国会での奮闘をご紹介します
 
イラスト
国会質問


●第177通常国会●
2011年8月23日
災害対策特別委員会 従来の枠超えた宅地地盤被害の復旧を
 過去最大規模の被害となっている、大震災による宅地地盤被害。従来の枠を超えた支援策を求めた。

 この間、仙台市、福島県いわき市、茨城県東海村、栃木県那須烏山市の実態調査をしてきた。被害状況について国交省は、液状化による宅地被害件数は2万2952件、液状化以外の宅地被害件数は5467件に及ぶことを明らかにした。

 今までにない災害だからこそ、今までにない支援策が必要だ。

 平野達男防災担当相は「できるだけ支援をお願いしたいという強い要望を受けている。国交省で検討されている」と答えた。

 新潟県中越地震でがけ崩れ対策事業などの要件を緩和した特例措置で住民を支援した例がある。実績のある特例措置をなぜやっていないのか。

 市村浩一郎国交省政務官は「一刻もはやく復旧・復興に資するような対策を打ち出してまいりたい」と答弁。

 また同委員会では、災害弔慰金や被災者生活再建支援金、義援金の差し押さえを禁止する法案が全会一致で可決され、その後本会議で可決された。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年8月11日
総務委員会 「地域主権」第2次一括法案/住民の見地が欠落
 民主党の「地域主権改革」に基づいて国民生活を守る基準や国民の権利を後退させるなど188の関係法律を改定する第2次一括法案が衆院本会議で採決され、日本共産党を除く各党の賛成多数で可決。採決に先立ち総務委員会で質疑がおこなわれた。

 「地域主権改革」にもとづく第2次一括法案について、「地方政治の主役である住民の見地が欠落している」と批判しました。

 自治体策定の計画に対する住民の意見聴取の義務規定が13事項にわたって努力規定に後退している。さらに、今後の検討項目にバリアフリー法も含まれている。バリアフリー法は2006年改正の際、障害者などの運動によって義務規定が盛り込まれた。国民の運動によって勝ち取ってきた住民参加の規定を後退させるものだ。

 片山善博総務相は「立場の弱い方々の権利、政治参加の機会は自治体と議会が担保する」などと述べた。

 自治体策定の計画の公表も努力規定に後退するものが82事項も盛り込まれている。情報公開条例で公表を義務付けているのは都道府県でわずか4自治体しかない。住民にとっては情報公開の後退にしかならない。

 片山総務相は「(条例に義務付けがなくても)情報公開請求があれば、公開するだろう」などと弁明。

 住民の権利後退に何の歯止めも設けていないのは重大な問題だ。

「地域主権」法案/行政サービス後退は許されない

 障害者団体の参考人聴取も行わず、わずかな審議で採決を行った議会運営に抗議する。今回の一括法案が、「構造改革」路線と結びついた自公政権下の路線をそのまま具体化するものであり、福祉分野をはじめ、国の責任で守るべき最低保障を投げ捨て、国民の生活を支える行政サービスを後退させることは許されない。

 法案が住生活基本法や障害者自立支援法など自治体策定の計画に対する住民の意見反映や計画の公表について、義務規定を努力義務に後退させる改定を多数盛り込んでいる。地方行政への住民参加や情報公開を後退させることは許されない。さらに環境大臣による公害防止計画の策定指示を廃止するなど公害・環境保全の後退につながる。

運輸事業振興助成交付金法案/運送事業者の営業守れ/共産党は賛成

 運輸事業振興助成交付金は、道路特定財源の軽油引取税に暫定税率が導入された際、軽油を使用する運送事業者の負担増に配慮して創設された。総務省からの通知をもとに毎年度、各都道府県のトラック協会・バス協会などに交付され、貨物運送の安全対策や適正化事業に使用されてきた。

 しかし、2009年に道路特定財源が廃止され、軽油引取税も地方の一般財源となったため、総務省は交付金についての都道府県あての通知を廃止。交付金を廃止・削減する自治体が出てきたため、交付金制度を継続するもの。

 同法案を委員会提案とすることを決めた同日の衆院総務委員会で意見表明。総務省が通知を廃止したのは当然。本来、暫定税率そのもののあり方や軽油引取税の扱いをどうするか、貨物運送の安全対策や適正化事業に対する国の助成のあり方をどうするかなど、根本的な検討が行われるべきだ。

 そうした検討がされず、軽油引取税の税率は維持されている。運送事業者は、引き続き大きな輸送コストを抱えながらの事業を強いられている。運輸事業振興助成交付金が削減されることで、中小の運送事業者の営業と雇用に影響が及ぶことがあってはならない。限定的な措置として本法案に賛成する。

 運輸事業振興助成交付金法案は、11日の衆院本会議でみんなの党を除く各党の賛成多数で可決した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」(地域主権改革)
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「意見表明」(運輸事業振興)
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
→「議事録へ」(意見表明)
2011年8月9日
総務委員会 直ちに被災者入居公的住宅の居住条件改善を/「エアコン設置を促す」――政府答弁
 被災者が入居している公的住宅に速やかにエアコンを設置するよう求めた。片山善博総務相は、「被災地支援連絡会議の場で、(公営住宅のエアコン設置問題を)取り上げる」と述べ、設置を促す考えを示した。

 仮設住宅は、災害救助法にもとづき国庫負担でエアコンが設置されますが、公的住宅では仮設住宅扱いの手続きが必要なため設置が遅れている。

 公的住宅への被災者の入居、仮設扱い、エアコン設置の状況を質問。

 各省は「国家公務員宿舎へのエアコン設置の費用は国庫負担の対象となることを周知している」(財務省)、「雇用促進住宅については、災害救助法とは別に雇用・能力開発機構がエアコンを設置するよう7月25日付で通知した」(厚労省)、「関係都道府県に(UR賃貸住宅・公営住宅を)仮設住宅として借り上げるよう依頼している」(国土交通省)などと答え、迅速に対応することを約束した。


 また、住生活基本法でも、お年寄りや被災者など住宅困窮者の居住の安定確保を掲げている。“仮設扱い待ち”にならず、被災者の居住の条件を改善するため、国や自治体、公的機関が直ちにエアコン設置を行うべきだ。

地域主権第2次一括法案/住民の意見反映が後退

 民主党の「地域主権改革」にもとづいて出された第2次一括法案の審議が、総務委員会ではじまった。住生活基本法の改定によって住宅困窮者の意見反映が後退するとただした。

 同法にもとづく住生活基本計画は生存権保障の憲法25条を具体化したもので、低所得者や高齢者、障害者、被災者などの居住の安定を基本的施策としている。震災後に閣議決定された全国計画に、被災者の声が反映されているのかとただすと、国土交通省の市村浩一郎政務官は「入れていない」と答えた。

 今でも10万人以上が避難しているのに、被災者の声は何も盛り込まれていない。さらに、「都道府県計画」に住民の声を反映させる「パブリック・インボルブメント(住民参加)方式」の義務付けが努力義務に変更される。増大する住宅困窮者の声を遠ざけるだけだ。

 片山善博総務相は「住民の意見を反映させるのは当たり前。国が義務付けすることはない」と答弁。

 計画への住民の意見反映の規定は、国が地方を縛るものではなく、住民の立場から国と自治体に責任を果たさせるためにつくられたものだ。住民参画と住民への情報公開を後退させることは許されない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年8月2日
総務委員会 原発事故災害/避難者の実態に応じた支援の拡充を
 衆院本会議で、原発事故災害の避難住民の固定資産税など地方税を減免する法律案と、避難先・元市町村で行政サービスを受けられるようにする法律案ををそれぞれ全会一致で可決。

 採決に先立つ総務委員会の質疑で、避難者の実態を掌握して支援策を行うよう求めた。

 総務省の久元善造自治局長は、原発事故避難者は11市町村で10万人を超え、県外避難者は約5万人にのぼると答弁。

 一人暮らしや高齢者世帯も把握されておらず、孤立死などが懸念される。実態を把握して孤立化防止対策を進めるべきだ。

 片山善博総務相は「避難元の自治体が避難先の自治体と連携をとって孤立化を防ぐ必要がある。問題提起をして解決できるようにしたい」と答弁。

 避難者の入居先が、全国に散在する民間住宅借り上げや公的住宅が多い。避難実態の把握と支援策の拡充が必要だ。

 また、地方税の減免について、対象となっていない特定避難勧奨地点も年間積算放射線量が20ミリシーベルト超で、免除対象となっている計画的避難区域などと同じであり、免除とするよう求めた。

 片山総務相は「特定避難勧奨地点は広がりがない、同じように出来ない」としながらも「市町村に免除措置をしてもらうよう助言したい」とのべた。

 自治体が減免しやすいように、減収額を埋める地方財政措置を求めた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年7月29日
内閣委員会 玉突き天下りあっせん疑惑/国交省の調査を
 民主党の菅直人内閣は、天下りの「あっせん禁止」を掲げながら、国土交通省の現役官僚によって所管公益法人の“玉突き”ОB人事という天下りのあっせんが行われていたという重大疑惑。厳格な調査と天下りそのものの禁止を求めた。

 ことし2月2日、国交省九州運輸局次長の澤山健一氏が「日本小型船舶検査機構」の業務担当理事に現役出向したことから一連の玉突き人事が始まった。

 同機構の吉海浩一郎理事(元国交省海事局安全技術調査官)、山内一良理事(元国交省大臣官房付)の2人が2月1日に退任。吉海氏は、これまでも横浜海上保安部の巡視船長や海事局安全技術調査官が、「調査役」や「技術部部長」として天下りしている放射性物質などの運送会社「原燃輸送」に4月1日、再就職した。

 一方、山内氏は、4月1日、財団法人「海技振興センター」の常務理事に就任。前任者の桑原薫氏(元船員中央労働委員会事務局長)は3月31日に退任し、6月6日、社団法人「日本冷蔵倉庫協会」の理事長に就任した。


 3法人の常勤理事、理事長などが国交省の3代連続ポストになっている。国交省によるあっせんの疑いが濃厚だ。国交省ОBから重大な内部告発があった。

 このOBは、海技振興センターの理事長から桑原氏と山内氏の異動の件で、国交省の審議官から連絡があったという話を聞き、理事長に確かめたところ、理事長は、宿利正史審議官から「桑原を替える」といわれたという。また、国交省の担当課長に「ОB人事は誰が決めているのか。裏で決めているのは審議官ね」とただすと、担当課長は「そうです」と答えたという。

 この一連の玉突き人事は、役所がシナリオを描いたものだ。だからこそ、はじき出されたОBがみんな収まるところに収まっている。現役官僚によるあっせんは国公法違反だ。関与についてしっかり調査すべきだ。

 枝野幸男官房長官は、「官房もやるが、(国交省の)政務三役でしっかり調査させたい」と答えた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年7月20日
予算委員会 水産業復旧、国の全面支援を/液状化救済へ新法、首相が検討表明
 漁業・水産業の早期復旧などを取り上げ、2次補正予算案が被災地の願いに応えるものになっていないとただすとともに、水産業の一体的復旧や液状化問題など、被災者の立場にたった国の支援を求めた。

 10月にはアキサケなどが生産適期=旬を迎える。漁業と流通・加工や関連産業との一体的な早期復旧が急務だ。国の支援事業では3分の1が事業者負担で重すぎる。国の全面的な財政支援を求めた。

 菅直人首相は、「旬に遅れることがないよう(政府内で)つめてもらいたい」と答弁。2次補正の8000億円の予備費を使えばすぐにできると畳み掛けると、首相は「予備費もあるので必要であればきちんと対応したい」と答えた。

 また、高台移転をする場合、自治体負担が重く、自治体から「国がどこまでやるか見えない」との声が出ている。首相は「自治体の復興計画を国がしっかりサポートしていく。自治体が財政が破たんしないようきちんと手当をしたい」と述べた。

 さらに、液状化被害について、個人住宅などに対する国の対策が遅れ、重大な被害につながった。復旧に1戸1千万円もかかる深刻な事態だ。国による公的支援の創設を求めると、首相は「液状化の予防的な措置も必要。新たな制度を含めて検討が必要だ」と答えた。


被災者の願いに国はこたえよ――論戦ダイジェスト(「しんぶん赤旗」7月21日付」に外部リンク)


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「JCPムービーで見る」
水産業復旧、液状化対策/国の支援を/塩川議員の質問(2011.7.20)

→「議事録へ」
2011年7月14日
総務委員会 地デジ移行でテレビ難民つくるな/政府とNHKに要求
 NHK決算審議で、24日に迫った地上デジタル放送への完全移行に対して「準備が間に合わない」という視聴者の声が広がっている。アナログ停波時期を延期すべきと、政府とNHKに求めた。

 NHKの松本正之会長は7日の記者会見で「(受信者側の地デジ対応が)100%は難しい」と語っていた。NHKの調査では、6月末時点でアンテナなど受信施設だけでも「地デジ未対応」は29万世帯にのぼっている。

 経済的理由で準備できない人も少なくない。松本会長に、24日までに地デジに対応できない世帯がどのくらいになることを前提に『100%は難しい』と言ったのかを確認し、片山善博総務相に対して、テレビを見られない世帯が生まれた場合どうするのか?政府の対応をただした。

 松本会長は具体的な数を示さず、未対応世帯を「いかにミニマイズ(最小限にする)できるかが問題」だと述べるにとどまり、片山総務相は「決められた支援策で対応する」と答えた。

 市町村民税非課税世帯への支援策は、チューナーを配るだけなのでアンテナを替えることが必要な世帯は対応できないので支援策の拡充が必要だ。NHKは放送法で“あまねく放送を全国に届ける”義務があり、国はNHKに義務を果たさせる責務がある。テレビ難民は絶対につくらないという立場でアナログ停波時期の延長という選択肢を持つべきだ。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年7月12日
総務委員会 被災者入居の公的住宅を仮設指定で冷房設置へ――政府答弁
 東日本大震災の被災者が公的住宅1万3000戸に入居するなか、仮設住宅として扱われないためエアコンもない状況があることを指摘し、改善を求めた。

 埼玉県春日部市のUR武里団地の被災者がエアコンがないと訴えている。仮設住宅として扱えばエアコン設置は可能となるかと質問。厚生労働省の清水美智夫社会・援護局長は「公的住宅も含め既存の住宅について自治体が仮設住宅として借り上げて提供した場合、エアコン設置費用は国庫負担の対象とする。その旨、都道府県に通知している」と答えた。

 さらに、冷蔵庫、洗濯機など家電6点セットの支給についてもただしたのに対し、清水氏は支給を受けられることを認めた。

 被災者に提供されている国家公務員宿舎、UR賃貸住宅、雇用促進住宅、公営住宅など公的住宅について、仮設住宅として扱われているものがほとんどない。その上で、国庫負担について都道府県に周知徹底を求めた。本来、公的住宅は真っ先に被災者を受け入れるためにエアコンの設置など基本的な備品を整えるべきだ。被災者を熱中症から守るなど健康被害が生じないための対策を最優先課題とし、関係機関が連携して公的住宅を仮設住宅として扱うことを求めた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年7月11日
復興特別委員会 民間住宅借り上げ仮設に全額国庫負担を
 民間住宅を借り上げ仮設住宅とする費用は全額国庫負担とするよう求めた。民間借り上げ住宅は現在、4万429戸。首都圏への避難もあり、要望は高くなっている。

 厚生労働省が、被災者自ら借りた場合も、さかのぼって県が負担するよう通知したのに、宮城県や埼玉県は負担しない方針である。避難者に負担を押し付けないよう是正させるべきだ。細川律夫厚労相は「指導していく」と答えた。

 また、同省の通知で家賃を月6万円としたため、埼玉県が限度額月6万円としている。6万円は岩手・宮城内陸地震時の平均であり、限度額ではない、是正すべきだ。細川厚労相は「柔軟に対応するよう自治体にも申し上げたい」と述べた。

 福島県などが、災害救助費用については、被災者受け入れ自治体が、被災自治体に請求するのではなく、受け入れ自治体が国に直接請求することを要望している。費用の全額国庫負担など救助費制度の見直しを要求した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年6月16日
総務委員会 原発事故による避難者を掌握し地方税減免措置を/地方税法改正案に反対
原発事故による避難者数/全体を正確に把握を

 東京電力福島第1原発事故による避難者支援のため、避難者数など全体を正確に把握するよう求めた。

 経済産業省の松下忠洋副大臣は、原発事故で指定された区域外に避難した人は11万3000人に上ることを報告。また総務省は、区域設定がされていない、いわき市だけでも6千人を超える避難者がいると答弁。

 総務省の全国避難者情報システムの数値を踏まえると、福島県の避難者は12万人を超える。その上で、政府の緊急災害対策本部が発表に使っている警察庁のまとめでは福島県の避難者は2万人となっており、県内の避難所にいる人しか数えておらず、西日本などに避難した人も含まれていない不十分な実態把握だ。

 阿久津幸彦内閣政務官は、政府の緊急災害対策本部発表に警察庁のまとめを使わないことにしたことを明らかに。片山善博総務相は「(避難者全体を視野に入れるという指摘は)おっしゃる通りだ。全国の自治体の協力を得て把握に努めている」と答弁した。

 また、原発事故被害者の地方税減免措置を求めたのに対し、片山総務相は「やむなく避難せざるを得なかった人も含めて、ちゃんとした法整備を進める。公正・妥当な措置がされるようにしたい」と述べ、法改正を行う考えを表明した。

地方税法改正案/大企業・財界への減税でなく、国民の暮らしと雇用を最優先に

 地方税法「改正」案が、衆院本会議で民主、自民、公明などの賛成多数で可決された。日本共産党は反対。本法案は、1月に提出されていた政府案から租税特別措置などを切り離し成立させることで民主、自民、公明の3党が合意し、新規立法として提出したもの。

 本会議に先立ち総務委員会で反対討論。「国際戦略特区」における固定資産税の大幅な軽減、「特定都市再生緊急整備地域」に進出する大企業のプロジェクト支援に特化した不動産取得税の特例措置など、大企業・財界の要望に応えて「構造改革」と規制緩和を推進するものであり、大資産家向けの証券優遇税制を2年延長を図るものだ。「厳しい経済状況、雇用情勢に対応」するというなら、大企業・財界への減税と思いやりではなく、国民の暮らしと雇用を最優先することだ。

 また、納税者に対する罰則強化を盛り込んでおり、人権を無視した税務調査や滞納処分・差し押さえなど乱暴な権力行使をいっそう助長することになる。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年6月15日
内閣委員会 障害者基本法改正案が可決/修正案を提案
 政府提出の法案および民主・自民・公明3党で政府案を修正した障害者基本法改正案を全会一致で可決した。障害者が求めてきた障害者権利条約の趣旨を徹底させる点で極めて不十分なため修正案(下記)を提案。可決とはならなかったが、改正案も一定の前進面があるため賛成した。

 障害者権利条約の「私たち抜きに私たちのことを決めるな」という基本精神に反し、当事者の声を聞くための参考人質疑さえ行われなかった。政府案を決定する最終過程でも、障害者・家族が過半数を占める「障がい者制度改革推進会議」が開かれなかった。

 蓮舫国務大臣が「推進会議の意見は十分に反映した」などと答弁すると、傍聴席を埋めた障害関係者から「そうは思いません」との声がもれてきた。

 改正案が「共生社会の実現」など積極的な目的規定を掲げ、障害者について「どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され(る)」としながら、「可能な限り」と限定していることは問題だ。

 蓮舫大臣は、限定した理由を「障害が重度だと選択の機会が確保できない場合もありうる」などと説明。

 障害者権利条約には、そんな限定はない。基本法で重度の障害者でも選択の機会が確保されることを宣言してこそ、地域での実践の促進になる。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「修正案の趣旨説明」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(趣旨説明)


障害者基本法改正案――日本共産党の修正案の要点――
 日本共産党が提出した障害者基本法改正案に対する修正案の要点は以下の通り。

▼改正案3条の「全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され(る)」とする規定など「地域社会における共生」規定から「可能な限り」を削除する。

▼障害者権利条約の「合理的配慮」(障害者が障害者でない者と等しく基本的人権を享有することを確保するための必要かつ適切な変更および調整)の定義を条文に盛り込み、合理的配慮の否定を差別とする規定を追加する。

▼改正案による障害者の定義―「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」に、「周期的にもしくは断続的に」という規定を追加し、難病などの障害がより明確に位置づけられるようにする。
2011年5月26日
総務委員会 地域実情に合わせて/地デジ移行で要求
 東日本大震災で被害を受けた岩手・宮城・福島の3県で、アナログ放送の停止を最長1年間延期する電波法の特例法案が審議され、全会一致で可決された。

 地震、津波、原発事故によって受信側の準備が整わないもとで、東北3県のアナログ放送の停止を延期するのは当然だ。全国的にも地上デジタル放送の準備が整わない視聴者が残されている。総務省はサンプル調査で、地デジ受信機の普及率は94・9%、未対応の世帯は推計約265万、そのうち年収200万円未満の世帯が124万にのぼることを明らかにした。未対応世帯のうち低所得者層が半分を占めることが浮き彫りになった。

 80歳以上の世帯が除かれていて調査もされていない点や、地域間での格差もあり、沖縄県の地デジ普及率は88・9%、石垣島は80・9%で、全国平均から14ポイントも低い。いまだに多くの世帯が地デジに対応できていない。『テレビ難民』をつくらないよう、全国一律ではなく地域の実情に合わせたアナログ放送の停止をすべきだ。

 片山善博総務相は、格差があることを認めながらも「順調に推移している。最後の追い込みをしたい」と答えた。

 政府と放送事業者は2011年までに地デジ100%カバーといっていたのに、15年までと延ばした。受信者側のゴールも先延ばしすべきだ。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年5月25日
内閣委員会 原発推進法人は「天下り」指定席/「理事長」に経産省OB
 東京電力の副社長ポストが経済産業省幹部の天下り「指定席」になっていることが問題になるなか、原発推進の財団法人「電源地域振興センター」の理事長、社団法人「海外電力調査会」の専務理事も同省ОBの「指定席」となっていた。また、各電力会社に13人の同省ОBが役員・顧問として在籍していることも取り上げ、電力業界と経産省の癒着をきっぱり断ち切ることを求めた。

電力会社にいまも13人

 1990年に設立された電源地域振興センターは、初代理事長の箕輪哲氏(元工業技術院総務部長)から、現在の新欣樹理事長(元中小企業庁長官)にいたるまで、4代続けて経産省OB。

 海外電力調査会の専務理事も、1958年の設立以来、04年に就任した現職の稲葉裕俊氏(元四国通商産業局長)まで7代続いて経産省OBの指定席。

 電源地域振興センターは、02年に、電力会社が作成した原発立地給付金の受け取り拒否者リストを自治体に流した張本人。いわば、原発推進のために住民の思想調査にまで手を貸すような団体。海外電力調査会も、基本的に電力会社からの会費によって成り立っている公益法人で、ここへの天下りは、事実上電力会社への天下りといえる。

 こうした経産省の『指定席』ポストが、総務省の公益法人などへの再就職者『5代連続ポスト』調査から両団体が漏れており、“指定席”の法人を少なく見せようとしているのではないか。3代続けて国家公務員ОBがポストを占めている法人など、すそ野を広げて調査をやり直すべきだ。

 また、電力会社への天下り問題では、4月13日の同委員会で私の追及で、枝野幸男官房長官が「(原発、原子力の安全を)指導監督する行政の側と、指導監督を受ける側との間にいささかも癒着が生じているという国民的な疑義があってはならない」と答弁。石田徹前資源エネルギー庁長官が東電顧問を辞任したが、電力会社にはまだ、13人の経産省ОBが在職している。(下表)

電力会社へ再就職した経産省幹部OB(現職)のおもな経歴
氏 名 現 職 資源エネルギー庁等の経歴
山田 範慄 北海道電力常務 エネ庁公益事業部電源立地企画官
西村 雅夫 東北電力顧問 エネ庁公益事業部計画課長
白川 進 東京電力勝間 エネ庁次長
荒井 行雄 北陸電力常務 エネ庁公益事業部発電課長
小川 秀樹 中部電力顧問 エネ庁国際原子力企画官
水谷 四郎 中部電力勝間 生活産業局長
迎 陽一 関西電力常務 エネ庁電力・ガス部長
中村 進 四国電力取締役 原子力安全・保安院主席統括安全審査官
掛林 誠 九州電力執行役員 エネ庁長官官房企画調整課長
遠藤 正利 沖縄電力取締役 エネ庁長官官房海洋開発室長
小島 康壽 日本原子力発電取締役 産業技術環境局長
藤冨 正晴 電源開発常務 原子力安全・保安院審議官
太田信一郎 電源開発副社長 エネ庁次長
※経産省提出資料で作成

 13人中、11人が資源エネルギー庁や原子力安全・保安院の役職を歴任している。『資源エネルギー庁の指定職を経験した者は電力会社の役員・顧問に再就職することについては自粛を促す』とした経産省の不十分な基準にも該当している。

 枝野官房長官は、「5代連続ポスト」調査の不十分さを認め、電力会社への天下りについては、「国会の議論や国民の批判がある。それぞれが判断されることを期待する」とのべるにとどまった。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年5月25日
震災復興特別委員会参考人質疑 原発被害の全面賠償を/参考人――国の対応、迅速さ非常に乏しい
 東日本大震災復興特別委員会で参考人に福島原発事故の被害に関連して質問。

 東京電力に全面賠償を求める立場から、原発事故がなければあったであろう事業者の収入と現実の収入との差額をすべて補償することが必要だ。風評被害も補償に加え、勝手な線引きをさせないことについて尋ねた。

 福島県商工会議所の瀬谷俊雄会長は「いまの原子力損害賠償法で想定される事故のスケールではない」と特別の対応を要望。同県農業協同組合中央会の庄條徳一会長は「線など引かずに我々が申請するものに補償願いたい」と述べた。

 茨城県商工会連合会の外山崇行会長は国の対応について「迅速さが非常に乏しい」と指摘。同県農業協同組合中央会の成田治彦常務理事は賠償について「まずはスピードだ」と怒りをこめました。茨城沿海地区漁業協同組合連合会の今橋一也専務理事は「『風評被害』を必ず入れてほしい」と求めた。

 また、海の放射能汚染の計測体制について課題を問うと、今橋氏が、漁業者には魚の検査をして暫定規制値を超えた場合、他の業者にも迷惑がかかるという思いもあり混乱していると述べ、「国の明確な指示と指導を」と国の責任ある対応を求めた。


存亡の危機 国は対応早く/被災地の産業代表切々と、衆院復興特委/TPP、水産特区に批判
――5月26日(木)付「しんぶん赤旗」に掲載の記事へ――


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年5月24日
総務委員会 「災害時に大きな役割」/公衆電話の増設を
 東日本大震災のもとでの通信手段として公衆電話が大きな役割を発揮した。大災害に備えて公衆電話の増設を求めた。

 災害時において優先電話の指定が一部にとどまっている携帯電話に比べ、全数が優先電話として扱われ、国民すべてが利用できる「公衆電話の意義は失われていない」と2008年に情報通信審議会の答申がだされた。携帯電話が通じない期間が長期に続くなか、公衆電話で家族や知人の安否を確認できたという事例はたくさんある。

 その上で、この間、公衆電話が減らされ、公共施設からの撤去も相次いでいることは問題だ。公衆電話の増設と、避難所となる施設への設置の義務付けを求めた。

 片山善博総務相は「大事な視点だ。避難所の通信確保に公衆電話の設置は非常に有効だ。一方で公衆電話は不採算のところが多い」と答弁。

 単純に採算ベースの話ではなく、必要最低限の通信手段の確保という立場で事業者に対応を求めることが必要だ。

 さらに、福島県双葉郡浪江町の住民のケースでは、1・2月分の携帯電話料金に比べ、3月分の料金が3倍以上跳ね上がっている。いま通信事業者は高い収益をあげ、震災の影響は限定的だ。政府として被災者の電話料金の負担軽減を行うよう通信事業者に要請すべきだ。

 片山総務相は「福島県双葉郡のケースで言えば、原発災害に起因する損害の範疇(ちゅう)に入ると思う。東電に対し、追加費用を請求することが想定される」と述べるにとどまった。

電気通信2法案に反対/電波法改正案は賛成

 電波法改正案が全会一致、電気通信事業法及びNTT法改正案と電気通信基盤充実臨時措置法改正案が日本共産党をのぞく賛成多数で可決された。

 NTT法改正案はNTTの業務拡大の手続きを認可制から事前届出制に規制緩和するものであり、国民にとって必要性も利点も明確ではなく、届出制になれば、NTTの業務拡大に対するチェック機能の低下、審査過程の透明性の低下が懸念される。

 光ファイバーなど高度通信施設の整備に対する固定資産税の軽減などを行う電気通信基盤充実臨時措置法改正案については、利益のあがる地域で投資を行う特定の通信事業者を支援するものだ。NTTは過疎地域などの条件不利地域では積極的な投資は行われていない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年5月20日
内閣委員会 PFl法改定案で反対討論/事業の検証・撤退が必要
 民間資金を活用した公共施設の整備(PFI)を拡大するPFI法改定案を採決し、民主、自民、公明、みんなの賛成で可決。求められているのは推進ではなく、事業の検証と撤退だと反対討論した。

 改定案は、対象事業に賃貸住宅、船舶、航空機などを加えるとともに、民間事業者自ら事業を提案できるなど推進体制を拡充。利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を保持したまま、施設の運営権だけを民間事業者に委ねるコンセッション方式も可能にしている。

 1999年の法制定以降300を超すPFI事業が実施されてきたが、大半の事業でPFIの有効性を判断するための指標算定が不適切に行われてきた。PFIで実施された高知医療センター、近江八幡市立総合医療センターが次々と破たんし、内閣府のPFI推進委員会でも「PFIは必要ない。これが恐らく地方自治体の本音ではないか」との声が上がっている。これまでの事業の検証と撤退を求めた。

 また、改定案で導入されるコンセッション方式は、関西国際空港と伊丹空港を統合した新会社に、空港の「運営権」を委ねることを可能とするものだ。関空の巨額債務の責任があいまい化されるとともに、国民の財産である伊丹空港が「民営化」されることで、「空港の安全性や公共性が後退する重大な懸念がある。

公共施設のPFI評価は過大/費用削減根拠薄い

 民間資金を活用して公共施設を整備するPFI方式について、同方式を用いなかった場合に比べ総事業費をどれだけ削減できるかを示す指標であるVFM(バリューフォーマネー)が過大に算定されている問題を追及。

 内閣府がVFMをPFI実施の可否を判断する核心的な指標としている。一方、この間のPFI事業を検証してきた総務省が「VFMは…客観性および透明性が確保されているとは認めがたい」と指摘している。VFMを算定する上で重要な係数となる「割引率」が内閣府のガイドラインに従って算出されていない実態がある。

 総務省の田中順一行政評価局長は、多くのPFI事業で内閣府のガイドラインではなく、国土交通省の技術指針が参考にされてきたと答弁。

 総務省がPFIの4事業について内閣府のガイドラインでVFMを計算し直した結果、すべての事業でVFMが減り、2事業ではPFI事業が成り立たないマイナスになった。PFI事業が甘めになる国交省の技術指針の割引率適用は不適切だったのではないかとただした。

 蓮舫行政刷新担当相は、「客観性・透明性を各管理者は守ってほしい」と述べるにとどまった。

 意図的に設定されたような割引率によってPFIが加速されている。見直しと検証を強く求める。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」

「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年5月17日
総務委員会 液状化対策基準を検討/国交省が答弁
 東日本大震災で発生した液状化被害の救済と再発防止にむけ、国として基準を示すよう求めた。

 液状化被害が、茨城県では県下44自治体中32の自治体、東京湾岸地域では100平方キロのうち42平方キロに及んでいる。液状化によって甚大な被害がでるという認識は1964年の新潟大地震後からあった。にもかかわらず、平地における液状化については法令上の定めが無く、国の対応策は、『宅地防災マニュアル』での情報提供にとどまっていた。対策の不備だ。

 阪神・淡路大震災の教訓を生かした集合住宅は被害が小さかった事例もある。国として液状化防止の技術基準を定めていたら被害拡大は防げたはず。基準を示すべきだ。

 小泉俊明国土交通政務官は、「液状化対策技術検討会議で研究・調査を行い知見を深め、基準を検討する」と答えた。

 埼玉県久喜市で起きた液状化被害では、全壊認定家屋ゼロのため被災者生活再建支援法の適用外となっている。適用要件の見直しが必要だ。

 東祥三・防災担当副大臣は「見解として受け止める」と答えた。

 今求められる液状化被害対策として
(1)支援法の適用要件の緩和、支援金額の増額、支援対象の範囲拡大
(2)住宅ローン対策
(3)さらなる液状化地盤対策
――を要求した。

 2000年の鳥取西部地震で起きた液状化被害では、当時同県知事だった片山善博総務相が復旧のため補助制度を創設している。液状化被害では宅地造成した事業者の責任も問われる。

 片山総務相は、「県の造成責任もあった。また、事業者の責任も問われる。(補助制度創設にあたっては)負担金を徴収した」と答えた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年5月13日
内閣委員会 総合特区案/福祉など規制後退/反対討論
 地域限定で幅広い規制緩和を進める「総合特区」法案を民主、自民、公明、みんなの賛成多数で可決。日本共産党は、国民生活の安全や福祉を守る規制の緩和は特区という地域限定であっても容認できない、として反対。

 特区内の規制緩和は
▽工場立地の緑地面積の緩和は周辺の生活環境の悪化を招き、防災上も問題
▽特養ホームの民間参入は、営利追求が人件費削減に向かい、質の低下を招く危険がある
▽通訳案内士の規制緩和は、資格制度に穴をあけ案内士の職業を脅すとともに、質の低下を招き観光振興にも逆行する
――などの問題点がある。

 法案には、総合特区の指定地域と国との協議会の設置が定められている。民主党のプロジェクトチームが国民皆保険制度を掘り崩す「混合診療」導入を狙って、法律を条例で書き換えられるようにしようとしていた。協議会の設置で新たな規制緩和の突破口が追求されることになる。

 また、コンビナート地域での特区の提案者が、消防法上の保安規制の緩和を要求している。最初から地域限定の総合特区では、緩和へのハードルが低くなり、国民の安全や福祉の規制が後退しかねない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(反対討論)
2011年5月10日
質問主意書 10年度/官房機密費ほぼ全額使う/使途開示は拒否
 菅内閣は、質問主意書に対する答弁書で、2010年度の官房機密費(内閣官房報償費)のほぼ全額を使い切ったことを明らかにした。

 答弁書では、10年4月に2億円を2回に分けて支出したほか、5月から11年2月までは毎月1億円ずつ支出。大震災直後の3月17日には3000万円の支出を決定している。

 同機密費の予算総額12億3021万円のうち、国庫に残っていたのは、わずか21万1000円。官房長官が「未使用残」として国庫に返納した91万3082円と合わせても、残額はわずか112万円あまり。

 枝野幸男官房長官は4月1日決定の「内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針」のなかで、「東日本大震災への対応等も踏まえながら」などと、あたかも大震災対応に使うかのような記述をしているが、今回の答弁書は使途についての開示は一切拒否。

 また、民主党政権として使途の透明化をいつまでに図るのかとただしたが、答弁書は、現在は枝野長官が自ら使途等を検証しており、現時点でいつまでに「透明性の確保を図る方策」を明らかにするのかについては「お答えすることは困難」だなどとしている。

 民主党政権として機密費予算を使い切る一方で、その透明化については方針も示さないところまで後退した。自民党政権時代と何ら変わらない。


質問主意書全文(PDF)
答弁書全文(PDF)
2011年4月30日
総務委員会 政府が法律守らず原発事故措置/住民や自治体に丁寧な対応が必要
 福島原発事故を受け、政府が緊急事態宣言を出した際、法律に定められた「公示」文書にしていなかったなど原子力災害対策特措法に逸脱する数々の措置があったことが明らかになった。

 原災法は、原子力災害対策の実施措置を定めているが
(1)緊急事態宣言発令の際、応急対策実施区域を公示していない
(2)半径10キロ圏内の住民に「避難指示」を出した際の根拠条文に誤りがある
(3)原子力災害合同対策協議会の構成員である市町村に会議参加をよびかけていない
――といった法の逸脱があった。

 資源エネルギー庁の黒木慎一審議官は、応急対策実施区域について「官房長官は、落ち着いて行動するようにとのメッセージが中心だった」と答弁。具体的には何ら公示していなかったことを認め。また根拠法については「当時の混乱から適当ではない形になり、事務的に修正をした」、さらに合同対策協議会は「(関係自治体に)出席を呼びかけていない」と、これらの事実を認めた。

 政府は私権の制限など強大な権限を持っている。住民や地元自治体に対しても丁寧な対応が求められるにもかかわらず、法律上の措置さえとっていなかった。地元自治体不在、被害住民無視の対策となっている。

 片山善博総務相は「法律で決められたことは守られるべきだ」と述べた。

 委員会の質疑後、東日本大震災に対応し、特別交付税を増額・交付する地方交付税特例法案の採決が行われ全会一致で可決した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月28日
総務委員会 液状化被害の早期救済/原発事故避難の市民に等しく対応を
液状化被害の救済を早急に/防災副大臣が「基準見直し決断したい」

 内閣府の東祥三副大臣(防災担当)は、東日本大震災による液状化で被害を受けた住宅も被災者生活再建支援法にもとづく救済対象に含めるために、認定基準を早急に見直すと表明した。

 液状化による住宅被害は、東北地方のほか、被害の大きかった浦安市など千葉県内だけで約1万2000戸に達するなど、首都圏各地に広がっている。同法では全壊住宅に最大300万円までの支援金を支給するが、現状の認定基準では液状化で傾斜しながらも原形をとどめる住宅などは対象とはならない。このため、被災住民や自治体から見直しを求める声が上がり、日本共産党は国会質問などで再三見直しを求めてきた。

 質問に対し、東副大臣は千葉、茨城両県を視察したさい、自宅の床が3センチ傾いたという住民から支援を強く求める声が上がったことに触れ、「想像する以上に大きな被害だ」と述べた。

 住宅の床の傾きがわずかでも実際には住めないというのが実態であり、地盤全体が沈下している事例は、現在の被害認定基準では救済されない。それらの対策も含めて、早急な基準の見直しを求めた。

 東副大臣は、「実態を踏まえながら、できるだけ早く基準の見直しを決断したい」と答弁した。


原発事故/仮払い金支給や国の支援/全市民に等しく対応を

 福島第1原発からの距離などによって避難指示区域(現警戒区域)、計画的避難区域など4つに分断されている南相馬市の実態を取り上げ、東電の仮払い金支給や国の支援も含め、原発事故で困窮する全市民に等しく対応するよう国として措置するよう要求した。

 原発から20キロと30キロという距離によって合併前の3つの旧自治体の領域とほぼ重なる形で分断される一方、30キロ圏外でも自主避難したり工場の移転で失業した住民が多く、桜井勝延市長が30キロ圏内にかかわらず市内全域を支援の対象とするよう求めている。全市民を補償の対象とすべきだというのは、当然の要求だ。

 片山善博総務相は、仮払い支給などは「決定する組織が責任をもって決めるべき」だとしつつ、地域を預かる首長の意見は「できるかぎりくみ取るべきだ」との見解を示した。

 また、罹災(りさい)証明書発行や医療費の窓口負担無料化などの措置についても、距離で線引きするやり方は是正すべきだ。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月27日
内閣委員会 総合特区法案/福祉の規制緩和可能になる問題点
 特区を定めていっそうの規制緩和を進める「総合特区」法案について、福祉や国民生活にかかる規制緩和が可能になると問題点を指摘した。

 法案には工場立地にかかる緑地規制緩和や特養ホームへの民間参入などの緩和措置が盛り込まれている。

 また、通訳案内士の国家資格がなくても有償ガイドができるようにする特例措置は、大手旅行会社が安いコストでガイドを確保することに道を開くだけだ。一昨年JTBが外国人留学生を対象に「ガイド募集」をかけ、国交省から、「通訳案内士法に違反する恐れがある」と厳重注意を受けている。安易な緩和は観光立国の足下を掘り崩すことになる。

 また、資格が国際観光の質を保つために設けられており、地域限定通訳案内士もそれに準じた試験を行っている。どう質を担保するのかと追及。

 国交省の小泉俊明政務官は「研修をしっかりする」とする一方で、「観光客が増えているので現行制度では対応できない」などと弁明した。

 さらに、総合特区に設ける特例措置には政省令の条例による書き換えまで含まれている。国が「従うべき基準」として保育所の「人員配置基準」や「居室面積基準」を省令で定めても、それを超えた規制緩和すら自治体で可能となり、認められない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月22日
総務委員会 震災に対応の地方税法改正案/全会一致で可決
 東日本大震災での被害に対応するための税制措置を盛り込んだ地方税法改正案。地方税の減免措置に関連し、財産を失った被災者は納税猶予となっても後で納められる見通しもない。延滞金免除はもちろん、納税力を十分、考慮した判断をするよう要求。総務省の逢坂誠二政務官は「十分に配慮した対応が必要だ」と答弁。

 津波被害を受けた家屋、土地は固定資産税、都市計画税が免除される。地方の減収分への財政措置をただすと、片山善博総務相は「歳入欠陥債の元利償還分は100%国がみる」と答弁した。

 さらに、各地で地すべりや液状化による地盤被害が起こっている。過去最大規模の液状化被害に対応した支援策が必要だ。片山総務相は「個別の自治体が現場の実態をみて必要な措置を講じる」と答えたが、被害実態から見て、津波被害に対する固定資産税免除に準じた対応も具体化すべき、一歩踏み込んだ措置を。

 また、今回の法改正に含まれなかった原発事故被災者への地方税減免措置について質問。片山総務相は、被害実態が確定していないとして、「今後の推移をみて必要に応じて法案を出す」と答えた。

 地方税法改正案は、この後の衆院本会議で全会一致で可決された。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月21日
総務委員会 地域一括法案/保育所防災基準投げ捨てるもの
 「地域主権改革」一括法案に盛り込まれた児童福祉法「改正」について、避難経路など国が保障すべき保育所の最低基準を投げ捨てるものになっている。

 複数の避難経路の確保など、建築基準法よりも厳しく設定されてきた保育所の防災基準。東日本大震災で保育所の避難実態をみると、子どもの命を守る安全基準を後退させることは絶対に認められない。

 片山善博総務相は「地域で(基準を)決める方が長い目でみたら安全度合いが高まる」と答弁。

 全国一律の最低基準に穴を開ける仕組みをつくっておいて安全が高まるなどという認識はおかしい。保育所の面積基準については、待機児童解消を理由に面積基準を緩和すれば、子どもたちを詰め込むことになる。面積基準の引き下げにつながるのは明らかだ。

 片山総務相も「現実に即して考えれば、そうなる」と引き下げを認めざるをえなかった。

 関係団体の意見を十分に聞かずに立法をはかるやり方も許されない。同案は撤回すべきだ。


最低基準を地方任せにする域主権法案に反対

 「地域主権改革」一括法案など3法案が総務委員会で採決され、「地域主権改革」の文言を削除するなどの修正のうえで民主、自民、公明、社民各党の賛成多数で可決され、日本共産党は反対した。

 反対討論では、中央集権的な統制や監督、関与の仕組みを縮小・廃止し、住民自治と団体自治を拡充すべきだというのが日本共産党の立場。同一括法案は、保育所や高齢者・障害者施設の設置・管理運営基準など福祉・教育分野でナショナルミニマム(最低基準)を保障する国の責任が地方への条例委任化などによって投げ捨てられている。

 また、同法案が自公政権の「地方分権改革」路線をそのまま踏襲し、福祉・防災に強い自治体づくりという東日本大震災の教訓からも根本的転換が求められている。修正案も文字の置き換えと削除だけで法案の内容を何ら変えるものではない。

 さらに、「国と地方の協議の場」を設置する法案についても地方分権改革路線の推進が目的である。地方自治法改定案は議員定数の法定上限を撤廃するもので、歯止めない議員定数の削減につながる。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→反対討論の要旨
2011年4月19日
総務委員会 地域一括法案/障害者の権利を後退させる
 「地域主権」改革一括法案の問題を取り上げ、障害当事者の人権侵害の恐れが大きいと批判した。

 同法案は、福祉や教育など公共サービスの国の基準を関連41法律にわたって緩和し、地方まかせにするもの。身体障害者療護施設の設置基準として定められてきた居室定員4人以下など、長年の障害者運動によってつくられたものを地方まかせにすることは、障害者の権利を後退させ、国のナショナルミニマム(最低基準)保障を投げ捨てるものだ。

 厚労省の小林正夫政務官は「(国も)必要な助言や支援を行う」などと答弁。

 法案は障害当事者の意見聴取もなく作られたことを指摘すると、小林政務官は「障害者団体からのヒアリングをしていない」と答えた。

 政府が提出している第2次法案では、市町村が障害福祉計画を策定する際に住民の意見聴取を行う「義務」を「努力」規定に後退させている。小林政務官は第2次法案でも「(関係団体の)ヒアリングは実施していない」と認めた。

 片山善博総務相が「義務規定がないからといって自治体が(住民の意見を)聞かないかといったら、そういうことはない」と強弁。

 しかし、住民の意見聴取規定は、国が地方に押し付ける規定ではない。主権者である国民の意見を施策に反映するために国と自治体に課せられた規定だ。

国の責任投げ捨て

 「地域主権」一括法案は「義務付け・枠付けの見直し」と称して、福祉や教育などの公共サービスを保障する国の責任を投げ捨て、地方まかせにするもの。

 関連41法律を一括改定するもので、公営住宅や児童福祉施設、老人福祉施設、障害者施設などの整備・運営基準を事実上、規制緩和します。関連188法律の改定を盛り込んだ第2次法案も今国会に提出している。

 同法案では、保育所など児童福祉施設の整備や運営の最低基準も自治体の条例まかせとなり、東京都など待機児童が多い市町村では、保育所の居室面積基準も自治体に委ねられる。

 210万世帯が暮らす公営住宅についても、その整備基準と入居資格基準も自治体まかせで、住民追い出しや門前払いが進む危険を抱えている。

 参院の審議では、日本共産党の山下芳生議員が「最低基準が維持、向上される担保がない」とただしたのに対し、政府側は「変わるものとは思っていない」と答えるだけで、何ら保障がないことが浮き彫りになっていた。

 採決で反対討論にたった山下議員は、「最低基準は、子どもたちが健やかに発達できる環境を国が保障し、その水準は時代とともに引き上げることが明記されている。国の財政保障の基準など、重要な役割を果たしており絶対になくしてはならない」と述べていた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月15日
内閣委員会 仮設増・現金支給/避難者に支援を
 福島第1原発事故による避難者の現状の把握と、実態に見合った支援を求めた。

 福島第1原発から30q圏内の住民数を質問したのに対し、枝野幸男官房長官は「約14万人」と答弁。

 総務省は「21万ないし22万人」と答弁していたが、必要な住民数さえ把握せず実態に見合った支援ができるのだろうか。枝野官房長官は、「大変問題」と陳謝。

 さらに、国や福島県の避難者対策が、実態にかみあっていない。福島県内の5万以上の避難世帯に対し住居確保も十分でなく、また親類などを頼り避難している人が7万人以上である。仮設住宅の増設や、親類を頼る避難者に現金支給するなどの対策を行うよう求めた。

 これに対し枝野官房長官は、「仮設住宅の増設をしていく方向だ」と述べ、生活支援にとりくむことを明らかにした。

 また、地盤の液状化被害に関して、茨城県鹿嶋市や千葉県香取市など5市長が、液状化被害の認定基準の見直しなどを求めている。対策を要求した。

 松本龍防災担当相は、「調査して基準の見直しも含め勉強したい」と述べ、職員を茨城県に派遣することを明らかにした。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月15日
内閣委員会 犯罪収益移転防止法案/個人情報が警察に蓄積
 違法な「資金洗浄」(マネーロンダリング=犯罪で得た不正な収益の出所を隠す行為)を取り締まる犯罪収益移転防止法改定案を賛成多数で可決。日本共産党は、警察による個人情報管理に問題があるとして反対した。

 同改定案のうち、電話転送事業者に顧客情報確認を義務づけ、預金口座の不正譲渡への罰則強化などについては、振り込め詐欺対策上、異論はない。その上で、資産や収入というプライバシー情報が大量に不必要に警察に蓄積されることは看過できない。

 昨年度の「疑わしい取引」情報の届け出約29万件のうち犯罪の疑いがないと分析された情報が3分の1にのぼる。犯罪と無関係の個人情報は破棄するのかとの質問に、小谷渉警察庁組織犯罪対策部長は「警察庁で保存している」と認めた。

 今回の改定案では従来の本人特定情報だけでなく、職業や資産、収入など大量の個人情報が警察庁に蓄積される。警察庁以外の独立した機関で行うべきだ。

 警視庁公安部の情報流出事件では、人権侵害の疑いが濃厚な個人情報が含まれているのに警察庁はいまだに最終的な説明をしていない。このような警察による個人情報蓄積は、国民の理解が得られない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年4月13日
内閣委員会 東電天下り「調査し報告」/エネルギー政策歪めた疑義/官房長官が答弁
 東京電力の副社長が経済産業省幹部の「天下り」の“指定席”になっている問題で、枝野幸男官房長官は、「指定ポストといわざるをえない」「原発、原子力の安全という問題については、指導・監督する側と、受ける側にいささかの癒着もあってはならない」とのべ、政府として調査し、報告する考えを表明した。

 官僚時代に「原子力行政のまとめ役」といわれた石原武夫元通産事務次官が1962年に天下りしてから、ことし1月に顧問として天下りした石田徹前資源エネルギー庁長官まで、エネ庁の長官、次長が、東電に天下りし、顧問→常務→副社長となっている。これを世間では、指定席というのではないか。

 枝野官房長官は、「おっしゃるとおり」とのべ、指定席であることを認め、「今回のような(原発)事故が発生し、広く疑義が持たれるのは当然だ。東電と石田氏は、しっかりと、この事態を受け止めていただきたい」とのべた。

 石田氏が長官時代の昨年6月、「14基以上の原発の新増設」などの「エネルギー基本計画」をとりまとめた中心人物である。電力業界の要求にこたえた人物が、原発推進政策という手土産を持って天下る。これが、日本のエネルギー政策をゆがめてきたのではないか。

 枝野官房長官は、「ゆがめてきたであろうという疑義を国民に持たれている」と事実上、認めざるをえなかった。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月12日
総務委員会 参考人質疑/被災地市長らから意見を聞く
 参考人質疑で、東日本大震災で沿岸部が壊滅的な被害をうけた岩手県釜石市の野田武則市長や、中越地震に被災し、現在、福島県からの避難住民を受け入れている新潟県の泉田裕彦知事などから意見を聞いた。

 野田市長は、「当市で確認された死亡者数は11日現在で708人、行方不明の方は602人。家や財産を失った市民も多数に及ぶ。地域行政機能の拠点が失われた。市職員は7人が死亡、100人が家屋の流出を経験した。さまざまな業務に人手が足りない状況だ」と訴え、がれきの撤去や地域コミュニティーに配慮した仮設住宅の建設、緊急的な雇用の場の確保、仮設商店街の形成などの経済対策、防災に配慮した避難システムの確保などを訴えた。

 泉田知事は、被災者支援制度について、モノがどれだけ壊れたかによって支援内容が変わる点や、災害救助法にもとづく支援では使途が制限されている問題点を指摘。「受け入れ自治体でも対応できるような柔軟な制度の構築をお願いしたい」と求めた。

 私が、地域医療の確保が重要だと指摘すると。野田市長は「もともと医師数が少なく、医療過疎の地域。医師団に協力してもらえる仕組みをつくっていただきたい」と述べた。

 私が、被災者支援メニューの活用範囲を定めるのが、住家の被害認定となっている現行制度のあり方そのものを見直すべきだと強調すると。

 これにたいし、泉田氏は「おっしゃる通り。モノに着目しても生活は立ち直らない。日々の生業をどうするかという観点や地域全体でどう復興させるかという観点が必要だ。人の生活をどう立て直すのかという観点での立法を」と求めた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年4月5日
総務委員会 原発被害/賠償金を一刻も早く
 福島原発事故の被害・損害問題を取り上げ、東電に仮払いも含めて、賠償金を一刻も早く避難者に支払うよう求めた。

 原発事故による避難者は20万人以上に及んでいる。着の身着のままで避難した避難者は当座の生活資金さえままならない。補償と生活支援をただちに行うよう求めた。

 片山善博総務相は「必要な生活資金の供与は急がれるべきだ」と答弁。

 また、千葉県や東京都、横浜市などで発生した液状化による家屋損壊の被害認定についても質問。千葉県浦安市では市域の4分の3が液状化し、1万世帯が被害の調査対象となるなど深刻な被害が生まれている。

 家屋の被害認定は、「傾斜が20分の1以上」を全壊とするなど液状化による被害を反映するものとなっていない。広範囲に及んでいる被害実態にふさわしい要件緩和を要求。住み続けることができない状態ならば、全壊に相当する。被害状況を踏まえ、被災者支援の立場で行う自治体の被害認定を尊重すべきだ。

 内閣府の長谷川彰一審議官は認定事例が「全壊判定は数件程度と少ない」と認め、「自治体からの相談には対応したい」と答えた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年3月29日
総務委員会 地方税法「つなぎ法案」は大企業優遇で反対
 地方税法のつなぎ法案が衆院本会議で民主、自民、公明、みんな、社民などの各党の賛成で可決され、日本共産党は反対した。

 これに先立つ衆院総務委員会の質疑で、つなぎ法案の中に「都市再生法」関連の不動産取得税や「スーパー港湾」の固定資産税の減税など大企業優遇の措置が含まれていることをあげて反対の立場を表明した。

 国が福島原発事故に伴って「避難指示」「自主避難」を呼びかけた30キロ圏内から避難したのは何人かとただしたのに対し、総務省の門山泰明審議官は「30キロ圏内には21万人〜22万人が居住していたが(避難した住民の)数は不明」と答弁。

 避難者数も把握できないのでは、適切な対策は取れない。

 片山善博総務相は「経産省と県が避難計画を定めていたが、ワークしていなかった」と答えた。

 そもそも県の原発防災計画は10キロ圏内の計画でしかない。避難したすべての住民を視野に入れた支援を求めた。

 また、地震による地盤沈下で浸水被害が広範囲に起こっており、宅地などに用いることができない状況で、固定資産税の軽減措置が必要になっている。

 片山総務相は「地元自治体の(財政)持ち出しにならない法的な手当てをしなければならない」とのべた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年3月25日
内閣委員会 自治体の機能確保を
 福島原発事故に伴う役場移転問題で、住民福祉の機関である自治体の機能確保が住民の生活を支える一番の力。国として全力で支援を求めた。

 役場移転は、埼玉県に避難した双葉町を含め8町村にのぼっている。この移転は国の避難指示の拡大によって生じた。移転自治体には、さまざまな課題があり、人手が足りず、パソコンも足りない。国はニーズを把握しているのかをただした。

 片山善博総務相は、双葉町には総務省職員を派遣して聞き取りをしたことを明らかにしながら、「首長とも連絡を密にしていきたい」と答弁。

 三宅島の場合は、特別措置を行った。放射能汚染や仕事の確保など自治体再建に財源措置を含めて支援するよう求めると、「役場機能が円滑に運営されるようサポートしていく」と述べた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年3月24日
総務委員会 大震災の影響でアナログ停波/「状況見きわめたい」と総務省
 2011年度NHK予算審議で総務省の平岡秀夫副大臣は、東日本大震災の影響で7月24日の地上デジタル放送への完全移行=アナログ停波が危ぶまれている問題にたいして、「(アナログ停波について)状況を見きわめたい」との認識を示した。政府が停波延期の可能性について言及したのは初めて。

 とくに被害の大きかった宮城、岩手、福島の3県の地デジ受信機世帯普及率が全国平均(94・9%)より1〜4ポイントほど低いうえ、海岸地域では地デジ放送が届かない地域も多い。

 難視聴地域対策として政府が実施している衛星放送は東京の番組しか放送されない。被災地に地元の放送が提供されない事態があってはならないし、被災を受けた人々に地デジ化の費用負担を強いるべきでない。全国一律のアナログ放送停止は見直すべきではないか。

 平岡副大臣は「これまで7月24日に向けて取り組んできた。方針としては、これを達成していきたい」としながらも、「(震災の)影響等について状況を見きわめてまいりたい」と答弁した。

 また、被災地でのNHK受信料免除の対象に、原発事故による避難指示が出されている方が入ることを確認。自主避難者にも拡大するよう要望。

 NHKの松本正之会長は「柔軟に対応したい」と約束した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年3月22日
総務委員会 地震・津波・原発災害/国は最大限努力を
 この間おこなった、茨城、福島県などの被災地調査をふまえて、東日本大震災や原発災害対策を政府に求めた。

 震災被災者を受け入れた県に、国がその費用を払う措置をとったが、津波や地震だけでなく、原発事故避難者の受け入れ費用についても国が負担すべきだ。

 経済産業省の中西宏典審議官は、原子力対策特別措置法にもとづき「国が一部、または全部を補助する」と答えた。

 被災者は都市再生機構のUR住宅に無料で入居できるのに、原発避難者は家賃が必要になる。こんなことはあってはならない。

 片山善博総務相は、雇用促進住宅では原発災害でも6カ月間無料だと述べ、「こういう取り扱いが常識的だ。国土交通省に話したい」と約束。

 さらに、110番も119番もいまだに使えず、町村会からも「衛星携帯電話」が要望されている。

 片山総務相は、奄美豪雨災害のさいに塩川議員から要求があったことにふれ、「(今回の震災で)有用性を痛感した。配備されるよう積極的にとりくむ」と応じた。

 農産物から規制値以上の放射性物質が検出され出荷停止となっている問題は、生産者に何ら責任はない。補償を行うよう求めた。

 片山総務相は、原子力損害賠償法により対処すべきとの認識を示した。


国の責任後退させる/交付税法改定案で反対討論

 予算関連法案である地方交付税法改定案が衆院本会議で、日本共産党以外の各党の賛成多数で可決された。これに先立つ総務委員会で反対討論。

 管政権が昨年6月の「財政運営戦略」で、国の一般歳出と地方交付税の合計額を今後3年間、71兆円以内にする「歳出の大枠」を決定し、地方財源抑制の仕組みを導入した。いっそうの住民サービスの切り下げや人件費削減などの「地方行革」を強いるものだ。

 地方財源が不足した場合に臨時財政対策債を発行し、地方にその半分を負担させる「国・地方の折半ルール」を法定化するものである。自公政権と同様に地方財源不足に対する国の責任を投げ捨てるものだ。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
「質疑」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

「反対討論」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」(質疑)
→「議事録へ」(反対討論)
2011年3月8日
総務委員会 公害防止策や旧日本軍の毒ガス健康被害問題で質問
「地域主権」/公害防止策で国の責任後退

 地方自治体が行う公害対策事業に国が財政支援する公害防止財政特別措置法を10年間延長する改正法案が、総務委員会で全会一致で可決された。

 現在も公害被害は解決されておらず、10年間の期間延長は必要だ。

 また、政府の地域主権戦略大綱では、環境大臣が自治体に公害防止計画の策定を指示する環境基本法の規定を廃止するとしている。公害防止計画の策定を各都道府県の判断に任せるというのは、公害対策に対する国の責任を後退させるものだ。

 これに対し、近藤昭一環境副大臣は「ご指摘の懸念というものもある」と答弁。加藤由起夫大臣官房審議官は「環境省のリーダーシップが求められる場合によっては、国として公害防止計画の策定を要請するという形で適切に対処したい」と答えた。

 要請するというのは技術的な助言でしかない。公害対策推進に対する国の責任を後退させることになる。地域主権改革の名での環境基本法『改正』は行うべきではない。


旧日本軍遺棄の毒ガス/被害者への支援を

 茨城県神栖(かみす)市で発生した旧日本軍遺棄の毒ガスによる健康被害問題を取り上げ、被害者への恒久的な支援を求めた。

 同事件は2003年に有機ヒ素化合物に汚染された井戸水を飲んで数百人が手足のしびれや震え、歩行困難、頭痛などに見舞われた事件。

 国の製造責任は明らかだとただしたのに対し、近藤昭一環境副大臣は「発見された物質は旧軍由来のものである」とのべ、遺棄の責任の所在にかかわらず、「健康を守る責任は国にある」と認め、「この観点からしっかり取り組んでいきたい」と答えた。

 03年から行われている健康被害にかかわる緊急措置事業の期限が今年6月までとなっている。近藤副大臣が昨年、小沢環境相(当時)に「年限をきらない恒久的な支援」を要請していた。住民には将来の健康被害について強い不安がある。年限をきらない恒久的な措置を行うべきだ。さらに、障害を抱えた子ども、その両親への直接給付など小児支援体制整備事業の拡充を求めた。

 近藤副大臣は「被害者の健康不安を解消していくために対応を継続しなければならない」「(小児支援事業についても)しっかりとやっていかなければならない」と答えた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年2月22日
総務委員会 日本郵便が非正規を“狙い撃ち”/雇い止めやめよ
 JPエクスプレスの宅配便会社の統合による赤字を口実にした日本郵便の“非正規切り″は許されない。

 日本郵政における非正規の正社員化の意義を尋ねると、片山善博総務相は「出来るかぎり労働者の雇用条件というのは安定した環境が必要だと思う」と答えた。

 今回の流れは、非正規の正社員化に逆行する。雇い止めや『意向確認調査』の提出を求めて勤務時間削減をせまる“兵糧攻め”で退職に追い込むものだ。

 郵便事業会社の赤字の主な要因は何かと問いただしたのに対して、平岡秀夫総務副大臣は、「当初(の見通し)より悪化した収支のうち、JPエクスプレスとの統合によるものが中間期で8割、通期では9割を占めている」と答弁。赤字の主要因がJPエクスプレスの統合によるものであることが浮き彫りになった。

 懸念の声を無視して宅配事業の統合を推進した現経営陣と、追認した総務省に赤字の責任があると追及すると。日本郵政の中条吉郎専務執行役は「悪化させた責任は真摯(しんし)に受け止めなくてはならない」と答弁。平岡副大臣は「厳格な審査をしていればという思いがある」と認めざるをえなかった。

 赤字の責任を労働者にしわ寄せするのは許されない。雇用を確保する立場で指導監督を行うよう要求した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年2月18日
予算委員会 地方財政抑制なら問題/一括交付金の懸念次々/参考人質疑
 地方自治について参考人質疑。

 来年度予算に盛り込まれた一括交付金について慶応義塾大学の井手英策准教授は「予算の削減を目的として総額を抑制するためだけに一括交付金化を行うなら大変な問題となってくる」と述べ。また千葉県野田市の根本崇市長も「一番の心配は、補助金と交付税の削減。いまのままでは削減のために使われていると思う」と指摘した。

 質疑で、一括交付金化が総枠を抑制する目的をもつのであれば、財政運営戦略の「国は地方財政の自主的かつ安定的な運営に配慮し、地方公共団体に負担転嫁するような施策を行ってはならない」との地方への約束に反するのではないかと質問。

 これに対して井手氏は「限られた財源でパイを奪い合えば、どこかにしわ寄せが来る。全体のパイを増やす議論を他方でやりながら、どこに配分するかの議論が大切」と語った。

 日本共産党が公契約法と公契約条例を求めていることを挙げ、考えを尋ねると。全国初の公契約条例を制定した根本氏は「適正な単価は国である程度決めてもらわないといけない」と答え、大阪府池田市の倉田薫市長は「一定のルールを構築する必要がある。国がまず範を示していただけるとありがたい」と語った。

 また、片山善博総務相が民間委託である指定管理者制度の運用改善通知を出したことに関して抜本的改善が必要だとの私の提起に対し、根本氏は「募集要項に条件をつけ最低賃金を決めている。官製ワーキングプアはつくりたくないと思っている」と答えた。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」
2011年2月15日
本会議 「地域主権」は自公政権と同じ/国の責任投げ捨てになる
 地方税法等改定案などについて質問。民主党政権が進める「地域主権改革」は、自公政権時の地方分権改革推進委員会の勧告をそのまま実行する中身だ。

 「義務付け・枠付け」の見直しと称して、保育所の面積基準を自治体の条例に委任するなど、生存権を保障するための国と自治体の義務を見直す内容は、あらゆる分野で国のナショナルミニマム保障への国の責任を投げ捨てることになる。

 菅首相は、「自公政権下の地方分権改革とはめざす方向で一致している」と答え、「地域主権改革とナショナルミニマムの観点のバランスが重要」などと述べるにとどまった。

 財政運営戦略で、一般歳出と地方交付税の合計額を今後3年間、71兆円以内にする地方財源抑制の仕組みを導入したことは、これが固定されれば社会保障費の抑制、公務員人件費の削減を地方自治体に強いることになる。

 国民の窮状を無視して、国が地方に徴税強化を押し付けたため、サラ金まがいの脅しや自宅の差し押さえなどが行われている。生存権を脅かす徴税強化に自治体を駆り立てることは直ちにやめるべきだ。

 菅首相は「減免措置を講じるなどして適切に徴税が行われるべきだと考える」と答弁した。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「質問の要旨」
2011年2月7日
予算委員会 アナログ停波の延期と官房機密費の情報公開を要求
アナログ停波の延期を要求

 予算委員会の一般質問で、地上デジタル放送への完全移行に向けた国民の準備が整っていない問題を取り上げ、政府に「7月24日のアナログ放送打ち切り」の延期を要求。

 全国で最も早く地デジ放送が開始された東京都(2003年)でも、戸建て住宅と集合住宅合わせて約60万世帯、首都圏1都3県では約110万世帯が地デジに未対応となっている。(昨年12月末の調査結果)

 また、総務省の「地デジ浸透度調査」では、年収200万円未満の世帯の2割以上が地デジに未対応であり、同調査では80歳以上の高齢者世帯(250万世帯)が調査対象から外されている。『テレビ難民』を出さないと断言できるのか。

 片山善博総務相は「残された期間で最善の努力で解消する」「電波法の改正(01年)で地デジ移行期間を10年と決めた」と答弁。

 全国市長会でもアナログ停波の延期を提言(全国市長会サイトへ外部リンク)している。衛星放送を使った政府の救済策は、東京キー局の番組だけで、地域のニュースや災害情報は流れない。停波したアナログ帯を使うのは携帯電話事業者などの大手企業だ。大企業のもうけを優先して、『テレビ難民』をつくりだすのは許されない。支援策の拡充とともに、アナログ停波を延期するよう求め。

機密費を新たに2億円/枝野長官は残額言わず

 枝野幸男官房長官は答弁で、昨年12月に仙谷由人前官房長官が、また今年1月に枝野長官がそれぞれ1億円の官房機密費(内閣官房報償費)を新たに引き出したことを明らかにした。民主党政権発足以来、すでに総額14億円が引き出されたことになる。

 仙谷前長官から引き継いだ「金庫」内の残額をただしたのに対し、枝野長官は「お答えは差し控えさせていただく」と答弁。

 政権交代直後に平野博文長官が、自民党政権から引き継いだ金庫は「カラ」だったと証言しており、情報公開が明確に後退している。

 鈴木宗男受刑者(新党大地代表、前衆院議員)が暴露した「内閣が代わるさいには金庫に残っていた官房機密費をカラにして引き渡す」というのが、自民党時代の「慣例」だった。自民党政権当時の実態も調査せず、引き継いだ金庫がカラだったかどうかも明らかにしない枝野長官の姿勢は、自民党政権時代の『慣例』を引き継ぐことにしたのではないかという疑念がぬぐえない答弁だ。民主党の“自民党化”といわれてもしかたがない。


「衆議院TV・ビデオライブラリから見る」
Windows Media Player型式
RealPlayer型式

→「議事録へ」

back▲