私は、政府のインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能を強化する「国家情報会議」設置法案について追及しました。市民監視、人権侵害拡大の危険を告発し、廃案を求めました。
法案では情報コミュニティ省庁の司令塔として「内閣情報会議」と「内閣情報調査室(内調)」を格上げした「国家情報会議」と「国家情報局」を設置します。これらは、政府によるスパイ活動と外国からのスパイ活動への対処について、基本方針の策定や情報の収集分析など行うこととなります。また、情報コミュニティ省庁とは、内調、警察庁、公安調査庁、外務省、 防衛省などの情報集等行う省庁を指します。
私が内調の人員の人数をただしたところ、総員約730名のうち、都道府県警含む警察庁から約180人、防衛省から約100人とこの2省庁が主です。他は外務省約50名、法務省(公安調査庁や入管庁など)約40名、国交省(海上保安庁など)20名、財務省約10名となっています。この間増員されており、26年度予算でも国家情報局の設置にともない約30人の増員が認められているとのことでした。
私は、国家情報会議の設置により情報コミュニティが一体となって市民を監視することになると警鐘を鳴らしました。
情報コミュニティ省庁の一つである防衛省・自衛隊による市民監視、人権侵害の実例として、イラク戦争時に自衛隊派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件に言及。同隊による監視を違法と断じた確定判決を示し、政府の対応をただしました。
松尾智樹防衛省防衛政策局次長は、「国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかった」などと繰り返すばかりで、違法判決をまともに受け止めず、判決後、プライバシー侵害の調査を行わない措置をとったか問われても、従来より同隊は「関係法令に従って適切な方法で情報収集などを行うよう努めてきている」などと強弁しました。当事者に謝罪したか、違法収集した情報を削除したのかについても、答えられないと回答を拒否しました。
私は、「違法な市民監視、個人情報収集に反省もなければ謝罪もない」と厳しく批判。これに対し木原稔官房長官は情報保全隊の重要性を述べるだけで、まともに受け止めませんでした。私は、「日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視し、人権侵害を拡大する情報機関の強化を図る法案に断固反対だ。廃案を」と求めました。
市民監視 人権侵害を拡大/「国家情報会議」設置法案告発/衆院内閣委/塩川議員が追及
日本共産党の塩川鉄也議員は10日の衆院内閣委員会で、政府のインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能を強化する「国家情報会議」設置法案について追及しました。市民監視、人権侵害拡大の危険を告発し、廃案を求めました。
法案は、情報コミュニティ省庁(警察庁や公安調査庁、外務省、防衛省など情報収集等を行う省庁)の司令塔として、「内閣情報会議」と「内閣情報調査室(内調)」を格上げした「国家情報会議」と「国家情報局」を設置します。これらは、政府によるスパイ活動と外国からのスパイ活動への対処について基本方針の策定や情報分析などを行うとされます。
塩川氏は、内調の人員についてただしました。内調の人員は、都道府県警を含む警察庁、防衛省からの出向が主で、他にも外務省、法務省、国土交通省、財務省からの出向者で構成。この間増員され、2026年度予算では国家情報局の設置にともない約30人の増員が認められています。
塩川氏は、国家情報会議は、情報コミュニティが一体となって市民を監視することになると警鐘を鳴らし、その一つである防衛省・自衛隊が行った市民監視、人権侵害の実例として、イラク戦争時に自衛隊派遣に反対する市民運動を幅広く監視していた自衛隊情報保全隊市民監視事件に言及。同隊による監視を違法と断じた確定判決を示し、政府の対応をただしました。
松尾智樹防衛省防衛政策局次長は「国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかった」などと繰り返し、違法判決をまともに受け止めない姿勢に終始。塩川氏が、判決後にプライバシー侵害の調査を行わない措置をとったかをただしても、以前から同隊は「関係法令に従って適切な方法で情報収集などを行うよう努めてきている」などと強弁しました。当事者に謝罪したか、違法収集した情報は削除したのかについても回答を拒否しました。
塩川氏は「違法な市民監視、個人情報収集に反省もなければ謝罪もない」と厳しく批判。木原稔官房長官も同隊の重要性を述べるばかりで、まともに受け止めませんでした。塩川氏は「日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視し、人権侵害を拡大する情報機関の強化を図る法案に断固反対だ。廃案を」と求めました。
情報機関すでに肥大化/衆院委で塩川氏/市民監視拡大の危険
政府のインテリジェンス(情報活動)の司令塔機能を強化し、さらなる市民監視、一層の人権侵害を招く「国家情報会議」設置法案を巡る衆院内閣委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の質疑で、政府の情報機関の人員数が増加の一途をたどり、すでに肥大化が始まっていることが分かりました。自民党は22日の同委員会での同法案採決を提案し早期の衆院通過を狙っています。
法案は、「情報コミュニティー」省庁(警察庁や公安調査庁、外務省、防衛省など情報収集等を行う省庁)の司令塔として、「内閣情報会議」と「内閣情報調査室(内調)」を格上げした「国家情報会議」と「国家情報局」を設置します。塩川氏は10日の内閣委員会で、情報コミュニティーによる情報収集・集約の要である内調の人員についてただしました。
岡素彦内閣審議官は、内調の人員は、2025年4月1日時点で約710人で、そのうち出向者は、都道府県警を含む警察庁から約170人、防衛省は約100人、外務省が約50人、法務省が約40人、国土交通省が約20人、財務省が約10人などと答弁しました。
26年4月1日時点では総数は約730人に増加。都道府県警を含む警察庁からの出向者が約180人に増え、防衛省、外務省、法務省、国交省、財務省からの出向者は前年と同様の人数です。26年度予算では「国家情報局」の設置にともない定員約30人の増員が認められています。
塩川氏は、内調は今後「国家情報局」となり「国家情報会議」の事務局としての役割を担うと指摘。同法案は、内閣と情報コミュニティー省庁との連携強化、一体化を推進するもので市民監視、人権侵害の拡大につながると厳しく批判し、撤回を求めました。
「議事録」
第221回特別国会 令和8年4月10日(金曜日)内閣委員会 第3号
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
国家情報会議設置法案について質問をいたします。
最初に、第六条の第一項の国家情報会議の議員についてですけれども、情報機関、情報コミュニティー省庁の担当大臣で構成をしているというのがこの議員ということでよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 委員御認識のとおり、国家情報会議の議員は情報コミュニティー省庁を担当する閣僚としておりまして、現在の内閣情報会議のメンバー省庁を所管する閣僚となっております。
○塩川委員 そこで、この第六条第一項に記載されている大臣が所管している情報コミュニティー省庁はそれぞれどこなのか、対応関係を教えてください。
○岡政府参考人 第六条第一項に記載されております大臣が所管している情報コミュニティー省庁はそれぞれどこかというお尋ねだと理解しております。
情報コミュニティーのコアメンバーとされる組織は、我が内調と警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省の五機関でございまして、さらに、金融庁、財務省、経済産業省及び海上保安庁が拡大情報コミュニティーとされておりまして、今申し上げた省庁の担当大臣を新法における国家情報会議の議員としたところでございます。
○塩川委員 この情報コミュニティー省庁の要となる内閣情報調査室ですけれども、この内閣情報調査室の実員が何人か、うち、各情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向、派遣者の人数は何人か。これは、二〇二五年四月一日現在と二〇二六年四月一日現在の数字で示していただけますか。
○岡政府参考人 それぞれの情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向者数につきまして、省庁別の内訳を申し上げますと、まず、古い方で、令和七年四月一日時点におきましては、多い順に申し上げますと、警察庁が約百七十名……(塩川委員「済みません、全体の、内調の実員から」と呼ぶ)実員が七百名強でございまして……(塩川委員「七百十名と聞いたよ」と呼ぶ)はい、それでございます、済みません。
情報コミュニティー省庁の別で、多い順に申し上げますと、警察庁が約百七十名、ただし、こちらは都道府県警察から出向している方が多うございます、それから、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約十名などとなっておりまして、続いて、令和八年四月一日時点におきましては、これも多い順に、警察庁が約八十名、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約百十名などとなっております。法務省には、公安調査庁や出入国管理庁以外の組織も含まれます。また、国土交通省は、海上保安庁以外の組織も含まれます。
○塩川委員 二〇二六年四月一日の内閣情報調査室全体の実員が何人かということと、さっき、警察庁が、二〇二六年四月一日、八十名、それから、財務省が百十名とあったんですが、これで合っていますか。
○岡政府参考人 申し訳ございません、訂正いたします。
令和八年四月一日時点におきます情報コミュニティー省庁から内閣情報調査室への出向、派遣者の構成内訳につきましては、多い順に、警察庁が約百八十名、防衛省が約百名、外務省が約五十名、法務省が約四十名、国土交通省が約二十名、財務省が約十名などでございます。失礼いたしました。
○塩川委員 実員としての総数は七百十よりも多い、つまり昨年よりも多いんですか。
○岡政府参考人 内閣情報調査室の実員数につきましては、令和七年四月一日時点が約七百十名、一年たちまして、令和八年、今年ですね、令和八年四月一日で約七百三十名となっております。
○塩川委員 それで、今年度更に増やす見込みというのはあるんでしょうか。予算上等の定員等について、何人増やすのかについて教えてもらえますか。
○岡政府参考人 本年度の予算におきまして、国家情報局の設置に伴い、幹部職員も含めて約三十名の増員を認めていただいております。ただ、御案内のとおりでございますけれども、定員と実員の乖離がございまして、定員が増えたからといって直ちに増えるものではございませんが、今後、夏の人事異動時期も見据えまして、各省庁に対しまして、優秀な人材を出向、派遣させていただけるようにお願いしていきたいというふうに考えております。
○塩川委員 この間、定員よりも実員の方が多いんだと思うんですけれども、いずれにしても、今後も増やす、それで、この間増やしてきている。
それで、三分の二が要するに出向によるもの、その中心が警察、自衛隊ということで、こういった、内閣情報調査室が、今後、国家情報局として、国家情報会議の事務局としての役割を発揮するわけであります。
国家情報会議は、これらの情報コミュニティー省庁に対し基本方針を示すわけですし、国家情報局は、政府全体を俯瞰し、戦略的に総合調整を実施するとともに、よりよい分析のためにより多くの情報を集約する。国家情報会議、国家情報局を要として、情報機関、情報コミュニティー省庁が一体となって運用されるわけであります。
そこで、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査する国家情報会議において、自民、維新の連立政権合意書にあるインテリジェンス政策、これを国家情報会議において調査審議を行うということでよろしいでしょうか。
○木原国務大臣 本法案で設置されます国家情報会議でありますが、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関であり、その調査審議事項は、本法案の第三条各号に列挙されているとおりであります。
その上で、国家情報会議における具体的な調査審議事項というのは、今国会において本法案をお認めいただき、国家情報会議が設置された後に、その第三条の規定の範囲内で、その時々の情勢に応じて同会議が決すべきものでありますので、具体的にどのような事柄を取り扱うのかといったことについて、現時点で予断を持ってお答えするということは困難であります。
○塩川委員 第三条の規定の範囲に、連立政権合意書にあるインテリジェンス政策は入っているのではありませんか。
○木原国務大臣 委員の質問の趣旨がいま一つ明確ではありませんけれども、あくまでもこれは、本法案をお認めいただいた後に、国家情報会議が設置された後に、その第三条の規定の範囲内で、その時々の情勢に応じてその会議が決すべきものであるので、現時点においては、私からお答えすることは差し控えます。
○塩川委員 じゃ、インテリジェンス政策一般については、この第三条の規定の範囲に入っていないんですか、入っているんですか。
○岡政府参考人 失礼いたします。
インテリジェンス政策一般という言葉で指し示せる範囲がちょっと定かではございませんので、ちょっと誤解のなきように改めて答弁いたしますと、そこの基本的な方針などにつきましては、施策の推進方策でありますとか施策の重点といったことが含まれますし、その他の重要な事項につきまして、何かその活動以外に政策的な要素が含まれ得ると考えております。
ただし、それが調査審議事項となるかどうかにつきましては、官房長官から答弁をしましたとおり、会議設置後に、情勢に応じて議長が定める、お決めになるというふうに考えております。
○塩川委員 含まれ得るということです。つくった後でということでありますけれども、含まれ得るということでありますので、当然、自民、維新の連立政権合意書の中には、インテリジェンス政策として対外情報庁ですとかスパイ防止法関連法制の扱いも挙げられているわけですから、その調査審議を行うということにつながるということであります。
そういう点で、情報機関による市民監視や人権侵害、これについての様々な危惧や懸念の声があるわけで、今回の法案というのが、そういう体制を強化するものだということについてやはり問われてくるわけであります。
そこで、この情報コミュニティー省庁の一つであります防衛省・自衛隊ですが、自衛隊情報保全隊の市民監視事件について質問をいたします。
情報保全隊が、「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」という文書を作っていた、週単位に全国の反対運動の情報収集などを行っていた、米国のイラク戦争が始まった二〇〇三年に、イラク戦争に反対をし、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民の活動を監視をし、情報収集をしていた事件であります。市民のプライバシーを侵害をし、表現の自由を侵害するという、人権侵害が問われ、仙台高裁判決において違法の判決が行われました。防衛省として上告をせず、違法の判決が確定をしたところです。
そこで、防衛省にお尋ねいたしますが、このような、情報保全隊が違法な調査を行っていたということを認めますか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
自衛隊情報保全隊による監視活動の停止などを求めた裁判について、平成二十八年二月二日、仙台高等裁判所は、監視活動等の差止めの訴えを却下する一方で、一名に対するプライバシーの侵害を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡したところでございます。判決におきましては、個人情報の適切な取扱いなどのコンプライアンスが問題になったというふうに認識をしております。
防衛省としては、控訴審判決の内容について、国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかったものと受け止めております。
他方、上告につきましては、民事訴訟法三百十二条に基づき、当該判決に憲法の解釈の誤りその他憲法違反などがあることを理由に、できるとされてございます。また、上告受理の申立てにつきましては、同法の三百十八条に基づいて、判例に反する判断又はその他の法令の解釈に関する重要事項を含むと認められる事件について受理されるということになってございまして、本件に関しましては、上告及び上告受理の申立てについては、判決内容を慎重に検討し、関係機関と調整を行った結果、行わないこととしたものでございます。
○塩川委員 プライバシーの侵害を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡したわけですけれども、自衛隊は今後とも法令に従って情報収集すると言っているわけで、この違法判決をまともに受け止めていないというのが実態であります。
重ねてお尋ねしますが、自衛隊情報保全隊によるプライバシーの侵害があったと認める判決を受けて、防衛省・自衛隊はプライバシー侵害の調査を行わないという措置を取ったんですか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
自衛隊情報保全隊は、自衛隊員の情報保全に関する規律違反などがないよう、部隊の運用等に係る情報保全業務に必要な情報の収集、整理を任務としてございます。
防衛省としては、従来より、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などを行うよう努めてきているところではございますが、司法の判断を厳粛に受け止め、より一層徹底をして取り組んでいるところでございます。
具体的に申し上げますと、平成二十九年三月に発出した自衛隊情報保全隊の運営の基本方針において、個人情報の適切な取扱いなどのコンプライアンスの確保を図るため、関係法令に関する教育内容の充実を図るとともに、部隊における指導を徹底するということを定めてございます。この方針に基づきまして、自衛隊情報保全隊における個人情報の適切な取扱いを含むコンプライアンスについて、毎年、陸上自衛隊において教育及び検査を行っているところでございます。
また、防衛省におきましては、不正行為や非違行為の発見、是正や未然の防止を図るため、公益通報者保護制度を設け、また、職員の職務執行の適正を確保するため、防衛監察本部による防衛監察を実施しているところでございます。自衛隊情報保全隊についても、当然、これの対象になってございます。
こういった今申し上げました措置を総合的に実施することで、情報保全隊による適切かつ適法な業務の遂行というのを徹底をしているところでございます。
○塩川委員 個人情報の取扱いの適切なコンプライアンス、指導を徹底するという話があったんですが、その前提でしゃべっていることが、防衛省としては、従来より情報保全隊が適切な方法で情報収集を行うよう努めてきているということで、以前からちゃんとやっていますよという答弁なんですよ。これは違法判決の反省がないんじゃありませんか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
自衛隊情報保全隊による監視活動の停止を求めた裁判につきましては、先ほども申し上げたとおり、防衛省としては、控訴審判決の内容について、国の主張の一部が裁判所の理解を得られなかったところではございますが、司法による判断を厳粛に受け止め、情報保全隊が今後とも防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などに努めるということを改めて徹底をしているところでございます。
なお、本件訴訟に関しまして、プライバシーの侵害が認定された原告一名に対しましては、司法の判断を尊重するということで、既に賠償金十万円の支払いを完了しているところでございます。
いずれにいたしましても、本件訴訟で提示をされた文書につきましては、防衛省として対外的に明らかにしたものではございません。そうしたことから、陸上自衛隊情報保全隊が本文書を作成したか否かも含めまして、国として認否をできないという立場で、この点については変わりはございません。
文書に書かれている内容が事実であるというような前提の下での御質問についてお答えできないということについては、御理解をいただければと思います。
○塩川委員 ですから、違法だということが判決で明らかになったにもかかわらず、実際にその認否すら認めようとしないということが前提ということで、今もありましたけれども、今後とも適切な対応を行っていくということで、結局、過去に誤っていたということについての反省がそもそもないわけですよ。
あと、賠償金を払ったということですけれども、プライバシーの侵害が認定された原告に対して、人権侵害を受けた当事者に対して謝罪は行ったんでしょうか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、防衛省におきましては、情報保全隊がこれまでも防衛省・自衛隊の所掌事務の範囲内で関係法令に従って適切な形で情報収集をするということで行ってきております。今回におきましては、プライバシーの侵害というものが認定をされたということを受けて、原告の方には、司法の判断を尊重する形で、賠償金十万円を支払ったところでございます。
謝罪という御質問については、我々としては、国の主張が一部認められなかったというところではございますけれども、司法の判断を尊重する形で、損害賠償としての賠償金というものを支払ったところでございます。
これも繰り返しになりますけれども、文書自体が問題になっている点につきまして、防衛省が作成して対外的に明らかにしたものではないという立場を前提に、この点について、それを前提にしたような対応ということについて、なかなかできないということについて、御理解をいただければと思います。
○塩川委員 賠償金を払っても、おわびしたという話は出てこないわけですよ。こういったのが今の防衛省・自衛隊の対応だったということであります。
今回のこの事件について、じゃ、違法に収集された情報というのは削除されたんでしょうか。
○松尾政府参考人 お答えいたします。
本件訴訟で提示された内容につきましては、先ほども申し上げたとおり、防衛省として対外的に明らかにしたものではないということでございます。このため、陸上自衛隊情報保全隊が本件文書を作成したか否かも含め、国として認否できないという立場に変わりはございません。このため、当該文書に記載されていた内容が事実であることを前提にした質問にお答えすることは差し控えたいと思います。
その上で申し上げれば、これも改めてになりますけれども、情報保全隊が防衛省・自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集を行うべきことは当然でございます。仮に関係法令に反するような情報収集などが行われたのであれば、こういった行為については直ちに是正していくということは一般論として当然のことだと思ってございます。
○塩川委員 裁判所が認めている、違法ということを決めたその文書について、今、国としては認否できないということで、違法に収集した情報の削除そのものを行うということも言えないということで、今回のこの情報保全隊の違法な市民監視、個人情報収集について、反省もなければ謝罪もないということであります。
これは二〇〇三年の事件ですけれども、二〇〇二年、我が党の赤嶺議員が当時の中谷防衛庁長官に情報保全隊の任務についてただしたときがあります。赤嶺議員が、自衛隊員だけでなく民間人も情報保全隊による情報収集の対象になるのか、民間人も情報収集の対象になるのかと聞いたのに対して、中谷長官は、あらかじめ防衛秘密を取り扱う者として指定した関係者のみに限定するということを述べていたわけで、防衛秘密と関係のない年金問題とか医療の問題なんかの調査、情報収集も行っていたわけであります。イラク戦争反対の運動の情報収集から全く逸脱していたのではありませんか。
官房長官にお尋ねします。
今回の法案は、こういった違法な活動を行っていた自衛隊を始め、内閣と情報コミュニティー省庁との連携強化、一体化を推進するものであり、市民監視、人権侵害の拡大につながるということになるのではありませんか。
○木原国務大臣 ただいま、自衛隊の情報保全隊の話もありました。また、警務隊も含めて、防衛省・自衛隊の組織を運営する中ではいずれも重要な組織であるというふうに思っております。過去の事例によって、また判例によって、反省すべきことは反省し、より確かな組織として運営をしていきたいと思っております。
○塩川委員 反省がないと言わざるを得ません。
こういった違法な人権侵害の市民監視の活動に反省も謝罪もない、歯止め策もないといったのが、まさにイラク戦争のときにアメリカの無法な、大量破壊兵器はなかったわけですから、こういったイラク戦争において、それにつき従って自衛隊の海外派遣を行ったのが日本であります。
まさに日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視をし、人権侵害を拡大することになる情報機関の強化を図る今回の法案には、断固反対であります。廃案にすべきだと申し上げたい。
今回、法案で、第二条のところに重要情報活動、外国情報活動への対処と出てくるんですが、これは対になって出されているわけですけれども、これは端的に言うと、重要情報活動というのはインテリジェンスに対応し、外国情報活動への対処というのはカウンターインテリジェンスに対応している、こういうふうに受け止めてよろしいですか。
○岡政府参考人 法令上の用語ですので法令の用語を用いてしか正しい御説明はできないんですけれども、対比という点においては委員が御理解されているのと大きく相違はないというふうに考えております。
○塩川委員 それで、カウンターインテリジェンスに相当する外国情報活動への対処ということについては、配付資料をお配りしておりますけれども、外国情報活動、それから特定有害活動、重要経済基盤毀損活動、これは条文で同じ、対応しているところがあるわけであります。
そうしますと、秘密保護法の特定有害活動というのは、これは二枚目の方にも書いてありますけれども、内調としても、特定有害活動はスパイ行為等、つまりスパイ活動ということで言っているわけで、そうなりますと、外国情報活動への対処というのはいわば外国によるスパイ活動への対処、外国情報活動というのは外国によるスパイ活動、これを指しているという理解でよろしいでしょうか。
○岡政府参考人 お答えいたします。
新法案の外国情報活動への対処につきましては、そこで言うところの外国情報活動とは、典型的には、外国情報機関が行う、我が国政府又は企業の重要な秘密を狙う各種の秘密工作を称するものでありまして、スパイ行為という言い方もまたさほど違和感のない言い方であるというふうに思っております。
○塩川委員 外国情報活動というのは外国によるスパイ活動という点で違和感がないということですと。
そうすると、重要情報活動の方は、日本政府が行うスパイ活動ということになるんでしょうか。
○岡政府参考人 私ども、基本的に、法令の分野におきましてスパイという言葉を使ってはおりませんので、なかなか、ちょっとすぐには答えかねるんですけれども、例えば、懸念国、大量破壊兵器の拡散などに関しまして懸念国があって、その懸念国の政府首脳の意思でありますとか、あるいは軍拡を検討している国家の軍の能力などを探る活動、そういった情報を探る活動に関しては重要情報活動に該当いたします。我が国政府が行うものでございます。
○塩川委員 結局、スパイ活動については外国だけではなくて日本国民も対象となる、まさに情報保全隊の点で国民そのものが市民監視そして人権侵害の対象となった、こういうことを拡大するようなこういう法案は認められないということを申し上げて、質問を終わります。































