富士見市議選告示!

 川畑かつひろ・宮尾りょう・木村くにのり・すざき悦子の現有4議席必ず!

 18歳までの医療費無料化、放課後児童クラブ増設など豊かな実績。

 4月からの国保税平均12.8%値上げに他党・議員は賛成。

 市民の負担増にきっぱり反対の日本共産党。

 学校給食費を無料に!公営の屋内プール開設を!


暮らし守る議席必ず/埼玉・富士見市議選/4氏が第一声

「しんぶん赤旗」3月25日・10面より

 23日告示(30日投票)された埼玉県富士見市議選(定数21)に現有4議席確保をめざし立候補した、日本共産党の川畑かつひろ(54)、宮尾りょう(52)、木村くにのり(55)、すざき悦子(72)=いずれも現=の各候補は第一声で、全員当選で暮らしを守る政策実現へ決意を語りました。

 4候補は、現市政が市民の声を聞かず、びん沼自然公園の自然を壊すパークゴルフ場建設や市民プール廃止、国民健康保険税の3年連続(今年4月からは平均12・8%)値上げなどを進め、共産党以外の議員は国保税値上げなどに賛成してきたと批判。総額126億円もの市役所新庁舎建設事業を見直し、物価高騰対策や学校給食の無償化、保育園の増設、循環バスの充実などの実現へ「物価高から市民の暮らしを守り、市政に物を言う4議席がどうしても必要」と訴えました。

 塩川鉄也国対委員長・衆院議員、伊藤岳参院議員らが応援演説。塩川氏は、石破首相の自民党新人議員への10万円の商品券配布問題を批判し、「一貫して企業・団体献金の禁止を求めてきた共産党を市議選でも大きく伸ばすことが、金で動く政治を一掃する一番の力になる」と強調しました。

 共産4、公明4、立民1、維新1、国民民主1など有力23人が立候補。第一声には参院選を見据えて国会議員や市長が応援に入るなど、誰が落ちてもおかしくない少数大激戦です。​

【内閣委員会】サイバー防御法案/政府の判断で「情報収集の対象際限なく広がる」

 私は、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」について、政府の恣意的判断で情報収集の対象を広く読み取れるようにしている実態を追及しました。

 私は憲法が規定する「通信の秘密」の範囲について、通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含むと指摘、平将明デジタル相は、これらが「通信の秘密」の範囲に含まれていると認めました。

 私は、政府が必要と判断すればすべての通信情報をコピーする仕組みではないかと追及。内閣官房の小柳誠二審議官は「通信の内容に該当するものも含めて取得する」と認めました。私は「通信の秘密を侵害する重大な行為だ」と批判しました。

 政府は取得した通信情報のうち、IPアドレスや指令情報などの機械的情報で一定の要件を満たすものだけを分析の対象とするとしています。私がこの点について質問したのに対し、小柳審議官は「機械的情報であっても「通信の秘密」の保護を受ける」と初めて認めました。

 同法案は、重要インフラを担う電気・ガス・鉄道などの基幹インフラ事業者から通信情報を提供させる協定を結ぶことができると盛り込んでいます。私は、重要インフラであればほぼ全ての国民が利用者にあたると指摘。水道事業として同事業者に指定される中には埼玉県やさいたま市なども含まれているとして「自治体も情報提供の対象か」とただすと小柳氏は「法律上の適用対象となる」と述べました。さらに法案では、重要インフラ事業者に限らず、「電気通信役務の利用者」とも同じ協定を結ぶことができるとしています。私が「ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得る。IoT家電メーカーや自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させるのではないか」と迫ったのに対し、小柳審議官は「法文上は対象となり得る」と認めました。私は、対象者が際限なく広がる仕組みだとして「通信の秘密」の侵害が強く危惧されると強調しました。

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情報収集対象 際限なし/衆院内閣委/能動的サイバー法案に塩川氏

「しんぶん赤旗」3月22日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は21日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」について、政府の恣意(しい)的判断で情報収集の対象を広く読み取れるようにしている実態を追及しました。

 塩川氏は憲法が規定する「通信の秘密」の範囲について、通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含むと指摘。平将明デジタル相は、これらが「通信の秘密」の範囲に含まれていると認めました。

 塩川氏は、政府が必要と判断すればすべての通信情報をコピーする仕組みではないかと追及。内閣官房の小柳誠二審議官は「通信の内容に該当するものも含めて取得する」と認めました。塩川氏は「通信の秘密を侵害する重大な行為だ」と批判しました。

 政府は取得した通信情報のうち、IPアドレス(ネットワーク上の住所)や指令情報などの機械的情報で一定の要件を満たすものだけを分析の対象とするとしています。塩川氏がこの点について質問したのに対し、小柳氏は「機械的情報であっても『通信の秘密』の保護を受ける」と初めて認めました。

 同法案は、重要インフラを担う電気・ガス・鉄道などの基幹インフラ事業者から通信情報を提供させる協定を結ぶことができると盛り込んでいます。塩川氏は、重要インフラであればほぼ全ての国民が利用者にあたると指摘。水道事業として同事業者に指定される中には埼玉県やさいたま市なども含まれているとして「自治体も情報提供の対象か」とただすと小柳氏は「法律上の適用対象となる」と述べました。

 さらに、同法案では、重要インフラ事業者に限らず、「電気通信役務の利用者」とも同じ協定を結ぶことができるとしています。塩川氏が「ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得る。家電や自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させるのではないか」と迫ったのに対し、小柳氏は「法文上は対象となり得る」と認めました。

 塩川氏は、対象者が際限なく広がる仕組みだとして「通信の秘密」の侵害が強く危惧されると強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月21日(金曜日)内閣委員会 第7号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 いわゆる能動的サイバー防御法案について質問いたします。今日は、通信情報の取得、利用に関してお尋ねをいたします。

 最初に大臣にお尋ねしますが、憲法に規定される通信の秘密、表現の自由にも関わる重要な規定でありますけれども、この通信の秘密の範囲について、政府はどのように説明をしてきておられるんでしょうか。

○平国務大臣 御指摘の通信の秘密についてのこれまでの政府の説明は、通信の秘密の考え方として、通信の秘密は、個人の私生活の自由やプライバシーを保護するとともに、通信が人間の社会生活にとって必要不可欠なコミュニケーションの手段であることから、憲法上の基本的人権の一つとして憲法第二十一条第二項において保護されている旨の説明があったものと承知をしております。

 また、通信の秘密を制約できる範囲として、通信の秘密の保障も、絶対無制限ではなく、公共の福祉の制限の下に立つものであり、公共の福祉の要請に基づき必要最小限の範囲でこれを制約することは許される旨の説明があったものと承知をしております。

○塩川委員 通信の秘密の範囲についてお尋ねしたんですけれども、総務省のホームページでは、「通信内容だけでなく、通信当事者の住所、氏名、通信日時、発信場所等通信の構成要素や通信の存在の事実の有無を含む」、これが通信の秘密の範囲ということはよろしいですね。

○平国務大臣 はい。結構でございます。

○塩川委員 守られるのはその通信の内容だけではないということであります。メールの送受信やウェブサイトの閲覧、SNSの投稿など、広くネット回線を用いて行われる行為に関して、いつ、どこから、誰が閲覧や書き込みといった行為を行ってきた、そういう種別、そういった行為をしたということについても、守られる秘密の範囲内ということになります。

 政府が必要と判断したものについては、一旦は全ての通信情報が丸々複製、コピーをされるのではないかと思いますが、その点について確認します。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 まず、同意によらない通信情報の取得につきましては、サイバー通信情報監理委員会の承認を受けまして一定の要件を満たす通信情報を取得することが前提でございまして、全ての通信情報を政府が取得するというものではございません。条件が満たされているものについて取得をし、そうした条件が満たされているかどうかの判断のために全ての通信情報を取得するというものではございません。

○塩川委員 要するに、政府が必要と判断したものについては、通信の内容も含め、全ての通信情報を複製、コピーをするという仕組みになっていますよね。

○小柳政府参考人 取得につきましては、量的に全てのものを取得するわけではございませんけれども、通信の内容に該当する部分も含めて、要件に該当するものを取得をするということでございます。

○塩川委員 通信の内容も含めて、必要があるものという前提ですけれども、複製、取得をするということであります。

 政府が必要と判断すれば、通信の秘密はもちろん、個人特定につながるような情報やプライバシーに関するものも含めた情報を取得するということであります。サイバー攻撃対処という名目や、ふるいにかけられるからという言い訳があったところでも、そもそもこのような通信の秘密を侵害する重大な行為だということを指摘しなければなりません。

 その上で、確認ですけれども、選別後通信情報というのは、機械的情報のみということでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 選別後通信情報は、機械的情報のみで構成されるものでございます。

○塩川委員 選別後通信情報以外については削除するということですけれども、本当に削除されるのかといった点での疑念があるところであります。

 この機械的情報というのは、具体的にどのような情報を含むんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答え申し上げます。

 選別後通信情報でございますが、不正な行為に関係があると認めるに足りる状況のあるものとして自動的方法によって選別された機械的情報でございまして、コミュニケーションの本質的な内容には当たらない機械的情報でございます。

○塩川委員 そういった機械的情報であっても、それは通信の秘密の保護対象に当たる、そういう情報ではありますね。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 機械的情報でありましても、通信の秘密の保護を受けるものでございます。

○塩川委員 機械的情報について、法の規定、二条八項三号では、コミュニケーションの本質的でない情報として内閣府令で定める情報としておるわけで、その指定の範囲が不透明だ。先ほども質疑にもありましたように、政省令等々が多いといった中身についても、是非とも明らかにしていただきたい。それの中身についての疑念があるということを申し上げておくものです。

 それで、取得された通信情報について、自動選別されたもの以外は削除するということですけれども、その選別条件は政府が決めるとしております。そこに、結局、政府の方の恣意性が働くようなことがないのか。恣意的な選別につながりはしないのか。この点についてはどうでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 本法律案でございますけれども、取得した通信情報について、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法により、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して記録し、それ以外のものを、その選別の終了後直ちに消去するように明確に定めてございます。

 この選別につきましては、不正な行為に関係があると認められる機械的情報のみが選別されるようにする選別の条件に関する基準が適切であるかどうかを独立機関であるサイバー通信情報監理委員会が事前に審査をすることといたしておりまして、これにより恣意的な選別が行われないことを確保いたしております。

 また、選別をした後につきましても、規定を遵守して適切に選別がされたかどうかは、委員会の指定職員等による検査の対象となってございまして、その結果や状況は委員会に報告をされまして、もし違反していると認められた場合には、委員会から内閣府に通知がなされまして、内閣府は是正等の措置を講じなければならないということとされております。

 加えまして、万一、職員が通信情報の取扱いに関する事務を通じて得た通信情報の秘密を盗用した場合には、罰則の対象となることといたしております。

 したがいまして、恣意的な選別がなされるようなことは十分に防止ができるものというふうに考えてございます。

○塩川委員 対象不正行為に関係があると認めるに足りる状況、こういった判断がどうなのかといった点などについても不分明なところがあるということは申し上げなければなりません。

 選別条件として、具体的にIPアドレスや指令情報、コマンドなども挙げられておりますけれども、選別の条件として設定することで特定のサイバー攻撃に関係する機器などの探査が容易になると認めるに足りる状況のある情報、これはどういうものに当たるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 機械的情報を選別する自動選別につきましては、法案の第二十二条二項等におきまして、IPアドレス、それからコマンド又はその他関係があるデータ等の探索が容易になる情報を条件とするというふうに設定をされてございまして、それらを二つ以上設定をするということでございますので、そういった情報を選択をしながら自動選別を行っていくというものでございます。

 IPアドレス、コマンド又はその他の関係があるデータでありますので、例えば通信の履歴等が該当するということでございます。

○塩川委員 この三号のところについて、探査が容易になると認めるに足りる状況のある情報という点についての、曖昧さの点について十分な回答がなかったと思います。

 その上で、先ほどの質疑の中でも、基幹インフラ事業者との協定、同意に基づく通信情報の取得について、内内も入るということがありました。加えて、同意によらない場合でも、検索サービスやSNSを始めとして、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くある中で、実質的に国内同士のやり取りを取得する可能性というのも排除されていないんじゃないでしょうか。

○平国務大臣 委員の御指摘のとおり、インターネットでの通信の経路はその途中で国境を越えることがあり得ることから、例えば、外内通信というふうに見られても、実際には送信者又は受信者の両方が日本国民であったり、日本国内にいる外国人であったりという可能性はあると考えています。

 ただし、本法律案においては、自動的な方法により、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析をし、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会の継続的な検査の対象ともするなど、通信情報の利用による通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまることを確保した内容としております。

○塩川委員 ですから、内内という場合でも内外内と実際なっていて外内が対象になるという点でも、要するに、同意に基づく通信情報の取得でも内内もあるわけですが、広く国民の通信を取得をするということ、それを前提にしている仕組みだということであります。

 一方で、同意があると政府が言う通信情報の取得についてお尋ねをいたします。

 法案では、政府が、基幹インフラ事業者などと通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。基幹インフラ事業者との協定について、基幹インフラ事業者から提供される情報はどのような内容のものとなるのか。そのインフラを利用している人の情報、例えば、住民の住所や電話番号やメールアドレス、そのインフラの使用料や支払い情報、こういうのも含まれるということではないでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えいたします。

 協定を締結した基幹インフラ事業者等から提供されることとなる通信情報の内容でございますが、その事業者の個別の事業内容や協定の内容によって変わり得ると考えられるため一概にお示しすることは困難でございますけれども、例えば、事業者のウェブサイトにおいて送受信される通信情報の提供を受ける場合には、当該ウェブサイトにユーザーから入力された住所、電話番号等が含まれる可能性はございます。

 しかしながら、本法案におきましては、内閣総理大臣が通信情報を取得したときは、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析することとし、それ以外のものを消去する措置を講じなければならないこととされているところであります。そのため、提供を受けました情報に通常のユーザーが入力した住所、電話番号等が含まれていたとしても、それらが分析の対象となることは想定されていないものでございます。

○塩川委員 広くコピー、取得されるということです。重要インフラということであれば、ほぼ全ての国民がその利用者に当たると言っても過言ではありません。

 経済安保推進法によって特定社会基盤事業者として指定された者として、水道においては、埼玉県やさいたま市のような自治体も含まれているわけであります。この法案における協定も自治体が対象に含まれていることになるんでしょうか。

○小柳政府参考人 基幹インフラ事業者をまずは対象としておりますので、自治体が該当する場合には、法律上、適用の対象となるところでございます。

○塩川委員 自治体も対象になる。

 さらに、法案の第十二条では、電気通信役務の利用者とも同じ協定を結ぶことができるとしておりますが、基幹インフラ事業者に限らず、ネット回線を利用していれば誰でも対象となり得るのではないのか。IoTの家電メーカーですとか自動車メーカーなどと協定を結び、政府に通信情報を提供させる、そういう仕組みにもなり得るのではありませんか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 法文上は、役務の利用者であれば対象となり得るというものでございますが、実際の運用におきましては、協定を締結して、通信情報を送信していただき、政府で受信するといったところは、数に限り等もございますし、必ずしも利用している方全て、全員が適用を現実にされるというものではないというふうに考えてございます。

○塩川委員 広く読めるような仕組みになっているという点でも、通信の秘密の侵害に当たる、そのことが強く危惧されるということを申し上げて、質問を終わります。

日本原水爆被害者団体協議会に対する表祝行事

 衆議院は19日、ノーベル平和賞を授与された日本原水爆被害者団体協議会に対する表祝行事を行いました。

 代表委員の田中熙巳氏らが出席。

 額賀衆院議長から表彰状と記念品を贈呈。

 参加者と懇談しました。

 私からも田中氏らにお祝いの言葉を述べました。

埼玉県民大運動実行委員会の院内集会であいさつ

 高額療養費上限額引き上げ「凍結」など、国民の世論と運動が政治を動かしている。

 八潮市の下水道管破損事故について、伊藤岳参院議員らが奮闘。

 下水道施設の大規模化を推進し、老朽対策を軽んじてきた国の責任を追及。

 復旧経費を国も負担することに。

八潮市の道路陥没事故に対して、予備費の支出/工事費用の半分である45億円

 この間、党国会議員団は、八潮市の下水道管破損に伴う道路陥没事故について、下水道事業の大規模化を自治体に押し付けてきた国の責任を追及してきました。水の使用を控えるなど被害を被った流域住民に下水道料金という形で、復旧工事の費用を負担させるのではなく、国が責任をもって財政措置を行うべきだと要求してきました。

 政府は18日、予備費の支出を決定。八潮市の道路陥没事故に対して「緊急下水道管路改築事業」として、工事費用の半分である45億円を充てることとしました。また、30年以上経過した大口径管の全国調査を行い、調査結果を踏まえ緊急改築を行う予算措置もとることになりました。

 伊藤岳参議院議員の予算委での質問などが大きな力を発揮しました。改築だけでなく、修繕にも国費を充てるなど、さらなる改善の取り組みを要求していきます。

【本会議】「能動的サイバー防御法案」審議入り/憲法と国際法踏みにじる

 政府が国民の通信情報を常時監視し、必要と判断すれば警察・自衛隊がサーバーに侵入し、監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」が18日、衆院本会議で審議入りしました。私は、憲法が保障する「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、国際法違反の先制攻撃にあたりうるサイバー攻撃に踏み込むものであり「憲法と国際法を踏みにじる重大な法案だ」と批判しました。

 私は、政府が送受信者の同意なく通信情報を取得できるようにしている点について、「なぜ、政府が個人の通信情報を勝手に取得できるのか」と追及。個人特定をさけるため「非識別化」しても政府の判断で復元可能となっていることなどをあげ、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものだ」と批判しました。

 石破茂首相は「通信の秘密に対する制約は、必要やむを得ない限度に留まる」と侵害することを認めたうえで「サイバー攻撃を防ぐという高い公共性のため」と正当化しました。

 私は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入・監視し、その機器を使用不能にするとされている「アクセス・無害化措置」は、まさにサイバー攻撃であり、これが裁判所の令状なしに可能となることは「警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化する」と強調。これを外国のサーバーに行えば、主権侵害となり「違法な先制攻撃とみなされる危険がある」と警告しました。石破首相は「具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えするのは困難」と弁明しました。

 私は、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険性についても指摘。安保法制などに基づいて、米国が軍事行動を取る相手国に対して、日本が「無害化措置」に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになると警告しました。

 さらに、自衛隊は在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしているが、「サイバー攻撃だと判断するのは米国だ。実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになる」と追及しました。

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以下、本会議質問の全文です。
――――――――――――――――――――――――――
 私は、日本共産党を代表して、いわゆる「能動的サイバー防御」法案について質問します。
 本法案は、安保3文書に基づき、政府が国民の通信情報を常時収集・監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察・自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取ろうとするものです。
 国民の「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に我が国が踏み込むもので、憲法と国際法をふみにじる重大な法案です。
 第一に、「通信の秘密」と「プライバシー権」についてです。
法案は、サイバー攻撃の実態把握のためと言って、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。なぜ、個人の通信情報を政府が勝手に取得できるのですか。
 政府は、国内同士の通信は対象ではないとし、国民への権利侵害である通信情報の取得を最小限にとどめるかのように言いますが、海外のサーバーを介する通信は取得・分析の対象となります。検索サービスやSNSをはじめ、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くあります。結局、広範な国民の通信情報が取得されることになるのではありませんか。
 取得した情報はメールアドレスなど個人特定に繋がる情報も含まれているのではありませんか。個人特定を避けるため「非識別化措置」を行うと言いますが、政府の判断で復元可能と規定しており、これは個人情報に当たるのではありませんか。
 さらに、取得した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも個人情報は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることが大原則です。これらをことごとく無視する重大な法案ではありませんか。また、国民が自らの通信情報の収集・利用を拒否し、消去などを請求する規定はこの法案のどこにあるのですか。
 この法案は、憲法が保障する「通信の秘密」、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。
 電気やガス、公共交通、通信などといったインフラ事業者に対し、導入した電子計算機の製品名の届出やインシデント報告を罰則付きで課し、さらに通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。協定は同意を前提としていますが、事業者には協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。提供される情報には、「営業の秘密」も含まれるのではありませんか。
 日米ガイドラインは、自衛隊や在日米軍が利用する重要インフラ・サービスへのサイバー攻撃に日本が主体的に対処することを明記しています。これを具体化し、日米軍事一体化に民間企業・従業員を動員するものではありませんか。
 外国政府への情報提供は、どのような場合を想定しているのですか。サイバー空間における脅威や脆弱性に関する情報を共有することを明記した日米ガイドラインを具体化し、米国、同盟国・同志国に提供するものではありませんか。
 第二に、法案における「アクセス・無害化措置」は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃にあたるのではないですか。
 どうして「アクセス・無害化措置」が、裁判所の令状なしに、第三者機関の承認で可能となるのですか。警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化するものではありませんか。
 外国のサーバー等に対しても侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うとしていますが、そうした行為は主権侵害にあたるのではありませんか。誤って「アクセス・無害化措置」を行った場合の国家責任は誰がどのようにとるのですか。被害の回復・補償はどうするのですか。
 国際法上の違法性を阻却できるような措置に限って実施すると言いますが、そのような理解は、慣習国際法はおろか、国連の政府専門家会合などにおいても意見は一致していないのではありませんか。
 自国領域での外国政府によるあらゆるサイバー行動を主権侵害とみなす国があるもとで、日本がその国の同意なく、しかもその疑いだけで「アクセス・無害化措置」にふみきれば、違法な先制攻撃とみなされる危険があるのではありませんか。
 外国政府を背景とする主体による高度に組織的・計画的な攻撃が行われた場合には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じることができるとしていますが、自衛隊がそのような措置にふみきることが、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険についてどう認識しているのですか。いわゆるグレーゾーン事態や安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動をとる相手国に対し日本が無害化措置にふみきれば、日本の側から戦端を開くことになるのではありませんか。
 自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、サイバー攻撃だと判断するのは米軍ではないですか。米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。
 以上、質問を終わります。


サイバー法案審議入り/憲法と国際法踏みにじる/塩川氏が批判/衆院本会議

「しんぶん赤旗」3月19日・1面より

 政府が国民の通信情報を常時監視し、必要と判断すれば警察・自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用できなくする「能動的サイバー防御法案」が18日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の塩川鉄也議員は、憲法が保障する「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、国際法違反の先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に踏み込むものであり「憲法と国際法を踏みにじる重大な法案だ」と批判しました。(質問要旨4面)

 塩川氏は、政府が送受信者の同意なく通信情報を取得できるようにしている点について、「個人の通信情報をなぜ勝手に取得できるのか」と追及。個人情報を避けるため「非識別化」しても政府の判断で復元可能となっていることなどをあげ、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものだ」と批判しました。

 石破茂首相は「『通信の秘密』に対する制約は必要やむを得ない限度にとどまる」と、侵害することを認めた上で、「サイバー攻撃を防ぐという高い公共性のため」などとして正当化しました。

 塩川氏は、警察・自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入・監視し、その機器を使用不能にするとされている「アクセス・無害化措置」は、まさにサイバー攻撃であり、これが裁判所の令状なしに可能となることは「警察権の乱用を防止する令状主義を形骸化する」と指摘。これを外国のサーバーに行えば主権侵害となり「違法な先制攻撃とみなされる危険がある」と警告しました。首相は「具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えするのは困難」と弁明しました。

 塩川氏は、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険性についても指摘。安保法制などに基づいて、米国が軍事行動をとる相手国に対する「無害化」措置に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになると警告しました。

 さらに、自衛隊は在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしているが、「サイバー攻撃だと判断するのは米国だ。実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになる」と追及しました。


衆院本会議/能動的サイバー防御法案/塩川議員の質問(要旨)

「しんぶん赤旗」3月19日・4面より

 日本共産党の塩川鉄也議員が18日の衆院本会議で行った能動的サイバー防御法案に対する質問(要旨)は次の通りです。

 本法案は、安保3文書に基づき政府が国民の通信情報を常時収集・監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察・自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取るものです。国民の「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃にわが国が踏み込むもので、憲法と国際法を踏みにじる重大な法案です。

 第一に、「通信の秘密」と「プライバシー権」についてです。同法案は、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。政府は国内同士の通信は対象外としますが、海外のサーバーを介する通信は取得・分析の対象としています。検索サービスやSNSなどインターネット上の通信は国内で完結しないものが多く、結局広範な国民の通信情報が取得されることになるではありませんか。

 取得した情報には個人情報も含まれるのではありませんか。そして、外国政府など第三者への提供も可能です。必要以上に収集せず、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得るという個人情報保護の大原則をことごとく無視するものです。国民が自らの通信情報の収集・利用を拒否し、消去などを請求する規定はどこにあるのか。通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。

 インフラ事業者などに対し、通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。事業者に協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。

 日本と米国がサイバー空間における脅威に関する情報共有を明記した日米ガイドラインを具体化し、米国などに取得した情報を提供するものではありませんか。

 第二に、「アクセス・無害化措置」は、警察・自衛隊が機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃にあたるのではないですか。外国のサーバー等も対象としており、日本がその国の同意なく「アクセス・無害化措置」に踏みきれば、違法な先制攻撃とみなされるのではありませんか。

 外国政府を背景とする主体による攻撃には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じるとしますが、自衛隊がそのような措置に踏み出すことが、事態の悪化を招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険についてどう認識していますか。安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動をとる相手国に対し日本が無害化措置に踏みきれば、日本から戦端を開くことになるのではありませんか。自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。


2025とくほう・特報/能動的サイバー防御法案/違憲で危険 廃案を

「しんぶん赤旗」3月29日・3面より

 衆院で審議中の能動的サイバー防御法案。個人情報の監視・収集による憲法21条が保障する「通信の秘密」の侵害、疑わしい外国サーバーに侵入し無害化する国際法違反の先制攻撃、それを担う警察や自衛隊の権限拡大など、問題だらけの姿が浮かび上がっています。

「通信の秘密」侵害する

 18日の衆院本会議で日本共産党の塩川鉄也議員は、この法案が送受信者の同意なく広範な国民の通信情報を監視する仕組みで、個人情報の中身を分からないよう非識別化(IPアドレスなど機械的情報)にしても政府の判断で復元できると指摘し、「通信の秘密、プライバシー権の侵害そのもの」と追及しました。石破茂首相は「通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる」と侵害を認めつつ正当化しました。

 法案は、サイバー被害防止の必要性を問わず、電気・ガス・水道・鉄道・航空などの基幹インフラ事業者や電気通信事業者が政府と協定(当事者協定)を結べば、事業者と通信する市民の情報を政府に提供する仕組みになっています。

 斎藤裕弁護士(日弁連前副会長)は「通信の秘密を制限する必要性がない場合にも結べる当事者協定に基づいて個人情報を提供できる制度は、憲法21条違反といえます」と指摘します。

 さらに「全ての通信情報利用について、被害防止の目的以外には通信情報は利用できないが、サイバー防御のための捜査や起訴などでの利用は禁止されていません。裁判所の令状なしで通信情報を捜査に利用することになると、憲法35条の令状主義に違反します」と批判します。

令状なしの警察権拡大

 侵入・無害化措置を実行するため、警察官職務執行法(警職法)を改定します。「警職法は職務質問などあくまで任意で強制捜査に至らない職務を定めたもので、令状なしでやれるわけです。その改定によってサイバー空間を監視して侵入・無害化するという強制的な権限を警察に与えるやり方には大いなる疑問があります」と斎藤さん。

 「警察の権限を無限に拡大する法案で、かなり危機感があります」。大垣警察署市民監視違憲訴訟をたたかった原告の近藤ゆり子さんは語ります。この訴訟は公安警察が風力発電事業に反対して市民運動を行う市民の個人情報を長期に収集し、民間企業に提供していた事件です。名古屋高裁は昨年9月、表現の自由やプライバシー権を侵害する違憲行為だとする原告の訴えを認めて情報の抹消と損害賠償を岐阜県に命じ、判決は確定しています。

 近藤さんが知人に風力発電事業について「知らん顔はできないのでは、と感じています」とメールした内容を把握した大垣警察がその翌日、「近藤が動き出す気配がある」と民間企業に電話連絡したことを裁判所は事実認定しています。

 近藤さんは「公安警察は裁判所がどういう規則に基づいてやっているのかと聞いても沈黙を通しました。まさに無法地帯です。私たちが警察を監視し規制する法律をつくる運動をしようと思っていた矢先に真逆の法案がでてきたことに正直驚きました」と話します。

米軍と一体の先制攻撃

 警察や自衛隊が常時監視に基づいて疑わしいと判断した外国のサーバーに侵入して未然に使用不能にする措置は、相手から攻撃を受けていないのに行う先制攻撃と同じで、国際法違反の主権侵害です。

 この措置について石破首相は「仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できる場合がある」と答弁しました。主権侵害の違法性を阻却できる「緊急避難の法理」には「急迫性」「唯一の手段」「重大な損害をもたらさない」という要件が必要です。それは首相も認めています。

 斎藤さんは「問題はそのような要件を踏まえた表現が条文にないことです。急迫性についていえば“そのまま放置すれば重大な危害が発生する”というのが条文の表現で、『そのまま』なら1年後かも10年後かもしれず、急迫性の要件を満たしていません。これでは要件を満たさない無害化措置が行われるリスクがあります」と指摘します。

 これらの措置は第三者機関の承認を得ることになっています。しかし、「承認を得るいとまがない」場合は事後通知でよいとされ、形骸化しかねません。

 法案は2022年末に閣議決定された国家安全保障戦略など安保3文書に基づき、「サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上」することを目指しています。防衛力整備計画ではサイバー専門部隊4千人、サイバー要員2万人と体制の大幅な拡充を掲げています。

 背景には米国の要求があります。デニス・ブレア元米国家情報長官は「サイバー戦において米国の同盟国の中で最も弱いのは日本」で、サイバー空間で諜報活動を行う権限を持っていない(『正論』同年6月号)として能動的サイバー防御を求めてきたのです。

 法案には、在日米軍のコンピューターを守るための侵入・無害化措置をとる権限を自衛隊に与えています。衆院内閣委員会で防衛省は米国が使用するコンピューターについて「わが国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当すると評価し、警護の対象にする」と答弁しました。衆院本会議で塩川議員は「判断するのは米軍」「実質的に米軍の指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではないか」とただしました。

外交交渉 何より不可欠

 井原聰東北大学名誉教授は「自衛隊と米軍が情報を共有し、米軍の指揮下で一体となって対応することになると、日本の情報が全部筒抜けになる危険がある。先制攻撃を受けた国が反撃してくる懸念もある。サイバー防御は必要ですが、こんな危険な法案ではなく、今の法体系に基づく取り組みで不備が起きたら、政府が支援を進めることが必要で、何よりも外交交渉が不可欠です」と語ります。

 衆院の審議ではサイバー人材の育成と確保を求める質問が相次ぎ、サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議でもその重要性が強調されました。「これは法律をつくらなくてもできるはずなのに、首相も検討をいうだけで具体策はありません。サイバー防御には人材育成が決定的で、それをやらずにわざわざ人権や主権を侵害する法案を通そうというのはおかしい」と斎藤さん。

 「警察に強大な権限を与えて市民を監視し他国にサイバー攻撃を仕掛ける法案は戦争準備のためです。なんとしても食い止め、廃案にしたい」。近藤さんの言葉に力がこもります。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月18日(火曜日)本会議 第9号

○塩川鉄也君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる能動的サイバー防御法案について質問します。(拍手)

 本法案は、安保三文書に基づき、政府が国民の通信情報を常時収集、監視し、サイバー攻撃やその疑いがあると判断すれば、警察、自衛隊がサーバー等に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする措置を取ろうとするものです。国民の通信の秘密やプライバシー権を侵害をし、先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に我が国が踏み込むもので、憲法と国際法を踏みにじる重大な法案であります。

 第一に、通信の秘密とプライバシー権についてです。

 法案は、サイバー攻撃の実態把握のためといって、送受信者の同意なく、政府が電気通信設備から通信情報をコピーできるとしています。なぜ、個人の通信情報を政府が勝手に取得できるのですか。

 政府は、国内同士の通信は対象ではないとし、国民への権利侵害である通信情報の取得を最小限にとどめるかのように言いますが、海外のサーバーを介する通信は取得、分析の対象となります。検索サービスやSNSを始め、インターネット上の通信は国内で完結しないものが多くあります。結局、広範な国民の通信情報が取得されることになるのではありませんか。

 取得した情報は、メールアドレスなど個人特定につながる情報も含まれているのではありませんか。個人特定を避けるため非識別化措置を行うといいますが、政府の判断で復元可能と規定しており、これは個人情報に当たるのではありませんか。

 さらに、取得した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも、個人情報は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることが大原則です。これらをことごとく無視する重大な法案ではありませんか。また、国民が自らの通信情報の収集、利用を拒否し、消去などを請求する規定は、この法案のどこにあるのですか。

 この法案は、憲法が保障する通信の秘密、プライバシー権の侵害そのものではありませんか。

 電気やガス、公共交通、通信などといったインフラ事業者に対し、導入した電子計算機の製品名の届出やインシデント報告を罰則つきで課し、さらに、通信情報を政府へと提供させる協定を結びます。協定は同意を前提としていますが、事業者には協議に応じる義務を課しており、実質的な強制ではないですか。提供される情報には、営業の秘密も含まれるのではありませんか。

 日米ガイドラインは、自衛隊や在日米軍が利用する重要インフラ、サービスへのサイバー攻撃に日本が主体的に対処することを明記しています。これを具体化し、日米軍事一体化に民間企業、従業員を動員するものではありませんか。

 外国政府への情報提供は、どのような場合を想定しているのですか。サイバー空間における脅威や脆弱性に関する情報を共有することを明記した日米ガイドラインを具体化をし、米国、同盟国、同志国に提供するものではありませんか。

 第二に、法案におけるアクセス・無害化措置は、警察、自衛隊が疑わしいと判断した機器に侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うものです。まさにサイバー攻撃に当たるのではないですか。

 どうしてアクセス・無害化措置が、裁判所の令状なしに、第三者機関の承認で可能となるのですか。警察権の濫用を防止する令状主義を形骸化するものではありませんか。

 外国のサーバー等に対しても侵入し、監視し、その機器を使用できなくする等の措置を行うとしていますが、そうした行為は主権侵害に当たるのではありませんか。誤ってアクセス・無害化措置を行った場合の国家責任は、誰がどのように取るのですか。被害の回復、補償はどうするのですか。

 国際法上の違法性を阻却できるような措置に限って実施するといいますが、そのような理解は、慣習国際法はおろか、国連の政府専門家会合などにおいても意見は一致していないのではありませんか。

 自国領域での外国政府によるあらゆるサイバー行動を主権侵害とみなす国がある下で、日本がその国の同意なく、しかも、その疑いだけでアクセス・無害化措置に踏み切れば、違法な先制攻撃とみなされる危険があるのではありませんか。

 外国政府を背景とする主体による高度に組織的、計画的な攻撃が行われた場合には、内閣総理大臣が自衛隊に通信防護措置を命じることができるとしていますが、自衛隊がそのような措置に踏み切ることが、事態のエスカレーションを招き、本格的な武力衝突を引き起こす危険について、どう認識しているのですか。いわゆるグレーゾーン事態や安保法制に基づく重要影響事態などで、米国が軍事行動を取る相手国に対し日本が無害化措置に踏み切れば、日本の側から戦端を開くことになるのではありませんか。

 自衛隊が在日米軍をサイバー攻撃から警護するとしていますが、サイバー攻撃だと判断するのは米軍ではないでしょうか。米軍の判断を基に自衛隊が無害化措置を行うことになり、実質的に米軍指揮下で自衛隊がサイバー攻撃を行うことになるのではありませんか。断じて容認できません。

 以上、質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣石破茂君登壇〕

○内閣総理大臣(石破茂君) 塩川鉄也議員の御質問にお答えいたします。

 サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の取得、分析と通信の秘密との関係についてでございます。

 サイバー対処能力強化法案に基づく通信情報の利用は、通信当事者の同意によらない場合であっても、国、基幹インフラ事業者等の重要な機能がサイバー攻撃により損なわれることを防ぐという高い公益性があること、他の方法によっては実態の把握、分析が著しく困難である場合に限って通信情報の利用を行うこと、一定の機械的な情報のみを自動的な方法により選別して分析すること、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が審査や検査を行うことなどから、通信の秘密に対する制約が公共の福祉の観点から必要やむを得ない限度にとどまる制度としております。

 なお、分析の対象となる機械的な情報が個人情報に該当する場合には、外部提供の制限を含めて、個人情報保護法の規定も適切に遵守する必要があり、法令の規定に基づき、適切に業務を行ってまいります。

 基幹インフラ事業者との協定等についてでございますが、サイバー対処能力強化法案では、基幹インフラ事業者との間で行う協定の締結について、当事者の一方が協議を求めた場合には、正当な理由がない限り、その相手方は協議に応じなければならないとしておりますが、協定の締結はあくまでも任意でございまして、政府が基幹インフラ事業者に対して協定の締結を強制することはございません。

 また、この法案では、基幹インフラ事業者に対し、一定の電子計算機を導入した場合の届出や、サイバーセキュリティーインシデントが発生した場合の報告を義務づけることといたしており、これらの中に事業者の営業秘密に該当する情報が含まれ得ることは否定できませんが、この法案では、同時に、政府が取得した情報に係る安全管理措置を講じなければならないことや、関係業務に従事する職員等の守秘義務についても規定をいたしておりまして、守秘義務に違反した場合の罰則につきましては、国家公務員法の守秘義務規定の違反よりも重い罰則を定めることといたしております。

 さらに、協定に基づき取得した通信情報やインシデント報告等を分析した情報を政府からほかの企業等に提供する際には、営業秘密に該当する情報を削除するなど、事業者の権利利益に十分配慮をいたしてまいります。

 今般の法制と日米ガイドラインの関係についてでございますが、サイバーセキュリティーは日米同盟の基盤の一つでございますが、サイバー対処能力強化法案及び整備法案は、国家安全保障戦略を踏まえ、我が国全体のサイバーセキュリティーの強化を目的として我が国として主体的に判断して整備するものであり、日米ガイドラインを具体化したものではなく、日米軍事一体化に民間企業、従業員を動員するものではございません。

 また、サイバー対処能力強化法案の規定により、政府が取得した通信情報を外国政府又は国際機関に提供することができるのは、我が国に対する一定の重大なサイバー攻撃による被害を防止する目的の達成のために必要があると認めるときに限定されており、その必要性を、その都度、主体的に判断をいたしてまいります。

 アクセス・無害化措置といわゆるサイバー攻撃との関係等についてのお尋ねです。

 アクセス・無害化措置は、警察庁長官等の指揮により、比例原則に基づき、目的を達成するために必要最小限度の措置として行われるものであり、措置の対象となるサーバー等に、物理的被害や機能喪失等、その本来の機能に大きな影響が生じることは想定いたしておりません。そのため、御指摘のような、措置の対象となる機器を使用できなくするといったサイバー攻撃には当たらないものでございます。

 アクセス・無害化措置は、刑事責任の追及に結びつく作用を有するものではなく、重大な危害の防止という極めて公益性の高い目的の下で実施するものであり、制約される権利の程度は合理的かつ必要な最小限度にとどまることなどから、過去の判例に照らしましても、裁判所の令状は要しないと考えられます。

 加えて、適正手続の観点から、アクセス・無害化措置を講じるに当たり、サイバー通信情報監理委員会の事前承認等を得ることといたしており、令状主義の形骸化といった御指摘は当たりません。

 アクセス・無害化措置と国際法との関係についてでございますが、国や重要インフラ等に対する安全保障上の懸念を生じさせる重大なサイバー攻撃のおそれがある場合や、そのような重大なサイバー攻撃が発生した場合に、我が国がその攻撃元となっている国外に所在するサーバー等に対して必要な措置を取りますことは、国際法上も一定の状況において許容されているものと認識しております。

 個別のアクセス・無害化措置に関する国際法上の評価については、それぞれの具体的な状況に応じて判断されるため、一概にお答えすることは困難でございますが、このような措置につきましては、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できるような場合があり、こうした点に関し、国連憲章全体を含む既存の国際法がサイバー行動にも適用されることは、国連における議論を通じて確認されておるところでございます。

 我が国が国外に所在するサーバー等に対して誤った措置を行った場合の対応につきましても、それぞれの具体的な状況に応じて判断する必要があり、一概にお答えすることは困難ですが、アクセス・無害化措置を国際法上許容される範囲内で行うのは当然のことでございます。これを確保する観点から、措置の実施主体は、警察庁長官又は防衛大臣を通じて、あらかじめ外務大臣と協議しなければならないことといたしております。

 アクセス・無害化措置が違法な先制攻撃とみなされる危険性等についてでございますが、今回整備するアクセス・無害化措置は、そもそも、国連憲章や日本国憲法第九条に規定する武力の行使と評価されるものではなく、違法な先制攻撃とみなされるようなものではありません。

 今回のアクセス・無害化措置は、公共の秩序の維持の観点から、警察権の範囲内で、攻撃サーバー等にアクセスして不正プログラムを無害化する措置等を想定しております。措置の対象となるサーバー等に、物理的被害や機能喪失等、その本来の機能に大きな影響を生じさせることは想定をいたしておりません。また、外国に所在する攻撃サーバー等の無害化措置を行います際にも、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、仮にサーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしても、その違法性を阻却できるような措置に限って実施することとなります。

 その上で、国際法上許容される範囲で措置を行うことを確保するため、措置の実施主体が、あらかじめ外務大臣との協議を行うことといたしております。措置の適法性を確保する観点から、警察庁長官等の指揮を受けるとともに、原則としてサイバー通信情報監理委員会の承認を受けることともいたしております。

 このような制度的仕組みを総合的に踏まえれば、自衛隊がアクセス・無害化措置を実施しても、事態のエスカレーションを招くようなものではなく、日本の側から戦端を開くことになるなどといった御指摘は当たらないと考えております。

 また、我が国に所在する米軍が使用する特定電子計算機の平素からの警護につきましては、要請の判断主体は米軍でございますが、当該要請に基づく自衛隊による警護の実施に当たりましては、国際情勢や米軍の状況等を踏まえ、防衛大臣がその必要を判断するものであり、アクセス・無害化措置に当たっても防衛大臣の指揮を受けることになるため、日本が米軍の指揮下に入るといった御指摘は当たりません。

 以上でございます。(拍手)

【政治改革に関する特別委員会】「企業・団体献金は禁止を」参考人質疑

 衆院政治改革特別委員会は、企業・団体献金に関して、参考人質疑を行い、私が質問に立ちました。

 小林節氏(慶應大学名誉教授)は「企業献金は本質において買収であるから、露骨に公共の福祉に反し、禁止すべきだ」と陳述。私は「企業・団体献金は、国民の参政権を侵害するものではないか」と質問。小林氏は「金持ちか有力者が、法人のカネを持って、権力を持っている側に献金、結果的に大企業に有利な税制が行われている。本来1人1票のはずのものが、これでは昔の制限選挙と同じで、歴史に逆行する」と述べました。

 また、私は、90年代の「政治改革」において、政治家個人への企業・団体献金を禁止としながら、政党支部とパーティー券購入という2つの穴が空いたと指摘。「当時から、このような議論があったのではないか」と質問したのに対し、当時、細川総理秘書官を務めていた成田憲彦氏(駿河台大学名誉教授)は「当然予見されていた」、「当時から、当然懸念があった」と説明しました。

 さらに私は、政治資金の公開について、質問。昨年の法改定による収支報告書「要旨」廃止について、中北浩爾氏(中央大学教授)は、「後々、検証可能性を損なう。避けていただきたい」と昨年の審議でも指摘したと述べ、「思いは全く変わっていない」と強調。その上で、今回の自民党案が、要旨を廃止したまま、一部の収支報告書の高額寄附だけを公表することについて、収支報告書の無期限公開の必要性を述べました。

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企業献金は歴史に逆行/塩川氏に参考人禁止主張/衆院政治改革特委

「しんぶん赤旗」3月19日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は17日、企業・団体献金に関して参考人質疑を行い、日本共産党の塩川鉄也議員が質問に立ちました。

 小林節・慶応大学名誉教授は「企業献金は本質において買収であるから、露骨に公共の福祉に反し、禁止すべきだ」と陳述しました。塩川氏は「企業・団体献金は、国民の参政権を侵害するものではないか」と質問。小林氏は「金持ちか有力者が、法人のカネを持って、権力を持っている側に献金し、結果的に大企業に有利な税制が行われている。本来1人1票のはずのものが、これでは昔の制限選挙と同じで、歴史に逆行する」と述べました。

 また、塩川氏は、1990年代の「政治改革」において、政治家個人への企業・団体献金を禁止としながら、政党支部とパーティー券購入という二つの穴が開いたと指摘。「当時から、このような議論があったのではないか」と質問したのに対し、当時、細川護熙首相秘書官を務めていた成田憲彦・駿河台大学名誉教授は「当然予見されていた」、「当時から、当然懸念があった」と説明しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月17日(月曜日)政治改革に関する特別委員会 第8号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 四人の参考人の皆様、今日は貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

 最初に、中北参考人にお尋ねをいたします。

 冒頭の意見陳述の中で、公開の徹底のお話をされておられました。その中で、公開期間の三年から無期限への延長をということでお話があり、その点、研究上も有用だということもコメントとしてあったところは、そのとおりだと思っております。

 そもそも、収支報告書の要旨の問題について、その公表義務について、これが削除をされるということがこの間行われたわけですけれども、このことについてはどのようにお考えになっておられるのかについて教えていただけないでしょうか。

○中北参考人 お答え申し上げます。

 昨年、参議院に維新の推薦で参考人として出席させていただきました。その際にも申し述べたように、要旨の廃止ということは、後々、検証可能性というのを損なってしまうということになりますので、研究者の端くれとして、これはどうにか避けていただけないかという話をさせていただきました。その思いは全く変わっておりません。

 確かにコストはかかるかもしれないけれども、この点については、与野党しっかり議論していただければというふうに個人的には思っております。

 以上でございます。

○塩川委員 ありがとうございます。

 そうしますと、自民党の公開強化法案というのが、一階、二階、三階というお話がありましたけれども、一階、二階部分というのが、三年でそもそも公表はなくなってしまう、これまであった要旨も作らないということになると、この三階建てそのものが成り立つのかといった点でも、こういった要旨の廃止の問題をそのままにしたこの自民党の案についてどうお考えなのか、お聞かせください。

○中北参考人 お答え申し上げます。

 今お話にあったように、一階部分、二階部分があって三階部分があるということになりますので、仮にデジタル情報による提出が幅広い形で義務づけられ、そしてデータベースとして記録され、その上に例えば公開強化法案みたいな三階建てがあるということになっておりますので、そもそも論として、やはり、公開期限の三年というところに今決まっているところをどうするのか。それが、もちろん、公開期限がかなり無期限とかになってくれば要旨の問題がそもそも発生しないわけでありますので、こういったところをトータルに考えていく。

 その一方で、これまでの公開の在り方については、個人名、住所が特定される、ずっとさらされ続ける、こういった問題もありましたので、こういったところ全体で、与野党で協議をしていただきたいというふうに考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、谷口参考人にお尋ねをいたします。

 意見陳述のところで、企業・団体献金を受ける政党支部の限定のお話がございました。その際に、一九九三年の十月二十日の山花大臣の答弁を引用されたところですけれども、これはちょうど我が党の東中光雄議員の質疑における山花大臣の答弁と聞いております。その際、山花大臣が、今ある県本部とか支部、総支部の数よりは少なくなることが常識的な流れということを答弁では言っておられましたけれども、我が党の東中議員は、都道府県や市町村単位でつくることができるじゃないか、そうなれば、全部数え上げれば三千六百八十一にもなるし、二つ以上の市町村単位や都道府県単位でもつくることができるから、更に、いわば無数につくることができるということが可能だということを取り上げていたところです。

 ですから、当時から、このように数千の政党支部をつくって、そこから政治家個人が企業・団体献金を受け取るという抜け道ができることは明らかだったのではないかと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。

○谷口参考人 御指摘のとおりかと存じます。更につけ加えるのであれば、参議院の側では、今度は自民党の関根則之議員から同様の質疑がなされておりまして、そこでもやはり、これは山花大臣ではなく佐藤観樹自治大臣であったかというふうに記憶をしておりますが、やはり同様の答弁がなされた。この二つの答弁によって穴が空いてしまったというのが私の認識でございます。

○塩川委員 ですから、政治家個人への企業・団体献金を禁止と言いながら、当時から、こういった政党支部を通じてということで穴が空いていたという話であります。

 その点、成田参考人にこの点でお尋ねしたいんですけれども、この三十年前の政治改革の議論において、こういった、政党支部を通じた政治家個人への企業・団体献金へという抜け道、こういうことが想定されていたのではないかと考えるわけですが、この点についてはいかがでしょうか。

○成田参考人 先ほど、規正法の二十一条の四で政党支部が政党である法的仕組みを申し上げました。これは、細川内閣で実際に成立した法律ですが、考え出したのは自民党で、その前に、自民党法案が出たときにそういう仕組みを導入しまして、それで細川内閣でもその仕組みを受け継いだ、こういうことです。

 それで、自民党側の事情は、要するに、政党助成なり献金を受けるのが本部だけだと、地方議員が困るというんですね。それで、地方議員の資金を手当てをするためにどうしても政党支部が必要になるという考え方でした。今後検討されるときにも、地方議員の資金をどうするかということをやはり同時にクリアしていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。

 当時から、政党支部がいろいろ使われるということは当然予見されておりました。

○塩川委員 ありがとうございます。

 それともう一つ、実際のパーティーについてですけれども、九〇年代にこのパーティーの仕組み、収支報告にも明らかにするような、そういうことが行われたわけですけれども、それが実際には企業・団体献金の迂回路として使われるような、そういう実態というのがあったわけであります。実質、政治資金パーティー、自民党の場合など、八割ぐらいが企業、団体からというのは、これまでの収支報告書の公開の経緯を見ても、見て取れるわけです。

 そういった点で、九〇年代における政治改革において、政治家個人への企業・団体献金は禁止したといっても、実際には政党支部を通じて穴が空き、また、パーティー券収入という形を通じても穴が空いている、そういったことが、当時からそういう議論はあったのではないかと思うんですが、その点について、成田参考人はいかがでしょうか。

○成田参考人 当時から当然、そういう懸念はございました。

 それで、パーティーにつきましては、しかし、その前は大変無秩序で、誰でも、個人であろうと、誰であろうともパーティーをやることができて、非常にパーティーが乱立しましたので、政治改革、これは細川内閣だけではありません、その前のいわゆる緊急政治改革、与野党合意でやった部分が多いんですけれども、パーティーを秩序立てるという意味で政治団体がやるとか、それから、最初は五十万以上、細川内閣は五万超でしたけれども、自民党との合意で二十万超を公表するというような、一応秩序はつくりました。

 ただ、正直申し上げて、一遍に全ての蛇口を止めるわけにはいかないということでパーティーは許されたわけですが、その後、当然そういうものは整理されていくべきだというふうに考えられていた、少なくとも連立政権ではそういうふうに考えていたということでございます。

○塩川委員 ありがとうございます。

 小林参考人にお尋ねをいたします。

 小林先生がお書きになったものの中で、経済力がある人たちの政治的影響力を強める企業・団体献金自体が、一人一票という民主主義の大前提に反する、法律で全面禁止するべきだと述べておられました。

 企業・団体献金というのが、国民の参政権、選挙権を侵害するものではないのか、このように私は考えますが、小林参考人の御意見を伺いたいと思います。

○小林参考人 全く明白なことなんですけれども、要するに、民主主義というのは、全ての人間が対等であるという前提で、そして、生身の自然人の持っている実力で議論し合って、投票を重ねながら調整していく。そこに、自然人の道具にすぎない法人をつくることができる、あるいは管理することができる、いわば金持ちか有力者が、更に法人の金を持って、大体、共産党に献金する大企業はないと思うんですけれども、権力を持っている側に献金して、そして、結果的に大企業に有利な税制が現に行われているというようなことじゃないですか。これは細かな立証は要らないと思うんですね。

 そういう意味で、結局は、本来ワン・マン・ワン・ボートのはずのものが、要するに、お金持ちはプラスアルファの力を持って、これじゃ昔の制限選挙と同じで、歴史に逆行するということを申し上げたわけであります。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 続けて小林参考人に伺いますが、日本経団連が政策評価というのを政党に対して行っております。拝見すれば、そのメインが自民党であることは当然明らかなわけですけれども、こういった政策評価に基づいて企業に政治献金の呼びかけを行っている、日本経団連の政策評価に基づく企業献金の会員企業などへの呼びかけという、この在り方についてはどのように受け止めておられるでしょうか。

○小林参考人 もちろん、経団連も許されている公的存在で、それは、政治に対して政策評価するのは、これまた正当な権利だと思うんですね。

 ただ、それに従って、企業に額まで割り振っていますよね。これは余計なことでありまして、要するに、我々にとって有利な政策をして、そうでない人も世の中にはいっぱいいるわけですよ、有利な政治をしてくれた方たちに、じゃ、まさにお礼のためにお金を献上する、こんなのは全く、お代官様と御用商人の世界ですよ。こういう構造が今国民に飽きられて、いろいろな政治的変動が起きているじゃないですか。

 ですから、ここはきちんとした方がいいと私は思います。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 もう一問、小林参考人にお尋ねをいたします。

 昨年の法律の改定で、外国人、外国法人等によるパーティー券購入を禁止したわけですけれども、一方で、日本法人で五年以上上場している外資系企業については企業・団体献金禁止の対象から除外するということがこの間行われてまいりました。

 これはやはり、外国人等の献金は国家主権に関わると言いながら、特例を設けて献金もパーティー券購入も温存してきた。日本法人で五年以上上場している外資系企業をこういう企業・団体献金禁止の対象から除外をするといった対応については、どのように受け止めておられるでしょうか。

○小林参考人 自民党らしくないと私は思うんですけれどもね。

 まさに今、トランプのおかげで戦国乱世状態になっているじゃないですか、世界が。国家主権ということで、非常にきちんと言ってきたのは自由民主党だと思うんですね。私はそれは賛成なんです。そういう意味で、どの国でも、外国の政治的介入というのはよろしくないというのが当たり前の話じゃないですか。主権国家なんですから、国民主権国家なんですから。

 だから、そういう意味では、そこは何か別の動機が入っちゃったのかなと。例えば、でも、お金を下さるからいいわ、この人たちは、であったとしたら、誠に日本国として情けないことだと思います。

 以上です。

○塩川委員 時間が参りましたので、終わります。

 ありがとうございました。

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【政治改革に関する特別委員会】石破総理の商品券配布問題、自民党の金権腐敗体質を批判

 私は、議論の前提として石破茂総理の商品券配布問題に言及し「寺院党の金権腐敗体質が問われている」と批判。政治資金の公開を後退させた法改悪をそのままにして、企業・団体献金は「禁止より公開」を主張する自民党の矛盾を指摘しました。

 私は、商品券配布について石破総理の「政治活動に関する寄附ではない」との理屈は通用しないと指摘し、「総裁が所属議員に商品券をばらまいたことに国民の理解が得られると思うか」と自民党提案者を追及。小泉進次郎議員は「得られないと思う」と答弁しました。

 私は、商品券を受け取った自民党1期生議員に率先して事実を明らかにするよう要求するとともに、政治改革特別委員会へ総理の出席を求めました。

 自民党が提出している法案は、現行の毎年の収支報告書の公開を1階部分、2027年から始まる収支報告書の一部のデータベース化を2階部分としたうえで、3階部分として一部の収支報告書の高額寄附だけを公表するとしています。

 私は「1階と2階部分の収支報告書そのものは、3年後に廃棄・削除され、一部の高額寄附しかわからなくなることが、なぜ公開の強化なのか」と批判。

 昨年の法改定で、寄附者の氏名や寄附額、項目ごとの収入・支出額等を記載した収支報告書「要旨」を廃止したことを批判し、「要旨廃止の撤回が必要だ」と強調し、報告書は、そのまま速やかに公開し、公的に永久に残すべきだと主張しました。

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自民金権腐敗を批判/塩川氏、事実解明を要求/衆院政治改革特委

「しんぶん赤旗」3月15日・2面より

 衆院政治改革特別委員会が14日開かれ、日本共産党の塩川鉄也議員は、議論の前提として石破茂首相の商品券配布問題に言及し「自民党の金権腐敗体質が問われている」と批判しました。政治資金の公開性を後退させる法改悪をそのままにして、企業・団体献金の「禁止より公開」を主張する自民党の矛盾を指摘しました。

 塩川氏は、商品券配布は「政治活動に関する寄付ではない」との首相の理屈は通用しないと指摘し、「(自民党)総裁が所属議員に商品券をばらまいたことに国民の理解が得られると思うか」と同党法案提案者の小泉進次郎議員を追及。小泉氏は「得られないと思う」と答えました。塩川氏は、商品券を受け取った自民党1期生議員に率先して事実を明らかにするよう要求するとともに、首相の出席を求めました。

 自民が提出した法案は、現行の毎年の政治資金収支報告書の公開を1階部分とし、2027年から始まる報告書の一部データベース化を2階部分とした上で、3階部分として一部の収支報告書の高額寄付だけを公表するとしています。

 塩川氏は「1、2階部分の収支報告書そのものは3年後に廃棄・削除され、ごく一部の高額寄付しか分からないことが、なぜ公開の強化なのか」と批判。昨年の法改定で、寄付者の氏名や寄付額、項目ごとの収入・支出額などを記載した収支報告書「要旨」を廃止した改悪を批判し、「要旨廃止の撤回が必要だ」と強調。報告書は公的に永久に残すべきだと主張しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月14日(金曜日)政治改革に関する特別委員会 第7号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 政治資金規正法の審議に当たって、その前提となる問題について自民党の提出者にお尋ねいたします。

 石破総理が三月三日、自民党の一期生衆議院議員十五人との会食に先立ち議員の事務所に商品券を渡していた問題であります。石破総理は、会食のお土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から私自身の私費、ポケットマネーで用意をした、政治活動に関する寄附ではなく政治資金規正法上の問題はない、また、私の選挙区に住んでいる人はいないので公職選挙法にも抵触しない、法的には問題がないと認識していると言っております。

 政治資金規正法第二十一条の二では、何人も公職の候補者の政治活動に関して寄附をしてはならないとあります。政策活動費の議論でも注目となった条項でありましたが。石破総理は政治活動に関する寄附ではないと言っておりますが、自民党総裁から所属議員の事務所に届けており、議員になるまで何年も苦労したことへの慰労の意味と言っておいて、政治活動ではないという理屈は通用しないんじゃないでしょうか。その点についてはどのように受け止めておられますか。

○小泉(進)議員 先ほど、源馬委員のときは追加で通告をいただいておりました。今、塩川先生の件については通告を受けておりませんが、先ほど申し上げたとおり、今この委員会の裏側で、参議院で総理御自身が答弁に立って質問を受けていると思います。そういった形で、これから石破総理がしっかりと説明を果たされるものと考えております。

○塩川委員 総理自身が説明を果たされると。同時に自民党としてどう考えるのかということが問われているわけであります。それは特に国民との関係でどうなのか。

 報道によれば、一期生議員十五人に十万円ずつ配ったということであれば合計百五十万円ですし、十万円もの商品券をお土産代わりというのは庶民には考えられない金銭感覚であります。物価高に苦しむ国民の理解を得られると言えるのか。昨年の総選挙で示された民意は、裏金事件の当事者である自民党に厳しい審判を下しました。石破総理・総裁が所属議員に商品券を配っていたということについて国民の理解が得られると考えるのか。ここの点についてはいかがでしょうか。

○小泉(進)議員 得られないと思っていますし、得られないと総理自身も改めて感じたからこそ、昨夜、深夜でありましたけれども、おわびも含めて会見されたと私は理解をしております。

○塩川委員 国民の理解が得られないという話です。そういう点で、いわば出し手の総理・総裁なわけですけれども、併せて受け手、もらった一年生議員の問題があるわけであります。当委員会にも受け手側の自民党の一期生議員は六人所属しているということであります。返却したから終わりという話ではなくて、当事者として事実関係を明らかにすべきだ。

 小泉議員にお尋ねしますが、当委員会に所属している一年生議員は率先して事実関係を明らかにしてもらう、まさに政治改革特で政治資金規正法の議論をしているわけですから、そういったことが求められているんじゃありませんか。

○小泉(進)議員 石破総理が説明をしていますけれども、やはり総理がまずは説明をすることだと私は思います。

 そして、もらったというふうに今、塩川先生はおっしゃいましたけれども、選挙に初当選して間もなく、今回のことに率直に一回生の皆さんは困惑したんじゃないでしょうか。その中で、最終的には自主的に返す、こういった判断をされた、これが私は事実だと聞いております。そして、個々に今、記者の方からの質問などもあって、こういったことだったけれども返しました、こういったことをそれぞれ述べているとも承知しております。

 ですので、今回、そういったことも含めて、総理・総裁が行ったことでありますから、今総理・総裁が率先して説明をしている、私はそのことだと理解をしています。

○塩川委員 十五人、この委員会でも六人。しかし、先ほど二人の方が質問もされましたけれども、そのことについては何の弁明もされませんでした。私は、やはりしっかりと明らかにしていくことが必要だと。報道によると、こうやってもらった議員の中には、お土産を逸脱していたのではないのかということで返却した者もいるという回答もあったということですから、そういう点では、認識がどうだったかということも、この場で明らかにしてもらうということは必要なのではないのか。その点について、しかるべき当事者の弁明を求めたいと思っております。

 総理がまずは説明すべき、当然のことでありますけれども、政治改革特として、こういう問題についてきっちりその点も議論をする必要がある。ポケットマネーと言うけれども本当にそうなのかということもありますし、ほかの会合でも商品券を配っているということも会見の中で述べておられたということでありますので、誰に配ったのか、選挙区内で配ったことはないのか、こういったことも含めてしっかりと明らかにしてもらう。

 委員長、是非、石破総理に当委員会でこの問題についてしっかりとただす、その機会を設けていただきたい。お取り計らいをいただきたいと思います。

○渡辺委員長 後刻、理事会で協議をします。

○塩川委員 この問題を始めとして、自民党の金権腐敗体質の問題というのが厳しく問われている。裏金問題がまさにそのことであるわけですけれども、真相解明がいまだに行われておりません。政治活動に関する寄附でなければ政治資金規正法に何ら抵触しないというような、今回の商品券の問題もそういう開き直りでは通らないということを言わざるを得ません。

 その上で、自民党の提出者にお尋ねしますが、企業・団体献金は禁止よりも公開だということでの話であります。趣旨説明で、政治資金の公開については、一階部分として収支公開の制度があり、毎年全ての政治団体の収支報告書が公開されている、二階部分として、昨年成立した収支報告書のデータベース化によって、政党本部、政治資金団体、国会議員関係政治団体の収支報告書について検索可能なデータベースが構築されると述べておりました。確認したいんですけれども、自民党が言う一階部分と二階部分の収支報告書というのは三年間で廃棄、削除されるということになりますか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 まず、政治資金の収支公開制度の在り方につきましては、個人の寄附などについては個人の氏名あるいは住所が記載されるわけでございますので、まずプライバシーの保護の要請と、もう一方では何より政治活動の透明性確保、この両者の要請のバランスが適切に図られることが重要であると考えております。

 そのようなバランスの中で、昨年の通常国会そして臨時国会で成立した法律の施行後においては、今ほど来申し上げているとおり、二階部分であります収支報告書のデータベース、これは、収支報告書は公表された後三年を経過する日までの間公開されることになる。これは新しい規正法の二十条三項そして第五項に記載のとおりでございます。したがいまして、収支報告書の公開年限と同じような取扱いにあると承知しております。

○塩川委員 ですから、三階建ての建物と思っていたら、一階、二階部分というのがそれこそいつの間にか消えてしまうような、そういう構造というのが今の自民党の公開の仕組みの中身だということであります。

 自民党が言います三階部分は、政党関係政治団体に対する対象寄附、対象寄附関連事項を総務大臣が公表するということですけれども、具体的にどのような形式になるんでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 公開強化法案では、総務大臣が毎年三月三十一日までに企業、団体が、政党関係政治団体と定義させていただいています、それに対してした寄附について、政党ごとに、まず寄附の総額、さらに、年間合計で一千万を超える寄附をした企業、団体の寄附につきまして、その寄附をした企業、団体の名称及び寄附の年間合計額、そして、受け手の方でございますけれども、その寄附を受けた政党関係政治団体ごとに、その政党関係政治団体の名称、その受けた寄附金額の合計額、これを公表することを義務づけることを提案させていただいています。

 具体的な公表の形式等につきましては公表の事務を担うこととなる総務省において法施行までに検討されるものと考えておりますけれども、ホームページにおいて分かりやすい形式で行われることが望ましいものと考えております。

 以上です。

○塩川委員 例えば、政党、政治資金団体、国会議員政治団体の二〇二七年の収支報告書における年間合計一千万円を超える企業・団体献金の一覧は、二〇二九年の三月に公表されるというタイミングになると思います。ですから、二〇二七年の収支報告書についても大分先の公表ということもありますし、しかも一階部分、二階部分の収支報告書そのものは三年後には廃棄、削除されてしまって、ごく一部の収支報告書の高額寄附しか分からないということで、どうして公開の強化になるのかということであります。

 一千万円を超えるような企業・団体献金についての公開関係ですけれども、総務省にお尋ねします。現在、総務省が収支報告書の要旨を公表する際に報道資料などを作成しておりますが、それはどのような内容でしょうか。

○新田政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省においては、毎年、総務大臣届出分の収支報告書の定期公表を行う際に、併せまして、収支の概況、項目別内訳、政党本部の収支の状況などを一覧にしました報道資料を作成し、公表いたしてございます。

 また、併せましてお求めがあれば、総務大臣届出分に限りますが、政党及び政治資金団体などに対する年間百万円を超える寄附者の内訳、年間二千万円を超える寄附をした法人などに関して、集計を行い、提供することを可能といたしております。

○塩川委員 報道資料、プレスに対する資料として、また、求めがあればその他の方に対しても、政党、政治資金団体に対する年間百万円を超える寄附者の内訳ですとか年間二千万円を超える寄附をした法人等の一覧等について提供しているということであります。

 ですから、日本医師連盟や郵政政策研究会など、企業、団体、政治団体ごとに寄附先とともに金額を一覧にしている、こういう資料を、もちろん総務大臣分だけですけれども、データベースがない現在も作成しているわけであります。また、その一か月後には、総務大臣届出団体と都道府県選管の届出団体を合算して収支の内訳を公表しております。ですから、企業・団体献金全体のうち九六%を自民党と国民政治協会が受け取っていることも分かるわけであります。現在でも、今回の法案で自民党が言っているような三階部分については、類似の資料は総務省が作成をしているというのが現状の実態であります。

 お尋ねしますけれども、昨年通常国会で成立した法改定で収支報告書の要旨の廃止をしてしまいました。こんなことで、今回の三階部分の公表というのが要旨の代替にそもそもなるんでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 そもそも、収支報告書の要旨についてでございますけれども、現行法においても、収支報告書をインターネットで公表する場合には収支報告書の要旨を公表する義務がない旨が定められております。この規定に基づいて、現在、四十七都道府県中四十道府県において収支報告書の要旨が既に廃止をされている現状でございます。インターネットで公表された収支報告書は誰でも容易に閲覧、保存できますことから、総務省、各都道府県選挙管理委員会の選択に委ねられていた収支報告書のインターネット公表について、義務化することに併せて要旨の公表を廃止したものと理解しています。

 その上で、今回、公開強化法案で新たに三階部分として、政治資金の出し手である企業、団体について総務大臣が多額の寄附をマクロ的に概況を整理して公表することに伴いまして、委員御指摘のように、要旨そのものの代替ではございませんけれども、政治資金制度を所管する総務大臣が、個々の政治収支報告書の要旨では一覧性を持っておりません、その一覧性を持たない要旨では分からない情報について整理して公表することによって、我が方が主張しています禁止ではなく公開の趣旨にのっとって、国民の皆さんによる不断の監視と批判に一層資するものと考えております。

○塩川委員 一部の高額寄附者の名前を一覧でという、そこだけを取り出して、でも政治資金全体の流れについては、これは過去分をそっくり、収支報告書も三年で消すし、要旨そのものももう作らなくなる。本気で公開強化というのであれば、要旨の義務づけを廃止したことそのものを改めてきちっともう一回やるべきじゃありませんか。それこそ公開強化じゃありませんか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 要旨の公表を廃止したことが公開性の後退ではないかという御指摘でございますけれども、先ほど来申し上げていますが、収支報告書をインターネットで公表する場合にはそもそも要旨を公表する必要がないということが定められている中で、今現状は四十道府県において廃止をされておる現状でございます。

 もし仮にこれを復活させることになりましたら、収支報告書から情報を抽出し公報に載せる、様々な業務負担量がかかるわけでございます。そうした実務面での業務負担のことも考えた上で、現状はインターネット公表の義務化に伴いまして要旨を廃止するという整理をされたものと理解しています。

○塩川委員 でも、今まで官報、公報で公表するという手続を取ってきたわけですよ。それ自身がまさに政治資金規正法の立場で、国民の不断の監視と批判の下に置く、その精神に立った対応そのものであるわけで、そういった点でも、要旨の廃止を前提にした上で一部の公開の強化というのは全く成り立たないと言わなければなりません。政党、政治資金団体、国会議員政治団体に限ったデータベース掲載の範囲内で名寄せをして、高額寄附のみを翌々年の三月に公表するということが公開の強化にならないというのははっきりしているんじゃありませんか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 要旨の廃止につきましては、繰り返しでございますけれども、仮に復活した場合には相当な業務負担がかかるということを考えますと、実務に当たる都道府県選管等々の意見も踏まえ、各党各会派で慎重に議論すべきだというふうに考えています。

 その上で、今回、一階部分による全ての団体の政治資金収支報告書の公表、二階部分におけるインターネット公表とデータベース化、さらに、三階建て部分におきます企業・団体献金の出し手、一千万超ということで基準を出させていただいていますが、先ほど来議論がありますように、個人献金の総額の一つの基準として一千万以内というのがございます、それを超える企業・団体献金について一覧性ある形で政治資金制度を所管する総務省がいわゆる公定力を持って公表することについて、公開性、透明性が一層強まるものと考えております。

○塩川委員 民主主義のコストとよく言いますけれども、まさに政治資金規正法、その公開をしっかり担保するところに必要なお金をかけるというのは当然のことだと思います。当委員会で選管の皆さんに来ていただいた際にも体制が非常に脆弱だという訴えがあったわけでありますから、そういうところにこそしっかりとお金をつけるべきだ。要旨の廃止や収支報告書の情報公開請求の制限など、公開の改悪を行ったまま透明性、公開性を一層強化するというのは矛盾している話でありまして、要旨廃止の撤回、収支報告書の保存、公開の延長こそが必要だ。収支報告書はそのまま速やかに公開し、公的に永久に残すということで企業・団体献金の禁止を進める、そういう取組のために力を尽くすものであります。

 時間が参りましたので、終わります。

日本学術会議「特殊法人」化反対集会

 わが党から小池書記局長、井上参院議員らと参加。

 会員候補6名の任命拒否に反省も説明もしないまま、学術会議の独立性、自立性を侵害する法案の提出は断じて許せない。

 高額療養費上限額引き上げ撤回を求める運動のように、国民世論と国会論戦で断念に追い込もう!


学術会議法案の撤回を/学者・市民ら16団体、署名提出

「しんぶん赤旗」3月14日・1面より

 日本学術会議の法人化法案に反対する署名を呼びかけている学者や弁護士、市民らがつくる16団体は13日、内閣府に2万2792人の署名を提出しました。同日、国会内で記者会見と集会を開き、法案は学術会議の解体をめざすものだとして撤回を求める声明を発表しました。

 政府は7日に、学術会議を国の機関から外して特殊法人とする法案を閣議決定。首相が任命する監事や評価委員が活動状況を確認するなどと規定し、学術会議を政府の統制下に置こうとする内容です。

 反対署名はオンラインで2月に始めたもの。学術会議元会長の広渡清吾東大名誉教授は「学術会議について市民運動で署名を集めるということはかつてなく歴史的に大きな意味がある。日本の市民と科学者の明確な意思表示だ」と強調し、「必ず廃案に追い込もう」と呼びかけました。

 本田由紀東大教授は、法人化で政府方針に従わなければ予算を削られる仕組みになった国立大の惨状に言及し「同じことを学術会議にやろうとしている」と告発。駒込武京大教授は内閣府による経済や軍事的観点からの「知の囲い込み」に危惧を表明し、法案は「国の民主的意思決定システムを破壊するものだ」と指摘しました。

 科学ジャーナリストの榎木英介氏は、理系研究者にも危機感をもってほしいと訴え、赤井純治新潟大名誉教授は、法案が成立すれば「日本の学術は終わってしまう」と危機感を表明。核兵器廃絶を求める「パグウォッシュ会議」元評議員の小沼通二慶応大名誉教授がメッセージを寄せました。

 日本共産党の小池晃書記局長は「こんな無法を許したら民主主義国家ではない」として廃案に追い込む決意を表明。井上哲士参院議員、塩川鉄也衆院議員、社民党、れいわ新選組の議員も連帯のあいさつをし、立憲民主党の議員や秘書も参加しました。署名の呼びかけ団体が取り組みを報告しました。

【政治改革に関する特別委員会】金権腐敗政治一層のため企業・団体献金禁止と政党助成金廃止を

 衆院政治改革特別委員会は、企業・団体献金について各党による自由討議を行いました。

 私は、昨日、日本共産党が2法案を提出したことを述べ、企業・団体献金禁止と政党助成金廃止が金権腐敗政治の一掃になると主張しました。

 私は、「禁止より公開」と主張している自民党案が、一部の政治資金収支報告書分だけ、「名寄せ」して、翌々年3月に高額寄附のみ、公表することが、なぜ公開の強化になるのかと指摘。

 そもそも、昨年6月の法改定により、収支報告書「要旨」を廃止したことで、「収支報告書そのものは3年で廃棄され、要旨もなくなれば、過去にさかのぼって政治資金の流れが全く見えなくなる」と批判。

 自民党案の「高額寄附だけ、一部の収支報告書だけ、公表したからと言って、要旨の代替になるわけない」と強調し、要旨廃止の撤回、収支報告書の保存・公開の延長を主張しました。

 企業・団体献金を禁止しても「個人献金へ迂回する」との意見に対し、私は、迂回献金、寄附者を偽って収支報告書に記載することは、現行法においても違法行為であると反論。

 共産党案は、政党など全ての政治団体において企業・団体献金の受け取りを禁止していること、企業・団体などのあらゆる「寄附の斡旋」を禁止していることをあげ、「抜け穴の付け入る余地はない」と述べました。

 政党助成金を巡り、依存率の高さから「官営政党、税金丸抱え政党でいいのか」との自民党の発言に、塩川議員は「ならば、政党助成制度を見直すべきだ」と強調しました。

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企業・団体献金禁止 政党助成金廃止を/衆院特委/金権腐敗政治一掃へ塩川氏

「しんぶん赤旗」3月14日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は12日、企業・団体献金について各党による自由討議を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は、11日に日本共産党が2法案を提出したことを述べ、企業・団体献金禁止と政党助成金廃止が金権腐敗政治の一掃になると主張しました。

 塩川氏は「禁止より公開」と主張している自民党案について、一部の政治資金収支報告書分だけ「名寄せ」して、翌々年3月に高額寄付のみ公表するものだとして、なぜ公開の強化になるのかと指摘。そもそも、昨年6月の法改定により、収支報告書「要旨」を廃止したことで、「収支報告書そのものは3年で廃棄され、要旨もなくなれば、過去にさかのぼって政治資金の流れが全く見えなくなる」と批判。自民党案で「高額寄付だけ、一部の収支報告書だけ公表したからと言って、要旨の代替になるわけがない」と強調し、要旨廃止の撤回、収支報告書の保存・公開の延長を主張しました。

 企業・団体献金を禁止しても「個人献金へ迂回(うかい)する」との意見に対し、塩川氏は、迂回献金、寄付者を偽って収支報告書に記載することは、現行法においても違法行為であると反論。共産党案は、政党など全ての政治団体において企業・団体献金の受け取りを禁止し、企業・団体などのあらゆる「寄附のあっせん」を禁止していることをあげ、「抜け穴の付け入る余地はない」と述べました。

 政党助成金をめぐり、依存率の高さから「官営政党、税金丸抱え政党でいいのか」との自民党の発言に、塩川氏は「ならば、政党助成制度を見直すべきだ」と強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月12日(水曜日)政治改革に関する特別委員会 第6号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 まず、政治資金の公開についてです。

 禁止より公開との考え方である自民党によれば、一階部分が毎年の収支報告書の公開、二階部分が一部の収支報告書のデータベース構築、三階部分が自民党の公開強化法案による一部の収支報告書の高額寄附の公表だということです。二〇二七年から政党、政治資金団体、国会議員関係政治団体に限ったデータベース作成が決まっています。その範囲内で名寄せして、翌々年の三月に高額寄附だけを公表するということがどうして公開の強化になるのでしょうか。

 そもそも、昨年、通常国会で成立した法改定で、収支報告書要旨を廃止しています。要旨は、全ての政治団体を対象に、寄附者の氏名や寄附額、項目ごとの収入、支出額など、収支報告書の根幹部分を記載したもので、公開期限はありません。収支報告書そのものは三年で削除され、要旨もなくなれば、過去に遡って政治資金の流れが全く見えなくなります。自民党案の三階部分にも公開期限はありませんが、高額な企業・団体献金だけ、一部の政治団体の分だけ、それを公表したからといって、要旨の代替になるわけがありません。要旨廃止の撤回、収支報告書の保存、公開の延長こそが必要です。収支報告書はそのまま速やかに公開し、公的に永久に残すべきです。

 次に、企業・団体献金の禁止に抜け穴があるのではないかという点についてです。

 企業・団体献金を禁止しても個人献金や形を変えた迂回が発生するとか、形式的には個人献金の形を取りながらその内実は企業・団体献金である可能性を一切排除することは現実的に考えて不可能だという意見が述べられました。そもそも、現行法においても、迂回献金、寄附者を偽って収支報告書に記載することは虚偽記載であり、違法行為そのものです。

 日本共産党が提出している企業・団体献金全面禁止法案では、抜け穴のつけ入る余地がない理由は二つあります。

 第一に、政党、政治資金団体、企業、労働組合、その他の政治団体、全ての政治団体において企業や労働組合等の団体からの献金を受けることを禁止しています。政治団体を抜け道にして企業、団体が政党などに献金することはできません。抜け道になり得ません。

 第二に、企業や労働組合等による政治活動に関する寄附だけでなく、あらゆる寄附のあっせんも禁止をしています。よって、企業や労働組合等がその従業員や組合員等から寄附を集めて政治団体に提供することもできません。この点も抜け穴ではありません。

 その上で、指摘しておきたいのは、業界団体や労働組合などが政治団体をつくり構成員の強制加入や強制還付を行っているなら、思想、信条の自由の侵害であり、許されるものではありません。

 次に、政党の政治資金の在り方についてです。

 政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくることが基本でなければなりません。この三十年間、収入の七割から八割を政党助成金に依存し、政党助成金目当ての新党の設立と解散が繰り返されてきました。官営政党、税金丸抱え政党でいいのか、民主主義にとって果たしてよいことなのかとの指摘が自民党から述べられました。

 そうであるなら、政党助成制度の見直しを考えるべきではありませんか。日本共産党は、思想、信条の自由や政党支部の自由を侵す憲法違反の制度であるとして創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受取を拒否しています。民主主義を壊す極めて有害な税金の使い方は許されません。

 昨日、日本共産党は、企業・団体献金禁止法案と政党助成法廃止法案を参議院に提出しました。企業・団体献金は禁止して個人献金を中心とし、政党助成金を廃止することが金権腐敗政治の一掃となります。

 以上、発言を終わります。

栃木県内のPFAS汚染対策に関して、栃木県党が国に要請

 昨年11月以降、宇都宮市・下野市・真岡市で暫定指針値を超えるPFASが検出。

 検査や対策などへの財政措置や水質基準強化を求めた。

 宇都宮駐屯地で昨年11月に112ng/lという検査結果が出ていたのに公開してこなかったのは重大。

 汚染の実態解明を。