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秘密保護法拡大法案(重要経済安保情報法案)の参考人質疑が行われました。同法案は、国民には何が秘密かも知らされず、政府が勝手に秘密に指定し、秘密に触れれば厳罰を科す秘密保護法の「秘密の範囲」を経済分野に拡大するものです。
秘密を扱う人が民間労働者、技術者、研究者などへ飛躍的に広がり、重大な人権侵害を引き起こすと危惧されます。
参考人の三宅弘弁護士は「同法案における重要経済安保情報は、秘密保護法における特定秘密との区別が曖昧だ」と指摘。「5年以下の拘禁刑または罰金で処罰するのは、罪刑法定主義の観点から問題がある」と述べました。また、秘密情報を扱う適性評価の対象は「数十万人に上るのではないか」と述べました。
齋藤裕日弁連副会長は、米国では強制的秘密解除という、市民が秘密の解除を求めるシステムがあるとし、「日本は米国に比べて秘密が拡大しやすく、市民の知る権利が制限されかねない」と強調。同法案は、秘密保護法のように別表で具体的に秘密とされている類型が規定されていないとし、罪刑法定主義の観点から「処罰範囲は国会が決めるべきで、市民がその行動について予測可能性を持つことができるように明確であるべきだ」と主張しました。
私は、政府が、秘密保護法拡大法案によって経済分野まで拡大される秘密の範囲に合わせて、これまで4分野に限定されていた特定秘密の範囲も経済分野まで広げようとしていると指摘し、「政府の裁量で勝手に秘密の範囲を広げ、法律によらず罰則の対象を広げるのではないか」と質問しました。
斎藤氏は「秘密保護法の対象はこれまで「国民の生命・身体が害される」場合とされてきたが、「国民の生活・経済が害される」場合まで拡大しようというものだ」と批判しました。
私は、次期戦闘機の共同開発国である英国やイタリアとの関係について「今回の法案は多国間の共同開発の障害を取り除くものとなっているのか」と質問。
政府の有識者会議の座長を務めた渡部俊也東大未来ビジョン研究センター教授は「他の国のことはよくわからない」と述べるに留まりました。
「議事録」
第213回通常国会 令和6年3月28日(木曜日) 内閣委員会 第6号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
今日は、皆様、貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。
最初に、齋藤参考人と三宅参考人にお尋ねをいたします。
今回の法案は、特定秘密保護法を拡大をする、スキーム的にはそういう中身となってまいります。その際に、秘密保護法の方ですけれども、今回、秘密保護法については、特定秘密の範囲を、法改正をせずに運用基準の見直しで拡大しようとしております。政府の裁量で勝手に秘密の範囲を広げることになるのではないのか、法律によらず罰則の対象を広げるものでもあり、こういったやり方についてはどのようにお考えか、お答えいただければと思います。
○齋藤参考人 ありがとうございます。
そもそも、秘密保護法と今回の法案ですけれども、もちろん対象が違うんですけれども、安全保障という概念が両方使われている、同じ言葉が使われているんですが、その言葉の意味が実質的には違うというふうに思っています。安全保障の概念の中に、国民の安全という言葉が両方とも含まれているんですね。これも概念が違うと思っています。
特定秘密保護法の国民の安全というのは、注釈とかあるいは別表とかを見ますと、国民の生命や身体が害される場合をいうというふうに多分解されると思うんですね。今回の法案について言うと、重要基盤とかの関係で国民の生活や経済が害される場合が含まれていて、それが漏れた場合に安全保障が害されるという形になるので、多分、安全保障という概念の中には、国民の生命身体が害される場合だけじゃなくて国民生活、経済が害される場合も含まれるわけです。
その上で、今回の法案でいうと、例えば半導体のサプライチェーンみたいなものは多分対象になるんだろうと思うんですけれども、大臣の答弁とかを聞いていると、じゃ、そういうものの保護の必要性が高い、コンフィデンシャル級じゃなくてシークレット級、トップシークレット級のものは恐らく秘密保護法で保護されるんだろうというようなことをおっしゃられているんですよね。そうだとすると、国民生活や経済には影響するけれども国民の生命身体には直接影響しないような情報を秘密保護法で対処しようとしているんだろうと思うんです、政府の方は。
先ほども申しましたけれども、秘密保護法というのは、恐らく国民の生命身体を害するような事態を対象としていて、国民経済や国民生活だけを害するようなものは多分対象としていない。ところが、どうもそこに、秘密保護法の解釈の中に、生命身体には影響しないけれども経済、国民生活に影響するようなものも含ませようとしているように見えますので、そうしますと、立法のときの経過や文言からして明らかに想定されていなかったものをそこに含ませようとしているということだと思いますので、罪刑法定主義の観点から非常に問題だろうというふうに思っております。
ありがとうございます。
○三宅参考人 先ほど御質問の御説明の中に、特定秘密法の拡大のスキームだという御説明がありましたが、私の資料の中でも二ページのところで、特定秘密というのは別表に掲げる事項に関する情報という、まず別表の限定がございますが、重要経済安保情報にはそれがない。それから、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障という、その著しい支障のところが、特定秘密の場合には要件とありますが、今回の場合はないということで、トップシークレット級、シークレット級と、コンフィデンシャルを分けて、二分しているという説明にはなっておるわけでございますけれども、残念ながら、別表の中の適用のところの見直し、審議というようなことがまだ尽くされていないのではないかなと思います、この十年。だからこそ、省庁で十四しかない、特定秘密法の対象となっているものを扱っている省庁。
それは、特に特定秘密指定ということを、枠を決めてもそこに対象情報がないような場合はその枠を外せということを特定秘密保護法における審議の過程で国会で議論されたものですから、いろいろな省庁で特定秘密という箱をつくってもそこに入れる情報がない、そんな特定秘密の箱は要らないじゃないかということが審査されて、対象になる府省庁が少ないわけでございます。
本来は、今日お話しになったところの刑罰法規の問題は、別表である程度書いて構成要件を整備して、それで刑罰法規が適用対象になるということになると、特定秘密保護法の見直しというようなことをちゃんと実績を踏まえてするということがないと、この法律との兼ね合いが不明確になってくる。
なおかつ、重要経済安保情報の定義自体が、先ほど齋藤参考人がお話しになったように、国民の生命身体というよりは、国民生活というのは経済情報ですから、そこまで広げると、かえって今度は刑罰法規というところの構成要件がやはり曖昧になるので、特定秘密保護法の場合は別表で掲げるということで辛うじて構成要件が、罪刑法定主義の観点から刑罰法規としてオーケーだとしても、今回のものは別表がないものですから、運用基準で広がって、それが最高刑五年の拘禁刑になってしまう、そういう問題があるので。立法を進める方からいえば痛しかゆしの問題だろうと思いますが、我々からいえば、刑法学者とかのお話を聞くと、とても刑罰法規として堪えられるようなものではないというところになっておりますので、特定秘密保護法から見直していただくところを初めからやり直してもらう方がベターだと。
必要性のところは、刑罰法規とかかわらず、ガイドラインで、刑罰法規のないもので作っていただいてもいいような、お話を今日お聞きして、特に大事だというようなことからは、思うように、今の段階では考えているところでございます。
○塩川委員 ありがとうございます。
次に、渡部参考人にお尋ねいたします。
先ほど冒頭の陳述の際に、齋藤参考人が、コンフィデンシャルの扱いについて、イギリスやフランスでは廃止をしている、アメリカでもISOOが廃止を勧告をする、同盟国、同志国でコンフィデンシャル廃止の動きがある中で今回の法案を作ることへの疑問を呈されたところでありますが、この点については渡部参考人はどのようにお考えでしょうか。
○渡部参考人 実態として今アメリカでどれぐらいコンフィデンシャルが使われているかという統計等はちょっと把握はしていないんですけれども、アメリカで、私の、ハーバードでクリアランスホルダーを持っている人をよく知っているんですけれども、よくブリーフィングやなんかでやっているものに関してはコンフィデンシャル級のものが含まれているということを聞いております。
詳しくその辺どういう動向になっているかということを踏まえては必要だとは思いますが、一方、これは我が国の制度ですから、我が国として、例えば今経済産業省は特定秘密はないわけですけれども、コンフィデンシャル級の技術的な情報があるという前提でこれを運用するというふうに理解をしております。
○塩川委員 ありがとうございます。
その点について、どうでしょうか、齋藤参考人の方で何か補足することとかございますか。
○齋藤参考人 ありがとうございます。
先ほども申し上げたんですけれども、コンフィデンシャルで指定された秘密というのは、過去には指定されておりますし、そういう判こを押しているわけですから、急にコンフィデンシャルというものがぱっと消えるわけではないわけです。
ただ、扱いとしては、やはり、コンフィデンシャルというものを廃止して、ほかのトップシークレット、シークレットの二段階の中でやっていくという方向には間違いなく動いているし、ISOOもそういうふうに勧告しているわけです。
アメリカの情報を特に入手したいということで制度をつくるのであれば、そして、アメリカのISOOは、イギリスのようなアライアンスを組んでいる国がコンフィデンシャルを廃止しているからアメリカも廃止しなきゃ駄目だよというふうにまさに勧告しているわけですから、ほかの国から情報を取りたいということであれば、やはり日本の秘密制度というのもほかの国に合わせていかないといけない。
そうであれば、やはりトップシークレット、シークレットという二段階の秘密区分に合わせた法制を作らなければならないのであって、日本だけガラパゴス的にコンフィデンシャル級の法律を作るというのは、私は非常に、何というか、成果がないだろうというふうに思っております。
ありがとうございます。
○塩川委員 ありがとうございます。
渡部参考人にお尋ねいたします。
セキュリティークリアランスについての今回の情報保全体制の必要性について、ちょっと個別の案件ですけれども、今回の法案の意義の一つとして同盟国、同志国との協力関係を強化するものを強調しているわけですが、昨年六月に政府がまとめた宇宙安全保障構想、この中では、同盟国、同志国との各種衛星データの互換性の確保や相互運用性の確保が必要であり、そのためにセキュリティークリアランスを含む情報保全体制が必要だと指摘をしております。
現状は何が足りないとしているのか、その上で、今回の法案はこのような要請に対応するものとなっているのか、その点について教えていただけないでしょうか。
○渡部参考人 宇宙関係につきましてはニーズがあるということは承知しております。
現在、宇宙関係、特にスタートアップに日本はかなり力を入れようとしているときに、必ずそこでアメリカとの関係が問題になる。そこの中で、実態的に今の三階級のどこが問題になるのかということはちょっと把握はしておりません。その点については、今後もアメリカとのやり取りを、これはつくってから説明をするでしょうから、その中で処理をしていくということかと思っております。
○塩川委員 これは、コンフィデンシャル級だけで対応するようなスキームというのがあるということなんでしょうか。要するに、トップシークレット、シークレットはかかわらず、コンフィデンシャルにおいて、相互の秘密の情報の共有をするような、そういう共同開発とかいうのがあるというのが想定されているということなんでしょうか。
○渡部参考人 共同開発をどういう形でやっていくのかということについては承知をしておりません。
今、トップシークレット、シークレットに関しては特定秘密があって、それで、報告書に関しては、仮に別にする場合はシームレスな制度にするという表現になっています。その中でどれぐらいのことができるかということになるかと思います。
○塩川委員 重ねて渡部参考人に伺います。
有識者会議の議論の中で、第八回のときに、同盟国、同志国との情報保全の仕組みについて、「先ほど他の委員から「合わせ技」で信頼を得ればよいのではないかという話があった点に関し、おそらくアメリカに対してはそれなりの相互のやり取りがあるため、ある種の相場観があると思うが、今後の経済安全保障上の重要機微情報に関しては、アメリカだけではいけないのではないか。例えば、防衛の特定秘密保護法の話になるかとは思うが、GCAPのようなイギリス・イタリアといった国々との関係や、将来的にはAUKUSでのいわゆる新興技術を含めた技術協力だとか、そういったことに広がりが出てくることを考えると、日米間特有の理解が他国に共有されるかどうかということは考えておくべきだと思う。」と。
アメリカとの間では、いろいろ、この間、積み重ねもずっとある。しかし、イギリスとかイタリアとかオーストラリアの場合では違うんじゃないのかと。そういった場合に、現行、アメリカとの関係と、それ以外のイギリス、イタリア、オーストラリアのような国々との間には、クリアランスの対応が異なっているものなんでしょうか。今回の法案は、このような多国間の共同開発の障害を除くものとなっているということなんでしょうか。
○渡部参考人 御質問ありがとうございます。
この手の制度は、例えば特許非公開の制度をつくったときに、これは当然アメリカも、いろいろな国にあるわけでございますが、じゃ、どういう運用をしていてどういう形でそれは連携していけるのかということについては、制度がないとまず話をできないという状態でございました。
そういう意味で、先ほど申しましたように、アメリカと比べると少し変わった形の制度をつくったわけですけれども、今まさにそういうコミュニケーションが取れる状態にはなってきたというふうに理解をしています。
今回の場合も、先ほど申しましたけれども、ほぼ、ほかのG7の各国で制度を持っているわけでありますが、日本にはない。前提として、民間に広く提供されるような形では制度を持っていないわけですから。それを今回、初めてつくる。先ほど申しましたように、制度をつくればすぐシステムが機能するというものではないと考えています。逆に言うと、一遍に大量に、例えばアメリカは四百万人ですけれども、拡大するということは現実的にはできないし、あり得ないと考えています。
そういう意味で、ステップを踏んで、今のようなことが現実にどういうふうにできるのかということを検討していくということが現実的だと思います。
ほかの国についてはもっとよく分かりません、残念ながら。
○塩川委員 終わります。ありがとうございました。
「秘密の範囲」を秘密保護法の「防衛・外交・スパイ活動・テロ活動」の4分野から経済分野に拡大する秘密保護法拡大法案(重要経済安保情報法案)の質疑に立ち、「秘密の範囲」が政府の恣意的判断で拡大する危険性を追求しました。
秘密保護法の運用見直し
岸田文雄首相は「新制度が我が国の既存の情報保全制度とシームレスに運用されるよう、特定秘密保護法の運用基準の見直しの検討を含め、必要な措置を講じること」を指示しています。
私は「秘密保護法の範囲を改正せずに、運用見直しで拡大するものだ」と批判。10年前の秘密保護法の審議の際に、特定秘密の4分野に「経済安保が含まれる」との政府の答弁はあったのかと質問。
内閣官房は「政府としては行っていない」と答えました。
私は、内閣官房作成の秘密保護法の逐条解説では、「本法の別表は、その裁量の幅を狭めるために、類型的に秘匿の必要性が高いと認められる事項を限定列挙したものである」と説明していると指摘。さらに、当時の森まさこ秘密保護法担当大臣が「特定秘密に指定される範囲は必要最小限に限定されなければならないことは当然のこと」と述べていることも挙げ、「運用基準の見直しで経済安保分野を特定秘密に指定するのは、法律によらず罰則の対象を広げるものになるのではないか」と追及しました。
高市早苗経済安保担当大臣は、「秘密保護法の改正は行わないので、特定秘密の範囲は広がらない」と強弁。
私は「実際に運用の見直しを行うと言っているではないか。まさに何が秘密かも秘密という秘密保護法の危険性をはっきりと示すものだ」と強調しました。
秘密の範囲拡大
同法案では、重要インフラと重要な物資のサプライチェーン(重要経済基盤)の保護に関わって、漏洩すれば日本の安全保障に「支障」を与える恐れがあるため、特に必要なものを「重要経済安保情報」に指定します。さらに、秘密を扱う人に対し「セキュリティークリアランス(適性評価)制度として身辺調査を行い、政治的思想や病歴、借金などの個人情報を調べます。
私は重要経済基盤は、2022年に成立した経済安保推進法の基幹インフラ(電気、ガス、水道、運送、通信など14分野)より広い概念であることを確認。基幹インフラの事業者などから事業に関する情報を国に提出させる仕組みがあると指摘し、「こうした情報も秘密指定の対象となりうるのか」と質問。
内閣官房は「多数の民間事業者から提出された情報を政府側で集約、分析するなどして作成した重要経済安保情報として指定することは考えられる」と答弁。
私は、秘密指定された情報について、民間事業者は「適合事業者」(適性評価を受けた事業者)にならないと情報が受け取れないと指摘。「民間事業者に適合事業者となることを迫るスキームだと言わざるを得ない」「民間事業者の営業の自由や従業者のプライバシーの侵害などが強く危惧される」と批判しました。
さらに私は、政府が重要経済安保情報について「政府が保有する情報に限る」と説明しているが、条文には規定がないと指摘。米国の大統領令第13526号では、民間事業者が指定を要する秘密を知ったときに関係職員に通報することが規定されていると紹介し、「同様のことを日本でも行うのではないか」と追及しました。
内閣官房は「ご指摘のようなことは法定されていない」と答弁。
私は「『政府保有の情報に限り』と条文上規定しないのは、民間保有の情報も指定し得る余地を残すためではないかという懸念もある。非常に曖昧なまま秘密の範囲を広げるのは許されないと批判しました。
「議事録」
第213回通常国会 令和6年3月27日(水曜日) 内閣委員会 第5号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
重要経済安保情報保護活用法案、すなわち秘密保護法拡大法案について質問をいたします。
岸田総理は、新制度が我が国の既存の情報保全制度とシームレスに運用されるよう、特定秘密保護法の運用基準の見直しの検討を含め、必要な措置を講じることを指示しております。経済安保分野の秘密について、秘密保護法の特定秘密の範囲を、法改正せずに運用基準の見直しで拡大するというものであります。
お尋ねしますが、特定秘密において、経済安保分野の重要経済基盤保護情報に相当するものを指定したことというのはなかったと午前中の答弁でもありましたが、そのとおりでしょうか。
○岡政府参考人 お答えいたします。
まず、経済安全保障政策で中心的な役割を果たします内閣府それから経済産業省におきましては、これまで経済安全保障に関する特定秘密を指定した例はございません。これがまず第一です。
次に、その他の行政機関につきましても、私どもが許される範囲で確認をいたしましたが、指定された特定秘密の概要に、経済安全保障やサプライチェーン、それから重要インフラ、その他これらに類する関連の文言が用いられている例はございませんでした。この限りにおいて、重要経済基盤の保護に関する情報を直接的に特定秘密に指定した例はないというふうに申し上げられます。
ただ、一方で、例えば、内閣情報調査室が外国の政府等と行う安全保障に関する協力業務を通じて提供された情報といった情報が特定秘密にまた指定されております。これによりまして、例えば、我が国の先端技術を狙ったスパイ活動やサイバー攻撃の重要情報が友好国からシークレットの保全表記がなされた文書でもたらされた場合には、当該文書を特定秘密文書として厳重に管理しております。
いずれにしましても、新法の重要経済基盤保護情報への該当、非該当は、新法の運用基準がまだ策定されておらず、個別具体の当てはめを判断できない現段階において、確定的なお答えをすることは困難でありますが、関連する特定秘密保護法の運用状況は以上のとおりでございます。
○塩川委員 過去指定したものはないという答弁です。
十年前の秘密保護法審議の際に、特定秘密の四分野に経済安保が入っている、そういう政府の答弁というのはあるんですか。
○岡政府参考人 お答えいたします。
特定秘密保護法の法案審議の際には、経済安全保障という言葉、表現を用いた答弁は、政府としては行っておりません。
他方で、当時の法案審議におきましては、例えば、防衛装備品の開発における民生技術の活用や、エネルギーに係る安全保障、食料に係る安全保障などにつきまして様々な議論がなされていたものと承知をしております。
○塩川委員 議論がないということであります。
内閣官房作成の逐条解説では、本法の別表は、その裁量の幅を狭めるために、類型的に秘匿の必要性が高いと認められる事項を限定列挙したものと説明しておりますけれども、限定列挙、裁量の幅を狭める、そうですね。
○岡政府参考人 お答えします。
御指摘の記載は特定秘密保護法の別表について解説したものでございまして、その意味するところは、特定秘密に指定できる範囲を別表に列挙された事項に限定することによりまして、指定対象を明確化するとともに、行政機関による恣意的な指定を防止する趣旨であることを示したものでございます。
○塩川委員 裁量の幅を狭めるとうたっているところであります。
十年前の秘密保護法審議の際に、当時森大臣は、特定秘密に指定される範囲は必要最小限に限定されなければならぬことは当然のことと述べていたわけであります。今回、それを運用で広げるという話ですから、この秘密保護法の議論のときと大きく変わる、そういった今回の中身となっているということで、大臣にお尋ねいたします。
今回、法改正でなく運用基準の見直しで経済安保分野を特定秘密に指定しようというのは、結果として、法律によらず罰則の対象を広げるものになるのではありませんか。こういうことは認めることができないと思いますが、いかがですか。
○高市国務大臣 今回、特定秘密保護法の改正は行いませんので、特定秘密の範囲が拡大されることはございません。
特定秘密保護法の運用基準の見直しにつきましては、経済安全保障に関する個々の重要情報について、特定秘密に該当するかどうかを各行政機関が的確に判断できるよう、現行の運用基準について、法の別表に定める範囲内で、より明確にすべき箇所や補足すべき箇所がないかを検討するものでございますので、何も行政の裁量で特定秘密の範囲を拡大するようなことではございません。
○塩川委員 でも、実際、運用の見直しでやると言っているわけですから、秘密保護法の特定秘密の範囲を、法改正をせずに運用の見直しで拡大するということになれば、政府の裁量で勝手に秘密の範囲を広げると言われても仕方がない。まさに、何が秘密かも秘密という、秘密保護法の危険性をはっきりと示すものではありませんか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
ただいま大臣の方から答弁させていただいたとおり、今回、特定秘密保護法、そしてその範囲を定めるものとして別表があるわけでございますけれども、それを改正するわけではございませんので、運用基準につきましては、あくまでも法の授権の範囲での検討ということだと認識しております。
○塩川委員 法律によらず罰則の範囲を広げるという点では罪刑法定主義にも反する重大な問題だ、こういった秘密保護法はそもそも廃止しかないということを申し上げておきます。
次に、重要経済安保情報の範囲についてお尋ねいたします。
重要経済安保情報指定の三要件は、重要経済基盤保護情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもののうち、特別防衛秘密、特定秘密は除くということです。その重要経済基盤保護情報とは、我が国にとって重要なインフラと重要な物資のサプライチェーンの二つを重要経済基盤と定義をしております。
そこで、この重要経済基盤ですけれども、重要経済基盤である我が国にとって重要なインフラとは何なのか、また重要な物資のサプライチェーンとは何なのか、このことについて説明してください。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
本法案では、今委員の方から御紹介ございましたが、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為が及び得る対象範囲として、我が国の国民生活や経済活動を支える重要なインフラと、我が国の国民生活や経済活動が依拠する重要物資のサプライチェーンを重要経済基盤と定義をしているところでございます。
具体的には、本法案第二条第三項におきまして、インフラにつきましては、我が国の国民生活又は経済活動の基盤となる公共的な役務であってその安定的な提供に支障が生じた場合に我が国及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものの提供体制、サプライチェーンにつきましては、国民の生存に必要不可欠な又は広く我が国の国民生活若しくは経済活動が依拠し、若しくは依拠することが見込まれる重要な物資、これはプログラムも含みますけれども、その供給網と定義しております。
○塩川委員 重要経済基盤は、経済安保推進法にあります基幹インフラ十四分野、プラス今回の港湾、この経済安保推進法で挙げている基幹インフラよりも広い概念ということでよろしいですか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
本法案における重要経済基盤のうち、いわゆる重要インフラにつきましてはただいま答弁させていただいたとおりでございます。
一方、経済安保推進法の基幹インフラ制度の対象となるインフラ、すなわち特定社会基盤事業者につきましては、国民生活及び経済活動の基盤となる役務であって、その安定的な供給に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものということとしておりまして、この点については本法案と共通しておりますけれども、実際には、この制度においては、特定重要設備の導入計画等の届出義務を課すという観点から更に法律の中で対象を絞り込んでおりまして、そのような事業の中で一定の事業を政令で定め、その事業を行う事業者を、省令において設備を特定することによって制度を運用しておりまして、最終的には、主務省令で定める基準に該当する事業者を、先ほど申し上げました義務の対象として絞り込んでいるところでございます。
○塩川委員 絞り込んでいるということですから、基幹インフラよりも重要経済基盤の概念の方が広いということになります。
そこで、政府は、多数の民間事業者から提供された情報を政府の側で集約、分析するなどして作成した情報については、重要経済安保情報として指定することは考えられると答弁をしています。
そこで、経済安保推進法に基づき多数の民間事業者から提供された、民間事業者による供給確保計画及び重要設備の導入、維持管理等の委託に関する計画書の情報を政府の側で集約、分析して作成した情報は、重要経済安保情報として指定するということはあり得るんでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
重要経済安保情報として指定することとなりますのは、先ほど来、三つの要件がございますけれども、重要経済基盤保護情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿する必要があるものというものでございます。
お尋ねの、経済安全保障推進法の下で民間事業者から申請されることになります特定重要物資の供給確保計画、あるいは基幹インフラ制度の中で提出されます特定重要設備の導入等計画が、そのまま本法案の重要経済安保情報の要件に該当するとは私ども考えにくいというふうに考えております。
他方で、御指摘の計画などに限らず、政府が、多数の民間事業者から提供されたインフラやサプライチェーンに関する様々な情報を政府の側で集約し分析することなどによりまして、重要経済基盤の重大な脆弱性に関する情報や、これを解消し、重要経済基盤を保護するために政府が取るべき措置等に関する資料を作成した場合には、その内容が先ほど申し上げた三つの要件に該当する可能性もあり得るというふうに考えております。
○塩川委員 もう一回確認ですけれども、経済安保推進法で二つの計画があります、二つの計画について政府の側で集約、分析するなどして作成した情報については、三つの要件に当たれば重要経済安保情報として指定することはあり得るということですね。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
サプライチェーンの関連で提出されます供給確保計画につきましては、この法律の中で支援対象としております設備投資の計画であったり、あるいは備蓄の計画だったりというような内容でございます。
他方で、インフラ制度の中で提出される導入等計画というのは、このインフラを運営するに当たって非常に重要な設備について、あるいはそれを構成する設備について、どのようなスケジュールでどのようなサプライヤーから調達をするのかといったような導入に関する計画でございまして、その一つ一つが、もちろん、元々、民間が承知している、あるいは民間のサプライチェーンの中で様々な事業者が承知している情報ですので、それがそのまま直ちにこの重要経済安保情報の要件を満たすものとは考えておりません。
○塩川委員 いや、答えていないんですけれども。
個々の事業者が出した計画が重要経済安保情報に指定されるかと聞いているんじゃなくて、そもそも、政府が言っているように、政府の側で集約、分析するなどして作成した情報について言っているんです。その場合の集約、分析する対象となる計画として、経済安保推進法による二つの計画を集約、分析して作成した情報というのは重要経済安保情報に指定し得るのか。そこをもう一回。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
今申し上げました様々なデータを収集をして、それを政府の側で、様々な分析手法や、あるいは政府として独自に収集した情報、データも加味して、そして最終的に作成をいたしました、先ほど申し上げました脆弱性に関する情報やそれを解消するための政府の措置につきましては、重要経済安保情報として指定することもあり得るというふうに考えております。
○塩川委員 否定しませんでしたので、そういう意味では、民間事業者が経済安保推進法に基づいて出した計画をベースに集約、分析したものが重要経済安保情報の指定の対象となり得るということであります。
そういうときに、民間事業者が提供した情報を基に政府が作成した重要経済安保情報について、その民間事業者は、適合事業者にならないとその重要経済安保情報は受け取れないということですね。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
御指摘の重要経済安保情報を受け取ることができる事業者と申しますのは、今、提供した事業者という御指摘があったわけですが、それも含めまして、この法律の十条一項により提供を受ける場合でございまして、それは、適合事業者の認定を受け、さらに政府との間で、あるいは関係する行政機関との間で契約を結んだ上で提供を受けるということになります。
○塩川委員 経済安保推進法で計画を出しました、こういうところが弱点です、政府の方が集約、分析をしたものが重要経済安保情報になりますといったときに、当然、事業者側にその穴を埋めてくださいねという話というのは出てくるわけですよ。そうなりますと、政府は民間事業者に、秘密保持契約を結ぶ適合事業者になることを求めることになるんじゃないでしょうか。そこはどうですか。
○飯田政府参考人 今御指摘のございました経済安保推進法の計画でございますけれども、これはあくまでも民間事業者の御判断により策定された計画でございますので、それを、私ども、申請を受けて、審査をして認定をするというわけでございますが、そのプロセスの中で、相手先であります企業に対して重要経済安保情報を一律に提供するということは想定しておりませんし、そのために先方の事業者に適合事業者となるということを求めるものではございません。
○塩川委員 でも、こういうインフラやサプライチェーンで、ここが弱点です、脆弱性です、こういうところをきちっとカバーしてくださいというアドバイスというのはされるわけですよね。その一つとして、穴を埋めるためにはこの重要経済安保情報が必要です、適合事業者になってください、そういうことは言わないということですか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
経済安保推進法におきましては、まず、安定供給に支障を生ずるおそれがある物資を特定重要物資として指定をいたします。その上で、取組方針というものを定めまして、こういった取組に貢献するということであれば、その計画を申請していた企業に対して財政的な支援も含めて支援をするという制度でございます。
したがいまして、この計画認定のプロセスにおいて適合事業者であるということは必ずしも関係がございませんし、むしろ、事業者が提出してきた計画の内容そのものが、私ども政府の側でそれぞれの物資所管官庁が示した取組方針に合致しているかどうかを審査をするということでございますので、その点において、重要経済安保情報に指定されている情報をお渡しするということは必ずしも想定しているものではございません。
○塩川委員 ただ、政府の説明として、多数の民間事業者から提供された情報を政府の側で集約、分析するなどして作成した情報については、重要経済安保情報として指定することが考えられるということですから、経済安保推進法に別に限らなくてもいいわけですよ。多数の事業者からいろいろな情報が寄せられました、それを分析しました、これは重要経済安保情報に指定し得るよねと。
そういった場合に、そういった元々の計画なり情報を出してきた事業者に対して、やはり問題点があればアドバイスをするということはやるんですよね。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
本法案の規定にございますとおり、先ほど申し上げました重要経済基盤の脆弱性の解消を含めた安全保障の確保に資する活動のために必要である場合にあって、その活動にまさに従事する民間事業者、こちらに重要経済安保情報を提供することでその事業活動などを推進していく、あるいは促していくということがございます。その場合においては、まさに適合事業者に該当するかどうか、政令で定められた基準を満たしているかどうかを認定した上で、さらにその上で契約を結んで、その事業者に対して重要経済安保情報を提供することがあるということでございます。
○塩川委員 やはり、政府として重要経済安保情報をつくりましたといったものを有効に利用してもらうとしたら、適合事業者になってくださいということを求める、迫るというスキームにならざるを得ないという点でいっても、民間事業者に対して、これはちゃんと管理するためにクリアランスを受けてくれということを迫るようなスキームになってくると言わざるを得ません。
あと、重要経済基盤の範囲についてですけれども、例えば医療分野というのは重要経済基盤には入り得るんでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
医療基盤と言われるものが何を指しているかについては様々な御見解があろうかというふうに思いますけれども、医療につきましては、我が国の国民生活又は経済活動の基盤となる公共的な役務であってその安定的な提供に支障が生じた場合に我が国及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものに該当する可能性があるものもあるというふうに考えております。
○塩川委員 該当するものもあるということです。
厚生労働省は、二〇二四年度には、オンライン資格確認システムを基盤に構築する電子カルテ情報共有サービスについて、標準規格に準拠した電子カルテを使用する医療機関等から接続を順次開始するとのことであります。
医療DXに係るセキュリティー対策に関わって、医療分野が重要インフラの対象となるのではないのか。そうなると、医療機関が重要経済安保情報を取り扱う適合事業者になり得るのか。この点はどうでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えをいたします。
先ほど来申しております一般論と同様でございまして、重要経済基盤に関する脆弱性、あるいはその脆弱性を解消するための活動に関連して、民間の事業者と情報を共有するということは想定しております。
ただし、一つだけ補足させていただきますと、民間とのやり取り、それは全て重要経済安保情報だけでは当然なくて、そういったものに指定されていない情報も含めて、私ども、関係事業者と情報交換を進め、そしてその事業活動を促していきたいというふうに考えております。
○塩川委員 インフラやサプライチェーンの維持に必要な秘密情報の保全対策として、民間事業者に適合事業者となることを迫るものになるのではないのか、民間事業者の営業の自由や従業者のプライバシーの侵害などが強く危惧されるものだということを申し上げておきます。
次に、午前中の質疑でもありましたけれども、政府は、重要経済安保情報について、政府が保有する情報に限ると説明しておりますが、条文上どこに規定しているのかという質問に対して、条文にはないと答弁しておりましたが、それでよろしいでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
午前中の質疑でも答弁がございましたけれども、重要経済安保情報は、行政機関の長が三つの要件に該当するかどうかということを所掌事務に係る専門的知見から判断をして指定するということになるわけでございますけれども、この三つの要件に該当するか否かは、当然その情報が手元になければ判断のしようがないという意味で、政府が当然のことながら保有している情報を吟味した上で指定の要否を判断をするという意味で、政府保有ということで御説明をしたところでございます。
その中に、仮に元々民間が保有していた情報があったとしても、元々民間が保有している情報でございますので、これにはこの法律の規律は及ばないということも併せて御説明させていただいた上で、そのような観点から、そういったものをすべからく指定するようなことは基本的には考えていないということで答弁差し上げたところでございます。
○塩川委員 午前中の答弁の中で、政府保有とした場合に、元々の保有者もいる、条文ではなく、政府の方針として表明することで足りるのではないかという説明をしていたんですが、政府保有とした場合に、元々の保有者もいるというのは、これは何を言っていたんですか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
先ほど塩川委員の方から御指摘がございました推進法の関連で、民間から提供された情報についての言及がございました。
そういったものを分析、あるいは収集して分析した上で、重要経済安保情報に指定することがあるということを申し上げたわけでございますけれども、私自身がまず申し上げましたのは、政府の手元にある情報の中にはこうした民間が提供した情報もあるということでございますし、そういったものをそのまま指定するということは基本的には考えてございませんが、論理的には指定はできますけれども、その場合であっても、この法案の条文の罰則の条項などを見ていただきますと、全て、罰則等の規律が発生をいたしますのは、行政機関の長から、適合事業者を介して、適性評価を受けられて漏えいのおそれがないと認められた方に情報が提供された場合に限って罰則などが適用するという規定になっておりまして、全て、行政機関を起点として、行政機関から提供された情報について規律が発生するということで御説明をしております。
○塩川委員 先ほどの説明では、十条二項で、政府が現に保有していない情報もあるのでと言ったんですけれども、それもそういうことなんですか。
○飯田政府参考人 十条二項の規定につきましては、これは、そもそも政府が保有する情報の概念の中の一つとして、十条二項で特別な規定を設けているものでございます。
これにつきましても、まさに政府が、まずは指定をしなければなりませんが、重要経済安保情報の三要件に該当するかどうか、これを判断するのはあくまでも行政機関の側でございまして、これを現時点で保有せずとも、行政機関が先方との同意の上で行わせることとなる調査研究の結果生成した情報については、政府保有の情報として指定をし、また、その指定に伴う規律を、それを取り扱う民間事業者の方にもその規律を適用するということでございまして、あくまでも政府保有の情報の一類型として御紹介をしております。
○塩川委員 であれば、政府保有と書くのでいいんじゃないですか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のような考え方もあろうかと思いますけれども、私どもとしては、この条文の規定によりまして御指摘の趣旨については手当てできるというふうに考えまして、このような条文とさせていただいております。
○塩川委員 何だか大分いいかげんな話になってまいりましたけれども。
秘密保護法の運用基準には、「行政機関又は都道府県警察の職員は、特定秘密に指定すべきと考えられる情報を知ったときには、直ちに当該情報が特定秘密に指定されるよう関係職員に通報するなどの措置を講ずるものとする。」とあります。特定秘密を指定する権限を持たない者がその指定を要する情報を知ったときに講ずる措置を規定をしております。これは特定秘密保護法の運用基準ですけれども、今回、民間分野に大きく秘密指定の範囲を広げることになります。
その際に、アメリカがどうなっているのか。米国の大統領令の一三五二六には、これは機密を扱う大統領令ですけれども、民間事業者が指定を要する秘密を知ったときに関係職員に通報することが規定をされています。
同様のことを日本でも行うんでしょうか。
○飯田政府参考人 お答えいたします。
民間事業者との関係については、この法律の条文にあるとおりでございまして、御指摘のようなことは法定されておりません。
○塩川委員 運用基準で入れようとか、そういうのはないということですか。
○飯田政府参考人 お答えをいたします。
この法律の範囲内で、あるいは授権された範囲内で運用基準というものは定めてまいります。
○塩川委員 運用基準には入れないということですね。
○飯田政府参考人 法令で規定されないまま、運用基準で通報を義務づけるようなことはできないのではないかというふうに考えております。
○塩川委員 政府が保有するというところが非常に曖昧だという点で、政府保有の情報に限りと条文上規定していないのが、このように政府保有だけではなくて民間保有の情報も指定され得る余地を残すためじゃないのかという懸念も浮かぶところであります。そういう点でも、非常に曖昧な、秘密の範囲がどんどん広がっていく、そういう中身ということが強く危惧されるところであります。
大臣にお尋ねします。
有識者会議の議論の中で、永野委員から、秘密保護法は別表形式です、このような別表等の形式により、今回の法案についても可能な限り明確に対象となる情報類型を列挙すべきと指摘をしていましたけれども、そういった限定列挙についてどのような検討を行ったのか。今回、限定列挙しなかったのはなぜなんでしょうか。
○高市国務大臣 永野委員から、別表等の形式によりということで、可能な限り明確に対象となる情報類型を列挙すべきといった御指摘はございました。
特定秘密保護法では、特定秘密に該当する情報を明確化するため、別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものという三要件を充足することを要しています。
この点について、本法案におきましては、先ほど来申し上げていますように、重要経済安保情報に該当する情報を明確化するために、特定秘密保護法と同様、一つ目は重要経済基盤保護情報であってということになりますけれども、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるものという三要件を充足することを要することとしています。
さらに、重要経済基盤保護情報について、我が国にとって重要なインフラとサプライチェーン、すなわち重要経済基盤に関する情報のうち、外部から行われる行為に対する保護措置やこれに関する計画又は研究、重要経済基盤の脆弱性や革新的な技術、これらに関して収集した外国からの情報や、我が国の情報収集能力に関する情報であることを法文上明確にいたしております。
これらの要素というのは、特定秘密保護法別表の類型を参考といたしました。ですから、限定列挙していないわけではございません。
○塩川委員 全然そんなふうに読めない中身であります。
限定列挙の秘密保護法ですらその範囲が曖昧だということが厳しく批判をされているわけですから、更に曖昧で、秘密の範囲がどんどん広がりかねないという点では認めることができないということを申し上げ、質問を終わります。
重要経済安保情報法案=秘密保護法拡大法案が、審議入りしました。私は、国民には何が秘密かも知らされないまま、政府が勝手に秘密を指定し、秘密に触れれば厳罰を科す秘密保護法体制を経済分野まで拡大するものだとして「基本的人権、国民主権、平和主義という憲法の基本原理を根底から覆す秘密保護法の拡大は許されない。徹底審議で廃案にすることを求める」と主張しました。
同法案は、秘密の範囲を、秘密保護法の「防衛・外交・スパイ活動・テロ活動」の4分野から、医療や食料まで含む経済分野へ拡大するものです。
私は、秘密を扱う人は民間の労働者・技術者・研究者まで飛躍的に拡大することになると強調。岸田文雄首相は「指摘は当たらない」と強弁しました。
私は、経済分野に対象を広げる同法案に合わせて、岸田首相が「特定秘密保護法の運用基準の見直しを含め、必要な措置を講じる」よう指示したと指摘し、「法改正せずに秘密保護法を拡大しようというものではないか」と批判。岸田首相は「特定秘密に該当するか行政機関が的確に判断できるよう、運用基準を見直す」趣旨だと答弁しました。
法案では、セキュリティ・クリアランス=適性評価制度として、身辺調査を行います。調査では秘密を扱う人の政治的思想や、精神疾患などの病歴、借金などの信用情報など、個人情報を調べます。
私は「労働者は、調査を拒否すれば不利益を受けるおそれがあり、事実上の強制だ」と強調。集められた情報は政府に溜まり続け、一度でも秘密に触れた人は障害監視され続ける危険があるとして「思想・良心の自由、プライバシー権を踏みにじる憲法違反そのものだ」と批判しました。
また、取材などで秘密を取得する行為も捜査機関の判断で逮捕拘留等が可能であり、さらに秘密は国民の代表である国会議員にも明らかにされず、国民の知る権利が侵害されると指摘。
秘密指定の拡大で、研究成果の自由な公開などを制限し、学問の自由を侵害すると批判しました。
私は、本案の狙いについて、岸田政権が安保3文書に基づき進める米国との極超音速兵器迎撃誘導弾などの共同開発のため、適性評価が必要なのではないかと指摘。
米国がかねてより日本に求めてきた米国内と同等の包括的な秘密保護法制として、米国基準の3段階のうち、トップシークレット、シークレットについては秘密保護法で対応し、コンフィデンシャル級については同法案で対応するということではないかと質問。岸田首相は「米国から要求されたからではない」と否定しました。
私は、「米国と財界の要求に応えて、日米軍事一体化を推し進め、デュアル・ユースも含む武器輸出を進め、日本を死の商人国家にしようというのが法案の正体だ」と強調しました。
本会議質問の要旨は以下の通りです
私は、日本共産党を代表して、重要経済安保情報法案すなわち秘密保護法拡大法案について質問いたします。
本法案は、10年前、政府が多くの国民の反対を押し切って強行した秘密保護法を拡大するものです。秘密保護法は、国民には何が秘密かも知らされないまま、政府が勝手に秘密を指定し、秘密に触れれば拘禁刑という厳罰を科す稀代の悪法です。
秘密保護法は、秘密の範囲を「防衛・外交・スパイ活動・テロ活動」の4分野としていました。今回の法案は、秘密の範囲を、さらに医療や食料分野なども含む、経済分野のあらゆる情報に拡大し、政府の一存で秘密指定を可能とするものです。これによって、秘密を扱う人は、民間の労働者、技術者、研究者など飛躍的に広がります。まさに秘密保護体制を際限なく拡大しようというものではありませんか。
重大なのは、岸田総理が「新制度が、我が国の既存の情報保全制度とシームレスに運用されるよう、特定秘密保護法の運用基準の見直しの検討を含め、必要な措置を講じること」を指示したことです。これは、法改正せずに、運用見直しで、秘密保護法そのものの適用を拡大しようというものではありませんか。看過できない大問題であります。
まず、労働者・技術者に対する身辺調査の問題です。
秘密を扱う人に対するセキュリティ・クリアランス=適性評価について法案は、本人の政治的思想や精神疾患などの病歴、借金などの信用情報などを調査項目と規定しています。これは、機微な個人情報を根こそぎ調べ上げる秘密保護法と、まったく同じではありませんか。
適性評価は本人の同意が前提という建前ですが、労働者は調査を拒否すれば不利益を受けるおそれがあり、事実上の強制ではありませんか。
さらに家族や同居人の国籍なども家族本人の同意なく調査されるのです。
しかも収集された大量の機微な個人情報は削除のルールすらなく、政府に溜まり続けていくことになります。一度でも秘密に触れた人は、生涯監視され続けることになるのではありませんか。
秘密の漏えいだけでなく、未遂、過失、さらに共謀、教唆、煽動まで処罰の対象としているために、監視対象は本人だけでなく家族、知人友人、同僚などにまで及びます。
思想・良心の自由、プライバシー権を踏みにじる憲法違反そのものではありませんか。
次に、国民の知る権利の問題です。取材などで秘密を取得する行為も処罰対象となります。正当な取材は除外されるといいますが、捜査機関が必要と判断するなら、逮捕、拘留で身柄を拘束し、密室での取り調べも、捜索、差押えも行えるのではありませんか。報道の自由の侵害は明らかではありませんか。
しかも、秘密指定された情報は、国民の代表である国会議員にすら明らかにされないのであります。断じて許されません。
さらに、経済分野への秘密指定の拡大は、本来あるべき研究成果の自由な公開やオープンな研究環境を制限し、学問の自由を侵害するものではありませんか。
総理、一体なぜ、秘密保護法を経済分野にまで広げようというのですか。
岸田政権は、安保三文書で、装備品の共同開発・生産、装備・技術協力を一層強化するために「日米間の情報共有を促進する情報保全を強化する」と宣言しています。総理は「セキュリティ・クリアランスは、同盟国・同志国との円滑な協力のために重要」と発言しました。このもとで、実際に、米国との極超音速兵器を迎撃する滑走段階迎撃用誘導弾GPIの共同開発を決定し、イギリス、イタリアと次期戦闘機の共同開発も進めています。これらの共同開発のために、セキュリティ・クリアランス制度を必要としたのではありませんか。
米国政府は、かねてより米国内と同等の包括的な秘密保護法制を日本に要求してきました。米国基準の3段階のうちトップシークレット、シークレットについては秘密保護法で対応し、コンフィデンシャル級については今回の法案で対応するというものではありませんか。
日本の財界は、政府設置の有識者会議の中で「相手国の国防省関係のビジネスは増加傾向であり、さらなる業務獲得・円滑化のためにはクリアランスが必要」と述べています。軍事分野で、企業の儲けを確保するために本案が必要だということではありませんか。
米国と財界の要求に応えて、日米軍事一体化を推し進め、デュアル・ユースも含む武器輸出を進め、日本を死の商人国家にしようというのが本案の正体ではありませんか。
最後に、大川原化工機事件です。経済安保の名のもとに、長期拘留された相嶋さんが亡くなるなど、人権蹂躙の違法捜査が行われました。あの冤罪事件を政府はどのように反省しているのですか。4年前、経済安保を推進する中で、政府がでっちあげた事件であります。経済分野全般への秘密保護体制の拡大が、さらに同じような事件を引き起こすのは明白ではありませんか。
基本的人権、国民主権、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す秘密保護法の拡大は断じて許されません。徹底審議で、廃案にすることを求めて質問を終わります。
藤野やすふみ現地対策責任者が報告。共同支援センターは、避難者に水やお米など必需品を届けるとともに、様々な要望を聞いています。
ボランティア支援の本格化を前に、高速道路無料化の3月末終了の延長を要請しています。紙・仁比議員から現地調査の報告も。
国会議員らが報告/共産党能登対策本部が会合
「しんぶん赤旗」3月21日・2面より
日本共産党国会議員団の能登半島地震災害対策本部は18日、国会内で会合を開き、「能登半島地震被災者共同支援センター」(石川県羽咋市)責任者の藤野保史前衆院議員の報告を受け、取り組みの現状などについて議論しました。
藤野氏は被災者から寄せられた声を受けた支援策を紹介し、党の国会質問が被災者を励ましていることを生き生きと報告。党能登地区委員会の地方議員や党員が、自らも被災しながら被災者支援に奮闘し、目標を上回る党員を迎えていることなどを紹介しました。
紙智子参院議員は、業者の手が足りないために農業用用水路の復旧のめどがたたない中、いつでも再開できるように育苗の準備を始めている農家や、収入が途絶えている漁業者に対する支援を急ぐ必要があると発言しました。
仁比聡平参院議員は、懇談した石川県食品協会が、金沢の食は能登の魚が支えており水産業の復興が地域経済復興の要だとして、水産業を支えるベトナムやカンボジアなどの外国人労働者が事業を再開したらすぐに戻ってもらえるよう頑張っていることを紹介しました。
小池晃書記局長が今後の取り組みについて検討していくことを提起しました。
市議補選のある常陸大宮市で演説会。小室さだお市議予定候補、吉田つばさ衆院茨城4区予定候補と訴え!
市議会政治倫理条例を廃止した議員はとんでもない!国政も市政も金権腐敗政治を正す日本共産党の躍進を!
学校給食費無料化、補聴器購入費補助の実現を!
大軍拡をやめて子育て支援の拡充こそ!
常陸大宮市議補選勝利を/茨城/塩川氏迎え演説会
「しんぶん赤旗」3月20日・首都圏版より
茨城県常陸大宮市で17日、日本共産党の塩川鉄也衆院議員を迎え、常陸大宮市議補選(4月7日告示・14日投票、定数2)勝利と総選挙躍進に向けた演説会が行われました。
塩川氏は、自民党の裏金問題について、選挙の年にキックバックが多かったことに触れ、選挙買収に使っていた可能性を指摘。「賄賂につながる企業・団体献金は廃止。金権腐敗政治を一掃し自民党政治は終わりにしよう」と力説しました。
常陸大宮市議会が昨年12月に、議会議員の政治倫理条例を廃止したことについて「今の自民党の政治とカネの問題を見ても、議員が自分の利権を守るような議会であってはならない」と厳しく批判。「共産党の2議席目へ、小室さだお予定候補を市議会へ押し上げよう」と呼びかけました。
小室氏は元市職員。議会事務局長の経験を生かし、子育てや高齢者施策の充実など公約に掲げています。「特に学校給食無料化は必ず実現したい。誰もが安心して暮らせる地域づくりを、高村功市議と共にがんばりたい」と決意を語りました。
日本共産党の吉田つばさ衆院茨城4区予定候補も応援にかけつけ「くらしや平和を守る政治へ、常陸大宮市から変えていきましょう」と訴えました。
群馬の森の朝鮮人追悼碑撤去に抗議する宗教者ネットの院内集会。
歴史的事実を消し去ろうという動きは断じて認められない。
日本が過去に起こした侵略戦争と植民地支配を正当化する政府の姿勢にこそ問題がある。
村山談話、河野談話の核心的内容を継承し、歴史の歪曲を許さない運動を大きく!
朝鮮人追悼碑撤去に抗議/宗教者ネットが国会内集会
「しんぶん赤旗」3月14日・12面より
群馬県立公園「群馬の森」(高崎市)内の朝鮮人追悼碑を県が1月末に撤去した問題で、「平和をつくり出す宗教者ネット」は13日、国会内で抗議集会を開き、暴挙に抗議する声明を発表しました。日本共産党の塩川鉄也衆院議員が参加しました。
碑は、戦争中に日本が植民地支配した朝鮮半島から強制連行し、鉱山や工場で労働させて死亡した朝鮮人を追悼するものでした。損害と苦痛を与えた事実を記憶、反省し、繰り返さない決意を表明していました。
集会を協賛した「群馬の森追悼碑を守る会」事務局次長の石田正人さんによると、県側の撤去の理由は追悼集会で「強制連行」という言葉を使ったことが政治活動であり、公共の場では認められないというものでした。しかし、2001年の県議会は全会一致で碑建設の請願を採択しており、以前は式典のスピーチで「強制連行」と言っても問題視されなかったといいます。
「群馬諸宗教者の集い」代表の小野文珖(ぶんこう)さんは、県が主張したもうひとつの理由の「右翼団体との小競り合い」に触れ、「ヘイトスピーチ解消法をもって警察が右翼を取り締まれば対応できる」と指摘しました。石田さんは「追悼は政治活動ではない。公共の場所では自由に発言できるはずだ」と主張。小野さんは群馬の森に碑を再建したいと話しました。
人事官候補の土生栄二・元内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局長の所信聴取と質疑を行いました。
私は、土生氏が内閣人事局の人事政策統括官を務めていたことから内閣人事局の設置について認識を確認しました。
第2次安倍内閣は「国家、国益に奉仕する国家公務員」を掲げ、「政権の方向性を常に念頭に置いて取り組む」よう求め、”政権に奉仕する公務員“への「改革」を推進し、2014年の国家公務員法改定では「幹部職員人事の一元管理」と称して、内閣官房に内閣人事局を設け、官邸が各省庁の幹部人事に関与する仕組みをつくりました。
土生氏は「こうした仕組みは時宜に応じた適切な仕組みである。今後とも適切に行われていくということが重要」と答弁。
また、私が「今の公務の職場は、あまりにも余裕のない職員体制となっている」と指摘したうえで、「5年間で10%という定員削減分を原資に、必要な人員増をまかなうという定員合理化計画は、職場の実態に合わないのではないか」と質問。
土生氏は「定員管理自体は内閣人事局の所管。一般論として、業務の合理化を最大限進めながら必要なところに必要な人材を確保していくことは公務を遂行する上で必要」と述べ、内閣人事局を肯定する答弁に終始しました。
さらに、私は、土生氏が内閣官房内閣審議官として、安倍首相夫人付職員の配置について、繰り返し国会で答弁していたことにふれ、職員が首相夫人の私的・政治的活動のサポートを行っていたことは不適切ではなかったか、安倍首相夫人付職員は5人に増員(現在2人)されていたのは安倍首相夫妻への忖度があったのではないか、とただしました。
土生氏は「当時、誠実に答弁してきた」「時々の政権の判断において対応がなされている」と政権擁護の姿勢に徹しました。
「議事録」
第213回通常国会 令和6年3月12日(火曜日) 議院運営委員会 第10号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
土生参考人にお尋ねをいたします。
民主党政権の後、第二次安倍内閣は、国家、国益に奉仕する国家公務員を掲げ、政権の方向性を常に念頭に置いて取り組むよう求め、政権に奉仕する公務員への改革を推進してきました。
二〇一四年の国家公務員法改定では、幹部職員人事の一元管理と称して、内閣官房に内閣人事局を設け、官邸が各省庁の幹部人事に関与する仕組みをつくりました。
土生参考人は内閣人事局の人事政策統括官を務めていたこともあります。内閣人事局のメリット、デメリットをどのように認識しておられますか。
○土生参考人 まず、御指摘のございました幹部人事の一元管理ということでございますけれども、職員の活用を府省横断的に行うという観点、さらに、適切な人事管理を徹底するという観点で、国家公務員法の改正により導入されたということでございます。
幹部職員は、大臣等を直接補佐し、所管行政の遂行に責任を持つ立場でございますので、行政運営に与える影響、これは当然大きいわけでございます。その任用につきましては、能力実証が適切に行われ、それに基づき、任用が客観的な基準、適正な手続の下で公正に行われることが必要でございます。
国家公務員法では、適格性審査を公正に行う、あるいは、それに関連する政令を改正する場合には人事院の意見を聞いて定めるということになっているわけでございますので、こうした仕組みを通じて、引き続き公正性が確保されるということが必要ではないかというふうに思っております。
デメリットということも御指摘ございましたけれども、私は、こうした仕組みは時宜に応じた適切な仕組みであるというふうに考えておりまして、そうした手続、任用が今後とも適切に行われていくということが重要ではないかというふうに考えております。
○塩川委員 文部科学省の官僚だった前川喜平氏は、文部科学事務次官時代に、官邸から幹部人事を差し替えろというのは間々あった、官邸の了解が必要ない課長クラスでも、あの人物を処遇しろとか外せと指示されたと言います。
必要以上の人事介入が行われていた、このような指摘をどう受け止めておられますか。
○土生参考人 御指摘でございますけれども、私はそうした個々の御発言については十分承知をいたしておりませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げましたとおり、国家公務員法の改正の趣旨に沿いまして、幹部人事の一元管理につきましては、職員の活用を府省横断的に行う適切な人事管理を徹底する目的で導入されたものでございます。その公正性を確保するために、能力、実績に応じた人事管理が適切に行われることが何よりも重要であると考えております。
○塩川委員 内閣人事局の設置は、国民に奉仕する公務員から総理官邸に奉仕する公務員へと、公務員制度の変質を推し進めたのではないのか、こういう批判もあります。
総理官邸に忖度する公務員の問題として、森友疑惑が議論になりました。その森友疑惑に関わって、土生参考人は、内閣官房内閣審議官として、安倍総理夫人付の職員配置について繰り返し国会で答弁する立場にありました。
総理の公務の遂行を補助するためとして、総理夫人が行う活動をサポートする秘書官的な職員を五人も配置していた。三人は外交担当の外務省非常勤職員、あとの二人は外交以外で総理夫人をサポートする経産省の常勤職員でした。しかし、森友学園と安倍総理夫人の密接な関わりがあった二〇一五年九月から十一月の三か月間、外交以外で総理同行でもない日程というのはただの一つもありませんでした。この三か月の間には、森友学園の塚本幼稚園に行き、安倍総理夫人が名誉園長に就任し、森友学園の頼み事に応えていた。総理夫人付の二人の職員は、安倍総理夫人の私的、政治的な活動のサポートを行っていたことになります。
このような仕事の在り方は適切だったと考えますか。
○土生参考人 私の過去の答弁について、るる引用していただいたわけでございます。
個別に、今、どのようなことでどういうふうに申し上げたか全て記憶しているわけではございませんけれども、私としては、国会答弁一般に対する対応といたしまして、当時の職責、あるいは状況の判断、あるいは事実関係に基づいて誠実に答弁をしてきたものでございますけれども、その答弁の内容について、今個々にコメントするというところまでは記憶してはございません。
○塩川委員 このような安倍総理夫人の私的、政治的な活動をサポートしていた職員の政治的な動きに対して、本来、人事院は意見を述べるべき立場だったと考えますが、どのように受け止めておられますか。
○土生参考人 御質問いただきながら、少し思い出してきた面もございますけれども、昭恵夫人は私人として活動されており、それに対して、外交面も含めた公務遂行の補助、そうした日程調整を含めた支援をするということで夫人付職員が配置をされていたというふうに、当時、私も含めて内閣官房では答弁をしていたというふうに思いますので、そこに不適切なことがなければ、人事院が何かをするということはなかったのではないかというふうに考えております。
○塩川委員 当時、安倍総理夫人付の職員は五人でしたが、今の岸田総理夫人付の職員は二人になっております。
安倍政権時代のこのような職員配置の背景に、安倍総理夫妻への忖度があったのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○土生参考人 現在、その配置に至った経緯、詳細は承知しておりませんけれども、その時々の政権の判断においてそのような対応がなされていたものというふうに考えております。
○塩川委員 今の公務の職場は、余りにも余裕のない職員体制となっています。仕事に対し必要な人員を手当てするのではなく、五年間で一〇%という定員削減分を原資に必要な人員増を賄うという定員合理化計画は、職場の実態に合わないのではないでしょうか。
○山口委員長 時間が来ておりますので、簡潔に。
○土生参考人 定員管理自体は内閣人事局の所管であるというふうに承知いたしておりますけれども、一般論として、超過勤務の縮減ですとか業務の合理化、こういうものを最大限進めながら、必要なところに必要な人材を確保していく、こういうことは公務を遂行する上で必要ではないかというふうに考えております。
○塩川委員 終わります。
三郷市で「陽春のつどい」。苗村京子埼玉14区予定候補と訴えました。
株価は最高でも、実質賃金は21カ月マイナス。大企業の内部留保は、2023年530兆円。この11年で1.7倍に。この間の法人税減税は効果がなかった。
内部留保課税で中小企業の賃上げ支援を!消費税は5%への引下げ、インボイスは廃止を!
総選挙での党躍進へ決意/埼玉・三郷党と後援会が集い
「しんぶん赤旗」3月16日・首都圏版より
埼玉県三郷市の日本共産党と後援会は10日、市内で「陽春の集い」を開きました。
塩川鉄也衆院議員が、自民党派閥の裏金問題について、自らの国会質問を紹介しながら詳しく報告。「しんぶん赤旗」日曜版のスクープについて、他党の議員からも反響があつたと語りました。
また、岸田政権が地震大国・日本で原発を推進することの異常性と危険性を指摘し、子育て支援のためと言いながら医療の負担増を狙っていることを批判。2年間で軍事費を2・5兆円も増やしながら、その一部を便えばできる全国の学校給食無償化は実施していないとして、「国の向いている方向がおかしい」と告発しました。
なえむら京子衆院埼玉14区予定候補は第29回党大会に参加したことを報告し、三郷市議6期の実績と、党埼玉東部南地区委員長としての経験を生かして総選挙での党躍進へ奮闘する決意を表明しました。
藤野現地対策本部長が報告。避難者の「先行きが見えない」という不安の声に応え、避難者支援の政府要請や農業・漁業・伝統産業・観光業支援の申し入れを行う。党地方議員の政府要請も具体化する。国会論戦を共有していくことを確認。私も液状化対策の質問を紹介。
国会論戦/現地で反響/共産党能登災害対策本部/藤野氏が報告
「しんぶん赤旗」3月6日・4面より
日本共産党国会議員団の能登半島地震災害対策本部は4日、国会内で会合を開きました。「能登半島地震被災者共同支援センター」(石川県羽咋市)責任者の藤野保史前衆院議員が現地の実態を報告しました。
藤野氏は同センターの電話が8日に開通し、「これから本格的に支援物資が届けられる」と報告。金沢、加賀両市などのホテルや旅館に避難する「2次避難者」から「日頃は田んぼをいじるが、ホテルでは何もすることがない空っぽの時間がある」といった実態が寄せられたと紹介し、「『能登に帰りたい』と願う被災者に先々の見通しを示す支援が必要だ」と強調しました。
また藤野氏は、珠洲市大谷町では地震の影響で海岸が隆起し、海底が陸地化するなど地形が変わり、漁港が被害を受けるなど被害の長期化が深刻だと指摘。懇談で、珠洲原発計画反対運動の中心的役割を果たした同市高屋町・円龍寺(真宗大谷派)の塚本真如住職が「地震直後から『原発に反対してくれてありがとう』と電話やメールがびっしり寄せられた」と話したことも報告しました。
藤野氏は、雇用調整助成金の震災特例をコロナ特例並みで至急実施するよう求めるなど、支援の抜本的強化を求める党議員団の国会論戦に現地では大きな反響が寄せられていると報告しました。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、政治倫理審査会で質疑。午前は安倍派事務総長だった西村康稔前経済産業相と松野博一前官房長官が、午後は安倍派の座長を務めた塩谷立・元総務会長と同派事務総長だった高木毅前国対委員長が出席。
私は、安倍派の裏金づくりについて「組織ぐるみの違法行為だ」と追及し、西村、松野両氏は「一切関与していない」と全容解明に背を向けました。
西村氏は冒頭の弁明で、「歴代会長と事務局長との間で長年慣行的に扱ってきた」と発言。
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私は、派閥として森喜朗元会長や事務局長に事実関係を確認すべきだと追及しました。西村氏は拒否しました。
一方、松野氏は派閥パーティーでの裏金づくりについて、ノルマと「還付」のシステムを初当選時に認知したと説明。
私は「20年以上にわたって行われていたことになる」として森氏らに確認するよう迫りましたが、松野氏も拒否しました。
私は森氏か事務局長に国会で説明してもらうことが必要だと主張しました。
私は、2022年5月の派閥パーティーについて、当時の安倍晋三会長が還付をやめようと話し、幹部の間で還付を行わないと確認したことを取り上げ、還付をやめた理由を質問。
西村氏は「現金での還付は不透明で疑念が生じかねない」と答えました。
私は「違法行為という認識はなかったのか」と問いましたが、西村氏は「適法か違法かといった議論も行っていない」と答弁。
私は「とても信じられない。組織的な違法行為が行われていたのではないかが厳しく問われる」と批判しました。
違法性/認識あったか/追及にしらを切る
午後は、安倍派座長だった塩谷立元文部科学相と、同事務総長だった高木毅前国対委員長が出席し、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件について弁明を行いました。私は、安倍派幹部がパーティー収入の還付をやめると判断したさいの「違法性」への認識を追及しました。
私は、2022年の安倍派幹部の会合で還付をやめる方針を決めたさい、同派幹部だった下村博文氏が議員個人のパーティー収入に上乗せする「合法的」な形で出す案が示されていたことに触れ、「不記載という違法性の認識があったからではないか」と質問。
塩谷氏は「還付の現金をやめようという中で、そういう案が出た。あくまで不記載についてはいっさい話が出ていない」と否定しました。
一方、還付しない方針を決めたのに、22年に還付を受けた理由を聞くと、「還付を行わないと決めたが、継続することになったと思う。当時、自分が還付を受けたことは知らなかった」としらを切りました。
一方、私は高木氏に対して、23年5月のパーティーでは還付を行わないとの方針を変更した理由を質問。
高木氏は「22年は還付しないと決めたが、なんだかよくわからないまま還付された。その流れの中で、23年はそうしようとなったと思う」と答えました。
私は、高木氏が記者会見で「還付するのはあまりよくないんじゃないかと思った」と語っており、「還付金の不記載について違法性という認識があったのか」と質問。
高木氏は「その発言をした記憶がない」などと逃げ回りました。
私は違法性の認識が幹部で共有されていたのではないかと指摘し、全容解明が必要だと強調しました。
◆
安倍派幹部/知らぬ存ぜぬ/裏金問題/政倫審審査
「しんぶん赤旗」3月2日・3面より
1日に開かれた衆院政治倫理審査会は前日に続いて、自民党派閥の裏金問題への審査が行われました。清和政策研究会(安倍派)の事務総長経験者らが弁明に立ちましたが「会計には一切関与していない」と知らぬ存ぜぬの答弁に終始。日本共産党の塩川鉄也議員は「安倍派の組織ぐるみの違法行為であり、誰がいつからどのような理由で行ってきたのか、この裏金システム全体の全容解明が求められる」と迫りました。
違法性認識?/停止後の復活/「経緯 全く承知せず」
安倍派では、パーティー券収入のノルマ超過分のキックバック(還付)を巡り、いったん中止を決めたにもかかわらず、還付が継続されてきました。当時から、違法性を認識していたからこそ、慣行だった還付を停止したのではないかとの疑いがあります。
西村康稔氏は2022年4月上旬、当時会長だった安倍晋三元首相が現金での還付をやめると提案し、幹部で方針を決定したと説明。立憲民主党の枝野幸男議員が方針決定の際に集まった幹部は誰かとただすと、自身のほかに塩谷立、下村博文、世耕弘成各氏と派閥の事務局長がいたと明らかにしました。
西村氏は安倍氏の死去(22年7月)後の経過として、「ノルマ以上に売った議員から返してほしいという声があり、(同年の)8月上旬に幹部で集まってどう対応するかを協議したが、その時は結論は出なかった」と説明。その後、還付の慣行は復活します。
塩川氏は「(報告書への記載もなく)還付をするというやり方が、政治資金規正法の虚偽記載に当たる違法行為という認識はなかったのか」と追及。西村氏は「その時には、還付が適法か違法かといった議論も行っていない」などと答弁しました。また、西村氏は、還付の復活の結論が出たのは、自身が事務総長の職を離れた同年8月の直後だとして「経緯については全く承知していない」と繰り返しました。
これに対して、日本維新の会の青柳仁士議員が「こんな大きな決断を幹部に相談なく、事務局長だけで決めることは絶対にない」「事務総長がかわった同じ月に結論が出た。客観的に見れば、(安倍派幹部の)4人で話し合って決めたとしか思えない」と指摘しました。
事務総長なのに/「会計 一切関わらず」
「事務総長は会計に関与していない」――。西村、松野博一両氏は、裏金づくりの実態について“自分は全く関係ない”と言わんばかりの弁明を繰り返し、自らの責任を放棄する姿勢をあらわにしました。
西村氏は「政治資金パーティー収入の還付の処理は、歴代会長と清和会の事務局長との間で慣行的に扱われてきたことだ」と説明。事務総長の役割は人事の調整や若手議員への政治活動の支援・協力・指導などであり、「会計に一切関わっていない」との主張を繰り返しました。
松野氏も「派閥の収入や支出の管理は事務総長の担務ではなく、私は関わっていない」と弁明。政治資金収支報告書の不記載については「監督責任を求められるものではない」と居直る始末です。
さらに、西村氏は「秘書らに対しては、清和会のパーティーはノルマ通りに売れればいい」と指示していたと弁明。しかし、枝野氏から「ノルマは何枚分であっていくら分がノルマか」とただされると、「ノルマがいくらかということは具体的に意識したことはない」などと述べました。
事務総長が関与していないとの説明はにわかに信じられませんがその前提に立つならば、真相を知っているのは歴代会長です。塩川氏は「歴代会長に対して派閥として、事実関係を確認したか」とただしました。
西村氏は「亡くなられた方も多いわけで、今の時点で(確認は)行ってない」などと答弁。つづけて塩川氏が、会長を務めた森喜朗元首相に確認をしないのかと迫りましたが、西村氏は「森元総理が関与をしていたという話は聞いたことがない」と確認を拒否し、事務局長についても「裁判を控えており、口裏合わせと言われかねないので控える」として、ことごとく真相解明に背を向けました。
私的使用も?使途/「秘書に任せていた」
西村氏と松野氏は、政治資金収支報告書に虚偽記載していたことを「謝罪」する一方、裏金をどのように処理し、何に使っていたのかについて、秘書に責任を押し付け、詳細を何一つ明らかにしませんでした。
立民の枝野氏は、西村氏が22年までの5年間で100万円の政治資金パーティー収入を収支報告書に記載していなかったと指摘。派閥からのキックバック分を自身の政治資金パーティー収入に上乗せしていたとして、「非合法だと知っていたのではないか」とただしました。しかし、西村氏は「会計責任者である秘書に任せていた」「経験がある秘書で信頼していた」と責任を転嫁しました。
枝野氏は、下村博文元事務総長が22年8月の幹部協議の中で出席者の一人から「個人のパーティーに(還付分を)上乗せして、収支報告書で『合法的な形』で出すという案もあった」(24年1月31日の記者会見)と証言していることを指摘。「これは西村さんですね」と迫ると、西村氏は「アイデアの一つとして発言した」と自身の発言だと認めました。枝野氏は「あなたがやっていることそのものではないか」と述べ、秘書に責任を押し付ける西村氏の姿勢を批判しました。
一方、松野氏は弁明で、裏金を会合費などに使い「不正な目的や私的な目的で使用された還付金はない」としました。
枝野氏は、松野氏が自由に使える金があったとして、その使い道を追及。22年の会合費の処理の仕方について「松風会(松野氏の資金管理団体)から資金を出したものと裏金から支出したものと分かれている」と指摘し、誰がどういう区別で支出したのかただしました。
松野氏は「支出の判断は秘書によってなされた」と言い逃れるだけ。私的使用の疑惑には答えられませんでした。
「議事録」