佐野市議選告示、つるみ義明・滝田よう子候補の応援に!

 18歳までの医療費無料化、50歳以上の帯状疱疹予防接種助成など豊かな実績。

 国保税引下げ、学校給食費の無償化を!

 トランプ関税に断固抗議、撤回を!

 政府は国民の暮らしと雇用、営業を守れ!

 大企業は内部留保を活用し、雇用と関連企業を支えよ!

 


11市議・補選が告示/栃木・佐野/滝田・つるみ氏

「しんぶん赤旗」4月7日・4面より

 10市議選と1市議補選が6日告示(13日投票)されました。

 栃木県佐野市(定数24、立候補28人)では、日本共産党の滝田よう子(70)、つるみ義明(72)=ともに現=の2氏が、現有2議席確保へ立候補しました。

 両候補は第一声で、▽学校給食費の無償化▽国保税の引き下げと子どもの均等割ゼロ▽加齢性難聴者の補聴器購入への助成―などを公約に掲げました。

 塩川鉄也衆院議員が応援に駆け付けました。

 

【内閣委員会】サイバー法案が可決/戦争呼び込む違憲立法/反対討論

 国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・「無害化」できる「能動的サイバー防御法案」が4日の衆院内閣委員会で一部修正され、自民、立民、維新、国民民主、公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党と、れいわ新選組は反対しました。

 私が反対討論に立ち、反対理由の第一に「『通信の秘密』を根本から覆す違憲立法だ」と主張。政府が送受信者の同意なく通信情報をコピーでき、基幹インフラ事業者や民間事業者と協定を結べばその利用者の情報を取得できると指摘しました。「自動選別」でIPアドレス(ネットワーク上の住所)など機械的情報のみを分析すると言うが「機械的情報」も「通信の秘密」だと強調。情報は外国政府にも提供可能で、事業者と協定を結めば警察や自衛隊などが自らの業務に使用することも可能だと批判しました。

 第二に「憲法と国際法が禁じる先制攻撃に踏み込む危険がある」と指摘。政府は「アクセス・無害化措置」の違法性を阻却(取り外すこと)できると言うが、それは国際社会の共通認識となっておらず相手国の同意がないまま、「疑い」だけで実行すれば「国際法違反の先制攻撃とされる危険は否定できない」と強調しました。

 安保法制に基づく「重要「影響事態」などの際、米軍が軍事行動を行う相手国に対し同措置を実施できるとしていることに対し、先制的に実施すれば「『参戦』と見なされる。憲法9条を踏みにじり、戦争の危険を呼び込むもので断じて容認できない」と批判。警察が令状なしに、犯罪処罰を超えて安全保障にかかわる域外実力行使が可能なことは令状主義の形骸化と警察権力の肥大化をもたらすと断じました。

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以下、反対討論の全文です。
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 私は、日本共産党を代表して、いわゆる「能動的サイバー防御」法案に、反対の討論を行います。

 第一の理由は、「通信の秘密」を根本から覆す違憲立法だからです。
本案は、サイバー攻撃の実態把握のためと言って、送受信者の同意なく、政府が通信情報をコピーできるとしています。さらに自治体を含む基幹インフラ事業者に加え、あらゆる民間事業者と協定を結び、その利用者の情報を吸い上げることを可能とします。国民の「通信の秘密」侵害法案に他なりません。

 自動選別によりIPアドレスなど機械的情報のみを分析するといいますが、機械的情報も「通信の秘密」の対象であることは政府も認めたではありませんか。

 また、収集した情報は、外国政府など第三者提供も可能です。そもそも個人情報の原則は、必要以上に収集しないこと、目的外利用や第三者提供は事前に本人同意を得ることです。政府がこれらをことごとく無視するのは極めて重大です。

 国民への監視強化の危険も深刻です。協定で得た情報は、目的外利用も可能でその範囲に制限はなく、警察や自衛隊などが自らの業務に使用することも政府は否定しませんでした。まさに公安警察が個人情報を収集・保有、提供したことについて違法と断じた大垣事件の判決をないがしろにするものであり、全く容認できません。

 第二に、自衛隊と警察が、憲法と国際法が禁じる先制攻撃に踏み込む危険があるからです。

 政府も認めるように、サイバー攻撃に関する世界の共通認識はいまだ形成途中です。そのような中、「アクセス・無害化措置」を海外の機器に対して行えば、相手国から主権侵害と受け取られる危険があります。政府は国際法上の緊急状態によって違法性を阻却できると言いますが、国際社会の共通認識とはなっていません。にもかかわらず、相手国の同意もなく、しかも「疑いがある」だけで、そのような措置にふみきれば、国際法違反の先制攻撃と評価される危険は否定できません。

 さらに政府は、自衛隊がいわゆるグレーゾーン事態や重要影響事態で、米軍が軍事行動を行う相手国のサーバーに措置できることを認めました。日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、先制的に無害化措置や通信防護措置にふみきることになれば、日本の側から参戦してきたとみなされかねません。憲法9条をふみにじり、日本に戦争の危険を呼び込むもので、断じて容認できません。

 また、警察が犯罪処罰を超えて安全保障に関わる域外の実力行使にふみこむことは、日本の警察のあり方を根底から覆すものです。こうした行為を裁判所の令状さえなく、第三者機関の承認などというまやかしで容認することは、令状主義の形骸化と警察権力の肥大化をもたらすもので全く認められません。

 なお、修正案は、法案の問題点を改めるものではなく賛成できません。

 以上、憲法と国際法をふみにじる本法案の廃案を求め、討論を終わります。


先制攻撃に道開く危険/能動的サイバー法案 衆院内閣委で可決/塩川氏が反対討論

「しんぶん赤旗」4月5日・1面より

 国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・「無害化」できる「能動的サイバー防御法案」が4日の衆院内閣委員会で一部修正され、自民、立民、維新、国民民主、公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党と、れいわ新選組は反対しました。(関連2面)

 日本共産党の塩川鉄也議員が反対討論に立ち、反対理由の第一に「『通信の秘密』を根本から覆す違憲立法だ」と主張。政府は送受信者の同意なく通信情報をコピーでき、基幹インフラ事業者や民間事業者と協定を結べばその利用者の情報を取得できると指摘しました。「自動選別」でIPアドレス(ネットワーク上の住所)など機械的情報のみを分析すると言うが「機械的情報」も「通信の秘密」だと強調。情報は外国政府にも提供可能で、事業者と協定を結べば警察や自衛隊などが自らの業務に使用することも可能だと批判しました。

 第二に「憲法と国際法が禁じる先制攻撃に踏み込む危険がある」と指摘。政府は「アクセス・無害化措置」の違法性を阻却(取り外すこと)できると言うが、それは国際社会の共通認識となっておらず相手国の同意がないまま、「疑い」だけで実行すれば「国際法違反の先制攻撃とされる危険は否定できない」と強調しました。

 安保法制に基づく「重要影響事態」などの際、米軍が軍事行動を行う相手国に対し同措置を実施できるとしていることに対し、先制的に実施すれば「『参戦』と見なされる。憲法9条を踏みにじり、戦争の危険を呼び込むもので断じて容認できない」と批判。警察が令状なしに、犯罪処罰を超えて安全保障にかかわる域外実力行使が可能なことは令状主義の形骸化と警察権力の肥大化をもたらすと強調しました。

 

【内閣委員会】サイバー法案/警察権乱用につながる

 私は、「能動的サイバー防御法案」に含まれる警察官職務執行法(警職法) 改定の問題点を追及しました。

 私は、疑わしいサーバーに侵入・監視しその機器を使用不能にする「アクセス・無害化措置」実施を警察に認め、政府機関などが使用する「重要電子計算機」だけでなく一般的な機器をも対象とし、警察権乱用につながるものだと告発。

 逢阪貴士警視庁サイバー警察局長は、「限定することは適当でない」とする有識者会議の提言に沿ったとして正当化しました。私は、政府が同措置を令状の必要な捜査行為ではないとしていることに対し、同措置により得られた情報を「捜査に用いないと法文で明確にせよ」と迫りました。

 私は、同措置は事前からの一定の準備の期間が必要な上、警察庁長官の指揮下で行われると指摘し、現場の警官が危害防止のための即時執行(即時強制)を行うという警職法の性質に「そもそもそぐわない」と強調しました。

 警職法に新たな条文が追加されるのは1948年の制定以来、初めて。私は、警察官の職務質問の権限を大幅に広げる改定が58年に狙われ「戦前の治安維持法の復活だ」との国民的な反対運動で阻止した歴史を紹介し、「戦前の反省のもと、警察権の乱用が起きないようとってきた令状主義が形骸化しかねない。歯止めはあるのか」と追及すると、平将明デジタル相は、第三者機関の承認などがあるため「乱用する恐れはない」と強弁。私は、第三者機関の中身がブラックボックスで、首相が任命する組織であり独立機関と言えないと反論し、同法案はサイバー攻撃対処を名目に、際限のない警察権拡大をするものだと批判しました。

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警察権乱用につながる/衆院内閣委/能動的サイバー法案/塩川氏が追及

「しんぶん赤旗」4月5日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は4日の衆院内閣委員会で、「能動的サイバー防御法案」に含まれる警察官職務執行法(警職法)改定の問題点を追及しました。

 塩川氏は、疑わしいサーバーに侵入・監視しその機器を使用不能にする「アクセス・無害化措置」実施を警察に認め、政府機関などが使用する「重要電子計算機」だけでなく一般的な機器をも対象としており、警察権乱用につながると告発。逢阪貴士警察庁サイバー警察局長は「限定することは必ずしも適当でない」とする有識者会議の提言に沿ったと正当化しました。政府が同措置を令状の必要な捜査行為ではないとしていることに対し、塩川氏は同措置により得た情報を「捜査に用いないと法文で明確にせよ」と迫りました。

 塩川氏は同措置について、事前から一定の準備期間が必要な上、警察庁長官等の指揮下で行われると指摘し、現場の警官が危害防止のための即時執行(即時強制)を行うという警職法の性質に「そもそもそぐわない」と強調しました。

 警職法に新たな条文が追加されるのは1948年の制定以来、初めて。塩川氏は、警察官の職務質問の権限を大幅に広げる改定が58年に狙われ「戦前の治安維持法の復活だ」との国民的な反対運動で阻止した歴史を紹介し、「令状主義が形骸化しかねない。歯止めはあるのか」と追及。平将明デジタル相は、第三者機関の承認などがあるため「乱用する恐れはない」と強弁しました。塩川氏は、第三者機関の中身がブラックボックスで、首相が任命する組織であり独立機関と言えないと反論。同法案はサイバー攻撃対処を名目に、際限のない警察権拡大をするものだと批判しました。

 

【しんぶん赤旗掲載】他国の主権侵害の危険/衆院委/サイバー法案巡り

「しんぶん赤旗」4月3日・2面より

 私は2日の衆院内閣委員会で、「能動的サイバー防御法案」が可能とする、警察・自衛隊が疑わしいと判断した海外のサーバーに侵入・監視し、その機器を使用不能にする「アクセス・無害化措置」が他国への干渉や主権侵害となる危険を告発しました。

 私は、政府は「国家はサイバー行動によって他国の主権を侵害してはならず、他国の国内管轄事項に干渉してはならない」としているのに「アクセス・無害化措置」はこの「干渉」にあたると批判。他国領域内での違法行為を止める責任はその国にあり、責任の履行を当事国に働きかけるべきだと強調しました。

 政府は「アクセス・無害化措置」を国外にあるサーバーなどに対して行う場合、「緊急状態」(緊急避難)等の国際法上の法理を援用するなどして国際法上許容される範囲で実施するとしていますが、海外でサイバー行動に対して緊急避難の援用が認められるとの見解を表明しているのはドイツ、オランダ、ノルウェーにとどまります。

 私は、緊急避難の援用は「国際社会の共通認識にはなっていない」と指摘。「通信の傍受や他国領域に存在する情報システムに対するサイバー行動そのものが主権侵害を構成し得る」(ブラジル)など他国の見解を示し「無害化措置の根拠に緊急避難を挙げても相手国から主権侵害を主張される恐れがある」と追及しました。

 「特段の問題があるとは考えていない」と開き直った岩屋毅外務相に対し私は、「援用」は乱用の危険が大きく「国際法システムを弱体化させる恐れがある」など専門家の指摘も示し、「国際法に基づく規範形成の努力に逆行する」と厳しく批判しました。

 

【新聞「新埼玉」掲載】塩川鉄也の 国会から 埼玉から/八潮の道路陥没事故/国が工事費

新聞「新埼玉」4月号より 

 この間、党国会議員団は、八潮市の下水道管破損に伴う道路陥没事故について、下水道事業の大規模化を自治体に押し付けてきた国の責任を追及してきました。中川流域の下水道処理施設は、全国に2200ある下水道事業の中で9番目に大規模。120万人の住民生活に深刻な影響を与えました。下水道には迂回(うかい)路もなく、硫化水素による施設の腐食の問題、地下で点検も困難といった他のインフラにはない特徴があります。国が責任をもって財政措置を行うべきだと要求してきました。

 政府は3月18日、予備費の支出を決定。八潮市の道路陥没事故に対して「緊急下水道管路改築事業」として、工事費用の半分である45億円を充てることとしました。また、30年以上経過した大口径管の全国調査を行い、調査結果を踏まえ緊急改築を行う予算措置もとることになりました。

 伊藤岳参議院議員の予算委員会での質問などが大きな力を発揮しました。改築だけでなく、修繕にも国費を充てることや被害者への補償など、さらなる改善の収り組みを要求していきます。

【政治改革に関する特別委員会】企業・団体献金禁止法案、自公国が否決のため採決強行を狙う、野党が反対し委員会開会せず

 企業・団体献金を存続させることで合意している自民、公明、国民民主の3党は、政治改革特委員会の理事会で、野党5会派共同提出の禁止法案を否決するため、採決を要求しました。

 これに対し、日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、れいわ新選組、衆院会派「有志の会」は、否決させないため採決に反対。今日は委員会を開かないことになりました。

 私は、理事会で、共産党が一貫して提出し続けてきた企業・団体献金の禁止法案が、立憲や維新からも法案提出され「大きな流れになってきている」と述べ、全面禁止の実現の向け、引き続き取り組むことを強調。

 国民民主と公明が禁止ではなく、受取政党支部や献金上限額を規制する案を提示している中「これまで議論してきた(野党5会派の禁止)法案について、採決して審議を打ち切っては、まともな議論はできない」と指摘しました。

 また、自民、公明、国民民主の3党派実務者協議を行い、再度、企業・団体献金は禁止しないことを確認。

 その上で、自民の要求を受け入れ、収支報告書をオンライン提出さえすれば企業・団体献金の受取支部となれることと、公開の範囲を拡大するものではない内容を、3党で合意。

 企業・団体献金の規制には全くならないものです。

 企業・団体献金の存続に固執する、自公国3党の姿勢があらわになっています。

NHK「日曜討論」/自民に「反省なし」/企業・団体献金禁止を

 私は、NHK「日曜討論」に出演し、企業・団体献金の禁止について各党と議論しました。

 年度内に結論を得るとしている企業・団体献金禁止法案を巡って自民、公明、国民の各党が「禁止せず」と主張する一方、私は「国民の参政権を侵害し、賄賂政治の大本である企業・団体献金の全面禁止を実現するため、徹底審議が必要だ」と迫りました。

 自民党の小泉進次郎議員は「企業・団体献金を禁止するのは自民党の弱体化を狙った作戦だ。次は野党の資金源を断とうとなるので、そうならないよう(禁止より)公開をすべきだ」などと述べました。

 私は「今国会の最大の課題は、自民党の裏金問題に端を発した企業・団体献金の禁止だ。裏金の原資は企業・団体からのパーティー収入であり、形を変えた企業・団体献金。禁止が一番の課題なのに、『自民党の弱体化を狙う』との言い方には反省そのものがない」と批判。企業・団体献金の禁止をやり抜くために期限を区切らず徹底審議を行うべきだと主張しました。

 小泉議員は「期限を設けないのは論外だ。政治とカネの問題をずるずると議論するのを誰も求めていない」と無責任ぶりを示しました。

 公明党と国民民主党は、禁止ではなく献金上限額の規制や受取支部の規制などを主張しています。

 私は「公明・国民案も企業・団体献金を容認するもので受け入れられない」と強調。

 自民党と企業との癒着が繰り返され、国会では企業・団体献金を制限する法改正を重ねてきたが、自民党は抜け道を作り金権政治はなくならなかった。今必要なのは、部分的制限ではなく、全面禁止だと主張。経団連が自民党に長年献金し、消費税増税や法人税減税、社会保障の抑制などの要求を実現させたことに触れ「そういう政治を改めるには禁止一択しかない」と訴えました。

 第三者機関の設置については、政治資金をチェックするのは第3者ではなく国民だとして、河井夫妻の大規模買収事件もチェックできなかった現行制度に屋上屋を架すもので「お墨付きを与えるだけの隠れみのでしかない」と批判しました。

 さらに、私は、被選挙権年齢について「若い人が立候補し、政治に参画できるようにするために被選挙権年齢の18歳への引き下げを実現すべきだ」と主張しました。

 これに対し、小泉進議員は「賛成だ。自民党でも引き下げに向けて議論が始まったので、各党、前向きにできるのではないか」と応じました。立憲民主党の落合貴之議員も同意しました。

 また、私は、現行の公職選挙法が、戸別訪問禁止や高額な供託金など選挙活動に多くの制限を課す“べからず法”となっており、「選挙運動の自由をさらに拡大するよう抜本的に見直すべきだ」と強調しました。


賄賂政治の根絶こそ/NHK討論で塩川氏/企業・団体献金禁止を

「しんぶん赤旗」3月31日・1面より

 日本共産党の塩川鉄也国対委員長は30日、NHK「日曜討論」に出演し、企業・団体献金の禁止について各党と議論しました。年度内に結論を得るとしている企業・団体献金禁止法案を巡って自民、公明、国民の各党が「禁止せず」と主張する一方、塩川氏は「国民の参政権を侵害し、賄賂政治の大本である企業・団体献金の全面禁止を実現するため、徹底審議が必要だ」と迫りました。(関連2面)

 自民党の小泉進次郎衆院議員は「企業・団体献金を禁止するのは自民党の弱体化を狙った作戦だ。次は野党の資金源を断とうとなるので、そうならないよう(禁止より)公開をすべきだ」などと述べました。

 塩川氏は「今国会の最大の課題は、自民党の裏金問題に端を発した企業・団体献金の禁止だ。裏金の原資は、企業・団体からのパーティー収入であり、形を変えた企業・団体献金。禁止が一番の課題なのに、『自民党の弱体化を狙う』との言い方には反省そのものがない」と批判。企業・団体献金の禁止をやり抜くために期限を区切らず徹底審議を行うべきだと主張しました。小泉氏は「期限を設けないのは論外だ。政治とカネの問題をずるずると議論するのを誰も求めていない」と無責任ぶりを示しました。

 公明党と国民民主党は禁止ではなく献金上限額の規制や受取支部の規制などを主張しています。塩川氏は「公明・国民案も企業・団体献金を容認するもので受け入れられない」と強調。自民党と企業との癒着が繰り返され、国会では企業・団体献金を制限する法改正を重ねてきたが、自民党は抜け道をつくり金権政治はなくならなかった。今必要なのは、部分的制限ではなく、全面禁止だと主張。経団連が自民党に長年献金し、消費税増税や法人税減税、社会保障の抑制などの要求を実現させたことに触れ「そういう政治を改めるには禁止一択しかない」と訴えました。

 第三者機関の設置について、政治資金をチェックするのは第三者ではなく国民だとして、河井夫妻の大規模買収事件もチェックできなかった現行制度に屋上屋を架すもので「お墨付きを与えるだけの隠れみのでしかない」と批判しました。


被選挙権年齢を18歳に/自民・小泉氏も「賛成」/NHK日曜討論

「しんぶん赤旗」3月31日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員は30日のNHK「日曜討論」で、被選挙権年齢について「若い人が立候補し、政治に参画できるようにするために被選挙権年齢の18歳への引き下げを実現すべきだ」と主張しました。これに対し、自民党の小泉進次郎議員は「賛成だ。自民党でも引き下げに向けて議論が始まったので、各党、前向きにできるのではないか」と応じました。立憲民主党の落合貴之議員も同意しました。

 また塩川氏は、現行の公職選挙法が、戸別訪問禁止や高額な供託金など選挙活動に多くの制限を課す“べからず法”となっており、「選挙運動の自由をさらに拡大するよう抜本的に見直すべきだ」と強調しました。


企業献金禁止 商品券配布と関係ない/自民・小泉氏/金権体質に無反省

「しんぶん赤旗」3月31日・2面より

 自民党の小泉進次郎議員は30日のNHK「日曜討論」で、石破茂首相による商品券配布問題が企業・団体献金をめぐる議論に波及していることについて、「企業・団体献金禁止とは関係ない問題で、(衆院政治改革特別)委員会に悪影響を及ぼしかねないことになっているのは残念だ」と述べ、国民から批判を受けている自民党の金権体質に無反省の姿勢を示しました。

 また「時間が限られているのに商品券問題で委員会の議論が使われているのは早くたださなければいけない」と言及。企業・団体献金の議論を口実に、商品券配布問題の幕引きを早期にはかる考えです。

 各党議員から批判が相次いだのに対し、小泉氏は「政党のガバナンス(統治・運営)を規定する政党法の議論をすべきだ」と発言。企業・団体献金禁止から別の議論にすり替える考えを示しました。

【政治改革に関する特別委員会・自由討議】自民党を助ける国民民主党を批判

 企業・団体献金をめぐる与野党の法案を審議している政治改革特別委員会で、自由討議が行われ、私は、企業・団体献金禁止の立場に立たない国民民主党の姿勢を批判しました。

 日本共産党をはじめ、ほとんどの野党が、企業・団体献金の禁止で一致しています。

 一方、国民民主党は、公明党とともに、禁止ではなく献金上限額の規制や受取政党支部の制限を主張。野党提出の法案が、企業・団体献金禁止に抜け道があるかのように述べ、企業・団体献金に固執する自民党を助けています。

 私は、1990年代当時から「抜け道」と指摘されていた企業・団体による「政党支部への献金」「政治資金パーティー券購入」という2つの抜け道を塞ぐことこそ求められていると強調。

 国民民主党が、「政治団体」を通じた企業・団体献金の抜け道があると主張していることに対し、そもそも現行法においても、迂回献金や寄附者を偽る虚偽記載は違法。共産党の参院提出法案は、すべての政治団体に対し企業・団体献金の受け取りを禁じ、企業・団体による寄附のあっせんも禁止しており、抜け道となり得ないと強調しました。

 また、国民民主党はガバナンス規程を設ける政党法制定を提案しています。

 私は、「政党の組織・運営とは政党の在り方そのものであり、それを届け出て許可を受けるとなれば、結社の自由からして重大な問題だ」と指摘。

 「あたかも野党の法案に穴があるようなことを言って、企業・団体献金を温存することがあってはならない」と主張しました。

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国民民主 自民に助け舟/企業・団体献金禁止法案/塩川氏が批判/衆院政治改革特委

「しんぶん赤旗」3月30日・2面より

 企業・団体献金を巡る与野党の法案を審議している衆院政治改革特別委員会で28日、日本共産党の塩川鉄也議員は、企業・団体献金禁止の立場に立たない国民民主党を批判しました。

 日本共産党をはじめとするほとんどの野党は、企業・団体献金の禁止で一致しています。一方、国民民主は、公明党とともに禁止ではなく献金上限額の規制や、受け取り支部の制限を主張。野党提出の法案が企業・団体献金禁止に抜け道があるかのように描き、企業・団体献金に固執する自民党を助けています。

 塩川氏は、1990年代当時から「抜け道」と指摘されていた「政党支部への献金」「パーティー券購入」という二つの道をふさぐことこそ求められていると主張しました。国民民主が「政治団体」を通じた企業・団体献金の抜け道があると主張していることに対し、そもそも現行法においても迂回(うかい)献金や寄付者を偽る虚偽記載は違法だと指摘。共産党の参院提出法案は、全ての政治団体に対し企業・団体献金の受け取りを禁じ、企業・団体による寄付のあっせんも禁止しており、抜け道となり得ないと強調しました。

 また国民民主は、ガバナンス規定を設ける政党法制定を提案しています。塩川氏は「政党の組織・運営とは政党のあり方そのものであり、それを届け出て許可を受けるとなれば、結社の自由からして重大な問題だ」と指摘。「あたかも野党の法案に穴があるようなことを言って、企業・団体献金を温存することがあってはならない」と強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月28日(金曜日)政治改革に関する特別委員会 第12号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 この間、参考人質疑でも、企業・団体献金の禁止につきまして、政党支部への献金、パーティー券購入の二つの抜け道についての歴史的な経緯の話も出されたところであります。政党支部への献金、パーティー券購入の二つの抜け道を塞ぐことこそ政治改革に求められているときであります。

 参考人質疑で成田参考人は、政党支部を通じた政治家個人への企業・団体献金へという抜け道について、細川内閣で実際に整理した法律ですが、考え出したのは自民党で、その前に自民党法案が出たときにそういう仕組みを導入しまして、それで細川内閣でもその仕組みを受け継いだ、こういうことです、自民党側の事情は要するに政党助成なり献金を受けるのが本部だけだと地方議員が困るというんですね、それで地方議員の資金を手当てするためにどうしても政党支部が必要になるという考え方でした、当時から政党支部がいろいろ使われるということは当然予見されておりましたという話でありました。

 谷口参考人は政党支部について九三年当時の山花大臣の答弁を引用されて、山花大臣が今ある県本部とか支部、総支部の数よりは少なくなることが常識的な流れと答弁した際に、我が党の東中議員が、都道府県や市町村単位でつくることができる、二つ以上の市町村単位や都道府県単位でもつくることができるから無数につくることができると批判をしたわけであります。谷口参考人に当時から数千の政党支部をつくり抜け道ができることは明らかだったのではないかと尋ねたところ、御指摘のとおりかと存じますと述べておられました。

 また、パーティー券購入という抜け道についても成田参考人は、当時から当然そういう懸念はございました、正直申し上げて一遍に全ての蛇口を止めるわけにはいかないということでパーティーは許されたわけですが、その後当然そういうものは整理されていくべきだというふうに考えられていた、少なくとも連立政権ではそういうふうに考えていたということでございますと述べておられました。

 一九九〇年代の政治改革におきまして、先日私も質疑しましたけれども、政治家個人についての企業・団体献金、金の流れが疑念を招くので政党中心にするんだというのが改革の趣旨だということだったんですが、実際には政治家個人への企業・団体献金を禁止しながら政党支部とパーティー券購入という二つの抜け道ができたということであります。政党中心というのが政治改革の趣旨であれば、少なくともこの二つの抜け道を塞ぐ必要があるのではないのか。この点について自民党提出者にまず伺います。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 まず一点目、政党支部についてでございます。

 政党の支部は、政党組織の一部でございます。本部と一体となって政党の政治活動を行っております。我が党は、党所属の国会議員、都道府県議会議員、市区町村議員を含めると五千名近い議員を有しております。地域をそれぞれくまなく活動し、民意を酌んで政策に反映させ、党勢を拡大していくために、選挙区ごと、地域ごと、職域ごとに支部をきめ細かく組織しています。

 我が党は、国民政党であるがゆえに、支部においても地域に根差した政党活動を幅広く行うために、その活動に必要な資金について、法律で定められた量的、質的制限の範囲内で資金の拠出を受けているところでございます。いわば抜け穴という指摘は当たらないというふうに思います。政党のそれぞれの支部についてもそれぞれに、地域ごとに、政党ごとに異なっています。そうした地方の御意見も十分に踏まえる必要もあると思います。

 次に、企業、団体によるパーティー券購入についてでございます。

 これまでも、政治資金パーティーにつきましては、対価の支払いの上限の設定や、大口購入者の氏名公開を含めた収支公開の仕組みが設けられてきたところでございます。さらに、昨年の政治資金規正法の第一弾の改正において、収支報告書における政治資金パーティーの対価の支払いをした者の氏名等の公開基準額を二十万円超から五万円超に引き下げる措置が講じられたところでございます。

 政治資金パーティーについても、日頃の政治活動の報告、あるいは政策に対する考え方などを聞いていただく、そうした支援していただく方の交流の場としての役割もございます。何より、政治資金パーティーの開催収入は、政党機関紙などの発行収入と同じく事業収入として適切に行われているものと承知をしています。したがいまして、委員御指摘のような、企業・団体献金の抜け道、抜け穴といった評価は当たらないものと考えております。

○塩川委員 パーティーの収入につきましては、その八割、大きな金額が企業、団体による購入というのが明らかになっているところです。元々派閥において個別に献金を受けていたものができなくなった、そういう中でパーティーにという形での移行をしてきた、その流れが裏金問題になっているわけですから。そもそも、政治家個人への金の流れの二つの抜け道という流れの中でこういった裏金問題にもつながっているという、その反省を踏まえても、この穴を塞ぐことこそ必要なのに、その姿勢がないというのが自民党だということであります。政党支部についても同様のことが言えるわけであります。

 立憲民主党と日本維新の会にお聞きします。今回出されている法案におきまして、この二つの抜け道、抜け穴についてはしっかりと塞ぐことができるのか。この点についてお答えください。

○井坂議員 ありがとうございます。

 我々の野党共同案は、政党支部への企業・団体献金を禁止し、企業、団体によるパーティー券購入も禁止しておりますので、御指摘の二つの穴は塞がる案になっております。そのために法案を提出しておりますし、この委員会でその二つの穴を塞ぐ結論を出してまいりたい、そのように考えております。

○池下議員 御質問ありがとうございます。

 今の御答弁と同じでございますけれども、野党共同案では政党支部を含めた政党への企業・団体献金を禁止いたしまして、企業、団体によるパーティー券購入も禁止しているため、委員御指摘の二つの穴は塞がるものと考えております。しっかりと野党の皆さんとともにこの問題を解決していきたいと考えております。

○塩川委員 今、国民さん、公明さんから素案という形で出されているものを拝見しますと、企業・団体献金の全面禁止ではなく上限規制を行う、そういう中身を含むというものであります。

 改めて、全面禁止する、そういう法案を出してきた趣旨、理由、それは何なのかについて立憲民主党、日本維新の会からお聞きしたいと思います。

○井坂議員 企業・団体献金、一九九四年でまず個人に対するものは禁止された、二〇〇〇年には政治家の資金管理団体に対するものも禁止された。しかし、委員御指摘のように、結局は政党支部経由の献金がまかり通っており、献金の抜け道として政治資金パーティーが引き続き行われてきた、そしてまた、今回、自民党派閥によるパーティー収入の裏金問題で、今、日本の政治に対する信頼が地に落ちているわけであります。

 企業・団体献金の全面禁止は、一九九四年以来、三十年近くの懸案となっており、国民の政治に対する信頼を回復するためにも、今こそ、資金力に物を言わせて政策決定をゆがめる企業・団体献金を禁止して個人献金中心に移行していくべきであると考えております。

○池下議員 御質問にお答えいたします。

 私たちの共通する責務は、三十年前に、リクルート事件など、企業・団体献金が政治や政策をゆがめ収賄事件にまで発展した実態を踏まえまして細川当時の総理と河野洋平自民党総裁を始めとした諸先輩議員が懸命に取り組んだ、平成の政治改革に決着をつけることだと思っております。その中核にありますのはそのときに激変緩和として放置された抜け穴、すなわち会社、労働組合、職員団体その他の団体から政党と政治資金団体への寄附を完全に廃止することであります。

 平成六年に開始されました政党助成金制度も、政党助成金を導入する代わりに企業・団体献金を廃止するはずだったが、結果としてこの抜け穴のせいで企業・団体献金は存続いたしまして、政党助成金との二重取りとなりました。

 今こそいわゆる裏金事件に端を発する国民の政治不信を払拭し、真に国民の求める政治改革を実現するために、企業・団体献金は禁止する立法措置を講じなければならないと考えております。

○塩川委員 前回取り上げましたように、企業・団体献金を規制する立法措置を積み重ねてきたのがこの国会での議論であります。それを無視するように、いまだに企業献金に固執しているのが自民党の皆さんであります。そもそも、自民党の派閥パーティーを通じた裏金事件にとどまらず、リクルート事件やロッキード事件、黒い霧事件などなど、一連の法改正のきっかけは自民党の不祥事であるわけであります。

 今こそ企業・団体献金の全面禁止に踏み出すときだということを申し上げて、質問を終わります。


塩川委員 企業・団体献金の禁止は、立憲民主党、日本維新の会、れいわ新選組、有志の会など、ほとんどの野党が一致をしているところであります。

 国民民主党さんは意見表明で、形式的には個人献金の形を取りながら、その内実は企業・団体献金である可能性を一切排除することは現実的に考えて不可能という意見を述べられました。ただ、そもそも現行法においても、迂回献金や、寄附者を偽って収支報告書に記載することは虚偽記載であり、違法行為です。

 我が党が参議院で提出している法案におきましては、このようなものについての抜け道にならないという点で、一つは、政党や政治資金団体、企業、労働組合その他の政治団体、全ての政治団体において企業、労働組合等の団体からの献金を受けることを禁止しております。第二に、企業や労働組合等による政治活動に関する寄附だけでなく、あらゆる寄附のあっせんも禁止をしております。よって、企業や労働組合等が、その従業員や組合員等から寄附を集めて政治団体に提供することはできないということです。その上で、業界団体や労働組合などが政治団体をつくり、構成員の強制加入や強制カンパを行っているなら思想、信条の自由の侵害であり、許されるものではありません。

 もう一つ、政党法に関連してですけれども、国民、公明の素案に、企業・団体献金は政党の組織、管理運営等に関する法制度に服さない政党に対するものを禁止する方向で検討とあります。政党法制定の考えと受け止めました。国民民主党さんは、政党のガバナンスを規定する政党法の制定を提案しておられます。

 その上で、例えば現行政党助成法や政党法人格付与法で、政党の名称、目的、主たる事務所の所在地、代表者の氏名、直近選挙の得票数、綱領、党則、所属議員の宣誓書などを中央選管に届け出、確認を受けております。これ以上何を届け出させるのかということがあります。外部監査といいますけれども、現行の政治資金監査制度が収支報告の適正の確保に全く意味を成さないものであるというのは、この間、当委員会でも私が指摘をしてきたところであります。監査人のチェックを受けたというお墨つきを得ようとするものにほかならない監査制度は必要ないと考えております。

 政党の組織や運営というのは政党の在り方そのものであります。それを届け出る、許可を受けるとなれば、結社の自由からして重大な問題であります。政党の政治活動の自由をないがしろにし、国家による政党に対する内部問題への介入、関与そのものと言わなければなりません。収支報告書は速やかにそのまま国民に公開することこそ徹底すべきであり、国民の監視を保障する仕組みこそ必要だということを申し上げたい。あたかも野党の法案に穴があるようなことで企業・団体献金を温存しようとするようなことがあっては決してならないということを申し上げておきます。

 その上で、国民民主党さんと公明党さんに、今の素案に基づいて自民党との間で実務者協議を始めたということで承知しております。実務者協議というのはどのようなことを行っていくことを考えているのか。当然協議を行っていくということであれば三月三十一日に期限を限る必要はないのではないのか、そういう立場に立っておられるのではないのかと思いますが、その点についてお聞かせください。

古川(元)委員 そもそも、政党法についてのところだけ、ちゃんとこれは正させていただきたいと思いますけれども、我々は結社の自由は大事だと思っています。ただ、巨額の政党交付金を受け取っている、やはりこれは公金ですから、その団体はそれなりのガバナンス規制に服すべきだと思うんですね。例えば私大とか何かで私学助成を受けているところは当然ガバナンス規制があって、例えば日大などはいろいろな不祥事が続いてガバナンスが機能不全だということで私学助成が止められた、そういう事実がありました。

 ですから、私たちは、自民党のいろいろな派閥の問題なんかは、私は元々は党としてのガバナンスが利いていないからこういう問題が起きたんだと思っています。ですから、やはりそういうところをしっかり、ガバナンス規制をちゃんと、政党交付金を受け取る以上はそこのガバナンスに服して、ガバナンス違反があれば政党交付金を止めたり減額できたりする、そういう形を取るべきだということは前から申し上げている。それだけ厳しいガバナンスを受けたところに限っては企業・団体献金は認めるけれども、それ以外は認めない。共産党さんは政党交付金を受け取っていないんですから別に政党法の規制を受けるところは、公金を受け取っていないところについては我々は何ら規制を設けるつもりはありませんので、そこのところは誤解しないでいただきたいと思います。

 実務者協議というのは、これはあくまで意見交換をしただけで、どこかほかの党ともやっていって、本来は我々は幅広く与野党が集まったところでやはり協議をして行き着くべきだと。そのときに我々の案をたたき台として使っていただきたいということで提案しているということです。

【内閣委員会】能動的サイバー防御法案/参考人質疑/「国際法の原則に反する」

 国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・無害化できる「能動的サイバー防御法案」について参考人質疑を行い、私が質間に立ちました。

 冒頭の意見陳述で防衛大学校の黒崎将広教授は、「アクセス・無害化措置」が、「武力の行使」に当たるのかについて、「国際法上、武力の行使について普遍的に合意された定義はない。日本の行為を武力の行使であると批判する国が出てくることは理論的には否定できない」と述べました。

 私は、国家による警察権は、自国の領域内でのみ行使できるのが国際法の原則だと指摘。同法案では警察が海外にあるサーバーに侵入するため、領域外で讐察権を用いることになり、国際法の原則に反するのではないかと質間しました。「中曽根康弘世界平和研究所」の大沢淳主任研究員は「領域外で警察権を用いた行動が想定される」と認め、「国際法上、正当だと理由づける必要がある」と述べました。

 私は、フランスは自国のネットワークに影響をもたらす外国のサイバー行動は「主権侵害」になるとの立場を示していると指摘。日本政府が「主権侵害」とみなされた場合、国際法の「緊急避難」を適用すれば違法性を否定できると主張していることについて見解をただしました。黒崎氏は、緊急避難は先例や判例があまり確立していないと述べました。

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「武力行使」否定できず/能動的サイバー防御/塩川氏に参考人/衆院内閣委

「しんぶん赤旗」3月30日・2面より

 衆院内閣委員会は28日、国民の通信情報を常時収集・監視し、政府の判断で警察・自衛隊がサーバーに侵入・「無害化」=破壊できる「能動的サイバー防御法案」の参考人質疑を行い、日本共産党から塩川鉄也議員が質問に立ちました。

 意見陳述で防衛大学校の黒崎将広教授は「アクセス・無害化措置」が「武力行使」に当たるのかについて、「国際法上、武力の行使について普遍的に合意された定義はない。日本の行為を武力の行使だと批判する国が出てくることは理論的には否定できない」と述べました。

 塩川氏は、国家の警察権は、自国の領域内でのみ行使できるのが国際法の原則だと指摘。同法案では警察が海外のサーバーに侵入するため、領域外で警察権を用いることになり、国際法の原則に反するのではないかと質問しました。「中曽根康弘世界平和研究所」の大沢淳主任研究員は「領域外で警察権を用いた行動が想定される」と認め、「国際法上、正当だと理由づける必要がある」と述べました。

 塩川氏は、フランスは自国のネットワークに影響をもたらす外国のサイバー行動は「主権侵害」だとの立場だと指摘。日本政府は、自らの行為が「主権侵害」とみなされた場合、国際法の「緊急避難」を適用すれば違法性を否定できると主張していることへの見解をただしました。黒崎教授は、緊急避難は先例や判例があまり確立していないと述べました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月28日(金曜日)内閣委員会 第9号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。

 最初に、吉岡参考人にお尋ねをいたします。

 サイバーセキュリティーに関する研究開発に従事をしてこられたということで、吉岡さんのメディア等での発言等々を拝見をした中に、攻撃者は得られるメリットの大きさだけでターゲットを決めるわけではない、攻撃にかかるコストが低ければ小さな組織も魅力的なターゲットとなり得ると述べておられました。

 中小企業など小さな組織においてセキュリティー対策を強めるとすれば、国としてどのような取組が求められるのか、この点について教えていただけないでしょうか。

○吉岡参考人 お答えさせていただきます。

 今御指摘ありましたように、重要なシステムですとか、大企業ですとか国だけが攻撃対象になっているかというと、そうではないということが、いろいろな研究で、そのように認識しております。

 中小企業となりますと、やはり一番足りないところは、人的又は技術的な意味でもリソースが足りていないということです。やらなければいけないことは分かっていながらも、何から取り組んでいいのかということが十分に認識できていないですとか、危機感がまだ十分にないというところが、一つ大きいところかと思います。

 ですので、既に国の方でも、最低限中小企業で行うべき対策のチェックリストですとか、そういったものを用意いただいていると思います。さらに、それをうまく活用して、リストは準備しても、それが浸透していない、普及していなければその効果は求められませんので、そういった現状のサイバー攻撃の状況というのをしっかりと認知していただくような活動というのも重要になってくるかと思っております。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、黒崎参考人にお尋ねいたします。

 サイバー分野の国際法は発展途上というお話がございました。フランスは、自国のネットワークに影響をもたらす全ての外国のサイバー行動は主権侵害になり得ることを示唆する立場ということを伺っております。

 そのような国がある下で、法案におけるアクセス・無害化措置がサイバー攻撃と判断される、そういう危惧についてはどのようにお考えでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 確かに、現時点では、フランスにつきましては、ネットワークに対して影響を及ぼすものについては主権侵害の可能性があるというような見解を示しているというふうに私も認識しております。

 問題は、ネットワークへの影響とは何なのかというようなところはやはり国際法学者としては気になるところでございます。これを、低い烈度というか、敷居が非常に低いと見るか、あるいは、実は言っていることはほかの国と、例えば物理的な被害とか機能喪失とかといったことと変わらないかもしれない。ただ、だから、そこら辺は、その国の安全保障に対する考え方というものがやはり背景にあって、ある意味、戦術的にと申しますか、というような形で表現をして、他国の出方を見たりして、どういう形で見解が収れんしていくのかという段階に今あるんだと思います。

 例えば、フランスとは反対に、イギリスとかいうものについては、内政干渉にならないのだったら主権侵害にもならないという、つまり内政干渉の方が重要なんだみたいな形で、主権よりもそっちの方が重要だというような考え方の国もあるんですが、それも本当に違うのか、ほかの国が言っていることと、とか。

 というような形で、だから、こういうふうに、一見違うようなことに見えるけれども本当に違うのかというところを今見極めなきゃいけない状態というところで、私自身が、発展途上の、一つの状況把握としては考えております。

 以上です。

○塩川委員 関連して、緊急避難についてですけれども、国際法学者は適用できるケースを非常に限定して考えており、これを理由にすれば対抗措置以上に論争を呼ぶ可能性がある、日本政府は緊急避難を援用することも国際法上認められると考えると主張しているが、同様の主張をしている国はまだ多くはないと述べておられます。

 そういった点での危惧を覚えるところなんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 まず、国際法上、一般論といたしまして、違法性阻却事由というものについては、緊急避難よりも、緊急状態と政府は言っていると思いますが、緊急状態よりも対抗措置の方がより確立した、つまり、先例とか判例もしっかりしているということで、よりそちらの方が支持が得られる違法性阻却事由として、教科書でもそのような形で書かれていると思います。

 そういう意味では、緊急避難というものは、国際法をやっている人間は余りそこまでしっかり勉強しなかったというぐらい、余り注目されてこなかったというものであると思います。そういうものを反映して、緊急避難というものについて、サイバーの文脈で援用する国々がやはりいないということも影響しているんだと思いますが。

 ただ、しかしながら、やはり対抗措置というものをサイバーの文脈で援用するということは極めて難しいという問題点もございます。それはやはり、対抗措置を援用するためには、相手の国が先に違法行為をしていなきゃならない。つまり、それは、国家がやったというところまで持っていかなきゃいけないという、いわゆるアトリビューション、帰属という問題が出てきます。これがサイバーの実態に非常にそぐわない。

 という中で、でも、しかしながら、市來先生がおっしゃったような違法性阻却事由の懸念という、対策も考えなきゃいけないと私は申し上げましたが、第二段階ということで、サイバーに一番その特性に見合った国際法の違法性阻却事由とは何かというようなことを考えると、これは、確かに濫用の危険性というのはこれまで主張されてきたものではありますけれども、ただ、国家の安全保障上の、ここで言う国家責任条文での緊急避難というようなところでございますが、重大かつ差し迫った危険から根本的利益を守るために、つまり、相手の先行違法行為が国によって行われているというようなことを、考えなくても言える、それはそれでまた濫用のリスクがあるじゃないかというふうに思われるかもしれないんですが、ただ、しかしながら、サイバー攻撃の実態を鑑みると、一番これが適切であるというような国が必ずしも今の現状では少なくても、一番サイバーの実態に合った違法性阻却事由として主張しているというのも事実でございます。

 そういうような判断がこれから恐らく日本を中心に、私の模範事例というような話にも合うと思うんですが、事情を、特性を考えて、違法性阻却事由というものが、対抗措置と緊急避難、どっちが本当にいいのかというようなことを考えていかなきゃいけない、そういうふうに考えております。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 もう一問、黒崎参考人にお尋ねしますが、今回の法案は日本の安全保障における転換点となり得る、第一に、警察が安全保障に関わるようになること、第二は、外国からの不正なサイバー攻撃に対して犯罪処罰とは別の目的で域外実力行使を警察がし得ること、警察は従来、刑事犯罪への対処と国内の脅威を対象とする治安、公共秩序の維持を主たる任務としていたが、その垣根を越えると述べておられました。

 今回の法案は、このような、警察の活動に質的な大きな変化をもたらすものということなんでしょうか。

○黒崎参考人 お答えいたします。

 まず、国際法上に限って、国内法であれば行政警察権とか、また警察か自衛隊であるかというのは重要な要素になると思いますが、国際法上は、先ほどお答えさせていただきましたように、国が何をするか、警察機関がやるか自衛隊がやるかとか、そういうようなことで、それ自体で決まるというわけではございません。

 その国がどういう目的で行動を行うのか、国際関係において、ということですので、その意味では、日本の警察組織がこれまで関わらなかったことをやるようになったことは画期的だというふうに申し上げましたが、国際法からしますと、いろいろな、警察であっても安全保障に関わる任務を行うということは国家機関としてありますし、また、国際法上の軍隊にいたしましても、そのような警察活動、公共秩序維持というようなことでございますが、日本でいうと行政警察ということになると思いますが、そういうようなことをするというようなことであります。

 ただ、国際法上では、警察か軍事行動であるかというようなことがきっちりとそれ自体で分けられているということではございませんので、その意味では、特にそれ自体で画期的だというふうな、国際法上の評価からすると言えるのではないかと思いますが、ただ、日本のいろいろな背景からすると、警察というものが実際そういう任務を、これまで、海上保安庁はまた別だと思うんですが、警察庁が域外の任務を与えられるということは非常に重要である、画期的であるというような認識は変わらないと思います。

 以上です。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、大澤参考人にお尋ねいたします。

 冒頭の意見陳述の中で、警察権の関係のお話がございました。今回、アクセス・無害化措置を我が国の領域外で警察権を用いて実施することは、国内法を外国の領域で行使する執行管轄権の行使に当たるため、国家管轄権である執行管轄権は原則としてそれぞれの自国領域内に限り認められるという国際法の属地主義の原則に反する可能性が生じるということですけれども、こういった点についてはどのように対応することなのか、その点についてお聞かせください。

○大澤参考人 お答え申し上げます。

 諸外国ですと、こういった領域外の措置は自衛権の行使で行っております。ところが、我が国では自衛権の行使は非常にハードルが高い、平時にはなかなか実施をできないということで、平時から、いきなり有事になると自衛権の行使になる。ただ、諸外国においてはシームレスに斜めに上がっていきますので、そういった点で、今回の法案では警察権を用いて領域外での行動が想定をされているということになります。

 ただ、そうしますと、諸外国でやっている自衛権の行使と明らかに条件が異なりますので、そういった国内の法執行を外で行うということに関して、冒頭でも述べましたように、国際法上正当である、違法性が阻却できるということをきちっと理由づけた上で活動する必要が出てまいります。

 そういった点では、先ほど来議論をいただいております緊急避難ないしは対抗措置、こういったもので理屈づけをして域外での法執行を行う、こういったことが必要になるというふうに考えております。

○塩川委員 ありがとうございます。

 次に、高見澤参考人にお尋ねいたします。

 意見陳述の中で、警察と自衛権の共同の措置が重要ということを述べておられました。その意味するところはどういうものなのかについて、高見澤参考人にお尋ねいたします。

○高見澤参考人 私が共同措置が非常に意味があると申し上げていますのは、やはり現在の日本の憲法体系なりの下でいろいろなことを考えてできた今回の法案における一つの特徴は、警察と自衛隊が共に共同して、いろいろな情報を共有しながらシームレスに対応しようということがうたわれておりますので、その意味で、警察が全体的に、前面に立ってやるということではなくて、少なくとも国外からの、その要件に該当するようなものについては、警察と自衛隊が協力してやるんだということがはっきり出ているという意味において、それなりに、自衛隊の権限の行使ということあるいは警察の関係ということを政府全体としてやる体制がそこにできているのではないか。だから、実際の行動に対しても比較的スムーズに迅速な対応が期待できるのではないか。さらには、いろいろな形で、共同の施設なり、あるいは近い施設で警察と自衛隊が協力してやるというふうなことはそれなりに意味があるのではないか。つまり、今回の法案の一つの悩みというか、その部分がうまく反映されているのではないかなというふうに理解しているところでございます。

○塩川委員 ありがとうございます。

 最後に、高見澤参考人と大澤参考人にお尋ねいたします。

 自衛隊が通信防護措置を行う場合の要件の一つに、自衛隊が対処する特別の必要があるときというのが挙げられております。自衛隊が有する特別な技術又は情報が必要不可欠であるなどとしておりますが、この自衛隊が有する特別な技術、情報というのはどのようなものなのかについて教えていただけないでしょうか。

○高見澤参考人 私は、少なくとも外国の高度な組織的なものに対するサイバー防衛ということを考えた場合に、自衛隊は、日本有事の場合にどういうふうな形をするかということで、各国との情報交換もやっておりますので、その意味で、そういった技術なりというのは持っているわけですし、また、総合的な情報ということについても警察とはまた違ったものがあるかというふうに思いますので、そういうことを背景として、実際に対処する上でやはり自衛隊の存在が必要になるということが日常的にも考えられるわけでございますので、そういった意味で、この要件というのは、まさに自衛隊にとって重要な内容のものに対応するための権限ということになるのではないかというふうに理解をしております。

○大澤参考人 現時点では、具体的にどういう技術なのかというのは、公開情報でもありませんので推定になりますけれども、警察が国内のサイバー攻撃を扱う中で、自衛隊は外国からの、特に、ちょっと国名を申し上げるとあれですが、隣国の、想定される攻撃者の攻撃手法、こういったものを研究しながらということになりますので、そういった攻撃手法やマルウェア、こういったものの技術解析とか、逆に相手のネットワークに入るというふうになりますと、ウィンドウズベースではない、その国のOSとかソフトウェアで守られているということになりますので、当然、そこにアクセスをして無害化をするということになりますと、その国のスペックに合った、OSに対してどうやって侵入するのかという、ふだん恐らく警察が実行しないようなアクセス・無害化措置やソフトウェアとかマルウェアを使うことになりますので、そういう点では、自衛隊が外国からの攻撃を想定して有している技術がこういった高度な技術になるというふうに考えております。

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

【政治改革に関する特別委員会】企業・団体献金規制の立法府の議論の積み重ね

 私は、企業・団体献金を規制する国会での議論の積み重ねを無視し、いまだに企業・団体献金に固執する自民党をただしました。

 政治資金規正法は1948年の制定以来、度重なる贈収賄事件を受け、政府の審議会も繰り返し「企業・団体献金の禁止」「資金は個人に限る」と答申してきました。

 75年にようやく、企業・団体献金の質的規制と量的規制を導入。

 私は、▼補助金受注企業や赤字会社、外国人からの献金禁止、▼献金額の上限規制、▼政党・政治資金団体以外への企業・団体献金を禁止する受領者規制などが、設けられてきた理由について質問。

 総務省選挙部長は、「補助金受注企業が、国などと特別な関係を維持・強固にすることを目的とする寄附を防止するため」「株主に利益配当もできない会社が寄付することは適当ではないため」「外国の勢力によって影響を受けることを未然に防ぐため」、「量的規制は、巨額の政治資金が政治の腐敗・癒着に結びつきやすいため」、「受領者制限は、政治資金の調達を政党中心にするため」であったと答弁しました。

 私は「この議論の積み重ねをどう考えるか」と質問。

 自民党の小泉進次郎議員は「企業・団体献金の完全な禁止を目指す趣旨の議論をしてきたわけではない」などと答弁。

 私は「そもそも、一連の法改正のきっかけは自民党の不祥事だ」と批判し、企業・団体献金の禁止に踏み出すべきだと強調しました。

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議論積み重ねを無視/衆院政治改革特委/企業・団体献金規制/塩川氏が批判

「しんぶん赤旗」3月27日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は26日、企業・団体献金を巡る与野党の法案について質疑を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は、企業・団体献金を規制する立法措置を積み重ねてきた国会の議論を無視し、いまだに企業献金に固執する自民党をただしました。

 政治資金規正法については1948年の制定以来、自民党の度重なる贈収賄事件を受け、政府の審議会も繰り返し「企業・団体献金の禁止」「資金は個人献金に限る」と答申。75年にようやく企業・団体献金に量的規制と質的規制が導入されました。

 塩川氏は、▽国から補助金を受けている会社、赤字会社、外国人からの献金禁止▽献金額の上限▽政党・政治資金団体以外への献金を禁止する受領者規制―などが設けられてきた理由について質問。総務省の笠置隆範選挙部長は「補助金受注企業が国などと特別な関係を維持・強固にすることを目的に寄付することを防止するため」「株主に利益配当もできない会社が寄付することは適当でない」「外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止するため」だと説明。量的規制は巨額の政治資金が政治の腐敗・癒着に結びつきやすいために設けられ、受領者制限は政治資金の調達を政党中心にするためだったと答弁しました。

 塩川氏は「この議論の積み重ねをどう考えるのか」と質問。自民党の小泉進次郎議員は「企業・団体献金の完全な禁止をめざす趣旨の議論をしてきたわけではない」などと答弁しました。塩川氏は「そもそも一連の法改正のきっかけは自民党の不祥事だ」と批判し、企業・団体献金禁止に踏み出すべきだと強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月26日(水曜日)政治改革に関する特別委員会 第11号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案提出者にお尋ねをいたします。

 前回の質疑で、政治資金規正法の基本理念にある国民の浄財について議論をいたしました。政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利であり、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権といった参政権は憲法十五条で国民固有の権利としており、ここには企業、団体は含まれないと私も述べたところであります。

 一方で、自民党提出者は、企業、団体が政党に寄附を行うことは憲法第二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められている、自然人たる国民と同様に政治活動の自由、そして判例にもありますように政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由も有する、一方で納税の義務も負っている、また、八幡製鉄の最高裁判決では、憲法上は公共の福祉に反しない限り会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると言わざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用の限りでないというふうに判示されていると述べておられます。

 そこで、質問通告の順番を変えて、一九七〇年の最高裁判決に関する問いからお尋ねします。

 このように自民党の提出者は一九七〇年の最高裁判決を述べておりますが、後段部分が入っていないわけですね。一九七〇年の最高裁判決は、大企業による巨額の寄附は金権政治の弊を生むべく、また、もし有力株主が外国人であるときは外国による政治干渉となる危険もあり、さらに豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成するというのであるが、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきであると述べているわけです。そこで、自民党提出者にお尋ねしますが、この一九七〇年の最高裁判決は企業・団体献金の弊害を認め、その対策は立法政策にまつべきと述べており、企業・団体献金禁止の立法を否定していないと考えますが、改めて見解を聞かせていただきたいと思います。

○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。

 八幡製鉄事件最高裁判決における御指摘の判決文のくだりでございます。正確には、上告人が指摘するところによると大企業による巨額な寄附は金権政治の弊を生むべくという文脈でございます。あくまでも上告人の主張を引用するものであって、最高裁が御指摘のような弊害を認定したわけではないというふうに私どもは受け止めております。

 その上で、最高裁はニュートラルに、以降、その指摘するような弊害に対処する方途は差し当たり立法政策にまつべきことであってとしておりまして、すなわち、弊害という立法事実が存在する範囲内において、公共の福祉による制約の必要性、合理性が認める範囲内で制約するというふうに私どもは認識をしています。

 判決が示された昭和四十五年以降、累次の政治資金規正法の改正が行われたことは委員御指摘のとおりでございます。加えて、今回、企業・団体献金について禁止という最大限の制約を課す立法事実は我々としては見出すことができないと考えているところでございます。

○塩川委員 立法政策にまつべきと。既にこの間、戦後の歴史においても、政治資金規正法に関して企業・団体献金を規制する、そういう措置が行われてきているということがあるわけであります。

 昨年の委員会でも議論しましたけれども、一九四八年の政治資金規正法制定以降、様々な企業・団体献金規制の立法措置が行われてまいりました。

 戦後、昭和電工事件や造船疑獄などがあり、一九六一年、当時の池田勇人総理の諮問を受け、第一次選挙制度審議会は、会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものであると答申しております。六三年の二次審におきましても、選挙資金及び政治資金についての寄附は個人に限る、会社、労働組合その他の団体からの寄附は禁止するという第一次審議会の答申を再確認するものとすると答申しております。さらに、黒い霧事件もあり、六七年の第五次審では、政党はおおむね五か年を目途として個人献金と党費によりその運営を行うと答申しております。そういう中で、ようやく企業・団体献金に量的規制や質的規制が盛り込まれたのが一九七五年の改正であります。

 総務省にお尋ねいたします。一九七五年の法改正で、企業・団体献金に対し、補助金等を受けている会社や赤字会社、外国法人等からの献金禁止などの質的制限を加えた理由は何か、お答えください。

○笠置政府参考人 一九七五年、昭和五十年でございますけれども、昭和五十年の政治資金規正法改正によりまして、一定の補助金等の受給企業による寄附の禁止、あるいは赤字企業による寄附の禁止等のいわゆる質的制限の規定が設けられたところでございますが、改正案の提案理由におきましては、最近における国民世論の動向と政党政治の現状とを考慮しつつ、現実に即した政治資金の授受の規制、政治資金の収支の公開の強化、個人の拠出する政治資金に対する課税上の優遇措置などを講ずることにより政治活動の公明と公正を図るべくこの法律案を提出することとしたと述べられております。

○塩川委員 いや、個々に聞いているんですけれども。補助金等を受けている会社、赤字会社、外国法人、これらについて献金禁止などの質的制限を加えた理由はそれぞれどういうふうに説明していますか。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 大変失礼しました、まず補助金等受給企業からの政治献金の禁止、これは昭和五十年改正ということでございますが、こちらにつきましては、国から補助金等や出資等を受けている会社その他の法人が補助金等を受けていることにより国と特別な関係に立ち、その特別な関係を維持又は強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがあるということで、それを防止しようという趣旨でございます。

 あと赤字会社ですね。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 赤字会社につきましては、二十二条の四で規制をされてございますが、こちらにつきましては、会社が営利を目的とする企業体である以上、株主に対する利益配当もできないという経営状態にあるにもかかわらず政治活動に関する寄附をすることを許容するということは適当ではないこと、また、過去の事例から見てこのような赤字会社が寄附を行うことについては疑惑がつきまといがちなこと等の理由によって禁止措置を講じたということになってございます。(塩川委員「外国」と呼ぶ)外国、ちょっと待ってください。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 外国人等からの寄附の禁止ということでございます。二十二条の五でございますが、こちらにつきましては、我が国の政治や選挙が外国人や外国の組織、外国の政府など外国の勢力によって影響を受けることを防止しようという趣旨でございます。大変失礼しました。

○塩川委員 質的制限ということで、補助金等を受けていて国や地方自治体との特別な関係に立っているという点での不明朗なことは許されないということであり、また、赤字企業の場合には配当もできないような経営状態なのに寄附するというのは許容できないよねということであり、外国勢力によって影響を受けることを未然に防止しよう。それぞれ、一九七五年におきまして企業・団体献金についての質的な制限を加えるという措置が取られてきました。

 引き続きお尋ねしますけれども、同じ一九七五年の法改正では企業・団体献金に上限を設ける量的制限を加えておりますけれども、その理由は何だったでしょうか。

○渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

○渡辺委員長 速記を起こしてください。

 笠置政府参考人。

○笠置政府参考人 昭和五十年の改正によりまして量的制限が設けられたところでございますが、こちらにつきましては、それ以前はそういった規定はなかったわけでございますが、巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことから、寄附者の立場に着目して、寄附をそれぞれ相応な額に制限することとし、量的な面から規制をしようとしたものでございます。

○塩川委員 巨額の政治資金の授受が政治の腐敗、癒着に結びつきやすいことからということでの量的な制限で、その後、ロッキード事件やリクルート事件がありました。九〇年の第八次審でも、将来の姿としては政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと答申をしております。

 そういうものも受けて、また総務省にお尋ねしますが、一九九四年の法改正で政党、政治資金団体、資金管理団体以外への企業・団体献金を禁止しましたけれども、企業・団体献金の受領者を制限したその理由は何かについて説明を求めます。

○笠置政府参考人 平成六年の政治資金規正法の改正でございますが、こちらは政党本位、政策本位の政治を目指し政党中心の政治資金制度に改めようとしたものであると認識しておりまして、これに伴いまして、企業・団体献金についても政党、政治資金団体及び資金管理団体に対するものに限るものとされたということでございます。

○塩川委員 その五年後の九九年の法改定で資金管理団体への企業・団体献金を禁止しております。企業・団体献金の受領者を制限した理由は何でしょうか。

○笠置政府参考人 政治家個人の資金管理団体に対する寄附の禁止ということでございますが、こちらは平成十一年の政治資金規正法の改正で禁止することとされたものでございますが、こちらは、先ほど述べました平成六年の改正法の附則第九条の趣旨にのっとりまして、政治家個人の資金管理団体に対する企業・団体献金について平成十二年一月一日から禁止をすることとされたものでございます。

○塩川委員 ですから、政党中心にといいながら、要するに政治家個人のはまずいよねという形での規制が成ったということと、九九年については派閥についてもこれは駄目だよねという形で、一連の規制がずっと加えられてきているわけであります。

 そこで、自民党と立憲民主党、日本維新の会の提出者の方にそれぞれ伺いますけれども、このように金による特別な関係を絶つ、疑惑を未然に防止するということで企業・団体献金の規制を行ってきた歴史があるわけですが、立法府における、企業・団体献金を制限し、禁止に係るこのような議論の積み重ねをどのように考えておられるでしょうか。

○小泉(進)議員 平成の政治改革におきましては、企業・団体献金を受け取れるのは政党、政治資金団体に限るという改正が行われたところ、これは政治資金の調達を政党を中心とするために行われたものでありますから、企業・団体献金を完全に禁止する趣旨ではないと承知しています。

 また、昭和五十年改正では、今、塩川先生御指摘のとおり、量的制限及び質的制限を設けたところ、この点については企業・団体献金だけでなく個人献金についても設けられたものと承知をしています。

 このように、立法府における企業・団体献金に関する議論の積み重ねを見ると、決して企業・団体献金の完全な禁止を目指すものとは言えず、しかも、この議論の積み重ねの中で、三十年前の政治改革についての事実認識に我々与野党で合意ができない、禁止を合意したものが三十年前のものではないという我々の、あと有識者の一次史料が二次史料を優先するということも合意できないという中で、改めてここで禁止とすることは私は議論の積み重ねを見ても誤りだと捉えていますので、公開を強化する、そういった方向性で積み重ねを更に重ねていく、これが私はあるべき姿ではないのかと思っております。

○井坂議員 ありがとうございます。

 先ほどの議論を聞いていて私も大変勉強になりましたが、一九七五年改正で、特別な関係ができてしまうとか、あるいは腐敗に結びつくとか影響を与える、そういう理由で献金が禁止をされて、そして九四年、九九年で、政党中心ということで、まず個人、そしてまた資金管理団体への献金が禁止をされた。ところが、その流れでいって結局政党への献金は引き続き認められていて、さらに政党支部経由の献金がまかり通ることになった結果、企業・団体献金の抜け道としてさらにはパーティーも引き続き認められて、それがまた今回の自民党派閥によるパーティー収入の裏金問題にもつながっている、こういう流れであります。

 企業・団体献金の禁止というのはこの間ずっと懸案になっており、しかも、政党には認めるといいながら結局、政党支部経由で個人にも、またパーティーを使って個人にもということがいまだに行われているというこの状況に対して、昨年末ようやくこの衆議院の政治改革特別委員会において、令和六年度末までに結論を得る、ここまで議論が積み重なってきたところであります。

 我々は五党派で企業・団体献金の禁止法案というものを提出しておりますので、きちんとした意思決定さえなされればこの年度末までに企業・団体献金禁止という結果が出せるというふうに議論の積み重ねからも考えております。

 以上です。

○池下議員 お答えいたします。

 今言っていただきました立法府における企業・団体献金の議論の積み重ね、これは非常に大事、重要であると考えております。また、我々も企業・団体献金の抜け道のパーティーの問題だったり様々議論があるかと思いますけれども、ただ、昨年の臨時国会で企業・団体献金の禁止法案については衆議院政治改革特別委員会において精力的に議論を行って令和六年度末までに結論を得るとの申合せを行ってから既に三か月が経過しております。この政治改革特別委員会の場でも各会派でかんかんがくがくの議論を行ってまいりました。その上で、企業・団体献金の禁止は三十年前の平成の政治改革に決着をつけるものでありまして、再度期限を切ったとしても延長の繰り返しになるのではないかという思いもあります。

 しかしながら、現在、国民、公明の両党案が提出されるやに聞いております。そうであれば、何年、何か月というわけにはいきませんが、数日程度は真摯に議論、協議をさせていただきたいと思っておりますし、また、日頃から公明、国民両党を含めた理事の皆様とも大変議論をさせていただいているところから、しっかりと結果を得られるようにしていきたいと考えております。

○塩川委員 政党中心といいながらも実際には政党支部という形、またパーティー券の購入といった形での、政治家個人への抜け道が二つも残されているということが大きな課題ということもありますし、政党中心といいながら、今回の自民党の裏金問題というのは、派閥の人員を全部足し上げれば自民党所属議員の過半数になるという点でいえば、まさに政党ぐるみの問題という点で、政党中心ということが本当に問われている、それが成り立っていないんじゃないのかということがまさに焦点となっているときですので、改めて企業・団体献金に踏み出していくその転機だということであります。

 そもそも一連のこういった法改正が行われるきっかけとなったのは、自民党の皆さんの不祥事がきっかけですから、そこへの反省がそもそも求められているということを強調したいと思います。

 八幡製鉄の最高裁判決についても、先日の参考人質疑で四人の参考人の皆さんがそれぞれ、八幡製鉄の最高裁判決で企業献金を合憲としているから企業・団体献金の禁止はできないと言った参考人は一人もいなかったわけでもありますので、こういうことは重く受け止めるべきだということを述べ、質問を終わります。

【内閣委員会】サイバー法案/同意なく情報取得・利用/個人情報保護法に背く

 私は26日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視する「能動的サイバー防御法案」について、本人の同意なく個人情報が取得、利用される危険な実態を追及しました。

 同法案は基幹インフラ事業者に加え、家電メーカーなどあらゆる民間事業者に通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。

 私は、どのような情報を提供させるかなどを定める協定内容には公表義務がないことを指摘し、「インフラ等の利用者に対し情報提供の同意はとるのか」と質問。内閣官房の小柳誠二審議官は「個々の利用者から同意を得ることは難しい」と同意がないことを認めました。 

 さらに私は、同法案は、協定当事者の同意を得れぱ、取得した通信情報からIPアドレスやメールアドレスなどの機械的情報を選別したものを、総理がサイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用できる規定があるのではないかと質問。小柳審議官はその通りだと認めました。さらに、その規定は警察や自衛隊にも準用されるのではないかと質すと、準用されることを認めました。

 私が、警察や自衛隊がサイバー攻撃の被害防止とは無関係な自らの業務に、取得した通信情報を利用できてしまうと追及すると、平将明デジタル相は「利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られない」と認めました。

 私は、岐阜県大垣市で脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集し電力会社に提供していた事件が起きており、取得した通信情報が「市民運動を監視する目的で使われる可能性もある」と告発。本人の同意なく目的外利用、第三者へ提供、海外移転を行うことは「個人情報保護の原則に背く」と批判しました。

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同意なく情報取得・利用/衆院内閣委/サイバー法案/塩川氏質問に審議官

「しんぶん赤旗」3月27日・2面より

 日本共産党の塩川鉄也議員は26日の衆院内閣委員会で、国民の通信情報を常時収集・監視する「能動的サイバー防御法案」について、本人の同意なく個人情報が取得、利用される危険な実態を追及しました。

 同法案は基幹インフラ事業者に加え、家電メーカーなど、あらゆる民間事業者に通信情報を提供させる協定を結ぶことができるとしています。

 塩川氏は、どのような情報を提供させるのかを定める協定の内容は公表義務はないと指摘。インフラ等の利用者本人に情報提供の同意はとるのかと質問しました。内閣官房の小柳誠二審議官は「個々の利用者から同意を得ることは難しい」と同意がないことを認めました。

 さらに塩川氏は、同法案は、首相が、取得した通信情報からIPアドレス(ネットワーク上の住所)やメールアドレスなどの機械的情報を選別したものを、協定当事者の同意を得ればサイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用できる規定があるのではないかと質問。内閣官房の小柳氏はその通りと認めました。さらに塩川氏が「その規定は警察や自衛隊にも準用されるのではないか」とただすと小柳氏は、準用されることを認めました。

 塩川氏が、警察や自衛隊がサイバー攻撃の被害防止とは無関係な自らの業務に、取得した通信情報を利用できてしまうと追及すると、平将明デジタル相は「利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られない」と認めました。

 塩川氏は、岐阜県大垣市で脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集し電力会社に提供していた事件が起きており、取得した通信情報が「市民運動を監視する目的で使われる可能性もある」と告発。本人の同意なく目的外利用、第三者へ提供、海外移転を行うことは「個人情報保護の原則に背く」と強調しました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月26日(水曜日)内閣委員会 第8号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案について質問いたします。

 先日の質疑では、政府が必要と判断した通信情報を取得する際は、やり取りの内容も含んだ情報を一旦は全てコピーしてくること、選別された後に残った機械的情報も通信の秘密の対象であることなどを確認してきました。

 通信の秘密の侵害は、市民が情報発信自体をちゅうちょすることにつながり、ひいては表現の自由を侵害するものでもあります。

 その上で、政府と事業者との協定について引き続きお尋ねします。

 自治体を含む基幹インフラ事業者だけでなく、ネット回線を利用していればどんなものでも対象になり得るということでした。ほぼ全ての国民の通信情報が関わってきます。

 そこで、お尋ねしますけれども、こういった協定の内容はインフラなどの利用者に対し公開されるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 本法案におきまして、当事者協定を締結したことについての公表に関する規定は設けてございません。

 なお、協定当事者におきまして、利用者に配慮するなどして協定締結に関する情報の公表を希望する場合もあるというふうに考えられますところ、公表を行うかどうかは、協定当事者の御要望も踏まえて個別に判断をしてまいります。

○塩川委員 協定に関する公表規定はないということです。

 利用目的の特定と外部提供の制限という個人情報保護の原則からしても、どういう協定を結ぶのか、どういう情報を政府に提供するのか、その通信情報が取得される利用者に対し公表するのが当然だと思いますが、インフラなどの利用者は、自分の情報が政府へと提供されるということを、そもそもどうやって認識することができるんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 政府におきましても、協定を締結した基幹インフラ事業者等におきましても、政府に提供される情報に特定の利用者の情報が含まれるかどうかを把握することは困難と考えられます。

 ただし、例えば、事業者が協定を締結した旨を公表することがあれば、利用者は自分の情報が政府に提供される可能性があることは知ることができることとなるものでございます。

○塩川委員 何も、それが義務づけられているわけではないところであります。

 大臣にお尋ねしますけれども、このような協定を結ぶかどうかというのは同意を前提ということですが、あくまでも事業者のものであって、利用者の同意というのはないということでよろしいんでしょうか。

○平国務大臣 塩川委員にお答え申し上げます。

 協定を締結をする基盤インフラ事業者等において、政府に提供される情報に特定の利用者の情報が含まれるかを把握することは困難であること等から、個々の利用者から提供について同意を得ることは難しいところでございます。

 その上で、当事者協定で取得した通信情報については、自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみが選別をされ分析対象となるほか、特定の個人を識別することができることとなるおそれが大きい情報については他の符号に置き換えるなどの非識別化措置を講ずることとし、また、独立機関であるサイバー通信情報監理委員会の検査等の対象ともなるものであり、協定当事者の通信の相手方の権利にも十分配慮をすることとしています。

 したがって、こうしたことにも鑑みると、通信の秘密との関係で問題を生じるものではないと考えております。

○塩川委員 通信の当事者の相手方の利用者の個々の同意というのは難しいということですから、利用者の同意はないということです。

 基幹インフラ事業者の同意があれば、利用者には同意もなく自らの通信情報を政府に取得されることとなります。今るるそれに対しての御説明がありましたけれども、今日の質疑の中でも目的外利用の禁止の話などもありましたが、ただ、原則禁止するという、原則という言葉がついていたわけですね。そういう点でも、目的外利用の禁止の例外があるということであります。

 そこで、二十四条の非識別化はちょっと後に回して、二十三条関係で続けて質問しますけれども、二十三条四項で規定をする選別後通信情報の利用、提供の例外規定についてお尋ねをいたします。

 二十三条の第四項は、「内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、選別後通信情報を、特定被害防止目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することができる。」としております。一号では、選別後通信情報を協定当事者の同意を得て自ら利用し又は提供する場合、二号では、関係行政機関や外国政府等への提供を規定しております。一号では、協定当事者の同意を得れば、選別後通信情報を目的外利用できるし、外部提供できるとしているわけです。

 お尋ねしますけれども、条文上、目的外利用についての縛りはないと思いますが、協定の相手方の同意があれば、サイバー攻撃の被害防止以外の目的に利用することも排除されていないのではありませんか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 本法律案におきましては、御指摘のとおり、特定被害防止目的以外の目的にも利用することが例外的に認められているわけでございますけれども、まず、特定被害防止目的とは、国外からの重要電子計算機に対するサイバー攻撃等の被害を防止する目的を指すものでございまして、選別後通信情報については、この特定被害防止目的以外の目的での利用を原則として禁止する旨を規定しているところでございます。

 その上で、二十三条四項でございますけれども、特定被害防止目的以外の目的のために例外的に利用できる場合について規定してございますけれども、選別後通信情報につきましては、自動選別によって一定のサイバー攻撃に関係があると認めるに足りる機械的情報に限定されたものでありまして、そのため、選別後通信情報の利用は、いずれにせよ、サイバーセキュリティー対策の範囲内に通常限られるというふうに想定されるものということでございます。

○塩川委員 条文上でも特定被害防止目的以外の利用も可能とするという点では、それは可能だということですので、そういう点でいえば、協定当事者の同意があれば、内閣総理大臣が幅広い目的で選別後通信情報を利用できるというのが二十三条四項の一号であります。

 そういう点では、想定されることはあるということですけれども、しかし、実際にこのような利用目的についての例外ということは当然行われるわけで、そういう点でも、このような、排除はされていない規定というのが問われてくると思います。

 さらに、この二十三条四項一号の規定については、三十一条三項で、選別後通信情報の提供を受けた機関、通信情報保有機関の長にも準用されるということで、そういうことであれば、警察やまた防衛省・自衛隊にも準用されるということでよろしいんでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えをいたします。

 本法律案第二十三条第四項第一号の規定でありますけれども、警察庁、防衛省・自衛隊等に対しても、これらの機関が本法律案の規定により、例えばアクセス・無害化措置のために通信情報の提供を受けて通信情報保有機関に該当することとなった場合には準用されるというものでございます。

○塩川委員 大臣にお尋ねします。

 協定に関する選別後の通信情報の提供を受けた警察や自衛隊が、協定相手の同意があれば、その情報をサイバーセキュリティーとは無関係な自らの業務のために利用することも可能ということになりはしませんか。

○平国務大臣 お答え申し上げます。

 本法律案第二十三条第四項第一号の規定により、協定当事者の同意を得た場合には、御指摘のように、その利用目的は必ずしも特定被害防止目的に限られないことになります。

 しかしながら、選別後通信情報は、自動的な方法による選別により、一定の重大なサイバー攻撃に関係があると認めるに足りるIPアドレス、コマンドなど機械的情報に限定されたものであり、また非識別化措置も講ずることから、いずれにせよ、サイバーセキュリティーに関係する業務で用いられることが想定されるものです。

 したがって、警察や自衛隊においてサイバーセキュリティーと無関係な業務のために利用されることは、協定当事者の同意がある場合を考慮に入れたとしても、通常想定されるものではありません。

○塩川委員 機械的情報であっても通信の秘密の対象となるということもありますし、非識別化といっても再識別化もできるという規定もあるところであります。

 そういう点では、選別後通信情報であっても、やはり恣意的な選別が行われる疑いがある、このことは拭えないと思いますし、そもそも通信の秘密に該当する情報であり、メールアドレスや個人の特定や行動を把握し得るものであります。そういう情報について、インフラ事業者だけでも既に広範な国民が利用しているものである。加えて、さらに、家電メーカーなども含むあらゆる民間事業者と協定を結ぶことで収集をし、警察や防衛省・自衛隊が自らの業務のために利用するのではないのか。

 例えば、岐阜県大垣市で、脱原発運動や平和運動をしていた市民の個人情報を県警が収集をし電力会社に提供していた事件のように、市民運動を監視する目的で使われる可能性もある、こういったことも排除されないのではないのか。この点も問われると思うんですが、それについてはいかがでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 本法案におきましては、通信情報を内閣総理大臣が取得したときには、閲覧その他の人による知得を伴わない方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみを選別して分析をするということとなってございます。そして、それ以外のものを消去する措置を講じなければならないということが法律で定められてございます。

 そのため、選別後通信情報に広く一般のユーザーの個人情報が含まれるといったことは想定されるものではございません。

○塩川委員 不正の目的で個人情報を使っているということが断罪されたのも大垣事件でもありますので、そういった点でも、機械的情報、通信の秘密に関わるような情報とその他の情報も一体にすることによって、警察等の業務に関わるようなものが不当な扱いにされる、また、そういったこともこれまでの事例でもあるという点での懸念、危惧が拭えないということを申し上げておきます。

 ちょっと時間があれですが、二十四条の関係で、選別後通信情報は通信の秘密の対象となるということですけれども、国民のプライバシー権との関係でどうかという問題もあります。

 お尋ねしますが、選別後通信情報に個人情報が含まれている場合もあるのではないのか。この点、これまでの質疑にあるように、メールアドレスとか、SNSのアカウント、電話番号等も含まれるということでよろしいでしょうか。

○小柳政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、選別後通信情報が個人情報に該当する可能性はあるものというふうに認識をしてございます。

 通信情報に含まれる個人情報につきましては個人情報保護法の規定が適用されることとなりますので、個人情報保護法の規定も遵守し、適正な取扱いを行ってまいります。

 その上で、先ほど申し上げたとおりでございますが、自動選別におきましては、閲覧その他の人による知得を伴わない自動的な方法によって、不正な行為に関係があると認めるに足りる機械的情報のみが選別をされて、それ以外のものは消去されるということでございまして、選別後通信情報に広く一般のユーザーの個人情報が含まれるということは想定されないというところでございます。

○塩川委員 最後に大臣にお尋ねしますが、機械的情報が個人情報に該当する場合には個人情報保護法の規定が適用されるということでありました。個人情報保護の原則からすれば、本人の同意を取ることすら行わずに、目的外利用や第三者提供、さらに、海外移転などができるはずがないのではありませんか。

○平国務大臣 選別後通信情報が個人情報である場合には、選別後通信情報を第三者に提供する場合も含め、個人情報保護法の規定を遵守し、適正に取扱いをしてまいります。

○塩川委員 本人同意もなしにそういうことを行うのは個人情報保護法の立場にも背くものだということを申し上げて、質問を終わります。

【本会議】議員生活25年の永年在職表彰

 私は、議員生活25年の永年在職議員の表彰を受けました。

 表彰を受けたのは、日本共産党の赤嶺政賢議員と私、自民党7人、立憲民主党4人、無所属1人の14人です。

 最年長の赤嶺議員が、代表して謝辞を述べました。

 他、13人の議員の謝辞は、会議録に掲載されます。

 

 

 私の謝辞は、以下の通りです。

*****

永年在職議員表彰にあたっての謝辞

     日本共産党 塩川鉄也

 このたび、在職25年の表彰をいただいたことに、謝意を申し述べます。2000年以来、日本共産党を応援いただいた全国、そして群馬・栃木・茨城・埼玉の北関東の皆さんに厚くお礼申し上げます。また、いつも励ましの言葉をかけてくれた妻と家族にも感謝します。

 私の政治活動の原点は、日本と世界から戦争と貧困をなくすことであり、日本共産党と出会ったことが転機となりました。学生時代、米軍が日本に核兵器を持ち込もうとしたことが大問題となったとき、強い憤りを覚えました。なぜ被爆国の日本に核兵器が持ち込まれようとしているのか知りたいと思うとともに、自分ひとり声を上げても政治は変わらないという気持ちもありました。その時に、安保条約の下で米国言いなりの仕組みがつくられていることが大本にあり、対等平等の日米関係を実現する展望を示してくれたのが日本共産党の先輩でした。そして、みんなと一緒に政治を変えようと、一歩足を踏み出す勇気を与えてくれました。

 今や国際社会では、核兵器禁止条約が実現し、日本被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したように、被爆者を先頭にした日本と世界の世論と運動が大きな力を発揮しています。「核抑止」の呪縛を解き放ち、「核兵器のない世界」の実現のために力を尽くすものです。

 この間国会では、カネで動く政治を終わらせようと、企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきました。政府が、物価高騰対策として最も効果のある消費税減税に踏み出そうとしないのは、財界・大企業が消費税増税、社会保障抑制、法人税減税を要求し、そのために多額の企業・団体献金を政権党に行ってきたからです。

 以前は企業・団体献金禁止と言えば、日本共産党だけの訴えだったものが、今では他の野党からも禁止法案が提出されるようになり、大きな変化が生まれています。国民生活を守り、支えるためにも、賄賂であり国民の参政権を侵害する企業・団体献金の禁止をぜひとも実現したいと決意しています。

 長らく国会の運営全般に関わる議院運営委員会の一員として活動してきました。憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視監督する国会の責務は重大です。平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くすことを申し述べ、謝辞といたします。ありがとうございました。


衆院で議員25年の永年在職表彰/共産党から赤嶺・塩川氏

「しんぶん赤旗」3月26日・2面より

 日本共産党の赤嶺政賢議員、塩川鉄也両議員は25日の衆院本会議で、議員生活25年(9期)の永年在職議員の表彰を受けました。表彰されたのは両氏のほか、自民党7人、立憲民主党4人、無所属1人の計14人。最年長の赤嶺氏が代表して謝辞を述べました。

 赤嶺氏は悲惨な戦争の傷痕が残る米軍占領下の沖縄で生まれ育ったことにふれ、「憲法9条守れの決意は私自身の生い立ちに根ざしたもの」と強調。基地があるが故の事件・事故が繰り返される沖縄の現状について「憲法の上に日米安保条約・地位協定があり、県民の人権が蹂躙(じゅうりん)される軍事優先の異常な社会は変えなければならない」と力をこめました。

 民意も法律も踏みにじる政府の辺野古新基地建設の強行に対し、県民は保守・革新を超えた団結で翁長(おなが)県政を誕生させ、自身を4回連続で沖縄1区からオール沖縄の代表として国会に送り出したと述べ、「オール沖縄の団結は沖縄戦や米軍統治、その後も続く米軍支配に抗う沖縄の平和の心が一つに結ばれたもの」と強調。「命どぅ宝(命こそ宝)の平和の心を掲げ、辺野古新基地建設、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化を許さず、基地のない平和で豊かな沖縄をめざし、県民とともにたたかい続ける」と結びました。

 塩川氏は、後日、会議録に掲載される謝辞に、核兵器廃絶が活動の原点であると述べ、今や国際社会では核兵器禁止条約が実現し、被爆者を先頭とした世論・運動が大きな力を発揮しているとして、核兵器のない世界の実現のために力をつくすと強調しました。

 企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきたことにふれ、「是非とも実現したい」と決意を表明。また議院運営委員として「憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視・監督する国会の責務は重大」と強調し、「平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くす」と表明しました。


永年在職議員表彰の謝辞

「しんぶん赤旗」3月27日・4面より

 25日の衆院本会議で永年在職議員の表彰を受けた日本共産党の赤嶺政賢議員と塩川鉄也議員の謝辞の全文は次の通りです。

 

赤嶺政賢議員 平和の心掲げ県民と共に

 ただいま私たち14名に対し、院議をもって在職25年の表彰をしていただき、誠にありがとうございました。心からお礼の言葉を申し上げます。

 私はまず、2000年の初当選以来、四半世紀にわたって私を国会に押し上げていただいた九州・沖縄の皆さんに心からお礼を申し上げます。

 私の原点は、基地のない平和で豊かな沖縄を建設することです。

 私は1947年、米軍の直接統治下の沖縄で生まれました。悲惨な沖縄戦の傷痕が残る中でした。父親の畑仕事を手伝うようになると、戦没者の遺骨の断片を畑の四隅に積み上げるのが私の役割でした。米兵による強姦(ごうかん)事件などが処罰されないことに大きな怒りを抱きながら育ちました。

 沖縄戦を生き残った人々は、「いくさーならんどー、なーいくさーならんどー」と口癖のようにつぶやいていました。戦争は嫌だ、戦争はもう絶対に繰り返してはならないという気持ちが込められていました。憲法9条守れの決意は、私自身の生い立ちに根差したものであります。

 私は大学に進学するときに、パスポートを持って上京しました。この屈辱は生涯忘れません。当時の沖縄は、サンフランシスコ講和条約第3条によって、日本から切り離されていたのであります。

 日本国憲法の下への復帰を願った祖国復帰闘争は、沖縄と本土の連帯した闘いで沖縄の施政権返還を勝ちとることができました。ところが、その後、日米安保条約が沖縄に適用され、広大な米軍基地は復帰前と変わらず存在し続けています。

 私は当選以来、普天間基地の無条件返還を求め、辺野古新基地建設を押し付ける政府と論戦を重ねてきました。

 米軍基地あるが故の事件・事故が繰り返され、憲法の上に安保条約・地位協定があり、県民の人権が蹂躙(じゅうりん)される軍事優先の異常な社会は変えなければなりません。

 ところが政府は、繰り返し示してきた民意も、地方自治も、法律さえもふみにじり、新基地建設を強行しています。これに対し県民は、保守・革新を超えた団結で翁長県政を誕生させ、私を4回連続で小選挙区沖縄1区からオール沖縄の代表として国会に送り出してきたのであります。

 オール沖縄の団結は、沖縄戦や米軍統治、その後も続く米軍支配に抗(あらが)う沖縄の平和の心が一つに結ばれたものです。

 私は、命(ぬち)どぅ宝の平和の心を掲げ、辺野古新基地建設、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化を許さず、基地のない平和で豊かな沖縄をめざし、県民とともに闘い続ける決意です。

 以上を表明し、謝辞といたします。

塩川鉄也議員 憲法が生きる政治へ全力

 このたび、在職25年の表彰をいただいたことに、謝意を申し述べます。2000年以来、日本共産党を応援いただいた全国、そして群馬・栃木・茨城・埼玉の北関東の皆さんに厚くお礼申し上げます。また、いつも励ましの言葉をかけてくれた妻と家族にも感謝します。

 私の政治活動の原点は、日本と世界から戦争と貧困をなくすことであり、日本共産党と出会ったことが転機となりました。学生時代、米軍が日本に核兵器を持ち込もうとしたことが大問題となったとき、強い憤りを覚えました。なぜ被爆国の日本に核兵器が持ち込まれようとしているのか知りたいと思うとともに、自分一人声を上げても政治は変わらないという気持ちもありました。その時に、安保条約の下で米国言いなりの仕組みがつくられていることが大本にあり、対等平等の日米関係を実現する展望を示してくれたのが日本共産党の先輩でした。そして、みんなと一緒に政治を変えようと、一歩足を踏み出す勇気を与えてくれました。

 今や国際社会では、核兵器禁止条約が実現し、日本被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したように、被爆者を先頭にした日本と世界の世論と運動が大きな力を発揮しています。「核抑止」の呪縛を解き放ち、「核兵器のない世界」の実現のために力を尽くすものです。

 この間国会では、カネで動く政治を終わらせようと、企業・団体献金禁止の取り組みに全力を挙げてきました。政府が、物価高騰対策として最も効果のある消費税減税に踏み出そうとしないのは、財界・大企業が消費税増税、社会保障抑制、法人税減税を要求し、そのために多額の企業・団体献金を政権党に行ってきたからです。

 以前は企業・団体献金禁止と言えば、日本共産党だけの訴えだったものが、今では他の野党からも禁止法案が提出されるようになり、大きな変化が生まれています。国民生活を守り、支えるためにも、賄賂であり国民の参政権を侵害する企業・団体献金の禁止をぜひとも実現したいと決意しています。

 長らく国会の運営全般に関わる議院運営委員会の一員として活動してきました。憲法に基づく国民主権の議会制民主主義において、政府行政を監視監督する国会の責務は重大です。平和・くらし・人権のあらゆる分野で、憲法が生きる政治の実現のために全力を尽くすことを申し述べ、謝辞といたします。ありがとうございました。

高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟の設立総会に参加

 患者団体が声を上げ、世論と運動の力で高額療養費上限額引き上げを撤回させ、議連の発足につながった。

 高額療養費制度の発展のために力を尽くしたい。


高額療養費巡り議連発足/「患者の声聞き十分に議論を」/がん患者団体などが訴え/共産党からは田村・小池氏ら

「しんぶん赤旗」3月25日・3面より

 高額療養費制度や社会保障のあり方を議論する「高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟」の設立総会が24日、国会内で開かれました。日本共産党など各党の国会議員85人が参加しました。

 政府は今月、制度改悪で影響を受ける患者らの声や世論に押され、高額療養費の自己負担上限額引き上げの見送りを決めました。政府は秋にも再検討する方針です。

 議連設立を呼びかけた全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「当事者の意見を十分に聞かないまま短期間で審議されてしまった。保険の根幹である大きなリスクに備える議論を優先してほしい。患者の可処分所得のなかでどの程度の負担感がでるか十分に議論してほしい」と訴えました。

 日本難病・疾病団体協議会(JPA)の吉川祐一代表理事はメッセージを寄せ「根治療法がない難病患者にとっては大きな負担になる。負担額の再検討に当たっては、患者やさまざまな立場の人たちから客観的なデータを取り、丁寧かつ慎重な議論を行ってほしい」と呼びかけました。

 議連会長の武見敬三前厚生労働相は「高額療養費制度をより発展させるために議連の中で熟慮して役割を果たしていきたい」とあいさつしました。

 日本共産党から田村智子委員長、小池晃書記局長らが出席。小池氏は「超党派議連が設立できたのは、全がん連やJPAのみなさんが声を上げたたまものだ。ともに知恵を出し合いたい」と表明しました。

【政治改革に関する特別委員会】賄賂性を持つ企業・団体献金は国民の参政権を侵害する

 企業・団体献金の禁止をめぐる各党の法案について質疑を行い、私は、「企業にも政治献金の自由があると」主張する自民党の姿勢をただしました。

 自民党は、企業・団体献金を温存する法案を提出しており、その趣旨説明で「政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み」などと述べています。

 提出者の長谷川淳二議員は、このくだりは政治資金規正法第2条の引用だと説明。

 私は、政治資金規正法の逐条解説によれば、国民の政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利とされていると指摘。憲法15条では、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権といった参政権は「国民固有の権利」とされており、政府も認めていること、先日の参考人質疑においても、企業・団体献金が「本質的に賄賂」であり、国民の参政権を侵害することは「明白」と発言があったことに触れ、反論しました。

 自民党の小泉進次郎議員は、企業・団体の献金は憲法21条に基づく政治活動の自由の一環として認められていると主張。

 私は「企業・団体が政治に関し発言することはあり得ることで、その表現の自由は認められるが、発言することとカネを出すことは別物だ」と強調。「営利目的の企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大偉業に向けたものになる」と主張しました。

 私は、今国会で問題となっている、高額療養制度の自己負担額の上限引き上げも、経団連が長年提言してきた要望だと批判。「経団連の要望と、その背景にある企業・団体献金が、高額療養制度の上限引き上げをはじめとする社会保障費の抑制や給付の削減に結びついていることが厳しく問われている」と述べ、企業・団体献金の全面禁止の必要性を強調しました。

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企業献金本質は賄賂/衆院特委/塩川氏「禁止こそ」

「しんぶん赤旗」3月25日・2面より

 衆院政治改革特別委員会は24日、企業・団体献金の禁止を巡る各党の法案について質疑を行いました。日本共産党の塩川鉄也議員は「企業にも政治献金の自由がある」と主張する自民党の姿勢をただしました。

 自民党は企業・団体献金を温存する同党提出法案の趣旨説明で「政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み」などと述べています。同党の長谷川淳二議員は、政治資金規正法第2条を引用したものだと説明しました。

 塩川氏は、同法の逐条解説によれば、国民の政治献金は国民の政治参加の一つで、参政権に結びついた国民の権利とされていると指摘。憲法15条で、国民の代表を選ぶ選挙権・投票権などの参政権は「国民固有の権利」とされ、政府も認めていることや、17日の参考人質疑でも企業・団体献金は「本質的に賄賂」で、国民の参政権を侵害することは「明白」だとの発言があったとして反論しました。

 自民党の小泉進次郎議員は、企業・団体献金は憲法21条に基づく政治活動の自由の一貫として認められていると主張しました。塩川氏は「企業・団体が政治に関し発言することはあり得ることで、その表現の自由は認められるが、発言することと、カネを出すことは別物だ」と強調。「営利目的の企業が巨額のカネの力で政治に影響を与えれば、政治は大企業に向けたものになってしまう」と主張しました。

 塩川氏は、今国会で問題となっている高額療養費の自己負担額の上限引き上げも、経団連が長年提言してきた要望だと批判。「経団連の要望と、その背景にある企業・団体献金が、高額療養費の上限額引き上げをはじめとする社会保障費の抑制や給付の削減に結びついていることが厳しく問われている」と述べ、全面禁止の必要性を訴えました。


「議事録」

第217回通常国会 令和7年3月24日(月曜日)政治改革に関する特別委員会 第10号

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 法案について質問します。

 今日の議論の中で後藤委員が、吉川農水大臣の鶏卵汚職事件の話がありました。その際に農水省の報告書の話があったんですけれども、それは有罪判決が確定する前の時期の話じゃないかなと思っておりまして。ですから、有罪判決が出され、それに対して控訴を断念という経緯を考えたときに、有罪判決を踏まえての回答が欲しかったなというのを率直に思っておるところなんですが。何か感想でもありましたら。

○小泉(進)議員 今、塩川先生からの御指摘は通告にないものではありますが、改めて、司法の判断がどういったものかというのは先ほど私が後藤先生に対して申し上げたとおりであります。ただ、これについて今の塩川先生の御指摘を超えて言えば、後藤先生の質問の趣旨は、こういうふうに過去に自民党の議員と献金との間にまつわる事案があるから企業・団体献金は禁止すべきだという、そういった思いの中で議論されていると私は理解をしていますので、そういったことだから全部やめろというのは乱暴であって、個人献金の世界に行ったら個人献金で何かあったら全部やめるか、そういう議論になりかねない、そういったことも含めて前向きな議論が進められることが私としては願うところであります。

○塩川委員 報告書が有罪判決の前といった点も踏まえて、しっかりとした議論が必要ではないのかということを申し上げておきます。あのときにはパーティー券も実際には贈賄に問われているわけですから、そういったお金の流れについてしっかりと検証もした上での対策が必要だということを申し上げておきます。

 今日の質疑は全体として先日の参考人質疑を踏まえての議論が続いているということで、私もその立場で何点かお尋ねをしたいと思います。

 最初に自民党の提出者にお尋ねをいたしますが、政治資金の公開に関連しまして、中北参考人は陳述の中で公開の徹底について述べておられました。禁止よりも公開をと主張している以上、公開強化法案の対象をもっと広げた方がいい、データベースの検索可能な範囲を極力広げるとともに、可能であれば研究上も有益ですので公開期間を三年ではなく無期限にしていただくことをお願いいたしますと述べておられました。中北参考人からこのような意見を投げかけられたことについて、自民党の提出者はどのように受け止めておられますか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 データベース化を含めた政治資金の収支公開制度の在り方につきましては、まず、政治資金の透明性の確保、国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする必要性、これがまず一点。一方で、例えば個人献金でありましたら住所まで記載されるわけでございます。個人の寄附者のプライバシーや個人情報の保護の必要性といったものへの配慮、そして、総務大臣や都道府県選管が保存する紙による収支報告書の閲覧制度に関しましてですけれども、膨大な収支報告書の保存には事務負担がかかります。こういったものを勘案して定められるべきものと考えております。

 昨年の通常国会そして臨時国会で成立した法律の施行後においては、このようなバランスを踏まえた上で、一階部分である収支報告書のインターネット公表、さらには二階部分であるデータベース化、これは、収支報告書が公表された以後三年を経過するまでの間公表されることになるというふうに整理をさせていただいたものでございます。現行の収支報告書の保存年限、公開年限に合わさせていただいたということでございます。

 なお、その上で、インターネット公表やデータベースについてはこれから閲覧者において検索データをダウンロードできるようになるわけでございます。そうしたダウンロードによる取得も可能だということについては付言させていただきたいと思います。

○塩川委員 コストの話につきましても、中北参考人は、コストはかかるかもしれないけれども与野党しっかり議論をいただきたいという形で。国民に対してしっかりと公開をする、こういう立場に立って必要な経費をかけるのは当然のことだということを求めたいと思いますし、三年ではなく無期限にする、そういうことこそ求められていると思います。

 また、中北参考人は、昨年の参議院の審議で参考人として出席をした際に、要旨の廃止は後々検証可能性を損なってしまうのでこれはどうにか避けていただけないかとも述べておられました。そのことを説明した上で、その思いは全く変わっておりませんと述べておられました。改めてお尋ねしますが、要旨廃止の撤回を行うべきではありませんか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 収支報告書の要旨でございます。現行法においても、収支報告書のインターネット公表をする場合には収支報告書の要旨を公表する必要がないという旨が既に規定されているところでございます。この規定に基づいて、現在、四十七都道府県中四十道府県において収支報告書の要旨が既に廃止をされております。その上で、昨年の通常国会で成立した規正法の改正では、総務省、各都道府県選挙管理委員会の選択に委ねられていた収支報告書のインターネット公表を一律に義務化することに併せて要旨の公表を廃止したということでございます。

 インターネットで公表された収支報告書には要旨よりも詳細な情報が記載されています。先ほど申し上げたように、ダウンロードすることも可能でございます。これを誰でも容易に閲覧、保存することができるようになったというところでございます。

 その上で、要旨の作成について復活させるべきという御意見でございます。仮に作成義務を復活した場合には、特に都道府県選管、総務省もそうですけれども、相当な事務負担がかかります。数多い政治団体から提出を受けた何千ページにも及ぶ収支報告書から、要旨作成のためにデータを抽出して紙の公報を作成するための事務的な負担が相当かかるというふうに伺っています。こうした現状の下では、やはり要旨の作成の復活については慎重に検討すべき課題と考えております。

○塩川委員 中北参考人は、自民党の公開強化法案について、一階部分、二階部分があって三階部分がある、仮にデジタル情報による提出が幅広い形で義務づけられ、データベースとして記録され、その上に公開強化法案みたいな三階建てがあるということになっている、そもそも論として公開期限の三年と今決まっているところをどうするのか、公開期限が無期限とかになってくれば要旨の問題がそもそも発生しないということも述べておられるわけで、参考人質疑で陳述された中北参考人の発言そのものを真摯に受け止めるときではないのか、このことを改めて求め、収支報告書はそのまま速やかに公開し公的に残すべきだ、要旨廃止の撤回、また収支報告書の保存、公開の延長こそが必要だということを申し上げておきます。

 次に、企業・団体献金禁止について、参考人質疑で小林節参考人は、企業において企業の利益につながらない金を出したら役員は背任になる、企業に損をさせたことになる、企業の利益に返ってくる献金をしたら、これは権力との取引で贈収賄になってしまう、やはり禁止すべきとしか言いようがないということや、企業献金というのは本質において買収であるから、もろ、露骨に公共の福祉に反することで、これは禁止されるべきと明快に陳述をされました。

 さらに、小林参考人は、金持ちか有力者が法人の金を持って権力を持っている側に献金し、結果的に大企業に有利な税制が行われている、本来一人一票のはずのものが、これでは昔の制限選挙と同じで歴史に逆行すると述べておられました。このような小林参考人の指摘に対してはどのようにお考えでしょうか。

○小泉(進)議員 そもそも、企業、団体が政党に寄附を行うことは憲法第二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められているものであります。また、参考人質疑において中北参考人からは、企業だって被災地に寄附することがあります、狭い利益だけでやっているわけではない、様々な広い利益で行動することも当然行っているわけでありますと述べられているとおり、企業は公益的な観点からの様々な活動も行っております。これを本質において買収、露骨に公共の福祉に反すると評価することは、企業やその構成員、従業員の皆様方の活動を不当におとしめるものだと思います。

 加えて、国民の選挙権との関係については、八幡製鉄所事件最高裁判決に照らせば、会社が納税の義務を有し自然人たる国民とひとしく国税等の負担に任ずるものである以上、企業、団体による寄附を禁止すべきではないと考えます。

 もちろん、贈収賄のようなことが行われることがあってはなりませんが、この点については既に刑法等で処罰規定が設けられており、企業、団体が法律で定められた量的、質的制限の範囲内で寄附をすること自体は何ら問題であるとは考えておりません。

○塩川委員 政治資金規正法の改正の歴史というのが、まさに企業・団体献金の問題を是正するという流れの中で行われてきている、そういう点では、対象者としての企業、団体からの献金を制限する問題もありますし、量的な制限もありますし、質的な制限も行ってきた。そういう中で今問われているのが、九〇年代の議論にあるような、政党支部を通じた抜け道の問題、またパーティー券を通じたという抜け道の問題、こういうところに来ているときに、この企業・団体献金の問題があるからこそ今そういう到達点に来ているという点で、まさに今こそ企業・団体献金の禁止が必要だということを申し上げているわけであります。

 自民党は今回の法案の趣旨説明において、我が党は、企業・団体献金が政治活動の自由の一環として国民の不断の監視と批判の下に行われるべきことに鑑み、禁止ではなく公開との考え方に基づき、その透明性、公開性を一層強化するとともに、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み、政治資金を拠出する者の意思が尊重されることが何よりも重要であると考えておりますと述べておられます。

 政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑みと述べていますが、この国民に企業、団体というのは含まれるんでしょうか。そうであれば、その理由は何なんでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 今委員の御指摘がありました、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑みというのは、政治資金規正法の第二条の基本理念のところですね。この法律は、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これを取ったものでございます。まさに政治資金規正法の理念、これに基づいて法案の趣旨説明とさせていただいたものでございます。

 憲法は政治活動の自由を保障しております。国民が自己の信念に基づいてその支持する政党その他の政治団体に政治資金を拠出することは、政治活動の自由の態様の一つとして位置づけられています。企業については、現代の経済社会において社会的な実態を有し、社会を構成する一個の主体として重要な活動を行っております。したがいまして、自然人たる国民と同様に、政治活動の自由、そして判例にもありますように政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由も有するものでございます。一方で、納税の義務も負っているところでございます。そうしたことから国民に含まれるものと考えております。

○塩川委員 引用されましたように、政治資金規正法二条の基本理念の部分であります。

 逐条解説、その該当部分には、国民が自己の信念に基づきその支持する政党その他の政治団体あるいは公職の候補者に対して政治献金をすることは本来自由であるべきものである、それは国民の立場からすれば国民の政治参加の一つであり国民の権利でもあると考えられるとあり、この条文はこのことを踏まえたものとしております。

 政治資金の拠出は国民の政治参加の一つの手段であって、参政権に結びついた国民の権利ということであります。国民の代表を選ぶ選挙権、投票権といった参政権は憲法十五条で国民固有の権利と述べているとおりであります。この憲法十五条の国民はいわゆる自然人を指しておって、その中にはいわゆる法人は含まれないというのが内閣法制局の答弁でもあります。企業は含まれておりません。

 ですから、石破総理を始め自民党は企業・団体献金の禁止が憲法二十一条に抵触すると言いますけれども、もちろん我々も、企業、団体が政治に関して発言するということはあり得ることであって、その表現の自由は認められるという立場であります。しかし、発言することと金を出すことは別物であって、営利を目的とする企業が個人をはるかに超える巨額の金の力で政治に影響を与え、自己の利益を図れば、政治が大企業、財界に向けたものになってしまうということは明らかじゃないでしょうか。

○長谷川(淳)議員 お答えをいたします。

 八幡製鉄の最高裁判決のことについて触れさせていただくことになると思いますけれども、憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は性質上可能な限り内国の法人にも適用される、会社は自然人たる国民と同様に国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである、その上で政治資金の寄附もまさにその自由の一環であるというふうに判示をしているところでございます。

 先ほど、参政権を侵害するということでございますけれども、これにつきましても、八幡製鉄の最高裁判決では、憲法上は公共の福祉に反しない限り会社といえども政治資金の寄附の自由を有すると言わざるを得ず、これをもって国民の参政権を侵害するとなす論旨は採用の限りでないというふうに判示されているところでございます。

○塩川委員 改めて、憲法十五条の立場は、国民固有の権利としての参政権、それを侵害するようなことを、まさに多額のお金を準備する参政権もない企業、団体が行うことが許されないということがまさに焦点となっているときですので、そういう立場での今の対策が必要だ。

 歴史的に見ても、こういった自民党と企業との癒着によって政治がゆがめられた事例というのは枚挙にいとまがないわけであって、経団連は一九九三年、リクルート事件を機に企業・団体献金のあっせんを中止しました。経団連は、企業献金については、公的助成や個人献金の定着を促進しつつ、一定期間の後、廃止を含めて見直すべき、経団連は来年以降そのあっせんを行わないとしたにもかかわらず、十年後の二〇〇三年に経団連は企業献金あっせんの復活を決定いたしました。いわゆる政策評価、政党通信簿と言われるもので、復活してからのこの二十年間で経団連の企業、団体から自民党の政治資金団体である国民政治協会には企業・団体献金額が四百八十八億円にも上るということです。

 そういった中で、今国会でも問題となっている高額療養費制度の見直しの問題を始めとした社会保障制度についての様々な提言を日本経団連は行っております。一九九六年の提言には高額療養費制度についての自己負担額の上限の引上げということが明記されておりますし、二〇〇五年には高額療養費の自己負担額引上げなどが議論として政府内で行われていることについて経団連としても引き続き問題に取り組んでいくとしておりますし、二〇一六年にも、政府で改革工程表を踏まえた検討が進められているとして、高額療養費全体について負担能力に応じた上限額へと速やかに見直すべきといった要求が出されています。

 昨年十一月の財政審の建議に高額療養費制度の見直しが盛り込まれましたが、これを受けて石破政権は予算案を閣議決定しました。その財政審の会長は誰かといえば、十倉経団連会長であります。

 こういったように、経団連の要望、その背景にある企業・団体献金が、高額療養費の自己負担額の引上げを始めとした社会保障の抑制、給付の削減、こういうことに結びついているんじゃないのか、こういうことが厳しく問われているんじゃないでしょうか。そのことについて、最後に。

○小泉(進)議員 今の議論、塩川先生から度々聞いていますけれども、特定の団体の要望に沿って自民党が政策を行う、そういったことは当たりません。

 私、以前も言っていますけれども、野党が一致して夫婦別姓を求めてきている政策を経団連は同じ立場で、自民党の中で割れている問題は経団連と違うじゃないですか。必ずしも、一つの政策で合意するところがあっても、全体を見ればそんなこともありませんし、例えば日本の自動車メーカーの中で自民党に献金をしていただいているメーカーがあれば、そのメーカーの労組は、我々に企業が献金している以上に労働組合が献金しているという実態があって、だから自動車産業が発展したというのは、そんなわけはないですよね、これは民間の力ですよね。なので、そういったことは当たらないというふうに考えております。

○塩川委員 四百八十八億円の二十年の献金の間に法人税の減税、消費税の増税という要望に応えたというのは歴史の事実でありますので、こういうことがそもそも問われる、企業・団体献金の禁止が必要だと申し上げて、質問を終わります。

越谷市で「春をよぶつどい」

 下水道事故で越谷市民も大きな影響。

 党国会議員団は、国の財政支援を要求。

 予備費活用で復旧工事費の半分を国が負担することに。

 耐用年数50年と言っていたのに、陥没事故は40年がピーク。

 伊藤岳参議院議員の追及を受け、全国の大口径下水道管の調査は30年以上を対象に。