国会での奮闘をご紹介します
 
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国会での取組み


●169通常国会●
2008年6月10日 総務委員会 民営・分社化で郵政の利便性が後退したことを追及
 郵政民営化に伴うサービスの後退について追及した。

 民営化により、「ふるさと小包」事業の販売手数料が7%から10%に引き上げられ、無料だった各郵便局へのチラシ送付が業者の実費負担となるなど大幅にサービスが後退した結果、民営化前にくらべ取扱量が三分の二以下に減少したことについて、日本郵政の認識をただした。

 西川善文社長は「新会社になり、不慣れや連携不足がある。『ふるさと小包』は重要な事業なので力を入れたい」などと答弁。

 郵政民営化で郵便事業、郵便局、郵便貯金、郵便保険に四分割され、それぞれの取引に手数料等が発生することが、サービス低下につながっている。分社化による利便性の後退はあきらかだ。「郵政民営化でサービスが向上する」と約束した政府として検証する必要がある。

 増田寛也総務相は「来年3月までに郵政民営化委員会が見直しを行う」と答弁したが、委員会まかせでなく、政府として検証作業を行うべきだ。

 また、日本郵政が2007年度後半だけで労働基準監督署からサービス残業で4件の是正勧告を受けた事実を追及。西川社長は「サービス残業はあってはならないこと。会社として労働時間の適正な管理に努めたい」と答えた。

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2008年6月3日 総務委員会 NHK決算審議/職員のインサイダー取引/執行部は自ら総括を
 NHK決算(2005年度、06年度)審議で、NHK職員によるインサイダー株取引の問題を取り上げた。

 「第三者委員会」の調査報告書が、記者が取材で得た情報によって私的利益を得たことは国民に対する背信行為で、「NHKの存在意義が問われる」と指摘していることについて、NHK執行部の認識をただした。

 福地茂雄会長は「今回の事件は、組織や体質にまで及ぶ構造的な問題をはらんでいる」などと答弁。

 NHK執行部自らが事件の総括や自己分析を国民に発信してこなかった。総括が人任せでは、再発防止策の実効が伴わない。ETV番組改変の問題も含め、権力と対峙(たいじ)する姿勢が執行部からうかがえないことが、記者の倫理観の劣化をもたらしているのではないか。

 福地会長は「総括は検証番組で発信する」「不偏・不党を自覚している」と語った。

 質疑の後、05・06年度NHK決算が賛成多数で可決されたが、我が党は反対。05年度の予算は、ETV番組への政治介入で大幅に受信料の落ち込みが予想されたが、それを反映しない予算案に固執し、見込みより454億円も落ちこむ事態になった。

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2008年5月29日 総務委員会 統計センター/職員減らし役員数は6倍/非公務員化は容認できない
 独立行政法人統計センター法改定案について質問。同案は統計センターの職員の身分を国家公務員から、非公務員に変更するもの。

 変更のメリットをただしたのに対し、増田寛也総務相は「国家公務員法の適用がなくなることによって、職員の採用に柔軟性が生まれる」と答弁。

 現在も柔軟な採用が行われている統計センター。諸外国では消費者物価指数や失業率などの基幹的重要統計は、社会経済活動に直接影響を与え、個人情報や企業情報を扱うことから公務員が行っている。非公務員化は容認できない。

 統計センターは総務省の機関から2003年に独立行政法人に移行。しかし、役員が移行前の1人から6人に増えている。役員報酬を示すよう要求すると、川崎茂統計局長は「1715万円から4574万円」に増えたと明らかにした。

 職員はどんどん減らし役員だけ増やす組織形態は不合理。増田総務相は、「独立した組織なので必要な役員数は出てくる」としつつ、「具体的には知らなかった。(独法前と)比較しなければならない」と答えた。

 質問が終わった後、複数の自民党議員が「いい質問だった」と声をかけてきた。「自民党内でも“メリットないね”と言われていた。総務省が行革推進担当だったからやらざるを得なかっただけ」とのこと。ならば、きっぱりと廃案にすべきだ。

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2008年5月29日 本会議 公務員法案衆院を通過/本会議で反対討論
 本会議で、国家公務員制度改革基本法案の採決がおこなわれ、自民党、公明党、民主党、社民党の賛成多数で可決された。日本共産党と国民新党は反対し、反対討論をおこなった。

 同法案は、政府案をもとに自民、公明、民主が28日に修正提案し、同日の衆院内閣委員会でわずか1時間半の質疑をおこなっただけ。

 「全体の奉仕者」であるべき国家公務員が、歴代自民党政権のもと、キャリアとよばれる特権官僚が与党政治家や財界・業界に奉仕し、その見返りとして天下りなどの利権を拡大してきた。こうした政官財癒着内閣制ともいうべき構造にメスを入れることが求められているのに、法案は癒着体制をいっそう強化するものとなっている。

 官民人事交流の規制緩和が、営利目的の民間企業の行政への介入を本格的にすすめる。天下りの規制についてなんら規定がない。現行のキャリア制度を法定化し、特権的高級官僚制を強化する内容。

 今回の『改革』は、財界が求める『構造改革』の一環として持ち出されている。労働基本権の回復を明記せず、改革の根本問題をあいまいにした法案は認められない。

 →反対討論の概要を見る

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2008年5月28日 内閣委員会 財界の求める行政推進/公務員法案が可決
 政府提出の国家公務員制度改革基本法案が、自民・公明・民主による修正を経て、衆院内閣委員会で賛成多数で可決された。日本共産党は反対。

 労働基本権は憲法で保障されたもの。明記しなければ担保にならない。修正案で、労働協約締結権を付与するのかと質問したが。答弁に立った松本剛明議員(民主)は付与を明言せず。

「キャリア」に法的根拠を与えるもの

 さらにキャリア制度について、国家公務員は採用時から幹部候補者が事実上、固定化され政権党によって恣意(しい)的に運用されてきた。法案では実質的にキャリア採用の意味を持ってきたI種試験をやめ、総合職試験などに変更するとともに、総合職試験からの採用者であっても、ただちに幹部職員候補となるわけではないとし、キャリア制度を廃止すると説明してる。

 法案では幹部職の能力として企画立案能力を求めているが、新しく導入される『総合職試験』は何を問うものかと質問。渡辺喜美公務員制度改革担当相は「政策の企画立案に係る高い能力を有するかどうかを重視して行う試験」と答弁。

 これまでI種試験合格者を幹部職とする法文上の根拠はなかった、法案は運用で行われてきたキャリア制度に法的根拠を与えるものだ。

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修正案も政府案の基本は変わらない

 同修正案は、28日に初めて各党に示され、しかもわずか1時間半の審議が行われただけで採択する事態となった。

 採決に先立った討論で、政府提出の国家公務員制度改革基本法案と自民・公明・民主三党による修正案を批判した。

 修正案は、幹部人事を「内閣人事局」に一元化することなどが柱。しかし、政官財癒着を拡大する規程をそのままにするなど、政府案の基本は変わらない。

 国家公務員法案は、(1)官民人事交流を規制緩和し、民間企業が営利を目的として行政に入り込むことをすすめるなど官と財の癒着をさらに深める、(2)新たに導入される総合職試験などによって、キャリアとよばれる特権官僚制度に法律上の根拠を与える、(3)給与減額など労働条件の不利益変更をもたらす可能性を盛り込む一方で、労働基本権の回復については明記しない問題点がある。

 そして、公務員制度改革は、貧困と格差の拡大を進めた『構造改革』路線をさらに推進するための財界の政府『改革』方針に基づくものであり、修正案もこの方向をさらにすすめるものだ。

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2008年5月23日 内閣委員会 公務員制度改革/行政チェック妨げる政官接触制限
 国家公務員制度基本法案の柱の一つ「政官接触制限」について質問した。

 同法案には「各府省に、国会議員への政策の説明その他の政務に関し大臣を補佐する職」として政務専門官の設置が明記されている。国会議員とのやり取りを政務専門官に限ることで、内閣の方針と異なる意見をもつ官僚が国会議員に働きかけ、政治決定を左右することをなくすというのが政府の説明。

 国会と国会議員の仕事の一つは行政に対するチェック機能を果たすこと。多岐にわたる行政の執行状況や一国会で百を超える法案を限られた数の政務専門官が把握し、国会議員に説明できるのか?渡辺喜美公務員改革担当相は「政務専門官以外の担当者が説明することもある」と答弁。

 それならこれまでと変わらないではないか?渡辺担当相は「職員が国会議員に接触する際に、大臣の指揮監督を効果的にするための規律を設ける」などと答弁した。

 与党と官僚の癒着を理由に、こうした規制をもうけることは、法案の問題点を明らかにしたり、行政に対するチェック機能を果たそうとする国会議員の活動を制約する恐れがある。

うわさで法案提出?

 うわさに踊らされて、この法案を提出したわけではないでしょう――と渡辺喜美国家公務員制度改革担当相をただすと、委員会室に笑いが起こった。

 渡辺担当相は審議のなかで、「官僚内閣制」の言葉を繰り返し、その例として、「郵政民営化のときに政府の方針に反した根回しをした官僚がいた」とのべてきた。

 法案審議は事実にもとづいて行うべき。その官僚とはだれか?――渡辺担当相は質問に答えられず、「『官僚内閣制』はちまたで言われていること。そういわれない制度をつくる」などとのべるのがやっと。

 官僚とあうんの呼吸でふるまってきたのはほかならぬ与党議員。自分の党の体質にメスを入れずに、国の制度を変えるとはお門違いもいいところだ。

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2008年5月22日 内閣委員会 労働基本権保障は当然/公務員制度改革の参考人質疑
 国家公務員制度改革基本法案に関する参考人質疑を行い、作家の堺屋太一氏、弁護士の加藤健次氏ら4人が意見陳述した。

 加藤氏は自らが体験した国家公務員の労働裁判を紹介しながら、公務員にたいする労働基本権の回復が必要だと述べたうえで、「議論は公務員の実態や声、国民の行政に対する要望を踏まえて進めてほしい」と話した。

 堺屋氏は、法案の作成に携わってきた立場から問題意識を述べ「官僚への国民の信頼を取り戻すための改革」と表明。民間シンクタンク、構想日本の加藤秀樹代表は「政治主導ができる強い内閣が必要。そのための公務員制度改革」と指摘。拓殖大学の田中一昭名誉教授は今回の法案について「改革の全体像をみすえながら、実現可能なところからやっていくというもの」と述べた。

 法案には官僚と議員の接触規制が書かれているが、政官の癒着には与党議員にも責任があるのではないかと質問すると、堺屋氏は、「官僚と親しくして、影響を受けやすい議員が与党にいるのは確か」と政官癒着における与党の責任に言及。また公務員への労働協約権の付与については4人の参考人すべてが前向きの見解を表明した。

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2008年5月21日 内閣委員会 公務員基本法の狙いは「官民癒着」の人事交流緩和
 国家公務員制度改革基本法案の狙いは「官民癒着」をしやすくすることに――政府の姿勢を追及した。

 民間企業と中央省庁の人事交流についてはすでに官民交流法があり、癒着を防ぐための厳しい制限がある。交流制限の扱いをただしたのに対し、渡辺喜美公務員制度改革担当相は「検討の対象になる」と答弁し、緩和を示唆した。

 官民癒着の具体例として、規制改革推進室(内閣府)について質問。同推進室31人中18人をしめる民間出身者は、非常勤職員として派遣され、任期終了後は元の企業に戻る。

 同推進室への派遣が、規制の厳しい官民交流法を用いずに行われている。民間出身者の給与が課長補佐相当のポストで年間200万円程度と低額である。出身企業が差額を補てんしているのではないか。小島愛之助規制改革推進室長は「具体的な事例は承知しない」と否定せず。

 『手弁当』で社員を派遣している民間企業のメリットはなにかとの質問に対し、渡辺担当相は「民間では経験できないことが体験できるからではないか」と答弁。

 メリットは官でしか得られない情報が、元の企業で新たなビジネスの創出につながることではないか。交流制限の緩和は癒着を堂々と行うためのものだ。

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2008年5月20日 総務委員会 石油タンクの漏れ事故増加/原因に着目した対策を
 石油タンクなど危険物施設からの漏えい事故の増加対策として、消防機関の調査権限を強化する消防法改正案について質問した。

 危険物を貯蔵する屋外タンクでの漏えい事故は、1994年の19件から2006年には52件まで増加している。増加原因について消防庁の荒木慶司長官は、(1)施設の老朽化 (2)企業の保安部門への投資削減 ――の影響を挙げた。

 調査権限の強化は大事。漏えいの原因は明らかであり、そこに着目した対策が必要だ。荒木長官が挙げた原因に対する消防庁の具体的な防止策について質問。

 荒木長官は、老朽化対策については、「1977年以前に設置されたものについては、できるだけ早期の改修を要請している」と答弁。一方、保安部門への手当てについては、「企業の自主的な対応を期待している」と述べるにとどめた。

 企業が安全対策を軽視する懸念があるなら、規制官庁として対策を強化すべき。94〜06年の間に立ち入り検査した割合が危険物施設の55%から47%まで後退し、屋外タンクの開放検査周期も延長された。規制緩和の流れは対策に逆行するものだ。

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2008年5月15日 総務委員会参考人質疑 年金記録/審査体制強化を
 年金記録問題について参考人質疑をおこない、年金記録確認中央第三者委員会の梶谷剛委員長、東京都社会保険労務士会の小澤勇副会長(第三者委員会委員)が意見を述べた。

 梶谷氏は、保険料を納めていたにもかかわらず、社会保険庁の落ち度で本来の年金が受け取れないのは不条理だと指摘。第三者委員会として、「救済ではなく、国民の本来あるべき権利を回復・実現する」との姿勢で臨むと表明。

 これまで5万4000件の申し立てがあり、そのうち9千500件の審議を終えたと説明。「かなり悪戦苦闘している」と実情を語った。

 小澤氏は、給与上は厚生年金保険料が控除されていたにもかかわらず、事業主が保険料を納めていないケースの解決が困難である状況を述べた。

 わたしは、都道府県別の申し立て受付件数と第三者委員会の委員数にアンバランスがあるり、体制強化の必要性について質問。梶谷氏は、「ばらつきがあってはいけないし、迅速にやることが至上命令。増やした方がいいという意見には全面的に同感だ」と応じた。

 わたしが、申し立ててもヒアリングさえされないケースがあることをただしたのに対しても、梶谷氏は「ヒアリングは本人の納得という点からも重要。体制の強化も考慮に入れて対応したい」と述べた。

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2008年5月14日 内閣委員会 公務員改革法案/「民」の狙いはビジネス
 国家公務員制度改革基本法案の質問に立ち、同法案ですすめられようとしている「官民交流」について、民間企業側の本音が「新たな『ビジネス機会』の創出」にあることを明らかにし、政府の姿勢をただした。

 とりあげたのは、総務省人事・恩給局が委託研究した「民間企業等における官民人事交流に対する意識に関する調査研究」報告書。「“民から官”への派遣を通じて、民側が得たいと考えているメリット」は、「派遣する社員の『人材育成』」、「官庁等との『人脈・ネットワーク』形成」などとともに、「新たな『ビジネス機会』の創出」であると書いている。

 『民』から派遣された職員が新たなビジネス機会の創出のために業務を行うとすれば、官民癒着そのものではないか。渡辺喜美行政改革担当相は、「官民癒着との疑念を抱かれないよう、公務の中立性・公正性に留意する」などと答弁。

 法案にある『手続きの簡素化』は官民癒着を防止するための交流規制をなくすことではないかと質問。渡辺行政改革担当相は否定しなかった。

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2008年5月9日 本会議 官民の幹部交流拡大は癒着拡大の人事交流/公務員制度法案を追及
 国家公務員制度改革基本法案の趣旨説明が衆院本会議で行われ、質疑に立った。

 公務員制度改革で問われているのは政・官・業の癒着構造。天下りの規制強化が必要。総務省が日本経団連に行ったアンケートで企業側が人材交流のメリットを「社員の知見・人的ネットワークの拡大」と答えている。法案にある官民の幹部交流の拡大は、癒着の構造を広げるものだ。

 福田康夫首相は「人材交流は国と企業の双方に有意義」と答弁。

 例えば、内閣府原子力安全委員会事務局の規制調査官のポストが原発メーカーの指定席になっている。法案には癒着への「歯止め」がない。福田首相は「中立性・公正性に留意したい」などと述べた。

 法案の目玉とされている「『政務専門官』以外の国家公務員の国会議員への接触規制」は、行政情報の透明化に逆行するもの。渡辺喜美行政改革担当相は「すべての接触を禁止しているわけではない」と答えた。

 公務員の労働基本権が踏みにじられている問題について、政府の専門調査会が指摘した協約締結権「付与」が「検討」と後退したのはなぜか。福田首相は「国民の理解が必要不可欠」と述べるにとどまった。

 非常勤職員の労働条件の改善を求めたのに対し、福田首相は「どのような方策が可能か検討する」と答弁した。

→本会議質問の要旨を見る

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2008年4月30日 本会議 暫定税率復活/国民生活に大打撃/衆院本会議反対討論
 ガソリン税の暫定税率復活をはじめとする歳入・税制関連五法案の再議決について反対討論をおこなった。日本共産党からは、それぞれ●五法案が参院で否決されたとみなす動議=穀田恵二議員●国税関連二法案の再議決動議=佐々木憲昭議員●地方税関連三法案の再議決動議=わたしが反対討論をおこなった。

国民には大増税 物価高騰を加速

 地方税三法案を再議決する動議は、暫定税率復活反対の国民世論を無視する暴挙だ。

 暫定税率の復活は2兆6000億円の大増税になる。大増税を国民に押し付け、物価高騰を加速させ、後期高齢者医療制度の負担増とともに国民生活を圧迫させるものになる。

 地方税法では、軽油引取税などは道路整備に充てるという目的税が掲げられたまま。法案を押し通すことは首相の一般財源化の言明を自ら否定するものだ。

 さらに、法案が、法人税収の半分を国税化して改めて国が地方へ配分する仕組みは、国から地方への税源移譲に逆行する。法案が「税制の抜本的改定」に言及しており、将来の消費税率の引き上げに連動するという点でも見過ごすことができない。

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2008年4月24日 総務委員会 実効策のある迷惑メール規制を
 特定電子メール法改正案が25日の衆院本会議で全会一致で可決された。同改正案は「未承諾広告」などの迷惑メールに新たな規制や罰則を設け、メールの送受信に対する支障を取り除くためのもの。本会議前日の総務委員会で政府の対応など質問した。

 広告メールの受信拒否を通知した人への再送信を禁止する現行のオプトアウト方式を、事前に同意した人への送信のみを認めるオプトイン方式に改めることは、前回の改正時に要求していた内容。政府の対応は遅い。

 増田寛也総務相は、「当時、オプトイン方式に効果があるとは判断できなかった」とのべるとともに、現行方式では迷惑メールに対応できないことを認めた。

 銀行などのサイトの偽アドレスをメールで送り、個人情報を入力させて盗み取る「フィッシング」や架空請求詐欺など、迷惑メールが巧妙化している。実効ある対策が必要。

 総務省の寺崎明総合通信基盤局長は、これらの行為は違法だと認め、送信者情報を偽る行為には罰金額を引き上げるほか、今回の法改正で、インターネットのプロバイダー(接続業者)は、迷惑メール送信者のネット利用を拒否することが可能になると答弁した。

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2008年4月22日 総務委員会 障害者向け郵便集荷/日本郵政がサービス継続の徹底を約束
 郵政民営化後、障害者からの集荷依頼が相次ぎ拒否されるなどのサービス後退の改善を求め、日本郵政はサービス継続の周知徹底を約束した。

 昨年10月の北村憲雄郵便事業株式会社CEOの国会答弁を紹介して、これまで行ってきた障害者への集荷サービスは今まで通り行うという立場に変わりはないかをただした。

 日本郵政常務執行役の伊東敏朗氏は「民営化後と変わらないということを、もう一度確認を含めて答弁させていただく」と答えた。

 しかし、現場に徹底されていないのが実情。文書による周知徹底と、障害者だけでなく外出が困難な高齢者の郵便物についても集荷に応じるよう求めた。

 伊東氏は「徹底については文書で指導したい。外出が困難な高齢者などについてもできるかぎり集荷できるよう体制を整えたい」と答えた。

 政府は民営化で『サービスを後退させない』と説明してきたが、後退しているのが実態。後退させないためにどのような対応をするのか。増田寛也総務相は「サービスの向上が民営化のねらい。民営化によって国民のサービスが後退したと言われないよう総務省としてもみていきたい」と答えた。

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2008年4月22日 総務委員会 すでに「テレビ難民」発生/光ファイバー網の利用料改善を
 総務省の補助で光ファイバー網を整備した自治体の住民の中で、高額の利用料金のため「テレビ難民」が発生している問題を取り上げ、その改善を求めた。

 徳島県上勝町の事例では、総務省の「加入者系光ファイバー網設備整備事業」を活用し、高速インターネットやケーブルテレビなどのサービスを提供している。しかし、月額利用料金は、これらのサービスを一括した設定で、テレビ視聴のみの設定はない。町は「補助金が高速インターネット環境の整備という性格上、テレビだけの料金はできない」と説明してきた。

 補助金の交付を受けた自治体には、高速インターネットとケーブルテレビの料金を別に設定している例もある。別建ての料金設定が補助金の趣旨に反するかどうかただした。総務省は「料金設定に特段の要件を定めていない。別建ての料金は可能」と答弁。

 上勝町ではインターネット込みの高い料金のため光ファイバーに加入できず、すでに「テレビ難民」が生み出されている。地上デジタルへの対応は、光ファイバーの敷設だけでなく、共聴施設の改修など住民負担を最小限に抑える対応が求められる。増田寛也総務相は「重要な意見。今後の取り組みに生かしたい」と答えた。

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2008年4月17日 総務委員会 電波利用料の使途拡大/国民の理解が得られるように
 政府提出の電波法改正案が、与党と民主党などによる修正を経て衆院本会議で全会一致で可決。採決に先立つ審議で同案について質問した。

 電波法一部改正の趣旨は、携帯電話事業者やアマチュア無線局のほか、テレビ・ラジオ放送局の無線局から徴収する電波利用料の金額を改定し、使途を拡大するもの。テレビ放送事業関係の利用料を引き上げ、アマチュア無線と携帯電話事業者の利用料は引き下げる内容に。

 電波利用料の使途については電波監視など6分野としていものを中山間地域の自主共聴施設デジタル化のための改修に対する補助などにも使えるようにする。

 修正案は、電波利用料の使途を法文上明記するような内容になっている。

 修正案の趣旨は、道路特定財源で自動車を購入したような国民の理解が得られない使い方はしないということかと質問。提案者の原口一博議員(民主)「修正の意図は使途の透明性、公開性、限定性を強めることで、納税者の支持を得られない使い方は認められない」と答えた。

 さらに、修正を受けての総務省の姿勢を質問。増田寛也総務大臣は「修正案の趣旨に沿って、使い道を安易に拡大せず、適正な対応に努めていきたい」と答弁した。

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2008年4月15日 総務委員会 地デジ問題/受信障害への住民負担やめ公的対策を
 地上デジタル移行による都市受信障害の問題を取り上げ、国と公益事業者による対策を求めた。

 都市部では航空機、高架道路、送電線、建物等の影響でテレビの受信障害が発生する。米軍基地や自衛隊基地については防衛省の責任で地上デジタル対策をとることを紹介してから、民間空港周辺での電波障害対策について質問。国交省航空局次長は「テレビ受像障害が発生すれば、実態調査をして、何らかの対策を講じていく」と答えた。

 さらに、高架道路と送電線周辺について、受信障害が発生すれば会社の責任で対策をとるよう求めたのに対し、総務省情報通信政策局長は「(会社との)話し合いが原則」などと答弁。

 国、公益事業者の負担を明確にし、住民に負担を転嫁すべきでないと指摘したのに対して、増田寛也総務相は「公共施設については関係省庁と連携して、受信障害の調査を早期に実施したい。公益事業者については社会的責任、公益性があるので、総務省として働きかけをする」との考えを示した。

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2008年4月11日 総務委員会 総務省所管財団が住民に無断で受信障害補償金を取り崩た問題を追及
 テレビ電波の受信障害を解消するための施設を設置・管理する財団法人が、住民から預かっていた受信障害対策の補償金を住民に無断で取り崩していた問題を取り上げ、その是正と調査を求めた。

 この財団法人は「東京ケーブルビジョン」(TCV=東京・新宿区)。TCVは、地上デジタル化で電波障害は解消するとして、地デジに完全移行する2011年に合わせて補償の終了を決定。住民に無断で補償金を取り崩していた。

 総務省所管の財団法人であるTCVが、住民に知らせずに補償金を取り崩すことは許されない。地デジ化した後も電波障害がどの程度解消し残るのか、調査し対策をとることが求められるのではないのか。

 総務省は「TCVを調査したが、補償金の取り崩しは法令上問題はない」としながらも、地デジ調査を行うよう「指導した」と答えた。

 TCVと同様の財団法人は、全国で8団体あるという。財団は旧郵政省主導で難視聴対策のために設立されてきたもの。TCV以外の財団でも地デジ調査を指導すべきだ。

 総務省は「TCVの問題をふまえ指導したい」と約束。

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2008年4月10日 総務委員会 地デジ問題/アナログ停波の延期を要求
 2011年の地上デジタル放送完全移行までに国や放送事業者の対応が間に合わないと指摘し、アナログ放送停止の延期を求めた。

 市町村別ロードマップ(総務省、全国地上デジタル放送推進協議会作成)によると2011年以降も新たな難視、デジタル化困難世帯が19万〜26万に上る。政府が、衛星を活用したセーフティーネットを検討している問題をただした。

 衛星放送では東京の放送しか再送信されず、高知県のヒアリングでも『高知に台風がきているのに東京の天気予報が流れても意味がない』との意見が出されている。

 増田寛也総務相は「一度、時期を決めたら、そこへ向けて努力する」と述べた。

 2011年までにアナログ波のエリアを100%カバーできないと政府自身も認めたのなら、アナログ停波の時期を延期すべきだ。

 地デジ移行への大きな課題として取り上げたのは、山間部やへき地に設置されている共同受信施設(共聴施設)の改修問題。とくに、全国で約1万1000施設、78万世帯が利用している自主共聴施設の改修費は、国が1/2を負担するが、残り1/2は地方自治体と地域住民が負担しなければなない。

 市町村が地デジ整備の負担をする法的根拠をただすと、総務省は「特段の根拠はない」と答弁。

 放送法に規定されていない自治体が負担するのは筋違い。国や放送事業者、地デジで利益を享受する携帯電話事業者などが応分の負担をすべきではないか。

 増田総務相は「自治体も住民も地デジのサービスを受ける」として、負担を求めた。

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2008年3月31日 総務委員会 「つなぎ法案」可決/日本共産党も賛成
 暫定措置が期限切れとなり、一方、地方税法「改正」案が成立していないため、国民の負担増を回避するため、自動車取得税について、1)中古車の免税点引上げ(15万円→50万円) 2)省エネ車にたいするグリーン税制の継続 3)乗り合いバスへの非課税措置の継続、を実施するための議員立法が提案され、わが党も賛成した。
2008年3月24日 総務委員会 NHK予算審議/株不正取引を追及し、地デジ対策求める
 2008年度のNHKの事業計画と予算(収入6575億円、支出6472億円)についての審議。

 職員によるインサイダー問題ではは、2006年の「日経」記者のインサイダー問題をあげて「NHKはなぜ、対応策をとらなかったのか。取引禁止の内部規定がないのか」と質問した。古森重隆経営委員長は「当たり前すぎて、わざわざ作るまでもなかった、と聞いている」と答えた。

 この問題では、視聴者軽視の姿勢の表れではないか。政治介入のあったETV問題のように、政府や与党にきぜんとした態度を示せないことが、視聴者軽視となり、職員のジャーナリスト精神を劣化させ、士気を低下させたのではないか。

 地上デジタル問題では2011年のアナログ放送終了時、視聴できない世帯が、総務省などの推計で0・5%(約19〜26万世帯)残る。この対策を質問した。NHKの永井研二理事は、あくまで推計値だとのべた上で、「中継局の整備など進んでいる。実際を見ながら数字を(0・5%以下に)縮めていきたい」と答えた。

 あまねく世帯に放送を提供するため、余裕があるなら施設改修などを前倒ししてやるべきだ。それができないなら、総務省は2011年のアナログ放送の停止を延期すべきだ。

 またNHKは、自主共聴施設でも「申請があれば受信点調査をNHKが行う」との考えを示した。

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2008年2月29日 総務委員会 道路特定財源/国直轄費は高止まり/生活道路の費用圧迫
 高速道路など国直轄の道路整備事業費が増える一方、生活道路が切り縮められている構造を明らかにし、道路特定財源の一般財源化を求めた。

 国直轄による道路事業費と地方単独事業費の1996年度から2007年度までの推移をみると、地方単独事業費が6兆300億円から2兆2600億円まで減る一方、国直轄事業費は1兆7306億円から2兆758億円へと1・2倍に増加している。

 国と地方あわせた道路費は大きく減少している。なぜ直轄事業費だけ増加・高止まりしているのか。国土交通省の菊川滋大臣官房審議官は、地方の財政状況の悪化や、03年度から始まった新直轄事業の影響が大きいなどと述べた。

 一般国道の舗装補修事業への補助を廃止し、地方道の一時改良事業への補助採択基準の2億円以上から5億円以上へ引き上げている。国が地方への補助基準を厳しくし、直轄事業を増やす方向に地方を追い込んでいる。

 菊川氏は「(事業を)重点化した結果」などと答弁した。

 補助事業予算が2000年度〜06年度の間に44%減るなか、一般国道の整備事業は約3割の減にとどまる一方、地方道の整備事業は64%の大幅減となっている。日常生活に必要な単独事業が圧縮され、高速道路ばかりができるような仕組みになっている。
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2008年2月28日 総務委員会 道路中期計画/地方の負担30兆円/生活道優先へ見直せ
 地方の道路予算が国の道路特定財源の配分に左右され、生活道路が後回しにされている仕組みを批判し、見直しを強く求めた。

 今後10年間で事業費59兆円の「道路中期計画」で地方負担分(地方費)は17兆円。さらに政府は「道路中期計画」の政策目標に基づき、生活幹線道路や通学路、橋りょうなどの地方単独事業を見込んでる。

 「道路中期計画」で見込んでいる地方単独事業分が12・9兆円にも上る。「道路中期計画」の地方負担分17兆円と、同計画に連動する地方単独事業分をあわせると、約30兆円にもなる。

 「道路中期計画」で地方負担が高速道路中心に固定化されてしまう仕組みの見直しが必要だ。増田寛也総務相は、「住民との間で、どう財政負担するか、ありうる議論だ。それに伴い(負担の)見直し、変更もありうる」と答えながら、計画そのものの変更に言及しなかった。

 都道府県における道路関係経費(歳出)は、1998年度と2006年度を比較すると総額で23・9%減少する一方で、地方の借金(公債費)は102・8%も増えた(総務省・久保信保自治財政局長の答弁)ことも明らかになった。

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2008年2月27日 予算委員会第8分科会 霞ヶ浦導水事業/アユ漁獲高に影響/那珂川取水ロ建設強行やめよ
 霞ケ浦導水事業は、茨城県の霞ケ浦と那珂川を地下トンネル(約42キロメートル)で結ぶ大型開発。那珂川取水口は幅50メートルにもおよび、年間水量の12%を取水するというもの。

 アユの漁獲量全国一を誇る那珂川に漁業権を持つ4つの漁協は、アユの仔魚(しぎょ)が取水口に吸い込まれる危険や、流量の減少がアユに与える影響を指摘し、工事の撤回を求めている。

 国土交通省が漁協の反対にもかかわらず、霞ケ浦導水事業の取水口を4月にも建設しようとしている。強行はやめるよう求めたが、冬柴鉄三国交相は「漁協が反対していることもわかるが、地元からの要請もある」とし、建設強行の姿勢を示した。

 アユの降下量(海に下る量)を示すよう要求したのに対し、国交省の甲村謙友河川局長は、「年間の仔魚の降下量は約61億尾」にのぼることを初めて明らかにした。

 また、流量の減少がアユに与える影響を質問したのに対し、水産庁の重義行部長は、和歌山県日高川の調査で、流量が多いと「アユの遡上(そじょう)率が向上する」と答えた。

 また、霞ケ浦導水事業は、国交省OBの天下り企業が事業の契約額の4割をしめている。「国交省OBの仕事確保のために工事をやめられない」と言われても仕方がない実態。さらに受注している公益法人の大半が随意契約という点でも疑念がある。ムダな事業は中止すべきだ。

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2008年2月26
総務委員会参考人質疑 地方交付税は増額必要と参考人
 地方税関連三法案の参考人質疑を行い、潮谷義子熊本県知事、五十嵐敬喜法政大教授、横山彰中央大教授、田中章史自治労連副委員長の4氏が意見陳述し、それに対し質問した。

 潮谷知事は、バブル崩壊後の国の経済政策に対応した結果、「県債残高が1兆円を超えた。さらに『三位一体改革』で、300億円の地方交付税がいっぺんに削減され、大きな打撃となった」と実情を話した。

 田中氏は、自治体病院の医師不足、地域医療の崩壊や、自治体による非正規職員の切り捨てなどの実態を示し、「『構造改革』の流れを切り替え、地方交付税を抜本的に増額し、憲法25条、92条に基づくナショナルミニマムを明確に位置づけることが重要だ」と強調した。

 わたしは道路特定財源について、高規格道路が聖域とされるために、地方の負担も固定化されてしまう。その結果生活道路が圧縮される構図がある。中期計画で上から枠をはめるのはやめ、地方から積み上げていくやり方もあるのではないかと質問した。

 五十嵐氏は「公共事業を見直そうという知事や市町村長も、道路ではなぜか(意見が)ひっくりかえる。自治体が国に自由な意見がいえない構造が支配しているのではないか。これをどうするかが地方財政でも地方自治にとっても根本問題だ」と強調した。

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2008年2月26日 総務委員会 公立病院の経営難/国主導で過大投資
 地域医療の中核を担ってきた公立病院が各地で経営難に陥っている問題を取り上げ、国の責任を追及した。

 19日の衆院本会議で、福田康夫首相はわたしの質問に対して、バブル経済崩壊後に政府がとった公共投資の大幅増政策が、公立病院の過大な施設建設を招き「経営悪化の一因となった」と認めている。

 北海道の市立赤平総合病院(赤平市)の経営悪化のケース。赤平市は赤字の理由を「(1993年、94年の)診療所・管理棟の改築等による起債償還額が、毎年約2億5千万円あり…負担が大きい」(「広報あかびら」)としている。病院事業債に上限をかけていた病院施設の標準面積、標準単価を取り払うなど、国の積極的関与なしに地方の過大な公共投資はなかったのではないか。

 国の関与について増田寛也総務相は「最終的には各自治体の自主的な判断」と地方に責任転嫁。

 旧自治省が自治体単独事業を拡大するため、「単独事業推進相談室」までつくって公共投資を推進した実態を当時の新聞記事を示して、国が地方単独事業の上積みを求めた92年ごろから起債が急増しているグラフも突きつけた。国が主導的な役割を果たしたことは明らかだし、責任は免れない。

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 増田氏は、「国が一体となって実施してきた当時の状況は理解している」と述べる一方、「地方にも安易に乗ってしまった責任がある」との答弁を繰り返した。

 普通交付税の減額が公立病院の経営悪化を招いている。総務省が昨年12月に発表した「公立病院改革ガイドライン」で、交付税の算定指標を病床数から病床利用率に変更したが、利用率の低下には医師不足がある。公立病院に経営責任があるかのようなやり方はやめるべきだ。


【病院事業債】
 地方自治体が公立病院を建設・改修する際や、医療機器の購入などにあたって発行できる債券(借金)。92年までは、起債の対象事業費を抑えるために、標準面積は一病床あたり65平方メートル(大学付属病院等)、標準単価は診療部門1平方メートルあたり14万1500円(鉄筋コンクリート造り)など、面積や単価に上限額が設けられていました。93年にこの上限枠が取り払われました。

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2008年2月22日 総務委員会 法人特別税導入に根拠なし/地域格差解消のため地方交付税の復元・増額を
 政府が導入を狙う地方法人特別税について、その根拠を批判し、地域格差問題の解消のために地方交付税の復元・増額を求めた。

 特別税は、都市と地方の格差拡大を防ぐとの口実で、格差拡大の要因としてあげられている法人事業税(都道府県税)の税収の2分の1(約2・6兆円)を国税化し、譲与税として都道府県に再分配するもの。

 法人事業税1人当たりの税収額の格差が最近は縮小傾向にあるし、総務省の河野栄・自治税務局長が、『地方税』(1月号)で「地方交付税総額が抑制され、地域間の財政力格差が拡大する傾向にあり」と書いている。格差の拡大は、交付税の大幅削減で財政力の弱い自治体ほど一般歳出の削減額が大きくなったためではないのか。

 河野氏は「交付税がその原因であるということだけ書いたわけではない」などと述べた。

 「地方税の格差拡大以上に地方税+地方交付税の格差が拡大している」という全国知事会の資料を示し、地方交付税の財政調整機能を壊してきた結果だと追及した。増田寛也総務相は、「この間の交付税の急激な減が各自治体に影響を与えた」と認める一方、「偏在の問題も見過ごせない」と特別税に固執する姿勢を示した。

 特別税の導入は「税制の抜本的改革までの暫定措置」となっていることについて、現行の消費税率を前提にしては暫定措置は解消されないということかと追及すると、増田氏は「現行の消費税率をどうするかは抜本改革のなかで検討される」と答え、消費税引き上げを示唆した。

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2008年2月22日 総務委員会 「構造改革」で地方疲弊/交付税の復元を要求
 小泉「構造改革」の「三位一体改革」で地方交付税が大幅に削減された結果、自治体の住民サービスが低下している実態を示し、交付税の“復元”を強く求めた。

 人口規模の小さい自治体ほど、住民サービスを見直しているというマスコミの調査結果を示し、人口が少なく財政力の弱い自治体ほど、医療や福祉など住民サービスの見直しに踏み切らざるを得ないのは、『三位一体改革』による急激な交付税削減によるものではないのかと福田康夫首相の認識をただした。






 福田首相は、「結果としてそういう部分はある」と認める一方、「地方税源移譲が実現し、地方行財政改革の第一歩になった」と答弁。

 地方から出ている「交付税の復元」の声を示したのに対し、増田寛也総務相は、来年度予算案で財政力の弱い自治体に「地方再生対策費」をつけていると答弁。わたしは、人口4000人未満の町村に配分(試算)されている額を示して、この5年間に減額された地方交付税額の1〜2割程度にすぎないと批判した。


 さらに、全国どこでも国が保障すべき最低限のサービスを確保するための財源保障が地方交付税だ。交付税の削減は地方歳出の総額を抑制する枠組みである『構造改革』、骨太方針の下で行われてきた。交付税増額には骨太方針そのものの撤回が必要だ。

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2008年2月20日 予算委員会地方公聴会 低単価で中小企業苦境/地元財界人が悲鳴
 茨城県で開かれた2008年度予算案をめぐる衆院予算委員会の地方公聴会では「大企業もそろそろ中国一辺倒をやめて地方の企業に発注していただきたい。今もうけているのは大企業。中小企業は赤字。単価が安い」。地元の財界人から、中小企業の育成対策を求める悲鳴にも似た声が飛び出した。わたしは、地方財政に対する国の無責任ぶり、疲弊する地方の雇用、中小企業の実態などを明らかにした。

 意見陳述で橋本昌茨城県知事は、大幅削減された地方交付税の復元を主張し、道路特定財源については暫定税率の延長を求めた。連合茨城の児島強会長は、道路特定財源の一般財源化の議論が大事だと訴えた。

 茨城大学の佐川泰弘教授は、地方が「構造改革」路線という「上からの改革」を押し付けられ、地方独自に再生へ向けてユニークな発想をしたとしても、国の予算が地方間の調整でしかない実態を指摘した。

 わたしが、「国の地方財政対策は極めて問題がある」と指摘したのに対し、橋本知事も「おっしゃるとおり」と述べ、「国と地方の格差を解消するための財政的な面での手当てはほとんどされていない」と同意した。地方の税を国税にする地方法人特別税について橋本知事は「私個人としては地方分権に逆行すると考える」と述べた。
2008年2月19日 本会議 道路特定財源は一般財源に/歳入関連法案審議入り
 歳入関連法案である国税関連二法案と地方財政関連三法案の趣旨説明が衆院本会議で行われ、質疑にたった。

 地方財政関連三法案には、地方の独自税収である法人事業税の約半分を国税に変更することが含まれ、道路特定財源である軽油引取税などの暫定税率の十年延長が盛り込まれている。

 地方の疲弊をもたらした重大な原因は、小泉「構造改革」路線のもと、3年間で5兆1千億円もの地方交付税を削減したことにある。法案が「地方再生」を掲げながら、自治体病院つぶしに拍車をかけ、地方の財源不足に対する国の責任を放棄している。なぜ交付税率をひきあげないのかとただした。

 福田首相は、「国の財政は極めて厳しいため、交付税の引き上げは難しい」などと答弁した。

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2008年2月19日 総務委員会 天下りの温床になっている運輸事業振興助成金を追及/一般財源化求める
 道路特定財源の一つである軽油引取税(地方税)から拠出されている「運輸事業振興助成交付金」が、天下りと政治家への税金還流の温床となっている問題を取り上げ、一般財源化を求めた。

 交付金は、1976年に軽油引取税の暫定税率が導入された際、営業用バス・トラック事業者への「激変緩和措置」として実施され、毎年200億円程度が都道府県から各地のトラック協会などに交付されている。

 1976年の旧自治省(現総務省)の事務次官通達が一律の算定基準まで示して交付金を出すよう地方自治体に求めている。地方の自主財源の使い方に、国が口を挟むような制度は見直すべきだ。増田寛也総務相は、「(通達は)極めてまれなもの」と認める一方、「納税者(業界)の理解を得るため」と合理化した。

 全日本トラック協会(全ト協)の理事長など7人の常勤役員のうち5人が国からの天下りで占められ、理事長と常勤理事のポストは歴代旧運輸省(現国交省)と、旧自治省OBの指定席になっている。交付金を確保したという実績をもって天下っていると疑われても仕方がない。天下りは禁止すべきだ。

 増田総務相は、「(天下りが続いているのは)厳然たる事実」と認め、調査を約束した。

 さらに、全ト協副会長が代表を務める政治団体「道路運送経営研究会」に地方のトラック協会から資金が寄せられ、そこから自民党の政治団体「国民政治協会」などに献金されている。国民から「税金還流だ」と疑惑の声が上がっている。

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2008年2月15日 予算委員会 製造現場で下請け増え労災増/安全対策を――厚労相「法改正も」
 大企業製造現場で、不十分な安全対策のもと働かされる下請け労働者の実態を告発し、安全対策さえ後回しにする大企業を応援する政治は転換すべきと政府に迫った。

 製造現場で働く派遣・請負はこの10年間で103万人と2倍化。下請け労働者が労働災害にあう比率は、元請け業者の2倍以上に達している。

 昨年12月、下請け労働者4人が死亡した三菱化学鹿島事業所(茨城県)の火災事故をとりあげ、製造現場の下請け労働者の実態を明らかにした。死亡したのは四次、五次下請けの社員(図)。三菱化学は死亡した労働者の所属会社も把握しておらず、重層下請けの問題が浮き彫りになった。



 その作業現場には、本来、安全指示書などを作成する責任のある元請けや一次下請けの社員がいなかった。製造業でも、建設業と同様に元請け責任を明確化した安全対策=労働安全衛生法改正を求めた。

 舛添要一厚労相は「しかるべき法改正も検討する」と答えた。

 保安規制を緩和してきた政府の姿勢をただすとともに、三菱化学は5年間で従業員数の半分=5000人余をリストラしてきた。大量の人減らしで、まともな安全対策の継承ができるのか。

 しかし甘利明経産相は「国際競争が激化するなか、選択と集中をして生産性をあげなければならない」などと擁護。政府は同社に産業再生法を適用して約3億円もの減税をしてきた。リストラ応援を続ける政治では、まともな安全対策は取れるはずがない。

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2008年1月30日 総務委員会 ガソリン税「つなぎ法案」/危険な本質明らかに
 与党は30日、ガソリン税など暫定税率を3月末の期限切れ後も2カ月間延長する「つなぎ法案」を取り下げた。それに先立つ衆院の財務金融委員会と総務委員会で与党は、いったん審議と採決を強行。わが党は佐々木憲昭議員が財務金融委員会で、わたしが総務委員会でそれぞれ追及し、法案の危険な本質を明らかにした。

 委員会の開催自体が30日未明に与党理事だけで決められたもの。こうした重要法案では公聴会や参考人質疑を行うことが必要。きちんとした手続きもなく、なぜ今日ゴリ押ししようとするのか。

 「国民生活の混乱回避」と言い訳する与党の法案提出者(自民党・石田真敏議員)。混乱を招いているのは与党の方だ。

 さらに、与党が1月中の「つなぎ法案」の衆院通過にこだわっているのは、参院で法案が成立しない場合、衆院通過から60日を経た時点で衆院の3分の2の多数で、「つなぎ法案」を再可決させるシナリオがあるからだ。そのうえで、「つなぎ法案」の延長期間が「なぜ2カ月なのか。

 「十分な審議時間の確保のため」を繰り返す与党。「つなぎ法案」が切れる5月末まで60日間確保し、本体である租税特別措置法案に対する参院での採決の有無、法案の可否にかかわらず衆院の3分の2で再可決、成立させるという第2のシナリオがある。

 政府はまた、暫定税率の期間を従来の5年から10年に延長しようとしている。なぜ10年にするのかとただすと、与党は「租税特措法のなかで議論いただきたい」の一点張り。なぜまともに答えようとしないのか。審議拒否をしているのは与党のほうだ。

 「つなぎ法案」は暫定税率の期限切れを回避し、道路特定財源を確保する法案本体の成立を担保するためのものであり、道路特定財源の審議そのものを無意味にする。歴史上かつてない暴挙であり許されない。法案の撤回を求めた。

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2008年1月29日 総務委員会 地方交付税「改正」/総額確保は国の責任で
 2007年度補正予算案に盛り込まれた地方交付税の減額分の補てんは、将来配分される地方財源の先食いによるもの。減額分の補てんは、地方の財源で手当てするのでなく、国の責任で行うよう強く求めた。

 増田寛也総務相は答弁で、「(補正予算に盛り込まれた)今回の一般会計からの加算は地方の財源といえる」と認めた。

 わたしは、「国の責任が果たされていない」と厳しく批判した。

 さらに、自治体の共有・固有の財産である特別交付税については、地方自治体に数字だけを示すのでなく、具体的な算定方法など、その内容が分かるものを示すよう改善すべき。

 また、同交付税の算定項目についても、精査し、特別といえない経費については、普通交付税として措置することを求めた。

 増田総務相は特別交付税について「算定方式を明示したい。できるだけ透明性を高める努力をしたい」と明言。算定項目についても「中身をよく吟味し、一般的な財政需要ととらえて構わないものについては、今後も見直す」とのべた。

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