【予算委員会】深刻化する介護崩壊/規制緩和を狙う政府を追及/介護報酬引き上げこそ

 私は、訪問介護事業者ゼロの自治体増加など「介護崩壊」が進むなか、訪問介護制度の規制緩和を狙う政府を「介護労働者の負担を増やし、人手不足を拡大させる」と批判し、抜本的な介護報酬引き上げと介護労働者の賃上げこそ必要だと主張しました。

 私は「しんぶん赤旗」の調査を示し、昨年末時点で訪問介護事業所がゼロの自治体は前回調査から半年間で1自治体増えて116町村、事務所が一つしかない自治体は前回から10増えて279町村となったと告発。上野賢一郎厚労大臣も「厳しい状況にある」と認めました。私は、政府が2024年度に訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げ、「訪問介護事業所の空白地帯を拡大させた責任は極めて重大だ」と迫り、訪問介護の基本報酬を元に戻すよう強く求めました。

 私は、こうした中で政府がやろうとしているのは規制緩和だと指摘。人口減少地域での管理職や専門職の常勤・専従要件の緩和、夜勤要件の緩和、訪問介護の月単位の定額払い制度の導入などを盛り込んだ法案を今国会に提出しようとしていることについて、厚生労働省の審議会の委員から、人員配置基準の緩和はサービスの質の低下を招くと共に、職員の業務負担を増やし、人員確保を一層困難にすると反対の意見が出ていると強調。「配置基準の緩和を行えば、職員の負担が増えて、なり手不足が深刻化するのではないか」と追及しました。上野厚労大臣は「中山間、人口減少地域では特に人員確保が課題となっている」ことを認めつつ、その対策として『柔軟なサービス』提供を可能とする配置基準の緩和など規制緩和を進める姿勢を示しました。

 私は「根本原因の低すぎる介護報酬をわきに置いて、規制緩和でその場しのぎをすることは、介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行する」と強調し、「住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められない」と批判。24年の介護職員の賃金は全産業平均より8万3000円低いと指摘し、「いつまでに全産業並みにするのか」と追及。上野厚労大臣は「来年度、臨時の介護報酬改定を行い、最大1.9万円の処遇改善を進める」と答えたのに対し、塩川議員は「8.3万円の差を埋めるのにはあまりに不十分だ。達成目標時期も示せない」と批判し、抜本的な介護報酬拡充こそ必要だと主張しました。

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訪問介護の人手不足加速/衆院予算委/塩川氏 規制緩和方針を批判

「しんぶん赤旗」3月12日・1面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は11日の衆院予算委員会で、訪問介護事業所ゼロの自治体の増加など「介護崩壊」が進むなか訪問介護制度の規制緩和を狙う政府の方針を批判し、「介護労働者の負担を増やし、人手不足を拡大させる」として規制緩和は認められないと追及しました。

 塩川氏は、「しんぶん赤旗」の調査を示し、昨年末時点で訪問介護事業所がゼロの自治体は前回調査から半年間で1自治体増えて116町村、事業所が一つしかない自治体は前回から10増えて279市町村となったと告発。上野賢一郎厚生労働相も「厳しい状況にある」と認めました。塩川氏は、政府が2024年度に訪問介護の基本報酬を2~3%引き下げ、「空白地域を拡大させた責任は極めて重大だ」と迫り、訪問介護の基本報酬を元に戻すよう求めました。

 塩川氏は、政府が人口減少地域での管理職や専門職の常勤・専従要件の緩和や、夜勤要件の緩和、訪問介護の月単位の定額払い制度の導入など規制緩和を進める法案を今国会に提出する方針だと指摘。厚労省の審議会の委員から人員配置基準の緩和は、サービスの質の低下や職員の業務負担増加につながるなど反対の声があがっているとして、多くの事業所が人手不足で苦しむなか、「規制緩和を行えば、職員の負担が増えて、かえって人員不足を拡大させるのではないか」とただしました。

 上野厚労相は、人材確保は大きな課題と認めつつ「必要な法案を今国会に提出すべく検討を進める」と述べました。

 塩川氏は、「介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行する」と強調し、「住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められない」と批判。24年の介護職員の賃金は全産業平均より8万3000円低いと指摘し、抜本的な介護報酬の拡充と介護労働者の処遇改善を強く求めました。


「議事録」

第221回特別国会 令和8年3月11日(水曜日)予算委員会 第9号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 今日は、介護事業所の深刻な実態、特に訪問介護事業所の深刻な実態について質問をいたします。

 東京商工リサーチ調査によると、介護事業所の倒産、休廃業件数は過去最多となっております。二〇二五年の倒産は百七十六件で、二年連続で最多を更新し、うち訪問介護が九十一件を占めております。休廃業、解散は六百五十三件で、四年連続で最多を更新をしております。うち訪問介護が四百六十五件を占めております。訪問介護事業所の経営困難は、重大な事態だと言わざるを得ません。

 こうした下で、自治体に訪問介護事業所が一つもない、そういう地域が全国に増加をしております。

 配付資料を御覧いただければと思いますが、一枚目が、訪問介護事業所数ゼロ、そして残りが一つとなった自治体数の推移であります。二枚目の方が、訪問介護事業所数がゼロ、また残り一つという自治体の一覧表であります。

 厚労省が半年に一回公表しているデータに基づき、我が党のしんぶん赤旗が調査をしたところ、訪問介護事業所が一つもない自治体が昨年末時点で百十六町村となったことが明らかになりました。前回調査から半年間で一自治体が増加しています。事業所が一つしかない自治体は、前回から十増加をして二百七十九町村になりました。訪問介護事業所がゼロ又は一という自治体が合わせて三百九十五自治体に上る、全自治体数の四分の一近くに当たるということであります。

 上野大臣にお尋ねします。このような地方における訪問介護の実態は極めて深刻ではありませんか。

○上野国務大臣 まず、訪問介護につきましては、長引く人手不足や燃料代などの上昇などにより厳しい状況にあると認識をしております。そうした中ではございますが、訪問介護の事業所数につきましては、経年で見ますと、全事業所の一割程度が休止、廃止をしておりますが、一方で、新規、再開をする事業所数はそれを上回っており、差引きでは増加傾向にあるのも事実でございます。

 御指摘の訪問介護事業所のない自治体につきましては、今し方委員からお示しをいただきました、昨年十二月末時点で全国に百十六町村存在をしております。このうち直近の半年間で事業所が確認できなくなった町村につきましては、訪問介護やそれに相当するサービスの利用が継続をしている、このことを確認しているところであります。

 今後とも、事業所が確認できなくなった市町村についても、個別の状況、これを十分確認をしながら、引き続き丁寧な対応に努めていきたいと考えております。

○塩川委員 厳しい状況と認識しているということであります。一方で、ゼロ自治体のところにおいてもサービスは提供されているという話ですけれども、それは隣から入ってくるわけですよ。そうすると、実際には近隣自治体の事業所によるサービス提供によって賄われているわけで、それは引き受ける事業者の方にすると新たな負担となるような実態にもなっているわけであります。

 介護分野の人手不足が深刻な下で、その負担の分、地元での受入れ、隣の自治体が引き受けてくれるといっても、自分の今担当している自治体でのサービスを削らざるを得ないということも出ているわけですから、極めて深刻なわけで、このように地域に訪問介護事業所がゼロということは、まさに介護崩壊そのものであります。地域のサービス提供が後退することが悪循環ともなっている。

 そもそも、なぜ訪問介護事業所がこれほど深刻な状態に追い詰められているのか。政府は、二〇二四年四月に訪問介護の基本報酬を二%から三%引き下げました。厚労省が引下げの根拠とした調査でも、訪問介護事業所の四割近くが既に赤字だったわけであります。地域で必死に頑張って踏みとどまってきた事業所の方に対して、政府は基本報酬を引き下げて更に追い詰め、空白地域を拡大をさせてきた、その責任は極めて重大であります。

 訪問介護の基本報酬の引下げ、これはまず直ちに元に戻すべきではありませんか。

○上野国務大臣 まず、訪問介護事業者の経営状況につきましては、地域の特性、事業所規模、事業形態等により様々でありますので、こうした状況に応じた対策を講じることが必要であると考えております。

 このため、令和七年度の補正予算におきましては、人手不足などの影響によって厳しい状況にある、そのことを踏まえまして、介護職員の賃上げ、職場環境改善に対する支援、あるいは物価上昇への対応としての重点支援交付金、また、物価上昇の影響がある中でも介護サービスを円滑に継続をしていただくための訪問移動に伴う経費等への支援、様々な支援措置などを盛り込んでいるところであります。

 また、これらの緊急的な対応に加えまして、令和九年度の定例改定を待たずに、令和八年度に介護報酬改定を実施することとしております。

 こうした取組を通じまして、訪問介護のヘルパーの皆様を含め、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善、これに向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。まずは、これらの支援を速やかにお届けできるようにしっかりと取り組んでまいります。

○塩川委員 この間、緊急措置をやったとしてもゼロ自治体は増えているわけですよ。その対応策そのものが極めて不十分だということが言われているわけで、まずは基本報酬の引下げを元に戻せ、それに加えたしっかりとした支援策こそ必要であって、期中改定の話もありましたけれども、基本報酬の引上げは入っていないわけであります。介護職員の賃上げ支援、これをしっかりやるのはもちろん当然のことでありますけれども、赤字で苦しむ事業所への支援として基本報酬の抜本的な引上げが必要であります。

 ところが、政府が今やろうとしていることは何か。こういった介護保険制度への支援を手厚くすることではなく、規制緩和措置を検討している。この間、社保審の介護保険部会でも意見書も出されておりましたけれども、高齢者の人口が減る人口減少地域では、管理職や専門職の常勤、専従要件の緩和や夜勤要件の緩和、訪問介護での月単位の定額払い制度の導入など規制緩和推進が図られようとして、今国会に関連する法案を出すということも言われております。

 こうした規制緩和に対しては、社保審の介護保険部会でも、質の確保に対する懸念があるとの意見が幾つも出されておりました。人員配置基準の緩和については、サービスの質の低下、職員の業務負担の増加、それに伴う離職の誘発で人材不足の加速が懸念されるため行うべきではないとか、医療や介護の複合的なニーズを持つ高齢者の増加が見込まれる中、人員配置基準の緩和は利用者へのケアの質の低下に直結をし、職員の負担の観点からも慎重に判断する必要があるといった意見などが寄せられております。

 大臣にお尋ねしますが、多くの訪問介護事業所が苦しんでいるのが、極めて深刻な人手不足の問題であります。地方で訪問介護に従事する仕事のなり手がいないのは、賃金を始めとした処遇が余りにもひどいからであります。今述べたような規制緩和策を行うようなことになれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を加速することになるだけではありませんか。

○上野国務大臣 訪問介護につきましては、やはり、特に人材確保、これが大きな課題になっていると認識をしております。

 このため、先ほど申し上げました補正予算による賃上げへの支援、そうしたものに加えまして、提供体制の確保に向けた各種の支援策、またICTを活用した現場の負担軽減、また訪問介護を含めまして外国人介護人材の着実な受入れ整備、そうした総合的な対策に取り組んでいるところであります。

 また、二〇四〇年に向けましては、高齢者人口が減少してサービス需要も減少する中山間、人口減少地域、ここでは特に人材確保に課題があることから、訪問介護も含めまして、地域の実情に応じて柔軟なサービスを提供することが可能となるような仕組みの創設等につきまして、関係審議会で議論を行ってきたところでございます。こうした議論も踏まえまして、必要な法律案、今国会に提出をすべく、引き続き検討を進めていきたいと考えています。

○塩川委員 この中山間地域などのサービスについて、柔軟なサービスの提供という格好で、要するに規制緩和措置によって人手のカバーをするような、そういうサービス提供体制にしていくという方向であれば、かえって訪問介護事業所の人手不足を困難にすることになりはしませんか。

○上野国務大臣 いずれにいたしましても、関係審議会等の議論におきましても、そうした選択可能な制度の必要性につきましては議論を頂戴しているところでありますので、様々なお声を頂戴をしながら、しっかり検討を進めていきたいと考えています。

○塩川委員 この低過ぎる介護報酬という根本原因というのを脇に置いて、規制緩和で基準を下げてその場しのぎをするということは、介護労働者の処遇改善やサービス給付拡充に逆行することになります。住んでいる場所によってサービス提供に差をつけることは認められません。

 そもそも、人手不足のところで、そのやりくりのために規制緩和をやるというのであれば、より一層の負担増加をすることになって、かえって人手不足を拡大をすることになる、これこそ問われている問題だということであります。行うべきことは、介護労働者の処遇改善だ。

 昨年の総合経済対策では、介護分野の職員の処遇改善について、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和八年度介護報酬において必要な対応を行うとあります。二〇二四年の介護職員の賃金は、全産業平均と比べて月額八万三千円の差があります。他職種と遜色のない処遇となる全産業平均の賃金を来年度達成するということなんでしょうか。他職種と遜色のない全産業平均、これはいつまでに達成するんですか。

○上野国務大臣 まず、令和八年度の介護報酬改定においてでございますが、介護職員のみならず、介護従事者を対象に、幅広く月一万円、三・三%の賃上げを実現する措置、これに加えまして、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に、月〇・七万円、二・四%の上乗せ措置を実施することとしております。また、介護職員につきましては、累次の取組の中で過去最大の水準となる、定期昇給込みで最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現する措置を実施することとしておりますので、これは春闘等のレベルを超えた処遇の改善につながると考えております。

○塩川委員 月一・九万円なんかじゃとても足りないわけですよ。そもそも全産業平均に比べて八万三千円の差がある。この数年間、差が縮まるどころか、かえって拡大しているのが現状なんですから。こういった状況を放置したままで、地域の介護保険制度をしっかりと維持することができないことは明らかだ。この差を達成する時期も示すことができませんでした。

 介護報酬の抜本的な拡充と介護労働者の抜本的な処遇改善を行うことを強く求めて、質問を終わります。

【予算委員会公聴会】田中慶應義塾大学大学院教授、イラン攻撃は「違法な軍事攻撃」

 イラン情勢について、中東問題を専門とする田中浩一郎慶應義塾大学大学院教授が、米国・イスラエルによるイラン攻撃について、「国際法上の観点から違法な軍事攻撃だ」と主張しました。

 田中氏は、昨年6月イスラエルが単独でイランへの軍事攻撃を始めた際は、日本政府はイスラエルを厳しく非難した一方、今回の攻撃については一切批判していないとして、「この不整合は日本の信頼を損なうことになる」と指摘しました。一方イランによる周辺国への報復攻撃には自制を求めました。

 私は、昨年6月と今回の攻撃に対する、日本政府の対応の違いと問題点について質問しました。田中氏は「アメリカによる攻撃が加わっていることが、法的な評価を差し控える、非難をしないところに繋がっている」と答弁。「日米同盟最重要であるという一極に集中しているがゆえに、少しでもそれを危うくする環境を作りたくないということだろう」と指摘しました。

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「議事録」

第221回特別国会 令和8年3月10日(火曜日)予算委員会公聴会 第1号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 公述人の皆さんには、貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございます。

 最初に、田中公述人にお尋ねをいたします。

 先ほどの冒頭の意見陳述や、また質疑の中で、アメリカ、イスラエルのイランに対する武力攻撃について、国際法違反であり、その際の日本の政府の対応について、昨年六月のイスラエルによるイラン攻撃について岩屋大臣が強く非難したということも紹介をされて、今回も非難をすべきだった、また、今回の場合について、外交の途上だったにもかかわらず武力攻撃を行ったことについても、そういった点についての批判もすべきだったということをおっしゃっておられました。

 そうしますと、昨年の六月と今回のとを対比をしたときの違い、日本政府の対応の違いというのは何があるのかということについてお話しいただけないでしょうか。

○田中公述人 御質問ありがとうございます。

 あくまでも外形的な相違ということをベースにお話を申し上げますと、去年の六月の段階で最初にイスラエルが攻撃をした際には非難がありました。しかし、その十日後に米国も参戦して攻撃したことに関しては非難はなかったんですね。

 今回は、イスラエルと米軍がほぼ同時に入って、若干イスラエルが早いんですけれども、ほぼ同時に起きているということで、去年の六月のときの二度目の攻撃、すなわちアメリカによる攻撃が加わっているということが、今回の法的な評価を差し控える、その他もろもろ、非難をしないというところにつながっているものだと私は理解しています。

○塩川委員 アメリカが関わると法的な評価をしないというのはなぜなのか、その問題点も含めて御説明いただけないでしょうか。

○田中公述人 これもあくまでも私の臆測ではありますけれども、日米同盟は最重要であるという、そこの一極にやはり集中しているがゆえに、少しでもそれを危うくするような環境をつくりたくないということだろうと思います。

 また、現状においては、トランプ大統領が、ちょっとでも何かしらか気に入らないような言動をどこからかされると、これは国内でも国外でも、国際関係においてもあると、とてつもないしっぺ返しをしてくる。例えば関税の話とかを持ち出したりすること。あるいは、例えばスペインの例でいいますと、貿易関係とかを全部断絶するとかですね。そういうことを言うような言動に対して、やはり非常に神経質になっているがゆえの対応ではないかと見ています。

○塩川委員 続けて、スペインのお話がありましたが、スペイン政府としては、やはり、国内の基地の使用を米軍機には認めないとかいうことを含めて、国際法違反を厳しく批判して、アメリカのイラン攻撃に反対をしております。アメリカの同盟国でも立場の違いがあるわけです。

 こういった、アメリカの同盟国において、でも立場の違いがある、その対応の違いというのはどこにあるのか、どこからくるのか、その点についてはいかがでしょうか。

○田中公述人 スペインの場合には、NATOという集団安全保障体制の下にあるので、スペイン一国がどう対応するかということでNATO全体を壊すことが恐らくアメリカとしてはできないという対応も、スペインが、強硬と言うと変ですね、強い立場で発言することを可能にしているんだろうと思います。

 一方、日本の場合には、片務的な日米同盟しかないということで、そこに大きな瑕疵がやはりある、借りがあるという立場からの対応になっているんだろうと思っています。

○塩川委員 ありがとうございました。

 次に、堀公述人にお尋ねをいたします。

 堀公述人におかれては、社会保障政策についてのお話をいただきました。

 高市首相の施政方針演説を見ていますと、社会保障政策についてのまとまった部分というのはないんですよね、どうかと思いましたけれども。一方で、責任ある積極財政ということを強調されておられて、これまでの政策の在り方を根本的に転換する本丸として責任ある積極財政と述べているんですが、この責任ある積極財政と社会保障政策の関係について、お考えのところをお示しいただけないでしょうか。

○堀公述人 責任ある財政、経済成長を進めなければ、社会保障、経済成長をすることで所得が増えて、そしてそれによって負担することもできる、それで給付をよくするという、その好循環を進めるという意味では積極財政という考え方もあり得るとは思っています。ただ、具体的に実際どうなるかは正直まだ分からないところもありますので、この先を見ていきたいなというふうに思っております。

 今回、社会保障に関してだけ見る限りは、かなり、内容を見て精査して、丁寧に適正化、よい意味で適正化も図っているところもあるのではないかというふうに思っております。ですので、そういう意味では、責任あるというところが全うされようとしているところは見られるのではないかというふうには思います。

 ただ、先ほどもお話ししましたように、一政権の問題ではなく、より長期的に続く構造的な課題に関しては、恐らく、今回の予算であるとか、短期的に対応するようなことではないと思いますので、そちらについて考えたときには、やはり新たな財源確保というのは非常に重要な課題になってくるというふうに認識をしております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、小幡公述人に伺います。

 高市首相の責任ある積極財政なんですけれども、この責任ある積極財政とはいかなるものかについてのお考えをお聞かせいただきたいのと、どう評価するのかという点について伺います。

○小幡公述人 積極財政という言葉自体は気合を示したものだけですので、全く評価はどうしていいか分かりません。

○塩川委員 そういう一連の施策の中で、複数年度の投資の話もありました。小幡公述人自身も、一旦始めたら引けない悪い癖を助長するとか、形式的にでも毎年チェックしていれば引くきっかけは存在する、一年の損失で食い止められるというお話をされておりました。

 今回、関連の法案として特例公債法案が出ております。五年間の期間延長を目指すものですけれども、こういった、五年とかというまとまった格好での対応となるこの特例公債法案についてはどのように評価しておられるでしょうか。

○小幡公述人 冒頭のお話でも申し上げたとおり、私はこう見えても財務省出身ではあるんですが、特例公債かどうかということは関係ないというふうに思います。つまり、特例公債、必要なときは出す、それで何をやるかということですね。

 例えば、先ほどの例でいえば、こういうイランへの侵攻が起きて、原油価格を始め、昨日のお話でいえば、ナフサという産業にとっての要となるようなものがなくなるというときには、特例公債でも何でも必要なものは出したらいい。ただ、一バレル六十ドルで、円安だけでガソリンが日本だけ上がっているという状況のときに、それは、財源は特例国債だろうが、財源がどこにあろうが、そこで財政支出するというのは適切でないというふうに考えます。

 それは、つまり、資金調達の手段とは関係なく、支出の中身の問題で、いい支出を今までそんなにしていない以上、規模を大きくするというのは、それだけ言われますと反対せざるを得ないというふうに思います。

○塩川委員 以前は、特例公債法案、毎年毎年やっていたものを、民主党政権以降、五年に一回ですとか束ねてやるような形になった。そういう在り方についてはどのようにお考えでしょうか。

○小幡公述人 特例公債というのは、元々やはり、昔でいえばその裏にちゃんと物が残る、今日、バランスシートの話、スライドというか紙には書いたんですけれどもお話しできなかったんですが。つまり、投資として残るものを出すときは、それは建設国債で出すから問題ありません。赤字国債というのは、負債だけ残る。

 要は、バランスシートというのは負債があって資産があって、別にどれだけ負債が膨らんでも、いい資産が残っていれば何の問題もないです、バランスシートですから。いい社会が残っていれば何の問題もないです。ところが、特例公債がなぜ問題かというと、その年のために使ってしまって後世には何も残らない、ただ、こっちの負債は残ります、だから問題だということで、特に厳しい、基本的には禁止、毎年の法律が必要だということだったので。

 それを緩めるというのは、やはり基本的にはガバナンスを緩めるということになりますので、望ましくはないというふうには考えます。

○塩川委員 今、危機管理投資、成長投資ということで高市政権が取り組んでいる一つに経済安全保障の分野があって、冒頭の陳述でも、経済安全保障は経済成長にマイナスというお話もされました。実際、十七成長分野への投資支援ということを掲げている高市政権ですけれども、そういった十七分野の成長分野への支援というのは意味がないというふうに受け止めてよろしいんでしょうか。

○小幡公述人 それも中身によるので、これからいい弾が出てくれば、いいのもある。例えば、十七分野と関係ありませんが、前政権かもしれませんけれども、ラピダスがありますけれども、これは賛否両論です。私は、ラピダスはうまくいかないと思っています。それはなぜかというと、日本国産とか北海道とかいろいろな制約条件をべたべたにつけて、オール・ジャパンで頑張るという、やはり思いが含まれてしまっているので、完全に制約条件なしのグローバル競争に大分ハンデを背負っているので、勝つ可能性はもちろんゼロじゃないんですけれども、どうしても、財政で、国でやるとなると、そういうものが入ってくるので難しい。

 十七分野に関して言えば、今、何となく話題になっているのを並べたら十七あるという、まあ、全部ということなので、絞った方がいいとは思いますけれども、現時点では何がこれから始まるのやらという感じなので、中身次第ですし、分野を広げ過ぎているという意味では余り賛成できません。

○塩川委員 冒頭の陳述のところにも書かれておりました、軍事支出は経済にはマイナス、軍備、兵器輸出が国民を不幸にすることについて、もう一回、意味するところを御説明いただけないでしょうか。

○小幡公述人 これは共産党的な意味ではなくて、私、戦争には賛成も反対も申し上げなくて、戦争をしたければすればいいと思いますし、防衛が必要であればするんですよ。ただ、あたかも、軍需にやると需要が出て経済にプラスだみたいな話があるんですが、それは絶対にありません。

 需要がないときに軍需で需要を出してGDPの数字が同じになったとしても、手元に残っている需要やお金のうち、軍需を百兆円つくってほかのものを百兆円つくらなかったわけですから、もし軍需がなければ、ほかのものを百兆円つくって、GDPなんだから、その百兆円が生活インフラになっていれば、そっちの方が圧倒的にいいわけですよね。

 だから、第二次大戦、太平洋戦争の例を出すまでもなく、国民が生活を徹底的に我慢した上で同じGDPで戦争を戦う、そういう心意気は、ウクライナを見ていればそういう心意気が必要なときもあるとは思います。ただ、経済には明らかにマイナスで、生活には明らかにマイナスだ、そういうことでございます。

○塩川委員 ありがとうございます。

 高橋公述人にお尋ねいたします。

 メディアでの発言で拝見したんですけれども、消費減税のことですが、日本も他の先進国と同様に消費減税を経済状況に応じて行えばよいのではないのかと述べておられます。こういったように、他の国と同様の消費税減税を、経済状況に応じて下げるような場合、こういったことの必要性について御説明いただけないでしょうか。

○高橋公述人 消費税といえども経済政策ですから、経済状況に応じてやるというのはごく当たり前だと思うんですけれども、上げは絶対にオーケーだけれども下げはいけないとか、硬直的に考えることはないんじゃないかなというぐらいの趣旨であります。

○塩川委員 時間が参りました。

 ありがとうございました。

【「しんぶん赤旗」掲載】予算案 13日採決提案/自民一方的に 野党、白紙撤回を要求

「しんぶん赤旗」3月3日・2面より

 自民党は2日の衆院予算委員会理事会で、2026年度予算案の採決を13日に行うことを前提とした日程案を示しました。野党側は一方的な提案に抗議し、一致して白紙撤回を求めました。

 自民党の日程案は、4~6日に「省庁別審査」を、8日(日曜日)に地方公聴会を、10日に中央公聴会を、13日に締めくくり質疑を行うとしています。分科会や集中審議は一切ありません。

 理事会で中道改革連合の長妻昭議員は「前代未聞の短さだ。十分な審議に反する。国会は政府の下請け機関ではない」と撤回を強く求めました。

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は「米国やイスラエルによるイラン攻撃があるときにこそ予算委員会で議論すべきだ。自民提示のスケジュールは立法府の自殺行為だ」と批判しました。

 与党と坂本哲志予算委員長は野党の要求を無視して4~6日に「省庁別審査」を行うことを職権で決定しました。同理事会後、日本共産党、中道、国民民主党、参政党、チームみらいの国対委員長は会談を開き、自民党の日程案の白紙撤回要求で一致。私は「審議は始まったばかりだ。こんなやり方は前代未聞だ」と指摘。消費税減税やイラン攻撃、首相の訪米を前にした日米関係などについて「集中審議で深めるべきだ。首相が国会審議から逃げることは許されない。審議を通じて議論を深めていくことが国会の責務だ」と強調しました。

富士見市党後援会新春のつどい

 自己都合解散で遅らせた予算審議を大幅に削減しようという高市政権に対して、野党は暫定予算も活用して、充分な審議を行うことを要求。

 また、社民党や無所属議員と一緒に、定期的な意見交換会に取り組むことに。

 憲法をまんなかにすえた共同を大きく広げていきたい。

【「しんぶん赤旗」掲載】「高市一強」に対抗 さらに連携広げる/共産党と社民党が意見交換

「しんぶん赤旗」2月28日・1面より

 日本共産党と社会民主党は27日、国会内で意見交換会を開きました。共産党から田村智子委員長、小池晃書記局長、私、社民党は福島みずほ党首、ラサール石井副党首が出席しました。

 田村氏は、自民党が衆院で議席の3分の2を占め「高市一強」とよばれるなか、憲法改悪の動きなどで「国民の間では危機感が強くもたれている」と指摘。22日に有楽町で開かれた市民連合による街頭宣伝には、日本共産党、社民党、新社会党、立憲民主党の代表が参加し、参院会派「沖縄の風」の高良さちか幹事長がメッセージを寄せ、市民ら約1000人が集まったと話しました。「巨大な与党のもと、確かな共同を進めてほしいとの思いが強まっている」と強調。国会内外で運動を強化していく必要性を説きました。

 福島氏は「この意見交換会を通じ、私たちの活動やネットワークの強化につながればいい。今後、いろいろな人々に呼び掛けていきたい」と語りました。

 意見交換会では、予算案の年度内成立をめざすことなど、与党による横暴な国会運営、憲法改悪や「スパイ防止法」制定など高市政権の危険な動きに対抗するため、さらに連携していくことを確認。「高市一強」を懸念する会派、議員に声を掛け活動を広げていくことで意見が一致しました。

 意見交換会には、ながえ孝子参院議員(無所属)が参加しました。

新日本婦人の会の署名提出国会行動

 次世代会員の皆さんから大軍拡・大増税中止、消費税減税、くらし・社会保障・教育の拡充を求める41万人を超える署名を受け取りました。

 高市政権の危険な動きを明らかにし、国会内外で力を合わせていく決意です。


大軍拡・大増税中止と消費税減税・社会保障・教育/予算要求3署名41万人分超/新婦人の次世代会員が提出/田村委員長激励

「しんぶん赤旗」2月27日・11面より

 新日本婦人の会(新婦人)は26日、全国から次世代の会員が衆院第1議員会館の会場いっぱいに集まり、熱気に包まれる中、大軍拡・大増税中止・消費税減税、くらし・社会保障、教育の拡充を求める2026年度予算要求の3署名の総計41万4723人分を、日本共産党の田村智子委員長ら衆参議員9人に手渡しました。

 あいさつした米山淳子会長は、総選挙で自民党が改憲発議可能な3分の2超の議席を得るなか「日本がこれからどうなるか不安だ」「私も何か行動したい」と街頭で対話になると紹介。「全国の女性たちの願いが詰まった署名を受け取って国会での奮闘をお願いします」と述べました。

 田村氏は「憲法9条を守りたい」「戦争に向かいそうで不安」との声が特に女性の間で広がるかつてない流れが加速していると指摘。22日の市民連合の共同街宣に1000人が参加したことに触れ「ここから反撃開始」と強調しました。高市政権が示す軍事費9兆円の予算案、消費税増税ありきの「国民会議」、国民総監視の「スパイ防止法」を批判。「国会の危険な動きを対話で知らせ、国会を取り巻く力にしたい。国会の中でも外でも頑張り抜く決意です」と力を込めました。

 初参加者が次々に発言。神奈川の参加者は「改憲に前のめりの政権に危機感があり参加した。私も改憲反対運動を盛り上げる一員になりたい」、広島の参加者は「議員に直接声を届けられるのは新婦人の活動があってこそだと思う」と話しました。

ウォーターPPP導入押しつけ抗議署名提出院内集会に参加

 八潮市の下水道崩落による道路陥没事故を踏まえ、国がウォーターPPP推進を掲げているのは重大。

 埼玉県は「下水道に対する国の財政的支援については、ウォーターPPPを前提としない制度設計」を求めています。

 地方自治尊重し、押しつけはやめよ!

さいたま市緑区の党と後援会のつどいで、松村としお市議と訴え!

 皆さんの奮闘で国会に送っていただきました!

 高市強権政治と対峙し、消費税減税や改憲を許さない国民の要求に応え、憲法を真ん中にすえた共同を大きく広げる要となる日本共産党を強く大きく!

 来年の統一地方選挙で勝利、前進を!

高市首相の施政方針演説を聞いて

●高市首相は「予算の迅速な審議」「税法など年度内の早期成立」というが、予算審議の遅れは自らの自己都合解散が招いたもの。国民生活に影響を与えないようにというのであれば、暫定予算制度などを活用すればよい。国民の声を代弁する予算委の審議時間を制約することは許されない。

●施政方針演説では、社会保障拡充の具体的な中身が出てこない。高額療養費やOTC類似薬の患者負担増は認められない。医療・介護・福祉・保育などケア労働者の処遇改善に取り組むべき。

 石破政権の「最賃時給1500円」という目標を降ろし、賃上げ支援の具体策なし。一方で「裁量労働制の見直し」「副業・兼業」を持ち出し、“もっと働け”と長時間労働を強いるものに。最賃時給1500円、そして1700円以上をめざし、中小企業への賃上げ直接支援策を実現すべき。賃上げと一体に時短をすすめて、自分の自由な時間を広げていこう。

 「二年間に限り飲食料品の消費税をゼロ税率とする」ということは、二年経てば増税が襲ってくる。消費税は廃止をめざして、ただちに一律5%に。インボイスは廃止。財源は担税力のある大企業・大株主に応分の負担を。
 「東日本大震災から15年」といいながら、一番の教訓である「原発に依存しない社会」を投げ捨て、原発再稼働推進は許されない。再エネ・省エネの急速な普及に全力を。

●外交で「法の支配」というが、トランプ大統領のベネズエラ武力行使、グリーンランド領有宣言などに対し、一言の批判もない。国連憲章、国際法を守れの声を上げるべき。

 沖縄県民が反対する辺野古新基地建設には固執しつつ「普天間基地の全面返還をめざす」という。しかし、トランプ政権は“辺野古が完成しても普天間は返さない”と言っている。ごまかしは許されない。普天間の即時返還、辺野古新基地建設中止を。

 大軍拡、武器輸出、軍需産業の育成、そして改憲という米軍と一体となった戦争国家づくりは断じて認められない。戦争させないことこそ政治の仕事。武力によらず、対話を通じた努力での外交努力での紛争解決こそ、国連憲章、日本国憲法のめざす日本の外交方針。

●裏金の原資である企業・団体献金の禁止、統一協会と自民党の癒着など徹底審議が必要。民意を削る定数削減に断固反対し、民意をゆがめる小選挙区制を見直して、比例代表中心の選挙制度の実現を!

与野党国対委員長会談開く

 自民党は予算の年度内成立に向けた協力を要請。

 野党は暫定予算で対応すべきと一致して要求。

 また消費税減税の議論は「国民会議」ではなく国会の場で行うべきとしました。

 私は高額療養費やOTC類似薬の患者負担増、消費税減税、大軍拡、裏金、統一協会始め十分な審議を要求。


予算案 充実した審議を/与野党国対委員長会談/野党各党が要求

「しんぶん赤旗」2月21日・2面より

 与野党の国対委員長は20日、国会内で会談し、特別国会の運営について協議しました。自民党は2026年度予算案と、今年度末までに処理が必要な法案の年度内成立に向けた協力を要請しました。野党各党は予算案の充実した審議を要求。国民生活に影響するものは暫定予算で対応すべきだと一致して求めました。

 日本共産党の塩川鉄也国対委員長は「総選挙で国民は政府・与党に白紙委任したわけではない。十分な審議時間をとり高市首相の『責任ある積極財政』など大いに予算審議でただしていくことが国会の役割だ」と主張。高額療養費やOTC類似薬の患者負担増問題について昨年の国会議論を踏まえ時間をとってただす必要があるとし、消費税減税については「国民会議」丸投げでなく国会で審議すべきだと強調しました。

 大軍拡と軍拡増税や、米国防総省が辺野古米軍新基地完成後も別の長い滑走路を用意できない場合は普天間基地が返還されないとしている問題もしっかりただすべきだと指摘。自民党裏金事件や統一協会との癒着問題など、内閣の基本姿勢についても議論する必要があると述べました。

 中道改革連合の重徳和彦国対委員長は「国民生活に関わる重要な予算だ。しっかりした審議を求める」とし、国民民主党の古川元久国対委員長は「国民生活に影響が出ないようにというなら暫定予算制度もある」と指摘。参政党、チームみらいも十分な予算審議を求めました。

 また、野党各党は、消費税減税の議論は「国民会議」ではなく国会の場でこそ行うべきだと一致して要求しました。

 自民党の梶山弘志国対委員長は「丁寧にやっていく。充実した審議というのも、そのとおりだ」と述べました。

特別国会開会

 畑野さんを迎え、党国会議員団11人で国民要求に応える取り組みに全力をあげるとともに、憲法を真ん中にすえた共同を大きく広げて、高市政権に対峙していきます。


「戦争国家づくり」の危険 真っ向から立ち向かう/国会開会/共産党が議員団総会/田村委員長あいさつ/第2次高市内閣が発足

「しんぶん赤旗」2月19日・1面より

 総選挙を受けた第221回特別国会が18日、召集され、衆参両院の首相指名選挙で自民党の高市早苗総裁が第105代首相に選出されました。高市首相は同日、第2次高市内閣を発足。第1次内閣の全閣僚を再任しました。日本共産党の田村智子委員長は同日の党議員団総会のあいさつで、与党が衆院の3分の2を大きく超える議席を占め、憲法9条改悪をはじめ「戦争国家づくり」を進める戦後かつてない危険な状況が生まれていると指摘。「高市政権に真っ向から立ち向かう日本共産党のかけがえのない役割を存分に発揮していこう」と表明しました。

 田村氏は、高市首相が9日の会見で憲法改定の国民投票の環境づくりを表明したことについて、「クーデター」的手法で解散・総選挙を行い、衆院で多数の議席を獲得したからと憲法9条をはじめ改憲へ突き進むのは、「あまりにも乱暴な民主主義破壊の暴走政治であり、断じて許すわけにはいかない」と批判。「国会論戦とともに、大軍拡、非核三原則の見直し、武器輸出の全面解禁、長射程ミサイル配備、『スパイ防止法』制定の策動など『戦争国家づくり』を許さない運動と憲法9条を守り生かせの運動を、草の根から起こし広げていこう」と呼び掛けました。

 田村氏は、暮らしでは、日本共産党が総選挙で掲げた「“富の一極集中”をただし大幅賃上げと労働時間短縮を」「タックス・ザ・リッチ(富める者に課税を)で消費税減税を」の実現が求められていると述べ、「論戦とともに、労働運動、多様な要求運動に連帯して、世論と運動を広げ、実現を迫ろう」と訴えました。

 田村氏は、消費税減税を国民会議に丸投げする高市首相の構えについて、なぜ圧倒的多数の議席を持つ自民党が自ら法案を提出し、来年度予算案に盛りこまないのかと批判しました。高額療養費やOTC類似薬の患者負担増、年金の4年連続の実質減額、国立大学の標準額見直しによる学費値上げの推進、大軍拡財源に所得税増税分を充てる軍拡増税など予算委員会で審議すべき課題は山積みだと指摘。高市首相は予算案の年度内成立を主張し、予算委の審議の大幅短縮の姿勢を示しているが論戦回避は許されないとし、十分な時間をとった予算審議と国民の要求に応える政策の実現を強く求めました。

 田村氏は、高市政権が「責任ある積極財政」の名のもと赤字国債の大量発行で異常円安をもたらし物価高騰に拍車をかけ、過労死を引き起こす裁量労働制のさらなる拡大を狙い、選択的夫婦別姓と同性婚の実現を阻むなど「多くの国民との関係で深い矛盾を幾重にも抱えており、その土台はもろくて弱い」と強調。外交でも、「法の支配」を投げ捨て「力の支配」に進む米トランプ政権を一言も批判ができないまま、大軍拡の暴走を行うのは、深刻な矛盾で重大な危険だと厳しく指摘しました。「財界中心」「アメリカいいなり」の自民党政治の「二つのゆがみ」と国民の要求との矛盾が臨界点に達していると指摘し、「自民党政治を変える党として、国民の要求にこたえる対案、新しい政治への展望を大いに示す」と表明しました。


共産党議員/国民の期待胸に

「しんぶん赤旗」2月19日・2面より

 

 

 

 先の総選挙で当選した日本共産党の4人の衆院議員は、特別国会が開会した18日、国会に初登院しました。左から辰巳孝太郎、畑野君枝、田村智子、塩川鉄也の各氏

 


第2次高市内閣発足/民主主義壊す暴走政権

「しんぶん赤旗」2月19日・3面より

 衆院選を受けた第221特別国会が18日、召集されました。衆院では自民党だけで3分の2を超え、連立与党の日本維新の会を加えると4分の3を占めるという、戦後かつてない巨大与党が出現。国会を軽視し、数の力を背景に「国論を二分する政策」を強力に推し進める高市政権と巨大な与党に対して、日本共産党は正面対決する姿勢を明確にしています。

 高市政権は今国会で何を狙っているのか―検証しました。

予算 数の力で熟議切り捨て

 真っ先に問われるのは、2026年度予算案の審議です。高市早苗首相は「年度内成立を諦めていない」と強調し、3月末までの成立を視野に審議を急ぐよう指示しています。与党の自民、維新両党も年度内成立を排除しない方針を確認。国会軽視の拙速な姿勢が早くもあらわになっています。

 予算審議は衆参両院で約2カ月程度をかけるのが通例です。しかし今回は、1月の衆院解散という高市首相の「自己都合」「党利党略」によって審議入りが遅れ、年度内成立はほぼ困難な状況。与党の質問時間を削減してでも成立を急ぐ動きが取り沙汰されています。

 与党は24年衆院選後に野党に渡っていた予算委員長などのポストを奪還する見通しです。衆院の常任・特別委員長や審査会長ポストを押さえ、審議の主導権を握って、数の力で議事運営を進めるという強権的な発想のもと、「熟議なき国会」となる危険が高まっています。

 これに対し、日本共産党の小池晃書記局長は、審議を遅らせた責任は与党にあると指摘し、「乱暴極まりないやり方は許されない」と批判。立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長も「1カ月で予算案を通すのは国会の自殺行為だ」と強くけん制しています。

 一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は「年度内も含めた早期成立に協力したい」と与党への協力姿勢を示しています。こうした「補完勢力」の動きが広がれば、国会のチェック機能は形骸化し、強権的な国会運営はいっそう強まります。

 予算審議は国会で最も重要な審議の一つです。拙速な成立を優先するのか、それとも徹底した審議で国民の声を反映させるのか。問われているのは、民主主義の土台そのものです。

経済 進む負担増と規制緩和

 高市首相は「国論を二分する政策」の第一に、「責任ある積極財政」を挙げています。具体的には明らかではありませんが、大枠は、従来型の大企業向け「国内投資」支援の延長線上にある政策であり、国民生活を直接あたためるものとは言えません。むしろ国債の大幅な増発によって異常円安をさらに加速させ、物価高に拍車をかける危険すらあります。

 一方で、国民の切実な要求である消費税減税には消極的です。高市首相は「悲願」とまで述べた飲食料品の消費税ゼロについて、超党派の「国民会議」に議論を丸投げし、「夏前に中間取りまとめを行いたい」としています。しかし、本気で実現するのであれば、与党として今国会に法案を提出し、正面から審議すべきです。来年度予算案にすら盛り込まれていないこと自体が、その本気度を疑わせます。

 その一方で、来年度予算案には、昨年の審議で「凍結」したはずの高額療養費の負担増が盛り込まれています。OTC類似薬の患者負担拡大も狙われ、医療費のさらなる自己負担を国民に押し付けようとしています。

 さらに、20日に予定される施政方針演説では、労働規制緩和に向けた「裁量労働制の見直し」を打ち出す方向だと報じられています。最低賃金1500円という目標を投げ捨てておきながら、労働者をいっそう追い込む規制緩和を進めようとする動きは極めて重大です。

安保 米要求うのみで大軍拡

 安全保障分野で最大焦点となるのは大軍拡の指針である安保3文書の前倒し改定です。改定の最大の理由は、トランプ米大統領の要求に応じるためです。

 トランプ氏は衆院選中に、自身のSNSで高市政権を「全面的に支持する」(5日)と表明。16日には、自民党が圧勝した結果について「彼女(高市首相)は私の支持のおかげだとしている」と強調しました。露骨に恩を売る姿勢には、3月19日に開かれる日米首脳会談で要求を押しつける狙いが透けて見えます。

 特に危険なのは軍事費増額です。米側は国内総生産(GDP)比3・5%(21兆円以上)を求め続け、最近ではすべての同盟国に5%以上(30兆円以上)への増額を要求。高市政権も現行のGDP比2%以上の増額を当然視しています。

 また、安保3文書改定で「非核三原則」が見直される恐れがあります。高市首相は、三原則のうち「持ち込ませず」は米国の核兵器持ち込みの支障になるため「邪魔」だとして3文書からの削除を要請していました(24年の編著)。衆院選中も三原則を今後も堅持すると明言しませんでした。

 また、武器輸出の全面解禁にも踏み出します。今春にも武器輸出のルールである「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、要件を限定する「5類型」の撤廃を狙っています。「防衛(戦闘)目的」であっても戦闘機や護衛艦など殺傷能力の高い兵器の輸出が可能となり、紛れもない「死の商人」国家になります。

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡っては、米国防総省が25年9月に米政府監査院(GAO)に、新基地が完成しても、別の長い滑走路を用意できない場合、普天間基地(沖縄県宜野湾市)は「返還されない」と回答していたことが発覚。工事も大幅に遅れており、辺野古が普天間基地返還の「唯一の選択肢」と固執する日本政府の立場は破綻しています。

憲法 国論二分でも改憲推進

 自民党が単独で衆院の3分の2超の議席を得たことで、9条改憲は重大な局面を迎えています。高市首相は選挙が終わった途端、改憲に向け取り組みを加速させる考えを表明。9日の記者会見では、改正案を発議し、「少しでも早く」改憲の是非を問う国民投票の実施環境をつくっていくと踏み込みました。

 衆院選の公約で自民党は、自衛隊の明記など改憲4項目の実現に向け国民への説明を積極的に展開すると表明し、日本維新の会は「憲法改正の国会発議を実現させる」と明記。選挙結果を踏まえ、維新の吉村洋文代表は10日、「憲法改正の議論は加速させていくべきだ」と述べました。

 さらに、自民党の井上信治幹事長代理は15日のNHK「日曜討論」で、「国論を二分する政策」について、「憲法改正などがその典型だ」と述べ、異論を排除してでも強力に推進する考えを示しました。

 しかし、国の基本原理を定める憲法を改正するには国民の多数の合意があることが必要なのは、憲法96条を読めばわかることです。“国論を二分する改憲”はできないし、あってはならないのです。

 首相の強い意欲を後押しするため、衆院憲法審査会長には、自民党憲法改正実現本部長の経験がある古屋圭司氏を充て、改憲の議論を加速させる姿勢を打ち出しています。

「スパイ防止法」等

 首相は、インテリジェンス(情報活動)機能の強化を重視し、国民を監視する「スパイ防止法」の早期制定にも強い意欲を示しています。狙いは、政府に批判的な国内の団体や個人の言動を収集し、言論を弾圧することにあります。

 衆院選挙後の9日の記者会見では、インテリジェンスの司令塔である国家情報局設置のための法案を特別国会に提出すると表明しました。

 「スパイ防止法」を巡っては、木原稔官房長官が17日の記者会見で「課題や論点等の検討を開始している」と述べ、一部報道では、政府が法案提出をめざして今夏にも有識者会議を設置し議論する方向で調整に入ったとされています。

 日本維新の会、国民民主党、参政党も衆院選公約に「スパイ防止法」制定を掲げており、国民を監視し民主主義を後退させる法案が次々制定される危険が強まっています。

 国民の思想・信条や表現の自由を侵害する国旗損壊罪法案も狙われています。

 高市政権はジェンダー平等実現など人権の保障には後ろ向きです。自民党の衆院選公約では、「通称使用の法制化」を目指すとしており、この法案が通れば、選択的夫婦別姓の実現はさらに遠のきます。

 

野党国対委員長会談開く

 予算案の年度内成立という高市政権の動きに対し、充実した審議を求めることで一致。

 私は「高市首相の自己都合解散で予算審議が遅れた。横暴なやり方は許されない。国会の行政監視機能を果たすべき。裏金問題、統一協会、消費税減税、社会保障、大軍拡など徹底審議を」と要求。


予算委 充実した審議を/野党国対委員長会談で一致

「しんぶん赤旗」2月19日・2面より

 日本共産党と中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらいの国対委員長は18日、国会内で会談し、高市政権・自民党が2026年度予算案の年度内成立に言及し審議時間の短縮を検討しているもと、予算委員会での充実した審議を求めていくことで一致しました。

 日本共産党の塩川鉄也国対委員長は「高市首相の自己都合解散で予算審議を遅らせながら審議時間を短縮して年度内成立を迫る横暴なやり方は許されない」と指摘しました。そのうえで、「行政監視機能を発揮することが国会の役割であり、とりわけ予算案そのものとともに内閣の基本姿勢をただすことが重要だ。裏金問題や統一協会との癒着問題、消費税減税や社会保障、大軍拡など十分な時間をとって徹底審議することは当然だ」と強調しました。

埼玉西部東地区党の会議で挨拶

 新党への「期待」は今の政治を変えたいという願いの現れ。

 相次ぐ新党の消長を見れば、ワンイシューの政策の訴えだけでは、国民の持続的な支持を得ることは困難。

 切実な要求に基づく個別政策に磨きをかけるとともに、自民党政治そのものを変える展望を語ることが大事。

茨城県党事務所で総選挙報告集会

 高市政権の危険な戦争国家づくりに対して、国民的なたたかいを広げようと交流。

 参加者から「完全比例なら自民は172議席。自民の多数議席と国民の思いは違う」「反戦・護憲を貫く共産党が必要」「自ら赤旗を読むと言ってきた人も」「戦争させないために頑張る」と決意