPFI事業を推進をしております。事業者として、スカパーJSATが落札をしたところです。

 スカパーJSATは、本件は、スタンドオフ防衛能力の実効性確保に必要な画像情報の安定的な取得を目的に、民間企業が運営する衛星コンステレーションの構築を目指すPFI事業ですと説明をしております。

 一方、このKプログラム、光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証のプログラムについては、スカパーJSATとNTTが出資をしているスペースコンパスが幹事企業となっております。

 まさに防衛省のPFI事業とこのKプログラムと、どちらにもスカパーJSATが関与しているわけですけれども、この二つはいわば一体のものということでしょうか。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のございました衛星コンステレーションの整備・運営等事業、PFIの事業でございますが、こちら、防衛省、既に運用してございますが、こちらと、経済安全保障重要技術育成プログラム、Kプログラムの対象とされております光通信等の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証、これらにつきましては、それぞれ目的や内容等の異なる別個の事業でございます。

○塩川委員 でも、Kプログラムにおけるこの光通信の衛星コンステレーション基盤技術の開発・実証というのは、この防衛省が行っているスタンドオフ防衛能力の獲得を目的とした衛星コンステレーション、これに生かせるものは生かしていけるというものになってくるのではありませんか。違いますか。

○吉野政府参考人 Kプログラムで行っております事業そのものというよりも、一般論として、衛星間の光通信という観点で申し上げれば、こういった技術を衛星コンステレーションに組み込むことで、撮像した画像を地上で確認するまでの時間を短縮できる可能性はあるというふうに考えてございます。

 その上で、御指摘のKプログラムの事業、これの成果を防衛省として活用するか否かにつきましては、何ら決まったものはございません。

○塩川委員 でも、Kプログラムに防衛省、防衛装備庁が関係行政機関として入っているというのは、やはりこういった光通信における技術を生かしていきたいということではあるんですよね。

○吉野政府参考人 防衛省、お尋ねの事業に係る指定基金協議会に参加してございますが、その趣旨と申し上げますのは、先ほども申し上げたとおりでございますが、防衛省も潜在的な社会実装の担い手となる可能性がある技術領域と考えておりまして、そのような観点で参加をしてございます。

○塩川委員 このKプログラムについては、本事業により開発を行う光通信ネットワーク技術については、災害対策、海洋監視、安全保障など様々な分野での宇宙利用を拡大していく上で必須のデータ通信基盤となることが想定されるということで、安全保障分野での活用も想定している。だからこそ防衛省、防衛装備庁も参加をしているということで、防衛省のこのPFI事業とKプログラムの連携、連動というのは当然であります。

 そこで、スカパーJSATが落札をした防衛省のPFI事業であります衛星コンステレーションの整備・運営等事業の業務要求水準書を見ますと、その中には、事業者は、戦争、暴動その他これらに類似の事案が発生し、本事業に従事することが困難な状況が生じた場合でも、国が撮像、写真を撮るわけですね、撮像指示を行い必要な画像データの取得が実施できるよう処置を講じなければならないとあります。

 戦争とかがあっても国が求めた画像を送れということをPFI事業者に義務づけているということですけれども、ここで言っている「本事業に従事することが困難な状況が生じた場合」というその困難な状況というのは、どういう状況を想定しているんでしょうか。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 具体的な状況をあらかじめ想定してこちらの場で具体的に申し上げることは困難であることは御理解をいただきたいと思います。

 他方で、衛星コンステレーションの果たす役割の重要性を踏まえまして、継続的にこの事業を行えるよう措置を講ずるという旨をこちらの方で記載をさせていただいてございます。

○塩川委員 でも、戦争とかという事態を想定しているということですよね。例えば船舶のPFI事業などにおいても、民間船は通常、有事では戦場には出られないわけですけれども、予備自衛官を乗せることでそれを可能にするような、PFI事業者であっても実際戦地に行くような、そういう仕組みもかつてつくっているということもあります。

 今回のような場合についても、戦争のような状況であっても、民間事業者、PFI事業者に対して、まさに事業継続が困難な場合でも、PFI事業者には衛星コンステレーションの整備、運営に係る仕事を継続しろということを迫るということになるんじゃありませんか。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 こちらの衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国が、侵攻する部隊等をその防空ミサイルの脅威圏外から撃破するためのスタンドオフ防衛能力の実効性を確保する観点から情報収集能力を強化する必要があるという認識の下で、目標情報を探知、追尾する能力獲得を目的として構築をしているものでございます。

 このような事業の趣旨の重要性を踏まえまして、業務が継続的にできるよう措置する考えでございます。

○塩川委員 このPFI事業では、衛星を管理、運営するというために地上システムがあるわけですよ。地上システムは、国内だけじゃなくて海外にもあるわけですよね。そういった海外の地上システムを維持、保全、管理をするといったことも民間事業者の仕事ということになった場合に、やはり何らかの危険を招くような、そういう事態というのも想定しているからこそ、こういった規定を業務要求水準書に書いているということじゃないですか。

○吉野政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げたとおり、PFI事業の衛星コンステレーションの事業に関しましては、我が国を守る上でのその重要性に鑑みまして、先ほど来申し上げているとおり、事業の継続ができるよう必要な措置を講ずる観点から、今のような取組をしているところでございます。

○塩川委員 民間事業者を軍事に組み込むようなそういう仕組みというのがこのPFI事業において行われようとしているという点は極めて重大ですし、こういったPFI事業といわば一体としての研究開発がKプログラムでも行われているという点で、最後、大臣に伺いますが、このKプログラムというのは科学技術の軍事化を一層拡大させることになりはしないか、この点についてお答えください。

○小野田国務大臣 Kプログラムは、経済安全保障の確保、強化の観点から、AIや量子、宇宙、海洋等の分野に関し、民生利用や公的利用の幅広い活用を目指して、先端的な重要技術の研究開発を推進するものでございます。一方、本プログラムに限らず、先端的な重要技術を官民の様々な分野で活用していくことは当然でございます。

 本プログラムは防衛装備品そのものの研究開発を実施するものではございませんが、得られた成果が将来的に民間における用途のみならず防衛省を含む関係省庁自らの判断により活用されることはあり得ると考えています。

 なお、本法に基づく指定基金協議会においては、防衛省に限らず幅広い関係省庁等の参加を得ているところです。

 いずれにせよ、本プログラムは、防衛用途を含め特定のニーズのみを念頭に置いた研究開発を拡大、推進するものではなく、委員の御指摘は当たらないものと考えております。

○塩川委員 今日やりましたように、Kプログラムというのが巨額の研究費で軍事技術の強化を狙う事業だということを指摘をし、質問を終わります。


○塩川委員 私は、日本共産党を代表し、経済安保推進法等改正案に対し、反対の討論を行います。

 経済安保は第一次トランプ政権が打ち出したものです。仮想敵国を前提とし、経済力、技術力を相手国への対抗手段、威圧する手段と位置づけ、経済分野でも米国を中心としたブロック体制に同盟国等を組み込もうとするものです。日本政府は、軍事面での日米一体化とともに経済安保でも米国につき従い、二〇二二年に経済安保推進法を成立させました。本案は、それを更に拡大しようとするものです。

 重要物資の確保を理由に、政府が関係者に対し協力要請できる規定を盛り込んでいます。許認可権や巨額の支援など様々な権限を持つ行政機関からの要請は、事業者にとって大きな圧力となり、営業の自由の侵害が避けられません。

 重大なのは、軍事への協力も対象となり得ることです。重要物資とは何かを決めるのは政府であり、現行法の下でも、既に船体や無人航空機、半導体など、軍事と関わりが深い分野が指定されています。その上、法案では、関係者の範囲、協力の内容など、政府に白紙委任されています。政府の裁量で広範な事業者が自衛隊や米軍への協力を迫られることになりかねません。

 また、総理大臣が経済安保に関する官民協議会を設置し、その参加者に対して情報提供義務を課します。官民協議会には警察や公安調査庁も参加可能です。政府が民間事業者の情報を吸い上げ、経済安保分野における警察や情報機関の活動強化に使える仕組みであり、企業活動に対する監視、介入を拡大させる懸念は拭えません。

 加えて、軍事転用可能なデュアルユース技術の研究開発支援を行うKプログラムに参加する指定基金の対象を拡大する問題です。現在設置されている指定基金協議会のほとんどに防衛省が参加しています。Kプログラムが軍事と深くつながっているのは明白です。科学技術の軍事研究化を一層推進することには反対です。

 さらに、政府が経済安保上重要だとする海外事業への支援制度を新設する問題です。採算性が不確実なハイリスクな事業にJBICが融資するこの制度は、一企業の経営リスクを国民の財産、税金で肩代わりするものにほかなりません。

 最後に、政官癒着の問題です。質疑で明らかになったのは、重要物資の助成金の交付を担う法人の役員に、支援を受ける業界の企業の役員と天下り役人が就いている実態です。業界団体から自民党への献金など、政官業癒着の構造そのものです。海外事業への支援制度を創設し、重要物資に役務も追加することは、こうした癒着を一層拡大させることになることは明らかです。

 以上申し述べ、討論を終わります。

【内閣・経済産業連合審査会】建設資材の不足・高騰/企業規模によって資材確保に大きな差/国の責任で対策を

 経済安保推進法等改正案の質疑を行いました。私は、米国・イスラエルによるイラン攻撃に伴うナフサショック、建設資材不足への対策を国の責任で行うよう質しました。

 私は、町場の工務店、一人親方など規模の小さい事業者から寄せられた「資材価格が2倍3倍になっている」「どこを探しても見つからない」との切実な声を紹介し「資材供給の実態把握、情報公開が必要だ。ここに行けば資材があると示すのが国の責任だ」と迫りました。国土交通省は「規模の小さい事業者において資材確保の懸念が大きいと認識している」と認めつつ、具体策については「目詰まりの解消に取り組んでいく」と述べるに留まりました。私は「実際に届いていない事業者がいるのだから、これを放置したら意味がない」と強調。コロナの時のような特別な支援制度の創設とともに、ただちに補正予算を編成し、消費税を5%へ減税するなど緊急対策を実施するよう求めました。

 私は、米国が国連憲章、国際法を踏みにじるイランへの無法な先制攻撃を行ったことが物資の供給不足などの混乱を引き起こしているとして「経済安全保障の連携先としている米国が最大のリスクとなっているのではないか」と追及。小野田内閣府担当大臣は「米国との連携を推し進めていく」と答えました。

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「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月14日(木曜日)内閣委員会 第11号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 四人の参考人の皆様には、貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

 最初に、植松参考人にお尋ねをいたします。

 海底ケーブル、お話しいただきました。この海底ケーブルの市場規模は、変動幅はありながらも拡大傾向にある、特にハイパースケーラーが市場を牽引しているというお話がありました。同時に、植松参考人のメディア等での御発言などを拝見していますと、将来、例えばエッジコンピューティングやデータ圧縮といった大容量通信を必要としない技術革新が進めば、海底ケーブルの需要も変わる可能性があると述べておられます。

 このような、海底ケーブルの需要が大きく変わる可能性について、具体的に少し教えていただけないでしょうか。

○植松参考人 御質問ありがとうございます。

 可能性としては、その二つ、三つに限らずほかにもあると思うんですけれども、海底ケーブルに代わる何か、技術について申し上げると、十年、二十年、三十年、五十年先は分かりませんけれども当面の間はないと思います。

 一つは、衛星通信が現時点でも挙げられますけれども、通信速度が明らかに違うんですね。ですので、ここまでデータ通信に依存する社会に、スマホ一つ取っても、企業のソフト、何にしろ、なってしまうと、この通信容量に代わるものというのはそう簡単には出てこないと思うんですね。

 ただし、二〇〇〇年代の前半、一年、二年ぐらいでしょうか、ITバブルなんて言われたときがあって、海底ケーブルの需要がどんと落ちたときがあったんですね。今後も、別の言い方をするのであれば、今はAIクラウドでどんとハイパースケーラーを中心に伸びていますけれども、AIバブルが崩壊というようなところというのももちろん想定はしなくてはならないんですけれども。

 一方で、海底ケーブルは一般的には二十五年運用するんですけれども、最初に敷いたケーブルがもう既に運用期間を過ぎた年を迎えつつありますので、新たに敷き直すというような需要も、市場もまたそこに入ってきますので、突然下がるということはないのかあるのかというと、今、調査会社等のデータ、様々なものを基に分析はしていますけれども、向こう五、六年までは見えても、その先というのはなかなか見えないので、頻繁に各所からデータを取って、予測しながら事業計画を立てていくかなというようなところで考えています。

○塩川委員 ありがとうございます。

 今、衛星通信の話もありましたけれども、植松参考人は航空宇宙関係の事業も担当されておられたということで、今回、重要な海外事業の促進に関する支援措置が法改正で設けられる中で、支援対象として衛星通信システムの地上設備も挙げられているところであります。

 NECとして、光通信衛星コンステレーションの実現に向けた取組を行っておられるということで、現行、NECの取り組んでいる事業に対してどのような国の支援が行われてきたのか、また、今回の法改正によって支援対象となるような事業はどのようなケースが想定されるのか、この点について、衛星通信システムの話ではあるんですけれども、お考えのところを教えていただけないでしょうか。

○植松参考人 大変恐縮ではございますけれども、私、海底ケーブルの分野で本日参考人として参っておりますので、当然弊社の中では今おっしゃったような内容も事業としては持っております、必要とあれば担当の部署の者が対応させていただきたいと思いますので、本日、詳細については御容赦いただければと思います。

○塩川委員 ありがとうございます。

 もう一問、戻りまして、今回の海底ケーブルの件で、政府への支援要望を冒頭の陳述のところでも述べておられました。技術開発への支援についての継続ということで書かれておりまして、これまで受けてきたということであります。

 これまでどのような開発費用補助を受けてきたのかについて、御説明いただけますか。

○植松参考人 ここ数年でありますと、先ほども少し申し上げましたかね、深海用の外装ケーブルの開発費用であるとか、あとは、これも触れましたけれども、切断箇所の早期探知、そういったところで支援をいただいております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、原参考人と布施参考人に官民協議会の関係でお尋ねいたします。

 原参考人は冒頭の陳述の中で、官民協議会において、民間人の守秘義務の規定も盛り込んだ官民協議会についての必要な措置というお話をされました。同時に、資料提供義務については、よく理解できるような、そういう、基本指針で示していただきたいというお話がございました。

 やはり、官民協議会で情報、資料提供義務、これは義務ということなので拒めない、拒むということであれば協議会に入れないとか、そういう問題、矛盾もあるのかなと思うんですが、その点で、民間サイド、事業者サイドとして官民協議会に係る問題について困ることというのはないのだろうかということをお聞きしたいのと、布施参考人につきましても、シナリオベースの話として官民協議会を挙げておられたと承知をしております。民間側にとっての官民協議会に係る課題等について、お考えがあれば教えていただけないでしょうか。

○原参考人 まず、官民協議会を新たに設置するわけでございますが、これは私が度々申し上げております官民の連携、これを強化する、まさに形にするものだと思いますので、これは大いに進めていただきたいというふうに思います。

 それから、今先生が御指摘のとおり、私も申し上げましたが、入ってから、あれ、これは想定と違ったということにならないように、事前に基本指針の段階で、入った場合に何が求められるのか、義務づけられるのか、それから、どういうことが期待されているのか、よく理解した上で判断できるような材料を基本指針の中で提供していただきたいということでありまして、それ以上は、新しく設置されるものでございますので、その後の協議会のありようを逐次フォローしていきながら、また必要に応じて御意見を申し上げたいというふうに思います。

 以上です。

○布施参考人 御質問ありがとうございます。

 官民協議会についてですけれども、リスク対応や様々なシナリオを官民で議論する場ということであるのであれば、脆弱性の情報も含めて、脆弱性の情報や技術を持っているのは企業の側ですので、いかに企業の側が安心して機微な情報も含めて官民協議会においてシェアできるのか、あるいはシェアをしようと思えるのかというところの保護措置、仕組みづくりが重要なのではないかなというふうに考えております。自社のシステムの脆弱性の情報だったりとか、あるいはサプライチェーン上の課題、最新の技術ロードマップみたいな議論を、自社の情報を共有する形で議論が進むということになるとすれば、そういった情報がきちっと保護されて、不必要に外部にさらされるようなことがないような仕組みづくりなんかも必要になってくる。

 そういった仕組みづくりがあって初めて企業は任意で参加をしたいというようなインセンティブが働いてくるということになると思いますので、保護の仕組みづくり、非常に重要だと考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、鈴木参考人にお尋ねいたします。

 鈴木参考人がこの間メディア等で発言しておられるのを拝見しておりまして、例えば、経済安全保障と産業政策は、一歩間違えれば自国の利益や選挙目的を含む政治的な目的のために濫用される可能性を含んでおり、保護主義の手段として使われるリスクを抱えていると述べておられます。

 このような経済安全保障に係る措置というのが、具体的にどのような濫用というのが問題となっているか、又は今後想定されるのか、この点について、お考えのところを教えてください。

○鈴木参考人 御質問ありがとうございます。

 経済安全保障という概念は、自国の自律性を高めるということが一つの、メインの柱になっております。自国の自律性を高めるということは、すなわち自国の中に産業を置いておくというか自国の産業を守るということになりますので、ともすると保護主義ですとか競争力の弱い産業を守る、こういうことになりかねないということだと思います。その点では、冒頭のお話もありましたし、また、最初、長谷川議員の方からの御質問にもありましたけれども、バランス、つまり、どこまでを守って、どこまでは自由で開かれたものにするのかということのバランスが大事なんだと思います。

 経済安全保障推進法の優れたところは、特定戦略物資というある一定の物資を法律の中できちんと明記し、そしてそれを限定することによって、この部分は一定の保護ないしは自律性を高めるということを目指しつつ、この自律性も、必ずしも全て国産、内製化をするというわけではなく、友好国、同志国との間の信頼できるパートナーとの間の戦略的自律性というふうに規定されています。その意味では、可能な限り開かれた貿易体制を維持しながら、部分的には戦略的なものを守るという、いわゆるスモールヤード・ハイフェンスの仕組みをこの経済安全保障推進法は体現しているのではないかというふうに考えていますので、その意味では、保護主義に陥らない様々な仕掛け、これが当初からこの法律の中には埋め込まれているというふうに理解をしております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 続けて、鈴木参考人にお尋ねいたします。

 新聞報道のインタビューにおきまして、CPTPPを例に挙げまして、経済を武器にするのはやめようという取決めであり、この枠組みの中に入る国をできるだけ増やすことが国際秩序の安定に寄与するのではないかと述べておられました。

 経済を武器にするのはやめようという働きかけを日本としてどのように行っていくことが必要なのか、この点についてのお考えをお聞かせください。

○鈴木参考人 ありがとうございます。

 CPTPPは、自由貿易の関税を下げる、いわゆる最恵国待遇の度合いが九〇%を超えるという極めて高い水準の自由貿易体制であるということでありますので、他国に対して経済を武器化する、つまり、そのための手段である例えば関税ですとか投資規制、そういったものは、ルールによって支配されるというか、ルールによって規定をされているので、武器化するための手段がCPTPPの加盟国内では実施されないということがこのルールを守っている限り約束されているというふうに私は理解をしています。

 逆に、こうしたルールに属さない、そういった国々がこうしたルールを飛び越えた形で、今、特に、WTO等もルールがあるにもかかわらず、それを実施しない国というのが出てきて、それがまさに経済の武器化と言われる状況を生み出していますので、CPTPPがしっかりと機能し、そして、日本を含む主要国のリーダーシップによって、ルールがきちんと参加国によって守られることによって、こうした武器化をするための手段というものが実施されないということが約束されるのではないかというふうに考えております。

○塩川委員 最後にもう一問、鈴木参考人にお尋ねいたします。

 同じインタビュー記事の中で、中国との関係について述べておられました。最初からけんか腰で向き合う必要はない、互いに大事な相手であることを認め、うまくつき合っていくことが本来あるべき姿だと述べておられます。

 日中間に、互いに大事な相手であることを認め合うような外交的な資産など、共通の土台というものというのは何らかあるのか、その点について教えていただけますでしょうか。

○鈴木参考人 ありがとうございます。

 日中関係、現在かなり厳しい状況であることは確かだと思うんですけれども、日中の間には四つの文書と言われる日中友好条約も含めた外交的な資産はこれまでもございますし、また、戦略的互恵関係というコンセプトで、お互いに互恵関係にあるということは相互に確認されるべきだというふうに考えております。

 このところ、残念ながら、中国とのハイレベルの接触がなかなか難しいので、それを確認するという機会はなかなか得られておりませんけれども、こうした戦略的互恵関係のような外交的資産はまだ十分生きていると思いますし、また、これを基に、日本は今後、中国との関係をまた再構築していくということが望ましいというふうに考えております。

 経済安全保障の観点からも、やはり日本と中国の相互依存関係、これは非常に深いものがありますので、これを損なうことなく戦略的にまさに互恵関係でいられるという状況を、日中間のハイレベルのコンタクトを通じて一刻も早くそれが再構築されることを望んでおります。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

【内閣委員会】経済安保推進法等改正案/企業を軍事に取りこむ/政官業の癒着】

 私は、経済安保推進法等改正案の質疑に立ちました。現行法に基づく補助制度における政官業の癒着を告発するとともに、民間企業が一層軍事、経済安保体制に組み込まれ米国との軍事一体化が進む危険を質しました。

 私は、自民党の緊急提言をもとに、同法に基づく特定重要物資として「船体」が指定され、国土交通省は1200億円規模の「造船業再生基金」を創設したと指摘。基金の助成金の配分を決める法人の理事の多くが造船企業の役員で、専務理事・常務理事は国交省からの天下りなうえ、同法人の賛助会員企業から自民党に対し約3億円の献金がされていると告発。「経済安保は政官業の癒着をつくりだす」と批判しました。小野田内閣府担当大臣は「党に対する寄付は知らない」と述べつつ、指摘は当たらないと答えました。

 国は同基金を組み込んだ「造船再生ロードマップ」に「米国艦艇修復促進」を明記しています。私の追及に対し防衛装備庁は、同修繕促進が日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)に基づくと説明しました。

 私は、DICASの艦船整備作業部会では、前方展開される米艦船の共同維持整備が確認され、実際に昨年12月、国内で初めて米本土を母港とするイージス艦の修理が行われたと指摘し、国内の米軍基地からイラン攻撃に派遣された艦船の修理実績を質問しました。防衛装備庁は米軍横須賀基地所属イージス艦「ミリアス」を三菱重工業が整備した事実を明かしました。

 私は、米艦船整備は国際法違反の無法な戦争に民間企業を加担させるものだと指摘。同法案は「船体」など重要物資確保に支障が生じる恐れがある時に政府が関係者に協力要請できる規定が盛り込まれており、基金で整備した造船インフラが軍事に使われ「民間企業がより一層軍事、経済安保体制に組み込まれることになる」と批判しました。

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イラン攻撃米艦 三菱整備/衆院内閣委/塩川氏「企業の軍事加担」と批判

「しんぶん赤旗」5月14日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は13日の衆院内閣委員会で、経済安全保障推進法改定案を巡り、造船業における政官業の癒着と、民間企業が軍事、経済安保体制にいっそう組み込まれ米国との軍事一体化が進む危険があると告発しました。

 塩川氏は、自民党の緊急提言をもとに同法に基づく特定重要物資として「船体」が指定され、国土交通省は1200億円規模の「造船業再生基金」を創設したと指摘。基金による助成金の配分を決める法人の理事長・理事の大半が造船企業の役員で、専務・常務理事は国交省からの「天下り」が占めているうえ、同法人の賛助会員企業は自民党に献金しているとして「経済安保は政官業の癒着をつくりだす」と批判しました。小野田紀美経済安保相は「党に対する寄付は知らない」として、指摘はあたらないなどと開き直りました。

 国は同基金を組み込んだ「造船業再生ロードマップ」に「米国艦艇修繕促進」を明記しています。塩川氏の追及に防衛装備庁の家護谷昌徳プロジェクト管理部長は、米艦艇修繕促進は日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)に基づくと説明しました。

 塩川氏は、DICASの艦船整備作業部会では、前方展開される米海軍艦船の共同維持整備が確認され、実際に昨年12月、国内で初めて米本土を母港とするイージス艦の修理が行われたと指摘し、国内の米軍基地から対イラン攻撃に派遣された艦船の修繕実績を質問。家護谷氏は、米軍横須賀基地所属のイージス艦「ミリアス」を三菱重工業が整備した事実を認めました。

 塩川氏は、米艦船整備は国際法違反の無法な戦争に民間企業を加担させるものだと指摘。同法案には「船体」など重要物資確保に支障が生じる恐れがあるときに政府が関係者に協力要請できる規定も盛り込んでおり、基金で整備した造船インフラが軍事に使われ「民間企業がよりいっそう軍事、経済安保体制に組み込まれる」と批判しました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年5月13日(水曜日)内閣委員会 第10号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 経済安保推進法案について質問いたします。

 最初に、国交省にお尋ねします。

 今年二月、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資としての船舶の部品に船体が追加をされました。国交省は造船業再生基金を造成しましたが、これがどのようなものか、事業内容、事業規模を明らかにしていただきたい。

○今井政府参考人 お答え申し上げます。

 造船業は、海上輸送に不可欠な船舶を安定的に供給し、国民生活、経済活動のみならず、安全保障も支える極めて重要な産業でございます。

 こうした造船に関する経済安全保障の確立に向けまして、経済安全保障推進法に基づき、船舶の部品である船体を特定重要物資として指定しまして、令和七年度補正予算で千二百億円を計上し、造船業再生基金を造成いたしました。

 本基金事業では、国土交通大臣が供給確保計画を認定した事業者に対しまして、船体の生産能力拡大のための設備投資及び研究開発に必要な費用の一部を充てることとしております。

○塩川委員 造船業再生基金は、国費千二百億円を第一弾として、十年間で国が合計三千五百億円を出す、それの見合いで民間投資も同じぐらいあって、その他の事業も含めて、一兆円規模で造船業に係る経済安保に関わる支援を行っていくというものであります。

 この助成金の交付を行う支援法人というのはどこでしょうか。

○今井政府参考人 お答えいたします。

 造船業再生基金の助成金の交付を行う安定供給確保支援法人は、一般財団法人日本船舶技術研究協会を指定しております。

 本協会の理事メンバーは、学識経験者に加え、内航海運事業者、外航海運事業者、船舶検査機関、造船事業者、船舶用機器の企業等、海事業界に携わる様々な関係者から構成しております。

○塩川委員 今説明がありました日本船舶技術研究協会、理事メンバーの話もありましたけれども、一覧表で理事名簿を見ると、理事長や理事のほとんどが造船業界の役員となっております。専務理事それから常務理事二人は国交省の出身の天下りということでもありますので、こういった日本船舶技術研究協会が助成金の配分を行うということになりますと、助成金の支援対象となる企業のメンバーと所属省庁の出身者が自分たちで助成金の配分を決める、お手盛りと言われても仕方がないんじゃないんでしょうか。

○今井政府参考人 お答えいたします。

 造船業再生基金事業におきましては、まず国土交通大臣が事業者が作成する船体の供給に関する供給確保計画を認定した上で、その供給確保計画に記載のある設備投資等につきまして、安定供給確保支援法人が助成等に関する執行業務を行うこととしております。

 また、利害関係を有する特定企業に有利となるような意思決定がなされることのないよう、支援法人であります一般財団法人日本船舶技術研究協会の定款におきまして、利害関係を有する理事をその意思決定から除外することとしておりますほか、情報管理も含め適切な業務体制が構築されていることを、支援法人の選定審査に際しまして、内閣府及び国土交通省におきまして確認いたしております。

 このように、支援法人におきまして助成金交付等の支援業務の執行を適切に行うことを確保しておるところでございますが、国土交通省といたしましては、引き続き、支援法人における業務の適切かつ確実な実施を徹底してまいる所存でございます。

○塩川委員 国もチェックするような話もありますけれども、でも、その専務理事、常務理事が国交省の天下りといった点で、これでいいのかというのはありますし、理事メンバーのほとんどが造船業界の事業者の役員の方々ということになりますと、いや、自分のところの支援のときには担当が外れるんだと言っても、造船業界全体としての支援という枠組みの中では、やはり癒着の懸念、危惧というのは拭えないのではないのか。関係者、当事者のみで行っていると言われても仕方がない点だと思います。

 そこで、大臣にお尋ねします。

 こういった官と業の関係もあるんですけれども、政の関係もある。元々、造船業界の再生のための緊急提言というのを自民党として昨年六月に出しておられます。これを基に特定重要物資に船体を指定をし、一兆円規模の基金創設にもつながったわけで、その自民党、国民政治協会に対して日本船舶技術研究協会の賛助会員企業からの企業献金が、二〇二四年分を集計すると三億円を超えるという金額に上ります。

 このような特定業界への支援を打ち出す経済安全保障というのが、政官業の癒着をつくり出す懸念が生ずるのではないのか、この点について、大臣のお考えをお聞かせください。

○小野田国務大臣 経済安全保障推進法では、特定重要物資の安定供給確保に向けた取組を物資の特性を踏まえて効果的に支援するため、特定重要物資ごとに、独立行政法人又は一般社団法人等のいずれかを安定供給確保支援業務を行う法人として指定しております。

 指定を受けた法人は、特定重要物資の安定供給確保に向けた取組のための助成金を交付する等の支援業務を行う。こうした助成金の交付は、主務大臣が認定した供給確保計画に基づいて行われるものであり、主務大臣の認定に基づかない資金交付が行われることはございません。

 また、一般社団法人等を安定供給確保支援法人として指定するに当たっては、支援業務を適正かつ確実に実施できる経理的基礎及び技術的能力を有していること、支援業務の実施体制が安定供給確保基本指針に照らし適切であること、他の業務を行うことによって安定供給確保支援業務の適正かつ確実な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること等を客観的に審査しているものです。

 さらに、安定供給確保支援法人に対しては、年度ごとに事業計画書及び収支予算書を確認した上で認可するとともに、事業報告書及び収支決算書の提出を求めるなど確認の仕組みを取り入れており、癒着などの御指摘は当たらないものと思っております。

 多額の助成金を扱う制度を所管する大臣として、引き続き制度の適切な運用に努めてまいる所存でございますが、党に関する寄附等に関しては、ちょっと私は知らないところではございます。ちゃんと法令にのっとって適切に行われていると思いますが、経済安全保障というのは、とにかく日本国、国民にとって大切なものであって、どこからお金をもらったからここを有利にしようとか、そういうものではないというふうに私は認識をしています。

○塩川委員 過去、造船疑獄というのもありました。戦後の復興期に、計画造船、それに対しての利子への支援などを行うようなことをめぐった政官業の大疑獄事件というのもあったわけであります。経済安保の名の下に、国が特定の業界、企業に対する巨額の支援を進める制度を拡大するのが今回の法案でもあり、政官業の癒着の懸念は拭えないということを申し上げておきます。

 次に、防衛省にお尋ねをいたします。

 国交省の資料によりますと、造船業の役割として、地域経済を支える、経済安保を支える、海上警備・防衛を支えるとあります。造船業再生ロードマップを見ると、造船業再生基金に基づく生産設備整備支援と、防衛生産基盤強化法に基づく生産設備整備の連携が取り上げられております。

 防衛生産基盤強化法に基づく造船業への支援策はどのようなものか、そして、どのような連携を行うということなのかについて御説明ください。

○滝澤政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛省として、令和五年十月に施行されました防衛生産基盤強化法に基づきまして、装備品の安定的な製造等の確保を目的として、サプライチェーン強靱化、製造工程効率化等の取組への財政上の措置を行っております。修繕や舶用品も含む艦船分野におきましては、これまでに約六十件の企業の取組を認定し、約二百億円規模の予算措置を実施してまいりました。

 認定した取組の大半は、最新の製造設備の導入など、製造等の工程の効率化に資するものであり、例えば、艦艇建造工程を無人化、省人化するため、船体に用いる鉄板の溶接を自動で行う移動式ロボット装置の導入などを実施しております。

 造船業再生基金との連携につきましては、国土交通省と相談しつつ、企業の具体的なニーズを踏まえながら検討してまいります。

○塩川委員 国交省の支援と防衛省の支援、そういうのが相まって、造船業におけるやはり防衛、軍事との連携というのが強調されているところであります。

 ロードマップには米国艦艇修繕促進というのがありますが、これは、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、いわゆるDICASに基づく取組というのでよろしいんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 造船業再生ロードマップに記載されております米国艦艇修繕につきましては、御認識のとおり、DICASに基づく取組でございます。

○塩川委員 重ねて伺いますが、DICAS、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議とあるんですけれども、造船業というのは防衛産業ということなんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 造船業を行っている業者の中の一部が自衛隊の艦艇の建造、修繕を行っているものと承知しております。

○塩川委員 自衛隊の艦艇、米国の艦船もそうでしょうけれども、それを扱う造船事業者については防衛産業として位置づける。造船業を防衛産業として位置づけて、米海軍との連携強化が一層図られようとしております。

 そのDICASの艦船整備作業部会の第一回の会合で、前方展開される米海軍艦船の共同維持整備を確認していると承知をしております。このDICASの艦船整備作業部会において、どのようなことを行っているんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASにおきましては、日米の防衛産業が連携する優先分野を特定し、防衛産業協力を進めていくために、防衛装備庁長官と米戦争省の次官の取得、維持整備担当を共同議長といたしまして、二〇二四年六月から設立されているものでございます。

 このDICASの下には四つの作業部会が設置され、そのうちの一つである米海軍艦船の維持整備のための作業部会においては、我が国における米海軍艦船の維持整備を行う上での課題や改善策について、米側と議論を行っております。これによりまして、我が国の防衛生産・技術基盤の強化や、日米同盟の抑止力、対処力に資する防衛産業協力の実現を目指して、日米間で議論を進めておるものでございます。

○塩川委員 日米同盟の強化に資する防衛産業の連携強化ということです。

 朝日新聞の報道で、米本土やグアムなどに所属する米海軍艦艇は、現状、米国内法により米国外で整備や補修ができず、日本周辺に展開しても本土に戻る必要がある、今後、米国で法改正され、日本で民間企業による整備や補修を受けられるようになる見通しということがありました。この件はどのようになったんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 米国の法制でございますが、米本土を母港とする米海軍艦艇が国外で維持整備を行う場合に、米国内の法的制約、タイトルテンというものでございますけれども、これに服することになっております。これにつきましては、二〇二五米会計年度国防授権法の中に含める形で一部改正されているものと承知しております。具体的には、修理の日数が二十一日以内のものに限りまして米国外での修理を認めるような内容になっておると承知しております。

○塩川委員 二十一日以内であれば、アメリカ本土を母港とする米軍艦船についても日本で整備や補修ができるということであります。

 こういった取組において、このDICASなどでも議論してきている中身というのは、米軍艦船の前方展開を支援する活動になるということでよろしいでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 防衛省といたしましては、米海軍艦船の維持整備を行うことによって、我が国の防衛生産・技術基盤の強靱化に加え、米艦船の修理期間の短縮や効率化を通じて、米海軍の即応性、ひいては日米同盟の抑止力、対処力の向上に資すると考えております。

○塩川委員 米海軍の即応性に資するということです。

 エマニュエル駐日米国大使が、紛争が起きたとき、米国まで船を送り返す余裕はない、日本で修理できる体制を整えることが非常に重要だと述べていたということであります。インド太平洋方面での米軍艦船の前方展開を支援する活動になっているということです。

 そこで、昨年十二月に、米本土を母港とする米軍艦船の日本企業による修理としては初めてとなる米アーレイ・バーク級イージス艦フィッツジェラルドの修理が舞鶴で行われたと聞いています。この修繕、整備を行った事業者はどこでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の、昨年十二月に舞鶴において実施された、米本土を母港とする米海軍アーレイ・バーク級イージス艦フィッツジェラルドの修理につきましては、米海軍艦船修理廠、ここが発注いたしまして、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、JMUが受注して行ったものと承知しております。

○塩川委員 JMUが受注したということです。

 それと、これは米本土を母港とする米軍艦船の整備なんですけれども、日本に配備されている米海軍艦船の整備は日本のどの事業者が主に担っているんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 日本に配備されている米海軍艦船の整備につきましては、米海軍の施設内で米海軍艦船修理廠により実施される修理のほか、米海軍艦船修理廠の行う入札等に応じました日本企業等との間で締結される契約に基づいて実施されるものがございます。その際、海上自衛隊の護衛艦等の修理実績を有する日本企業が応札している場合があるとは承知しております。

 他方で、米海軍艦船の整備実績につきましては、米軍と平素からのやり取りで共有される情報のほか、主に防衛省と取引のある民間造船所から必要に応じて自発的に共有されるものでございまして、防衛省として全ての整備実績を網羅的に把握してはおりません。

○塩川委員 主な事業者を紹介してほしいんですけれども。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 我が国の自衛隊の艦船を修理している事業者といたしましては、三菱重工、JMU、SSK、佐世保ドック、それから函館どつくといった事業者がございます。

○塩川委員 それは、米軍艦船についても行っている事業者ということでよろしいでしょうか。

○家護谷政府参考人 繰り返しになりますが、防衛省としては全ては網羅的に把握しておりませんが、そのうちの一部の事業者が米軍の艦船についても修理を請け負ったものというふうに承知しております。

○塩川委員 米海軍艦船のトリポリ、ニューオーリンズ、ラファエル・ペラルタ、ミリアス、ジョン・フィン、ヒギンズについて、日本の事業者が整備を行った実績というのはあるんでしょうか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりますけれども、契約自体は米軍と日本の事業者との間の契約になりますので、我々が網羅的に承知していないというものでございます。

 他方で、我々がいろいろな情報から得られたものといたしましては、ミリアスが平成三十一年四月に三菱重工横浜製作所で整備した実績があるというふうに承知しております。

○塩川委員 ミリアスの話がありましたけれども、ほかにもラファエル・ペラルタですとかジョン・フィンとかヒギンズと言われる、横須賀を母港とするイージス艦ですよね、こういったところが、横須賀における民間の事業者が整備に当たっていたと。そういう点では、公募されていますのでその資料で分かるわけですけれども、そういった日本の事業者が整備を行った実績があるというところです。

 今紹介した米海軍の艦船というのは、日本の米軍基地からイランに派遣されたとされる艦船であります。防衛省は承知しておられますか。

○家護谷政府参考人 お答えいたします。

 防衛省といたしましては、逐一の米軍艦船の運用について承知しているものではございません。

○塩川委員 米国によるイランへの武力攻撃で、二月の二十八日、イラン南部の女子小学校が攻撃をされて、百七十五人以上が亡くなったということが報道されております。ニューヨーク・タイムズによると、米軍は暫定的な内部調査で、同軍の巡航ミサイル・トマホークの標的設定ミスによる誤爆だと判断している。

 米海軍横須賀基地のイージス艦にはトマホークが配備されており、横須賀基地からイラン攻撃に派遣されたミリアスとジョン・フィンもトマホークを発射できるイージス艦であります。このような米イージス艦の整備を行っているのが日本の造船業の事業者ということであります。間接的ではあれ、国際法違反の無法な戦争に日本の民間企業が関わるような事態となっております。これ自身も極めて重大な問題であります。

 大臣にお尋ねします。

 重要物資確保のための協力要請、今回入ったところです、重要物資の確保に支障が生じるおそれがあるときには政府が関係者に対して協力を要請できる規定も盛り込まれています。重要物資には、現時点でも、船体や無人航空機、半導体など、軍事面での関わりが深いものも含まれております。この協力要請規定というのは、民間企業をより一層軍事に組み込むものとなりはしないか、この点、お尋ねします。

○小野田国務大臣 今般の改正案では、特定重要物資等の安定供給確保に支障が生ずるおそれがある場合に、主務大臣が積極的に情報収集するとともに、広く関係者に必要な協力要請を行う根拠規定を整備することとしております。

 具体的には、例えば、特定重要物資を生産する事業の廃止に際し、当該廃止が安定供給確保に与える影響を的確に把握し、必要な対策を講じやすくするために、当該生産事業者のみならず、部品供給者や物資の供給を受ける事業者等の関係者に対し、主務大臣が推進法に基づき状況説明や情報提供を求めるほか、特定重要物資の生産者に対して原材料を供給している事業者が廃業することにより、認定計画に基づく取組が困難となる場合には、取組の適切かつ継続的な実施を支えるため、主務大臣が推進法に基づいて他の原材料供給事業者等の関係者に対し協力を求めるなどの働きかけが考えられます。

 これらの規定は、経済安全保障推進法に基づく主務大臣からの要請であることから一定の重みがあるものでありますが、他方で、計画の認定を受けていない事業者など本法の支援枠組みの対象ではない事業者も広く対象としていることを踏まえて、要請された事業者側にはその応答義務を課していないこと、本法の基本方針でも明記されているとおり、経済安全保障の確保に関する施策の実施に当たっては、自由かつ公正な経済活動を前提に、各主体の事業活動等を過度に制約しないよう配慮することとしていることからも、御指摘のような、当該協力要請規定によって民間企業がより一層軍事に組み込まれるというようなことは起こらないと考えております。

○塩川委員 造船業再生基金、経済安保法に基づく基金で造成したこのインフラが、米軍艦船整備など軍事に使われることになるわけであります。民間企業をより一層経済安保体制、軍事に組み込むものとなる、この点を指摘をして、質問を終わります。